チーズプロフェッショナル のための 教 科 書 CHEESE PROFESSIONAL ASSOCIATION NPO 法 人 チーズプロフェッショナル 協 会
はじ め に 私 たちチーズプロフェッショナル 協 会 は チーズの 正 しい 知 識 と 取 り 扱 い 技 能 を 習 得 したチーズのプロを 通 じた 日 本 のチーズ 文 化 の 創 造 をめざし 2000 年 に 発 足 しました 日 本 ソムリエ 協 会 が 様 々な 活 動 により 多 くのワインのプロを 育 てたように 私 たちもチーズのプロの 育 成 が 急 務 だと 感 じていました それから16 年 今 では 多 くのチーズプロフェッショナル 認 定 者 が 各 地 で 活 躍 しています 協 会 では チーズに 関 わるすべての 人 を 応 援 する チーズの 正 しい 知 識 技 能 を 提 供 する 日 本 独 自 の チーズ 文 化 を 創 る を 掲 げて 行 動 をしています チーズを 食 卓 に 定 着 させることにより 健 康 増 進 に 寄 与 する ことができると 考 えています 昨 今 飲 食 店 では 洋 の 東 西 を 問 わず チーズの 豊 かな 味 わいを 活 かした 料 理 が 次 々に 生 み 出 されています チーズを 楽 しめるお 店 がどんどん 広 がってきていることは 喜 ばしい 限 りです また 国 産 のチーズ 生 産 者 も 増 え 本 場 のチーズにひけをとらない 優 れたチーズが 生 まれています 2014 年 10 月 には JAPAN CHEESE AWARD '14 を 開 催 2015 年 6 月 にはフランスはロワール 川 に 面 した 古 都 トゥールで 開 催 されたチーズの 世 界 大 会 Mondial du Fromage Concours International Produits 2015 に 金 賞 以 上 受 賞 の11 工 房 28 品 目 を 出 品 12 個 のメダルを 獲 得 するという 快 挙 でした このコンクールでは チーズプロフェッショナル 協 会 が 行 ってきた 品 質 評 価 プログラムにおいて 数 多 くのチーズを 評 価 してきた 会 員 が 審 査 員 として 世 界 の 舞 台 で 活 躍 しました このチーズプロフェッショナル 教 本 は チーズの 歴 史 また 世 界 各 地 でつくられているチーズの 基 本 的 な 知 識 やチーズを 取 り 巻 く 周 辺 知 識 を 体 系 的 に 載 せています 多 岐 にわたる 内 容 を 横 断 的 に 学 ぶことで チーズ の 全 体 像 が 理 解 していただけると 思 います 毎 年 行 われる 資 格 認 定 試 験 の 教 本 でもありますが チーズのある 現 場 では 日 常 的 に 活 用 できる 内 容 も 多 く 掲 載 しております ぜひ お 手 元 に 一 冊 置 いていただけると 幸 いです 習 得 した 知 識 や 経 験 をもとに より 豊 かで 楽 しく 健 康 的 な 日 々を 過 ごしていただけることを 願 っております 2016 年 2 月 NPO 法 人 チーズプロフェッショナル 協 会 会 長 本 間 るみ 子
[チーズの 教 本 ] 目 次 第 1 章 チーズを 識 る チーズの 文 化 史... 8 1. 乳 食 文 化 の 夜 明 け 2. 凝 乳 の 形 成 とチーズの 誕 生 3. チーズの 多 様 化 4. チーズの 精 神 性 5. チーズと 近 代 社 会 6. むすび 食 べ 物 としてのチーズ 7. チーズの 文 化 史 年 表 チーズの 原 料...18 1. 原 料 の 牛 乳 について 2. 成 分 の 変 化 3. 乳 に 含 まれる 各 種 成 分 4. 乳 から 得 られるもの 乳 製 品 チーズの 製 造... 25 1. 製 造 のアウトライン 2. チーズを 熟 成 させる 3. タイプ 別 で 分 かるチーズの 製 法 例 4. チーズ 造 りの 様 々な 道 具 チーズの 生 産 と 消 費...46 1. 世 界 の 乳 生 産 量 2. 世 界 のチーズ 生 産 量 3. チーズをめぐる 貿 易 4. 日 本 のチーズ 輸 入 量 5. 