農 林 水 産 省 は 生 産 者 に 対 して 生 産 した 米 を 全 量 政 府 に 売 り 渡 す 義 務 を 課 していた 食 糧 管 理 法 ( 昭 和 17 年 法 律 第 40 号 ) 施 行 期 に 米 の 生 産 量 が 増 大 し 政 府 において 米 の 売 買 に 伴 う



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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

っては いずれか 一 方 の 事 業 を 補 助 金 の 交 付 の 対 象 とする 3 第 1 項 各 号 に 掲 げる 事 業 において 国 県 若 しくは 本 市 からの 補 償 金 の 交 付 又 は 損 害 保 険 契 約 によ る 損 害 てん 補 その 他 これに 類 するものを 受

3 地 震 保 険 の 割 引 地 震 保 険 に 加 入 されている 場 合 耐 震 改 修 後 保 険 料 の 割 引 (10%)が 受 けられる 場 合 があ ります ご 加 入 の 保 険 会 社 にお 問 合 せになり 宅 耐 震 改 修 証 明 書 の 写 し あるいは 固 定 資 産

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定


Transcription:

会 計 検 査 院 法 第 30 条 の2の 規 定 に 基 づく 報 告 書 米 の 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 等 について 平 成 2 8 年 7 月 会 計 検 査 院

農 林 水 産 省 は 生 産 者 に 対 して 生 産 した 米 を 全 量 政 府 に 売 り 渡 す 義 務 を 課 していた 食 糧 管 理 法 ( 昭 和 17 年 法 律 第 40 号 ) 施 行 期 に 米 の 生 産 量 が 増 大 し 政 府 において 米 の 売 買 に 伴 う 多 額 の 損 失 が 生 ずることになったことなどのため 昭 和 44 年 度 から 米 ( 主 食 用 米 )の 生 産 量 を 調 整 するとともに 水 田 において 主 食 用 米 以 外 の 作 物 への 作 付 転 換 等 を 実 施 した 農 業 者 に 対 して 交 付 金 等 を 交 付 するなどの 施 策 ( 以 下 生 産 調 整 対 策 という )を 実 施 して きており 平 成 26 年 度 までの 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 の 交 付 額 は 計 約 9 兆 0576 億 円 に 上 っている 25 年 12 月 に 内 閣 に 設 置 された 農 林 水 産 業 地 域 の 活 力 創 造 本 部 は 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 を 前 提 とした 米 の 生 産 調 整 対 策 が 農 業 の 担 い 手 の 自 由 な 経 営 判 断 や 市 場 戦 略 を 採 っていくことを 著 しく 阻 害 し 意 欲 のある 担 い 手 の 効 率 的 な 生 産 を 大 きく 妨 げる 原 因 となっているとして 30 年 度 を 目 途 に 米 の 生 産 調 整 の 見 直 しを 含 む 米 政 策 の 改 革 や 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 廃 止 等 を 内 容 とする 農 林 水 産 業 地 域 の 活 力 創 造 プランを 決 定 した これを 受 けて 農 林 水 産 省 は 30 年 度 を 目 途 に 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 に 頼 らず とも 生 産 者 等 が 中 心 となって 円 滑 に 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 が 行 われることを 目 指 した 上 記 米 政 策 の 改 革 を 進 めている このような 状 況 の 中 で これまで 実 施 されてきた 生 産 調 整 対 策 の 内 容 成 果 課 題 等 を 分 析 して 検 証 することは 今 後 の 改 革 の 着 実 な 実 施 に 向 けて 有 益 であると 考 えられる 本 報 告 書 は 以 上 のような 状 況 を 踏 まえて これまで 実 施 されてきた 米 の 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 等 について 検 査 を 実 施 し その 状 況 を 取 りまとめたことから 会 計 検 査 院 法 ( 昭 和 22 年 法 律 第 73 号 ) 第 30 条 の2の 規 定 に 基 づき 会 計 検 査 院 長 から 衆 議 院 議 長 参 議 院 議 長 及 び 内 閣 総 理 大 臣 に 対 して 報 告 するものである 平 成 2 8 年 7 月 会 計 検 査 院

目 1 検 査 の 背 景 1 (1) 米 の 生 産 調 整 対 策 の 背 景 1 ア 食 管 法 施 行 期 3 イ 食 糧 法 施 行 期 4 ウ 改 正 食 糧 法 施 行 期 5 (2) 生 産 調 整 対 策 の 概 要 7 ア 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 の 概 要 7 イ 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 の 変 遷 9 (3) 米 政 策 の 改 革 15 (4) 過 去 の 会 計 検 査 の 状 況 16 2 検 査 の 観 点 着 眼 点 対 象 及 び 方 法 18 (1) 検 査 の 観 点 及 び 着 眼 点 18 (2) 検 査 の 対 象 及 び 方 法 18 3 検 査 の 状 況 19 (1) 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 19 ア 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 19 イ 生 産 数 量 目 標 の 配 分 等 の 実 施 状 況 32 ウ 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 の 判 定 方 法 等 40 エ 認 定 方 針 への 参 加 状 況 等 43 オ 水 稲 生 産 実 施 計 画 書 の 提 出 状 況 46 カ 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 確 認 状 況 49 (2) 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 状 況 51 ア 生 産 調 整 対 策 の 新 基 本 法 における 位 置 付 け 等 51 イ 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 状 況 52 (3) 生 産 調 整 対 策 による 影 響 59 ア 作 付 規 模 別 の 米 の 生 産 コスト 及 び 単 収 の 状 況 59 イ 需 給 ギャップと 米 価 の 関 係 60 ウ 転 作 作 物 に 係 る 農 業 者 収 入 の 状 況 61 次

エ 水 田 の 活 用 状 況 63 オ 生 産 調 整 対 策 のメリット 及 びデメリット 71 (4) 生 産 調 整 の 見 直 しに 向 けた 取 組 の 状 況 等 73 4 所 見 74 (1) 検 査 の 状 況 の 概 要 74 (2) 所 見 79 別 表 81 本 文 及 び 図 表 中 の 数 値 は 原 則 として 表 示 単 位 未 満 を 切 り 捨 てている 上 記 のため 図 表 中 の 数 値 を 用 いて 算 出 しても 計 数 が 一 致 しないものがある

事 例 一 覧 [ 個 々の 農 業 者 に 係 る 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 が 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 等 と 同 一 となっていて 米 の 生 産 量 の 抑 制 に 結 び 付 いていな いもの] < 事 例 1> 42 [ 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 について 集 落 単 位 で 達 成 となる 場 合 は 集 落 単 位 集 落 単 位 で 不 達 成 となる 場 合 は 農 業 者 ごとに 判 定 するなどしてい て 判 定 方 法 が 統 一 されていないもの] < 事 例 2> 43 [ 参 加 農 業 者 のほとんどが 不 達 成 農 業 者 となっていたり 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としたりしているもの] < 事 例 3> 46 [ 未 提 出 農 業 者 に 係 る 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 について 現 地 確 認 等 により 確 認 していなかったもの] < 事 例 4> 50

米 の 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 等 について 検 査 対 象 米 の 生 産 調 整 対 策 の 概 要 農 林 水 産 省 27 道 府 県 協 議 会 160 地 域 協 議 会 米 の 生 産 量 の 抑 制 や 水 田 の 有 効 活 用 等 の 観 点 から 米 ( 主 食 用 米 )の 生 産 量 の 調 整 を 実 施 するとともに 水 田 において 主 食 用 米 以 外 の 作 物 への 作 付 転 換 等 を 実 施 した 農 業 者 に 対 して 交 付 金 等 を 交 付 するなどの 施 策 上 記 に 係 る 交 付 9 兆 0576 億 円 ( 昭 和 44 年 度 ~ 平 成 26 年 度 ) 金 等 交 付 額 1 検 査 の 背 景 (1) 米 の 生 産 調 整 対 策 の 背 景 農 林 水 産 省 における 農 業 施 策 は 平 成 11 年 に 農 業 基 本 法 ( 昭 和 36 年 法 律 第 127 号 )が 廃 止 されるまでは 同 法 等 に 基 づき 11 年 に 食 料 農 業 農 村 基 本 法 ( 平 成 11 年 法 律 第 106 号 以 下 新 基 本 法 という )が 施 行 された 以 降 は 新 基 本 法 等 に 基 づき それぞ れ 行 われてきた また 各 種 農 業 施 策 のうち 主 要 食 糧 である 米 の 管 理 等 に 係 る 施 策 に ついては 昭 和 17 年 7 月 から 平 成 7 年 10 月 までは 食 糧 管 理 法 ( 昭 和 17 年 法 律 第 40 号 以 下 食 管 法 という ) 等 に 基 づき 主 要 食 糧 の 需 給 及 び 価 格 の 安 定 に 関 する 法 律 ( 平 成 6 年 法 律 第 113 号 以 下 食 糧 法 という )が 施 行 された7 年 11 月 から16 年 3 月 までは 食 糧 法 等 に 基 づき 主 要 食 糧 の 需 給 及 び 価 格 の 安 定 に 関 する 法 律 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 15 年 法 律 第 103 号 以 下 15 年 改 正 法 という )が 施 行 され た16 年 4 月 以 降 は15 年 改 正 法 による 改 正 後 の 食 糧 法 ( 以 下 改 正 食 糧 法 という ) 等 に 基 づき それぞれ 行 われてきた 米 の 管 理 等 に 係 る 施 策 に 関 する 法 制 度 等 の 変 遷 を 示 すと 図 表 1のとおりである - 1 -

図 表 1 米 の 管 理 等 に 係 る 施 策 に 関 する 法 制 度 等 の 変 遷 区 分 食 管 法 ( 昭 和 17 年 7 月 ~ 平 成 7 年 10 月 ) 食 糧 法 ( 平 成 7 年 11 月 ~16 年 3 月 ) 改 正 食 糧 法 ( 平 成 16 年 4 月 ~) 法 制 度 国 の 役 割 食 糧 管 理 制 度 ( 厳 格 な 流 通 規 制 ) 流 通 システム 米 の 生 産 調 整 の 基 本 方 針 等 国 による 米 の 全 量 管 理 ( 政 府 への 売 渡 義 務 ) ( 昭 和 44 年 度 ) 自 主 流 通 米 の 導 入 ド ウ 平 農 ル 成 業 グ 5 合 ア 年 意 イ の 等 ガ を ラ ッ 契 ウ ト 機 ン 政 府 米 の 在 庫 量 の 急 増 や 過 剰 米 の 処 理 に 係 る 巨 額 な 財 政 負 担 の 発 生 ( 昭 和 44 年 度 ) 生 産 調 整 の 試 行 的 実 施 ( 昭 和 45 年 度 ) 生 産 調 整 の 緊 急 措 置 と しての 実 施 ( 昭 和 46 年 度 ) 生 産 調 整 の 本 格 実 施 国 の 役 割 は 備 蓄 運 営 に 限 定 計 画 流 通 制 度 ( 緩 やかな 流 通 規 制 ) 米 穀 の 需 給 の 均 衡 を 図 るための 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 ( 国 が 生 産 出 荷 及 び 流 通 に 関 する 計 画 を 策 定 ) 法 改 正 計 画 流 通 制 度 の 廃 止 ( 米 平 政 米 穀 の 需 給 の 均 衡 を 図 るための 成 策 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 1 改 ( 生 産 者 の 自 主 的 な 努 力 を 支 援 ) 6 革 ( 年 大 る米 度 ) 綱 平 改 政 に 成 革 策 よ 1 の改 る 9 第 革 改 年 2 大 革 度 ) 段 綱 開 階 に 始 よ また 米 全 体 の 需 給 状 況 等 ( 政 府 が 生 産 者 から 買 い 入 れた 米 ( 以 下 政 府 米 とい う )の 在 庫 量 の 状 況 を 含 む )について 昭 和 35 年 産 米 ( 以 下 年 産 米 につい ても 年 度 と 表 記 する )から 平 成 26 年 度 までの 推 移 を 示 すと 図 表 2-1のとおりで ある 図 表 2-1 米 全 体 の 需 給 状 況 等 の 推 移 ( 昭 和 35 年 度 ~ 平 成 26 年 度 ) ( 万 t) 1,600 政 府 米 在 庫 量 需 要 量 生 産 量 1,400 1,200 米 の 需 要 量 等 1,000 800 600 400 200 0 35 40 45 50 55 60 2 7 12 17 22 26 昭 和 年 度 平 成 食 管 法 施 行 期 食 糧 法 施 行 期 改 正 食 糧 法 施 行 期 注 (1) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 米 の 全 体 需 給 の 動 向 ( 昭 和 35 年 ~) を 基 に 作 成 注 (2) 需 要 量 は 国 内 消 費 仕 向 量 ( 陸 稲 を 含 み 主 食 用 のほか 飼 料 用 加 工 用 等 を 含 む 数 量 )である 国 内 消 費 仕 向 量 は 国 内 生 産 量 + 輸 入 量 - 輸 出 量 - 在 庫 の 増 加 量 ( 又 は+ 在 庫 の 減 少 量 ) によって 求 められる 注 (3) 生 産 量 は 水 稲 及 び 陸 稲 の 収 穫 量 を 合 計 した 数 量 である - 2 -

そして 米 の 管 理 等 に 係 る 施 策 の 変 遷 や 需 給 状 況 の 推 移 について 7 年 10 月 までの 食 管 法 施 行 期 7 年 11 月 から16 年 3 月 までの 食 糧 法 施 行 期 及 び16 年 4 月 以 降 の 改 正 食 糧 法 施 行 期 の 別 にみると おおむね 次 のとおりである ア 食 管 法 施 行 期 食 管 法 は 米 不 足 が 常 態 化 していた 戦 時 中 に 食 糧 の 需 給 及 び 価 格 の 調 整 並 びに 流 通 の 規 制 を 行 うことを 目 的 として 制 定 された 法 律 であり 生 産 者 に 対 して 生 産 し た 米 を 政 府 に 売 り 渡 す 義 務 を 課 し 政 府 が 都 道 府 県 知 事 の 許 可 を 受 けた 卸 売 業 者 等 に 売 り 渡 すことなどとする 食 糧 管 理 制 度 が 採 られていた 食 管 法 施 行 期 における 昭 和 35 年 度 から 平 成 7 年 度 までの 米 全 体 の 需 給 状 況 等 の 推 移 をみると 図 表 2-2のとおり 米 の 需 要 量 は 昭 和 38 年 度 にピークを 迎 えて その 後 は 減 少 に 転 じており 40 年 度 までは 生 産 量 が 需 要 量 をおおむね 下 回 っていたが 41 年 度 に 生 産 量 が 需 要 量 を 上 回 ることになった そして 42 年 度 から45 年 度 までは 豊 作 となり 生 産 量 が 需 要 量 を 大 幅 に 上 回 ったことから 政 府 米 の 在 庫 量 が 急 増 するこ とになった 政 府 は 食 糧 管 理 制 度 の 下 で 米 の 収 穫 前 に 生 産 者 から 事 前 に 売 渡 しの 申 込 みを 受 けた 数 量 の 米 を 全 量 買 い 入 れることとしていたが 生 産 量 が 増 大 する 中 で 生 産 者 からの 買 入 価 格 が 卸 売 業 者 等 への 売 渡 価 格 よりも 高 く 設 定 されていたため 政 府 において 米 の 売 買 に 伴 う 多 額 の 損 失 が 生 ずることになった このような 状 況 の 中 で 米 ( 主 食 用 米 )の 生 産 量 の 調 整 ( 以 下 生 産 調 整 という )を 実 施 するとともに 水 田 において 主 食 用 米 以 外 の 作 物 への 作 付 転 換 ( 以 下 転 作 という ) 及 び 作 物 の 作 付 けを 行 わない 休 耕 等 ( 以 下 転 作 と 合 わせて 転 作 等 という )を 実 施 し た 農 業 者 に 対 して 交 付 金 等 を 交 付 するなどの 施 策 ( 以 下 生 産 調 整 と 交 付 金 等 の 交 付 等 の 施 策 を 合 わせて 生 産 調 整 対 策 という )が44 年 度 に 試 行 的 に 実 施 される こととなった また 同 年 度 には 国 民 の 良 質 米 への 志 向 が 高 くなってきたことな どを 背 景 として 政 府 米 以 外 に 政 府 を 通 さずに 集 荷 業 者 等 を 通 じて 流 通 する 自 主 流 通 米 が 認 められることとなった そして 生 産 調 整 対 策 は その 後 も 引 き 続 き 政 府 米 の 在 庫 量 が 増 加 したことから 45 年 度 は 緊 急 措 置 として 実 施 され 46 年 度 から 本 格 的 に 実 施 されることとなった また 同 年 度 から49 年 度 までの 間 は 過 剰 米 を 飼 料 用 として 安 い 価 格 で 売 り 渡 すな どの 処 理 を 行 ったことに 伴 い 財 政 負 担 が 必 要 となった 生 産 調 整 対 策 の 本 格 的 な - 3 -

実 施 等 により 政 府 米 の 在 庫 量 は 一 時 的 に 減 少 したものの 50 年 度 以 降 生 産 量 が 需 要 量 を 上 回 り 再 び 政 府 米 の 在 庫 量 が 増 加 して 過 剰 米 の 処 理 に 伴 う 財 政 負 担 が 必 要 となった 図 表 2-2 米 全 体 の 需 給 状 況 等 の 推 移 ( 昭 和 35 年 度 ~ 平 成 7 年 度 ) ( 万 t) 1,600 1,400 42 年 度 政 府 米 在 庫 量 需 要 量 生 産 量 45 年 度 1,200 米 の 需 要 量 等 1,000 800 600 第 1 次 ( 昭 和 46 年 度 ~49 年 度 ) 過 剰 米 処 理 処 分 数 量 : 約 740 万 t 総 損 失 額 : 約 1 兆 円 第 2 次 ( 昭 和 54 年 度 ~58 年 度 ) 過 剰 米 処 理 処 分 数 量 : 約 600 万 t 総 損 失 額 : 約 2 兆 円 400 200 0 35 40 45 50 55 60 2 7 昭 和 平 成 年 度 イ 食 糧 法 施 行 期 食 管 法 は 食 糧 管 理 制 度 の 下 で 認 められてきた 自 主 流 通 米 の 流 通 量 が 政 府 米 を 上 回 るようになったことなどに 加 え 平 成 5 年 のガット ウルグアイ ラウンド 農 業 合 ( 注 1) 意 を 受 けてミニマム アクセス 米 を 輸 入 することとなったことなどを 契 機 として 7 年 に 廃 止 され 主 要 食 糧 の 需 給 及 び 価 格 の 安 定 を 図 り もって 国 民 生 活 と 国 民 経 済 の 安 定 に 資 することを 目 的 とする 食 糧 法 が 制 定 された そして 食 糧 法 により 政 府 米 に 代 わって 自 主 流 通 米 を 流 通 の 主 体 とするなどの 米 の 流 通 規 制 の 緩 和 が 図 られたが 民 間 流 通 が 未 成 熟 であるとして 国 が 生 産 出 荷 及 び 流 通 に 関 する 計 画 を 策 定 し これに 基 づく 生 産 者 の 出 荷 義 務 自 主 流 通 計 画 の 策 定 義 務 等 の 規 制 措 置 等 を 組 み 合 わせることにより 計 画 的 な 流 通 を 確 保 する 計 画 流 通 制 度 が 採 られることとなった また 生 産 調 整 が 食 糧 法 上 に 明 文 化 されて 政 府 は 米 の 需 給 の 均 衡 を 図 るための 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 を 図 ることとなり 国 内 産 米 の 買 入 れについては 備 蓄 目 的 に 限 定 して 行 うこととなった - 4 -

食 糧 法 施 行 期 における8 年 度 から15 年 度 までの 米 全 体 の 需 給 状 況 の 推 移 をみると 図 表 2-3のとおり 依 然 として 米 の 需 要 量 は 減 少 傾 向 で 推 移 しており 米 の 生 産 量 を 抑 制 するために 引 き 続 き 生 産 調 整 対 策 が 実 施 された 計 画 流 通 制 度 は 15 年 改 正 法 が 施 行 されるまで 継 続 されて この 間 生 産 量 は 需 要 量 を 上 回 ったり 下 回 ったり していた ( 注 1) ミニマム アクセス 米 ガット ウルグアイ ラウンド 農 業 合 意 を 受 けて 最 低 輸 入 量 を 設 定 して 輸 入 機 会 を 提 供 することとなったこと に 伴 い 輸 入 された 外 国 産 米 図 表 2-3 米 全 体 の 需 給 状 況 の 推 移 ( 平 成 8 年 度 ~15 年 度 ) ( 万 t) 1,100 需 要 量 生 産 量 1,000 米 の 需 要 量 等 900 800 700 平 成 8 9 10 11 12 13 14 15 年 度 ウ 改 正 食 糧 法 施 行 期 食 糧 法 においては 米 の 流 通 規 制 の 緩 和 が 図 られたことなどから 流 通 業 者 の 新 規 参 入 が 増 加 するとともに 消 費 者 のニーズが 多 様 化 するなどして 徐 々に 民 間 流 通 が 成 熟 してきた そして 計 画 流 通 制 度 は その 必 要 性 が 減 少 するとともに 多 様 な 流 通 の 阻 害 要 因 となり 農 業 者 が 需 要 に 応 じた 生 産 の 努 力 を 怠 るといったモラ ルハザードが 生 ずる 原 因 となるようになった また 米 の 在 庫 量 の 増 加 や 米 価 の 下 落 を 引 き 起 こし 水 田 農 業 の 経 営 が 困 難 な 状 況 になるとともに 消 費 者 のニーズの 多 様 化 に 対 応 した 米 の 安 定 的 供 給 の 必 要 性 が 高 まった このような 状 況 を 踏 まえて 農 林 水 産 省 は 14 年 に 水 田 農 業 政 策 米 政 策 の 大 転 換 を 図 ることを 目 的 とし 消 費 者 重 視 及 び 市 場 重 視 の 考 え 方 に 立 った 需 要 に 応 じた - 5 -

