チャイナインパクト!



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●電力自由化推進法案



2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36


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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

2

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18 国立高等専門学校機構

官報掲載【セット版】

市街化区域と市街化調整区域との区分

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別紙3

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

スライド 1

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

17 外 国 人 看 護 師 候 補 者 就 労 研 修 支 援 18 看 護 職 員 の 就 労 環 境 改 善 運 動 推 進 特 別 20 歯 科 医 療 安 全 管 理 体 制 推 進 特 別 21 在 宅 歯 科 医 療 連 携 室 整 備 22 地 域 災 害 拠 点 病

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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平成24年度 業務概況書

JAL Xxxxxxxx Xxxxxxxx

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

2 政 策 目 的 達 成 時 期 我 が 国 皮 革 産 業 及 び 革 靴 産 業 が 構 造 改 善 を 行 い アジア 諸 国 からの 低 価 格 品 及 び 欧 州 からの 高 価 格 品 と 対 抗 しうる 国 際 競 争 力 が 備 わるまで 本 制 度 を 維 持 する 必 要 があ

m07 北見工業大学 様式①

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2016年夏のボーナス見通し

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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消 費 ~ 軽 減 率 消 費 の 軽 減 率 制 度 が 消 費 率 10% 時 に 導 入 することとされています 平 成 26 年 4 月 1 日 平 成 27 年 10 月 1 日 ( 予 定 ) 消 費 率 5% 消 費 率 8% 消 費 率 10% 軽 減 率 の 導 入 平 成 26

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 (H20.4.1) 96.7 (H25.4.1) (H25.7.1) (H25.4.1), (H25.4.1) 参 考 値 98.3 (H25.7.1) (H20.4.1) (H25.4

(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 Ⅰ 人 口 の 現 状 分 析 1 人

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 135, , ,900 2

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b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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官 庁 営 繕 事 業 の 事 後 評 価 表 事 業 名 かいじょうほあんだいがっこう(そうごうじっしゅうとう) 海 上 保 安 大 学 校 ( 総 合 実 習 棟 ) 実 施 箇 所 呉 市 若 葉 町 5-1 該 当 基 準 事 業 完 了 後 3 年 間 が 経 過 した 事 業 事 業 諸

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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Microsoft PowerPoint - 基金制度

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

健 康 医 療 戦 略 に 係 る 農 林 産 省 の 主 な 取 組 みについて 1. 健 康 長 寿 社 会 の 形 成 のための 食 の 研 究 開 発 の 推 進 2. 医 福 食 農 連 携 の 取 組 の 推 進 3 5 2

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1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

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目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

Transcription:

