第 1 章 いじめ 防 止 への 取 組 の 背 景 1 いじめに 関 する 状 況 と 千 葉 県 の 取 組 (1)いじめに 関 する 状 況 いじめの 問 題 はこれまでも 度 々 社 会 問 題 化 してきました 平 成 8 年 7 月 の 中 央 教 育 審 議 会 答 申 に おいても,



Similar documents
神 奈 川 県 立 横 須 賀 大 津 高 等 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 1 いじめの 防 止 等 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 ( 本 校 のいじめ 防 止 に 関 する 基 本 的 な 姿 勢 ) いじめは いじめを 受 けた 生 徒 の 教 育 を 受 ける 権 利


社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

●幼児教育振興法案

Taro-データ公安委員会相互協力事

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

学校安全の推進に関する計画の取組事例

学校法人日本医科大学利益相反マネジメント規程

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

●労働基準法等の一部を改正する法律案

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

02【発出】280328福島県警察職員男女共同参画推進行動計画(公表版)

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

●電力自由化推進法案

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

< F2D D D837C815B B8EC08E7B97768D80>

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務


慶應義塾利益相反対処規程

とする (1) 多 重 債 務 や 過 剰 債 務 を 抱 え 返 済 が 困 難 になっている 人 (2) 債 務 整 理 を 法 律 専 門 家 に 依 頼 した 直 後 や 債 務 整 理 途 上 の 人 (3) 収 入 よりも 生 活 費 が 多 くお 金 が 不 足 がちで 借 金 に 頼

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

キ 短 時 間 労 働 者 の 雇 用 管 理 の 改 善 等 に 関 する 法 律 ( 平 成 5 年 法 律 第 76 号 ) ク 労 働 契 約 法 ( 平 成 19 年 法 律 第 128 号 ) ケ 健 康 保 険 法 ( 大 正 11 年 法 律 第 70 号 ) コ 厚 生 年 金 保

Microsoft Word - 02第3期計画(元データ).doc


もの( 交 通 事 故 事 件 に 係 るものを 除 く ) 3 重 大 な 交 通 事 故 事 件 とは 次 に 掲 げる 交 通 事 故 事 件 をいう (1) 死 亡 ひき 逃 げ 事 件 車 両 等 の 交 通 により 人 が 死 亡 した 場 合 において 道 路 交 通 法 ( 昭 和

2 生 活 安 全 部 地 域 課 鉄 道 警 察 隊 長 ( 以 下 隊 長 という )は 被 害 相 談 所 の 名 称 を 記 載 した 表 示 板 を 庁 舎 入 口 付 近 に 掲 出 するものとする 3 隊 長 は 臨 時 の 被 害 相 談 所 を 設 置 するときは 当 該 相 談

第2回 制度設計専門会合 事務局提出資料

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

定款

(2) 検 体 採 取 に 応 ずること (3) ドーピング 防 止 と 関 連 して 自 己 が 摂 取 し 使 用 するものに 責 任 をもつこと (4) 医 師 に 禁 止 物 質 及 び 禁 止 方 法 を 使 用 してはならないという 自 己 の 義 務 を 伝 え 自 己 に 施 される

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

入札公告 機動装備センター

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

Microsoft Word - 不正アクセス行為の禁止等に関する法律等に基づく公安

< EE597768E968BC688EA97972D372E786477>

Microsoft Word - 03.大和高田市仕様書 介護認定業務委託 H27

を 行 わなければならない 適 正 な 運 用 方 針 を 厳 格 に 運 用 することによっては じめて 人 がみだりにその 容 ぼう 等 を 撮 影 されない 自 由 や 権 利 の 保 護 と 犯 罪 発 生 の 抑 止 という 防 犯 カメラの 設 置 目 的 との 調 和 が 実 現 され

<947A957A8E9197BF C E786C73>

Microsoft Word - 全国エリアマネジメントネットワーク規約.docx

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改訂等について

福 山 市 では, 福 山 市 民 の 安 全 に 関 する 条 例 ( 平 成 10 年 条 例 第 12 号 )に 基 づき, 安 全 で 住 みよい 地 域 社 会 の 形 成 を 推 進 しています また, 各 地 域 では, 防 犯 を 始 め 様 々な 安 心 安 全 活 動 に 熱 心

大阪府電子調達システムの開発業務 (第一期)に係る仕様書案に対する意見招請のお知らせ

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

平成24年度開設予定大学院等一覧(判定を「不可」とするもの)

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

1 物品管理の内部統制について

の 権 限 と 責 任 を 明 確 に 定 め,これを 学 内 外 に 公 表 し, 関 係 者 に 周 知 するものとする ( 不 正 防 止 計 画 ) 第 6 条 最 高 管 理 責 任 者 は, 公 的 研 究 費 の 不 正 使 用 の 防 止 計 画 ( 以 下 不 正 防 止 計 画

< F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

(3) その 他 市 長 が 必 要 と 認 める 書 類 ( 補 助 金 の 交 付 決 定 ) 第 6 条 市 長 は 前 条 の 申 請 書 を 受 理 したときは 速 やかにその 内 容 を 審 査 し 補 助 金 を 交 付 すべきものと 認 めたときは 規 則 第 7 条 に 規 定 す

Microsoft Word - 保育園管理規程(決定案)

新居浜市印鑑登録及び証明書発行保護事務取扱要領

工 事 名 渟 城 西 小 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 2 月 23 日 ( 火

第2分野 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革

川崎市木造住宅耐震診断助成金交付要綱

根 本 確 根 本 確 民 主 率 運 民 主 率 運 確 施 保 障 確 施 保 障 自 治 本 旨 現 資 自 治 本 旨 現 資 挙 管 挙 管 代 表 監 査 教 育 代 表 監 査 教 育 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部 市 町 村 警 視 総 監 道 府 県 警 察 本 部