米 づくりを 推 進 するなどとする 米 政 策 改 革 大 綱 ( 平 成 14 年 12 月 農 林 水 産 省 省 議 決 定 )を 策 定 し これを 受 けて15 年 改 正 法 が 制 定 された そして 同 省 は 16 年 度 か ら 米 政 策 改 革 大 綱 による 改 革 を 実 施 することとするとともに 米 の 流 通 規 制 を 原 則 廃 止 することとした 改 正 食 糧 法 においては 食 糧 法 の 前 記 の 目 的 に 加 えて 政 府 は 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 に 関 する 施 策 を 講 ずるに 当 たっては 生 産 者 の 自 主 的 な 努 力 を 支 援 すること を 旨 とするとともに 水 田 における 水 稲 以 外 の 作 物 の 生 産 の 振 興 に 関 する 施 策 その 他 関 連 施 策 との 有 機 的 な 連 携 を 図 りつつ 地 域 の 特 性 に 応 じて 行 うよう 努 めなけれ ばならないこととされた 改 正 食 糧 法 施 行 期 における16 年 度 から26 年 度 までの 米 全 体 の 需 給 状 況 の 推 移 をみ ると 図 表 2-4のとおり 米 全 体 としては 生 産 量 が 需 要 量 を 上 回 ったり 下 回 ったり していたが 米 全 体 のうち 生 産 調 整 の 対 象 である 主 食 用 米 の 需 給 状 況 の 推 移 をみる と 図 表 3のとおり 需 要 量 が 減 少 傾 向 を 示 すとともに 生 産 量 が 需 要 量 をおおむね 上 回 る 状 況 が 続 いてきた 図 表 2-4 米 全 体 の 需 給 状 況 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) ( 万 t) 需 要 量 生 産 量 925 900 875 米 の 需 要 量 等 850 825 800 775 750 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 平 成 年 度 - 6 -

図 表 3 主 食 用 米 の 需 給 状 況 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) ( 万 t) 主 食 用 米 需 要 量 主 食 用 米 生 産 量 900 主 食 用 米 需 要 量 等 875 850 825 800 775 750 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 平 成 年 度 ( 注 ) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 主 食 用 等 の 生 産 量 と 需 要 量 及 び 民 間 在 庫 の 推 移 を 基 に 作 成 なお 平 成 15 年 度 以 前 の 主 食 用 米 の 需 要 量 等 のデータは 取 得 でき なかった 以 上 のとおり 米 の 需 要 量 は 昭 和 38 年 度 をピークに 一 貫 して 減 少 傾 向 で 推 移 して おり このような 状 況 の 中 で 米 の 生 産 量 の 抑 制 や 水 田 の 有 効 活 用 等 の 観 点 から 生 産 調 整 対 策 が 関 係 法 令 の 改 正 等 を 受 けるなどして 実 施 されてきた (2) 生 産 調 整 対 策 の 概 要 ア 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 の 概 要 農 林 水 産 省 は 44 年 度 から 平 成 26 年 度 までの 間 に 米 の 需 給 状 況 等 を 背 景 として 食 管 法 施 行 期 においては 政 府 が 米 を 管 理 しその 需 給 の 調 整 を 行 うために 食 糧 法 施 行 期 においては 政 府 が 生 産 調 整 を 円 滑 に 推 進 し 米 の 需 給 の 均 衡 を 図 るために また 改 正 食 糧 法 施 行 期 においては 政 府 が 生 産 者 の 自 主 的 な 努 力 を 支 援 すること を 旨 としつつ 生 産 調 整 を 円 滑 に 推 進 し 米 の 需 給 の 均 衡 を 図 るために 様 々な 目 的 を 持 った 計 15の 生 産 調 整 対 策 を 実 施 してきた( 別 表 1 参 照 ) そして 各 生 産 調 整 対 策 において 農 業 者 に 交 付 された 交 付 金 等 の 概 要 は 次 のと おりである 15 年 度 以 前 は 米 の 生 産 量 を 削 減 する 数 量 等 の 目 標 値 ( 後 述 参 照 ) 以 上 の 削 減 を 行 った 場 合 に 転 作 等 を 実 施 した 水 田 の 面 積 ( 以 下 転 作 等 面 積 という )を 助 - 7 -

成 対 象 として 交 付 金 等 が 交 付 された 16 年 度 から21 年 度 までは 主 食 用 米 の 生 産 量 をその 目 標 値 ( 後 述 参 照 ) 以 下 とした 場 合 に 転 作 等 面 積 を 助 成 対 象 として 交 付 金 が 交 付 された 22 年 度 以 降 は 主 食 用 米 の 生 産 量 をその 目 標 値 以 下 とした 場 合 に 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 助 成 対 象 として また 当 年 度 の 主 食 用 米 の 販 売 価 格 が 標 準 的 な 販 売 価 格 を 下 回 った 場 合 にはその 差 額 を 基 に 算 定 された 額 を 更 に 加 えて 交 付 金 が 交 付 された また 主 食 用 米 の 生 産 量 をその 目 標 値 以 下 としたか 否 かにかか ( 注 2) わらず 戦 略 作 物 等 への 転 作 を 行 い 水 田 を 活 用 した 場 合 に 当 該 転 作 を 実 施 した 水 田 の 面 積 ( 以 下 転 作 面 積 という )を 助 成 対 象 として 交 付 金 が 交 付 された このように 交 付 金 等 の 助 成 対 象 の 具 体 的 内 容 等 は 多 岐 にわたり また 新 たな 生 産 調 整 対 策 が 実 施 される 度 に 変 更 されるなど 極 めて 複 雑 なものとなっている( 別 表 2 参 照 ) 昭 和 44 年 度 から 平 成 26 年 度 までの 間 に 農 業 者 に 対 して 交 付 された 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 の 交 付 額 は 図 表 4のとおり 昭 和 44 年 度 の 稲 作 転 換 対 策 から 平 成 26 年 度 の 経 営 所 得 安 定 対 策 等 までの 計 15の 生 産 調 整 対 策 を 合 計 すると 約 9 兆 0576 億 円 に 上 っている ( 注 2) 戦 略 作 物 麦 大 豆 飼 料 作 物 米 粉 用 米 飼 料 用 米 バイオ 燃 料 用 米 ( 平 成 22 年 度 のみ) 稲 発 酵 粗 飼 料 用 稲 そば(25 年 度 まで) なたね( 同 ) 及 び 加 工 用 米 - 8 -

図 表 4 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 の 交 付 額 食 管 法 施 行 期 年 度 等 ( 単 位 : 億 円 ) ( 注 ) 交 付 額 欄 の 括 弧 書 きは 農 業 者 が 主 食 用 米 の 生 産 量 をその 目 標 値 以 下 とした 場 合 に 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 対 象 として 交 付 する 交 付 金 及 び 同 交 付 金 の 交 付 を 受 けた 農 業 者 に 対 して 当 年 度 の 主 食 用 米 の 販 売 価 格 が 標 準 的 な 販 売 価 格 を 下 回 った 場 合 に 交 付 され る 交 付 金 の 交 付 額 であり 内 数 である イ 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 の 変 遷 農 林 水 産 省 は 生 産 調 整 対 策 の 実 施 に 当 たり 毎 年 度 米 の 需 給 状 況 等 を 勘 案 し て 全 国 の 主 食 用 米 の 生 産 量 等 の 目 標 値 を 決 定 し これを 国 から 都 道 府 県 市 町 村 等 を 通 じて 農 業 者 へ 配 分 する( 以 下 主 食 用 米 の 生 産 量 等 の 目 標 値 を 配 分 することを 配 分 という )などして 実 施 してきた 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 の 変 遷 につい て 食 管 法 施 行 期 食 糧 法 施 行 期 及 び 改 正 食 糧 法 施 行 期 の 別 に 示 すと 図 表 5のとお りである 生 産 調 整 対 策 名 交 付 額 年 度 等 生 産 調 整 対 策 名 交 付 額 昭 和 44 稲 作 転 換 対 策 10 平 成 8 1359 新 生 産 調 整 推 進 対 策 45 米 生 産 調 整 対 策 1124 食 9 1363 46 1711 糧 10 1156 緊 急 生 産 調 整 推 進 対 策 47 1809 法 11 1137 米 生 産 調 整 及 び 稲 作 転 換 48 1806 施 12 1440 対 策 49 1105 行 13 1736 50 928 期 水 田 農 業 経 営 確 立 対 策 14 1857 51 759 15 1973 水 田 総 合 利 用 対 策 52 925 16 1443 53 2600 17 1443 54 2827 18 1442 水 田 農 業 構 造 改 革 対 策 55 3578 19 1475 56 3567 改 20 1475 57 水 田 利 用 再 編 対 策 3592 正 21 2236 58 3381 食 4958 22 戸 別 所 得 補 償 モデル 対 策 59 2409 糧 (3068) 60 2225 法 3751 61 2322 施 23 (1533) 62 1946 行 農 業 者 戸 別 所 得 補 償 制 度 3775 期 24 63 1924 (1552) 平 成 元 1833 3720 水 田 農 業 確 立 対 策 25 経 営 所 得 安 定 対 策 2 1677 (1559) 3 1648 3245 26 経 営 所 得 安 定 対 策 等 4 1374 (747) 5 975 計 15 対 策 9 兆 0576 6 水 田 営 農 活 性 化 対 策 697 7 840 (5 対 策 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 )) 2 兆 8963-9 -

図 表 5 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 の 変 遷 区 分 配 分 等 の 対 象 昭 和 44~ 50 年 度 削 減 数 量 目 標 食 管 法 施 行 期 食 糧 法 施 行 期 改 正 食 糧 法 施 行 期 51~ 61 年 度 62~ 平 成 7 年 度 削 減 面 積 目 標 8 9 年 度 削 減 面 積 目 標 (ガイ ドライン) 10~ 12 年 度 削 減 面 積 目 標 13~ 15 年 度 米 の 生 産 数 量 及 び 作 付 面 積 (ガイドラ イン) 並 び に 削 減 面 積 目 標 16~ 18 年 度 生 産 数 量 目 標 19 年 度 需 要 量 情 報 20 21 年 度 需 要 量 情 報 及 び 需 要 量 面 積 換 算 値 22 年 度 ~ 生 産 数 量 目 標 及 び 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 実 施 体 制 国 配 分 都 道 府 県 配 分 市 町 村 配 分 農 業 者 国 全 国 農 業 協 同 組 合 中 央 会 配 分 都 道 府 県 都 道 府 県 農 業 協 同 組 合 中 央 会 配 分 市 町 村 農 業 協 同 組 合 配 分 国 情 報 提 供 都 道 府 県 情 報 提 供 市 町 村 情 報 提 供 地 域 協 議 会 情 報 提 供 農 業 者 認 定 方 針 作 成 者 配 分 農 業 者 (ア) 食 管 法 施 行 期 の 生 産 調 整 対 策 生 産 調 整 対 策 が 本 格 的 に 実 施 されることとなった 昭 和 46 年 度 から50 年 度 までは 国 から 都 道 府 県 に 都 道 府 県 から 市 町 村 に 市 町 村 から 農 業 者 に 対 して それぞ れ 都 道 府 県 別 市 町 村 別 及 び 農 業 者 別 に 転 作 等 を 行 うことにより 米 の 生 産 量 を 削 減 する 数 量 の 目 標 (その 面 積 換 算 値 を 含 む 以 下 削 減 数 量 目 標 という ) を 配 分 するなど 行 政 主 体 の 生 産 調 整 対 策 が 実 施 されていた 食 管 法 施 行 期 におい て 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 は 51 年 度 以 降 数 度 にわたり 変 更 されていたが その 主 な 内 容 は 次 のとおりである 1 削 減 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 から 水 稲 の 作 付 けが 可 能 な 水 田 において 転 作 等 を 行 うことにより 水 稲 の 作 付 けを 行 わないこととする 水 田 の 面 積 の 目 標 ( 以 下 削 減 面 積 目 標 という )を 配 分 する 方 式 への 変 更 (51 年 度 ) 2 転 作 等 面 積 が 削 減 面 積 目 標 を 下 回 った 都 道 府 県 市 町 村 及 び 農 業 者 に 対 して 下 回 った 面 積 を 翌 年 度 の 削 減 面 積 目 標 にそれぞれ 上 乗 せして 配 分 したり(53 年 度 ) 補 助 事 業 の 採 択 等 に 当 たり 削 減 面 積 目 標 を 達 成 するなどした 市 町 村 の 要 請 に 優 先 的 に 配 慮 したり( 同 年 度 ) 削 減 面 積 目 標 を 下 回 った 市 町 村 に 対 して 補 助 事 業 のうち ほ 場 整 備 事 業 等 の 水 田 営 農 と 関 連 する 事 業 について 原 則 とし - 10 -

て 採 択 しないこととしたり(62 年 度 )するペナルティ 措 置 の 導 入 3 国 と 全 国 農 業 協 同 組 合 中 央 会 都 道 府 県 と 都 道 府 県 農 業 協 同 組 合 中 央 会 市 町 村 と 農 業 協 同 組 合 ( 以 下 JA という ) 等 との 間 でそれぞれ 協 議 した 上 で 削 減 面 積 目 標 を 決 定 することとするなどの 実 施 体 制 の 変 更 (62 年 度 ) 上 記 3の 変 更 は 行 政 主 導 による 生 産 調 整 対 策 から 農 業 者 が 需 要 に 応 じた 生 産 について 主 体 的 に 取 り 組 むようにすることを 目 指 したものであった (イ) 食 糧 法 施 行 期 の 生 産 調 整 対 策 農 業 者 及 び 地 域 の 自 主 性 を 尊 重 する 観 点 から 食 管 法 施 行 期 に 採 られていた 前 記 2のペナルティ 措 置 のうち 削 減 面 積 目 標 を 下 回 った 面 積 を 翌 年 度 の 削 減 面 積 目 標 に 上 乗 せして 配 分 する 措 置 及 び 水 田 営 農 と 関 連 する 事 業 について 原 則 として 採 択 しないこととする 措 置 は 平 成 8 年 度 に 廃 止 され 削 減 面 積 目 標 を 配 分 する 方 式 から 削 減 面 積 目 標 に 関 するガイドラインを 通 知 する 方 式 に 変 更 されるとともに JA 等 が 極 力 自 ら 削 減 面 積 目 標 を 決 定 するよう 努 めることとなり 食 管 法 施 行 期 に 比 べて 行 政 の 関 与 が 弱 まることになった その 後 豊 作 が 続 いたことなどにより 米 の 生 産 量 が 需 要 量 を 上 回 り 米 の 在 庫 量 が 増 加 し 米 価 が 下 落 したことなどを 背 景 として 10 年 度 からは 緊 急 に 規 模 を 拡 大 した 生 産 調 整 対 策 に 取 り 組 むことになった そして 再 び 従 前 の 削 減 面 積 目 標 を 配 分 する 方 式 に 変 更 されて 行 政 の 関 与 が 強 まることになった 13 年 度 から15 年 度 までの 間 は 農 業 者 が 需 要 に 応 じた 米 の 計 画 的 生 産 を 進 めら れるようにするため 削 減 面 積 目 標 を 配 分 する 方 式 から 米 の 生 産 数 量 及 び 作 付 面 積 に 関 するガイドラインを 配 分 するとともに これと 併 せて 削 減 面 積 目 標 を 配 分 する 方 式 に 変 更 された また 14 年 度 には 米 の 在 庫 量 の 増 加 米 価 の 下 落 による 水 田 農 業 経 営 環 境 の 悪 化 等 を 背 景 として 水 田 農 業 経 営 の 安 定 発 展 や 水 田 の 利 活 用 の 促 進 等 による 自 給 率 向 上 施 策 への 重 点 化 集 中 化 を 図 るとともに 過 剰 米 に 関 連 する 政 策 経 費 の 思 い 切 った 縮 減 が 可 能 となるような 政 策 を 行 うべく 米 政 策 改 革 大 綱 が 策 定 され 消 費 者 重 視 及 び 市 場 重 視 の 考 え 方 に 立 って 需 要 に 応 じた 米 づくりの 推 進 を 通 じ て 水 田 農 業 経 営 の 安 定 と 発 展 を 図 るために 需 給 調 整 対 策 流 通 制 度 関 連 施 策 等 の 改 革 を 整 合 性 をもって 実 施 することとなった この 改 革 によって 農 業 者 及 び 農 業 者 団 体 は 20 年 度 に 農 業 者 農 業 者 団 体 が 主 役 となる 米 の 需 給 調 整 シ - 11 -

( 注 3) ステム( 以 下 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システム という )を 国 と 連 携 して 構 築 ( 注 4) し 22 年 度 までに 米 づくりの 本 来 あるべき 姿 の 実 現 等 を 目 指 すこととなった そして 農 林 水 産 省 においては 18 年 度 に 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムへの 移 行 に 係 る 条 件 整 備 等 の 状 況 を 検 証 し 移 行 の 時 期 等 について 判 断 することとなっ た このように 食 糧 法 施 行 期 においても 行 政 のほか 農 業 者 団 体 が 生 産 調 整 対 策 に 関 与 する 体 制 が 続 けられてきたが この 間 行 政 の 関 与 の 度 合 いは 弱 まったり 強 まったりしていた ( 注 3) 農 業 者 農 業 者 団 体 が 主 役 となる 米 の 需 給 調 整 システム 在 庫 状 況 等 を 基 礎 に 算 定 される 客 観 的 な 需 要 予 測 に 基 づき 農 業 者 及 び 農 業 者 団 体 が 主 体 的 に 地 域 の 販 売 戦 略 により 需 要 に 応 じた 生 産 を 行 うこと ( 注 4) 米 づくりの 本 来 あるべき 姿 効 率 的 かつ 安 定 的 な 経 営 体 が 市 場 を 通 して 需 要 動 向 を 鋭 敏 に 感 じ 取 り 売 れる 米 づくりを 行 うことを 基 本 として 多 様 な 消 費 者 ニーズを 起 点 とし 需 要 ごとに 求 められる 価 格 条 件 等 を 満 たしながら 安 定 的 供 給 が 行 われる 消 費 者 重 視 及 び 市 場 重 視 の 米 づくりが 行 われること (ウ) 改 正 食 糧 法 施 行 期 の 生 産 調 整 対 策 改 正 食 糧 法 に 基 づき 農 林 水 産 大 臣 は 米 の 需 給 の 見 通 しに 関 する 事 項 等 を 記 載 した 米 穀 の 需 給 及 び 価 格 の 安 定 に 関 する 基 本 指 針 ( 以 下 基 本 指 針 とい ( 注 5) う )を 定 め 生 産 出 荷 団 体 等 は 基 本 指 針 を 踏 まえて 米 穀 の 生 産 調 整 に 関 ( 注 6) する 方 針 ( 以 下 生 産 調 整 方 針 という )を 作 成 することとなった そして 生 産 出 荷 団 体 等 は 作 成 した 生 産 調 整 方 針 に 従 って 生 産 を 行 う 農 業 者 に 係 る 主 食 用 米 の 生 産 量 の 目 標 値 ( 以 下 生 産 数 量 目 標 という )の 設 定 方 針 等 が 生 産 数 量 目 標 を 確 実 に 達 成 するために 適 切 なものであることなどの 要 件 を 満 たす 場 合 に は 農 林 水 産 大 臣 から 当 該 生 産 調 整 方 針 について 適 当 である 旨 の 認 定 を 受 けるこ とができることとなった( 以 下 認 定 を 受 けた 生 産 調 整 方 針 を 認 定 方 針 とい い 認 定 方 針 を 作 成 した 生 産 出 荷 団 体 等 を 認 定 方 針 作 成 者 という ) また 米 政 策 改 革 大 綱 等 において 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムに 移 行 する こととなったことから 農 業 者 等 が 市 場 を 通 して 需 要 動 向 を 鋭 敏 に 感 じ 取 り 売 れる 米 づくりを 行 うよう 意 識 改 革 を 進 めるために 16 年 度 に 削 減 面 積 目 標 を 配 分 する 方 式 から 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 に 変 更 された 一 方 生 産 調 整 対 策 の 実 施 体 制 ( 図 表 5 参 照 )については 経 過 措 置 として 国 から 都 道 府 県 に 都 道 府 県 から 市 町 村 に 生 産 数 量 目 標 をそれぞれ 配 分 し 市 町 村 から 農 業 者 に 生 産 数 量 - 12 -