世 界 のチーズ 消 費 量 第 2 章 チーズを 巡 る 世 界 のチーズ 日 本... 52 日 本 のチーズ 事 情 ヨーロッパの 品 質 認 証 システム フランス... 62 イタリア... 90 スイス...113 スペイン...121 ポルトガル...132 イギリス アイルランド...138 ドイツ...144 オーストリア...148 ベルギー...150 オランダ...152 北 欧 諸 国 (デンマーク/ノルウェー/スウェーデン/フィンランド)...155 東 地 中 海 諸 国 (ギリシャ/キプロス/トルコ)...160 アメリカ...164 オセアニア 諸 国 (オーストラリア/ニュージーランド)...167 アジア 諸 国 (インド/モンゴル/ 中 国 )...170 4
第 3 章 チーズを 広 める チーズの 販 売...176 1. 販 売 員 の 役 割 2. 販 売 に 必 要 な 工 夫 3. 日 本 の 食 品 表 示 項 目 4. ヨーロッパのラベル 表 示 を 理 解 する 5. 販 売 のために 必 要 な 技 術 チーズのサービス...190 1. 多 様 化 するチーズの 仕 入 れ 2. 本 質 や 特 性 を 理 解 してチーズを 選 ぶ 3. 美 しいサービスを 身 に 付 ける 4. チーズの 管 理 にこだわる 第 4 章 チーズを 愉 しむ チーズの 栄 養 と 健 康...202 1. チーズの 高 い 機 能 性 2. チーズを 食 べるときに 気 を 付 けたいこと チーズのテイスティング...207 チーズと 料 理...208 1. チーズタイプ 別 の 物 性 と 風 味 2. チーズの 特 性 を 料 理 に 活 かす 3. チーズを 使 った 代 表 的 な 料 理 チーズと 飲 み 物...216 1. チーズとワインの 相 性 2. その 他 の 飲 み 物 とチーズ 付 録 1 ヨーロッパ 周 辺 地 図...222 付 録 2 ナチュラルチーズの 分 類...224 付 録 3 国 内 のナチュラルチーズ 生 産 者 リスト...225 付 録 4 チーズ 公 正 競 争 規 約 及 び 同 施 行 規 則...229 付 録 5 日 仏 伊 英 チーズ 用 語 対 照 表...235 チーズプロフェッショナル 協 会 について...236 資 格 認 定 試 験 について...236 チーズ 検 定 について...236 チーズ 関 連 サイト...236 索 引...237 参 考 文 献...240 本 書 ではチーズ 名 のカタカナ 表 記 は 現 地 発 音 に 近 づけていますが 慣 用 表 記 が 日 本 で 定 着 している 場 合 はそれを 採 用 しています 5
[ 乾 し 草 ] 青 草 がない 晩 秋 から 早 春 にかけては 家 畜 にとって 乾 し 草 が 重 要 な 食 料 です 夏 から 秋 にかけて2~3 回 作 ら れますが 牧 草 の 勢 いがいい 一 番 刈 りの 乾 し 草 は 栄 養 分 も 多 く 家 畜 も 喜 んで 食 べます しかし 乾 燥 が 不 完 全 だと 草 が 異 常 発 酵 したりカビが 生 えたりする 場 合 もあり ます その 結 果 異 常 発 酵 のチーズやカビの 生 えやすい チーズができてしまうこともあるのです 乾 し 草 は 生 の 草 と 比 べて 水 分 が 少 なく 繊 維 質 が 多 いので ルーメンに 長 く 滞 留 します そのため 家 畜 の 食 欲 が 減 り 泌 乳 量 も やや 減 る 傾 向 なので ほかの 飼 料 で 補 うこともあります [ サイレージ ] 昔 は 北 海 道 などにサイロと 呼 ばれる 塔 型 の 建 物 (タワー サイロ)がありました サイロに 冬 季 用 の 餌 として 貯 蔵 され た 牧 草 やトウモロコシなどの 飼 料 のことをサイレージと 呼 んでいます サイロの 中 は 空 気 が 遮 断 された 条 件 ( 嫌 気 条 件 )で 乾 し 草 などは 漬 物 と 同 じように 内 部 でゆっくりと 乳 酸 発 酵 していきます ただし 人 間 の 食 物 ではないので 衛 生 管 理 は 不 完 全 で 乳 酸 菌 だけでなく 自 然 に 存 在 する 酪 酸 菌 なども 一 緒 に 取 り 込 んでしまうことがあります このた