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

Taro-01 議案概要.jtd

加 算 税 制 度 の 見 直 し 等 1. 現 行 制 度 の 概 要 関 税 においては 国 税 ( 輸 入 貨 物 に 対 する 内 国 消 費 税 を 含 む 以 下 同 じ ) の 制 度 と 同 様 の 過 少 申 告 加 算 税 無 申 告 加 算 税 及 び 重 加 算 税 の 制

Microsoft Word 第1章 定款.doc

【3-6-11】シート

<4D F736F F D2095BD90AC E D738FEE816A939A905C91E D862E646F63>

1.はじめに わが 国 での 急 速 な 少 子 化 の 進 行 等 を 踏 まえ 次 代 の 社 会 を 担 う 子 どもが 健 やかに 生 まれ 育 成 される 環 境 の 整 備 を 目 的 とした 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 が 平 成 15 年 7 月 に 制 定 され

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

横浜市障害者ガイドヘルプ事業実施要綱

公表表紙

5 民 間 事 業 者 における 取 扱 いについて( 概 要 資 料 P.17~19) 6 法 人 番 号 について( 概 要 資 料 P.4) (3) 社 会 保 障 税 番 号 制 度 のスケジュールについて( 概 要 資 料 P.20) 1 平 成 27 年 10 月 から( 施 行 日 は

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

Microsoft Word - 目次.doc

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

通 知 カード と 個 人 番 号 カード の 違 い 2 通 知 カード ( 紙 )/H27.10 個 人 番 号 カード (ICカード)/H28.1 様 式 (おもて) (うら) 作 成 交 付 主 な 記 載 事 項 全 国 ( 外 国 人 含 む)に 郵 送 で 配 布 希 望 者 に 交

答申書

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

<4D F736F F D208D4C93878CA793AE95A888A48CEC835A E815B8CA C8FF7936E977697CC2E646F63>

太 田 小 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 1 学 校 でのいじめ 防 止 等 の 対 策 に 関 する 基 本 的 な 考 え いじめは 児 童 の 教 育 を 受 ける 権 利 を 著 しく 侵 害 し 心 身 の 健 全 な 成 長 人 格 の 形 成 に 重 大 な 影 響 を 与

Microsoft Word - 19年度(行個)答申第94号.doc

( 補 助 金 等 交 付 決 定 通 知 に 加 える 条 件 ) 第 7 条 市 長 は 交 付 規 則 第 11 条 に 規 定 するところにより 補 助 金 の 交 付 決 定 に 際 し 次 に 掲 げる 条 件 を 付 するものとする (1) 事 業 完 了 後 に 消 費 税 及 び

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

滋賀県いじめ防止基本方針 構成案

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

工 事 名 能 代 南 中 学 校 体 育 館 非 構 造 部 材 耐 震 改 修 工 事 ( 建 築 主 体 工 事 ) 入 札 スケジュール 手 続 等 期 間 期 日 期 限 等 手 続 きの 方 法 等 1 設 計 図 書 等 の 閲 覧 貸 出 平 成 28 年 5 月 24 日 ( 火

一般競争入札について

札地第 号

Taro-07-1提言概要.jtd

目     次

Transcription:

第 1 章 いじめ 防 止 への 取 組 の 背 景 1 いじめに 関 する 状 況 と 千 葉 県 の 取 組 2 いじめ 防 止 対 策 推 進 法 いじめ 防 止 基 本 方 針 について 3 千 葉 県 いじめ 防 止 対 策 推 進 条 例 について 4 千 葉 県 いじめ 防 止 基 本 方 針 について 5 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 について