目 標 及 び 生 産 数 量 目 標 の 面 積 換 算 値 ( 以 下 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 とい う )を 併 せて 配 分 する 方 式 が 継 続 されることとなった このうち 都 道 府 県 が 市 ( 注 7) 町 村 に 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 際 には 都 道 府 県 は 都 道 府 県 協 議 会 の 助 言 を 受 け て 都 道 府 県 別 の 生 産 数 量 目 標 の 範 囲 内 で 市 町 村 別 の 生 産 数 量 目 標 を 決 定 するこ ととなった また 生 産 数 量 目 標 を 達 成 した 農 業 者 に 対 するメリット 措 置 として 都 道 府 県 の 判 断 により 実 施 できる 産 地 づくり 対 策 等 に 対 して 国 が 交 付 金 を 交 付 す る 水 田 農 業 構 造 改 革 交 付 金 制 度 が 創 設 された そして 18 年 7 月 に 農 林 水 産 省 において 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムへの 移 行 に 関 する 検 証 を 行 った 結 果 19 年 度 から 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムに 移 行 することが 決 定 された また 上 記 の 経 過 措 置 は18 年 11 月 29 日 までとされ 同 月 30 日 に 農 業 者 等 の 自 主 性 を 尊 重 するために 配 分 等 の 対 象 が 生 産 数 量 目 標 から 需 要 量 に 関 する 情 報 ( 以 下 需 要 量 情 報 という )に 変 更 された そして 生 産 調 整 対 策 の 実 施 体 制 ( 図 表 5 参 照 )については 国 から 都 道 府 県 に 都 道 府 県 から ( 注 7) 市 町 村 に 市 町 村 から 地 域 協 議 会 に 地 域 協 議 会 から 認 定 方 針 作 成 者 に 需 要 量 情 報 をそれぞれ 提 供 し 認 定 方 針 作 成 者 から 認 定 方 針 に 参 加 する 農 業 者 ( 以 下 参 加 農 業 者 という )に 対 して 認 定 方 針 作 成 者 が 地 域 協 議 会 から 提 供 された 需 要 量 情 報 を 基 に 算 定 した 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 及 び 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 配 分 する 方 式 に 変 更 された しかし 19 年 度 には 生 産 調 整 対 策 の 実 効 性 が 確 保 できていなかったり 米 の 集 荷 時 に 農 業 者 に 支 払 われる 概 算 金 の 支 払 方 法 を 全 国 農 業 協 同 組 合 連 合 会 が 見 直 したりしたことなどにより 米 価 が 大 幅 に 下 落 したことを 受 けて 政 府 において 米 緊 急 対 策 ( 平 成 19 年 10 月 農 政 改 革 三 対 策 緊 急 検 討 本 部 決 定 )が 決 定 され 34 万 tの 米 を 備 蓄 米 として 買 い 入 れるとともに 生 産 調 整 対 策 の 実 効 性 を 確 保 するた めに 20 年 度 から 行 政 が 強 力 に 指 導 していく 体 制 に 再 び 改 められることとなった そして 米 緊 急 対 策 により 同 年 度 に 国 から 認 定 方 針 作 成 者 に 至 るまでの 配 分 等 の 対 象 については 需 要 量 情 報 に 加 えて 当 該 需 要 量 情 報 の 面 積 換 算 値 ( 以 下 需 要 量 面 積 換 算 値 という )を 都 道 府 県 市 町 村 及 び 地 域 協 議 会 の 各 段 階 においてそれぞれ 提 供 された 需 要 量 面 積 換 算 値 の 範 囲 内 で 設 定 して 併 せて 提 供 す るよう 変 更 されるとともに 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 需 要 量 面 積 換 算 値 を 超 過 し た 都 道 府 県 等 に 対 しては 前 記 の 産 地 づくり 対 策 に 係 る 交 付 金 を 予 定 どおりに 交 - 13 -

付 しないペナルティ 措 置 が 採 られることとなった 22 年 度 には 上 記 のペナルティ 措 置 が 廃 止 されることとなるとともに 需 要 量 情 報 は 生 産 数 量 目 標 に 名 称 が 変 更 され 従 前 と 同 様 に 生 産 数 量 目 標 の 提 供 と 併 せて 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 各 段 階 において 提 供 された 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 の 範 囲 内 で 引 き 続 き 設 定 して 提 供 することとなった( 以 下 生 産 数 量 目 標 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 には それぞれ 名 称 変 更 前 の 需 要 量 情 報 需 要 量 面 積 換 算 値 を 含 む ) また 認 定 方 針 に 参 加 しない 農 業 者 ( 以 下 非 参 加 農 業 者 と いう )に 対 しても 地 域 協 議 会 から 生 産 数 量 目 標 を 配 分 し 認 定 方 針 への 参 加 を 促 すこととするとともに 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したことに 対 するメリット 措 置 と して 同 年 度 以 降 非 参 加 農 業 者 を 含 め 各 農 業 者 に 対 して 米 の 直 接 支 払 交 ( 注 8) 付 金 等 が 交 付 されることとなり 米 の 直 接 支 払 交 付 金 等 の 交 付 を 受 けた 農 業 者 に 対 して 当 年 度 の 販 売 価 格 が 標 準 的 な 販 売 価 格 を 下 回 った 場 合 に 米 価 変 動 補 塡 交 ( 注 9) 付 金 等 が 交 付 されることとなった さらに 主 に 食 料 自 給 率 の 向 上 を 図 ることを 目 的 として 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 にかかわらず 戦 略 作 物 等 への 転 作 ( 注 10) を 行 った 農 業 者 に 対 して 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 等 が 交 付 されることとなっ た このように 18 年 度 以 前 は 行 政 が 主 体 となって 生 産 数 量 目 標 の 配 分 を 行 って おり 19 年 度 に 一 旦 は 行 政 は 生 産 数 量 目 標 の 配 分 を 行 わず 需 要 量 情 報 を 提 供 することとなったものの 20 年 度 以 降 は 再 び 行 政 が 強 力 に 指 導 していく 体 制 に 改 められて 18 年 度 以 前 と 同 様 の 生 産 数 量 目 標 が 農 業 者 に 配 分 されることとなっ た そして 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムについては 19 年 度 に 一 旦 は 移 行 さ れたものの 現 在 まで 完 全 な 移 行 には 至 っていない 以 上 のとおり 生 産 調 整 対 策 は 削 減 数 量 目 標 削 減 面 積 目 標 生 産 数 量 目 標 ( 以 下 これらを 総 称 して 生 産 調 整 目 標 という )を 指 標 として 数 々の 変 遷 を 経 て 昭 和 44 年 度 から 現 在 に 至 るまで 実 施 されてきた ( 注 5) 生 産 出 荷 団 体 等 米 の 生 産 者 又 は 出 荷 の 事 業 を 行 う 者 の 組 織 する 団 体 及 び 米 の 生 産 者 又 は 出 荷 の 事 業 を 行 う 者 であって その 生 産 量 又 は 出 荷 量 が 一 定 規 模 以 上 であるもの ( 注 6) 米 穀 の 生 産 調 整 に 関 する 方 針 生 産 調 整 に 参 加 する 農 業 者 に 係 る 生 産 数 量 目 標 の 設 定 方 針 及 び 生 産 数 量 目 標 の 達 成 のためにとるべき 措 置 ( 天 候 その 他 の 自 然 的 条 件 の 変 化 により 生 産 数 量 目 標 を 上 回 って 生 産 された 数 量 の 米 に 係 る 措 置 を 含 む )を 定 めるもの ( 注 7) 都 道 府 県 協 議 会 地 域 協 議 会 米 の 数 量 調 整 実 施 要 綱 ( 平 成 16 年 15 総 - 14 -

食 第 825 号 農 林 水 産 事 務 次 官 依 命 通 知 )に 基 づき 設 置 された 都 道 府 県 段 階 又 は 市 町 村 段 階 における 第 三 者 機 関 的 組 織 で 学 識 経 験 者 農 業 者 団 体 消 費 者 団 体 実 需 者 団 体 流 通 業 者 団 体 担 い 手 農 家 等 生 産 者 行 政 機 関 等 により 構 成 された 組 織 ( 注 8) 米 の 直 接 支 払 交 付 金 等 米 戸 別 所 得 補 償 モデル 事 業 に 係 る 交 付 金 ( 基 本 部 分 )( 平 成 22 年 度 ) 米 の 所 得 補 償 交 付 金 (23 24 両 年 度 ) 米 の 直 接 支 払 交 付 金 (25 26 両 年 度 ) ( 注 9) 米 価 変 動 補 塡 交 付 金 等 米 戸 別 所 得 補 償 モデル 事 業 に 係 る 交 付 金 ( 変 動 部 分 )( 平 成 22 年 度 ) 米 価 変 動 補 塡 交 付 金 (23 年 度 から26 年 度 まで) ( 注 10) 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 等 水 田 利 活 用 自 給 力 向 上 事 業 に 係 る 交 付 金 ( 平 成 22 年 度 ) 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 (23 24 両 年 度 ) 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 (25 26 両 年 度 ) (3) 米 政 策 の 改 革 農 林 水 産 業 及 び 地 域 が 将 来 にわたって 国 の 活 力 の 源 となり 持 続 的 に 発 展 するため の 方 策 を 地 域 の 視 点 に 立 って 幅 広 く 検 討 するために 平 成 25 年 5 月 に 内 閣 に 農 林 水 産 業 地 域 の 活 力 創 造 本 部 が 設 置 された そして 同 年 12 月 に 同 本 部 は 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 を 前 提 とした 米 の 生 産 調 整 対 策 が 農 業 の 担 い 手 の 自 由 な 経 営 判 断 や 市 場 戦 略 を 採 っていくことを 著 しく 阻 害 し 意 欲 のある 担 い 手 の 効 率 的 な 生 産 を 大 きく 妨 げる 原 因 となっているとして 30 年 度 を 目 途 に 米 の 生 産 調 整 の 見 直 しを 含 む 米 政 策 の 改 革 や 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 廃 止 等 を 内 容 とする 農 林 水 産 業 地 域 の 活 力 創 造 プランを 決 定 した 同 プランにおいて 米 政 策 は 需 要 に 応 じた 生 産 を 推 進 するために きめ 細 かい 需 給 価 格 情 報 販 売 進 捗 情 報 及 び 在 庫 情 報 の 提 供 等 の 環 境 整 備 を 進 めることなどとさ れ この 定 着 状 況 をみながら 30 年 度 を 目 途 に 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 に 頼 らずとも 国 が 策 定 する 需 給 見 通 し 等 を 踏 まえつつ 生 産 者 や 集 荷 業 者 団 体 が 中 心 と なって 円 滑 に 需 要 に 応 じた 生 産 が 行 える 状 況 になるよう 行 政 生 産 者 団 体 及 び 現 場 が 一 体 となって 取 り 組 むこととなった また 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したことに 対 する メリット 措 置 である 米 の 直 接 支 払 交 付 金 等 については 25 年 度 までは10a 当 たり15,0 00 円 であったが 26 年 度 からは 激 変 緩 和 のための 経 過 措 置 として 10a 当 たり7,500 円 に 減 額 した 上 で 30 年 度 に 廃 止 することとなった そして 農 林 水 産 省 は 生 産 者 集 荷 業 者 団 体 が 自 らの 経 営 判 断 で 需 要 に 応 じた 生 産 が 行 えるよう 26 年 4 月 以 降 従 前 から 公 表 している 米 に 関 するマンスリーレポ ート ( 以 下 マンスリーレポート という )において 産 地 別 の 契 約 状 況 販 売 - 15 -

状 況 民 間 在 庫 量 等 の 情 報 を 追 加 して 掲 載 するなどして より 詳 細 な 情 報 提 供 を 行 っ ている (4) 過 去 の 会 計 検 査 の 状 況 会 計 検 査 院 は 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 について 毎 年 検 査 を 行 い 交 付 金 等 が 過 大 に 交 付 されていたもの 事 業 の 一 部 が 補 助 対 象 外 となっていたものなどの 不 当 事 項 を 検 査 報 告 に 多 数 掲 記 したほか 図 表 6のとおり 交 付 金 等 の 交 付 が 生 産 調 整 対 策 の 趣 旨 に 沿 っていない 事 態 事 業 効 果 が 十 分 に 発 現 していない 事 態 及 び 交 付 金 等 の 交 付 対 象 面 積 等 が 適 切 に 算 定 されていないなどの 事 態 に 対 する 処 置 要 求 事 項 等 を 検 査 報 告 に 掲 記 した 特 に 昭 和 57 年 度 決 算 検 査 報 告 では 生 産 調 整 対 策 の 一 つである 水 田 利 用 再 編 対 策 の 効 果 について 様 々な 視 点 から 検 証 し 計 画 的 に 転 作 が 実 施 されていなかったり 計 画 に 基 づいて 転 作 が 実 施 されているものの 実 効 性 が 乏 しくなっていたり 転 作 作 物.. のうち 重 点 作 物 とされた 大 豆 麦 及 びそばの 出 荷 率 が 著 しく 低 くなっていたりなどし ていて 自 給 力 の 向 上 や 転 作 の 定 着 化 に 結 び 付 いていない 事 態 を 取 り 上 げ 会 計 検 査 院 法 第 36 条 の 規 定 により 改 善 の 処 置 を 要 求 した - 16 -

図 表 6 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 等 に 関 する 主 な 検 査 報 告 掲 記 事 項 事 態 の 態 様 検 査 報 件 名 告 年 度 交 付 金 等 の 交 付 が 昭 和 52 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 生 産 調 整 対 策 の 趣 水 田 買 入 事 業 の 実 施 及 び 一 時 貸 付 水 田 に 係 る 水 田 総 合 利 用 奨 励 旨 に 沿 っていない 補 助 金 の 交 付 について 改 善 の 処 置 を 要 求 したもの 事 態 53 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 農 用 地 の 地 目 別 集 団 化 を 伴 う 土 地 改 良 事 業 の 実 施 地 区 における 水 田 利 用 再 編 奨 励 補 助 金 の 交 付 について 処 置 を 要 求 したもの 事 業 効 果 が 十 分 に 55 特 に 掲 記 を 要 すると 認 めた 事 項 発 現 していない 事 水 田 利 用 再 編 対 策 事 業 における 管 理 転 作 奨 励 補 助 金 の 交 付 につ 態 いて 本 院 の 指 摘 に 基 づき 当 局 において 改 善 の 処 置 を 講 じた 事 項 土 地 区 画 整 理 事 業 施 行 地 区 内 で 造 成 盛 土 された 水 田 等 に 係 る 水 田 利 用 再 編 奨 励 補 助 金 の 交 付 について 57 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 水 田 利 用 再 編 対 策 事 業 について 効 果 的 な 事 業 実 施 を 図 るよう 改 善 の 処 置 を 要 求 したもの 平 成 3 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 水 田 農 業 確 立 特 別 交 付 金 の 交 付 の 効 果 を 確 保 するよう 改 善 の 意 見 を 表 示 したもの 11 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 水 田 麦 大 豆 等 の 生 産 振 興 を 図 るための 技 術 対 策 を 適 切 に 実 施 して 事 業 効 果 の 発 現 及 び 確 保 が 図 られるよう 改 善 の 処 置 を 要 求 したもの 交 付 金 等 の 交 付 対 4 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 象 面 積 等 が 適 切 に 水 田 農 業 確 立 助 成 補 助 金 の 地 域 営 農 加 算 額 の 交 付 が 適 切 に 行 わ 算 定 されていない れるよう 是 正 改 善 の 処 置 を 要 求 したもの などの 事 態 8 本 院 の 指 摘 に 基 づき 当 局 において 改 善 の 処 置 を 講 じた 事 項 新 生 産 調 整 推 進 助 成 補 助 金 等 の 交 付 に 当 たり 生 産 調 整 実 施 面 積 の 算 定 を 適 切 なものとするよう 改 善 させたもの 23 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 水 田 活 用 の 所 得 補 償 交 付 金 について 適 切 な 交 付 が 行 われるよ う 交 付 対 象 作 物 ごとの 作 付 面 積 を 確 認 する 際 に 除 外 指 定 さ れた 農 地 に 関 する 情 報 を 活 用 するよう 改 善 の 処 置 を 要 求 し 交 付 申 請 者 が 交 付 対 象 者 であるかを 確 認 する 方 法 等 を 実 施 要 綱 等 に 明 示 するよう 是 正 改 善 の 処 置 を 求 めたもの 25 意 見 を 表 示 し 又 は 処 置 を 要 求 した 事 項 経 営 所 得 安 定 対 策 等 における 交 付 金 の 交 付 対 象 面 積 の 確 認 等 が 適 切 に 実 施 されるよう 協 議 会 における 本 地 面 積 の 算 定 根 拠 を 明 確 なものとするなどの 改 善 の 処 置 を 要 求 し 及 び 本 地 面 積 の 定 期 的 な 確 認 及 び 園 芸 施 設 で 作 付 けされる 作 物 に 対 して 産 地 交 付 金 を 交 付 する 場 合 の 交 付 対 象 面 積 の 算 定 を 適 切 に 行 う 方 法 を 実 施 要 綱 等 に 明 示 するなどの 是 正 改 善 の 処 置 を 求 めたもの - 17 -

2 検 査 の 観 点 着 眼 点 対 象 及 び 方 法 (1) 検 査 の 観 点 及 び 着 眼 点 米 の 生 産 調 整 対 策 は 前 記 のとおり その 内 容 を 変 えながら45 年 以 上 にわたって 実 施 されており 26 年 度 までに 計 約 9 兆 0576 億 円 もの 多 額 の 交 付 金 等 が 投 入 されてきてい る そして 農 林 水 産 省 は 30 年 度 を 目 途 に 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 に 頼 ら ずとも 生 産 者 等 が 中 心 となって 円 滑 に 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 が 行 われることを 目 指 した 生 産 調 整 の 見 直 しを 含 む 米 政 策 の 改 革 を 進 めている このような 状 況 の 中 で これまで 実 施 されてきた 生 産 調 整 対 策 の 内 容 成 果 課 題 等 を 分 析 して 検 証 することは 今 後 の 改 革 の 着 実 な 実 施 に 向 けて 有 益 と 考 えられる そこで 会 計 検 査 院 は 有 効 性 等 の 観 点 から 次 の 点 に 着 眼 して 検 査 を 実 施 した ア 生 産 調 整 対 策 は 関 係 法 令 等 の 趣 旨 に 沿 って 適 切 に 行 われていたか 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 はどのようになっていたか 特 に 16 年 度 以 降 は 米 政 策 改 革 大 綱 等 を 受 けて どのように 実 施 されているか イ 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 は 適 切 に 行 われてきたか ウ 生 産 調 整 対 策 の 実 施 により 米 の 生 産 コストや 転 作 等 の 水 田 活 用 状 況 等 にどのよ うな 影 響 が 生 じていたか エ 30 年 度 を 目 途 とする 生 産 調 整 の 見 直 しに 向 けてどのような 取 組 が 行 われているか (2) 検 査 の 対 象 及 び 方 法 昭 和 44 年 度 から 平 成 26 年 度 までの 間 に 実 施 された 計 15の 生 産 調 整 対 策 ( 交 付 金 等 交 付 額 計 約 9 兆 0576 億 円 )を 対 象 として 農 林 水 産 本 省 において 会 計 実 地 検 査 を 行 い 関 係 資 料 を 徴 するなどして 国 全 体 の 状 況 について 分 析 等 を 行 った また 上 記 生 産 調 整 対 策 のうち 米 政 策 改 革 大 綱 等 を 受 けて16 年 度 から26 年 度 までの 間 に 実 施 された 改 正 ( 注 11) 食 糧 法 施 行 期 の 計 5の 生 産 調 整 対 策 ( 同 計 約 2 兆 8963 億 円 )を 対 象 として 8 農 政 局 等 ( 注 12) 管 内 の27 道 府 県 における27 道 府 県 協 議 会 及 び 同 道 府 県 管 内 の160 市 町 村 における160 地 域 協 議 会 ( 地 域 協 議 会 が 設 置 されていない1 市 を 含 む 以 下 同 じ )において 会 計 実 地 検 査 を 行 い 調 書 等 を 徴 するなどして 更 に 分 析 等 を 行 った ( 注 11) 8 農 政 局 等 北 海 道 農 政 事 務 所 東 北 関 東 北 陸 東 海 近 畿 中 国 四 国 九 州 各 農 政 局 ( 注 12) 27 道 府 県 協 議 会 北 海 道 大 阪 府 秋 田 県 山 形 県 茨 城 県 栃 木 県 千 葉 県 新 潟 県 富 山 県 福 井 県 山 梨 県 長 野 県 岐 阜 県 静 岡 県 愛 知 県 奈 良 県 和 歌 山 県 岡 山 県 徳 島 県 香 川 県 愛 媛 県 高 知 県 福 岡 県 長 崎 県 熊 本 県 宮 崎 県 鹿 児 島 県 各 協 議 会 な お 東 日 本 大 震 災 により 甚 大 な 被 害 を 受 けた 米 の 主 産 県 である 岩 手 - 18 -

