原 因 菌 とリスク 因 子 内 因 性 真 菌 性 眼 病 変 の 原 因 となる 真 菌 で 最 も 多 いものはカンジダ 属 で 90%を 占 める とされています カンジダ 属 の 他 にはアスペルギルス 属 クリプトコックス 属 などが 続 きます カンジダ 属 のなかでは Candida



Similar documents
監 修 北 辰 会 有 澤 総 合 病 院 内 科 大 八 木 秀 和 1 時 間 目 子 宮 内 膜 症 名 古 屋 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 産 婦 人 科 中 原 辰 夫 NAKAHARA Tatsuo 月 経 困 腎 難 不 を 全 訴 とはどのような えて 来 院 される

5 月 27 日 4 子 宮 頸 癌 1 GIO: 子 宮 頸 癌 の 病 態 診 断 治 療 について 理 解 する SBO: 1. 子 宮 頸 癌 の 発 癌 のメカニズムや 発 癌 過 程 について 説 明 できる 2. 子 宮 頸 癌 および 前 癌 病 変 の 分 類 ついて 説 明 でき

<4D F736F F F696E74202D208D4C94A C BB38EBA814089FC95CF2E B8CDD8AB B83685D>

1章A_責了.indd

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

4. 手 術 により 期 待 される 効 果 手 術 は 直 腸 癌 に 対 する 治 療 として 最 も 確 実 な 方 法 とされていますが これに よりすべての 直 腸 癌 が 治 癒 するわけではありません 肉 眼 的 にすべての 癌 が 取 り 除 けた 場 合 でも 目 には 見 えない

PowerPoint プレゼンテーション

想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

診療行為コード

Microsoft Word - 通知 _2_.doc

図 表 1 1,000 万 円 以 上 高 額 レセプト ( 平 成 25 年 度 ) 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷 病 名 順 位 月 額 医 療 費 主 傷

HIV感染防止マニュアル(出力用).indd

ひろっぱ355号2月Web用に.indd

< F2D874491E682528FCD2091E DF C A2E>

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

各論_1章〜7章.indd


1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

<4D F736F F D F8DC4955D89BF92B28F915F8D4C93638DBB90E895942E646F63>

3 薬 局 サービス 等 (1) 健 康 サポート 薬 局 である 旨 の 表 示 健 康 サポート 薬 局 である 旨 を 表 示 している 場 合 健 康 サポート 薬 局 とは かかりつけ 薬 剤 師 薬 局 としての 基 本 的 な 機 能 に 加 えて 積 極 的 な 健 康 サポート 機

<947A957A8E9197BF C E786C73>

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

感 染 対 策 がマニュアルに 従 って 実 施 されるように 指 導 することや 病 棟 での 意 見 を 聞 き 入 れることが 重 要 です そして ICT 検 討 会 で 改 善 策 な どについて 話 し 合 います 巡 回 は 医 療 施 設 の 規 模 によって 異 なりますが 通 常

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

3. 外 来 収 支 分 析 表 Ⅲ 3 1は 外 来 部 門 の 診 療 科 別 の 損 益 経 営 指 標 を 表 したものです 外 来 部 門 の 医 業 収 益 は 3 億 32 百 万 円 材 料 費 等 を 差 し 引 いた 第 一 限 界 利 益 額 が2 億 46 百 万 円 直 接

PowerPoint プレゼンテーション

Taro-iryouhoken

我孫子市小規模水道条例

2-1膠原病.doc

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

がん専門病院における薬剤師養成のあり方に関する調査研究

10w.xdw

3 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 (23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与 月 額

質 を 向 上 させることが 医 療 経 済 の 効 率 化 につながると 思 われます( 図 1) 感 染 症 の 場 合 を 考 えてみます 早 期 に 診 断 し 適 正 な 治 療 をし 合 併 症 なく 早 期 に 治 癒 させることができれば 入 院 費 治 療 費 などを 減 少 させ