第 1 章 いじめ 防 止 への 取 組 の 背 景 1 いじめに 関 する 状 況 と 千 葉 県 の 取 組 (1)いじめに 関 する 状 況 いじめの 問 題 はこれまでも 度 々 社 会 問 題 化 してきました 平 成 8 年 7 月 の 中 央 教 育 審 議 会 答 申 に おいても, 最 も 取 組 が 求 められている 教 育 上 の 課 題 としていじめの 問 題 が 取 り 上 げられており, 子 供 たちに 生 きる 力 を 育 成 し, 家 庭 学 校 地 域 社 会 における 教 育 をバランスよく 行 っていくこ とが 解 決 に 繋 がると 述 べられています 平 成 18 年 には,いじめ 自 殺 の 事 案 が 連 日 報 道 され, 伊 吹 文 部 科 学 大 臣 ( 当 時 )が 未 来 のある 君 たちへ と 題 した 緊 急 のメッセージを 発 しています また,いじめの 定 義 も 改 められ,より 被 害 者 の 視 点 が 強 調 されました 平 成 24 年 7 月, 大 津 市 のいじめ 事 案 の 報 道 後 は,いじめが 大 きな 社 会 問 題 として 再 認 識 され, 平 成 25 年 2 月 の 教 育 再 生 実 行 会 議 における 社 会 総 がかりでいじめに 対 峙 していくための 基 本 的 な 理 念 や 体 制 を 整 備 する 法 律 の 制 定 が 必 要 との 第 1 次 提 言 を 受 けて, 同 年 6 月 いじめ 防 止 対 策 推 進 法 が 成 立, 同 年 9 月 28 日 に 施 行 されました さらに いじめの 防 止 等 のための 基 本 的 な 方 針 が 文 部 科 学 大 臣 決 定 として 同 年 10 月 11 日 付 けで 策 定 されました 平 成 25 年 度 の 千 葉 県 のいじめの 認 知 件 数 は,20,446 件, 児 童 生 徒 1,000 人 あたりの 発 生 件 数 は31.2 件 となっており 全 国 で5 番 目 に 多 いものです しかし,いじめ 問 題 への 対 応 は 未 然 防 止 とともに 早 期 発 見, 早 期 の 適 切 な 対 応 が 重 要 であることから, 認 知 件 数 が 多 いことを 過 大 に 問 題 視 することなく,むしろ 積 極 的 にいじめを 認 知 し 解 消 することが 求 められています 千 葉 県 では,このような 現 状 を 受 け, いじめ 防 止 対 策 推 進 法 の 趣 旨 に 則 り,いじめの 早 期 発 見 及 びいじめへの 対 処 の 施 策 を 整 理 し, 積 極 的 かつ 効 果 的 ないじめの 防 止 等 の 対 策 を 実 施 すること を 定 め, 県 の 責 務 や 市 町 村, 学 校, 保 護 者, 県 民 等 の 役 割 を 明 らかにし, 児 童 等 が 健 やかに 成 長 す ることができる 環 境 を 作 ることを 目 的 として, 平 成 26 年 2 月 定 例 県 議 会 において 千 葉 県 いじめ 防 止 対 策 推 進 条 例 が 制 定 され, 同 年 4 月 1 日 に 施 行 されました さらに 千 葉 県 いじめ 防 止 基 本 方 針 を 千 葉 県 千 葉 県 教 育 委 員 会 として, 同 年 8 月 20 日 付 けで 策 定 しました 参 考 いじめの 認 知 件 数 の 推 移 ( 単 位 : 件 ) 年 度 公 立 小 学 校 公 立 中 学 校 公 立 高 等 学 校 公 立 特 別 支 援 公 立 合 計 国 公 私 立 合 計 H21 3,570 2,997 93 14 6,674 6,757 H22 4,239 3,931 158 7 8,335 8,412 H23 3,672 3,556 138 12 7,378 7,452 H24 14,175 5,916 565 31 20,687 21,028 H25 13,884 6,162 132 9 20,187 20,446 1,000 人 あたり 認 知 件 数 ( 平 成 25 年 度 国 公 私 立 ) 千 葉 県 31.2 件 全 国 13.4 件 いじめ 発 見 のきっかけ( 平 成 25 年 度 分 ) 学 校 の 職 員 等 が 発 見 68.0% ( 内 訳 上 位 :アンケート 調 査 等 47.5%, 教 諭, 養 護 教 諭 等 20.2%) 学 校 の 職 員 以 外 からの 情 報 により 発 見 32.0% ( 内 訳 上 位 : 本 人 からの 訴 え21.9%, 保 護 者 からの 訴 え5.9%) 1

(2)いじめに 関 する 千 葉 県 の 取 組 平 成 26 年 度 現 在,いじめに 関 する 千 葉 県 の 主 な 取 組 は 以 下 のとおりです ア 悪 質 ないじめへの 対 応 犯 罪 行 為 を 含 む 場 合 警 察 と 連 携 いじめを 繰 り 返 す 場 合 出 席 停 止 等 の 検 討 イ いのちを 大 切 にするキャンペーン( 小 中 高 等 学 校 特 別 支 援 学 校 ) いじめ や 人 権 等 をテーマに, 各 学 校 の 実 態 に 合 わせて, 体 験 を 重 視 した 活 動 や 地 域 の 人 材 を 活 用 した 活 動 が 行 われている 平 成 19 年 1 月 に 開 催 された 千 葉 県 いじめゼロ 子 どもサミット で 採 択 された いじめゼロ 宣 言 の4つの 勇 気 について, 児 童 生 徒 に 考 えさせたり, 教 員 の 経 験 に 基 づき 具 体 的 な 講 話 を 行 ったりするなど, 再 度 確 認 を 実 施 している 平 成 26 年 度 からいじめ 防 止 啓 発 強 化 月 間 の 取 組 に 整 理 している ウ 豊 かな 人 間 関 係 づくりプログラム( 小 中 学 校 ) 児 童 生 徒 の 豊 かな 人 間 関 係 を 築 く 力 の 育 成 を 目 的 に 各 学 年, 年 4 時 間 実 施 している エ 教 育 相 談 体 制 の 充 実 等 24 時 間 いじめ 電 話 相 談 の 設 置 スクールカウンセラーの 配 置 全 公 立 中 学 校 及 び 県 立 高 等 学 校 70 校 に 加 え, 平 成 26 年 度 より 新 たに 公 立 小 学 校 35 校 に 配 置 し, 公 立 中 学 校 5 校 を 重 点 校 として,スクールカウンセラーを 週 2 日 配 置 している スクールソーシャルワーカーの 配 置 社 会 福 祉 士 や 精 神 保 健 福 祉 士 等 の 資 格 を 持 った 福 祉 や 教 育 の 専 門 家 を, 新 たに 雇 用 し, 地 区 不 登 校 等 対 策 拠 点 校 5 校 に 配 置 している 教 育 相 談 強 化 期 間 の 設 定 教 員 の 研 修 の 充 実 ( 事 例 研 修, 役 割 演 技 研 修 等 ) オ 道 徳 教 育 の 推 進 いじめを 題 材 とした 映 像 教 材 (DVD)の 作 成, 配 付 ( 児 童 生 徒, 保 護 者 地 域 向 け 内 容 ) カ 教 育 委 員 会 の 体 制 強 化 平 成 26 年 度 より 指 導 課 の 生 徒 指 導 室 を 生 徒 指 導 いじめ 対 策 室 に 改 組 し, 職 員 を2 名 増 員 し 体 制 を 強 化 している キ 警 察 との 連 携 県 警 察 本 部 と 教 育 庁 との 連 絡 会 議 ( 平 成 25 年 1 月 ~) 犯 罪 行 為 を 含 む 重 篤 ないじめ 事 案 に 対 して, 相 互 に 連 携 している 学 校 警 察 連 絡 制 度 ( 平 成 16 年 10 月 ~) 児 童 生 徒 の 健 全 育 成 のために, 学 校 と 警 察 署 が 児 童 生 徒 の 問 題 行 動 等 に 関 し, 密 接 に 連 携 して いる( 警 察 と 県 立 学 校, 千 葉 県 内 全 市 町 村 立 学 校, 私 立 学 校, 国 立 学 校 で 締 結 ) スクール サポーター 派 遣 事 業 ( 県 警 少 年 課 平 成 16 年 11 月 ~) 非 行 や 問 題 行 動 が 深 刻 化 するなど, 生 徒 指 導 上 の 問 題 を 有 している 学 校 の 要 請 に 対 し, 元 警 察 官 等 を 派 遣 し, 児 童 生 徒 の 非 行 や 問 題 行 動 等 の 防 止 や 立 ち 直 りの 支 援 を 行 っている 平 成 25 年 度 は 県 警 少 年 センターに28 人 が 配 置 され, 要 請 のあった 延 べ20 校 の 中 学 校 に 派 遣 された 25 年 度 は 週 3 日 間 の 派 遣 であったが,26 年 度 より 週 4 日 間 となった ク 平 成 26 年 度 からの 県 の 対 応 千 葉 県 いじめ 対 策 調 査 会 を 活 用 した 県 いじめ 防 止 基 本 方 針 の 策 定 千 葉 県 いじめ 問 題 対 策 連 絡 協 議 会 を 活 用 した 関 係 機 関, 団 体 との 連 携 の 強 化 教 育 相 談 体 制 の 充 実 (スクールカウンセラーを 新 たに 小 学 校 に 配 置 する 等 ) いじめ 防 止 啓 発 強 化 月 間 ( 条 例 で 毎 年 4 月 を 強 化 月 間 としている )の 取 組 体 系 的 な 教 員 向 け 指 導 資 料, 児 童 生 徒 保 護 者 向 け 啓 発 資 料 の 作 成 いじめ 問 題 に 特 化 した 教 員 研 修 の 実 施 2

