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用 排 水 機 場 設 備 設 計 の 手 引 第 1 回 ( 平 成 26 年 3 月 ) 制 定 第 2 回 ( 平 成 27 年 3 月 ) 改 定 新 潟 県 農 地 部

はじめに 本 県 には 現 在 約 17 万 3 千 ha の 農 地 が 広 がり その 約 9 割 は 水 田 です それらの 多 く は 先 人 たちが 長 い 時 間 と 心 血 を 注 ぎ 農 業 には 不 向 きな 芦 沼 と 呼 ばれた 低 湿 地 を 改 良 し 雑 木 林 などの 荒 れ 地 を 開 墾 し 上 流 から 用 水 を 引 き 創 り 上 げた 水 田 です この 間 数 多 くの 農 業 水 利 施 設 が 建 設 され 現 在 も 土 地 改 良 区 等 で 管 理 される 基 幹 的 な 用 排 水 路 は 1,258 路 線 総 延 長 約 2,700km ダムやため 池 等 の 水 源 施 設 頭 首 工 や 用 水 機 場 等 の 取 水 施 設 排 水 樋 門 や 排 水 機 場 等 の 排 水 施 設 などの 点 的 な 施 設 も 約 600 か 所 にも 及 びます これらの 農 業 水 利 施 設 は 今 も 本 県 の 農 業 生 産 と 県 民 の 安 全 安 心 な 暮 らしを 支 えています 一 方 国 では 東 日 本 大 震 災 から 得 られた 教 訓 を 踏 まえ いかなる 大 規 模 災 害 等 が 発 生 し ようとも (1) 人 命 は 何 としても 守 り 抜 く (2) 行 政 経 済 社 会 を 維 持 する 重 要 な 機 能 が 致 命 的 な 損 傷 を 負 わない (3) 財 産 施 設 等 に 対 する 被 害 をできるだけ 軽 減 し 被 害 拡 大 を 防 止 する (4) 迅 速 な 復 旧 復 興 を 可 能 にする ことを 基 本 的 な 方 針 として 強 くてしなやかな( 強 靱 な) 国 づくりのための 国 土 強 靱 化 基 本 法 を 平 成 25 年 12 月 に 制 定 しました 現 在 国 土 の 健 康 診 断 ともいうべき 脆 弱 性 評 価 が 行 われており 平 成 26 年 5 月 には 国 土 強 靱 化 政 策 大 綱 に 基 づき 国 土 強 靱 化 基 本 計 画 ( 第 1 次 )が 閣 議 決 定 される 見 込 みです さらに 都 道 府 県 や 市 町 村 における 国 土 強 靱 化 地 域 計 画 づくりも 予 定 されており 国 土 強 靱 化 (ナショナル レジリエンス) 防 災 減 災 への 取 組 が 強 力 に 推 進 されています 加 えて 国 は 全 てのインフラを 対 象 としたインフラ 長 寿 命 化 基 本 計 画 を 平 成 25 年 11 月 に 定 め 各 インフラを 管 理 所 管 する 者 がそれら 施 設 の 安 全 性 や 重 要 性 等 を 踏 まえ 計 画 的 な 取 組 を 進 めるための 行 動 計 画 や 個 別 施 設 計 画 づくりを 行 うこととなりました こうした 中 県 土 保 全 に 重 要 な 役 割 を 果 たしている 本 県 の 農 業 水 利 施 設 も 今 後 策 定 さ れる 国 土 強 靱 化 地 域 計 画 やインフラ 長 寿 命 化 の 行 動 計 画 を 踏 まえた 対 応 が 求 められます 加 えて 農 村 地 域 の 混 住 化 や 企 業 的 な 農 業 経 営 が 増 加 する 中 老 朽 化 に 起 因 する 施 設 の 機 能 不 全 や 重 大 な 事 故 を 防 止 するための 維 持 管 理 の 重 要 性 も 年 々 高 まるものと 思 います 適 時 適 切 な 維 持 補 修 や 管 理 の 励 行 それらノウハウの 蓄 積 など 施 設 の 長 寿 命 化 に 向 けた 取 組 は 県 民 の 安 全 安 心 な 暮 らしにとって 重 要 なことから 更 なる 充 実 が 必 要 と 考 えています 本 手 引 によって 整 備 される 用 排 水 機 場 が 新 たな 社 会 的 ニーズを 的 確 に 捉 え その 社 会 的 な 役 割 や 重 要 性 に 応 じ 維 持 管 理 体 制 や 防 災 減 災 機 能 を 強 化 し より 安 全 で より 確 実 な 運 用 管 理 が 行 える 施 設 となることを 期 待 します 平 成 26 年 3 月 新 潟 県 農 地 部 長 圓 山 満 久

目 次 第 1 章 用 排 水 機 場 の 設 備 設 計 の 進 め 方... 1 1.1 ポンプ 設 備 基 準 の 再 編 について... 1 1.2 現 行 施 設 の 評 価... 1 1.2.1 現 行 施 設 の 課 題... 1 1.2.2 更 新 理 由 の 確 認... 2 1.2.3 施 設 が 果 たすべき 新 たな 役 割... 2 1.3 新 たな 施 設 計 画 にあたって 検 討 すべき 事 項... 3 1.3.1 検 討 の 視 点... 3 1.3.2 評 価 の 反 映... 8 1.3.3 本 県 における 突 発 事 故 の 発 生 状 況 について... 8 1.3.4 用 水 機 場 の 送 水 実 績 について... 9 第 2 章 ポンプ 設 備 基 準... 12 2.1 ポンプ 設 備 について... 12 2.1.1 ポンプ 設 備 設 計 にあたって 留 意 すべき 事 項... 12 2.1.2 施 工 業 者 の 選 定 について... 17 2.1.3 施 設 管 理 者 との 維 持 管 理 方 法 の 協 議 について... 17 2.1.4 設 備 のオーバーホールについて... 18 2.1.5 設 備 運 転 員 に 対 する 操 作 研 修 について... 18 2.1.6 ポンプ 故 障 時 の 応 急 対 応 について... 18 2.1.7 ポンプの 分 類 について... 18 2.1.8 ポンプの 形 式 について... 21 2.1.9 水 中 ポンプについて... 26 2.1.10 水 中 ポンプの 形 式 について... 27 2.2 県 内 の 用 排 水 機 場 の 施 工 事 例... 28 2.2.1 チューブラ( 横 軸 円 筒 形 軸 流 )ポンプ( 覚 路 津 排 水 機 場 )... 28 2.2.2 横 軸 軸 流 ポンプ( 行 谷 川 排 水 機 場 )... 33 2.2.3 横 軸 斜 流 ポンプ( 鮎 川 排 水 機 場 )... 39 2.2.4 立 軸 軸 流 ポンプ( 親 松 排 水 機 場 )... 46 2.2.5 立 軸 斜 流 ポンプ( 沢 海 揚 水 機 場 )... 51 2.2.6 横 軸 両 吸 込 渦 巻 ポンプ( 中 江 北 部 第 2 地 区 第 2 号 揚 水 機 場 )... 54 2.2.7 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ( 中 里 北 揚 水 機 場 )... 61 2.2.8 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ( 玉 郷 立 地 区 揚 水 機 場 )... 66 2.2.9 脱 着 式 水 中 ポンプ( 川 東 地 区 第 2 号 揚 水 機 場 )... 71 第 3 章 電 気 設 備 基 準... 76 3.1 電 動 機 の 選 定 について... 76 3.2 受 配 電 盤 の 選 定 について... 76 3.3 標 準 スケルトン 及 び 機 器 仕 様... 79 3.4 受 配 電 盤 に 付 加 するオプション 機 能... 89