め 長 期 熟 成 型 のチーズでは 熟 成 中 に 異 常 発 酵 を 起 こ すリスクがあります フランスやスイスのハード 系 チー ズなど 長 期 熟 成 タイプのチーズでは 一 般 的 にサイレー ジの 給 与 を 禁 じています 現 在 では 費 用 のかかるタワーサイロは 作 られず 刈 り 取 った 牧 草 を 樹 脂 フィルムで 密 封 するバンカーサイロ スタックサイロ (ロールベール)ラップサイロといった 同 様 の 効 果 のある 方 法 が 主 流 です ラップサイロ チーズの 原 料 乳 に 含 まれる 各 種 成 分 [ 濃 厚 飼 料 ] わら 家 畜 に 与 える 餌 のうち 草 や 藁 など 繊 維 質 を 多 く 含 んだ ものを 粗 飼 料 とうもろこしや 大 麦 などの 穀 類 ぬかな どの 搾 りかす 植 物 性 の 油 粕 など 栄 養 価 の 高 いものを 濃 厚 飼 料 と 呼 んでいます 濃 厚 飼 料 は 一 般 的 に 単 品 ではなく 数 種 をブレンドして 栄 養 バランスを 整 えた 配 合 飼 料 として 与 えます 種 類 も 粉 末 状 のものからフレーク 状 ペレット 状 のものまで 様 々で す 濃 厚 飼 料 を 補 助 的 に 与 えれば 家 畜 の 健 康 維 持 はもち ろんのこと 泌 乳 量 や 乳 質 の 向 上 も 期 待 できます たんぱく 質 乳 に 含 まれるたんぱく 質 は2 種 類 に 分 けられます 非 水 溶 性 のたんぱく 質 カゼイン と 水 溶 性 のたんぱく 質 ホエイ たんぱく 質 です カゼインミセルの 模 式 図 平 均 120nm κ-カゼイン マイナス 電 荷 プラス 電 荷 疎 水 性 領 域 リン 酸 カルシウムの 微 粒 子 カゼインミセルは 水 に 殆 ど 溶 けないリン 酸 カルシウムをカゼインミセ ルの 内 部 に 大 量 に 包 み 込 んでいる κ-カゼインはカゼインミセルの 表 面 にある マイナス 電 荷 とプラス 電 荷 があるが ph6.8 付 近 ではマイ ナス 電 荷 数 がプラス 電 荷 数 より 多 い カゼインミセルの 構 造 やリン 酸 カルシウムの 存 在 状 態 については 多 数 の 考 え 方 があるが 結 論 はでていない ここでは 様 々な 説 にほぼ 共 通 する 考 え 方 を 模 式 的 に 示 す [ カゼイン ] 牛 乳 たんぱく 質 の 約 80%はカゼインです カゼインは 乳 を20 でpH4.6にしたときに 沈 殿 するたんぱく 質 と 定 義 されています アルファエスワン アルファエスツー カゼインにはα S₁-カゼイン α S₂-カゼイン β ベータ -カゼイ ン κ カッパ -カゼインの4 種 類 があって κ カッパ -カゼイン 以 外 はカ ルシウム 存 在 下 で 沈 殿 する 性 質 を 持 っています 乳 中 では 4 種 類 のカゼインが 集 合 してミセルという 構 造 を 作 り 直 径 30 700nm(ナノメートル 100 万 分 の1mm)のコロ イド 粒 子 ( 粒 径 が1nm~1μmの 比 較 的 大 きな 粒 子 )として 存 在 しています このようなコロイド 粒 子 に 光 が 当 たると 散 乱 し 白 く 濁 って 見 えます 乳 が 白 いのはこのためです カゼインミセルの 表 面 には 親 水 性 のκ-カゼインが 内 側 には 疎 水 性 のαS₁ αs₂ β-カゼインが 存 在 していると 22
考 えられています また カゼインを 構 成 するアミノ 酸 に はプラスの 電 荷 を 持 つものやマイナスの 電 荷 を 持 つものが あり ミセルの 表 面 にはこれらのアミノ 酸 のプラスやマイ ナスの 電 荷 があります 乳 のpHはおおよそ6.8ですが こ のときはマイナスの 電 荷 の 方 が 多 く カゼインミセルは 互 いに 電 気 的 に 反 発 し 合 って 分 散 しています 牛 乳 中 のたんぱく 質 ph 4.6(20 )で 沈 殿 するたんぱく 質 がカゼイン 上 清 中 のたんぱく 質 がホエイたんぱく 質 である カゼイン αs₁-カゼイン (αs₁-cn) αs₂-カゼイン (αs₂-cn) β-カゼイン (β-cn) κ-カゼイン (κ-cn) カルシウムで 