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

Microsoft Word - nagekomi栃木県特定医療費(指定難病)支給認定申請手続きのご案内 - コピー

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

Microsoft Word 菊地

Microsoft Word - conference

血 清 気 管 ク ロ ア カ ス ワ ブ : 各 10 検 体 細 菌 検 査 心 肺 肝 脾 全 血 顔 面 腫 脹 部 皮 下 ス ワ ブ を 血 液 寒 天 DHL 寒 天 チ ョ コ レ ー ト 寒 天 に ス タ ン プ ~ 48 時 間 好 気 微 好 気 培 養 ウ イ

4 ぼうこう又は直腸機能障害


(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 H H H5.4.1 ( 参 考 値 ) 97.1 H H H H5.4.1 H H5.4.1 ( 参 考

(\202g22\214\366\225\\.xls)

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

Microsoft Word - 3大疾病保障特約付団体信用生命保険の概要_村上.docx

Microsoft PowerPoint - 糖尿病調査リリース最終稿110707

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

認 定 看 護 師 専 門 看 護 師 集 中 ケア 新 生 児 集 中 ケア A 呼 吸 ケアチーム 加 算 150 点 呼 吸 ケアチームの 設 置 救 急 看 護 小 児 救 急 看 護 慢 性 呼 吸 器 疾 患 看 護 急 性 重 症 患 者 看 護 A 247 認 知 症

本 校 の 沿 革 昭 和 21 年 昭 和 49 年 昭 和 54 年 昭 和 60 年 平 成 9 年 平 成 11 年 平 成 18 年 北 海 道 庁 立 農 業 講 習 所 として 発 足 北 海 道 立 農 業 大 学 校 に 改 組 修 業 年 限 を1 年 制 から2 年 制 に 改

8.2 重 大 なハザードに 対 するリスク 分 析 及 びリスク 低 減 措 置 の 結 果 本 品 について JIS T14971 を 参 照 してリスクマネジメントを 実 施 した 結 果 そのリスク 分 析 において 特 定 したハザードのうち リスク 低 減 が 必 要 である 重 大 な

5

目次

Microsoft Word - 1表紙.doc

(Microsoft Word - \213\213\227^\201E\222\350\210\365\212\307\227\235\214\366\225\\\201iH \)\201iHP\227p\201j.doc)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

社 内 資 料 ムルキナ 点 眼 液 0.1%の 生 物 学 的 同 等 性 について Ⅰ. 要 旨 プラノプロフェン 0.1% 含 有 点 眼 液 ムルキナ 点 眼 液 0.1%について 他 社 市 販 品 (ニフラン 点 眼 液 千 寿 製 薬 株 式 会 社 )を 対 照 製 剤 とし 薬 理

044 多発血管炎性肉芽腫症

OD 研 究 会 報 No.74 号 -- 内 視 鏡 達 負 担 精 密 可 能 除 頃 バ 条 件 ぜ 条 件 細 胞 傷 爆 四 八 散 例 胃 肝 へ ぜ 肝 器 血 量 至 ぐ 閉 肝 限 学 界 識 率 語 婦 産 卵 巣 爆 婦 系 引 張 上 げ 破 細 胞 び 散 播 腫 ゅ 識

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

<4D F736F F F696E74202D204C C C835B A43976D90858E598B5A8F EF088E4816A2E707074>

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

<4D F736F F D208B5489AA8E7382CC8B8B975E814592E888F58AC7979D939982C982C282A282C BD90AC E937894C5816A2E646F63>

光 輪 はさみこども 園 学 校 保 健 安 全 法 ( 第 19 条 )に 準 ずる(H24.4 改 定 ) 病 名 感 染 しやすい 期 間 登 園 のめやす 症 状 ( 発 熱 全 身 症 状 呼 吸 器 症 状 )がある 期 間 インフルエンザ ( 発 症 前 24 時 間 ~ 発 病 後

