2010 年 海 賊 対 処 レポート 2011 年 1 月 ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 に 関 する 関 係 省 庁 連 絡 会
はじめに 本 レポートは ソマリア 海 賊 の 動 向 や 我 が 国 の 取 組 みとその 成 果 等 について 201 0 年 分 をとりまとめたものである ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 については 下 記 の 関 係 省 庁 連 絡 会 を 発 足 し 継 続 的 に 情 報 共 有 分 析 を 行 っていることから 政 府 全 体 の 取 組 みと 成 果 も 含 めて2010 年 から 新 たにとりまとめることにしたものである 近 年 急 増 しているソマリア 海 賊 に 対 して 内 閣 官 房 を 含 めた 関 係 省 庁 が 一 体 となり 対 策 を 検 討 実 施 しているところである 引 き 続 き ソマリア 海 賊 問 題 解 決 のために 積 極 的 に 取 り 組 んで 参 りたい ソマリア 沖 アデン 湾 における 海 賊 対 処 に 関 する 関 係 省 庁 連 絡 会 内 閣 官 房 副 長 官 補 ( 安 全 保 障 危 機 管 理 担 当 )が 主 催 し 下 記 構 成 員 により 毎 週 1 回 ( 水 曜 日 午 後 )に ソマリア 海 賊 の 動 向 等 に 係 る 情 報 共 有 のために 会 議 を 開 催 している 内 閣 危 機 管 理 審 議 官 内 閣 審 議 官 内 閣 官 房 ( 安 全 保 障 危 機 管 理 担 当 ) 付 内 閣 官 房 ( 総 合 海 洋 政 策 本 部 ) 法 務 省 ( 刑 事 局 ) 外 務 省 ( 総 合 外 交 政 策 局 ) 国 土 交 通 省 ( 海 事 局 ) 防 衛 省 ( 運 用 企 画 局 統 幕 運 用 部 ) 海 上 保 安 庁 ( 警 備 救 難 部 )
目 次 1 2010 年 におけるソマリア 海 賊 の 現 状 1 (1)ソマリア 沖 アデン 湾 について 1 (2)ソマリア 海 賊 の 現 状 1 (3)ソマリア 海 賊 による 日 本 関 係 船 舶 等 に 対 する 海 賊 事 案 5 2 ソマリア 海 賊 に 対 する 国 際 社 会 及 び 我 が 国 の 取 組 み 7 (1) 国 際 社 会 の 取 組 み 7 (2) 我 が 国 の 取 組 み 8 (3) 取 組 みの 成 果 14 3 我 が 国 に 対 する 内 外 からの 評 価 16 4 参 考 資 料 ( 別 紙 第 1 第 2)
1 2010 年 におけるソマリア 海 賊 の 現 状 (1)ソマリア 沖 アデン 湾 について 我 が 国 は 国 民 の 安 定 的 な 経 済 社 会 生 活 の 基 盤 となる 各 種 エネ アデン 湾 について スエズ 運 河 を 経 由 しアジアと 欧 州 を 結 ぶ 極 めて 重 要 な 海 上 交 通 路 ルギー 資 源 や 鉱 物 資 源 漁 業 資 源 農 産 物 やその 他 の 資 源 の 多 くを 海 外 から 輸 入 しており 貿 易 量 (ト ン 数 ベース)の99.7%が 海 上 輸 送 に 依 存 していることから 船 舶 航 行 の 安 全 確 保 は 我 が 国 経 済 及 び 国 民 生 活 にとって 重 要 不 可 欠 で ある ジブチ 港 なかでも 我 が 国 から 約 12,000km 離 れたアデン 湾 は スエズ 運 河 を 経 由 し アジアと 欧 州 を 結 ぶ 極 めて 重 要 な 海 上 交 通 路 となっており 年 間 約 1 万 800 0( 日 本 関 係 船 舶 は 約 1,800 隻 )の 船 舶 が 同 海 域 を 通 過 するほか 全 世 界 のコ ンテナ 貨 物 の 約 2 割 日 本 からの 総 輸 出 自 動 車 全 体 の 約 2 割 にあたる 約 70 万 台 の 自 動 車 が 運 ばれている このことから この 海 域 における 船 舶 の 安 全 確 保 は 我 が 国 における 喫 緊 の 重 要 課 題 のひとつである 日 本 アデン 湾 約 12,000km ( 約 6,500NM) 航 海 経 路 通 航 実 態 ( 日 本 関 係 船 舶 ) 通 航 隻 数 : 年 間 約 1,800 隻 (コンテナ 船 : 約 35% 自 動 車 運 搬 船 : 約 32% ケミカ ル 船 : 約 12% LNG 船 : 約 11% タンカー: 約 4%) 日 本 関 係 船 舶 : 日 本 籍 船 及 び 邦 船 社 が 運 航 する 外 国 籍 船 (2)ソマリア 海 賊 の 現 状 ア ソマリア 海 賊 による 事 案 発 生 件 数 は 年 々 増 加 IMB 年 次 報 告 書 によれば 2010 年 の 全 世 界 の 海 賊 発 生 件 数 は445 件 で あり 2006 年 以 降 年 々 増 加 昨 年 よりも 約 10% 増 加 している また ハイ ジャックされた 船 舶 53 隻 1,181 人 が 海 賊 の 人 質 となったのは 1991 年 に 集 計 を 始 めて 以 降 最 悪 の 数 字 となっている 世 界 の 海 賊 発 生 の 主 要 な 地 域 であった 東 南 アジアの 海 賊 事 案 は 全 般 的 には 減 少 傾 向 にある 中 ソマリア 海 賊 による 事 案 は 2008 年 以 降 多 発 し 急 増 し ている 2010 年 におけるソマリア 海 賊 の 発 生 件 数 急 増 は 抑 制 されたものの -1-
2009 年 からわずかに 増 加 し219 件 の 海 賊 事 案 が 発 生 した これは 全 世 界 の 発 生 件 数 のおよそ 半 数 を 占 め 自 動 小 銃 やロケット ランチャーなどで 武 装 し 乗 っ 取 った 商 船 を 海 賊 の 母 船 とし 活 動 を 拡 大 するなど 手 口 も 年 々 巧 妙 化 しつ つある ( 図 1) 500 ( 件 ) 450 400 世 界 全 体 発 生 件 数 350 300 250 ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 200 150 東 南 アジア 発 生 件 数 100 50 0 2001200220032004200520062007200820092010 ( 年 ) 図 1 海 賊 事 案 の 発 生 状 況 (IMB 年 次 報 告 書 による) 商 船 に 乗 り 移 ろうとする 海 賊 -2-