沈 殿 カルシウムで 安 定 [ ホエイたんぱく 質 ] 凝 固 した 乳 を 凝 乳 (カード) と 呼 び このカードから 分 離 した 緑 黄 色 の 液 体 を 乳 清 (ホエイ) といいます ホエ イには 免 疫 調 節 感 染 防 御 骨 強 化 などに 関 係 する 多 く のたんぱく 質 が 含 まれています 最 も 多 いのが 筋 肉 合 成 などに 関 与 するβ-ラクトグロブリン( 約 50%) 次 に 多 い のが 乳 糖 合 成 に 関 わっているα-ラクトアルブミンです 牛 乳 ホエイ ph 4.6 20 ホエイたんぱく 質 β-ラクトグロブリン (β-lg) α-ラクトアルブミン (α-la) 免 疫 グロブリンG (lgg) ウシ 血 清 アルブミン (BSA) ラクトフェリン (Lf) その 他 多 数 脂 肪 加 熱 で 凝 固 乳 糖 チ ー ズ を 識 る チ ー ズ の 原 料 脂 肪 エネルギー 源 や 脂 溶 性 ビタミンの 供 給 源 として 重 要 な 分 散 状 態 の 脂 肪 球 浮 き 上 がる 脂 肪 球 乳 脂 肪 乳 製 品 の 美 味 しさに 欠 かせないのはもちろんで すが 乳 酸 菌 の 働 きによってヨーグルトやチーズに 特 有 な 香 りをもたらします 一 方 酸 素 や 光 の 影 響 で 過 酸 化 物 ができると それが 好 ましくない 風 味 の 原 因 にもなる ことがあります 脂 肪 球 として 存 在 している 乳 脂 肪 は 乳 乳 ク リ ー ム ラ イ ン 静 置 したままだと 脂 肪 球 同 士 が 集 合 して 表 面 に 浮 いてき ます これが クリームライン です 通 常 の 飲 用 牛 乳 では 脂 肪 球 の 集 合 を 防 ぐために 均 質 機 (ホモゲナイザー) 静 置 という 機 械 を 通 して この 大 きさを 小 さくします 乳 糖 (ラクトース Lactose) 乳 糖 はグルコースとガラクトースが 結 合 した 二 糖 類 の 一 種 で 乳 にのみ 存 在 する 特 殊 な 糖 質 です 乳 糖 の 甘 さは 砂 糖 の1/5 程 度 です 乳 糖 は 離 乳 前 の 動 物 の 子 供 のエネルギー 源 として 重 要 で しかも 腸 の 活 動 を 活 発 にしカルシウムの 吸 収 を 高 める 働 きもあります 酵 素 酵 母 と 字 面 が 似 ているため 誤 解 されやすいのですが 酵 素 (Enzyme)は 生 物 ではありません たんぱく 質 の 一 種 で 生 物 の 内 部 で 行 われる 化 学 分 解 や 合 成 を 触 媒 し 反 応 を 促 進 する 働 きを 持 っています 長 い 物 質 を 短 く 切 断 したり( 食 べたものの 消 化 など) 短 い 物 質 から 長 い 物 質 を 作 り 出 す( 栄 養 素 から 筋 肉 を 作 り 出 すなど)ものだと 考 えれば 分 かりやすいかもしれません 23
北部 北部は 3000m級の山々が連なるアルプス山脈 その山麓地域 さらにポー川流域の広大な 平野 という3つの地域に分かれています 気候的にはどこも比較的温暖で降水量も多く 緑も 豊富です アルプスの山岳地域では伝統的に大型で保存性の高い 山のチーズ が造られてきまし た これに対して山麓地域では ゴルゴンゾーラやタレッジョに代表されるような比較的小型で ソフトな ストラッキーノ と総称されるチーズが多く造られています かんがい ポー川流域では18 19世紀にすでに灌漑設備が整備され 集約的な酪農 大工場での乳製品 の製造が行われてきました 現在ではこの地域だけでイタリアのチーズ生産量の大部分を占めて います ベルン Bern ス イ ス オーストリア リヒテンシュタイン Liechtenstein Switzerland Austria トレンティーノ アルト アディジェ州 ヴァッレ ダオスタ州 Va ドラウ 川 フリウリ ヴェネツィア ジュリア州 Trentino-Alto Adige lle d'aosta アデ ィジ ェ川 トレント Aosta ロンバルディア州 Lombardia ポー川 リュブリャナ Ljubljana トリエステ ヴェネト州 Trieste Veneto ミラノ ヴェネツィア ヴェニス Milano