Microsoft Word - H25普通会計決算状況 .docx

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

<4D F736F F D208D4C93878CA793AE95A888A48CEC835A E815B8CA C8FF7936E977697CC2E646F63>

(5) 特 定 施 設 の 使 用 の 方 法 (6) 色 等 の 処 理 の 方 法 (7) 排 出 水 の 色 等 の 汚 染 状 態 及 び 量 2 一 の 施 設 が 特 定 施 設 となった 際 現 にその 施 設 を 設 置 している 者 ( 設 置 の 工 事 をしている 者 を 含

学校安全の推進に関する計画の取組事例

東 京 電 力 ホールディングス 株 式 会 社 労 働 環 境 改 善 2016/9/29 在 分 野 名 括 り 5 内 容 これまで1ヶ 月 の 動 きと 今 後 1ヶ 月 の 予 定 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 備 考 員 の 確 保 状 況 と 地 元 雇 用 率 の 実


tokutei2-7.xls

< F2D F97CC8EFB8F BE8DD78F9192CA926D>

腫 瘍 随 伴 性 天 疱 瘡 IgG デスモプラキン I/II, BP230, エンボプラキン, ペリプラキン, 170kDa 蛋 白 ( 未 同 定 ), Dsg3, Dsg1 薬 剤 誘 発 性 天 疱 瘡 IgG 多 様 IgA 天 疱 瘡 SPD 型 IgA デスモコリン 1 IEN 型

3 保 険 料 ( 掛 金 )を 納 めていること 原 則 として 初 診 日 月 前 々 月 まで 国 民 年 金 加 入 期 間 全 体 うち 3 分 2 以 上 きち んと 納 めている( 保 険 料 免 除 期 間 も 含 む)ことが 必 要 です 現 在 は 特 例 として 初 診 日 が

平成17年度の人事行政等の状況

アフターケア.indd

<4D F736F F D A94BD837D836C B4B92F62E646F6378>

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

<96DA8E9F81698D8791CC A2E786C73>

第 9 条 の 前 の 見 出 しを 削 り 同 条 に 見 出 しとして ( 部 分 休 業 の 承 認 ) を 付 し 同 条 中 1 日 を 通 じて2 時 間 ( 規 則 で 定 める 育 児 休 暇 を 承 認 されている 職 員 については 2 時 間 から 当 該 育 児 休 暇 の

Microsoft PowerPoint - )大腸癌をお受けになる方に図(南堺_更新用 [互換モード]

3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

全設健発第     号

Microsoft Word - H27報告書

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

伝 染 病 予 防 法 ( 以 下 法 という ) 第 一 条 第 二 項 の 規 定 に 基 づき 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 感 染 症 が 予 防 方 法 を 施 行 す べき 伝 染 病 として 指 定 されたこと これにより 病 原 性 大 腸 菌 O 一 五 七 を 含 め 腸 管

Microsoft Word - 公表資料(H22).doc

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

Transcription:

2014 年 9 月 17 日 放 送 真 菌 性 眼 内 炎 の 予 防 と 治 療 兵 庫 医 科 大 学 感 染 制 御 部 講 師 中 嶋 一 彦 はじめに カンジダ 血 症 真 菌 による 眼 内 感 染 症 は 眼 科 手 術 や 外 傷 コンタクトレンズなどが 原 因 でフサリウム 属 やアスペルギルス 属 などの 糸 状 菌 による 感 染 症 を 生 じる 外 因 性 のもの と 血 流 を 介 して 主 にカンジダ 属 が 眼 内 に 運 ばれ 眼 内 で 増 殖 炎 症 を 生 じる 内 因 性 に 分 けることができます 今 回 は 眼 科 以 外 の 一 般 診 療 科 でも 広 くみられる 内 因 性 の 真 菌 性 眼 内 炎 について 解 説 します 内 因 性 眼 病 変 の 病 態 内 因 性 の 眼 病 変 の 病 態 は 真 菌 血 症 により 脈 絡 膜 の 血 管 に 運 ばれ 肉 芽 腫 性 脈 絡 膜 炎 を 生 じます 病 巣 はブルッフ 膜 を 越 え 網 膜 に 炎 症 が 及 びます 網 膜 にとどまる 場 合 は 脈 絡 網 膜 炎 となり 広 い 意 味 での 眼 内 炎 といえます そして 網 膜 からさらに 硝 子 体 へ 感 染 が 進 展 すると 硝 子 体 混 濁 を 生 じ 硝 子 体 に 膿 瘍 を 形 成 し 狭 い 意 味 での 眼 内 炎 となり ます また 網 膜 の 炎 症 が 拡 大 することにより 網 膜 剥 離 を 生 じ 重 度 の 視 力 低 下 や 失 明 を きたし 患 者 さんの 生 活 の 質 を 著 しく 低 下 させることになります