イ ソマリア 海 賊 の 発 生 場 所 の 拡 大 2007 年 頃 から 急 増 したソマリア 海 賊 事 案 は 2008 年 には 大 部 分 がアデ ン 湾 に 集 中 していた ソマリア 海 賊 対 処 のために ソマリア 沖 アデン 湾 に 約 3 0か 国 が 軍 艦 軍 用 機 等 を 派 遣 して 活 動 を 強 化 する 中 2009 年 はソマリア 東 方 海 域 特 にセーシェル 周 辺 海 域 での 海 賊 発 生 が 増 加 するようになった 201 0 年 には ケニア タンザニア 沖 や 西 インド 洋 の 広 大 な 海 域 まで 海 賊 事 案 が 拡 大 するようになり 船 舶 の 航 行 安 全 に 大 きな 脅 威 となっている ( 図 2) 2007 年 2008 年 (アデン 湾 で 急 増 ) 2009 年 (セーシェル 周 辺 海 域 に 拡 大 ) 2010 年 (インド 西 岸 沖 ケニア タンザニアに 拡 大 ) 海 賊 の 攻 撃 を 受 けたもの 海 賊 による 攻 撃 未 遂 図 2 ソマリア 海 賊 の 推 移 -3-
ウ ソマリア 海 賊 の 発 生 時 期 は 非 モンスーン 期 に 集 中 ソマリア 沖 では 毎 年 一 定 の 時 期 に 季 節 風 (モンスーン)が 吹 き 沿 岸 諸 国 の 海 上 貿 易 交 通 に 大 きな 影 響 を 与 えている 特 に 使 用 する 船 舶 が 小 型 である 海 賊 にと ってこの 影 響 は 大 きく 例 年 7 月 ~9 月 及 び12 月 ~2 月 は 海 賊 事 案 が 顕 著 に 減 少 している この 傾 向 は2009 年 2010 年 とも 変 わっていない ( 図 3) 一 方 2010 年 においては 11 月 における 海 賊 発 生 件 数 の 増 加 が 顕 著 であっ た ( 件 ) 45 40 35 40 2010 年 33 2009 年 42 30 32 28 30 25 25 23 23 20 19 18 15 15 15 10 10 14 12 10 11 5 4 4 5 5 2 0 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 図 3 ソマリア 海 賊 による 事 案 発 生 件 数 の 月 別 推 移 エ ソマリア 海 賊 の 手 口 が 大 胆 に ソマリア 海 賊 の 手 口 は 遠 方 への 航 行 能 力 を 有 する 母 船 と 攻 撃 用 の 高 速 の 小 型 ボ ート( 数 隻 )を 使 用 して ターゲットとなる 船 舶 に 対 し 発 砲 し 停 船 させ あるい は 船 に 接 近 したところで 梯 子 やロープを 引 っかけ 船 へ 乗 り 込 み 乗 組 員 を 人 質 と するのが 一 般 的 である 近 年 は 海 賊 母 船 として 漁 船 に 加 え 商 船 を 利 用 するなど その 手 口 がますます 大 胆 になっている 例 えば 2010 年 ハイジャックした 商 船 を 海 賊 母 船 として 使 用 し その 不 意 をついて 他 の 商 船 や 軍 艦 を 襲 撃 するといった 事 案 も 生 起 している ハイジャックした 商 船 の 海 賊 母 船 化 は モンスーン 期 でも 遠 洋 での 活 動 を 可 能 とす ることから モンスーン 期 の 海 賊 事 案 の 増 加 につながるおそれがある また 同 年 アデン 湾 において 中 国 海 軍 の 護 衛 を 受 けていた 商 船 を 襲 撃 する 事 案 が 発 生 した -4-
(3)ソマリア 海 賊 による 日 本 関 係 船 舶 等 に 対 する 海 賊 事 案 ア 全 般 ソマリア 海 賊 により 日 本 関 係 船 舶 が 受 けた 近 年 の 被 害 状 況 は 別 紙 第 1のとお りである 2010 年 の 日 本 関 係 船 舶 の 海 賊 被 害 発 生 件 数 は 15 件 であり こ のうち ソマリア 海 賊 によるものは6 件 であった 2010 年 に 発 生 した 事 案 では いずれも 日 本 籍 船 ではなく かつ 日 本 人 が 乗 組 んでいなかったものの 長 期 間 にわたりハイジャックされ 海 賊 母 船 として 海 賊 に 利 用 された 事 案 をはじめ 銃 火 器 らしきものによって 発 砲 追 跡 を 受 ける という 事 案 も 発 生 した 海 上 自 衛 隊 P-3Cが 撮 影 した 海 賊 らしいスキフ( 小 型 ボート) イ 2010 年 における 具 体 例 事 例 1 日 時 :22.4.5( 月 )21 時 00 分 頃 ( 日 本 時 間 ) 場 所 :アデン 湾 沖 船 名 :HAMBURG BRIDGE( 船 籍 :パナマ) 総 トン 数 :98,747トン 船 種 :コンテナ 船 乗 組 員 :24 人 (すべてフィリピン 人 ) 運 航 会 社 : 日 本 事 案 概 要 :1 隻 の 不 審 なボートが 追 跡 45 分 間 のジグザク 航 行 により 追 跡 を 断 念 ボ ートは 逃 走 人 員 船 体 被 害 : 船 後 方 左 舷 側 およびデッキに 各 1づつ 被 弾 事 例 2 日 時 :22.10.10( 日 )14 時 53 分 ( 日 本 時 間 ) 場 所 :ケニアモンバサ 沖 -5-