トリノ Slovenia Friuli-Venezia Giulia Trento アオスタ スロベニア Venezia (Venice) Torino フランス France ピエモンテ州 Piemonte エミリア ロマーニャ州 ポー川 クロアチア Croatia Emilia-Romagna ボローニャ ジェノヴァ Genova サンマリノ Liguria モナコ Monaco Bologna リグーリア州 モナコ リグ ーリア海 Monaco 0 50 100km San Marino アルノ川 トスカーナ州 フィレンツェ Firenze Toscana Fontina フォンティーナ チーズの名前は Fontin と呼ばれる牧草地 Fontinaz という村 の名前 あるいは 古いフランス語で熱をかけると融ける性質を表す fontis fondis に由来するともいわれています ヴァッレ ダオスタ州の牧草地の草 乾し草を食べたアオスタ種の 牛の乳から造られるチーズ サイレージやその他の発酵飼料を与える ことは禁止されています 製造は1日2回 搾乳後すぐに行われます 心地よい芳香とナッツの風味 はちみつのような甘みが特徴 この 地方の有名な郷土料理 フォンドゥータ はフォンティーナと牛乳 卵 バターで作るアオスタ風フォンデュです D.O.C.取得年 1955年 チ ー ズ の 分 類 半加熱圧搾タイプ 産地 指定地区 ヴァッレ ダオスタ州 全域 原 料 乳 牛乳 全乳 無殺菌乳 熟 成 期 間 最低80日間 形 と 重 量 直径35 45cm 高さ7 10cm 重さ7.5 12kg 固形分中乳脂肪 最低45 92 The Cheese Textbook 2016 アドリア 海 サンマリノ San Marino マルケ州 Marche アンコーナ Ancona
Valle d'aosta Fromadzo ヴァッレ ダオスタ フロマッツォ ヴァッレ ダオスタ州の渓谷一帯はかつてフランス人に占領されて いて フロマッツォという名前もそのころ使われていたフランス語で付 けられたものです 同じ州で造られるフォンティーナに比べて脂肪分が少なく 夏に生 産されたものからは山地の牧草の香りを感じ取ることができます 中 脂肪タイプは12 24時間 低脂肪タイプは24 36時間 乳を寝かせて クリームを分離します 分離したクリームからはバターを造っています チーズを巡る D.O.C.取得年 1995年 チ ー ズ の 分 類 半加熱圧搾タイプ 産地 指定地区 ヴァッレ ダオスタ州 全域 原 料 乳 牛乳 部分脱脂乳 少量の山羊乳を加えることもある 熟 成 期 間 60日 10ヵ月間 形 と 重 量 直径15 30cm 高さ5 20cm 重さ1 7kg 固形分中乳脂肪 中脂肪タイプ 20 35 低脂肪タイプ 20 以下 Bra ブラ D.O.P.チーズの多いピエモンテ州でも最大の生産量を誇るチーズで す 14世紀ごろはクネオ県の山村で細々と造られていましたが 20世 紀初頭 ジェノヴァに持ち込まれ その美味しさが認められて知名度 が上がりました テーネロ ソフトタイプ の外皮は淡い色合いで弾力 世界のチーズイタリア 性があり 組織はむちむちとしていてチーズアイがあります 繊細な 香りと穏やかな味わいでテーブルチーズとしてそのまま食べたり い ろいろな料理にも使えます ドゥーロ ハードタイプ の外皮は茶色で 時にオイルで磨きあげます 5月初めから10月下旬まで標高900m以上の山地で放牧した牛の無 殺菌乳で製造 熟成されたものは d'alpeggio ダルペッジオ と名乗 ることができます この場合 テーネロは最低60日間 ドゥーロは最 低6ヵ月間の熟成が必要です D.O.C.取得年 1982年 チ ー ズ の 分 類 非加熱圧搾タイプ 産地 指定地区 ピエモンテ州 クネオ県全域 熟成はトリノ県のヴィラフランカ ピエモンテ市でも可 原 料 乳 牛乳 全乳 ドゥーロとダルペッジオには部分脱脂乳 場合によっては 山羊乳と羊乳 または山羊乳か羊乳を20%まで加えることができる 熟 成 期 間 テーネロ ソフト 最低45日間 ドゥーロ ハード 最低180日間 形 と 重 量 直径30 40cm 高さ5 10cm 重さ6 9kg 固形分中乳脂肪 最低32 テーネロ ドゥーロ The Cheese Textbook 2016 93