宮 城 福 島 各 県 の 協 議 会 は 除 外 した 3 検 査 の 状 況 (1) 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 生 産 調 整 対 策 の 実 施 による 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 については 生 産 調 整 対 策 が 本 格 的 に 実 施 されることになった 昭 和 46 年 度 以 降 について 分 析 した また 生 産 調 整 目 標 の 配 分 から 達 成 又 は 不 達 成 の 判 定 に 至 るまでの 生 産 調 整 対 策 の 実 施 状 況 については 主 に 改 正 食 糧 法 施 行 期 の 平 成 16 年 度 以 降 について 分 析 した その 結 果 を 示 すと それ ぞれ 次 のとおりである ア 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 前 記 のとおり 生 産 調 整 対 策 は 生 産 調 整 目 標 を 指 標 として 実 施 されてきており 15 年 度 以 前 は 転 作 等 面 積 が 削 減 数 量 目 標 又 は 削 減 面 積 目 標 ( 以 下 削 減 面 積 目 標 等 という ) 以 上 となった 場 合 に 16 年 度 以 降 は 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 以 下 となった 場 合 に それぞれ 生 産 調 整 目 標 を 達 成 したと 判 定 す ることとなっていた そこで 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 について 国 段 階 都 道 府 県 段 階 及 び 市 町 村 段 階 の 各 段 階 別 にみると 次 のとおりとなっていた (ア) 国 段 階 食 管 法 施 行 期 においては 図 表 7-1 及 び 図 表 7-2のとおり ほとんどの 年 度 で 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されていた そして 転 作 等 面 積 から 削 減 面 積 目 標 等 を 差 し 引.. いた 面 積 をかい 離 面 積 とし これを 削 減 面 積 目 標 等 で 除 して 得 た 割 合 ( 以 下 削 減 目 標 かい 離 率 という )をみると 削 減 目 標 かい 離 率 が0%を 下 回 っていて 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 年 度 のうち 昭 和 49 51 両 年 度 は 他 の 年 度 に 比 べてマイナスの 率 が 特 に 大 きくなっており それぞれ 3.6%(かい 離 面 積 1.2 万 ha) 及 び 9.7%( 同 2.1 万 ha)となっていた 49 年 度 は 休 耕 水 田 が 交 付 金 等 の 助 成 対 象 外 となり 交 付 額 が 前 年 度 より 減 少 していた また 51 年 度 は 配 分 対 象 が 削 減 数 量 目 標 から 削 減 面 積 目 標 に 変 更 さ れるとともに 転 作 に 係 る 交 付 金 等 の 対 象 作 物 が 限 定 され 交 付 額 が 更 に 減 少 し ていた 53 年 度 から 平 成 5 年 度 までの 間 は 安 定 的 に 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されていた こ - 19 -

の 間 は 前 記 のペナルティ 措 置 が 採 られていた 時 期 であり また 転 作 等 に 係 る 交 付 金 等 の 助 成 単 価 の 上 限 が 引 き 上 げられ 昭 和 53 年 度 から55 年 度 までにかけて 交 付 額 が 増 加 した 時 期 であった 一 方 平 成 6 7 両 年 度 は 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 6 年 度 は 5 年 度 の 大 不 作 の 影 響 により 米 の 安 定 供 給 に 重 点 が 置 かれ 7 年 度 は 6 年 度 が 一 転 して 大 豊 作 となったことから 削 減 面 積 目 標 が 大 きく 設 定 されていた 図 表 7-1 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 及 び 削 減 目 標 かい 離 率 ( 昭 和 46 年 度 ~ 平 成 7 年 度 ) 削 減 面 積 目 標 等 削 減 面 積 目 標 等 転 作 等 面 積 削 減 目 標 かい 離 率 ( 万 ha) 49 年 度 51 年 度 (%) 200 削 減 目 標 かい 離 率 削 減 目 標 かい 離 率 35.0 3.6% 9.7% 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 かい 離 面 積 1.2 万 ha かい 離 面 積 2.1 万 ha 46 48 50 52 54 56 58 60 62 元 3 5 7 昭 和 平 成 年 度 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 削 減 目 標 か い 離 率 5.0 10.0 15.0 達 成 不 達 成 注 (1) 生 産 調 整 推 進 対 策 の 経 緯 と 実 績 ( 農 林 水 産 省 )を 基 に 作 成 注 (2) 削 減 目 標 かい 離 率 が0%を 下 回 っている 年 度 は 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 年 度 である.. 注 (3) 年 度 別 の 削 減 目 標 かい 離 率 及 びかい 離 面 積 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 図 表 7-2 転 作 等 に 係 る 交 付 金 等 の 交 付 額 及 び 削 減 目 標 かい 離 率 ( 昭 和 46 年 度 ~ 平 成 7 年 度 ) 交 付 額 ( 億 円 ) 交 付 額 削 減 目 標 かい 離 率 (%) 5000 35.0 4500 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 46 48 50 52 54 56 58 60 62 元 3 5 7 昭 和 年 度 平 成 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 5.0 削 減 目 標 か い 離 率 10.0 15.0 達 成 不 達 成 - 20 -

注 (1) 生 産 調 整 推 進 対 策 の 経 緯 と 実 績 ( 農 林 水 産 省 ) 等 を 基 に 作 成 注 (2) 削 減 目 標 かい 離 率 が0%を 下 回 っている 年 度 は 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 年 度 である 注 (3) 年 度 別 の 削 減 目 標 かい 離 率 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 食 糧 法 施 行 期 において 生 産 調 整 目 標 は 図 表 8-1 及 び 図 表 8-2のとおり 達 成 と 不 達 成 が 繰 り 返 されていて 達 成 されなかった13 年 度 は 削 減 目 標 かい 離 率 が 3.6%(かい 離 面 積 3.7 万 ha)と 比 較 的 大 きくなっていたが その 他 の 年 度 は 比 較 的 削 減 目 標 かい 離 率 は 小 さくなっていた なお 前 記 のとおり 同 年 度 から 15 年 度 までの 間 は 配 分 対 象 が 削 減 面 積 目 標 から 米 の 生 産 数 量 及 び 作 付 面 積 に 関 するガイドライン 並 びに 削 減 面 積 目 標 に 変 更 された 時 期 であった 図 表 8-1 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 及 び 削 減 目 標 かい 離 率 ( 平 成 8 年 度 ~15 年 度 ) 削 減 面 積 目 標 等 ( 万 ha) 削 減 目 標 かい 離 率 3.6% (%) 200 かい 離 面 積 3.7 万 ha 35.0 180 160 140 120 100 80 60 40 20 削 減 面 積 目 標 等 転 作 等 面 積 削 減 目 標 かい 離 率 0 平 成 8 9 10 11 12 13 14 15 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 5.0 削 減 目 標 か い 離 率 10.0 15.0 達 成 不 達 成 年 度 注 (1) 生 産 調 整 推 進 対 策 の 経 緯 と 実 績 ( 農 林 水 産 省 )を 基 に 作 成 注 (2) 削 減 目 標 かい 離 率 が0%を 下 回 っている 年 度 は 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 年 度 である.. 注 (3) 年 度 別 の 削 減 目 標 かい 離 率 及 びかい 離 面 積 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 - 21 -

図 表 8-2 転 作 等 に 係 る 交 付 金 等 の 交 付 額 及 び 削 減 目 標 かい 離 率 ( 平 成 8 年 度 ~15 年 度 ) ( 億 円 ) 交 付 額 削 減 目 標 かい 離 率 (%) 5000 35.0 交 付 額 4500 4000 3500 3000 2500 2000 30.0 削 25.0減 目 20.0標 15.0か い 10.0離 率 5.0 達 成 1500 0.0 1000 5.0 500 0 平 成 8 9 10 11 12 13 14 15 年 度 10.0 15.0 不 達 成 注 (1) 生 産 調 整 推 進 対 策 の 経 緯 と 実 績 ( 農 林 水 産 省 ) 等 を 基 に 作 成 注 (2) 削 減 目 標 かい 離 率 が0%を 下 回 っている 年 度 は 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかった 年 度 である 注 (3) 年 度 別 の 削 減 目 標 かい 離 率 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 改 正 食 糧 法 施 行 期 において 生 産 調 整 目 標 は 前 記 のとおり 16 年 度 以 降 は 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 以 下 となった 場 合 に 達 成 したと 判 定 されることとなるが 図 表 9-1 及 び 図 表 9-2のとおり 26 年 度 までで 達 成 された 年 度 はなかった そして 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 から 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を.. 差 し 引 いた 面 積 をかい 離 面 積 とし これを 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 で 除 して 得 た 割 合 ( 以 下 作 付 目 標 かい 離 率 という )をみると 全 ての 年 度 において 作 付 目 標 かい 離 率 が0%を 上 回 っていて 生 産 調 整 目 標 は 達 成 されていないが この うち 18 19 両 年 度 においてプラスの 率 が 比 較 的 大 きく それぞれ4.3%(かい 離 面 積 6.8 万 ha) 及 び4.5%( 同 7.1 万 ha)となっていた この 時 期 は 米 政 策 改 革 大 綱 等 に 基 づく 農 業 者 主 役 の 需 給 調 整 システムへの 移 行 に 向 けて 生 産 調 整 対 策 に 対 する 行 政 の 関 与 が 弱 められた 時 期 であった 20 21 両 年 度 は 19 年 度 に 実 施 された 前 記 の 米 緊 急 対 策 により 20 年 度 からペ ナルティ 措 置 が 採 られるなど 再 び 行 政 の 関 与 が 強 められるとともに 21 年 度 は 交 付 金 の 交 付 額 が 増 加 (20 年 度 比 151.5%)した 時 期 であった しかし 作 付 目 標 か い 離 率 は 小 さくなったものの 依 然 として 生 産 調 整 目 標 の 達 成 には 至 らなかった 22 年 度 以 降 は 前 記 のとおり 米 の 直 接 支 払 交 付 金 等 が 交 付 されるとともに - 22 -

22 年 度 は 米 価 の 下 落 により 米 価 変 動 補 塡 交 付 金 等 が 交 付 されており 21 年 度 以 前 と 比 べると 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 の 交 付 額 が 増 加 (21 年 度 比 221.7%)してい て 作 付 目 標 かい 離 率 も 小 さくなっていた なお 農 林 水 産 省 は 全 国 の 需 要 見 通 しに 加 えて 各 産 地 における 販 売 及 び 在 庫 の 状 況 等 に 関 するきめ 細 やかな 情 報 提 供 や 水 田 活 用 の 直 接 支 払 交 付 金 による 飼 料 用 米 等 の 戦 略 作 物 の 生 産 に 対 する 支 援 を 進 めており 27 年 度 は 作 付 目 標 か い 離 率 が 0.9%に 転 じて 生 産 調 整 目 標 を 達 成 したとしている 図 表 9-1 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 及 び 作 付 目 標 かい 離 率 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 等 ( 万 ha) 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 作 付 目 標 かい 離 率 18 年 度 19 年 度 作 付 目 標 かい 離 率 4.3% 作 付 目 標 かい 離 率 4.5% かい 離 面 積 6.8 万 ha かい 離 面 積 0 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 7.1 万 ha (%) 35.0 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 作 付 目 標 か い 離 率 5.0 10.0 15.0 不 達 成 達 成 注 (1) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 全 国 の 需 給 調 整 の 取 組 状 況 の 推 移 等 を 基 に 作 成 注 (2) 全 ての 年 度 において 作 付 目 標 かい 離 率 は0%を 上 回 っており 生 産 調 整 目 標 は 達 成 されていなかった.. 注 (3) 年 度 別 の 作 付 目 標 かい 離 率 及 びかい 離 面 積 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 - 23 -

図 表 9-2 転 作 等 に 係 る 交 付 金 の 交 付 額 及 び 作 付 目 標 かい 離 率 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) 交 付 額 交 付 額 作 付 目 標 かい 離 率 ( 億 円 ) (%) 4958 億 円 5000 35.0 221.7% 4500 30.0 4000 3500 3000 2500 2000 1500 1000 500 151.5% 1475 億 円 2236 億 円 0 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 作 付 目 標 か い 離 率 5.0 10.0 15.0 不 達 成 達 成 注 (1) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 全 国 の 需 給 調 整 の 取 組 状 況 の 推 移 等 を 基 に 作 成 注 (2) 全 ての 年 度 において 作 付 目 標 かい 離 率 は0%を 上 回 っており 生 産 調 整 目 標 は 達 成 されていなかった 注 (3) 年 度 別 の 作 付 目 標 かい 離 率 の 詳 細 は 別 表 3を 参 照 以 上 のように 生 産 調 整 目 標 は 食 管 法 施 行 期 においてはおおむね 達 成 されて いたが 食 糧 法 施 行 期 においては 達 成 と 不 達 成 が 繰 り 返 されており 改 正 食 糧 法 施 行 期 においては26 年 度 まで 達 成 されていなかった そして 生 産 調 整 目 標 の 達 成 状 況 は ペナルティ 措 置 の 有 無 や 交 付 金 等 の 交 付 額 の 多 寡 のほか 行 政 の 関 与 の 度 合 い 助 成 対 象 や 配 分 対 象 の 変 更 等 の 影 響 を 複 合 的 に 受 けてきたと 考 えられ る (イ) 都 道 府 県 段 階 47 都 道 府 県 について 16 年 度 から26 年 度 までの 間 に 生 産 調 整 目 標 を 達 成 した 都 道 府 県 ( 以 下 達 成 都 道 府 県 という )の 割 合 をみると 図 表 10のとおり 最 大 でも 約 6 割 (28 達 成 都 道 府 県 )にとどまっていた また 全 ての 年 度 で 達 成 都 道 府 県 であったものが12 都 道 県 (47 都 道 府 県 の25.5%)あった 一 方 で いずれの 年 度 も 生 産 調 整 目 標 を 達 成 しなかった 都 道 府 県 が16 府 県 ( 同 34.0%)あった( 別 表 4 参 照 ) - 24 -

図 表 10 達 成 都 道 府 県 の 割 合 等 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) 都 道 府 県 数 ( 都 道 府 県 ) 45 40 35 30 25 20 15 10 5 34.0 達 成 都 道 府 県 不 達 成 都 道 府 県 達 成 都 道 府 県 の 割 合 59.5 0 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 (%) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 達 成 都 道 府 県 の 割 合 ( 注 ) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 都 道 府 県 別 の 需 給 調 整 の 取 組 状 況 を 基 に 作 成.. また 都 道 府 県 別 に 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 と 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 のかい 離 面 積 の 状 況 をみると 図 表 11のとおり 毎 年 度 都 道 府 県 間 で 大 きな 開 差 が 生 じ ている 状 況 が 続 いており かい 離 面 積 は 18 年 度 が 最 大 で14,375ha( 生 産 数 量 目.. 標 面 積 換 算 値 の30%に 相 当 )となっていて これは 国 段 階 のかい 離 面 積 (6.8 万 h.. a)の 約 2 割 を 占 めていた( 都 道 府 県 別 のかい 離 面 積 の 詳 細 については 別 表 5を 参 照 ) - 25 -

.. 図 表 11 都 道 府 県 別 のかい 離 面 積 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) (ha) 16000 14000 12000 ( 千 葉 ) かい 離 面 積 14,375ha ( 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 の30%に 相 当 ) ( 福 島 ) ( 福 島 ) ( 福 島 ) ( 千 葉 ) ( 千 葉 ) ( 千 葉 ) ( 千 葉 ) ( 千 葉 ) か い 離 面 積 10000 ( 千 葉 ) ( 千 葉 ) 8000 6000 4000 平 均 1458 1513 2000 791 1152 1054 889 520 462 510 554 582 0 ( 鹿 児 島 ) 2000 ( 兵 庫 ) ( 鹿 児 島 ) ( 北 海 道 )( 北 海 道 ) ( 滋 賀 ) ( 滋 賀 ) ( 熊 本 ) ( 宮 崎 ) ( 宮 崎 ) ( 宮 崎 ) 4000 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 注 (1) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 都 道 府 県 別 の 需 給 調 整 の 取 組 状 況 を 基 に 作 成 注 (2) かい 離 面 積 が0を 上 回 っているものは 生 産 調 整 目 標 が 達 成 されなかったことを 示 して いる 注 (3) かい 離 面 積 の 最 大 値 から 箱 の 上 端 までが 上 位 25%の 都 道 府 県 箱 の 上 端 から 下 端 ま でが 中 位 50%の 都 道 府 県 箱 の 下 端 から 最 小 値 までが 下 位 25%の 都 道 府 県 であり そ れぞれが 分 布 している 範 囲 を 示 している なお 農 林 水 産 省 は 27 年 度 は 達 成 都 道 府 県 が36 道 府 県 (47 都 道 府 県 の76.5 %)となり 16 年 度 から26 年 度 まで 生 産 調 整 目 標 を 達 成 しなかった 前 記 16 府 県 の 一 部 において 生 産 調 整 目 標 を 達 成 したとしている (ウ) 市 町 村 段 階 検 査 の 対 象 とした 前 記 の27 道 府 県 協 議 会 に 係 る27 道 府 県 管 内 の 全 市 町 村 につい て 22 年 度 から26 年 度 までの 間 に 生 産 調 整 目 標 を 達 成 した 市 町 村 ( 以 下 達 成 市 町 村 という )の 割 合 をみると 図 表 12のとおり おおむね7 割 前 後 で 推 移 して いた - 26 -

図 表 12 達 成 市 町 村 の 割 合 等 の 推 移 ( 平 成 22 年 度 ~26 年 度 ) 市 町 村 数 達 成 市 町 村 ( 市 町 村 ) 不 達 成 又 は 達 成 状 況 不 明 市 町 村 達 成 市 町 村 の 割 合 (%) 1000 100 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 平 成 72.5 74.0 72.1 72.5 69.5 22 23 24 25 26 年 度 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 達 成 市 町 村 の 割 合 ( 注 ) 平 成 21 年 度 以 前 については 一 部 の 市 町 村 に 係 るデータを 把 握 できなかったため 分 析 の 対 象 としていない また 検 査 の 対 象 とした 前 記 の160 地 域 協 議 会 に 係 る160 市 町 村 のうち 22 年 度 から26 年 度 までの 間 における 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 に 対 する 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 割 合 ( 以 下 対 目 標 作 付 率 という )を 把 握 できた 市 町 村 について 市 町 村 別 の 対 目 標 作 付 率 の 推 移 をみると 図 表 13のとおり 上 位 25% 以 上 を 占 める 市 町 村 については 対 目 標 作 付 率 が100%を 超 えていて 生 産 調 整 目 標 を 達 成 して おらず 22 年 度 には 対 目 標 作 付 率 が150%を 超 えている 市 町 村 も 見 受 けられた こ のように 対 目 標 作 付 率 は 毎 年 度 市 町 村 間 で 大 きな 開 差 が 生 じており 対 目 標 作 付 率 の 開 差 は 最 大 で77.3ポイント(22 年 度 ) 最 小 でも60.7ポイント(24 年 度 )となっていた - 27 -

図 表 13 市 町 村 別 の 対 目 標 作 付 率 の 推 移 ( 平 成 22 年 度 ~26 年 度 ) (%) 160 156.1 150 146.1 140 138.9 139.0 138.7 対 目 標 作 付 率 130 120 110 100 箱 の 上 端 100.3 100.0 100.4 100.3 100.4 90 80 70 平 成 78.8 77.6 78.3 77.3 78.9 22 23 24 25 26 年 度 注 (1) 対 目 標 作 付 率 100% 以 下 が 生 産 調 整 目 標 を 達 成 していたことを 示 している 注 (2) 対 目 標 作 付 率 の 最 高 値 から 箱 の 上 端 までが 上 位 25%の 市 町 村 箱 の 上 端 から 下 端 ま でが 中 位 50%の 市 町 村 箱 の 下 端 から 最 低 値 までが 下 位 25%の 市 町 村 であり それぞ れが 分 布 している 範 囲 を 示 している 注 (3) 対 目 標 作 付 率 を 把 握 できた 市 町 村 数 は 年 度 ごとに 異 なっている 検 査 の 対 象 とした 前 記 160 地 域 協 議 会 のうち 22 年 度 から26 年 度 までの 各 年 度 に おいて 生 産 調 整 目 標 を 達 成 した 農 業 者 ( 非 参 加 農 業 者 を 含 む 以 下 達 成 農 業 者 という )の 数 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 全 体 について 全 農 業 者 に 占 める 達 成 農 業 者 の 割 合 ( 以 下 達 成 者 率 という )の 推 移 をみると 図 表 14のとおり 各 年 度 とも7 割 弱 で 推 移 していた また 達 成 者 率 が100%となっていた 地 域 協 議 会 が 毎 年 度 2 割 程 度 あった 一 方 で 達 成 者 率 が10% 未 満 となっていた 地 域 協 議 会 が 約 4%から 約 8%までの 間 で 推 移 しており 各 年 度 とも 地 域 協 議 会 間 で 達 成 状 況 に 大 きな 差 が 生 じていた - 28 -