船 名 :IZUMI( 船 籍 :パナマ) 総 トン 数 :14,162トン 船 種 : 多 目 的 船 乗 組 員 :20 名 (すべてフィリピン 人 ) 積 荷 : 鋼 材 運 航 会 社 : 日 本 事 案 概 要 : 本 船 から 船 舶 保 安 警 報 を 発 信 され て 本 船 との 連 絡 が 途 絶 え 付 近 を 航 行 中 の 外 国 艦 船 より 本 船 が 海 賊 に 乗 り 込 まれたことを 確 認 した ( IZUMI 同 型 船 ) 海 賊 支 配 下 において 海 賊 母 船 として 使 用 される 人 員 船 体 被 害 : 不 明 事 例 3 日 時 :22.12.13( 月 )20 時 20 分 ( 日 本 時 間 ) 場 所 :アデン 湾 船 名 :ORIENTAL ROSE( 船 籍 :パナマ) 総 トン 数 :8,259トン 船 種 :ケミカルタンカー 乗 組 員 :21 名 ( 韓 国 人 2 名 フィリピン19 人 ) 積 荷 : 石 油 化 学 製 品 運 航 会 社 : 日 本 事 案 概 要 : 中 国 の 護 衛 を 受 けながらアデン 湾 を 航 行 中 不 審 な 小 型 船 舶 が1 隻 が 護 衛 に 参 加 していた 他 の 商 船 2 隻 とと もに 本 船 への 攻 撃 を 試 みた 中 国 艦 船 の 護 衛 活 動 により 攻 撃 は 阻 止 された 人 員 船 体 被 害 : 軽 傷 2 名 船 橋 の 窓 に 被 弾 破 損 事 例 4( 参 考 ) 日 時 :22.5.6( 木 )06 時 10 分 頃 ( 日 本 時 間 ) 場 所 :アデン 湾 船 名 :オセアニック( 船 籍 :パナマ) 総 トン 数 :38,772トン 船 種 :クルーズ 客 船 乗 客 :810 人 (うち 日 本 人 787 人 ) 乗 組 員 :310 人 (うち 日 本 人 17 人 ) 運 航 会 社 : 米 国 事 案 概 要 :2 隻 の 不 審 なボートに 追 跡 され 船 長 は 救 援 を 要 請 ギリシャ 海 軍 の 艦 艇 が 対 応 し 海 賊 1 隻 は 逃 走 もう1 隻 はギリシャ 艦 艇 が 立 入 検 査 を 実 施 人 員 船 体 被 害 :なし -6-
2 ソマリア 海 賊 に 対 する 国 際 社 会 及 び 我 が 国 の 取 組 み (1) 国 際 社 会 の 取 組 み ソマリアの 海 賊 問 題 に 対 処 するため 多 くの 国 連 安 保 理 決 議 が 採 択 されており 海 賊 抑 止 のための 軍 艦 軍 用 機 の 派 遣 情 報 共 有 センターの 設 立 支 援 ソマリア 暫 定 政 府 の 能 力 向 上 支 援 等 の 協 力 が 呼 びかけられている また 2009 年 には 各 国 による 海 賊 対 策 や 国 際 協 力 の 調 整 情 報 交 換 を 目 的 としてソマリア 沖 海 賊 対 策 コンタクト グループが 設 置 されている(2010 年 末 現 在 約 50カ 国 9 国 際 機 関 が 参 加 ) また 国 連 以 外 の 国 際 会 議 でもG8 関 連 会 合 やアジア 欧 州 会 合 (ASEM)など においても 海 賊 対 策 が 議 論 されている 国 際 社 会 による 取 組 み 国 連 安 保 理 累 次 の 国 連 安 保 理 決 議 を 採 択 し, 海 賊 抑 止 のための 協 力 を 呼 びかけ 1816 号 (2008) 1838 号,1846 号,1851 号 (2009) 1897 号,1918 号,1950 号 (2010) ソマリア 沖 海 賊 コンタクトグループ 会 合 安 保 理 決 議 1851 号 に 基 づき,ソマリア 沖 海 賊 対 策 に 関 する 国 際 協 力 の 枠 組 みとし て2009 年 1 月 に 設 立 これまで7 回 開 催 2009 年 の 第 4 回 会 合 では 日 本 が 議 長 国 を 務 めた 4つの 作 業 部 会 (1)オペレーションの 調 整 周 辺 国 の 海 上 取 締 能 力 の 向 上 支 援 (2) 法 的 枠 組 みの 強 化 (3) 海 運 業 界 の 意 識 能 力 の 向 上 (4) 外 交 対 外 情 報 発 信 の 強 化 各 国 機 関 による 海 賊 対 策 概 況 その 他 の 国 際 会 議 IMOジブチ 会 合 2009 年 1 月 ソマリア 周 辺 海 域 の 諸 国 が 参 加 し 開 催 され 海 賊 対 策 に 関 する 行 動 指 針 を 採 択 G8プロセス 2010 年 6 月 カナダ ムスコカにて 首 脳 会 合 宣 言 の 中 で 海 上 安 全 保 障 に 重 要 な 役 割 を 果 たす 沿 岸 国 及 び 地 域 機 関 の 能 力 強 化 にコミット 海 賊 発 生 海 域 の 拡 大 を 懸 念 アジア 欧 州 会 合 (ASEM) 2010 年 10 月 ベルギー ブリュッセルにて 第 8 回 ASEM 首 脳 会 合 が 開 催 され 海 賊 対 策 での 欧 州 とアジア 諸 国 の 連 携 強 化 を 盛 り 込 んだ 議 長 声 明 を 採 択 EUNAVFOR アタランタ 作 戦 <08 年 12 月 から 開 始 > NATO オーシャンシールド 作 戦 <09 年 8 月 から 開 始 > CMF CTF 151 ( 有 志 連 合 海 上 部 隊 統 合 部 隊 151) <09 年 1 月 から 開 始 > 各 国 独 自 の 活 動 日 本 ロシア インド 中 国 マレーシア サウジアラビア 豪 州 イラン タイ 2011 年 1 月 現 在 -7-