原 因 菌 とリスク 因 子 内 因 性 真 菌 性 眼 病 変 の 原 因 となる 真 菌 で 最 も 多 いものはカンジダ 属 で 90%を 占 める とされています カンジダ 属 の 他 にはアスペルギルス 属 クリプトコックス 属 などが 続 きます カンジダ 属 のなかでは Candida albicansが 最 も 多 く 44~60% C.tropicalis13~19% C.glabrata 8~19% C.parapsilosis 5%であったと 報 告 されています カンジダ 性 眼 病 変 はカンジダ 血 症 が 主 な 原 因 となりますので カンジダ 血 症 の 重 要 な 原 因 として 血 管 内 留 置 カテーテルがあげられます カンジダ 属 はカテーテル 関 連 性 血 流 感 染 の 原 因 菌 としては 4 番 目 に 多 く 血 流 感 染 の 9%はカンジダ 属 であったと 報 告 され ており 真 菌 性 眼 病 変 の 90%は 中 心 静 脈 カテーテルなど 靜 脈 内 にカテーテルの 留 置 がな されている 患 者 さんであったとの 報 告 があります その 他 の 本 症 のリスク 因 子 として 消 化 管 や 心 血 管 手 術 後 多 発 外 傷 広 範 囲 熱 傷 アルコール 中 毒 血 液 透 析 麻 薬 注 射 の 濫 用 臓 器 移 植 血 液 悪 性 腫 瘍 好 中 球 減 少 症 糖 尿 病 ステロイドや 広 域 抗 菌 薬 を 使 用 されている 患 者 さんなどがあげられます カンジダ 性 眼 病 変 の 臨 床 症 状 カンジダ 血 症 を 生 じた 患 者 さんのうち 脈 絡 網 膜 炎 から 硝 子 体 浸 潤 まで 含 め 眼 病 変 を 合 併 する 割 合 は 15~29%とされています 近 年 では 真 菌 性 眼 病 変 の 危 険 性 が 啓 発 されつ つあることで カンジダ 血 症 における 抗 真 菌 薬 の 早 期 開 始 の 重 要 性 が 認 識 され 重 篤 な 真 菌 性 眼 病 変 は 以 前 より 減 少 したとされますが 硝 子 体 まで 浸 潤 を 来 す 割 合 はカンジダ 性 眼 病 変 全 体 の 内 のうち 10% 程 度 はあるとされま す また カンジダ 血 症 が 証 明 されず 眼 症 状 から 眼 病 変 が 診 断 された 症 例 では 硝 子 体 浸 潤 を 来 すことはまれで はありません カンジダ 性 眼 病 変 の 臨 床 症 状 は 初 期 には 眼 症 状 は 見 られないとされます 脈 絡 膜 を 越 え 硝 子 体 へ 炎 症 が 生 じると 飛 蚊 症 目 のかすみなどがみられ 眼 病 変 が 進 行 すると 視 力 の 低 下 や 眼 痛 なども 出 現 します 診 断 のためには 血 液 培 養 から 真 菌 が 検 出 されれば 必 ず 眼 科 医 による 眼 底 検 査 が 必 要 です また 真 菌 血 症 がなくとも 抗 菌 薬 不 応 性 の 発 熱 や 炎 症 所 見 が 持 続 し 視 力 低 下 飛 蚊 症 眼 痛 などの 症 状 が 有 る 際 にも 眼 病 変 の 存 在 を 疑 う 必 要 があります 深 在 性 真 菌 症 の 補 助 診 断 に 用 いられる 血 清 β-d グルカンの 値 が 高 値 を 持 続 する 際 にも 真 菌 性 眼 病 変 が