図 表 14 地 域 協 議 会 ごとの 達 成 者 率 等 の 推 移 ( 平 成 22 年 度 ~26 年 度 ) 100% 地 域 協 議 会 数 100% 達 成 者 率 が100% の 地 域 協 議 会 90% 80% 33 22.6% 29 19.0% 29 18.3% 32 20.1% 30 18.7% 90% 80% 達 成 者 率 が90% 以 上 100% 未 満 の 地 域 協 議 会 地 域 協 議 会 の 構 成 比 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 平 成 29 18 21 24 26 29 31 29 23 29 12 35 65.5% 66.2% 38 34 68.4% 68.7% 33 33 30 27 28 30 9 7 6 7 34 67.2% 8.2% 5.9% 4.4% 3.7% 4.3% 22 23 24 25 26 最 低 0.1% 最 低 0.7% 最 低 1.1% 最 低 1.1% 最 低 0.8% 年 度 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 地 達 域 成 協 農 議 業 会 者 全 数 体 を の把 達 握 成 で 者 き 率 た 達 成 者 率 が70% 以 上 90% 未 満 の 地 域 協 議 会 達 成 者 率 が50% 以 上 70% 未 満 の 地 域 協 議 会 達 成 者 率 が10% 以 上 50% 未 満 の 地 域 協 議 会 達 成 者 率 が10% 未 満 の 地 域 協 議 会 達 成 農 業 者 数 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 全 体 の 達 成 者 率 ( 注 ) 達 成 農 業 者 数 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 数 は 年 度 ごとに 異 なっている 26 年 度 に 生 産 調 整 目 標 を 達 成 しなかった 農 業 者 ( 非 参 加 農 業 者 を 含 む 以 下 不 達 成 農 業 者 という )がいる 地 域 協 議 会 のうち 不 達 成 農 業 者 が 生 産 調 整 目 標 を 達 成 しなかった 理 由 を 聴 取 できた121 地 域 協 議 会 について その 主 な 理 由 を みたところ( 複 数 回 答 あり) 図 表 15のとおり 生 産 調 整 目 標 を 達 成 して 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 を 受 けるよりも 独 自 の 米 の 販 路 で 米 をより 多 く 販 売 する 方 がメリットが 大 きいためとしていたのが72 地 域 協 議 会 (121 地 域 協 議 会 の59.5%) 自 家 消 費 用 の 米 の 確 保 を 優 先 したいためとしていたのが60 地 域 協 議 会 ( 同 49.5 %) 等 となっていた 特 に 約 6 割 の 地 域 協 議 会 が 独 自 の 米 の 販 路 で 米 をより 多 く 販 売 する 方 がメリッ トが 大 きいとする 理 由 を 挙 げていたことからみると 生 産 調 整 目 標 以 上 の 主 食 用 米 を 需 要 に 応 じて 販 売 できるなどの 意 欲 ある 農 業 者 は 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 生 産 調 整 目 標 以 下 にするメリットは 乏 しいと 認 識 していることがうかがえる ま た 農 林 水 産 省 は 生 産 調 整 目 標 と 実 際 の 販 売 実 績 及 び 販 売 力 との 間 に 差 が 生 じ ており 販 売 実 績 等 を 生 産 調 整 目 標 以 内 に 収 めようとすると 取 引 先 からの 生 産 拡 大 の 要 請 に 応 えられない 場 合 があるなど 農 業 者 にとって 経 営 の 発 展 が 阻 害 され - 29 -

る 側 面 があったとしている このように 行 政 による 生 産 調 整 目 標 の 配 分 を 前 提 としたこれまでの 生 産 調 整 対 策 においては 意 欲 ある 農 業 者 にとって 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 が 阻 害 されて いる 面 もあったと 考 えられる 図 表 15 生 産 調 整 目 標 を 達 成 しなかった 主 な 理 由 ( 平 成 26 年 度 ) に不 占 達 め成 る農 回 業 答 者 数 が のい 割 た 合 121 地 域 協 議 会 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 59.5% 49.5% 46.2% 46.2% 地 域 協 議 会 数 72 60 56 56 ア イ ウ エ ( 理 由 ) ア: 生 産 調 整 目 標 を 達 成 して 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 を 受 けるよりも 独 自 の 米 の 販 路 で 米 をより 多 く 販 売 する 方 がメリットが 大 きい イ: 自 家 消 費 用 の 米 の 確 保 を 優 先 したい ウ: 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 額 が 少 額 であることから 生 産 調 整 目 標 を 達 成 するメリット が 小 さい エ: 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 対 象 に 該 当 しないため 生 産 調 整 目 標 を 達 成 するメリットが ない ( 注 ) 複 数 回 答 のため 回 答 数 の 合 計 は 地 域 協 議 会 数 よりも 多 い 26 年 度 における160 地 域 協 議 会 全 体 の 農 業 者 について 経 営 規 模 別 に 達 成 者 率 を みると 図 表 16のとおり 10ha 以 上 は97.3% 5ha 以 上 10ha 未 満 は92.0% 3ha 以 上 5ha 未 満 は86.2%となっており おおむね 経 営 規 模 が 小 さくなるほど 達 成 者 率 が 低 くなる 傾 向 がみられた - 30 -

図 表 16 経 営 規 模 別 の 達 成 者 率 ( 平 成 26 年 度 ) 達 成 農 業 者 不 達 成 農 業 者 及 び 達 成 状 況 不 明 農 業 者 10ha 以 上 97.3% 5ha 以 上 10ha 未 満 92.0% 経 営 規 模 3ha 以 上 5ha 未 満 0.5ha 以 上 3ha 未 満 71.1% 86.2% 0.1ha 以 上 0.5ha 未 満 60.1% 0.1ha 未 満 73.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 160 地 域 協 議 会 全 体 の 達 成 者 率 次 に 上 記 の 農 業 者 について 経 営 形 態 別 に 達 成 者 率 をみると 図 表 17のとお り 集 落 営 農 が98.7%と 最 も 高 く 次 いで 法 人 が91.4% 個 人 ( 認 定 農 業 者 )が 87.7% 個 人 ( 認 定 農 業 者 以 外 )が66.1%となっていた 図 表 17 経 営 形 態 別 の 達 成 者 率 ( 平 成 26 年 度 ) 達 成 農 業 者 不 達 成 農 業 者 及 び 達 成 状 況 不 明 農 業 者 集 落 営 農 98.7% 法 人 91.4% 経 営 形 態 個 人 ( 認 定 農 業 者 ) 87.7% 個 人 ( 認 定 農 業 者 以 外 ) 66.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 160 地 域 協 議 会 全 体 の 達 成 者 率 - 31 -

注 (1) 集 落 営 農 とは 集 落 を 単 位 として 生 産 行 程 の 全 部 又 は 一 部 について 共 同 で 取 り 組 む 組 織 をいう 注 (2) 個 人 ( 認 定 農 業 者 )とは 個 人 経 営 を 行 っている 農 業 者 のうち 農 業 者 が 自 らの 創 意 工 夫 に 基 づき 経 営 の 改 善 を 進 めようとする 計 画 を 作 成 し 当 該 計 画 について 市 町 村 の 認 定 を 受 けた 農 業 者 をいう イ 生 産 数 量 目 標 の 配 分 等 の 実 施 状 況 改 正 食 糧 法 において 政 府 は 地 域 の 特 性 に 応 じて 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 に 関 す る 施 策 を 講 ずるよう 努 めなければならない 旨 が 規 定 されている 16 年 度 以 降 の 生 産 調 整 対 策 の 実 施 方 法 について 定 めた 米 の 数 量 調 整 実 施 要 綱 ( 平 成 16 年 15 総 食 第 825 号 農 林 水 産 事 務 次 官 依 命 通 知 ) 等 ( 以 下 生 産 調 整 要 領 という )によれば 16 年 度 以 降 都 道 府 県 段 階 及 び 市 町 村 段 階 ともに 改 正 食 糧 法 の 趣 旨 を 踏 まえて 需 要 に 応 じた 米 づくりの 観 点 から 生 産 数 量 目 標 を 決 定 することとされ このうち 市 町 村 段 階 においては 農 業 者 の 経 営 動 向 地 域 の 米 の 作 付 状 況 等 の 地 域 の 実 情 に 応 ずるなどして 参 加 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 を 決 定 することとされていた そして 22 年 度 以 降 は 上 記 の 決 定 方 法 に 代 えて 地 域 協 議 会 において 公 正 な 議 論 の 上 で 配 分 ルールを 決 定 することとされた 前 記 のとおり 農 林 水 産 省 は 30 年 度 を 目 途 に 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 に 頼 らずとも 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 が 行 われることを 目 指 すこととしており 行 政 による 生 産 数 量 目 標 の 配 分 等 がこれまでどのように 行 われてきたかを 把 握 してお くことは 今 後 農 業 者 等 が 中 心 となって 円 滑 に 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 が 行 えるよ う 推 進 していく 上 で 重 要 であると 考 えられる そこで 16 年 度 以 降 における 生 産 数 量 目 標 の 配 分 等 について 国 段 階 都 道 府 県 段 階 及 び 市 町 村 段 階 の 各 段 階 別 にみると 次 のとおりとなっていた (ア) 国 段 階 ( 注 13) 各 都 道 府 県 の 生 産 数 量 目 標 は 全 国 の 生 産 数 量 目 標 に 都 道 府 県 別 に 算 定 した 過 ( 注 14) 去 4か 年 の 平 均 販 売 実 績 シェアを 乗 じて 算 定 されていた そして 当 該 平 均 販 売 実 績 シェアの 算 定 に 用 いる 各 年 度 の 販 売 実 績 は 都 道 府 県 ごとに 次 の 算 定 式 に 基 づいて 算 定 されていた ( 各 年 度 の 販 売 実 績 の 算 定 式 ) 各 年 度 の 販 売 実 績 = 生 産 量 ± 6 月 末 在 庫 の 増 減 数 量 + 配 慮 事 項 注 (1) 生 産 量 は 主 食 用 米 の 生 産 量 を 豊 凶 の 影 響 により 補 正 するなどした 数 量 から 生 産 数 量 目 標 に 対 する 過 剰 作 付 分 を 控 除 した 数 量 注 (2) 配 慮 事 項 は 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したことにより 作 付 面 積 が 生 産 数 量 目 標 ( 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 )を 下 回 った 場 合 や 都 道 府 県 間 調 整 を 行 ったことにより 生 - 32 -

産 数 量 目 標 が 減 少 した 場 合 等 において 減 少 した 数 量 の2 分 の1の 数 量 上 記 のとおり 各 都 道 府 県 の 生 産 数 量 目 標 は 過 去 の 販 売 実 績 を 考 慮 して 算 定 されているが 各 年 度 の 販 売 実 績 は 当 該 各 年 度 の 生 産 数 量 目 標 の 影 響 を 受 けて いることから 一 旦 生 産 数 量 目 標 が 低 く 設 定 されると これに 伴 って 販 売 実 績 も 低 くなる 傾 向 がみられ 将 来 にわたって その 影 響 が 及 ぶことになる このた め 配 慮 事 項 として 生 産 量 が 生 産 数 量 目 標 を 下 回 った 分 について 販 売 実 績 に 一 定 の 加 算 をするなどの 補 正 が 行 われていたが 生 産 数 量 目 標 を 下 回 って 生 産 した 都 道 府 県 については その 翌 年 度 の 生 産 数 量 目 標 が 依 然 として 低 下 する 仕 組 みとな っていた なお 農 林 水 産 省 は 27 年 度 の 生 産 数 量 目 標 の 配 分 に 当 たり 生 産 数 量 目 標 に 加 えて 各 産 地 が 自 主 的 な 判 断 により 需 要 に 応 じた 生 産 を 促 進 することを 図 るこ とを 目 的 として 生 産 数 量 目 標 を 下 回 る 数 値 である 自 主 的 取 組 参 考 値 を 併 記 する とともに 上 記 の 仕 組 みに 対 応 するため 28 年 度 においては 都 道 府 県 間 の 不 公 平 が 生 じないよう 27 年 度 における 都 道 府 県 別 のシェアを 固 定 し 28 年 度 におけ る 全 国 の 生 産 数 量 目 標 及 び 自 主 的 取 組 参 考 値 を 当 該 シェアで 案 分 することにより 都 道 府 県 別 の 生 産 数 量 目 標 を 設 定 しており 29 年 度 においても 同 様 に27 年 度 にお ける 都 道 府 県 別 のシェアを 固 定 して 設 定 する 方 針 を 公 表 している ( 注 13) 全 国 の 生 産 数 量 目 標 前 年 度 の 主 食 用 米 等 の 供 給 量 や 民 間 流 通 米 の 在 庫 量 の 変 動 状 況 を 考 慮 するなどして 推 計 した 全 国 における 主 食 用 米 等 の 需 要 量 を 基 に 算 定 される 米 の 生 産 量 の 目 標 値 ( 注 14) 過 去 4か 年 の 平 均 販 売 実 績 シェア 各 都 道 府 県 の 直 近 6か 年 の 販 売 実 績 のうち 最 大 値 及 び 最 小 値 を 除 く4か 年 における 平 均 販 売 実 績 の 同 4か 年 における 全 国 の 平 均 販 売 実 績 に 対 する 割 合 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 ( 都 道 府 県 別 )の 水 田 面 積 ( 同 )に 対 する 割 合 ( 以 下 配 分 率 という )について 16 年 度 以 降 の 推 移 をみると 図 表 18のとおり 最 高 で82.1%(17 年 度 東 京 都 ) 最 低 で48.9%(26 年 度 北 海 道 )となっていた そして 毎 年 度 最 高 と 最 低 の 配 分 率 には26ポイント 以 上 の 開 差 が 生 じており 都 道 府 県 間 で 大 きな 差 が 生 じていた - 33 -

図 表 18 配 分 率 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) (%) 100 95 配 分 率 90 85 80 75 70 65 60 55 50 45 40 ( 最 高 値 ) 82.1 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 ( 最 低 値 ) 48.9 注 (1) 都 道 府 県 別 の 主 食 用 水 稲 作 付 状 況 について ( 農 林 水 産 省 ) 等 を 基 に 作 成 注 (2) 沖 縄 県 では 米 の 二 期 作 が 盛 んであり 二 期 作 を 考 慮 した 配 分 が 行 われていて いず れの 年 度 も 配 分 率 が100%を 超 えることから 本 表 には 含 めていない 注 (3) 最 高 値 から 箱 の 上 端 までが 上 位 25%の 都 道 府 県 箱 の 上 端 から 下 端 までが 中 位 50% の 都 道 府 県 箱 の 下 端 から 最 低 値 までが 下 位 25%の 都 道 府 県 であり それぞれが 分 布 している 範 囲 を 示 している 注 (4) 都 道 府 県 別 の 配 分 率 については 別 表 6を 参 照 (イ) 都 道 府 県 段 階 生 産 調 整 要 領 によれば 都 道 府 県 は 農 林 水 産 省 から 提 供 された 都 道 府 県 別 の 生 産 数 量 目 標 以 下 に 収 まるように 市 町 村 別 の 生 産 数 量 目 標 を 配 分 することなど とされている 前 記 の27 道 府 県 について 16 年 度 以 降 における 市 町 村 別 の 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 の 推 移 をみると 図 表 19のとおり 担 い 手 となる 農 業 者 の 割 合 が 高 い 市 町 村 に 対 して 重 点 配 分 するなど 何 らかの 要 素 を 考 慮 して 算 定 した 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 ( 以 下 何 らかの 要 素 を 考 慮 して 算 定 した 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 を 要 素 配 分 方 式 という )を 採 用 する 道 府 県 が 毎 年 度 多 くを 占 めていたが 22 年 度 には 各 市 町 村 の 水 田 面 積 等 に 配 分 率 等 を 一 律 に 乗 じて 算 定 した 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 ( 以 下 一 律 に 算 定 した 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 方 式 を 一 律 配 分 方 式 という )を 採 用 する 県 が 増 加 した これは 同 年 度 に 米 戸 別 所 - 34 -

得 補 償 モデル 事 業 において 新 たに 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 交 付 金 の 助 成 対 象 と なったことに 伴 い 農 林 水 産 省 から 都 道 府 県 等 に 対 して 留 意 文 書 が 配 布 されてお り 同 文 書 において 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 は 従 来 以 上 に 公 平 公 正 透 明 性 のある 手 続 によることが 必 要 とされていたことが 影 響 したと 考 えられる 図 表 19 道 府 県 による 市 町 村 別 の 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~26 年 度 ) 道 府 県 数 一 律 配 分 方 式 要 素 配 分 方 式 100% 90% 80% 道 府 県 の 割 合 70% 60% 50% 40% 19 23 23 24 24 25 20 19 19 20 21 30% 20% 7 7 8 8 7 10% 6 3 3 3 3 2 0% 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 ( 注 ) 平 成 16 年 度 から18 年 度 までは 和 歌 山 県 の 配 分 方 法 が 把 握 できなかったため 道 府 県 数 に 含 めていない さらに 27 道 府 県 のうち 26 年 度 に 要 素 配 分 方 式 を 採 用 していた21 道 府 県 が 生 産 数 量 目 標 の 算 定 に 当 たり どのような 要 素 を 考 慮 していたかをみると 担 い 手 農 業 者 の 割 合 等 を 考 慮 していたのが7 府 県 (21 道 府 県 の33.3%) 有 機 米 又 は 特 別 栽 培 米 の 生 産 量 を 考 慮 していたのが4 道 県 ( 同 19.0%)となっていた また 27 道 府 県 のうち15 道 県 ( 要 素 配 分 方 式 を 採 用 している21 道 府 県 のうち12 道 県 一 律 配 分 方 式 を 採 用 している6 県 のうち3 県 )が 市 町 村 間 で 生 産 数 量 目 標 の 授 受 を 行 い 市 町 村 の 生 産 数 量 目 標 の 補 正 を 行 う 市 町 村 間 調 整 を 行 っていた (ウ) 市 町 村 段 階 生 産 調 整 要 領 によれば 地 域 協 議 会 は 市 町 村 が 都 道 府 県 から 提 供 された 市 町 - 35 -

村 別 の 生 産 数 量 目 標 以 下 で 認 定 方 針 作 成 者 に 係 る 生 産 数 量 目 標 を 算 定 し これ を 認 定 方 針 作 成 者 に 提 供 することなどとされている そして 認 定 方 針 作 成 者 は 参 加 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 及 び 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 算 定 し これらを 参 加 農 業 者 に 配 分 することとされている なお 非 参 加 農 業 者 については 21 年 度 以 前 は 一 部 の 都 道 府 県 において 生 産 数 量 目 標 を 配 分 せず その 分 を 参 加 農 業 者 の 生 産 数 量 目 標 に 上 乗 せすることが 行 われていたが 22 年 度 以 降 は 前 記 のとおり 地 域 協 議 会 から 非 参 加 農 業 者 に 対 して 生 産 数 量 目 標 を 配 分 するとともに 認 定 方 針 への 参 加 を 促 すこととなっ ている 検 査 の 対 象 とした 前 記 160 地 域 協 議 会 のうち 16 年 度 から26 年 度 までの 各 年 度 に おける 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 について そ の 配 分 方 法 の 推 移 をみると 図 表 20のとおり 19 年 度 から21 年 度 までを 除 き 過 半 数 の 地 域 協 議 会 が 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 ( 市 町 村 別 )の 水 田 面 積 ( 同 )に 対 する 割 合 を 各 農 業 者 の 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 に 乗 ずるなどして 算 定 した 生 産 数 量 目 標 を 配 分 する 一 律 配 分 方 式 を 採 用 していた 特 に 22 年 度 の 戸 別 所 得 補 償 モデル 対 策 以 降 一 律 配 分 方 式 を 採 用 する 地 域 協 議 会 が 増 加 傾 向 となっている これは 農 林 水 産 省 の 地 方 支 分 部 局 であった 地 域 センター 等 が 生 産 数 量 目 標 を 達 成 しなかった 県 における 一 部 の 地 域 協 議 会 に 対 して 前 記 の 留 意 文 書 を 踏 まえ 農 業 者 間 の 公 平 を 期 するために 一 律 配 分 方 式 を 採 用 することが 望 ましいとの 指 導 をしていたことが 影 響 したと 考 えられる - 36 -