チャイナインパクト! ホンダ スズキ 国 内 バイクメーカーの 逆 襲 これまで 世 界 市 場 を 席 巻 してきた 日 本 の 二 輪 メーカーが 海 外 で 中 国 メーカーの 攻 勢 を 受 けている お 膝 元 の 日 本 市 場 の 規 模 がピーク 時 の1/4にまで 縮 小 するなか 収 益 源 で あったアジア 市 場 で 低 価 格 を 武 器 にした 中 国 製 二 輪 車 にシェアを 奪 われ 事 業 基 盤 が 揺 ら いでいる 日 系 二 輪 メーカーは 今 後 も 競 争 力 を 維 持 していくことができるのか 各 社 の 取 り 組 みを 整 理 する 1. 高 付 加 価 値 化 に 逃 げずに 正 面 から 挑 戦 を 受 ける 2002 年 1 月 末 国 内 バイクメーカー 各 社 の 国 内 出 荷 計 画 が 発 表 された 2001 年 の 国 内 出 荷 総 台 数 が 対 前 年 約 2% 減 の 76 万 台 だったにもかかわらず ホン ダは 対 前 年 5.6% 増 の 43 万 台 ヤマハ 発 動 機 は 同 1.5% 増 の 23 万 台 スズキ は 同 5.0% 増 の 11 万 2 千 台 川 崎 重 工 業 は 同 40.0% 増 の2 万 8 千 台 と 4 社 全 てが 出 荷 増 を 見 込 んでいる 各 社 従 来 の 市 場 価 格 から2~3 割 下 回 る 10 万 円 前 後 のスクーターを 投 入 し 需 要 を 拡 大 させる 考 えだ 図 表 1 ホンダ ヤマハ 発 動 機 スズキ 川 崎 重 工 業 各 社 の 2002 年 度 出 荷 計 画 国 内 出 荷 430,000 (5.6) 230,000 (1.5) 112,000 (5.0) 28,000 (40.0) 輸 出 470,000 ( 5.1) 510,000 ( 1.6) 330,000 (7.8) 262,000 (5.6) 海 外 生 産 用 部 品 5,900,000 (35.2) 1,540,000 (23.0) 1,000,000 ( 6.0) 984,000 (27.9) 上 段 : 国 内 出 荷 計 画 単 位 台 下 段 : 対 前 年 比 単 位 % 低 価 格 化 に 踏 み 切 った 背 景 には 低 価 格 市 場 で 正 面 から 中 国 製 製 品 の 挑 戦 を 受 けようと する 各 社 の 決 断 がある 中 国 メーカーの 追 い 上 げに 対 し 高 付 加 価 値 商 品 にシフトし 棲 み 分 けるのでは 長 期 的 に 競 争 力 を 維 持 することができない かつて 日 系 二 輪 メーカーは 欧 米 で 最 下 層 市 場 に 進 出 し そこでのビジネスをベースに 品 質 を 向 上 させ コストパフォー マンスに 勝 る 商 品 を 上 位 市 場 に 投 入 しシェアを 拡 大 させてきた 高 付 加 価 値 製 品 シフト 政 策 では 日 系 二 輪 メーカーが 欧 米 メーカーに 対 してしたことを 中 国 系 メーカーにされか ねない そこで 中 国 メーカーが 最 下 層 市 場 に 浸 食 してくる 前 に 自 分 たちで 最 下 層 市 場 を 再 開 拓 し 中 国 系 メーカーが 自 由 に 活 動 できる 領 域 を 狭 めてしまおうというわけである 以 下 では 中 国 メーカーを 活 用 し 低 価 格 化 を 進 めるホンダと 国 産 での 低 価 格 化 にこだわ るスズキの 取 組 みを 紹 介 する 1