第 4 章 その 他... 90 4.1 上 屋 工 について... 90 4.1.1 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 標 準 設 計 ( 上 屋 工 ) 木 造 平 成 17 年 3 月... 91 4.1.2 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 標 準 設 計 ( 上 屋 工 ) 木 造 平 成 16 年 5 月... 92 4.1.3 農 地 部 標 準 設 計 揚 水 機 場 上 屋 工 RC 造 平 成 19 年 3 月... 93 4.1.4 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 上 屋 工 RC 造 平 成 26 年 度 制 定 予 定... 94 4.2 上 屋 の 減 災 対 策 について... 95 4.3 津 波 浸 水 想 定 図 ( 平 成 25 年 12 月 )で 浸 水 が 想 定 される 施 設... 95 4.4 関 連 法 規 について... 96 第 5 章 付 記... 97

第 1 章 用 排 水 機 場 の 設 備 設 計 の 進 め 方 1.1 ポンプ 設 備 基 準 の 再 編 について 本 県 では ほ 場 整 備 等 に 伴 う 用 水 機 場 の 新 設 に 加 え 今 後 過 去 に 整 備 した 用 排 水 機 場 の 補 修 補 強 更 新 の 増 加 が 予 想 されます 特 に 施 設 を 全 面 的 に 見 直 す 更 新 整 備 に おいては 施 設 を 数 十 年 稼 働 してきた 実 績 を 踏 まえ 施 設 管 理 者 とこれまで PDCA サイクルから CAP-Do サイクルへ の 施 設 の 問 題 点 更 新 に 至 った 理 由 更 新 整 備 にあたっては 計 画 策 定 (Plan) 施 設 が 果 たすべき 新 たな 役 割 などにつ からでなく 既 存 施 設 の 評 価 (Check)から いて 十 分 協 議 し それらに 基 づき 更 新 始 めましょう 整 備 計 画 を 立 てることがより 良 い 施 設 施 設 の 運 転 操 作 維 持 管 理 に 携 わってき づくりのために 重 要 です た 方 々のノウハウを 新 たな 施 設 計 画 に 生 か 本 県 における 機 場 の 更 新 整 備 サイク すことが 使 いやすく 管 理 しやすい 施 設 づく ルは 施 設 規 模 や 形 状 形 式 使 用 頻 りの 第 一 歩 です 度 機 場 が 設 置 されている 周 辺 自 然 環 スタート 境 地 盤 の 状 況 などが 異 なるため 一 様 ではありませんが 近 年 大 規 模 な 国 営 施 設 が 次 々と 更 新 され その 更 新 サイクルは 親 松 排 水 機 場 39 年 新 川 河 口 排 水 機 場 45 年 新 川 右 岸 排 水 機 場 59 年 白 根 排 水 機 場 35 年 新 井 郷 川 排 水 機 場 34 年 となっています こうした 中 今 後 県 営 造 成 施 設 の 更 新 整 備 の 際 に 検 討 すべき 項 目 や 留 意 点 等 に 力 点 を 置 き これまでのポン プ 設 備 基 準 を 新 たに 用 排 水 機 場 設 備 設 計 の 手 引 として 再 編 しました 1.2 現 行 施 設 の 評 価 この 項 では 施 設 更 新 を 進 めるにあたって 現 行 施 設 を 使 用 してきた 施 設 管 理 者 に 現 行 施 設 に 対 する 感 想 や 問 題 点 を 尋 ね 現 行 施 設 の 課 題 を 抽 出 する(check)ことで 更 新 に 向 けた 課 題 を 明 確 化 させ(Act) 更 新 のための 計 画 (Plan)に 運 転 操 作 や 維 持 管 理 の 観 点 を 加 え 施 設 管 理 者 のノウハウを 生 かした 使 いやすく 管 理 しやすい 施 設 づくり を 目 指 します 1.2.1 現 行 施 設 の 課 題 施 設 管 理 者 に 現 行 施 設 に 関 する 質 問 をしてみましょう 現 行 施 設 機 能 に 対 する 質 問 都 市 化 宅 地 化 などの 土 地 利 用 の 変 化 に 対 応 できていますか 取 水 期 間 の 前 倒 しや 後 倒 しなどの 水 需 要 の 変 化 に 対 応 できていますか 施 設 機 能 にどこか 不 満 のところはありませんか 1

施 設 機 能 をもっと 簡 素 に または 不 要 と 考 えられる 機 能 はありませんか 運 転 管 理 に 対 する 質 問 運 転 操 作 は 何 人 で 行 っていますか 運 転 操 作 が 難 しいと 感 じたことはありませんか それは 具 体 的 にどの 設 備 のどのような 状 況 の 時 ですか 運 転 操 作 は 確 実 にできますか 保 守 管 理 に 対 する 質 問 施 設 の 保 守 点 検 はどのような 体 制 で 行 っていますか 点 検 はいつ 行 いますか それは 定 期 的 ですか 保 守 点 検 で 不 具 合 を 見 つけたとき どのように 対 処 しますか 組 織 で 不 具 合 が 共 有 化 されていますか 具 体 的 に 誰 に いつ どのような 形 で 不 具 合 に 対 処 しましたか その 時 の 費 用 や 過 去 の 履 歴 が 残 されていますか その 他 施 設 全 体 に 対 する 質 問 その 他 施 設 全 体 で 何 か 不 都 合 なことや 意 見 はありませんか このような 質 問 を 通 じて 施 設 管 理 者 と 現 行 施 設 の 問 題 点 や 改 善 点 等 を 共 有 化 してい きます 新 たな 施 設 づくりにあたって それらの 問 題 点 や 改 善 点 等 が 他 地 区 ではどのように 対 処 されているか 新 たな 技 術 で 対 応 できないか 施 設 管 理 者 とともに 情 報 収 集 を 進 め ましょう 1.2.2 更 新 理 由 の 確 認 更 新 理 由 には 施 設 更 新 のための 大 切 なヒントが 隠 れています 更 新 することを 決 めた 経 緯 や 具 体 な 内 容 を 施 設 管 理 者 から 丁 寧 に 聞 き 取 りましょう 例 えば 頻 発 する 故 障 で 機 能 不 全 が 懸 念 されるから 維 持 管 理 経 費 や 運 転 経 費 が 年 々 増 嵩 し 負 担 が 大 変 だから 交 換 部 品 がなくなるなど メーカーのサポート 体 制 も 不 安 だから 部 材 の 腐 食 劣 化 が 進 行 し 施 設 機 能 の 確 保 や 耐 震 性 に 不 安 があるから 水 需 要 の 変 化 に 施 設 能 力 が 対 応 できなくなったから など 更 新 を 決 めるに 至 った 幾 つかの 要 因 が 聞 けると 思 います 施 設 管 理 者 が 更 新 を 決 める に 至 った 経 緯 は これから 新 たな 施 設 づくりを 進 める 上 で 最 も 大 切 にしたい 事 項 です 現 行 施 設 の 課 題 点 検 と 合 わせて 新 たな 施 設 が 備 えるべき 骨 格 を 明 らかにしましょう 1.2.3 施 設 が 果 たすべき 新 たな 役 割 次 に 今 後 予 想 される 課 題 なども 想 定 しながら 新 たな 施 設 のコンセプトを 定 めます 耐 久 性 の 向 上 省 エネ 対 策 の 充 実 維 持 管 理 費 の 軽 減 操 作 性 の 向 上 故 障 時 対 応 の 強 化 など これまでの 施 設 の 改 善 点 を 踏 まえ 明 確 な 意 図 をもって 更 新 整 備 を 進 めましょ う 2