図 表 20 地 域 協 議 会 による 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 の 推 移 ( 平 成 16 年 度 ~ 26 年 度 ) 地 域 協 議 会 数 100% 90% 一 律 配 分 方 式 要 素 配 分 方 式 地 域 協 議 会 の 割 合 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 27 38 38 49 46 60 63 70 49 58 63 66 76 74 70 70 69 82 85 89 89 91 10% 0% 平 成 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 年 度 ( 注 ) 配 分 方 法 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 数 は 年 度 ごとに 異 なっている 26 年 度 に 要 素 配 分 方 式 を 採 用 していた69 地 域 協 議 会 について 生 産 数 量 目 標 の 算 定 に 当 たり どのような 要 素 を 考 慮 していたのかをみると 図 表 21のとおり 作 付 希 望 調 査 の 結 果 を 考 慮 していたのが25 地 域 協 議 会 (69 地 域 協 議 会 の36.2%) 担 い 手 農 業 者 を 考 慮 していたのが18 地 域 協 議 会 ( 同 26.0%) 有 機 米 特 別 栽 培 米 を 生 産 する 農 業 者 を 考 慮 していたのが17 地 域 協 議 会 ( 同 24.6%)となっていた - 37 -

図 表 21 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 の 算 定 における 配 分 要 素 ( 平 成 26 年 度 ) 100% 90% た各 地 配 域 分 協 要 議 素 会 を の考 割 慮 合 し て い 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 36.2% 25 地 域 協 議 会 数 26.0% 24.6% 18 17 7.2% 5 4.3% 3 2.8% 2 47.8% 33 0% 作 付 希 望 調 査 担 い 手 農 業 者 有 機 米 特 別 栽 培 米 新 品 種 銘 柄 高 品 質 米 種 子 の 生 産 その 他 配 分 要 素 ( 注 ) 複 数 回 答 のため 回 答 数 の 合 計 は 地 域 協 議 会 数 よりも 多 い また 水 田 面 積 が10a 未 満 の 農 業 者 に 係 る 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 について 26 年 度 の 状 況 をみると 10a 未 満 の 農 業 者 は その 多 くが 自 家 消 費 用 の 米 のみを 生 産 している 小 規 模 な 農 家 であることや 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 対 象 者 とな らないことから 生 産 調 整 の 実 施 を 求 めるのが 難 しいなどとして 当 該 農 業 者 の 水 田 面 積 を 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 として 配 分 し 実 質 上 生 産 調 整 の 実 施 を 求 めないことにしていた 地 域 協 議 会 が21 地 域 協 議 会 (160 地 域 協 議 会 の13.1%) 見 受 けられた 生 産 調 整 要 領 によれば 認 定 方 針 作 成 者 又 は 地 域 協 議 会 の 代 表 者 ( 以 下 認 定 方 針 作 成 者 等 という )は 他 の 認 定 方 針 作 成 者 等 との 間 で 生 産 数 量 目 標 の 授 受 を 行 うことにより 生 産 数 量 目 標 の 補 正 を 行 うことができることとされており また 従 前 から 地 域 協 議 会 内 の 農 業 者 間 においても 生 産 数 量 目 標 の 補 正 ( 以 下 農 業 者 間 の 生 産 数 量 目 標 の 授 受 による 補 正 を 農 業 者 間 調 整 という )が 行 わ れている 26 年 度 における 農 業 者 間 調 整 の 実 施 状 況 についてみると 農 業 者 間 調 整 を 実 施 していたのは 95 地 域 協 議 会 (160 地 域 協 議 会 の59.3%) 実 施 していな かったのは65 地 域 協 議 会 ( 同 40.6%)となっていた - 38 -

農 業 者 間 調 整 を 実 施 していない 理 由 について 上 記 の65 地 域 協 議 会 に 聴 取 した ところ( 複 数 回 答 あり) 図 表 22のとおり 農 業 者 間 調 整 が 必 要 となる 状 況 が 生 じていない としていたのが41 地 域 協 議 会 (65 地 域 協 議 会 の63.0%) 公 平 を 期 するために 一 律 配 分 方 式 を 採 用 しているので 配 分 後 に 農 業 者 間 調 整 を 行 うの は 適 切 でない としていたのが14 地 域 協 議 会 ( 同 21.5%) 地 域 協 議 会 におい て 決 定 したルールに 従 って 配 分 しているので 配 分 後 に 農 業 者 間 調 整 を 行 うのは 適 切 でない としていたのが9 地 域 協 議 会 ( 同 13.8%)となっていた 図 表 22 農 業 者 間 調 整 を 実 施 していない 理 由 ( 平 成 26 年 度 ) 地 農 域 業 協 者 議 間 会 調 に整 占 を め実 る施 回 し 答 て 数 い のな 割 か 合 っ た 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 63.0% 地 域 協 議 会 数 41 21.5% 13.8% 6.1% 14 9 ア イ ウ エ 4 ア: 農 業 者 間 調 整 が 必 要 となる 状 況 が 生 じていない イ: 公 平 を 期 するために 一 律 配 分 方 式 を 採 用 しているので 配 分 後 に 農 業 者 間 調 整 を 行 うのは 適 切 でない ウ: 地 域 協 議 会 において 決 定 したルールに 従 って 配 分 しているので 配 分 後 に 農 業 者 間 調 整 を 行 うのは 適 切 でない エ:その 他 ( 注 ) 複 数 回 答 のため 回 答 数 の 合 計 は 地 域 協 議 会 数 よりも 多 い このように 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 は 一 律 配 分 方 式 を 採 用 していたり 要 素 配 分 方 式 を 採 用 していたり 要 素 配 分 方 式 の 配 分 要 素 が 異 なっていたりしていて 都 道 府 県 ごと 及 び 地 域 協 議 会 ごとに 区 々となっていた これは 改 正 食 糧 法 におい て 政 府 が 生 産 調 整 の 円 滑 な 推 進 に 関 する 施 策 を 講 ずるに 当 たっては 地 域 の 特 性 に 応 じて 行 うよう 努 めなければならないこととなっており 生 産 数 量 目 標 の 具 体 的 な 配 分 方 法 については 地 域 の 裁 量 に 委 ねられていることによるものである 一 方 生 産 数 量 目 標 は 主 食 用 水 稲 を 作 付 けする 全 農 業 者 を 対 象 とした 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 判 定 にも 用 いられており 生 産 数 量 目 標 の 配 分 方 法 が 都 道 府 県 ご と 及 び 地 域 協 議 会 ごとに 区 々となっていることによって 農 業 者 ごとの 生 産 数 量 目 - 39 -

標 の 配 分 率 に 高 低 が 生 ずる 場 合 には 水 田 面 積 の 規 模 が 同 じ 農 業 者 であっても 主 食 用 水 稲 を 作 付 けすることができる 面 積 に 差 が 生 じ 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 額 にも 差 が 生 ずることになる ウ 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 の 判 定 方 法 等 検 査 の 対 象 とした 前 記 の160 地 域 協 議 会 による26 年 度 の 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 の 判 定 方 法 をみると 次 の 三 つの 方 法 のうちのいずれかの 方 法 によって 行 われ ていた 1 農 業 者 間 調 整 を 実 施 しており 農 業 者 別 に 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 と 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 とを 比 較 し 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 を 判 定 する 2 農 業 者 間 調 整 を 実 施 しておらず 農 業 者 別 に 認 定 方 針 作 成 者 等 が 当 初 配 分 した 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 と 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 とを 比 較 し 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 を 判 定 する 3 地 域 協 議 会 又 は 集 落 に 配 分 された 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 と 当 該 地 域 協 議 会 管 内 又 は 当 該 集 落 内 の 農 業 者 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 合 計 とを 比 較 し 後 者 の 作 付 面 積 の 合 計 が 前 者 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 以 下 である 場 合 は 各 農 業 者 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 とみなして 地 域 協 議 会 管 内 又 は 集 落 内 の 全 農 業 者 を 生 産 数 量 目 標 達 成 と 判 定 する そして 上 記 1 2 及 び3の 判 定 方 法 別 に 地 域 協 議 会 数 等 をみると 図 表 23の とおりとなっていた - 40 -

図 表 23 地 域 協 議 会 による 達 成 又 は 不 達 成 の 判 定 方 法 ( 平 成 26 年 度 ) 324 15.0% 1 農 業 者 別 の 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 で 判 定 する 259 36.8% 地 域 協 議 会 数 160 177 48.1% 2 農 業 者 別 の 当 初 配 分 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 で 判 定 する 3 地 域 協 議 会 又 は 集 落 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 で 判 定 する これらの 方 法 のうち1の 方 法 による 場 合 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 は 前 記 の 公 平 公 正 透 明 性 のある 手 続 により 定 められた 配 分 ルールに 基 づいて 地 域 協 議 会 から 農 業 者 に 配 分 された 後 に 農 業 者 間 において 農 業 者 間 調 整 が 行 われて 決 定 されることになる そして 当 初 配 分 された 生 産 数 量 目 標 を 超 えて 主 食 用 水 稲 の 作 付 けを 希 望 するなどして 他 の 農 業 者 から 生 産 数 量 目 標 の 供 出 を 受 けた 農 業 者 は よ り 多 くの 主 食 用 水 稲 の 作 付 けが 可 能 となるだけでなく 生 産 数 量 目 標 を 達 成 した 場 合 には より 多 くの 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 を 受 けられることになる 農 業 者 間 調 整 により 他 の 農 業 者 から 生 産 数 量 目 標 の 供 出 を 受 けた 農 業 者 のうち 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 を 受 けた 者 の 中 には 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 と 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 とが 同 一 となり さらに 当 該 水 田 面 積 と 実 際 に 作 付 けした 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 とが 同 一 となっていて 主 食 用 米 の 生 産 量 が 全 く 抑 制 されて いない 者 も 見 受 けられた 上 記 の 農 業 者 は いずれも 農 業 者 別 の 生 産 数 量 目 標 を 達 成 していて 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 要 件 を 満 たしており 制 度 上 認 められないものではないものの 個 々の 農 業 者 に 係 る 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 が 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 及 び 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 と 同 一 となっていて 主 食 用 米 の 生 産 量 の 実 質 的 な 抑 - 41 -

制 に 結 び 付 いていない 場 合 においても 当 該 農 業 者 に 対 して 米 の 直 接 支 払 交 付 金 が 交 付 される 仕 組 みとなっている 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 が 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 等 と 同 一 とな っているものについて 事 例 を 示 すと 次 のとおりである < 事 例 1> 個 々の 農 業 者 に 係 る 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 が 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 等 と 同 一 となっていて 米 の 生 産 量 の 抑 制 に 結 び 付 いていないもの 山 形 県 鶴 岡 市 農 業 振 興 協 議 会 は 平 成 26 年 度 に 山 形 県 から 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 9,935ha の 配 分 を 受 けた 後 市 町 村 間 調 整 を 行 った 結 果 同 協 議 会 における26 年 度 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を9,986haとした そして 同 協 議 会 は 管 内 の 農 業 者 6,537 人 に 対 して 計 9,974haの 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 の 配 分 を 行 っていた 同 協 議 会 管 内 の 農 業 者 6,537 人 のうち 6,330 人 ( 管 内 の 農 業 者 の96.8%)は 農 業 者 間 調 整 を 実 施 して 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 の 変 更 を 行 っており その 結 果 3,500 人 の 農 業 者 ( 同 53.5%)が 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 ( 以 下 作 付 面 積 という ) 計 9,834ha( 管 内 の 作 付 面 積 の98.5%)について 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 を 受 けていた 同 交 付 金 の 交 付 を 受 けた 農 業 者 のうち2,111 人 ( 作 付 面 積 計 6,423ha)は 農 業 者 間 調 整 で 他 の 農 業 者 から 供 出 を 受 けたことにより 同 協 議 会 から 当 初 配 分 された 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 上 回 る 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 に 基 づいて 主 食 用 水 稲 の 作 付 けを 行 っていた そし て このうちの73 人 ( 作 付 面 積 計 91ha)については 個 々の 農 業 者 に 係 る 農 業 者 間 調 整 後 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 が 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 及 び 作 付 面 積 と 同 一 となっていて 主 食 用 米 の 生 産 量 が 全 く 抑 制 されていなかった また 3の 方 法 については 生 産 調 整 対 策 が 主 食 用 米 の 生 産 量 の 抑 制 を 目 的 とし ていることからみて 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 について 農 業 者 ごとではな く 地 域 協 議 会 や 地 域 協 議 会 から 配 分 を 受 けた 集 落 を 単 位 として 判 定 したとしても 当 該 地 域 協 議 会 又 は 集 落 全 体 の 生 産 数 量 目 標 の 範 囲 内 で 主 食 用 水 稲 を 作 付 けしてい る 限 り 必 ずしもその 目 的 に 反 するものではない 一 方 米 の 直 接 支 払 交 付 金 は 地 域 協 議 会 や 集 落 ではなく 個 々の 農 業 者 に 対 して 交 付 されるものであり 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 については 農 業 者 ごとの 生 産 数 量 目 標 に 基 づいて 判 定 することが 適 当 であると 考 えられる しかし 一 部 の 地 域 協 議 会 において 集 落 単 位 で 生 産 数 量 目 標 を 達 成 した 場 合 は 当 該 集 落 内 の 全 農 業 者 を 達 成 農 業 者 とする 一 方 で 集 落 単 位 で 生 産 数 量 目 標 を 達 成 しなかった 場 合 は 当 該 集 落 内 の 全 農 業 者 を 不 達 成 農 業 者 とはせず 農 業 者 ごとに 達 成 又 は 不 達 成 を 判 定 するなど 判 定 方 法 が 統 一 されていないものが 見 受 けられた 上 記 について 事 例 を 示 すと 次 のとおりである - 42 -

< 事 例 2> 生 産 数 量 目 標 の 達 成 又 は 不 達 成 について 集 落 単 位 で 達 成 となる 場 合 は 集 落 単 位 集 落 単 位 で 不 達 成 となる 場 合 は 農 業 者 ごとに 判 定 するなどしていて 判 定 方 法 が 統 一 され ていないもの 岐 阜 県 岐 阜 市 農 業 再 生 協 議 会 は 平 成 26 年 度 の 生 産 調 整 対 策 の 実 施 に 向 けて 管 内 31 地 区 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 希 望 面 積 ( 以 下 希 望 面 積 という )を 調 査 し 31 地 区 の 希 望 面 積 の 合 計 と 同 協 議 会 に 配 分 された 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 ( 以 下 協 議 会 目 標 面 積 という ) とを 比 較 して 31 地 区 の 希 望 面 積 の 合 計 が 協 議 会 目 標 面 積 以 下 であれば 管 内 の 全 農 業 者 を 達 成 農 業 者 と 判 定 することとしていた しかし 同 協 議 会 は 上 記 の 比 較 の 結 果 31 地 区 の 希 望 面 積 の 合 計 が 協 議 会 目 標 面 積 を 上 回 ったことから 地 区 ごとに 比 較 することとし 26 地 区 を 達 成 5 地 区 を 不 達 成 とした 上 で 26 地 区 については 地 区 内 の 全 農 業 者 を 達 成 農 業 者 と 判 定 していた 一 方 5 地 区 については 地 区 内 の 全 農 業 者 1,528 人 を 不 達 成 農 業 者 と 判 定 するのではなく 農 業 者 ごとに 判 定 することとして このうちの425 人 を 不 達 成 農 業 者 と 判 定 し 残 りの1,103 人 を 達 成 農 業 者 と 判 定 していた エ 認 定 方 針 への 参 加 状 況 等 改 正 食 糧 法 及 び 生 産 調 整 方 針 認 定 要 領 ( 平 成 16 年 15 総 食 第 852 号 農 林 水 産 省 総 合 食 料 局 長 通 知 )によれば 生 産 数 量 目 標 を 確 実 に 達 成 するために 適 切 なものであるこ となどが 生 産 調 整 方 針 の 認 定 の 要 件 とされており 参 加 農 業 者 は 生 産 調 整 方 針 に 従 って 米 の 生 産 を 行 うこととされている そして 認 定 方 針 作 成 者 は 生 産 調 整 要 領 に 基 づいて 参 加 農 業 者 に 対 して 生 産 数 量 目 標 及 び 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 配 分 す ることとなっているため 参 加 農 業 者 を 把 握 することが 必 要 となる そこで 検 査 の 対 象 とした 前 記 160 地 域 協 議 会 のうち 参 加 農 業 者 の 全 農 業 者 に 対 する 割 合 ( 以 下 参 加 率 という )を 把 握 できた 地 域 協 議 会 について 22 年 度 か ら26 年 度 までの 各 年 度 における 地 域 協 議 会 全 体 の 参 加 率 の 推 移 をみると 図 表 24の とおり 毎 年 度 約 9 割 となっていた また 参 加 率 が100%となっている 地 域 協 議 会 が7 割 弱 で 推 移 している 一 方 で 参 加 率 が 最 低 で1.4%(22 年 度 )にとどまっている など 著 しく 低 い 地 域 協 議 会 も 見 受 けられた - 43 -

図 表 24 地 域 協 議 会 ごとの 参 加 率 の 推 移 ( 平 成 22 年 度 ~26 年 度 ) 地 域 協 議 会 数 100% 90% 89.4% 90.3% 91.3% 90.9% 91.0% 100% 90% 参 加 率 が100%の 地 域 協 議 会 地 域 協 議 会 の 構 成 比 80% 70% 60% 50% 40% 30% 100 65.7% 26 104 66.6% 109 68.1% 110 68.7% 110 68.7% 28 25 23 22 80% 参 加 率 を 70% 把 握 で 60% き た 地 域 50% 協 議 会 全 40% 体 の 参 30% 加 率 参 加 率 が90% 以 上 100% 未 満 の 地 域 協 議 会 参 加 率 が70% 以 上 90% 未 満 の 地 域 協 議 会 参 加 率 が50% 以 上 70% 未 満 の 地 域 協 議 会 参 加 率 が50% 未 満 の 地 域 協 議 会 20% 20% 10% 0% 8 6 9 10 11 9 9 9 9 9 最 低 最 低 最 低 最 低 9 1.4% 9 1.9% 8 3.7% 8 8 3.2% 平 成 22 23 24 25 26 年 度 最 低 3.1% 10% 0% 参 加 率 を 把 握 でき た 地 域 協 議 会 全 体 の 参 加 率 ( 注 ) 参 加 率 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 数 は 年 度 ごとに 異 なっている また 26 年 度 において 参 加 率 を 把 握 できた160 地 域 協 議 会 について 地 域 協 議 会 ご との 参 加 率 と 生 産 数 量 目 標 を 達 成 した 農 業 者 に 係 る 達 成 者 率 を 対 比 すると 図 表 25 のとおり 達 成 者 率 が 参 加 率 を 下 回 っていて 参 加 農 業 者 であるのに 不 達 成 農 業 者 がいた 地 域 協 議 会 が113 地 域 協 議 会 (160 地 域 協 議 会 の70.6%)あり この 中 には 参 加 率 が100%となっていたのに 達 成 者 率 が1.0%と 著 しく 低 い 地 域 協 議 会 も 見 受 けら れた - 44 -

図 表 25 地 域 協 議 会 ごとの 参 加 率 と 達 成 者 率 の 対 比 ( 平 成 26 年 度 ) (%) 100 90 80 参 加 率 と 達 成 者 率 がともに 100%となって いたのは29 地 域 協 議 会 地 域 協 議 会 の 達 成 者 率 70 60 50 40 30 20 達 成 者 率 が 参 加 率 を 下 回 っていたの は113 地 域 協 議 会 (70.6%)( 斜 線 より 下 の 地 域 協 議 会 ) 10 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100(%) 地 域 協 議 会 の 参 加 率 参 加 率 100% 達 成 者 率 1.0% 上 記 を 踏 まえて 160 地 域 協 議 会 において 主 にどのような 農 業 者 を 参 加 農 業 者 と しているかについてみると 図 表 26のとおり 31 地 域 協 議 会 (160 地 域 協 議 会 の19. 3%)では 農 業 者 に 参 加 の 意 思 を 確 認 していたが 68 地 域 協 議 会 ( 同 42.5%)では 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としていたり 9 地 域 協 議 会 ( 同 5.6 %)では 米 の 作 付 実 績 又 は 出 荷 実 績 がある 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としていたりし ていて 農 業 者 が 認 定 方 針 に 参 加 する 意 思 があるかどうかを 確 認 していなかったと 認 められる 地 域 協 議 会 が 計 77 地 域 協 議 会 ( 同 48.1%) 見 受 けられた - 45 -