(2) 我 が 国 の 取 組 み ア 海 賊 対 処 行 動 について 2009 年 3 月 内 閣 総 理 大 臣 の 承 認 を 得 て 海 上 警 備 行 動 が 発 令 され 海 賊 対 処 のために 海 上 自 衛 隊 の 護 衛 艦 2 隻 ( 司 法 警 察 活 動 のための 海 上 保 安 官 8 名 が 同 乗 )をソマリア 沖 アデン 湾 に 派 遣 して アデン 湾 を 通 航 する 商 船 等 の 護 衛 活 動 を 開 始 した 2009 年 6 月 に 海 賊 行 為 の 処 罰 及 び 海 賊 行 為 への 対 処 に 関 する 法 律 ( 以 下 海 賊 対 処 法 という )が 成 立 し 同 年 7 月 から 同 法 に 基 づく 海 賊 対 処 行 動 とし て 自 衛 隊 の 部 隊 ( 海 賊 行 為 への 対 処 を 護 衛 艦 により 行 う 部 隊 と 航 空 機 により 行 う 部 隊 護 衛 艦 には 引 き 続 き 海 上 保 安 官 が 同 乗 )が ソマリア 沖 アデン 湾 にお いて 海 賊 行 為 に 対 処 するための 護 衛 活 動 を 行 っている 護 衛 艦 による 護 衛 活 動 は 護 衛 艦 が 船 団 を 直 接 エスコートする 方 法 により 実 施 している またエスコートする 航 路 については モンスーンの 影 響 による 海 賊 発 生 海 域 の 変 化 を 踏 まえ モンスーンの 影 響 が 小 さく 海 賊 が 遠 洋 に 進 出 する 時 期 に は 航 路 を 約 200km 東 方 に 延 長 するなど 柔 軟 な 運 用 を 図 っている P-3C 哨 戒 機 は ジブチを 拠 点 として 警 戒 監 視 や 情 報 収 集 民 間 船 舶 や 海 賊 対 処 に 従 事 する 他 国 艦 艇 への 情 報 提 供 を 行 っている これにより 民 間 船 舶 は 海 賊 を 回 避 し 他 国 艦 艇 は 効 率 的 に 警 戒 監 視 立 入 検 査 武 器 の 押 収 等 を 行 うこと が 可 能 となり 海 賊 行 為 の 未 然 防 止 に 大 きく 寄 与 している -8-
イ 海 賊 対 処 行 動 2010 年 の 実 績 1 護 衛 艦 による 護 衛 活 動 護 衛 回 数 :113 回 ( 累 計 205 回 護 衛 ) 護 衛 隻 数 :1014 隻 (アデン 湾 での 累 計 護 衛 隻 数 1394 隻 ) < 内 訳 > 日 本 籍 船 6 隻 ( 累 計 9 隻 ) 我 が 国 運 航 事 業 者 が 運 航 する 外 国 籍 船 204 隻 ( 累 計 326 隻 ) その 他 の 外 国 籍 船 804 隻 ( 累 積 1059 隻 ) 旅 客 船 を 護 衛 する 護 衛 艦 付 近 海 面 を 警 戒 監 視 する 護 衛 艦 搭 載 ヘリコプター -9-
2 護 衛 船 舶 の 概 要 船 舶 の 種 類 日 本 関 連 船 舶 : 日 本 関 係 船 舶 及 び 日 本 の 企 業 が 船 主 船 舶 管 理 会 社 など 日 本 に 関 連 のある 船 舶 船 舶 運 航 会 社 の 国 籍 別 内 訳 中 国 の 国 籍 数 には 香 港 の 国 籍 数 を 含 む 船 籍 別 の 内 訳 ( 上 位 5カ 国 ) 中 国 の 国 籍 数 には 香 港 の 国 籍 数 を 含 む -10-
乗 組 員 の 国 籍 別 内 訳 ( 上 位 10カ 国 ) 3 P-3C 哨 戒 機 による 監 視 活 動 飛 行 回 数 :255 回 ( 累 計 358 回 ) 飛 行 時 間 : 約 1940 時 間 ( 累 計 約 2760 時 間 ) 確 認 した 商 船 数 : 約 19000 隻 ( 累 計 約 26100 隻 ) 護 衛 艦 諸 外 国 艦 艇 等 及 び 民 間 商 船 への 情 報 提 供 : 約 2610 回 ( 累 計 約 3320 回 ) 警 戒 監 視 にあたるP-3C 哨 戒 機 -11-
ウ 自 衛 隊 の 艦 艇 航 空 機 による 対 処 事 案 の 概 要 別 紙 第 2のとおり エ 関 係 各 国 との 連 携 協 力 1 各 国 派 遣 部 隊 との 連 携 向 上 のための 努 力 各 国 機 関 の 軍 関 係 者 の 会 合 であるSHADE 会 議 (Shared Awareness and Deconfliction)に 参 加 し CTF EU NATOや 中 国 ロシア インド 等 の 独 自 派 遣 国 との 連 携 向 上 を 図 っている 特 に 各 国 派 遣 部 隊 との 様 々な 枠 組 み での 調 整 により 国 際 的 な 協 力 のもとで 効 率 的 効 果 的 な 海 賊 対 処 活 動 となる よう 取 り 組 んでいる 2 ソマリア 周 辺 海 域 沿 岸 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 支 援 ソマリア 周 辺 海 域 沿 岸 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 のため 2010 年 10 月 イエメン ジブチ ケニア タンザニアの 海 上 保 安 機 関 の 職 員 等 を 招 へいし ソマリア 周 辺 海 域 沿 岸 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 のための 会 合 を 開 催 した また 同 年 10 月 ~11 月 イエメン ジブチ オマーン 等 の 海 上 保 安 機 関 の 職 員 を 招 へいし JICA 海 上 犯 罪 取 締 り 研 修 を 実 施 した さらに 20 10 年 4 月 から 国 際 海 事 機 関 (IMO)が 主 導 するソマリア 海 賊 対 策 のプロ ジェクトに 職 員 を 派 遣 した 3 海 賊 情 報 の 提 供 海 賊 事 案 が 発 生 した 際 航 行 警 報 発 出 による 日 本 関 係 船 舶 への 注 意 喚 起 を 実 施 している 4 海 賊 対 策 における 国 際 協 力 の 推 進 我 が 国 は ソマリア 沖 海 賊 問 題 の 根 本 的 な 解 決 に 向 けて 周 辺 国 の 海 上 法 執 行 能 力 の 向 上 やソマリアの 安 定 に 向 けた 支 援 といった 多 層 的 な 取 組 を 推 進 して いる 我 が 国 は2009 年 に 国 際 海 事 機 関 (IMO)の 設 置 した 基 金 に 対 し1, 460 万 ドルを 拠 出 し, 周 辺 国 の 海 上 法 執 行 能 力 向 上 のための 訓 練 センターや 情 報 共 有 センター(ISC)を 設 立 することとしている( 前 述 のとおり 海 上 保 安 庁 の 職 員 がIMOに 派 遣 されている) 海 賊 の 訴 追 費 用 支 援 のための 国 連 薬 物 犯 -12-