2 いじめ 防 止 対 策 推 進 法 いじめ 防 止 基 本 方 針 について (1)いじめ 防 止 対 策 推 進 法 とは いじめ 防 止 対 策 推 進 法 は,いじめは,いじめを 受 けた 児 童 生 徒 の 教 育 を 受 ける 権 利 を 著 しく 侵 害 し, 心 身 の 健 全 な 成 長 や, 人 格 の 形 成 への 重 大 な 影 響 のみならず, 児 童 生 徒 の 生 命 や 身 体 に 重 大 な 危 険 を 生 じさせるおそれがあるものであるという 認 識 の 下, 社 会 総 がかりで,いじめの 問 題 に 対 峙 するために, 基 本 的 な 理 念 や 体 制 を 定 めた 法 律 です 国 の 基 本 方 針 は,いじめ 防 止 対 策 推 進 法 ( 第 11 条 )によって, 文 部 科 学 大 臣 に 策 定 が 義 務 付 け られたもので,いじめの 防 止 等 (いじめの 防 止,いじめの 早 期 発 見 及 びいじめへの 対 処 )のための 対 策 を, 総 合 的 かつ 効 果 的 に 推 進 するためのものです (2) 法 律 及 び 基 本 方 針 で, 学 校 が 求 められていること 学 校 は 法 律 によって 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 を 策 定 することを 義 務 付 けられており, 基 本 方 針 によって,これをHPなどで 公 開 するよう 求 められています また, 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 に 基 づき, 体 系 的 計 画 的 に,いじめの 防 止 ( 未 然 防 止 ) いじめの 早 期 発 見 に 取 り 組 み,いじめが あった 場 合 の 対 応 に 備 えることが 必 要 であるとされています いじめの 問 題 への 対 策 のための 組 織 を 各 学 校 に 設 置 することが 義 務 付 けられています 校 長 の リーダーシップの 下,この 組 織 が 司 令 塔 となって, 学 校 基 本 方 針 で 定 められたことを 実 行 に 移 すこ とになります また,いじめの 疑 いに 関 する 情 報 があればこの 組 織 に 集 約 し, 集 まった 情 報 を 基 にいじめの 問 題 に 組 織 的 に 対 応 することが 求 められています (3) 法 律 及 び 基 本 方 針 で, 教 職 員 一 人 一 人 に 求 められること 学 校 が 組 織 的 に, 学 校 基 本 方 針 で 定 められた 取 組 を 実 行 するために, 一 人 一 人 の 先 生 方 それぞれ の 役 割 に 応 じた 対 応 が 求 められています 例 えば,いじめを 未 然 に 防 止 するには, 日 常 的 に 学 級 や 集 団 の 中 でいじめの 問 題 に 触 れるなど, 全 ての 子 供 に 対 して 継 続 的 な 働 きかけが 必 要 であるし,いじめの 早 期 発 見 には 定 期 的 な 調 査 や,さ さいな 兆 候 (ふざけのようにも 見 えるような 気 になる 行 為 等 )にもアンテナを 高 く 保 つことが 必 要 であるとされています いじめかな?と 疑 われる 情 報 があれば, 一 人 の 先 生 が 抱 え 込 まずに, 学 校 に 置 かれた 組 織 へ 伝 えて, 組 織 的 に 対 応 していくことが 求 められているのです (4) 重 大 事 態 について いじめにより, 児 童 生 徒 の 生 命 や 心 身, 財 産 に 重 大 な 被 害 が 生 じた 疑 いや,いじめにより 相 当 の 期 間 ( ) 学 校 を 欠 席 することを 余 儀 なくされている 疑 いがあると 認 める 場 合, 学 校 はこれを 重 大 事 態 として 設 置 者 に 報 告 し,その 後 の 調 査 の 仕 方 などについて, 対 応 を 相 談 する 必 要 があると されています 重 大 事 態 の 発 生 時 には,まだ,それが いじめによる ものか 判 断 できないかもしれないが, 重 大 事 態 の 疑 い があった 場 合 や, 児 童 生 徒 や 保 護 者 から,いじめられて 重 大 事 態 に 至 ったという 申 立 てがあったら,すぐに 学 校 の 設 置 者 に 報 告 相 談 するよう 求 められています 年 間 30 日 を 目 安 ( 又 は 一 定 の 期 間 連 続 して 欠 席 している 場 合 ) 法 律 及 び 基 本 方 針 には,この 他 に 基 本 理 念 国 が 実 施 する 施 策 地 方 公 共 団 体 ( 県 や 市 町 村 等 )が 実 施 すべき 施 策, 等 が 記 載 されています 詳 しくは 巻 末 に 全 文 を 掲 載 していますので, 是 非 一 度, 目 を 通 してください 3