図 表 26 地 域 協 議 会 ごとの 参 加 農 業 者 の 把 握 方 法 計 77 地 域 協 議 会 100% 90% 80% 地 域 協 議 会 の 割 合 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 42.5% 68 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 全 て 地 域 協 議 会 21.2% 34 実 施 計 画 書 を 提 出 した 農 業 者 全 て 19.3% 31 9 5.6% 参 加 の 意 思 を 示 した 農 業 者 米 の 作 付 実 績 又 は 出 荷 実 績 がある 農 業 者 全 て 11.2% 18 その 他 以 上 のとおり 参 加 農 業 者 であるのに 不 達 成 農 業 者 がいたり 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としていたりしていて 生 産 調 整 要 領 において 求 め られる 運 用 が 行 われていないと 認 められる 地 域 協 議 会 が 見 受 けられた 地 域 協 議 会 管 内 の 参 加 農 業 者 のほとんどが 不 達 成 農 業 者 となっていたなどのもの について 事 例 を 示 すと 次 のとおりである < 事 例 3> 参 加 農 業 者 のほとんどが 不 達 成 農 業 者 となっていたり 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としたりしているもの 千 葉 県 佐 倉 市 地 域 農 業 再 生 協 議 会 は 平 成 26 年 度 に 管 内 の 全 農 業 者 2,336 人 を 参 加 農 業 者 としていた しかし 同 年 度 の 達 成 者 率 をみると 1.7%となっており 参 加 農 業 者 のほとんどが 不 達 成 農 業 者 となっていた また 同 協 議 会 は 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 としており 認 定 方 針 への 参 加 の 意 思 を 個 々の 農 業 者 に 確 認 していなかった オ 水 稲 生 産 実 施 計 画 書 の 提 出 状 況 生 産 調 整 要 領 によれば 農 業 者 が 生 産 数 量 目 標 の 配 分 を 受 けた 場 合 当 年 度 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 等 を 記 載 した 水 稲 生 産 実 施 計 画 書 ( 以 下 計 画 書 という ) を 認 定 方 針 作 成 者 等 へ 提 出 することとされている( 以 下 計 画 書 を 提 出 した 農 業 者 - 46 -

を 提 出 農 業 者 計 画 書 を 提 出 していない 農 業 者 を 未 提 出 農 業 者 という ) そこで 検 査 の 対 象 とした 前 記 160 地 域 協 議 会 のうち 提 出 農 業 者 の 全 農 業 者 に 対 する 割 合 ( 以 下 提 出 率 という )を 把 握 できた 地 域 協 議 会 について 22 年 度 か ら26 年 度 までの 各 年 度 における 地 域 協 議 会 全 体 の 提 出 率 の 推 移 をみると 図 表 27の とおり 毎 年 度 約 8 割 前 後 で 推 移 していた また 提 出 率 が100%の 地 域 協 議 会 の 割 合 は2 割 から3 割 までの 間 で 推 移 しており 26 年 度 は38 地 域 協 議 会 で23.7%となって いた( 未 提 出 農 業 者 がいた 地 域 協 議 会 は 計 122 地 域 協 議 会 ) 一 方 提 出 率 が50% 未 満 の 地 域 協 議 会 の 割 合 は 約 1 割 で 推 移 しており この 中 には 提 出 率 が 最 低 で0.1% (22 年 度 )と 著 しく 低 い 地 域 協 議 会 も 見 受 けられた 図 表 27 地 域 協 議 会 ごとの 提 出 率 の 推 移 ( 平 成 22 年 度 ~26 年 度 ) 地 域 協 議 会 の 構 成 比 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 平 成 42 28.5% 50 55 31 10 地 域 協 議 会 数 42 27.4% 23 39 24.5% 82.4% 82.4% 80.5% 54 29 39 24.3% 19 22 20 49 49 最 低 最 低 最 低 14 14 15 17 最 低 17 0.1% 2.5% 2.2% 1.6% 35 79.4% 38 23.7% 22 23 24 25 26 年 度 30 26 77.3% 最 低 1.2% 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 提 出 率 を 把 握 で き た 地 域 協 議 会 全 体 の 提 出 率 提 出 率 が100%の 地 域 協 議 会 提 出 率 が90% 以 上 100% 未 満 の 地 域 協 議 会 提 出 率 が70% 以 上 90% 未 満 の 地 域 協 議 会 提 出 率 が50% 以 上 70% 未 満 の 地 域 協 議 会 提 出 率 が50% 未 満 の 地 域 協 議 会 提 出 率 を 把 握 でき た 地 域 協 議 会 全 体 の 提 出 率 ( 注 ) 提 出 率 を 把 握 できた 地 域 協 議 会 数 は 年 度 ごとに 異 なっている また 26 年 度 において 提 出 率 を 把 握 できた160 地 域 協 議 会 について 地 域 協 議 会 ご との 参 加 率 と 提 出 率 を 対 比 すると 図 表 28のとおり 提 出 率 が 参 加 率 を 下 回 ってい て 参 加 農 業 者 であるのに 未 提 出 農 業 者 がいた 地 域 協 議 会 が96 地 域 協 議 会 (160 地 域 協 議 会 の60.0%)あり この 中 には 参 加 率 が100%となっていたのに 提 出 率 が1.2% と 著 しく 低 くなっていて 生 産 調 整 要 領 において 求 められる 運 用 が 行 われていない と 認 められる 地 域 協 議 会 が 見 受 けられた - 47 -

図 表 28 地 域 協 議 会 ごとの 参 加 率 と 提 出 率 の 対 比 ( 平 成 26 年 度 ) (%) 100 90 80 参 加 率 と 提 出 率 がともに 100%となっ ていたのは32 地 域 協 議 会 地 域 協 議 会 の 提 出 率 70 60 50 40 30 20 提 出 率 が 参 加 率 を 下 回 っていたのは96 地 域 協 議 会 (60.0%) ( 斜 線 より 下 の 地 域 協 議 会 ) 10 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) 地 域 協 議 会 の 参 加 率 参 加 率 100% 提 出 率 1.2% 未 提 出 農 業 者 がいた 理 由 について 地 域 協 議 会 に 聴 取 したところ 未 提 出 農 業 者 は 米 の 直 接 支 払 交 付 金 の 交 付 対 象 に 該 当 していなかったり 交 付 対 象 に 該 当 していて も 交 付 金 の 交 付 を 受 けるつもりがなかったりしていることから 計 画 書 を 提 出 する 意 味 がないためとする 地 域 協 議 会 が 多 かった また このほか 前 記 のとおり 半 数 近 い 地 域 協 議 会 が 認 定 方 針 への 参 加 意 思 の 有 無 にかかわらず 生 産 数 量 目 標 を 配 分 した 農 業 者 を 全 て 参 加 農 業 者 とするなどしていることも 影 響 していると 考 えられる 提 出 率 を 把 握 できた 前 記 の160 地 域 協 議 会 全 体 の 農 業 者 について さらに 経 営 規 模 別 及 び 経 営 形 態 別 の 提 出 率 をみると 図 表 29 及 び 図 表 30のとおり 経 営 規 模 が 小 さいほど 低 くなり 個 人 ( 認 定 農 業 者 以 外 )が 他 の 経 営 形 態 に 比 べて 最 も 低 くなっ ていた - 48 -

図 表 29 経 営 規 模 別 の 計 画 書 の 提 出 率 ( 平 成 26 年 度 ) 提 出 農 業 者 未 提 出 農 業 者 10ha 以 上 98.7% 5ha 以 上 10ha 未 満 97.4% 経 営 規 模 3ha 以 上 5ha 未 満 0.5ha 以 上 3ha 未 満 88.6% 95.5% 0.1ha 以 上 0.5ha 未 満 75.6% 0.1ha 未 満 63.6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 提 出 率 図 表 30 経 営 形 態 別 の 計 画 書 の 提 出 率 ( 平 成 26 年 度 ) 提 出 農 業 者 未 提 出 農 業 者 集 落 営 農 99.2% 経 営 形 態 法 人 個 人 ( 認 定 農 業 者 ) 93.3% 92.2% 個 人 ( 認 定 農 業 者 以 外 ) 76.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 提 出 率 カ 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 確 認 状 況 地 域 協 議 会 は 生 産 調 整 要 領 に 基 づき 現 地 確 認 等 により 当 年 度 における 当 該 地 域 全 体 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 適 正 な 把 握 に 努 めることとなっており 計 画 書 に 記 載 された 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 について 現 地 を 確 認 するなどして 確 認 を 行 ってい る そこで 検 査 の 対 象 とした 前 記 160 地 域 協 議 会 のうち 26 年 度 において 未 提 出 農 業 - 49 -

者 がいた122 地 域 協 議 会 について 未 提 出 農 業 者 に 係 る 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 確 認 をどのように 行 っているかをみたところ 図 表 31のとおり 31 地 域 協 議 会 は 現 地 確 認 等 により 確 認 していたが 81 地 域 協 議 会 は 過 去 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 をその まま 当 年 度 の 作 付 面 積 とみなしたり 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 や 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 をそのまま 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 とみなしたりしていて 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 現 地 確 認 等 により 確 認 していなかった 図 表 31 未 提 出 農 業 者 に 係 る 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 の 確 認 方 法 ( 地 域 協 議 会 ) 70 計 81 地 域 協 議 会 ( 重 複 を 除 く ) 60 50 地 域 協 議 会 数 40 30 60 20 31 10 16 17 0 現 地 確 認 等 により 確 認 過 去 の 作 付 面 積 を 当 年 度 の 作 付 面 積 とみなす 水 田 面 積 を 作 付 面 積 と みなす 6 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 作 付 面 積 とみなす その 他 ( 注 ) 水 田 の 状 況 等 ごとに 異 なる 方 法 で 確 認 を 行 っている 地 域 協 議 会 があるため 回 答 数 の 合 計 は 地 域 協 議 会 数 よりも 多 い 上 記 の81 地 域 協 議 会 は 未 提 出 農 業 者 に 係 る 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 について 現 地 確 認 等 による 確 認 を 行 っていないことから 市 町 村 全 体 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 正 確 には 把 握 していなかった これについて 事 例 を 示 すと 次 のとおりである < 事 例 4> 未 提 出 農 業 者 に 係 る 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 について 現 地 確 認 等 により 確 認 していなか ったもの 鹿 児 島 県 霧 島 市 農 業 再 生 協 議 会 は 水 田 台 帳 上 の 水 田 面 積 が10a 以 下 の 農 業 者 に 対 して は 水 田 面 積 を 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 として 配 分 し 水 田 面 積 が10aを 超 える 農 業 者 に 対 しては 担 い 手 となる 農 業 者 に 重 点 配 分 するなどの 要 素 配 分 方 式 により 配 分 を 行 っている そして 平 成 26 年 度 において 同 協 議 会 全 体 の 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 1,907haに 対 して 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 計 1,729haになったとして 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したとしていた しかし 同 協 議 会 が 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 配 分 した 農 業 者 14,555 人 のうち14,101 人 は - 50 -

未 提 出 農 業 者 であり 同 協 議 会 は これらの 農 業 者 に 係 る 作 付 面 積 を 現 地 確 認 等 により 確 認 することなく 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 をそのまま 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 とみなしていた このため 同 協 議 会 においては 管 内 の 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 を 正 確 に 把 握 していない 状 況 となっていた (2) 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 状 況 生 産 調 整 対 策 は 新 基 本 法 上 どのように 位 置 付 けられているか また 農 林 水 産 省 に おいて 改 正 食 糧 法 施 行 期 の16 年 度 以 降 新 基 本 法 の 目 的 等 を 踏 まえて 事 後 評 価 が 適 時 適 切 に 行 われ その 評 価 結 果 がその 後 の 生 産 調 整 対 策 にどのように 活 用 されてきた かなどについてみると 次 のとおりとなっていた ア 生 産 調 整 対 策 の 新 基 本 法 における 位 置 付 け 等 新 基 本 法 は 図 表 32のとおり その 目 的 とされている 国 民 生 活 の 安 定 向 上 及 び 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 ( 第 1 条 )を 達 成 するために 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 ( 第 2 条 ) 及 び 多 面 的 機 能 の 発 揮 ( 第 3 条 )を 図 り 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 及 び 多 面 的 機 能 の 発 揮 の 実 現 のために 農 業 の 持 続 的 発 展 ( 第 4 条 )を 図 り 農 業 の 持 続 的 発 展 の 実 現 のために 農 村 の 振 興 ( 第 5 条 )を 図 るといった 理 念 構 造 とな っている そして 生 産 調 整 対 策 は 上 記 の 農 業 の 持 続 的 発 展 に 関 する 施 策 の うち 農 産 物 の 価 格 の 形 成 と 経 営 の 安 定 ( 第 30 条 )のための 施 策 の 一 つとして 位 置 付 けられている また 農 産 物 の 価 格 の 形 成 と 経 営 の 安 定 について 新 基 本 法 第 30 条 第 1 項 では 国 は 消 費 者 の 需 要 に 即 した 農 業 生 産 を 推 進 するため 農 産 物 の 価 格 が 需 給 事 情 及 び 品 質 評 価 を 適 切 に 反 映 して 形 成 されるよう 必 要 な 施 策 を 講 ずるものとする と 規 定 されている - 51 -

図 表 32 生 産 調 整 対 策 の 新 基 本 法 における 位 置 付 け ( 目 的 ) 国 民 生 活 の 安 定 向 上 及 び 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 ( 第 1 条 ) 理 念 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 ( 第 2 条 ) 多 面 的 機 能 の 発 揮 ( 第 3 条 ) 農 業 の 持 続 的 発 展 に 関 する 施 策 ( 第 21 条 ~ 第 33 条 ) 農 業 の 持 続 的 発 展 ( 第 4 条 ) 農 村 の 振 興 ( 第 5 条 ) 農 産 物 の 価 格 の 形 成 と 経 営 の 安 定 ( 第 30 条 ) 消 費 者 の 需 要 に 即 した 農 業 生 産 を 推 進 するため 農 産 物 の 価 格 が 需 給 事 情 及 び 品 質 評 価 を 適 切 に 反 映 して 形 成 されるよう 必 要 な 施 策 を 講 ずる 具 体 的 な 施 策 生 産 調 整 対 策 等 また 新 基 本 法 に 掲 げられた 基 本 理 念 及 び 施 策 の 基 本 方 向 を 具 体 化 し それを 的 確 に 実 施 していくために 食 料 農 業 農 村 基 本 計 画 ( 以 下 基 本 計 画 とい う )が 策 定 されて おおむね5 年 ごとに 所 要 の 変 更 を 行 うこととなった そして 12 年 度 の 基 本 計 画 ( 平 成 12 年 3 月 閣 議 決 定 )によれば 農 業 の 持 続 的 発 展 の 上 位 の 理 念 に 位 置 付 けられている 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 については 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 は 消 費 者 が 良 質 な 食 料 を 合 理 的 な 価 格 で 安 定 的 に 得 られるようにする ことを 意 味 するものであり 消 費 者 ニーズにこたえ 得 る 農 産 物 を 提 供 していくこと が 農 業 生 産 の 基 本 である などとされていた イ 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 状 況 前 記 生 産 調 整 対 策 の 新 基 本 法 における 位 置 付 け 等 を 踏 まえると 16 年 度 以 降 の 生 産 調 整 対 策 については 消 費 者 の 需 要 に 即 した 米 の 生 産 が 行 われているか 米 価 が 需 給 事 情 及 び 品 質 評 価 を 適 切 に 反 映 した 価 格 になっているかなどについての 評 価 が 行 われることが 重 要 と 考 えられる そこで 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 評 価 の 考 え 方 及 び 事 後 評 価 の 実 施 状 況 についてみると 次 のとおりとなっていた (ア) 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 評 価 の 考 え 方 - 52 -

米 価 に 対 する 評 価 について 農 林 水 産 省 の 見 解 を 聴 取 したところ 同 省 は 生 産 調 整 対 策 を 評 価 する 指 標 として 価 格 を 設 定 することは 困 難 であるとしており その 理 由 は 米 価 は 需 給 動 向 等 を 踏 まえて 民 間 取 引 の 中 で 決 定 されるものである ことから 行 政 が 適 切 な 米 価 を 設 定 することは 適 切 ではなく 適 切 な 米 価 の 水 準 を 設 定 することも 困 難 であるとしている 農 林 水 産 省 は 生 産 調 整 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 は 主 食 用 米 の 需 要 が 減 少 傾 向 にあり 潜 在 的 に 生 産 力 が 過 剰 な 構 造 となっている 中 で 需 要 に 応 じた 主 食 用 米 の 生 産 を 進 めることであるとしていることから 生 産 調 整 対 策 は 需 要 に 応 じた 主 食 用 米 の 生 産 が 行 われたか すなわち 毎 年 度 の 主 食 用 米 の 生 産 量 が 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したかを 確 認 することにより 評 価 できるとしている また 農 林 水 産 省 は 前 記 のとおり 改 正 食 糧 法 に 基 づき 米 穀 の 需 給 及 び 価 格 の 安 定 を 図 るため 毎 年 基 本 指 針 を 定 めることとしている 基 本 指 針 の 策 定 に 当 たっては 食 料 農 業 農 村 政 策 審 議 会 の 意 見 を 聴 取 し 当 年 6 月 末 の 民 間 在 庫 数 量 当 年 度 の 主 食 用 米 等 の 生 産 量 ( 当 年 度 10 月 15 日 現 在 の 予 想 収 穫 量 以 下 同 じ ) 及 び 翌 年 度 の 需 要 見 通 しを 踏 まえて 翌 年 度 の 生 産 数 量 目 標 を 算 定 して いる そして 上 記 のとおり 生 産 調 整 対 策 の 基 本 的 な 考 え 方 は 需 要 に 応 じた 主 食 用 米 の 生 産 を 進 めることであるとしていることから 豊 凶 変 動 の 影 響 はある ものの 毎 年 度 の 生 産 調 整 対 策 の 効 果 は 当 年 度 の 主 食 用 米 等 の 生 産 量 に 反 映 さ れることになるとしている 以 上 のことから 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 評 価 の 考 え 方 による と 生 産 調 整 対 策 は 生 産 数 量 目 標 を 達 成 したかにより 評 価 され また 翌 年 度 の 生 産 数 量 目 標 の 算 定 の 際 には 当 年 度 の 生 産 調 整 対 策 の 効 果 が 反 映 された 当 年 度 の 主 食 用 米 等 の 生 産 量 が 活 用 されるというサイクルが 毎 年 繰 り 返 されることにな る (イ) 農 林 水 産 省 における 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 実 施 状 況 農 林 水 産 省 は 行 政 機 関 が 行 う 政 策 の 評 価 に 関 する 法 律 ( 平 成 13 年 法 律 第 86 号 )に 基 づき 基 本 計 画 等 を 踏 まえて 政 策 分 野 及 び 目 標 を 設 定 し 政 策 評 価 を 実 施 している そこで 16 年 度 から26 年 度 までの 間 を 対 象 に 同 省 が 実 施 した 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 について 12 17 22 各 年 度 の 基 本 計 画 ( 計 画 期 間 は それぞれ12 年 度 から16 年 度 まで 17 年 度 から21 年 度 まで 22 年 度 から26 年 度 まで - 53 -

となっている )の 別 に 政 策 評 価 を 中 心 として 生 産 調 整 対 策 に 係 る 事 後 評 価 の 実 施 状 況 をみると 次 のとおりとなっていた( 別 表 7 参 照 ) a 16 年 度 の 事 後 評 価 の 実 施 状 況 16 年 度 における 生 産 調 整 対 策 は 12 年 度 の 基 本 計 画 等 を 踏 まえて 設 定 された 政 策 分 野 のうち 米 の 需 給 政 策 分 野 の 施 策 の 一 つとして 位 置 付 けられており 米 の 安 定 供 給 が 図 られたかについて 評 価 することを 意 図 した 評 価 指 標 により 評 価 が 行 われ 目 標 を 達 成 したと 評 価 されていた 農 林 水 産 省 は 生 産 調 整 対 策 については 政 策 評 価 のほか 国 段 階 及 び 都 道 府 県 段 階 における 生 産 数 量 目 標 の 達 成 状 況 を 確 認 することにより 評 価 したとし ているが 16 年 度 において 国 段 階 の 生 産 数 量 目 標 の 達 成 に 至 っていなかったこ とについての 直 接 の 評 価 や 所 見 は 明 示 されておらず また 評 価 結 果 がどのよ うに 活 用 されたのかが 必 ずしも 明 らかではなかった b 17 年 度 から21 年 度 までの 事 後 評 価 の 実 施 状 況 17 年 度 から21 年 度 までの 間 における 生 産 調 整 対 策 は 図 表 33のとおり 17 年 度 の 基 本 計 画 を 踏 まえて 設 定 された 政 策 分 野 のうち 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 を 図 るとともに 食 品 産 業 の 健 全 な 発 展 を 図 り 食 料 の 安 定 供 給 を 確 保 すること を 目 標 とする 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 の 確 保 のための 施 策 の 一 つとして 位 置 付 けられていた そして 生 産 調 整 対 策 については 農 業 者 及 び 農 業 者 団 体 が 主 体 的 に 地 域 の 販 売 戦 略 により 需 要 に 応 じた 米 の 生 産 を 行 っているかなどを 評 価 することを 意 図 した 評 価 指 標 により 評 価 が 行 われ いずれの 年 度 も 所 期 の 目 標 は 達 成 して いる 又 は おおむね 有 効 と 評 価 されていた - 54 -