罪 事 務 所 (UNODC)に 設 置 された 国 際 信 託 基 金 に 対 しては 2011 年 3 月 までで 計 150 万 ドルを 拠 出 の 予 定 で,これまで 同 基 金 によりソマリア 沿 岸 国 の 法 廷 設 備 や 収 監 施 設 の 支 援 が 実 施 された この 他 にも, 前 述 の 海 上 犯 罪 取 締 り 研 修 など 海 上 法 執 行 能 力 の 向 上 に 加 えて イエメンの 沿 岸 警 備 隊 へ の 支 援 として 専 門 家 派 遣 及 び 巡 視 船 艇 供 与 が 検 討 されている ソマリアの 安 定 に 向 けては 我 が 国 は2007 年 以 降 治 安 の 強 化 及 び 人 権 支 援 インフラ 整 備 の2つの 柱 からなる 総 額 1 億 7,900 万 ドルの 支 援 を 実 施 している 海 賊 対 策 における 国 際 協 力 の 推 進 沿 岸 国 の 海 上 保 安 能 力 向 上 支 援 国 際 海 事 機 関 (IMO)に1,460 万 ドルを 拠 出 ジブチに 訓 練 センター,イエメン,ケニア,タンザニアに 海 賊 情 報 センターを 設 立 予 定 海 賊 被 疑 者 訴 追 費 用 等 を 目 的 とした 国 際 信 託 基 金 に150 万 ドル 拠 出 イエメン,オマーン,ケニア,ジブチ 及 びタンザニアの 海 上 保 安 機 関 職 員 招 請 イエメンに 対 して 専 門 家 派 遣 及 び 巡 視 船 艇 供 与 を 検 討 中 我 が 国 の 対 ソマリア 支 援 2007 年 以 降 総 計 :1 億 7,910 万 ドル ( 平 成 22 年 度 補 正 予 算 による5,470 万 ドルの 支 援 を 含 む) 治 安 向 上 への 支 援 :3,800 万 ドル 1 ソマリア 暫 定 政 府 警 察 支 援 :2,400 万 ドル 2 国 境 管 理 強 化 による 治 安 改 善 支 援 :100 万 ドル 3 アフリカの 角 地 域 等 における 小 型 武 器 の 回 収 廃 棄 計 画 等 :350 万 ドル 4 アフリカ 連 合 ソマリア ミッション(AMISOM) 支 援 :950 万 ドル 人 道 支 援 インフラ 整 備 への 支 援 :1 億 4,110 万 ドル 1 食 糧 援 助 保 健 水 衛 生 教 育 基 礎 インフラ 整 備 :1 億 0,465 万 ドル 2 若 年 層 や 被 災 民 の 職 業 訓 練 雇 用 創 出 : 2,520 万 ドル 3 食 糧 運 搬 船 が 入 港 する 港 湾 施 設 改 修 :825 万 ドル 4 人 身 取 引 不 正 規 移 住 対 策 :300 万 ドル -13-
(3) 取 組 みの 成 果 ア アデン 湾 での 海 賊 事 案 発 生 防 止 に 寄 与 ソマリアを 拠 点 とする 海 賊 による 襲 撃 事 案 はここ 数 年 で 増 え 続 けている しか しながら 重 要 航 路 があるアデン 湾 の 発 生 件 数 は ソマリア 全 般 の 発 生 件 数 に 比 較 して 年 々 減 少 している また アデン 湾 でのハイジャック 数 も 確 実 に 減 って いる ( 表 1 参 照 ) また ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 に 対 するアデン 湾 における 発 生 割 合 をグラフ にすると 図 4のとおりである 2008 年 の83%から09 年 には54% 10 年 には24%と 大 幅 に 減 少 した これはアデン 湾 で 活 動 している 自 衛 隊 をはじめとする 各 国 海 軍 等 の 活 動 の 大 き な 成 果 であり また 商 船 による 自 衛 措 置 (Best Management Practices:BMP)と 合 わせて 特 にアデン 湾 という 我 が 国 海 上 交 通 路 上 の 重 要 な 海 域 の 船 舶 航 行 の 安 全 に 大 きく 寄 与 したといえる ソマリア 海 賊 事 案 発 生 件 数 ( 件 ) アデン 湾 の 発 生 件 数 ( 件 ) 表 1:ソマリア 海 賊 発 生 件 数 アデン 湾 の ハイジャック 数 ( 件 ) 2008 年 111 92 32 2009 年 218 117 20 2010 年 219 53 15 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 2008 年 2009 年 2010 年 図 4:ソマリア 海 賊 のアデ ン 湾 での 事 案 発 生 割 合 イ 自 衛 隊 の 護 衛 は 海 賊 を 抑 止 自 衛 隊 は 艦 艇 により これまで 延 べ1500 隻 以 上 ( 海 上 警 備 行 動 における 護 衛 121 隻 を 含 む )の 民 間 商 船 等 を 護 衛 してきた(2010 年 は1014 隻 の 護 衛 ) この 間 護 衛 船 舶 に 対 する 海 賊 襲 撃 事 案 は 一 切 発 生 しておらず 船 舶 運 航 者 から 多 大 な 謝 意 を 得 ている -14-
ウ アデン 湾 における 我 が 国 のP-3Cの 活 動 は 不 可 欠 自 衛 隊 のP-3C 哨 戒 機 は アデン 湾 の 航 空 機 による 警 戒 監 視 活 動 の 実 に75 % 以 上 を 担 っており これまで 商 船 や 近 傍 海 軍 艦 艇 等 に 対 して 情 報 提 供 を 実 施 し 他 国 艦 艇 の 立 入 検 査 武 器 の 押 収 等 に 大 きく 寄 与 している これらの 活 動 は 国 際 社 会 からも 高 い 評 価 を 受 けている 海 上 自 衛 隊 P-3Cから 撮 影 した 立 入 検 査 に 向 かう 他 国 海 軍 搭 載 艇 日 本 のODAで 建 設 されたフクサワ 学 校 でのジブチ 市 民 との 交 流 -15-