3 千 葉 県 いじめ 防 止 対 策 推 進 条 例 について (1) 条 例 の 目 的 この 条 例 は, 国 の いじめ 防 止 対 策 推 進 法 の 趣 旨 を 踏 まえ, 県 が 積 極 的 かつ 効 果 的 ないじめ 防 止 等 のための 対 策 を 実 施 することにより, 子 供 たちが 健 やかに 成 長 することができる 環 境 を 作 るこ とを 目 的 としています (2) 条 例 の 施 行 による 取 組 ア 県 がすべきこと いじめ 防 止 基 本 方 針 を 策 定 し, いじめ 問 題 対 策 連 絡 協 議 会 や いじめ 対 策 調 査 会 を 組 織 して, 相 談 及 び 情 報 の 収 集, 予 防 及 び 早 期 発 見 のための 取 組, 人 材 の 確 保 及 び 資 質 の 向 上, 啓 発 及 び 調 査 研 究 など, 様 々な 対 策 を 実 施 していきます イ 学 校 がすべきこと 法 にも 定 められていますが, 各 学 校 は,いじめ 防 止 の 学 校 基 本 方 針 を 策 定 し, いじめの 問 題 への 対 策 のための 組 織 を 設 置 するよう 規 定 されています その 他, 条 例 によって 学 校 に 求 められている 取 組 の 例 は, 具 体 的 には 以 下 のようなものです いじめの 防 止 教 職 員 自 らも 言 動 に 細 心 の 注 意 を 払 いながら, 様 々な 教 育 活 動 を 通 し, いじめは 絶 対 に 許 さ れない との 雰 囲 気 を 学 校 全 体 に 醸 成 していく 子 供 たち 自 身 がいじめの 問 題 について 学 び, 主 体 的 に 考 え, 自 らいじめの 防 止 を 訴 えるような 取 組 を 推 進 する いじめに 向 かわない 態 度 能 力 を 育 成 し, 自 己 有 用 感 や 自 己 肯 定 感 を 育 む いじめの 早 期 発 見 定 期 的 なアンケート 調 査 や 教 育 相 談 の 実 施 とともに, 日 頃 から 子 供 たちとの 信 頼 関 係 の 構 築 に 努 め,いじめを 訴 えやすい 雰 囲 気 を 作 る 家 庭 と 連 携 して 子 供 たちを 見 守 り,あらゆる 場 面 を 通 していじめを 積 極 的 に 認 知 する いじめへの 対 処 いじめを 発 見 したり, 通 報 を 受 けたりしたら,どんな 場 合 も 軽 視 せず, 速 やかに 事 実 の 確 認 を 行 い, 情 報 を 共 有 して, 組 織 的 に 対 応 する 被 害 児 童 生 徒 を 守 り 通 すとともに, 加 害 児 童 生 徒 に 対 しては, 教 育 的 配 慮 の 下, 毅 然 とした 態 度 で, 人 格 の 成 長 に 主 眼 を 置 いた 指 導 を 行 う 教 職 員 全 員 の 共 通 理 解 の 下, 保 護 者 の 協 力 を 得 て, 関 係 機 関 専 門 機 関 と 連 携 して 対 応 に 当 た る ウ 児 童 生 徒 に 対 して 条 例 では, 児 童 生 徒 に 対 し, いじめを 行 ってはならない とすることはもちろん, いじめを 認 識 しながらこれを 放 置 することがないよう 努 める としています このことを 求 めるに 当 たっては, 大 人 の 役 割 として, 勇 気 を 持 って 声 を 上 げる 周 囲 の 子 供 たち へのサポートが, 非 常 に 大 切 になってきます エ 保 護 者 に 対 して 条 例 では, 保 護 者 の 役 割 として, 子 供 がいじめを 受 けた 場 合 は,その 心 身 を 保 護 する こと の 他, 子 供 がいじめを 行 うことのないよう 必 要 な 指 導 を 行 うよう 努 める ことや, 学 校 等 が 講 じるいじめ 防 止 等 のための 措 置 に 協 力 するよう 努 める ことを 挙 げています オ 県 民 に 対 して 条 例 では, 県 民 に 期 待 される 役 割 として, 児 童 生 徒 に 対 する 見 守 りや,ふれあいの 機 会 を 大 切 にすることに 加 え,いじめを 発 見 した 場 合 などには, 県, 市 町 村, 学 校 等 に 情 報 提 供 するよう, 努 力 規 定 がなされています 4