2. 中 国 メーカーを 活 用 するホンダ これまで 圧 倒 的 なシェアを 誇 っていたアジア 市 場 でのシェア 低 下 に 対 する 危 機 感 から ホンダは 中 国 の 模 倣 品 メーカーを M&A でグループ 内 に 取 り 込 むというショック 療 法 を 断 行 製 品 価 格 を 中 国 製 製 品 と 同 程 度 に 引 き 下 げると 共 に アジアでの 研 究 - 製 造 - 販 売 体 制 を 強 化 再 度 攻 勢 に 出 る (1)ベトナムで 80%から 10%へシェア 下 落 ホンダが 海 外 で 販 売 する 二 輪 車 製 品 は 基 本 的 に 欧 米 向 けの 大 型 スポーツバイク と アジア 向 けの 小 型 実 用 車 に 大 別 できる 中 国 模 倣 品 メーカーは 技 術 的 に 模 倣 の 容 易 な アジア 向 け 小 型 実 用 車 に 照 準 を 当 て 日 系 メーカーのシェアを 切 り 崩 しにかかってき た 75 年 3 月 にタイから 販 売 を 開 始 した CG125 の 超 ロングセラーヒットが 貢 献 し 90 年 代 後 半 までホンダは タイの 75% ベトナムの 80%などアジア 市 場 で 圧 倒 的 なシェアを 占 めていた アジアの 二 輪 市 場 は 70 年 代 に 入 り 急 速 に 拡 大 した 当 時 競 合 他 社 がメンテナ ンスの 簡 単 な2ストロークエンジン 搭 載 の 実 用 車 で 販 売 を 伸 ばすなか ホンダは 性 能 は 高 いもののメンテナンスの 難 しい4ストローク 搭 載 車 にこだわり 低 迷 していた その 状 況 を 一 変 させたのが CG125 である 構 造 の 簡 単 な OHV 方 式 を 採 用 し 4ストロークであ りながら 高 い 耐 久 性 を 実 現 し 一 気 にそのシェアを 拡 大 させたのである しかしながら ベトナム 市 場 で 中 国 系 模 倣 品 メーカーがホンダの 半 額 で 類 似 製 品 を 投 入 すると 状 況 は 一 変 した 1998 年 まで 約 80%を 維 持 していたホンダ 製 バイクのシェアが 一 気 に 低 下 2001 年 には9%にまで 縮 小 してしまったのである (2) 模 倣 品 メーカーをグループに 取 り 込 むショック 療 法 この 危 機 的 な 状 況 に 直 面 し アジア 大 洋 州 地 域 統 轄 の 鈴 木 克 郎 専 務 は 世 界 トップだ とかホンダブランドだとか 威 張 ってると すぐにやられるぞ 中 国 の 二 輪 車 メーカーの 方 がホンダらしいじゃねえか と 昨 年 夏 の 本 社 の 幹 部 会 議 で 怒 りをぶちまけた 鈴 木 氏 の 檄 を 受 け 中 国 模 倣 品 メーカーをグループ 内 に 取 り 込 むという ショック 療 法 が 行 われた 今 年 1 月 ホンダがベトナム 市 場 で 投 入 した 低 価 格 バイク Wave α の 部 品 を 生 産 する 新 大 洲 本 田 摩 托 ( 天 津 市 )は 昨 年 秋 に 中 国 のホンダ 系 二 輪 合 弁 メーカーと ホンダ 製 バイクの 模 倣 品 メーカーが 合 併 してできたものである この 合 併 企 業 の 設 立 作 業 と 平 行 し 昨 年 夏 ごろからホンダの 二 輪 車 開 発 部 隊 が 中 国 に 飛 び 中 国 製 部 品 を 活 用 した Wa ve α の 開 発 に 着 手 今 年 1 月 には 従 来 の 半 分 の 開 発 期 間 でベトナム 市 場 に 導 入 した さらに 新 大 洲 本 田 摩 托 では 本 年 度 半 ばまでに 日 本 向 け 製 品 の 生 産 を 開 始 日 本 国 内 で 10 万 円 を 切 る 価 格 で 発 売 する 計 画 である 2