3 我 が 国 に 対 する 内 外 からの 評 価 我 が 国 における 様 々な 取 組 みは 各 国 首 脳 を 含 む 国 際 社 会 から 感 謝 の 意 が 表 される など 高 く 評 価 されている 特 に ソマリア 沖 アデン 湾 で 海 賊 対 処 に 従 事 する 海 上 自 衛 隊 に 対 し 護 衛 を 受 けた 船 舶 の 船 長 や 船 主 の 方 々から 感 謝 のメッセージが 多 数 寄 せられている 寄 せられたメッセージの 数 は 現 在 まで 合 計 して 約 1,400 通 に 上 っている また 国 際 海 事 機 関 (IMO)からソマリア 沖 アデン 湾 において 海 賊 対 処 に 従 事 した 我 が 国 部 隊 に 対 し IMO 勇 敢 賞 が 授 与 されている これは 海 洋 において 危 険 を 顧 みず 目 覚 ましい 働 きをした 個 人 団 体 に 対 して 授 与 されるものであり ソ マリア 沖 の 海 賊 対 策 においては 我 が 国 を 含 む22か 国 の 部 隊 が 受 賞 した 感 謝 の 声 < 日 本 船 主 協 会 会 長 : 海 賊 対 処 活 動 に 対 する 感 謝 の 集 いにて(2010 年 4 月 27 日 )> ( 略 )このように 直 接 護 衛 方 式 を 採 用 していることや 護 衛 スケジュールが 極 めて 正 確 であるなどの 理 由 から 我 が 国 の 護 衛 活 動 は 内 外 の 関 係 者 から 極 めて 高 い 評 価 を 得 て おります 実 際 我 が 国 護 衛 船 団 に 対 する 海 賊 行 為 は 皆 無 であり 護 衛 を 受 けた 船 舶 は もちろんのことですが 国 際 海 事 機 関 (IMO)や 国 際 的 な 船 主 団 体 である 国 際 海 運 会 議 所 (ICS)からも 感 謝 の 声 が 届 けられています ( 略 ) < 大 型 客 船 船 長 > 湾 岸 戦 争 時 米 軍 に 護 衛 されながら タンカーでペルシャ 湾 を 航 行 したのですが そ の 時 は 日 本 の 船 がいなくて 心 細 い 思 いもしました しかし 今 回 のアデン 湾 では 日 本 の 護 衛 艦 に 守 られ 本 当 に 心 強 く 感 じました IMO から 勇 敢 賞 を 授 与 された 海 賊 対 処 派 遣 航 空 隊 司 令 ( 右 ) (2009 年 11 月 ) -16-
ソマリア 海 賊 による 日 本 関 係 船 舶 の 海 賊 被 害 状 況 (2007 年 ~2010 年 ) (2007 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 10 月 28 日 1124 頃 アデン 湾 内 ハイジャック 事 案 船 用 金 乗 組 員 の 金 品 通 信 機 器 及 びPC パナマ 6,253トン ケミカルタンカー 23 名 ( 韓 国 人 2 名 フィリピン 人 9 名 ミャンマー 人 12 名 ) ケミカル (2008 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 4 月 21 日 1010 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 体 の 左 舷 船 尾 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) 日 本 150,053トン 原 油 タンカー 23 名 ( 日 本 人 7 名 フィリピン16 名 ) なし 2 7 月 15 日 1945 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) パナマ 11,590トン ケミカルタンカー 23 名 ( 韓 国 人 3 名 ミャンマー 人 20 名 ) ケミカル 3 8 月 23 日 1750 頃 アデン 湾 内 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) パナマ 14,103トン 一 般 貨 物 船 20 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) 工 業 用 資 材 機 械 類 等 (2009 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 3 月 22 日 2210 頃 ソマリア 東 方 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 レーダーマスト 等 に 被 弾 ( 乗 組 員 にケガなし) ケーマン 諸 島 13,038トン 自 動 車 運 搬 船 18 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) 自 動 車 (2010 年 日 本 関 係 船 舶 被 害 ) 被 害 日 時 番 号 被 害 場 所 概 要 被 害 船 籍 総 トン 数 船 種 乗 組 員 積 荷 ( 日 本 時 ) 1 4 月 5 日 2100 頃 アデン 湾 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 体 後 方 左 舷 側 及 びデッ キに 被 弾 ( 船 員 にケガな し) パナマ 98,747トン コンテナ 船 24 名 ( 全 員 フィリピン 人 ) コンテナ 2 4 月 25 日 1115 頃 インド 洋 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 デッキに 被 弾 ( 船 員 にケガなし) パナマ 159,929トン タンカー 27 名 (インド 人 12 名 フィリピン 人 15 名 ) 原 油 3 10 月 10 日 1453 頃 ケニア モンバサ 沖 ハイジャック 事 案 不 明 ( 海 賊 により 抑 留 中 ) パナマ 14,162トン 多 目 的 船 20 人 ( 全 員 フィリピン 人 ) 鋼 材 4 10 月 28 日 0430 頃 インド 洋 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 船 橋 付 近 に 被 弾 ( 船 員 にケガなし) 香 港 161,045トン タンカー 27 人 ( 中 国 人 25 名 バン グラディシュ 人 1 名 ミャン マー 人 1 名 ) 原 油 5 6 11 月 20 日 1210 頃 12 月 13 日 2022 頃 インド 洋 沖 アデン 湾 沖 航 行 中 の 追 跡 事 案 航 行 中 の 追 跡 事 案 煙 突 に 被 弾 ( 船 員 にケガなし) 船 橋 窓 破 損 乗 組 員 2 名 軽 傷 パナマ 105,644トン コンテナ 船 パナマ 8,259トン ケミカルタンカー 24 人 (インド 人 5 名 フィリ ピン 人 18 名 バングラ ディシュ 人 1 名 ) 21 人 ( 韓 国 人 2 名 フィリ ピン 人 19 名 ) コンテナ 石 油 化 学 製 品 別 紙 第 1