用 排 水 機 場 は 多 くの 設 備 部 品 などによって 構 成 されます それぞれ 適 切 に 点 検 や 部 品 交 換 を 行 い 適 期 にオーバーホールを 行 うことは 設 備 の 信 頼 性 を 高 め 施 設 を 長 く 利 用 する 要 諦 です しかし 施 設 を 構 成 する 機 械 設 備 電 気 設 備 監 視 制 御 設 備 建 物 等 それぞれ 耐 用 年 数 が 異 なることに 留 意 が 必 要 です 本 県 における 突 発 事 故 の 発 生 状 況 を 1.3.3 に 示 しますが 電 子 部 品 が 多 く 使 われている 監 視 制 御 設 備 は 一 定 の 年 数 を 経 ると 事 故 率 が 急 に 高 まります また 施 設 に 多 くの 機 能 を 付 加 すると 設 置 費 用 も 維 持 管 理 費 用 も 増 嵩 します 地 域 のニーズに 合 わせ 施 設 が 使 われる 数 十 年 を 見 通 して 簡 素 で 維 持 管 理 しやすい 施 設 づくりを 進 めましょう 1.3 新 たな 施 設 計 画 にあたって 検 討 すべき 事 項 現 行 施 設 の 評 価 を 踏 まえ 新 たな 施 設 の 将 来 における 位 置 づけや 技 術 の 展 開 方 向 運 転 操 作 や 保 全 管 理 の 手 法 などを 予 め 施 設 管 理 者 とともに 定 め より 安 全 で 経 済 的 な 施 設 づくりを 進 めましょう 1.3.1 検 討 の 視 点 中 長 期 的 な 施 設 の 役 割 について 考 える 施 設 を 更 新 する 場 合 は これまでの 施 設 の 稼 働 実 態 を 把 握 することから 始 めましょ う これまでの 施 設 がどのような 時 にどのような 運 転 をしてきたかを 過 去 の 運 転 記 録 などから 確 認 しましょう これは 施 設 更 新 のための 地 域 の 合 意 形 成 や 計 画 づくりの 根 拠 となるほか 今 後 施 設 の 役 割 を 考 える 基 礎 となります 県 内 のある 地 域 の 用 水 機 場 の 送 水 実 績 を 1.3.4 に 示 しますので 参 考 にしてください 用 水 機 場 については 受 益 区 域 における 土 地 利 用 の 変 化 ( 栽 培 作 物 や 品 種 の 変 更 都 市 化 潰 廃 の 動 向 等 )や 水 利 用 の 変 化 ( 栽 培 作 物 や 栽 培 方 法 の 見 直 しに 伴 う 取 水 期 間 の 延 伸 や 前 倒 し 経 営 体 への 農 地 集 積 等 に 伴 う 営 農 形 態 の 動 向 等 )など 中 長 期 的 な 動 向 についても 検 討 を 行 いましょう また 排 水 機 場 は 安 定 した 農 業 生 産 や 安 全 な 地 域 の 暮 らしに 重 要 な 役 割 を 担 って います 流 域 内 の 開 発 の 動 向 などを 踏 まえ 更 新 が 繰 り 返 し 行 われることにも 留 意 し て 検 討 を 進 めましょう 設 備 レベルについて 考 える 新 技 術 の 導 入 によって 操 作 性 や 信 頼 性 の 向 上 が 図 られる 設 備 はないか これまでの 設 備 の 中 で 維 持 管 理 面 から 簡 素 化 簡 略 化 できる 設 備 はないか 保 守 管 理 を 通 じて 得 た 課 題 を 踏 まえ 検 討 しましょう 近 年 ほ 場 整 備 事 業 等 においては 施 設 の 建 設 費 や 維 持 管 理 費 を 縮 減 する 視 点 から ポンプに 送 水 管 を 直 結 させる 加 圧 直 送 方 式 を 改 め ポンプから 一 度 水 槽 に 水 を 貯 めて 送 水 する 配 水 槽 方 式 への 転 換 が 進 められています 配 水 槽 方 式 は 高 低 差 が 確 保 でき ない 地 域 において 自 然 圧 ( 低 圧 )パイプラインの 利 用 が 可 能 となるため 維 持 管 理 費 の 低 減 につながります また 除 塵 設 備 については 洪 水 時 に 流 木 や 大 型 漂 流 物 から 除 塵 機 を 守 るための 設 備 の 追 加 塵 芥 集 積 用 のベルトコンベアやホッパー 設 備 の 廃 止 や より 簡 易 な 設 備 へ の 変 更 などを 検 討 する 必 要 があります 一 方 用 水 機 場 においては 河 川 や 幹 線 水 路 の 3