存 在 しないか 検 査 する 必 要 があります カンジダ 血 症 が 判 明 した 患 者 さんで 初 回 の 眼 底 検 査 では 眼 病 変 がみられない 場 合 で も 1 週 間 後 の 再 検 査 で 10% 程 度 に 眼 病 変 が 見 られたとの 報 告 もありますので カンジ ダ 血 症 が 判 明 した 直 後 だけではなく 1 週 間 後 にも 再 度 眼 底 検 査 を 行 う 必 要 があります 眼 底 検 査 では 初 期 病 変 は 網 脈 脈 絡 膜 炎 であり 黄 白 色 の 滲 出 斑 がみられ ます 進 行 し 硝 子 体 への 炎 症 が 波 及 す ると 羽 毛 状 雪 玉 状 数 珠 状 とよば れる 硝 子 体 混 濁 が 出 現 し 眼 底 の 透 見 は 不 良 となります また 前 房 内 に 炎 症 細 胞 が 出 現 し 悪 化 するとフィブリ ン 析 出 前 房 蓄 膿 虹 彩 後 癒 着 続 発 性 緑 内 障 へと 進 行 することもあります 治 療 / 抗 真 菌 薬 選 択 のポイント 治 療 としては 第 一 にカンジダ 血 症 の 原 因 となる 中 心 静 脈 カテーテルなどは 早 急 に 抜 去 をする 必 要 があります それに 併 せて 抗 真 菌 薬 の 全 身 投 与 が 基 本 となります 抗 真 菌 薬 の 選 択 の 重 要 なポイントは 抗 真 菌 薬 の 眼 内 への 移 行 性 原 因 菌 種 および 重 症 度 にあ ります 抗 真 菌 薬 を 全 身 投 与 した 際 の 硝 子 体 への 抗 真 菌 薬 の 移 行 性 を 血 中 濃 度 と 比 較 すると アゾール 系 であるフルコナゾールは 69~85% 程 度 ボリコナゾールでは 約 53% イトラ コナゾールで 約 4%です 従 来 第 一 選 択 として 用 いられてきたアムホテリシン B も 移 行 性 は 15% 程 度 で 決 して 良 いわけではありません しかし アムホテリシン B 脂 質 化 製 剤 は 動 物 実 験 のモデルでは 旧 来 のアムホテリシン B より 移 行 性 が 良 とされるため アム ホテオリシン B 脂 質 化 製 剤 の 選 択 が 推 奬 されます また 抗 真 菌 薬 の 投 与 が 長 期 に 必 要 となることもあり 腎 障 害 の 副 作 用 を 防 ぐ 面 からもアムホテオリシン B 脂 質 化 製 剤 の 使 用 が 推 奬 されます なお アムホテオリシン B 脂 質 化 製 剤 の 使 用 にあたっては 低 K 血 症 を 来 しやすく 低 K 血 症 は 腎 機 能 障 害 につながるため 血 清 K のモニタリングと 補 充 を 行 う 必 要 があります 一 方 キャンディン 系 薬 は ミカファンギンでは 0.46% カ

