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ノートパソコンの 画 面 は 複 数 の 子 ど もたちが 一 緒 に 見 るには 小 さすぎたの で テレビとパソコンをつないで 楽 し むようになりました 写 真 1 1 子 ども 同 士 子 どもと 大 人 とのかかわり 導 入 当 初 は 教 職 員 が 子 どもたちの 興 味 や 発 達 段 階 に 合 わせてタイトルを 選 んで 子 どもがそれを 見 るという 流 れでした 一 通 りのタイトルを 見 てい くと 次 第 に こぐまちゃん! ね こ! (11ぴきのねこ) でんしゃ! (しんかんせんの 図 鑑 ) コッケ モーモー! と 子 どもたちからリクエ ストが 出 てくるようになりました 友 達 と 意 見 がぶつかると 順 番 を 決 めて 見 たり 譲 ったり 自 分 の 意 見 をどう にかして 通 したりと 子 ども 同 士 での やり 取 りも 見 られるようになってきま した さらに 何 回 も 同 じお 話 を 読 んでい るうちに お 話 をすっかり 覚 えて マ ルチメディアDAISYの 読 み 上 げに 合 わ せて 一 緒 に 声 を 出 して 読 むことも 多 く なってきました また 興 味 のある 場 面 などでは テレビの 画 面 に 近 づいて いき 画 面 に 触 れて だよ と 友 達 に 教 えることもよくありました 1か 月 もたつと マルチメディア DAISYで 読 んだタイトルと 同 じ 本 を 図 書 室 の 本 棚 から 探 して よんで と 教 職 員 のところに 持 って 来 たり 自 分 で 実 際 に 本 をめくって 読 んだりと マルチメディアDAISYをきっかけにし て 本 への 興 味 が 広 がった 子 どももいま した 写 真 2 3 写 真 2 写 真 3 本 を 読 んでもらうという 経 験 から 一 緒 に 本 を 読 む 本 を 自 分 なりに 楽 し む というように 子 どもたちが 成 長 し ていく 様 子 を 間 近 に 感 じ 本 の 持 つ 力 19

に 驚 かされました 2マルチメディアDAISYを 楽 しむ 姿 勢 マルチメディアDAISYを 楽 しむ 姿 勢 は 車 いすに 乗 って 椅 子 に 座 って フロアに 座 って フロアの 上 で 横 に なってなど 子 どもたちの 実 態 に 合 わ せることができるところが 魅 力 です 身 体 がきつく 画 面 を 見 る 姿 勢 をとる ことができなくても 読 み 上 げの 音 声 によって 耳 で 楽 しむこともできます その 時 々で 子 どもにとって 楽 な 姿 勢 で リラックスしながら 本 を 楽 しむことが できました 写 真 4 3 給 食 に 与 えた 影 響 マルチメディアDAISYの 活 用 を 始 め る 以 前 は 給 食 の 前 後 の 教 室 移 動 や 日 常 生 活 指 導 などがあるために 子 ども は 落 ち 着 くことがむずかしい 様 子 が 見 られました 筋 緊 張 が 強 い 子 どもは 給 食 後 に 嘔 吐 してしまうことがとても 多 くありました しかし 給 食 の 前 にマ ルチメディアDAISYで 読 書 を 楽 しむこ とで 気 持 ちを 落 ち 着 けてから 給 食 に 臨 むことができるようになりました さらに 給 食 後 にも 読 書 でリラック スして 身 体 を 休 めてから 学 習 教 室 に 移 動 できるようになりました 筋 緊 張 に よる 嘔 吐 の 回 数 も 少 しずつですが 減 少 してきました 読 書 活 動 には 気 持 ちを 切 り 替 える 効 果 や 気 持 ちを 落 ち 着 けて 給 食 や 午 後 の 学 習 に 取 り 組 める 効 果 がありま した (2) 個 別 での 活 用 例 1 立 位 の 姿 勢 の 学 習 の 場 面 での 活 用 Aさんはもともと 本 を 読 むことが 好 きな 子 どもです また 体 幹 を 鍛 える ためや 身 体 の 拘 縮 や 変 形 を 防 ぐために 立 位 台 に 立 つ 学 習 を 行 っています 特 に 電 車 が 大 好 きなのでいつも 立 位 台 に 立 って 天 板 の 上 に 開 いた 電 車 の 図 鑑 を 置 いて 読 んでいました しかし Aさんは 天 板 の 上 に 置 いた 本 を 読 もうとすると 頭 部 が 前 に 倒 れ 過 ぎてしまったり 天 板 に 何 もない 時 には 頭 部 が 後 ろに 反 り 返 ってしまった りすることが 多 くありました 写 真 5 そこで 伊 藤 忠 記 念 財 団 から 貸 与 さ れたタブレット 端 末 (ipad)とipadアー ムを 活 用 し タブレット 端 末 を 立 位 台 に 固 定 して 大 好 きな 電 車 の 図 鑑 の 読 書 ができるようにしました Aさんが 頭 部 を 上 げた 姿 勢 で 画 面 を 見 れるよう に タブレット 端 末 の 位 置 を 調 節 する と 頭 部 の 不 安 定 な 動 きが 減 り 正 し 20