状 況 によっては 塵 芥 が 少 ない 場 合 も 多 く 実 績 に 合 わせた 簡 易 な 除 塵 設 備 や 人 力 によ る 除 塵 も 検 討 しましょう 経 済 社 会 構 造 がグローバル 化 し 近 年 外 国 で 製 造 される 部 品 や 機 器 の 利 用 が 増 え ています それらの 製 品 に 不 具 合 が 生 ずると 納 期 に 時 間 がかかりますので 万 一 の 場 合 に 備 え 代 替 品 がないものについてはメーカーを 交 え 施 設 管 理 者 とその 対 応 を 協 議 しましょう また 地 域 で 部 品 等 の 共 通 化 や 汎 用 化 を 行 うことで 複 数 施 設 での 利 用 が 可 能 となりますので 施 設 管 理 者 と 部 品 ストックや 代 替 え 手 段 について 協 議 しましょ う 用 排 水 機 場 は 耐 用 年 数 の 異 なる 様 々な 機 械 や 機 器 で 構 成 されています このため 機 場 建 設 時 から 機 械 や 機 器 の 耐 用 年 数 を 考 慮 し 機 器 等 の 交 換 がしやすい 構 造 や 配 置 を 考 えましょう さらに 機 場 を 長 く 良 好 な 状 態 で 維 持 管 理 し 運 転 するためには そ れぞれの 耐 用 年 数 を 踏 まえ 定 期 点 検 費 用 や 機 械 機 器 の 更 新 費 用 を 予 め 想 定 し 積 み 立 てておくことも 大 切 です 運 転 操 作 について 考 える 設 備 の 運 転 操 作 はより 正 確 に より 確 実 に 行 われることが 基 本 です このため 施 設 管 理 者 の 中 には 管 内 における 設 備 形 式 や 仕 様 を 統 一 して 日 常 点 検 業 務 の 精 度 向 上 や 誤 操 作 の 防 止 に 加 え かんがい 期 間 や 日 週 単 位 のタイマーの 設 置 などで 確 実 な 運 転 操 作 に 努 めているところがあります これまで 本 県 においてもポンプの 運 転 操 作 については 遠 方 監 視 制 御 による 管 理 労 力 の 省 力 化 を 進 めてきましたが これら 監 視 制 御 機 器 は 土 木 構 造 物 や 機 械 設 備 等 に 比 べ 耐 用 年 数 が 短 く 近 年 それら 設 備 の 維 持 更 新 費 用 に 苦 慮 している 地 域 がありま す 今 後 農 地 集 積 が 進 み 経 営 体 の 規 模 拡 大 が 進 むと 細 かな 流 量 制 御 や 圧 力 制 御 の 要 否 について 再 検 討 が 必 要 です 運 転 操 作 は 地 域 の 営 農 実 態 や 設 備 の 状 態 によって 異 なるため 施 設 管 理 者 との 十 分 な 協 議 を 進 めましょう 保 守 管 理 について 考 える 施 設 設 備 の 保 守 管 理 は 対 象 施 設 が 少 ないこと 管 理 すべき 内 容 項 目 が 少 なく 容 易 であることが 保 守 管 理 の 精 度 を 高 め 管 理 に 係 る 労 力 の 軽 減 に 繋 がります 管 理 体 制 と 保 守 点 検 計 画 ( 日 常 点 検 定 期 点 検 等 )について 誰 が いつ どのように 行 うか 計 画 設 計 段 階 から 定 めることが 重 要 です 近 年 ポンプ 設 備 では 維 持 管 理 の 確 実 性 を 向 上 させるため 時 間 計 画 保 全 から 状 態 監 視 保 全 への 移 行 が 進 んでいます 時 間 計 画 保 全 とは 一 定 の 期 間 毎 や 累 積 の 稼 働 時 間 毎 に 定 められた 点 検 項 目 の 計 測 値 が 許 容 範 囲 にあることを 確 認 することで 故 障 を 予 防 する 管 理 方 法 です 一 方 状 態 監 視 保 全 とは それぞれの 点 検 項 目 が 許 容 範 囲 内 にあることを 確 認 した 上 で 過 去 の 計 測 値 ( 状 態 量 )との 差 やその 推 移 に 着 目 し その 傾 向 から 機 器 の 劣 化 状 態 を 推 測 する 管 理 方 法 (このため 傾 向 管 理 と 呼 ばれる)で す 維 持 管 理 の 重 要 性 が 年 々 高 まる 中 特 に 事 故 後 の 復 旧 に 長 期 間 を 要 する 機 器 や 代 替 え 手 段 のない 施 設 等 は 機 能 不 全 が 地 域 社 会 に 与 える 影 響 が 大 きさや 費 用 対 効 果 などを 考 慮 して 傾 向 管 理 に 必 要 な 監 視 ができる 施 設 整 備 も 検 討 しましょう 数 十 年 間 にわたって 利 用 するこれらの 施 設 については 保 守 管 理 や 修 繕 保 全 に 係 る 経 費 の 一 部 に 国 等 からの 補 助 はあるものの その 殆 どが 施 設 管 理 者 の 負 担 となりま 4

す 施 設 管 理 を 行 う 土 地 改 良 区 等 の 長 期 的 な 人 員 配 置 や 維 持 費 用 の 負 担 などに 十 分 な 配 慮 が 必 要 です 保 守 管 理 に 係 る 経 費 等 の 最 小 化 を 目 指 すには できる 限 り 簡 素 な 施 設 づくりに 心 掛 けましょう 県 内 のある 機 場 では 複 数 の 機 器 に 対 して 同 一 系 統 から 潤 滑 油 が 送 られていたた め 故 障 箇 所 の 特 定 に 時 間 を 要 した 事 例 がありました 潤 滑 油 がそれぞれの 機 器 に 単 独 で 供 給 されていたら もっと 速 やかに 対 応 できたと 考 えられています 簡 素 な 施 設 づくりを 進 めることで 整 備 点 検 の 精 度 が 高 まるとともに 誤 操 作 が 少 なくなり 故 障 を 減 らすことはできますが 全 てを 防 ぐことはできません 事 故 からの 早 期 復 旧 や 復 旧 までの 代 替 え 手 段 も 忘 れずに 検 討 しておきましょう 簡 素 な 施 設 づくりとは 複 数 を 単 数 にするのではなく 故 障 の 原 因 となる 要 素 をでき るだけ 少 なくすることです ある 地 方 公 共 団 体 ではモーターの 極 数 を 増 すことで 減 速 機 を 省 略 できないか 検 討 しています 地 域 の 実 情 に 即 して 常 に 安 全 で 信 頼 性 の 高 い 運 転 を 実 現 できるよう 施 設 管 理 者 との 協 議 を 進 めましょう 参 考 : 農 業 水 利 施 設 の 機 能 保 全 の 手 引 き ポンプ 場 H25.4 農 水 省 5

保 全 の 分 類 定 期 保 全 時 間 計 画 保 全 予 防 保 全 経 時 保 全 状 態 監 視 保 全 保 全 緊 急 保 全 事 後 保 全 通 常 事 後 保 全 性 能 劣 化 曲 線 (バスタブ 曲 線 ) ポンプ 設 備 ( 後 述 の 用 排 水 機 場 主 要 機 器 の 修 繕 費 用 の 推 移 ( 図 4) 参 照 )などの 修 繕 費 用 は 両 サイドが 高 いバスタブのような 曲 線 を 描 きます この 曲 線 は 大 きく 3 つの 領 域 に 区 分 されます 初 期 故 障 期 使 用 開 始 直 後 に 設 計 製 造 施 工 の 不 具 合 等 による 事 故 が 多 い 時 期 偶 発 故 障 期 初 期 故 障 が 落 ち 着 き 故 障 の 少 ない 時 期 劣 化 ( 摩 耗 ) 故 障 期 経 年 の 劣 化 が 増 幅 し 故 障 率 が 高 まる 時 期 0.6 バスタブ 曲 線 ( 故 障 率 曲 線 ) 初 期 故 障 期 偶 発 故 障 期 摩 耗 故 障 期 故 障 率 0 0 8 時 間 図 1 バスタブ 曲 線 6