Wave α を 中 国 製 バイクと 同 程 度 の 価 格 に 設 定 できたのは 模 倣 品 メーカーのそ れまでのモノ 作 りを 参 考 に 部 品 仕 様 を 徹 底 的 に 見 直 すことで 実 現 した 単 純 にバックミ ラー 等 をコストの 安 い 中 国 の 子 会 社 製 に 切 り 替 えるだけでなく サスペンションの 金 属 カ バーをはずし 塗 装 に 切 り 替 えるなど 見 栄 えは 若 干 悪 くなるものの 耐 久 性 に 影 響 を 与 えな いような 工 程 を 徹 底 的 に 排 除 したからである また エンジン 部 品 については 氷 点 下 で 作 動 する 厳 格 な 日 本 基 準 をやめるなどの 措 置 が 取 られた これらの 結 果 として 部 品 によっ ては1/3にまでコストダウンを 実 現 した (3) 防 戦 から 攻 勢 へ 動 き 出 す ホンダ 車 の 価 格 が 下 がると ベトナムの 中 古 車 市 場 で 異 変 が 起 きた 中 国 製 の 中 古 バイ ク 価 格 が 約 200 ドルへと 新 車 価 格 の 半 額 以 下 にまで 下 がったのである 一 方 日 本 製 中 古 バイク 価 格 は 状 態 の 良 いものならば 三 割 安 程 度 で 維 持 されており 二 輪 車 は 資 産 と 考 え られている 東 南 アジアで 買 値 は 若 干 高 くても 資 産 価 値 が 大 幅 に 減 らない 日 本 車 を 評 価 す る 動 きが 出 ている このように 低 額 商 品 投 入 の 効 果 が 現 れてきたことから ホンダはアジア 各 国 で 攻 勢 へと 動 き 出 す 第 一 に 低 価 格 車 種 導 入 でシェアが 回 復 しつつあるベトナムでは 販 売 網 を 拡 大 する ハ ノイやホーチミンなど 都 市 部 を 中 心 に 約 130 店 で 販 売 してきたが 今 年 は 地 方 都 市 など 百 店 を 新 たに 開 拓 する 計 画 だ 第 二 に タイやフィリピンなどその 他 の 東 南 アジア 地 域 でも 低 価 格 車 種 を 投 入 する ま ずは 6 月 からフィリピンで Wave α のノックダウン 生 産 が 始 まる 最 後 に 中 国 メーカーの 本 拠 地 中 国 市 場 での 本 格 的 な 事 業 展 開 を 進 める 現 在 年 間 1400 万 台 の 中 国 市 場 でホンダの 販 売 台 数 は 80 万 台 程 しかない この 大 苦 戦 している 中 国 で 今 年 2 月 に 上 海 市 に 二 輪 車 の 研 究 開 発 会 社 本 田 摩 托 車 研 究 開 発 を 設 立 来 年 4 月 に 始 動 させるなど 研 究 開 発 機 能 を 確 立 し 主 力 機 種 スーパーカブ などで 従 来 の 10 倍 の 20 車 種 以 上 を 投 入 する 中 国 へ 研 究 開 発 機 能 を 移 管 するのは 各 省 ごとにデザインや 機 能 性 などの 好 みが 違 うほ ど 中 国 はユーザーのニーズが 多 様 化 している ( 鈴 木 ホンダ 専 務 )からである 従 来 中 国 向 け 商 品 は 本 田 技 術 研 究 所 の 朝 霞 研 究 所 ( 埼 玉 県 朝 霞 市 )で 開 発 を 手 がけていたが そ れではスピードが 遅 いだけでなく 現 地 ニーズを 吸 い 上 げられなくなってきたためである 日 本 国 内 で 中 国 の 二 輪 車 の 流 行 などを 考 えるのはもはや 限 界 現 地 で 製 品 開 発 から 生 産 まで 一 貫 体 制 を 整 えていく ( 吉 野 浩 行 ホンダ 社 長 ) 考 えである 3

3. 国 産 でも5 万 円 目 指 すスズキ 一 方 スズキは 国 内 の 生 産 性 向 上 での 低 価 格 化 にこだわる スズキは 今 年 2 月 に 国 産 で 現 行 機 種 より2~3 割 安 い 11 万 2 千 円 の 50cc スクーター レッツ2 スタンダード を 発 売 した このコスト 削 減 を 実 現 したのは 仕 様 見 直 し 量 産 効 果 在 庫 削 減 = 労 働 力 投 入 のJIT 化 の3つの 取 組 みである (1) 仕 様 見 直 し による 製 造 コストの 大 幅 な 引 き 下 げ 第 一 に 色 付 きの 樹 脂 を 採 用 することで 塗 装 工 程 を 省 くなど ホンダと 同 様 に 部 品 の 仕 様 変 更 によるコスト 削 減 が 実 施 された さらに 鈴 木 会 長 は 今 年 2 月 の 記 者 会 見 で セル スターター( 電 動 のエンジン 始 動 装 置 )を 取 ってしまえば あと 一 万 円 は 下 がるだろう と 10 万 円 以 下 への 値 下 げは 視 野 に 入 っていることを 示 唆 した (2) 相 互 OEM 供 給 による 量 産 効 果 の 確 保 第 二 に 相 互 OEM 供 給 による 量 産 効 果 の 確 保 によるコスト 削 減 を 実 施 している 川 崎 重 工 と 業 務 提 携 し 現 在 国 内 では 二 百 五 十 ccクラスを 中 心 に 二 機 種 ずつを 供 給 し 合 っている 鈴 木 会 長 は ニッチ(すき 間 ) 製 品 は 相 互 OEMで 生 産 量 を 二 倍 に 増 やし コ ストを 引 き 下 げる と 今 後 もOEMの 対 象 機 種 を 広 げる 方 針 である このOEMの 効 果 は 軽 自 動 車 で 既 に 実 績 をあげている 従 来 のマツダに 加 え 今 春 から は 日 産 自 動 車 にも 供 給 を 開 始 した (3) 労 働 力 のJIT 投 入 で 見 込 み 生 産 減 らす 最 後 に 労 働 力 のJIT(ジャスト イン タイム) 投 入 による 見 込 み 生 産 の 極 小 化 すなわち 在 庫 リスクの 極 小 化 によるコスト 削 減 に 取 り 組 んでいる 二 輪 車 の 売 上 は 春 と 冬 に 集 中 する これまではその 時 に 必 要 な 量 を 夏 と 秋 に 見 込 み 生 産 し 対 応 してきた しかし 予 測 が 外 れた 場 合 人 気 車 種 では 品 切 れがおき 不 人 気 車 種 では 在 庫 が 積 みあがってしま い 売 上 拡 大 の 機 会 を 逃 すだけでなく 在 庫 として 積 みあがった 商 品 がコストとなり 収 益 を 圧 迫 することもあった しかし 今 年 の2 月 からは 生 産 要 員 の 勤 務 時 間 を 変 更 し 春 と 冬 の 繁 忙 期 は 通 常 より1 時 間 多 い9 時 間 勤 務 にする 代 わりに 閑 散 期 の 金 曜 日 を 休 日 に 振 り 替 える 二 輪 車 の 需 要 変 動 に 合 わせることで 見 込 み 生 産 を 減 らし 完 成 車 在 庫 を 圧 縮 するのである 新 制 度 導 入 のきっかけは 昨 秋 の 鈴 木 会 長 の 工 場 視 察 であった 春 の 繁 忙 期 に 作 りだめし ておいた 在 庫 を 見 つけ 部 品 納 入 と 同 様 人 員 配 置 もジャスト イン タイムでなくては ならない と 改 善 を 指 示 したのだ 4