い 姿 勢 で 立 位 台 に 立 てるようになって きました 写 真 6 Aさんにとっては 大 好 きな 電 車 の 図 鑑 が 見 やすくなり 教 職 員 に 姿 勢 の ことばかり 指 摘 されることもなくなり 楽 しみながら 立 位 の 学 習 に 取 り 組 める ようになりました また 紙 の 本 では ページをめくる ことがむずかしく 同 じページばかり だったのが マルチメディアDAISYを 活 用 することにより 自 動 でページが めくることができるので 本 の 楽 しさ をより 感 じるようです 立 位 の 姿 勢 で の 学 習 が 終 わる 時 間 になっても い や!でんしゃ ( 読 む)! と 言 って すんなりと 終 わらせてくれません 大 好 きな 本 を 読 みたいという 気 持 ち が 視 線 の 位 置 を 定 めて 姿 勢 の 向 上 につながったようです 楽 しみながら 意 欲 的 に 学 習 に 取 り 組 むきっかけとし て マルチメディアDAISYを 活 用 でき たと 感 じます 写 真 5 写 真 6 2フロアで 仰 臥 位 になった 場 面 での 活 用 体 幹 がしっかりしていないため 側 臥 位 をとり 続 けることがむずかしいA さんや 身 体 の 筋 緊 張 が 強 く 側 臥 位 を とることがむずかしいBさんが フロ アの 上 で 仰 臥 位 でもマルチメディア DAISYを 楽 しむことができたらいいな と 思 っていました ここでも 活 躍 をしたのが タブレッ ト 端 末 とiPadアームです このよう な 子 どもが 仰 臥 位 でも 見 ることができ るようにタブレット 端 末 をiPadアー ムで 固 定 して 使 用 しました 本 人 が 一 番 リラックスできる 姿 勢 で 読 書 を 楽 し むことができるようになりました フロアの 上 に 仰 臥 位 でマルチメディ アDAISYを 楽 しんでいる 子 どもがい ると 寄 ってきて 画 面 をのぞきこんだ り 一 緒 にフロアに 寝 転 がって 楽 しん だりする 子 どももいます 友 達 と 何 の タイトルを 読 むか 話 したり 一 緒 に 笑 ったりしながらマルチメディア DAISYを 楽 しむ 様 子 が 見 られました 写 真 7 8 子 ども 一 人 一 人 の 姿 勢 に 合 わせてタ ブレット 端 末 を 活 用 しましたが 一 人 で 楽 しむだけでなく 複 数 の 子 どもた ちで 楽 しむこともできるのだなと 気 づ かされました 楽 しい 本 の 周 りに 子 ど もが 集 まってくるのは マルチメディ アDAISYでも 同 じなのだなと 感 心 し ました 21

写 真 7 写 真 8 おわりに 読 書 のもつ 意 味 は 単 に 本 を 読 むこ とだけではありません 本 を 読 むこと で 気 持 ちを 落 ち 着 かせたり 高 めたり することができます また 一 人 で 楽 しむことも 誰 かと 一 緒 にわいわい 楽 しむこともできます そこから 会 話 が 生 まれ 社 会 性 が 身 につくことにもつ ながっていきます 障 害 などで 読 書 を することがむずかしい 子 どもたちに とって マルチメディアDAISYなどの 電 子 書 籍 は 読 書 とかかわりをもてる ツールとして とても 有 効 なものです 誰 かに 本 を 読 んでもらうこともとても 大 切 な 経 験 ですが いつでも 本 を 読 ん でもらうということは 無 理 です 本 が 読 みたいなと 思 った 時 に 気 軽 に 読 書 が 楽 しめ 本 を 読 むことでいろいろな 発 見 をする 楽 しさを 子 どもたちに 経 験 し てほしいと 思 います 本 校 には 聴 覚 障 害 や 視 覚 障 害 をあ わせ 有 する 子 どもたちも 多 く 在 籍 して います さまざまな 障 害 種 に 合 わせて 設 定 が 変 えられたり 障 害 種 に 合 わせ たマルチメディアDAISYがあったりし たらいいのになという 声 が 多 く 聞 かれ ました このような 実 際 の 現 場 の 声 を 少 しでも 取 り 入 れていただき よりマ ルチメディアDAISYの 活 用 の 幅 が 広 がっていくことを 期 待 しています 22