傾 向 管 理 のススメ 日 常 点 検 定 期 点 検 の 結 果 をグラフ 化 することで 容 易 に 傾 向 管 理 ができます ポンプ 設 備 では 軸 受 温 度 振 動 各 種 圧 力 水 位 等 をグラフ 化 してみましょう プロットされた 点 が 中 心 線 の 上 下 どちらかに 5 点 以 上 連 続 する 場 合 11 点 以 上 の プロットされた 点 のうち 8 割 以 上 が 上 下 どちらかに 偏 る 場 合 には 劣 化 事 故 の 予 兆 かもしれません 早 めにメーカーへ 連 絡 するなど 予 防 の 措 置 を 取 りましょう 6.0 連 による 管 理 状 態 の 見 方 原 因 究 明 と 対 策 のアクションを 起 こす UCL 要 注 意 として 監 視 の 強 化 アクションの 準 備 を 整 えて 兆 候 の 監 視 を 継 続 軸 ラ ベ ル 0.0 CL 長 さ5の 連 長 さ6の 連 長 さ7の 連 LCL -6.0 0 24 軸 ラベル 6.0 図 2 連 による 管 理 状 態 の 見 方 連 による 管 理 状 態 の 見 方 UCL 軸 ラ ベ ル 0.0 CL LCL 長 さ5の 連 長 さ11 点 以 上 の 点 のうち 8 割 以 上 が 片 側 に 出 現 -6.0 0 24 軸 ラベル 図 3 連 による 管 理 状 態 の 見 方 ( 連 と 点 が 中 心 線 の 一 方 に 片 寄 る 場 合 ) 7

1.3.2 評 価 の 反 映 施 設 管 理 者 とともに 現 行 施 設 の 評 価 点 検 (Check)を 行 い 現 行 施 設 における 改 善 点 を 施 設 管 理 団 体 の 総 意 として 取 りまとめること(Act)が 重 要 です 検 討 評 価 され た 項 目 は 評 価 者 の 立 場 や 見 方 で 異 なることがあるため 手 戻 りを 生 じないためにも 検 討 の 各 段 階 で 施 設 管 理 団 体 の 総 意 として 共 有 認 識 が 形 成 されるよう 努 めましょう この 共 有 認 識 に 基 づき 構 想 を 計 画 設 計 (Plan) 段 階 で 具 体 化 していきますが この 段 階 においても 新 たな 施 設 計 画 の 技 術 的 可 能 性 や 費 用 対 効 果 などについて コンサルタ ントやメーカーなどの 意 見 を 参 考 にその 実 現 性 の 可 否 を 検 討 しましょう 1.3.3 本 県 における 突 発 事 故 の 発 生 状 況 について 本 県 の 用 排 水 機 場 における 突 発 事 故 の 発 生 状 況 を 紹 介 します 突 発 事 故 とは 定 期 点 検 時 以 外 に 施 設 が 何 らかの 原 因 で 突 然 停 止 する 状 態 をいいます グラフ( 図 3)は 平 成 18 年 度 から 平 成 24 年 度 までの 7 年 間 に 突 発 事 故 として 農 地 建 設 課 へ 報 告 のあった 事 案 から 用 排 水 機 場 に 関 するものを 集 計 したものです このため この 調 査 結 果 には 機 械 機 器 の 使 用 実 績 の 違 いは 反 映 されていません 突 発 事 故 の 発 生 件 数 はポンプ 設 備 計 装 機 器 モーターに 関 する 事 故 が 全 体 の6 割 を 超 え 補 修 費 用 では 全 体 の 8 割 を 超 えます 突 発 事 故 の 中 には 原 因 の 特 定 部 品 や 交 換 機 器 の 製 造 据 え 付 けを 含 め 復 旧 までに 数 ヶ 月 を 要 する 場 合 もあります このような 事 態 を 防 ぐためにも より 丁 寧 な 日 頃 の 点 検 活 動 や 定 期 的 な 整 備 部 品 や 機 器 の 交 換 に 努 めましょう 次 に この 報 告 をもとに 施 設 造 成 後 5 年 毎 に 各 施 設 の 修 繕 費 用 を 合 計 したものをグ ラフ 化 ( 図 5)しました 修 繕 費 用 と 経 過 年 数 の 推 移 を 見 ると 最 も 事 故 の 多 かったポ ンプ 設 備 ( 赤 色 破 線 )では 設 置 後 すぐに 初 期 故 障 と 思 われる 事 故 が 発 生 し その 後 事 故 は 減 少 しますが 30 年 を 経 過 する 頃 から 修 繕 費 用 が 増 嵩 しています 計 装 機 器 ( 紫 色 破 線 )については 設 置 後 10 年 を 過 ぎると 急 激 に 修 繕 費 用 が 増 嵩 し 20 年 経 つと 殆 どの 機 器 で 交 換 が 必 要 です これらの 機 器 は 技 術 革 新 が 著 しく 精 密 部 品 も 多 く 使 われているため メーカーの 部 品 保 管 期 間 や 耐 用 年 数 も 短 くなっているようで す モーターは 10 年 を 過 ぎた 頃 から 修 繕 費 用 が 増 加 しています 横 軸 斜 流 渦 巻 きな どの 陸 上 ポンプでは 日 常 点 検 時 にモーターの 異 音 異 臭 振 動 発 熱 などの 状 況 を 確 認 し 傾 向 管 理 などで 致 命 的 な 故 障 に 至 る 予 兆 を 見 つけましょう 一 方 水 中 ポンプは このような 日 常 点 検 が 難 しいことからメーカーなどに 依 頼 し 灌 漑 期 間 前 後 に 定 期 点 検 することが 大 切 です さらに 不 測 の 事 態 に 備 えた 代 替 え 手 段 を 施 設 管 理 者 と 協 議 して おきましょう 8

図 4 用 排 水 機 場 突 発 事 故 の 発 生 状 況 図 5 用 排 水 機 場 主 要 機 器 の 修 繕 費 用 の 推 移 1.3.4 用 水 機 場 の 送 水 実 績 について 県 内 のある 用 水 機 場 の 送 水 実 績 を 紹 介 します グラフ( 図 6)は 平 成 21 22 年 度 の 1 時 間 毎 の 送 水 量 と 運 転 時 間 を 集 計 したものです 水 田 106ha を 灌 漑 する 用 水 機 場 で 口 径 300mm の 水 中 ポンプ3 台 が 設 置 されています それらのポンプは 用 水 需 要 に 応 じて 9

自 動 的 にポンプの 台 数 を 変 えながら 運 転 します 平 成 21 度 は 送 水 量 の 少 ない 運 転 が 多 く 平 成 22 年 度 とはグラフの 形 状 に 違 いがあります 機 場 における 送 水 量 は その 年 の 気 候 条 件 ほ 場 条 件 栽 培 作 物 営 農 形 態 などによって 変 わります 既 存 施 設 の 送 水 実 態 や 管 理 方 法 等 を 踏 まえ 最 適 な 施 設 設 計 を 行 うことが 重 要 です 1,000 用 水 機 場 の 運 転 実 態 900 800 運 転 時 間 ( 時 間 ) 700 600 500 400 H21 (2009.4.15-9.19) H22 (2010.4.6-9.19) 300 200 100 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800 1,900 2,000 2,100 2,200 2,300 2,400 2,500 時 間 送 水 量 (m3/ 時 ) 図 6 加 圧 用 水 機 場 における 時 間 送 水 量 と 運 転 時 間 2000 用 水 機 場 の 送 水 実 績 ( 平 成 21 年 4 月 6 日 ~9 月 19 日 ) 1500 時 間 送 水 量 ( m3 / 時 ) 1000 500 0 4/6 4/13 4/20 4/27 5/4 5/11 5/18 5/25 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13 7/20 7/27 8/3 8/10 8/17 8/24 8/31 9/7 9/14 日 付 図 7 加 圧 用 水 機 場 における 時 間 送 水 量 の 推 移 ( 平 成 21 年 ) 10