4 千 葉 県 いじめ 防 止 基 本 方 針 について この 基 本 方 針 は, 千 葉 県 いじめ 防 止 対 策 推 進 条 例 ( 第 11 条 )の 規 定 により, 国 の 基 本 方 針 を 参 酌 し, 本 県 の 実 情 に 応 じた,いじめの 防 止 等 のための 対 策 を 総 合 的 かつ 効 果 的 に 推 進 するために 策 定 したものです 主 な 内 容 は, 以 下 のとおりです (1) 基 本 理 念 県 基 本 方 針 の 基 本 理 念 は 以 下 のようなものです すべての 児 童 生 徒 が, いじめが 絶 対 に 許 されない と 正 しく 認 識 し,いじめへの 対 処 を 理 解 し 行 動 できる 力 を 身 につけることが,いじめのない 環 境 を 整 えるための 中 核 になる いじめを 受 けた 児 童 生 徒 助 けようとした 児 童 生 徒 の 生 命 及 び 心 身 を 保 護 することが 何 よりも 重 要 であり,そのために 関 係 者 が 連 携 し, 県 民 一 丸 となって 取 り 組 む 必 要 がある いじめの 防 止 等 のための 対 策 には 学 校 が 中 心 になり, 教 育 委 員 会 や 保 護 者, 関 係 機 関 や 団 体 等 が 協 力 してそれぞれの 責 務 役 割 を 果 たさなければならない 児 童 生 徒 には いじめを 放 置 しない よう 努 力 することを 求 めているが,このことを 可 能 にする 環 境 づくりが 大 切 である (2) 県 が 実 施 すべき 施 策 基 本 方 針 によって, 県 が 実 施 すべき 施 策 とされている 事 項 は 主 に 以 下 のとおりです ア 基 本 的 な 事 項 本 県 の 実 情 に 応 じたいじめの 防 止 等 に 関 する 施 策 を 策 定 し, 実 施 する 県 外 の 学 校 に 通 う 児 童 生 徒 についても, 他 の 地 方 公 共 団 体 と 連 携 して 支 援 する イ 相 談 及 び 情 報 収 集 体 制 の 充 実 相 談 窓 口 を 充 実 させ, 保 護 者 や 児 童 生 徒 に 周 知 する 教 職 員 の 相 談 にも 応 じる 調 査 や 報 告,ネットパトロール 等 によっていじめに 関 する 情 報 を 収 集 する ウ いじめの 予 防 や 早 期 発 見 のための 取 組 の 推 進 児 童 生 徒 がいじめ 問 題 を 主 体 的 に 考 える 取 組 や, 良 好 な 関 係 を 築 くための 取 組 等 を 推 進 し,い じめの 未 然 防 止 に 努 める 各 学 校 での, 定 期 的 なアンケート 調 査, 個 人 面 談 等 を 推 進 し,いじめの 早 期 発 見 に 努 める エ 教 職 員 の 資 質 の 向 上 やスクールカウンセラー 等 を 含 めた 人 材 の 確 保 研 修 の 充 実 を 通 じて, 教 職 員 の 資 質 の 向 上 を 図 る 教 職 員 やスクールカウンセラー 等 の 配 置 の 充 実 による 体 制 の 整 備 に 努 める オ いじめの 防 止 等 のための 啓 発 活 動 広 報 紙 や 啓 発 資 料,HPなどによる 啓 発 活 動 を 行 う 他, 関 係 機 関 等 の 相 談 窓 口 の 周 知 に 努 める いじめ 防 止 啓 発 強 化 月 間 ( 毎 年 4 月 )での 啓 発 活 動 を 推 進 する カ インターネットを 通 じて 行 われるいじめへの 対 策 適 切 な 利 用 方 法 に 関 する 教 育 を 充 実 させ, 保 護 者 にもその 対 応 を 周 知 する ネットいじめに 関 する 見 守 りや 対 処 のための 体 制 の 整 備 を 進 め, 関 係 機 関 団 体 との 連 携 を 強 化 する 5

(3) 学 校 及 び 学 校 の 教 職 員 の 役 割 基 本 方 針 によって, 学 校 及 び 教 職 員 の 役 割 とされている 事 項 は 主 に 以 下 のとおりです ア 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 の 策 定 各 学 校 の 実 情 に 応 じた 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 を 策 定 して, 未 然 防 止 や 早 期 発 見, 発 見 時 の 対 応 などを 示 し,HP 等 で 公 開 する イ いじめの 防 止 等 のための 組 織 の 設 置 いじめ 防 止 の 取 組, 相 談 通 報 窓 口,いじめ 事 案 への 対 応 等, 学 校 のいじめの 防 止 等 の 対 策 の ための 中 心 となる 組 織 を 設 置 する ウ 学 校 におけるいじめの 防 止 等 に 関 する 措 置 学 校 におけるいじめ 防 止 等 に 関 する 措 置 として 挙 げられている 事 項 は 主 に 以 下 のとおり 未 然 防 止 いじめ 問 題 を 考 える 取 組 等 を 推 進 する 他, 授 業 や 行 事 を 通 して 児 童 生 徒 が 自 分 を 認 め, 互 いに 認 め 合 える 学 校 風 土 づくりに 努 める 教 職 員 は 自 らの 言 動 が 児 童 生 徒 に 大 きな 影 響 を 与 えることを 十 分 に 認 識 する 早 期 発 見 アンケートや 校 内 相 談 体 制 を 充 実 させ, 相 談 通 報 する 勇 気 を 理 解 させる 相 談 窓 口 の 周 知 を 徹 底 する いじめを 受 けている 児 童 生 徒 の 心 情 を 十 分 に 認 識 し,ささいな 兆 候 を 見 逃 さないよう, 日 常 的 に 早 期 発 見 に 努 める いじめに 対 する 措 置 被 害 児 童 生 徒 の 安 全 確 保 を 最 優 先 しながら, 事 実 関 係 を 細 心 の 注 意 を 払 って 調 査 するなど 組 織 的 に 対 応 する 加 害 児 童 生 徒 には, 教 育 的 配 慮 の 下, 毅 然 とした 指 導 を 行 う 被 害 児 童 生 徒 保 護 者 には, 適 宜 状 況 を 説 明 し, 心 のケアや 安 心 して 通 学 するための 措 置 を 確 実 に 行 う 傍 観 者 も 含 め,いじめが 再 発 しないよう, 長 期 的 な 視 点 で 集 団 を 指 導 する (4) 保 護 者 の 役 割 基 本 方 針 によって, 保 護 者 の 役 割 とされている 事 項 は 主 に 以 下 のとおりです 児 童 生 徒 がいじめを 受 けた 場 合 に 適 切 に 保 護 する いじめが 絶 対 に 許 されない 行 為 であることを 保 護 する 児 童 生 徒 に 理 解 させ,いじめを 行 うこと がないよう, 必 要 な 指 導 に 努 める 学 校 その 他 が 講 じるいじめ 防 止 等 の 措 置 に 協 力 するよう 努 める (5) 県 民 の 役 割 基 本 方 針 によって, 県 民 の 役 割 とされている 事 項 は 主 に 以 下 のとおりです 児 童 生 徒 を 見 守 り, 安 心 して 過 ごすことができる 環 境 作 りに 努 める いじめを 発 見 した 場 合, 県 や 市 町 村, 学 校 などへの 情 報 提 供 に 努 める (6) 重 大 事 態 への 対 処 重 大 事 案 への 対 処 は 主 に 以 下 のとおりです 重 大 事 態 (いじめにより, 児 童 生 徒 の 生 命, 心 身 又 は 財 産 に 重 大 な 被 害 が 生 じたり, 長 期 間 学 校 を 欠 席 することを 余 儀 なくされている 疑 いがあるとき)を 認 知 した 場 合 は, 条 例 等 に 従 って 迅 速 かつ 適 切 な 組 織 的 対 応 を 行 い, 必 要 な 報 告 調 査 を 行 う 6