4.バイクでのフルライン 収 益 モデルの 構 築 ホンダ スズキの 取 組 みをみると 国 産 二 輪 車 メーカーは 中 国 二 輪 車 メーカーを 迎 え 撃 つ 体 制 を 整 えたと 見 ることができる しかし 低 価 格 化 競 争 が 激 化 することで 業 績 が 低 迷 し ブランドイメージの 低 下 を 招 く のではないかという 懸 念 も 存 在 する 1980 年 代 の 50cc スクーター 市 場 を 巡 るホンダとヤマ ハの HY 戦 争 では 業 界 全 体 が 疲 弊 し 今 日 の 国 内 市 場 低 迷 の 遠 因 をつくったからであ る この 悪 循 環 を 回 避 できるか 否 かは ピラミッド 型 のブランド 構 造 を 構 築 できるかどうか にかかっている クウォーツ 時 計 で 一 時 世 界 市 場 を 席 巻 したセイコーの 時 計 事 業 売 上 が 全 盛 期 の 半 分 へ 縮 小 するなど 日 本 製 ブランドが 崩 壊 の 危 機 に 直 面 する 一 方 で スイスのス ウォッチグループ( 旧 SMH)は 現 在 も 高 収 益 を 維 持 している セイコーグループの 2000 年 度 時 計 事 業 売 上 1250 億 円 営 業 利 益 約 95 億 円 に 対 し スウォッチの 時 計 事 業 売 上 は 約 1800 億 円 営 業 利 益 約 310 億 円 と 収 益 力 に 大 きな 差 が 出 ている スウォッチグループは 高 級 ブランドのオメガ ロンジン 中 級 ブランドのティソ サーティナ そして 低 級 ブラン ドのスウォッチといったピラミッド 型 のブランド 構 造 を 持 つ そのうちスウォッチなどの 低 級 ブランドで 日 本 メーカーの 侵 食 を 抑 えつつ 高 級 ブランドで 利 益 を 稼 ぎ 高 収 益 を 維 持 しているのである 日 系 二 輪 メーカーの 低 価 格 化 政 策 の 成 否 は 二 輪 市 場 でこのようなピラミッド 構 造 を 構 築 することができるかにかかっている 参 照 コンテンツ 戦 略 ケース 中 国 家 電 vs. 日 本 家 電 ~ 日 本 企 業 は 中 国 企 業 に 勝 てるのか~ 5