用 水 機 場 の 送 水 実 績 ( 平 成 22 年 4 月 6 日 ~9 月 16 日 ) 2500 2000 時 間 送 水 量 ( m3 / 時 ) 1500 1000 500 0 4/6 4/13 4/20 4/27 5/4 5/11 5/18 5/25 6/1 6/8 6/15 6/22 6/29 7/6 7/13 7/20 7/27 8/3 8/10 8/17 8/24 8/31 9/7 9/14 日 付 図 8 加 圧 用 水 機 場 における 時 間 送 水 量 の 推 移 ( 平 成 22 年 ) 11

第 2 章 ポンプ 設 備 基 準 2.1 ポンプ 設 備 について ポンプ 場 の 設 計 については 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポン プ 場 ( 平 成 18 年 3 月 農 林 水 産 省 農 村 振 興 局 整 備 部 設 計 課 監 修 社 団 法 人 農 業 土 木 学 会 発 行 )により 行 います 2.1.1 ポンプ 設 備 設 計 にあたって 留 意 すべき 事 項 主 ポンプの 設 計 は 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 第 5 章 主 ポンプ の 設 計 によることとし 用 水 量 変 動 への 対 応 又 は 流 入 量 への 追 従 等 については 台 数 制 御 により 対 応 することを 原 則 とします なお 回 転 速 度 制 御 羽 角 度 制 御 及 び 吐 出 し 弁 制 御 等 を 採 用 する 必 要 がある 場 合 は 設 計 管 理 チームに 相 談 することとし 主 ポンプの 特 性 導 水 路 送 水 路 の 特 性 及 び 制 御 目 標 等 を 十 分 検 討 して 採 用 しましょう ポンプ 場 の 設 計 にあたっては 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 ( 事 務 次 官 通 知 以 下 基 準 という p.18)の 7 基 本 設 計 では 施 設 周 辺 の 自 然 的 社 会 的 諸 条 件 を 元 にして 細 部 の 設 計 の 基 礎 となる 基 本 設 計 を 行 わなければならない この 設 計 においては ポンプ 場 が 備 えるべき 基 本 的 な 機 能 に 関 する 条 件 を 定 め これに 基 づいてポンプ 場 の 基 本 的 な 諸 元 を 決 定 する と 定 められています その 基 準 の 運 用 ( 農 村 振 興 局 長 通 知 以 下 運 用 という p.18)の 7-1 基 本 設 計 の 項 目 では 基 準 7 に 規 定 する 基 本 設 計 において 定 める ポンプ 場 が 備 える 基 本 的 な 機 能 に 関 する 条 件 とは 吸 込 水 位 吐 出 水 位 実 揚 程 用 排 水 量 ( 用 水 量 )である また 基 本 設 計 において 決 定 するポンプ 場 の 基 本 的 な 諸 元 とは ポンプ 場 の 位 置 台 数 主 ポンプの 形 式 ポンプ 場 を 構 成 する 各 施 設 の 規 模 及 び 配 置 で ある と 記 載 されています さらに 運 用 の 解 説 (p.19)においては ポンプに 求 められる 機 能 とは 用 水 では 適 切 な 水 需 要 量 の 供 給 を また 排 水 では 排 水 地 域 の 洪 水 流 出 量 を 確 実 に 排 水 させること であって その 具 体 的 条 件 は 運 用 7-1 に 定 める 吸 込 水 位 吐 出 水 位 実 揚 程 用 排 水 量 ( 用 水 量 )の4つの 主 要 諸 元 を 適 切 に 定 めることによって 確 保 される と 解 説 されてい ます 具 体 的 な 手 法 については 基 準 等 を 参 照 してください これまでの 県 内 の 施 工 実 績 から 参 考 となる 事 項 を 以 下 に 示 します 4 つの 主 要 諸 元 はポンプを 設 計 する 設 計 点 を 決 めるため ポンプを 設 計 するために 必 要 な 諸 元 を 主 要 諸 元 と 呼 びます ポンプの 性 能 を 示 す 概 念 図 ( 図 9)の 縦 軸 には 実 揚 程 横 軸 には 吐 出 し 量 が 示 されています ポンプは 形 式 によ って 違 いはあるものの 一 定 の 範 囲 で 内 外 水 位 差 や 水 量 に 対 応 できる 構 造 になっていま す 設 計 点 を 決 める 用 排 水 量 ( 吐 出 し 量 ) 実 揚 程 ( 計 画 吐 出 水 位 - 計 画 吸 込 水 位 +ス クリーン 損 失 を 含 む 導 水 諸 損 失 水 頭 )はポンプ 設 計 には 欠 かせない 諸 元 であるとともに ポンプは 設 計 点 実 揚 程 で 効 率 が 最 大 となるよう 製 作 されるので 様 々な 事 態 を 想 定 し 慎 重 に 定 めましょう 12

図 9 洪 水 時 排 水 ポンプの 計 画 最 高 実 揚 程 と 設 計 点 実 揚 程 の 概 念 図 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.98) 図 10 主 ポンプの 特 性 曲 線 渦 巻 ポンプ( 比 速 度 Ns=300) Ns の 詳 細 は p.16 参 照 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.144) 図 11 主 ポンプの 特 性 曲 線 軸 流 ポンプ(Ns=1500) ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.144) 13

図 12 主 ポンプの 特 性 曲 線 斜 流 ポンプ(Ns=900) ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.145) 用 排 水 量 ( 揚 水 量 ) ポンプは 自 然 ( 位 置 )エネルギーではコントロールできない 水 を 電 気 や 内 燃 機 関 等 のエネルギーを 用 いて 自 在 に 移 動 させる 仕 組 みです ポンプの 設 計 にとって 用 排 水 量 ( 揚 水 量 )はどれだけの 水 を 移 動 させるかという 最 も 重 要 な 指 標 です この 量 は 事 業 計 画 でそれぞれの 受 益 地 や 流 域 において 計 画 基 準 年 における 蒸 発 散 浸 透 量 や 降 雨 流 出 率 などをもとに 計 算 されます 一 方 この 事 業 計 画 で 定 められている 用 排 水 量 は ある 特 定 の 条 件 下 で 定 められた 水 量 であることに 留 意 が 必 要 です かんがい 排 水 事 業 の 場 合 は 20 年 に 2 3 回 発 生 す る 水 量 ( 一 般 に 10 年 に 一 度 10 年 確 率 と 呼 ばれている)が 対 象 となっており 防 災 事 業 では 30 年 や 50 年 確 率 を 採 る 場 合 もあります 水 田 灌 漑 では 代 掻 き 期 や 普 通 期 の 単 位 用 水 量 畑 地 灌 漑 では 総 容 易 有 効 水 分 量 (TRAM) 等 をもとに 代 掻 き 日 数 や 間 断 日 数 等 で 用 水 量 が 定 まります 排 水 計 画 においては 流 域 内 の 事 業 で 決 められた 確 率 降 雨 や 地 域 の 流 出 率 に 基 づいて 排 水 量 が 計 算 されます ここで 留 知 っ 徳 意 しなければならないことは 計 ポンプの 口 径 をズバリ! 算 された 用 排 水 量 ( 揚 水 量 )は 事 D mm 90 Q m3 min 業 計 画 上 の 最 大 の 水 量 であること D:ポンプ 口 径 です 設 置 されるポンプには そ Q: 流 量 m3 min れ 以 外 の 様 々な 気 象 条 件 にも 柔 軟 例 に 対 応 できることが 求 められます Q 0.3 m3 sec 60 sec 18 m3 min ので 施 設 管 理 者 と 共 にどのよう D 90 18 400mm な 状 況 に 対 応 できる 設 備 とするか 検 討 を 進 めましょう 14