5 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 について 法 及 び 条 例 の 規 定 により, 各 学 校 には 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 の 策 定 が 義 務 付 けられました 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 は, 学 校 が, 自 らの 学 校 としてどのようにいじめの 防 止 等 の 取 組 を 行 うかについ ての 基 本 的 な 方 向 や, 取 組 の 内 容 等 を 示 すものです 国 基 本 方 針, 県 基 本 方 針, 市 町 村 の 基 本 方 針 を 参 酌 して 策 定 しますが, 市 町 村 立 学 校 については ( 市 町 村 が 基 本 方 針 を 策 定 している 場 合 ), 一 義 的 には 市 町 村 の 基 本 方 針 を 参 酌 することになります 以 下 に, 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 を 策 定 する 際 の 参 考 となる 主 な 項 目 を 挙 げます 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 は, 各 学 校 がそれぞれの 実 情 に 応 じて 策 定 するものですから,あくまで 参 考 資 料 として 使 っ てください 1 教 職 員, 児 童 生 徒 等 から 幅 広 く 意 見 を 聴 取 して 方 針 を 策 定 している 2 いじめ 問 題 に 対 する 学 校 の 基 本 理 念, 姿 勢 を 全 職 員 の 共 通 理 解 のもとに 示 している 3 いじめ 防 止 対 策 推 進 法 の 遵 守 といじめ 問 題 への 対 応 にあたり, 正 確 に 丁 寧 な 説 明 を 行 い, 隠 蔽 や 虚 偽 の 説 明 を 行 わないことを 示 している 4 いじめの 定 義 を 示 している ( 法 及 び 国 基 本 方 針 で 定 めたもので, 各 学 校 で 定 めるものではな い ) 5 組 織 の 構 成 や 役 割 について 示 している 6 協 議 や 対 応 する 内 容 に 応 じて 組 織 の 構 成 を 柔 軟 に 定 めている 7 児 童 生 徒, 保 護 者 への 啓 発 活 動 を 具 体 的 に 示 している 8 教 職 員 の 不 適 切 な 発 言 ( 差 別 的 発 言 や 児 童 生 徒 を 傷 つける 発 言 等 )や 体 罰 がいじめを 助 長 する ことを 示 している 9 学 校 全 体 で 暴 力 や 暴 言 を 排 除 することを 確 認 している 10 生 徒 指 導 の 機 能 を 重 視 した わかる 授 業 の 展 開 ( 児 童 生 徒 一 人 一 人 に 自 己 存 在 感 を 持 た せる 場 面 や 自 己 決 定 の 場 面 を 与 えるなどの 取 組 )が 自 己 有 用 感 を 高 めるなど,いじめを 含 め た 問 題 行 動 の 未 然 防 止 に 繋 がることを 示 している 11 道 徳 教 育,いのちを 大 切 にするキャンペーン, 豊 かな 人 間 関 係 づくり 実 践 プログラム( 中 学 校 ) 等 の 計 画 的, 組 織 的 な 指 導 計 画 を 示 している いつ,どのような 場 面 で,どのような 指 導 を 行 うか インターネットを 通 じて 行 われるいじめ 等 の 指 導 12 過 度 の 競 争 意 識, 勝 利 至 上 主 義 等 が 児 童 生 徒 のストレスを 高 める 等 により,いじめを 誘 発 する 問 題 について 指 摘 している 13 児 童 生 徒 の 自 発 的 な 活 動 を 支 援 することが 示 されている いのちを 大 切 にするキャンペーン,いじめゼロ 宣 言, 児 童 会 生 徒 会 の 活 動, 児 童 生 徒 からの 提 案 を 加 えることもよい 14 いじめはどの 学 校 でも,どの 子 にも 起 こり 得 るとの 認 識 のもと,いじめの 状 況 把 握 のため 定 期 的 なアンケート 調 査 の 実 施 を 示 している 実 施 時 期 を 明 示 している いじめに 特 化 した 内 容 でなくてもよい 進 路 希 望 や 悩 みなどと 併 せていじめについて 質 問 項 目 を 設 けることも 可 インターネットを 通 じたいじめについて 質 問 項 目 を 設 けるなど, 明 示 している 調 査 実 施 時 ( 記 名 調 査 とする 場 合 は 特 に 留 意 が 必 要 )にいじめ 加 害 者 が 被 害 者 に 圧 力 をかける ことも 想 定 されるため, 実 施 方 法 について 詳 細 な 留 意 事 項 を 示 している 15 アンケート 以 外 のいじめを 認 知 する 取 組 ( 個 別 面 談 や 教 育 相 談 等 )を 示 している 16 いじめがあった 場 合 の 子 供 の 変 化 の 特 徴 を 保 護 者 に 示 し, 速 やかに 学 校 に 相 談 する 等 の 啓 発 活 動 を 示 している 17 いじめ 防 止 に 関 して, 保 護 者 との 連 絡 方 法 を 定 めている アンケート 調 査, 保 護 者 面 談 時, 家 庭 への 電 話 連 絡 など 18 上 記 の 他, 昼 休 み 等 授 業 時 間 外 の 児 童 生 徒 の 人 間 関 係 を 観 察 する 等, 日 常 的 にいじめの 早 期 発 7