自 衛 隊 の 艦 艇 航 空 機 による 対 処 事 案 の 概 要 別 紙 第 2 番 号 事 案 の 概 要 1 1 月 1 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが はしごのようなものを 積 み 小 型 船 舶 を 曳 航 している 不 審 な 船 舶 を 確 認 他 国 艦 艇 に 対 応 を 引 き 継 ぎ 任 務 に 復 帰 した 2 1 月 5 日 関 係 国 関 係 機 関 により 不 審 な 船 舶 についての 情 報 を 入 手 警 戒 監 視 中 の P-3Cが2 隻 の 船 舶 と2 隻 の 小 型 船 舶 について 確 認 を 実 施 特 段 疑 わ しい 点 は 見 当 たらなかったことから その 旨 を 付 近 航 行 中 の 民 間 船 舶 や 各 国 艦 艇 に 通 報 した 3 1 月 16 日 関 係 国 関 係 機 関 より 海 賊 未 遂 事 案 が 発 生 したとの 情 報 を 受 け 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 現 場 に 急 行 したとこ ろ 小 型 船 舶 と 当 該 船 舶 を 追 尾 するトルコ 艦 艇 を 確 認 トルコ 艦 艇 が 対 応 中 であったため 任 務 に 復 帰 した 4 1 月 17 日 民 間 商 船 より 海 賊 から 攻 撃 されているとの 情 報 を 受 け 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 現 場 に 急 行 し 小 型 船 舶 を 確 認 同 様 に 情 報 を 受 けていたイタリ ア 艦 艇 搭 載 ヘリコプターに 対 応 を 引 き 継 ぎ 任 務 に 復 帰 した 5 2 月 19 日 第 109 回 護 衛 に 従 事 している たかなみ 搭 載 ヘリコプターが 護 衛 船 団 の 周 辺 を 警 戒 監 視 中 に 船 団 の 北 方 から10 海 里 以 上 離 れた 地 点 を 北 に 向 かって 航 行 している 不 審 な 小 型 船 舶 を 発 見 7 名 乗 船 し 多 数 のポリタンクやはしごのようなものを 搭 載 しているこ とを 確 認 し 関 係 国 関 係 機 関 に 情 報 を 提 供 した 他 国 艦 艇 搭 載 ヘリコプターに 対 応 を 引 き 継 ぎ たかなみ 搭 載 ヘリコプターは 護 衛 艦 に 帰 投 した 6 3 月 19 日 水 上 部 隊 は 第 118 回 の 護 衛 開 始 前 に 護 衛 予 定 の 船 舶 から 小 型 船 舶 2 隻 が 接 近 している 旨 の 一 報 を 受 け 飛 行 中 の 搭 載 ヘリコプターにより 当 該 船 舶 を 確 認 した 特 段 疑 わしい 点 がなかったことからその 旨 を 元 の 船 舶 に 連 絡 した 7 3 月 24 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 関 係 機 関 より 商 船 を 攻 撃 した 小 型 船 舶 3 隻 に 関 する 情 報 を 得 て 捜 索 を 実 施 した P-3Cは 当 該 小 型 船 舶 を 確 認 でき なかったが 当 該 小 型 船 舶 が 所 在 する 可 能 性 のある 漁 船 軍 の 位 置 を 特 定 し 付 近 航 行 の 他 国 艦 艇 に 通 報 したのち 任 務 に 復 帰 した 8 3 月 29 日 第 121 回 の 護 衛 中 関 係 機 関 よりパナマ 船 舶 Iceberg1)( 護 衛 対 象 外 )が 海 賊 に 乗 っ 取 られたとの 情 報 を 入 手 した その 後 護 衛 船 団 の 警 戒 監 視 を 実 施 していた おおなみ 搭 載 ヘリコプターが 付 近 の 当 該 船 舶 を 発 見 し 関 係 国 関 係 機 関 に 通 報 した その 後 おおなみ 搭 載 ヘリコプターは 護 衛 艦 に 帰 投 した 9 5 月 4 日 第 133 回 の 護 衛 活 動 中 に 周 囲 を 警 戒 監 視 していた 護 衛 艦 おおなみ 搭 載 ヘリコプターが 護 衛 対 象 船 舶 ( 全 12 隻 )の 北 約 10 海 里 に はしご らしき 物 を 積 んだ 不 審 な 小 型 船 舶 を 視 認 おおなみ は 小 型 船 舶 に 対 して 国 際
VHF LRADによって 呼 びかけを 実 施 探 照 灯 を 照 射 した おおなみ 搭 載 ヘリコプターは 当 該 小 型 船 舶 の 監 視 を 継 続 するとともに 関 係 国 関 係 機 関 に 情 報 の 提 供 を 行 った その 後 情 報 提 供 を 受 けたギリシャ 海 軍 艦 艇 が 搭 載 ヘリコ プターを 発 艦 させ 対 応 10 5 月 15 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが IRTC( 国 際 推 奨 航 路 ) 上 で 漂 泊 する 不 審 な 小 型 船 舶 を 発 見 船 外 機 を2 基 積 んでおり ビニールシートで 何 かを 隠 していることか ら 付 近 を 航 行 中 の 艦 艇 にその 旨 を 通 報 した イタリア 艦 艇 に 対 応 を 引 き 継 ぎ P-3Cは 任 務 に 復 帰 した 11 6 月 2 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 米 国 艦 艇 より パナマ 