吸 込 水 位 吐 出 水 位 実 揚 程 渇 水 時 や 洪 水 時 において 取 水 先 や 排 水 先 の 河 川 等 の 水 位 状 況 を 的 確 に 想 定 するこ とが ポンプを 効 率 的 かつ 経 済 的 に 利 用 する 大 切 な 視 点 です 事 業 上 の 計 画 確 率 年 だ けに 囚 われることなく また 想 定 外 の 事 態 もありうることに 留 意 して 検 討 を 進 めま しょう 用 水 ポンプの 場 合 は 取 水 先 の 河 川 や 幹 線 用 水 路 の 過 去 の 水 位 状 況 を 施 設 管 理 者 等 から 聴 き 取 り 吸 込 水 位 が 低 くなりすぎないよう 検 討 しましょう 同 様 に 吐 出 し 水 位 については 吐 出 し 水 槽 からの 動 水 勾 配 等 を 考 慮 した 水 位 とし 特 に 最 小 揚 水 量 時 の 確 認 を 行 いましょう また 吐 出 し 水 槽 の 水 位 変 動 が 大 きくならないように 水 槽 の 形 状 や 深 さを 定 めましょう 排 水 ポンプの 場 合 は 施 設 管 理 者 等 から 近 年 の 流 出 状 況 や 機 場 地 点 の 水 位 を 聴 き 取 ることが 大 切 です 近 年 ゲリラ 豪 雨 が 頻 発 していますので 降 雨 が 計 画 基 準 年 を 上 回 ることも 考 慮 して ポンプ 設 備 や 受 変 電 設 備 等 を 安 全 な 高 さに 設 置 しましょう こ れは 計 画 基 準 年 を 超 える 豪 雨 となっても 計 画 洪 水 量 を 確 実 に 排 水 できる 施 設 能 力 を 維 持 するために 大 切 な 留 意 点 です 幹 線 排 水 路 や 河 川 の 護 岸 堤 防 など 周 辺 の 地 盤 状 況 を 参 考 に ポンプ 施 設 への 浸 水 を 防 ぎ どのような 状 況 までポンプ 機 能 を 確 保 す るかを 施 設 管 理 者 と 協 議 しましょう 一 方 吐 出 し 水 位 については 幹 線 排 水 路 や 河 川 のハイドログラフなどを 参 考 に 現 実 的 な 吐 出 し 水 位 を 定 め 効 率 的 な 施 設 となるよ う 検 討 しましょう ポンプを 設 計 するための 実 揚 程 ( 設 計 点 実 揚 程 )は 吸 込 水 位 と 吐 出 水 位 の 差 ( 計 画 吐 出 水 位 - 計 画 吸 込 水 位 +スクリーン 損 失 を 含 む 導 水 諸 損 失 水 頭 )で 定 まります 図 9 に 示 すとおり 設 計 点 実 揚 程 をあまり 危 険 側 に 設 定 すると 使 用 頻 度 の 多 い 水 位 時 に ポンプ 効 率 が 低 下 するので 吸 込 吐 出 水 位 の 設 定 にはそれらが 出 現 する 時 期 や 期 間 を 見 極 め より 効 率 的 な 設 備 となるよう 検 討 を 進 めましょう 県 内 には 信 濃 川 河 岸 段 丘 へ 水 田 灌 漑 用 水 を 送 水 する 日 本 有 数 の 施 設 があります 十 日 町 市 の 清 津 川 揚 水 機 場 ( 標 高 差 164m) 長 岡 市 の 越 路 原 揚 水 機 場 ( 同 152m) 小 千 谷 市 の 池 ヶ 原 揚 水 機 場 ( 同 140m) 小 粟 田 原 揚 水 機 場 ( 同 50m)などは 大 規 模 で 高 い 揚 程 をもつ 施 設 です 15

用 排 水 系 統 模 式 図 の 見 方 施 設 設 計 で 用 いる 用 排 水 量 は 施 設 設 計 の 基 本 となる 重 要 なものです 通 常 用 水 施 設 では 支 配 する 面 積 の 期 別 の 単 位 用 水 量 をもとに 対 象 区 域 の 代 掻 き 日 数 や 間 断 日 数 等 を 考 慮 して 計 算 され 排 水 施 設 では 流 域 内 の 確 率 降 雨 や 流 出 率 をもとに 施 設 地 点 に 至 る 洪 水 到 達 時 間 を 考 慮 して 計 算 されます このため 用 排 水 系 統 模 式 図 において 左 下 図 のように 階 層 毎 の 計 が 次 の 階 層 の 数 値 と 一 致 する 場 合 には 注 意 が 必 要 です この 模 式 図 は 用 水 施 設 では 最 上 流 排 水 施 設 では 最 下 流 にある 施 設 の 流 量 を 受 益 面 積 や 流 域 面 積 で 除 した 数 値 に 各 々のブロックの 面 積 を 乗 じて 作 られています 比 較 的 小 規 模 な 用 排 水 地 域 で 単 位 用 水 量 や 代 掻 き 日 数 等 が 同 一 な 用 水 区 域 洪 水 到 達 時 間 が1 時 間 以 内 で 単 位 排 水 量 が 同 一 の 排 水 区 域 など で このような 模 式 図 になることがあります 一 方 国 営 や 県 営 かんがい 排 水 事 業 等 大 規 模 な 地 域 における 用 排 水 系 統 模 式 図 は 右 下 図 のようになります 施 設 毎 に 代 掻 き 日 数 や 洪 水 到 達 時 間 に 差 があり 施 設 毎 の 単 位 用 排 水 量 が 異 なるため 流 量 の 合 計 値 がそれぞれの 上 流 又 は 下 流 施 設 の 流 量 と 一 致 しないことに 着 目 してください Check? 幹 線 Q=2 A 支 線 Q=1.5 B 支 線 Q=0.5 A1 末 端 Q=1 A2 末 端 Q=0.5 B1 末 端 Q=0.2 B2 末 端 Q=0.3 幹 線 Q=20 A 支 線 Q=18 B 支 線 Q=8 A1 末 端 Q=12 A2 末 端 Q=7 B1 末 端 Q=3 B2 末 端 Q=6 小 規 模 の 場 合 大 規 模 の 場 合 16