見 に 取 り 組 むことを 示 している 19 学 校 におけるいじめの 相 談 通 報 窓 口 を 示 している 20 学 校 以 外 のいじめの 相 談 通 報 窓 口 を 示 している 21 いじめについて 相 談 することや 通 報 すること(いじめゼロ 宣 言 の はなす 勇 気 について 児 童 生 徒 に 具 体 的 に 説 明 することなど )の 指 導 を 示 している いじめられていることを 恥 ずかしい みじめ であると 考 えない 相 談, 通 報 は 適 切 な 行 為 であり,いわゆる チクリ は 卑 怯 な 行 為 ではない 22 いじめ 事 案 が 発 生 した 場 合 の 報 告 連 絡 体 制 について 定 めている 23 警 察 への 通 報 など 関 係 機 関 との 連 携 について 示 している 24 いじめ 被 害 者 の 心 情 を 理 解 した 具 体 的 な 対 応 を 示 している 徹 底 して 守 り 抜 くことを 本 人, 保 護 者 に 伝 える 今 後 の 対 応 について 説 明 し, 不 安 な 点 を 聴 取 し, 対 応 策 を 示 す 細 かな 点 に 配 慮 した 対 応 について 具 体 例 を 示 す 25 いじめ 加 害 者 や 周 辺 の 児 童 生 徒 への 聴 き 取 り 調 査 に 関 する 具 体 的 な 方 法 や 留 意 事 項 を 示 している 聴 取 の 体 制, 記 録 の 保 存 ( 手 書 き,ワープロでまとめたもの 両 方 ), 聴 取 時 間 や 聴 取 場 所 の 環 境, 休 憩 や 食 事 時 間, 暴 言 や 威 圧 等 の 不 適 切 な 聴 取 方 法 の 禁 止 26 いじめ 加 害 者 が 被 害 者 や 通 報 者 に 圧 力 ( 物 理 的, 精 神 的 )をかけることを 防 止 する 対 策 を 示 し ている 27 いじめの 調 査 結 果 について 被 害 児 童 生 徒, 保 護 者 へ 情 報 を 提 供 することや 加 害 児 童 生 徒, 保 護 者 へいじめの 事 実 を 通 知 することについて 示 している 28 いじめ 被 害 児 童 生 徒 のケア(スクールカウンセラーの 活 用 )や 安 心 して 学 校 に 通 学 するための 措 置, 保 護 者 への 支 援 について 示 している 29 いじめ 加 害 児 童 生 徒 への 指 導 事 項 や 保 護 者 への 助 言 などの 対 応 について 示 している 被 害 者 が 非 常 に 恐 れている 場 合 を 想 定 し, 加 害 者 への 具 体 的 な 指 導 事 項 を 示 している 30 いじめ 加 害 者 への 指 導 の 観 点 から 特 別 指 導 に 関 する 内 規 を 点 検 し, 関 係 する 内 容 を 児 童 生 徒, 保 護 者 に 周 知 することを 示 している 31 いじめの 加 害 被 害 という 二 者 関 係 だけでなく, 観 衆 としてはやし 立 てたり 面 白 がったりす る 存 在 や, 周 辺 で 暗 黙 の 了 解 を 与 えている 傍 観 者 の 指 導 について 示 している 32 重 大 事 態 について 基 準 ( 法 及 び 国 基 本 方 針 で 定 めたもので, 各 学 校 で 定 めるものではない )を 示 している 33 重 大 事 態 が 発 生 した 場 合 の 対 応 を 法 に 則 り, 示 している 学 校 内 及 び 教 育 委 員 会 への 報 告, 連 絡 発 見 者 担 任 学 年 主 任 生 徒 指 導 主 事 教 頭 副 校 長 校 長 校 長 学 校 安 全 保 健 課 教 育 長 知 事 指 導 課 ( 二 報 以 後 の 対 応 ) 順 序 を 示 しているが, 緊 急 時 には, 臨 機 応 変 に 対 応 する 必 要 がある 連 絡 先 電 話 番 号 等 を 明 記 する 一 報 後, 改 めて, 文 書 により 報 告 する 必 要 に 応 じて 警 察 等 関 係 機 関 にためらわず 通 報 する 学 校 いじめ 対 策 組 織 の 招 集 具 体 的 な 調 査 方 法 警 察 への 通 報 など 関 係 機 関 との 連 携 34 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 をホームページで 公 表 することについて 示 している 35 年 度 毎 にいじめに 関 しての 調 査 や 分 析 を 行 い,これに 基 づいた 対 応 をとることを 示 している 36 年 度 毎 にいじめ 問 題 への 取 組 を 保 護 者, 児 童 生 徒, 所 属 職 員 等 で 評 価 することを 定 めている 既 に 実 施 している 学 校 評 価 等 に 加 えることも 可 37 学 校 いじめ 防 止 基 本 方 針 の 見 直 し 規 定 について 示 している 8