スポファンギンは 検 出 できない 濃 度 であり キャンディン 系 薬 の 移 行 性 は 極 めて 不 良 で す 従 って 硝 子 体 に 病 変 が 有 る 場 合 にはキャンディン 系 薬 は 使 用 できません 一 方 網 膜 脈 絡 膜 へは 34% 程 度 移 行 するため 病 変 が 脈 絡 網 膜 内 にとどまる 際 に 限 り キャンデ ィン 系 薬 の 使 用 も 考 慮 されます 硝 子 体 浸 潤 が 強 い 場 合 や 黄 斑 部 に 近 い 部 位 に 病 変 がある 際 には アムホテリシン B 脂 質 化 製 剤 を 選 択 肢 し これに 加 え 眼 内 への 移 行 が 良 好 であるフルシトシンを 併 用 しま す しかし フルシトシンは 単 独 使 用 では 耐 性 化 を 来 しやすいため 必 ずアムホテリシ ン B 脂 質 化 製 剤 の 併 用 薬 として 用 います 原 因 となるカンジダ 属 の 菌 種 により 抗 真 菌 薬 の 感 受 性 に 違 いがあるため 血 液 培 養 や 眼 科 手 術 で 得 られた 菌 種 により 抗 真 菌 薬 を 使 い 分 ける 必 要 があります C.albicans で はホス-フルコナゾールが 第 一 選 択 になります 第 二 選 択 としてアムホテリシンB 脂 質 化 製 剤 やボリコナゾールが 選 択 されます また C.parapsilosis C.tropicalis もホス-フルコナゾールへの 感 受 性 も 良 いため ホス-フルコナゾールが 第 一 選 択 薬 となり 第 二 選 択 としてアムホテリシン B 脂 質 化 製 剤 とボリコナゾールが 選 択 されます 一 方 C.glabrata や C.krusei はホス-フルコナゾールへの 感 受 性 が 良 くありません C.glabrata によるカンジダ 血 症 などでは 感 受 性 のよいキャンディン 系 薬 が 使 用 されま すが 硝 子 体 へ 浸 潤 がある 際 には 移 行 性 を 考 慮 しアムホテリシン B 脂 質 化 製 剤 が 第 一 選 択 となります 第 二 選 択 としてミカファンギンやキャスポファンギンなどのキャンディ ン 系 薬 も 考 慮 されますが あくまでも 網 膜 に 病 変 がとどまる 際 にのみに 限 定 されます C.krusei は 第 一 選 択 としてボリコナゾールまたはアムホテリシン B 脂 質 化 製 剤 が 第 一 選 択 となりますが 感 受 性 試 験 を 行 い 感 受 性 があるものを 選 択 する 必 要 があります 原 因 となるカンジダ 属 が 不 明 な 場 合 には 第 一 選 択 薬 としてホスー フルコナゾールを 第 二 選 択 薬 としてボリコ ナゾールあるいはアム ホテリシン B 脂 質 化 製 剤 の 使 用 が 推 奬 されて います

難 治 症 例 では 病 巣 の 除 去 や 薬 剤 の 移 行 性 改 善 原 因 真 菌 の 検 体 採 取 を 目 的 として 硝 子 体 手 術 が 行 われます また 硝 子 体 手 術 ができず 全 身 投 与 では 改 善 が 得 られない 場 合 抗 真 菌 薬 の 全 身 投 与 に 加 え 硝 子 体 内 に 直 接 抗 真 菌 薬 が 注 入 されることもあります 抗 真 菌 薬 の 投 与 期 間 は 3 週 間 から 3 ヶ 月 程 度 は 必 要 であるとされますが 眼 底 検 査 に より 網 膜 病 変 が 完 全 に 瘢 痕 化 するまで 投 与 が 必 要 です また 抗 真 菌 薬 の 投 与 終 了 後 も 少 なくとも 6 週 間 までは 眼 底 検 査 を 行 い 眼 病 変 の 再 燃 が 生 じていないか 確 認 する 必 要 があります 眼 病 変 が 脈 絡 網 膜 炎 のみであれば 視 力 予 後 は 一 般 に 良 好 です カンジダ 性 眼 病 変 はカンジダ 血 症 に 伴 って 生 じることが 多 いため 発 症 自 体 を 予 防 す ることは 困 難 です しかし カンジダ 血 症 が 判 明 した 際 には 必 ず 眼 底 検 査 を 行 うことに より カンジダ 性 眼 病 変 を 早 期 に 発 見 することが 可 能 であり 正 しい 治 療 を 行 うことに より 重 症 化 を 防 ぎ 患 者 さんの 視 力 を 守 ることができます