籍 の 商 船 が 海 賊 に 襲 われた 旨 の 情 報 を 受 けた P-3Cが 現 場 に 到 着 した 時 点 で 同 商 船 は 既 に 海 賊 に 乗 っ 取 られており その 状 況 を 米 国 艦 艇 に 通 報 した あわせて 同 商 船 の 周 辺 を 捜 索 し 他 に 不 審 な 船 舶 が 見 当 たらなかったことから その 旨 を 米 国 の 艦 艇 に 通 報 した 12 6 月 13 日 第 144 回 の 護 衛 活 動 を 行 っていた むらさめ が 付 近 を 航 行 中 の 船 舶 ( 護 衛 対 象 外 )から 不 審 な 小 型 船 舶 に 追 尾 されている 旨 の 通 信 を 受 信 し た むらさめ 搭 載 ヘリコプターが 発 艦 し 7 名 の 乗 員 と2 台 の 船 外 機 を 有 す る 小 型 船 舶 を 確 認 するとともに 小 型 船 舶 が 何 らかの 物 体 を 海 中 に 投 棄 したこと を 確 認 した トルコ 艦 艇 に 対 応 を 引 き 継 ぎ むらさめ 搭 載 ヘリコプターは 哨 戒 任 務 に 復 帰 した 13 6 月 28 日 警 戒 監 視 中 のP-3Cが ドイツ 艦 艇 より 海 賊 に 乗 っ 取 られたシ ンガポール 籍 商 船 に 関 する 情 報 を 得 たことから 同 船 の 状 況 を 確 認 ドイツ 艦 艇 に 通 報 した 14 8 月 10 日 P-3Cが 多 数 のポリタンクを 搭 載 した 不 審 な 小 型 船 舶 を 視 認 した 付 近 に 所 在 していたデンマーク 艦 艇 に 情 報 提 供 を 行 ったところ デンマーク 艦 艇 から 発 艦 し たヘリコプターが 調 査 を 実 施 するとともに デンマーク 艦 艇 が 立 入 検 査 を 実 施 した 立 入 検 査 及 び 事 情 聴 取 の 結 果 海 賊 の 疑 いが 強 かったものの 証 拠 不 十 分 であったため 解 放 した 15 8 月 16 日 護 衛 船 団 の 周 辺 を 航 行 中 の 船 舶 からの 不 審 な 小 型 船 舶 に 関 する 情 報 に 基 づき 護 衛 活 動 中 に 周 囲 を 警 戒 監 視 していた 護 衛 艦 むらさめ 搭 載 ヘリコプター が 捜 索 を 実 施 したところ 護 衛 対 象 船 舶 の 南 西 約 20 海 里 に はしご を 積 んだ 不 審 な 小 型 船 舶 を 視 認 した む らさめ 搭 載 ヘリは 当 該 小 型 船 舶 の 監 視 を 継 続 するとともに 関 係 国 関 係 機 関 に 情 報 の 提 供 を 行 った その 後 当 該 情 報 を 受 けたオランダ 艦 艇 が 現 場 に 向 かう とともに 搭 載 ヘリコプターを 発 艦 させ 対 応 した 16 8 月 19 日 P-3Cが 不 審 な 物 件 を 搭 載 したダウ 船 ( 多 数 のドラム 缶 を 積 載 ) 及 び 小 型 船 舶 (8 名 乗 船 はしごを 搭 載 船 外 機 2 基 を 装 備 )を 視 認 し 付 近
に 所 在 する 艦 艇 に 情 報 提 供 を 行 った フランス 艦 艇 から 発 艦 したヘリコプターは 不 審 な 小 型 船 不 審 な 小 型 船 艦 艇 に 情 報 提 供 を 行 った フランス 艦 艇 から 発 艦 したヘリコプターは 不 審 な 小 型 船 海 賊 の 疑 いはあったものの 証 拠 不 十 分 であったた め 解 放 した 17 8 月 29 日 P-3Cが 不 審 な 小 型 船 舶 (7 人 乗 船 はしご 多 数 のポリタンク 搭 載 船 外 機 2 基 を 装 備 )を 視 認 した 付 近 航 行 中 の 民 間 船 舶 及 び 他 国 艦 艇 に 情 報 提 供 したところ デンマ ーク 艦 艇 から 発 艦 したヘリコプターが 現 場 にて 当 該 不 審 船 舶 を 確 認 し その 後 米 艦 艇 が 立 入 検 査 を 実 施 した 18 9 月 5 日 アデン 湾 で 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 多 数 のドラム 缶 を 搭 載 しているダウ 船 を 確 認 した ことから 周 囲 を 航 行 中 の 他 国 艦 艇 に 情 報 の 提 供 を 行 った この 情 報 を 受 けた 他 国 艦 艇 が 現 場 に 向 かい 状 況 確 認 を 実 施 19 9 月 10 日 アデン 湾 で 警 戒 監 視 中 のP-3Cが 米 艦 艇 から 不 審 な 船 舶 に 関 する 情 報 を 入 手 したこ とから 捜 索 を 行 ったところ 不 審 な 小 型 船 舶 を 確 認 当 該 船 舶 には7 人 が 乗 船 し はしご らし き 物 を 搭 載 していたことから 周 囲 を 航 行 中 の 他 国 艦 艇 に 情 報 の 提 供 を 行 った この 情 報 を 受 け デンマーク 艦 艇 搭 載 ヘリコプタ ーが 現 場 に 向 かい 状 況 を 確 認 するとともに 警 告 射 撃 を 実 施 するなどの 対 応 を 開 始 したため P-3Cは 情 報 収 集 を 終 了 し 警 戒 監 視 任 務 に 復 帰 した 20 11 月 16 日 監 視 飛 行 中 のP-3Cが 小 型 不 審 船 舶 1 隻 (エンジン1 基 を 装 備 はしご2 個 を 搭 載 4 人 乗 船 )を 発 見 した 付 近 の 民 間 船 舶 及 び 他 国 艦 艇 に 情 報 提 供 を 実 施 したところ 当 該 不 審 船 舶 に 接 近 を 試 みられたタンカーは 襲 撃 を 回 避 した 21 12 月 13 日 開 始 飛 行 中 のP-3Cが 米 国 からの 依 頼 により 不 審 な 小 型 船 舶 の 実 施 したところ 当 該 不 審 船 舶 1 隻 (はしご1 個 を 搭 載 5 人 乗 船 )を 発 見 し た 当 該 船 舶 について 米 軍 艦 艇 に 情 報 提 供 したとこ ろ 米 軍 艦 艇 搭 載 ヘリが 対 応 を 開 始 したことから P-3Cは 警 戒 監 視 任 務 に 復 帰 した