図 表 33 平 成 17 年 度 から21 年 度 までの 政 策 分 野 等 農 林 水 産 省 の 任 務 的 食 管 機 料 理 能 の 等 の 安 を 発 定 通 揮 供 じ 給 森 の 国 林 確 民 の 保 生 保 活 続 農 の 培 林 安 養 水 定 と 産 向 森 業 上 林 の と 生 発 国 産 展 民 力 経 の 農 済 増 山 の 進 漁 健 村 全 水 の な 産 振 発 資 興 展 源 を の 農 図 適 業 る 切 の な 多 保 面 存 目 標 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 を 図 る とともに 食 品 産 業 の 健 全 な 発 展 を 図 り 食 料 の 安 定 供 給 を 確 保 する 消 費 者 が 安 全 な 食 料 を 安 心 し て 購 入 消 費 できる 体 制 を 確 立 するとともに 望 ましい 食 生 活 の 実 現 を 図 る 我 が 国 の 特 色 を 活 かし 需 要 に 応 じて 新 鮮 で 高 品 質 な 農 産 物 を 合 理 的 な 価 格 で 安 定 的 かつ 持 続 的 に 供 給 で きる 体 制 を 確 立 する 効 率 的 かつ 安 定 的 な 農 業 経 営 が 農 業 生 産 の 相 当 部 分 を 担 う 望 ましい 農 業 構 造 を 確 立 する 農 業 農 村 の 整 備 保 全 を 推 進 するとともに 農 村 の 経 済 の 活 性 化 や 都 市 と の 交 流 等 を 促 進 し 農 村 の 振 興 を 図 る 政 策 分 野 食 品 産 業 の 競 争 力 の 強 化 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 の 確 保 食 の 安 全 及 び 消 費 者 の 信 頼 の 確 保 望 ましい 食 生 活 の 実 現 に 向 けた 食 育 の 推 進 国 産 農 畜 産 物 の 競 争 力 の 強 化 環 境 と 調 和 のとれた 持 続 的 な 農 業 生 産 体 制 への 転 換 意 欲 と 能 力 のある 担 い 手 の 育 成 確 保 担 い 手 への 経 営 支 援 の 条 件 整 備 農 地 農 業 用 水 等 の 整 備 保 全 都 市 との 共 生 対 流 等 によ る 農 村 の 振 興 ただし 18 年 度 の 政 策 評 価 においては 改 善 見 直 しの 方 向 性 として 市 町 村 段 階 で 一 律 的 な 配 分 を 採 用 している 市 町 村 の 割 合 がいまだ 高 く 地 域 の 創 意 工 夫 を 凝 らした 配 分 要 素 の 設 定 をしている 市 町 村 の 割 合 が 低 いこと JA 等 に よる 地 域 レベルでの 農 業 者 への 情 報 提 供 の 内 容 について 産 地 ごとの 米 の 販 売 価 格 販 売 数 量 及 び 販 売 先 情 報 等 農 業 者 の 米 づくりに 資 する 内 容 への 充 実 を 図 ることが 重 要 であることなどが 指 摘 されていた また 19 年 度 の 政 策 評 価 に おいては 米 価 が 大 幅 に 下 落 したことを 受 けて 実 施 された 米 緊 急 対 策 に 関 して 政 策 評 価 会 委 員 からは これまで 生 産 調 整 に 協 力 してきた 生 産 者 が 協 力 しな いと 意 を 翻 すなど 生 産 者 の 生 産 調 整 への 意 識 に 影 響 を 与 えていることなどが 指 摘 されていた このようなことから 農 林 水 産 省 は 20 年 度 の 政 策 評 価 において 計 画 書 の 提 出 状 況 を 評 価 指 標 とするなど 生 産 調 整 対 策 の 実 効 性 の 確 保 について 評 価 する - 55 -

ことを 意 図 した 評 価 指 標 に 変 更 することとし これらの 評 価 指 標 による 評 価 結 果 については 20 21 両 年 度 とも 実 効 性 が 確 保 されていたとしていた しかし 20 21 両 年 度 における 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 生 産 数 量 目 標 面 積 換 算 値 を 超 過 した 面 積 は19 年 度 よりも 縮 小 していたものの 主 食 用 米 の 生 産 量 は 生 産 数 量 目 標 を 上 回 っていた また 農 林 水 産 省 は 21 年 度 は これまでの 大 豆 麦 等 の 生 産 と 併 せて 水 田 で 米 粉 用 米 や 飼 料 用 米 の 生 産 を 本 格 的 に 開 始 する 水 田 フル 活 用 への 転 換 元 年 として 位 置 付 けられたとしており 21 年 度 の 政 策 評 価 においては 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 の 確 保 の 評 価 指 標 の 一 つとして 米 穀 の 新 用 途 への 利 用 の 促 進 を 新 たに 設 定 し 当 該 指 標 の 具 体 的 数 値 である 新 規 需 要 米 ( 米 粉 飼 料 用 米 )の 作 付 面 積 は 前 年 度 より 拡 大 していると 評 価 していた なお 生 産 調 整 対 策 については 17 年 度 から21 年 度 までの 間 においても 国 段 階 及 び 都 道 府 県 段 階 における 生 産 数 量 目 標 の 達 成 状 況 を 確 認 することにより 評 価 したとしているが いずれの 年 度 においても 国 段 階 の 生 産 数 量 目 標 の 達 成 に 至 っていなかったことについての 直 接 の 評 価 や 所 見 は 明 示 されておらず また 評 価 結 果 がどのように 活 用 されたのかが 必 ずしも 明 らかではなかった c 22 年 度 から26 年 度 までの 事 後 評 価 の 実 施 状 況 22 年 度 から26 年 度 までの 間 における 政 策 評 価 においては 図 表 34のとおり 新 基 本 法 の 理 念 に 対 応 した 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 や 農 業 の 持 続 的 な 発 展 が 中 目 標 として 掲 げられていたが これらの 中 目 標 に 係 る 政 策 分 野 の 評 価 において 16 年 度 から21 年 度 までの 間 における 政 策 評 価 において 設 定 されてい た 米 の 需 給 政 策 主 要 食 糧 の 需 給 の 安 定 の 確 保 といった 米 政 策 に 重 点 を 置 いた 政 策 分 野 及 びこれに 係 る 評 価 指 標 は 設 定 されていなかった なお 農 林 水 産 省 は 21 年 度 の 政 策 評 価 において 評 価 指 標 の 一 つとして 設 定 していた 米 穀 の 新 用 途 への 利 用 の 促 進 という 面 からみると 新 規 需 要 米 ( 米 粉 飼 料 用 米 )の 作 付 面 積 は 20 年 度 の 約 2,000haから27 年 度 の 約 84,000h aまで 拡 大 しているとしている また 同 省 は 25 年 2 月 以 降 生 産 調 整 対 策 に ついて 検 証 を 進 める 中 で 米 については 麦 大 豆 等 と 違 い 十 分 な 国 境 措 置 があり 諸 外 国 との 生 産 条 件 の 格 差 から 生 ずる 価 格 面 での 不 利 はないこと 全 ての 販 売 農 家 を 対 象 とすることは 農 地 流 動 化 のペースを 遅 らせる 面 があること - 56 -

米 の 潜 在 的 生 産 力 が 需 要 を 上 回 っている 状 況 にあることなどの 政 策 的 な 課 題 が あることから 前 記 のとおり 米 の 直 接 支 払 交 付 金 について 経 過 期 間 を 設 けた 上 で 廃 止 するとともに 飼 料 用 米 及 び 米 粉 用 米 の 作 付 けに 当 たり 従 来 の 作 付 面 積 に 応 じた 金 額 の 交 付 から 実 際 の 収 量 に 応 じた 金 額 の 交 付 へ 変 更 すること 並 びに 麦 及 び 大 豆 を 含 む 産 地 づくりに 向 けた 助 成 を 充 実 することを 決 定 したとしてい る なお 生 産 調 整 対 策 については 22 年 度 から26 年 度 までの 間 においても 国 段 階 及 び 都 道 府 県 段 階 における 生 産 数 量 目 標 の 達 成 状 況 を 確 認 することにより 評 価 したとしているが いずれの 年 度 においても 国 段 階 の 生 産 数 量 目 標 の 達 成 に 至 っていなかったことについての 直 接 の 評 価 や 所 見 は 明 示 されておらず また 評 価 結 果 がどのように 活 用 されたのかが 必 ずしも 明 らかではなかった - 57 -

図 表 34 平 成 22 年 度 から26 年 度 までの 政 策 分 野 等 大 目 標 ( 使 命 ) 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 農 林 水 産 業 の 発 展 農 山 漁 村 の 振 興 農 業 の 多 面 的 機 能 の 発 揮 森 林 の 保 続 培 養 と 森 林 生 産 力 の 増 進 水 産 資 源 の 適 切 な 保 存 管 理 等 を 通 じ 国 民 生 活 の 安 定 向 上 と 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 を 図 る 中 目 標 政 策 分 野 1 食 の 安 全 と 消 費 者 の 信 頼 の 確 保 1. 食 料 の 安 定 供 給 の 確 保 ( 食 料 ) 2 国 産 農 畜 産 物 を 軸 とした 食 と 農 の 結 び 付 きの 強 化 3 食 品 産 業 の 持 続 的 な 発 展 4 総 合 的 な 食 料 安 全 保 障 の 確 立 5 意 欲 ある 多 様 な 農 業 者 による 農 業 経 営 の 推 進 2. 農 業 の 持 続 的 な 発 展 ( 産 業 人 生 産 基 盤 ) 6 優 良 農 地 の 確 保 と 有 効 利 用 の 促 進 7 農 業 生 産 力 強 化 に 向 けた 農 業 生 産 基 盤 の 保 全 管 理 整 備 8 持 続 可 能 な 農 業 生 産 を 支 える 取 組 の 推 進 9 農 業 農 村 における6 次 産 業 化 の 推 進 3. 農 村 の 振 興 ( 産 業 農 村 機 能 ) 10 都 市 と 農 村 の 交 流 等 及 び 都 市 とその 周 辺 の 地 域 における 農 業 の 振 興 11 農 村 の 集 落 機 能 の 維 持 と 地 域 資 源 環 境 の 保 全 以 上 のとおり 農 林 水 産 省 は 生 産 調 整 対 策 について 一 部 の 年 度 を 除 き 政 策 評 価 の 中 で 米 政 策 に 重 点 を 置 いた 評 価 指 標 を 設 定 して 評 価 を 行 っていた 政 策 評 価 以 外 では 同 省 は 国 段 階 及 び 都 道 府 県 段 階 の 生 産 数 量 目 標 の 達 成 状 況 を 確 認 する ことにより 評 価 した 上 で その 効 果 を 翌 年 度 の 米 の 需 給 見 通 しや 支 援 体 系 の 定 期 的 な 見 直 しの 検 討 に 反 映 してきたとしているが 生 産 調 整 対 策 の 直 接 の 評 価 や 所 見 は 明 示 されていないことから 成 果 目 標 や 評 価 指 標 の 設 定 内 容 が 明 らかではなく また 評 価 結 果 がどのように 活 用 されたのかが 必 ずしも 明 らかではなかった 今 後 の 米 政 策 に 係 る 事 後 評 価 については これまで 実 施 されてきた 政 策 評 価 にお - 58 -

ける 評 価 指 標 の 設 定 内 容 を 踏 まえるとともに 政 策 評 価 以 外 では 生 産 調 整 対 策 の 直 接 の 評 価 等 が 明 示 されてこなかったことなどに 鑑 み 分 かりやすい 成 果 目 標 及 び 評 価 指 標 を 設 定 するなどの 工 夫 が 望 まれる (3) 生 産 調 整 対 策 による 影 響 ア 作 付 規 模 別 の 米 の 生 産 コスト 及 び 単 収 の 状 況 26 年 度 の 米 の 生 産 コスト 及 び 単 収 (10a 当 たりの 収 穫 量 )の 状 況 について 水 稲 の 作 付 規 模 別 にみると 図 表 35のとおり 作 付 規 模 が 大 きいほど 生 産 コストは 低 く なり また 作 付 規 模 が1ha 以 上 の 経 営 体 では1ha 未 満 の 経 営 体 よりも 単 収 が 高 くな る 傾 向 が 見 受 けられた 図 表 35 作 付 規 模 別 の 生 産 コスト 及 び 平 均 単 収 の 状 況 ( 平 成 26 年 度 ) 一 経 営 体 当 たりの 生 産 コスト 平 均 単 収 ( 円 /10a) (kg/10a) 一 経 営 体 当 た り の 生 産 コ ス ト 200,000 150,000 100,000 50,000 550 540 530 520 510 500 平 均 単 収 0 0.5 未 満 0.5~ 1.0 1.0~ 2.0 2.0~ 3.0 3.0~ 5.0 5.0~ 10.0 10.0~ 15.0 490 15.0 以 上 (ha) 作 付 規 模 ( 注 ) 農 産 物 生 産 費 統 計 ( 農 林 水 産 省 )を 基 に 作 成 米 の 生 産 コストについては 15 年 度 の 政 策 評 価 における 政 策 分 野 の 一 つとして 設 定 された 米 麦 等 の 生 産 対 策 において 過 去 最 大 規 模 の 生 産 調 整 が 実 施 されたこ となどから 大 規 模 層 への 作 付 けの 集 中 や 土 地 の 流 動 化 が 進 んでおらず 水 田 作 付 面 積 の 大 きい 農 業 者 の 増 加 割 合 が 鈍 化 した との 評 価 が 行 われていた そして 現 在 実 施 されている 生 産 調 整 対 策 において 米 の 生 産 コストとの 関 係 に ついてみると 特 に 農 業 者 に 対 する 生 産 数 量 目 標 の 配 分 が 一 律 配 分 方 式 によって 行 われ かつ 大 規 模 農 業 者 に 生 産 数 量 目 標 を 供 出 する 農 業 者 間 調 整 が 行 われなか - 59 -

った 場 合 農 業 者 ごとに 同 一 の 比 率 で 主 食 用 水 稲 の 作 付 面 積 が 削 減 されることにな るため 大 規 模 農 業 者 は 作 付 規 模 を 更 に 拡 大 できず 生 産 コストの 削 減 を 図 ること ができない このような 場 合 生 産 調 整 対 策 には 作 付 規 模 の 拡 大 による 米 の 生 産 コストの 低 減 に 寄 与 しない 側 面 があると 考 えられる 一 方 前 記 の 農 林 水 産 業 地 域 の 活 力 創 造 プラン 及 び 日 本 再 興 戦 略 ( 平 成 25 年 6 月 閣 議 決 定 )によれば 今 後 10 年 間 で 担 い 手 の 米 の 生 産 コストを 現 状 (23 年 度 時 点 ) 全 国 平 均 60kg 当 たり16,000 円 から4 割 削 減 することが 目 標 として 掲 げられている し たがって 今 後 の 米 の 生 産 調 整 対 策 の 推 進 に 当 たっては 生 産 コストの 低 減 との 整 合 性 も 十 分 に 考 慮 に 入 れることが 肝 要 である なお 前 記 のとおり 農 業 者 間 調 整 が 行 われなかった 場 合 には 米 の 生 産 コスト の 低 減 に 寄 与 しない 側 面 があると 考 えられる 一 方 農 業 者 間 調 整 が 行 われた 場 合 に は 主 食 用 米 の 生 産 量 の 実 質 的 な 抑 制 に 結 び 付 いていない 場 合 においても 当 該 農 業 者 に 対 して 米 の 直 接 支 払 交 付 金 が 交 付 されることになる イ 需 給 ギャップと 米 価 の 関 係 一 般 的 には 主 食 用 米 等 の 供 給 量 が 需 要 量 を 上 回 ると 米 価 は 下 落 すると 考 えられ ている そこで 主 食 用 米 等 の 供 給 量 と 需 要 量 の 開 差 数 量 ( 以 下 需 給 ギャップ とい う )の 需 要 量 に 対 する 割 合 と60kg 当 たりの 全 国 の 平 均 米 価 との 関 係 について 18 年 度 から25 年 度 までの 状 況 をみると 図 表 36のとおり 25 年 度 までは 需 給 ギャップ の 需 要 量 に 対 する 割 合 が 大 きいほど 平 均 米 価 が 下 がる 傾 向 があるなど 需 給 ギャップ と 平 均 米 価 との 間 に 関 連 性 が 見 受 けられた ただし 26 年 度 については 供 給 量 が 需 要 量 を 下 回 ったにもかかわらず 同 年 度 の 平 均 米 価 は 供 給 量 が 需 要 量 を 上 回 っ た 年 度 (19 21 22 23 25 各 年 度 )の 平 均 米 価 よりも 低 くなっていた このことから 米 価 は 需 給 ギャップと 一 定 の 関 連 性 があると 考 えられるものの 需 給 ギャップ 以 外 の 影 響 も 大 きく 受 ける 場 合 があることがうかがえる 農 林 水 産 省 は 需 給 ギャップ 以 外 の 影 響 として 例 えば 農 業 者 が 米 を 出 荷 する 際 にJA 等 の 集 荷 業 者 が 農 業 者 に 支 払 う 概 算 金 等 の 影 響 を 受 けることがあるとしている - 60 -

図 表 36 需 給 ギャップの 需 要 量 に 対 する 割 合 と 平 均 米 価 の 関 係 ( 平 成 18 年 度 ~26 年 度 ) ( 円 ) 18,000 平 均 米 価 17,000 24 年 度 16,000 20 年 度 15,000 14,000 18 年 度 23 年 度 21 年 度 19 年 度 25 年 度 13,000 26 年 度 12,000 22 年 度 11,000 10,000 2.0 1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 需 給 ギャップの 需 要 量 に 対 する 割 合 (%) 注 (1) 米 をめぐる 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 )の 米 の 相 対 取 引 価 格 の 月 別 全 銘 柄 平 均 の 推 移 及 び 主 食 用 等 の 生 産 量 と 需 要 量 及 び 民 間 在 庫 の 推 移 を 基 に 作 成 注 (2) 需 給 ギャップの 算 出 に 当 たり 供 給 量 は 当 年 度 に 生 産 された 生 産 量 及 び 当 年 6 月 末 民 間 流 通 在 庫 量 から 翌 年 6 月 末 民 間 流 通 在 庫 量 を 減 じた 数 量 を 需 要 量 は 当 年 7 月 から 翌 年 6 月 までの 需 要 実 績 を 平 均 米 価 は 当 年 度 に 生 産 された 米 の 出 回 りから 翌 年 10 月 までの 通 年 平 均 を それぞれ 用 いている 注 (3) 需 給 ギャップの 需 要 量 に 対 する 割 合 が0%を 超 えている 年 度 が 供 給 量 が 需 要 量 を 上 回 っていることを 示 している 注 (4) 網 掛 けした 部 分 は 平 成 18 年 度 から25 年 度 までの 需 給 ギャップの 需 要 量 に 対 する 割 合 と 平 均 米 価 が 含 まれる 範 囲 を 示 している ウ 転 作 作 物 に 係 る 農 業 者 収 入 の 状 況 農 業 者 が 農 作 物 の 生 産 を 行 った 場 合 の 収 入 ( 以 下 農 業 者 収 入 という )は 主 に 交 付 金 による 収 入 と 生 産 物 の 販 売 収 入 とに 分 けられる そして 交 付 金 による 収 入 のうち 生 産 調 整 対 策 に 係 る 交 付 金 についてみると 農 業 者 が 麦 又 は 大 豆 への 転 作 を 行 った 場 合 における10a 当 たりの 交 付 金 の 交 付 単 価 は 通 常 の 単 価 ( 以 下 基 本 ( 注 15) 単 価 という ) とも 補 償 による 単 価 ( 以 下 とも 補 償 単 価 という ) 加 算 措 置 が 適 用 された 場 合 の 単 価 ( 以 下 加 算 単 価 という また 基 本 単 価 とも 補 償 単 価 及 び 加 算 単 価 を 合 わせて 全 体 単 価 という )に 分 けられる 一 定 の 条 件 の 下 で これらの 交 付 単 価 について 昭 和 44 年 度 から 平 成 26 年 度 までの 推 移 をみると 図 表 37のとおり 年 度 によって 大 きく 増 減 を 繰 り 返 していた 特 に 基 本 単 価 及 び 加 算 単 価 は 昭 和 51 年 度 から53 年 度 までにかけて 大 きく 増 加 していた 一 方 で 56 年 度 から 平 成 8 年 度 までにかけては 大 きく 減 少 していた また 10 年 度 は とも 補 償 が - 61 -