2.1.2 施 工 業 者 の 選 定 について ポンプ 設 備 を 設 置 した 場 合 に 掛 かる 費 用 には イニシャルコストとランニングコスト があります 施 工 業 者 を 選 定 する 際 は 次 回 の 更 新 までのトータルコストを 考 慮 し 建 設 費 用 と 維 持 管 理 費 用 を 併 せてより 良 い 提 案 した 施 工 業 者 を 選 定 しましょう 2.1.3 施 設 管 理 者 との 維 持 管 理 方 法 の 協 議 について ポンプ 及 びポンプ 設 備 の 更 新 にあたっては これまでの 実 績 を 踏 まえ 設 計 時 に 施 設 の 運 転 方 法 運 用 方 法 及 び 整 備 方 法 について 施 設 管 理 者 と 十 分 な 協 議 を 行 いまし ょう 更 新 に 限 らず 初 めてポンプ 設 備 を 設 置 する 場 合 も 他 地 区 の 実 績 などを 照 会 して 維 持 管 理 に 関 する 手 法 人 員 及 び 費 用 等 の 必 要 な 事 項 を 予 め 施 設 管 理 者 と 協 議 を 行 いましょう また 工 事 期 間 内 に 施 設 管 理 者 と 施 工 者 と 共 に 具 体 的 な 維 持 管 理 の 手 法 を 定 めま しょう (1) 日 常 点 検 ポンプ 設 備 は 使 用 時 間 の 経 過 とともに 構 成 している 機 器 や 部 品 の 劣 化 や 摩 耗 が 進 みます 適 切 な 時 期 に 適 切 な 維 持 管 理 整 備 を 行 うことで 設 備 及 び 機 器 が 良 好 な 状 態 に 保 つことができ 施 設 全 体 を 長 寿 命 化 させることができます なお 施 設 管 理 者 へは 新 潟 県 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 発 行 施 設 管 理 者 のための 日 常 点 検 マニュアル 一 般 社 団 法 人 農 業 土 木 事 業 協 会 発 行 農 業 用 施 設 機 械 設 備 更 新 及 び 保 全 技 術 の 手 引 き ( 平 成 18 年 6 月 ) 等 の 活 用 を 勧 めましょう (2) 定 期 点 検 シーズン 毎 の 機 器 の 調 整 や 経 年 劣 化 部 品 の 交 換 を 定 期 的 に 実 施 することで 突 発 的 な 障 害 や 事 故 の 発 生 確 率 を 低 下 させることができます 障 害 や 事 故 を 防 ぐには 施 設 管 理 者 自 らが 定 期 点 検 等 を 行 うことが 理 想 ですが 難 しい 場 合 は 機 器 メーカーと の 年 間 保 守 契 約 を 検 討 しましょう 下 表 に 代 表 的 な 点 検 項 目 を 示 しますが 詳 細 は 施 工 者 の 提 示 するチェックシートによってください 表 1 代 表 的 な 点 検 項 目 (または 標 準 的 な 点 検 項 目 ) 時 期 点 検 項 目 各 機 器 の 動 作 確 認 軸 封 部 の 状 況 シーズン 当 初 各 機 器 の 振 動 異 音 各 電 動 機 電 動 弁 制 御 回 路 の 絶 縁 抵 抗 値 各 機 器 の 振 動 異 音 シーズン 中 期 軸 封 部 の 状 況 シーズン 終 了 時 各 電 動 機 電 動 弁 制 御 回 路 の 絶 縁 抵 抗 値 17

2.1.4 設 備 のオーバーホールについて 各 機 器 で 必 要 なオーバーホールの 項 目 や 時 期 の 目 安 は 表 2 のとおりです なお 詳 細 は 行 政 独 立 法 人 水 資 源 機 構 発 行 機 械 設 備 管 理 指 針 ( 平 成 20 年 10 月 ) 等 を 参 考 にしてください また 工 事 期 間 内 に 県 施 設 管 理 者 及 び 施 工 者 で 維 持 管 理 手 法 の 協 議 をする 際 にオー バーホールの 工 数 の 提 示 を 受 けてください 表 2 部 品 等 標 準 取 替 年 数 ( 排 水 ポンプの 場 合 ) 区 分 部 品 名 等 取 替 年 数 グランドパッキン 5 年 水 中 軸 受 スリーブ メカニ 主 ポンプ 設 備 カルシール パッキン 等 15 年 羽 根 車 主 軸 20 年 ケーシング 30 年 2.1.5 設 備 運 転 員 に 対 する 操 作 研 修 について 機 器 の 操 作 技 術 を 次 世 代 へ 確 実 に 継 承 するため 運 転 員 は 世 代 の 異 なる 複 数 人 を 配 置 し 定 期 的 に 操 作 研 修 を 行 いましょう なお メーカーに 操 作 の 研 修 を 依 頼 する 場 合 は 工 事 期 間 内 に 受 注 メーカーと 協 議 し ましょう 2.1.6 ポンプ 故 障 時 の 応 急 対 応 について ポンプ 設 備 の 故 障 をできるだけ 回 避 するため 日 常 点 検 や 定 期 点 検 を 励 行 するとと もに 故 障 のレベルに 応 じた 対 応 や 対 策 を 予 めメーカーと 検 討 協 議 しましょう また 用 水 ポンプにあっては 別 途 設 備 を 追 加 することで その 機 能 の 一 部 を 代 替 できる 場 合 があるので 設 計 時 に 施 設 管 理 者 と 十 分 な 協 議 を 行 いましょう 例 えば 吐 出 集 合 管 に 予 備 フランジを 設 けておき 故 障 時 に 予 備 ポンプを 接 続 する 非 常 時 に 備 え 隣 接 地 区 のパイプラインを 接 続 しておき( 接 続 バルブは 常 時 閉 ) ポ ンプ 故 障 時 にバルブを 開 けて 隣 接 地 区 からの 用 水 供 給 を 可 能 とする なお 農 地 部 ( 農 地 建 設 課 防 災 係 )では 災 害 時 や 突 発 対 応 に 備 え 下 記 仕 様 のポン プと 発 電 機 を 貸 出 していますので 施 設 管 理 者 へ 周 知 してください 親 松 排 水 機 場 隣 接 ポンプ 格 納 庫 常 備 ポンプ 水 中 ポンプ(φ150~200mm 揚 程 8m) 16 台 陸 上 ポンプ(φ200~300mm 揚 程 5m) 14 台 発 電 機 (17~70kVA) 13 台 2.1.7 ポンプの 分 類 について ポンプは 揚 程 の 高 低 比 速 度 (インペラーの 形 状 )の 数 値 ポンプの 形 状 によって 表 3 18

のように 分 類 され これまで 国 内 で 製 作 されたポンプ 種 類 別 の 上 限 の 吐 出 し 量 は 表 4 の とおりです また ポンプは 渦 巻 ポンプ 斜 流 ポンプ 軸 流 ポンプの 3 つの 形 式 に 大 別 され それ ぞれの 特 性 を 表 5 に 示 します 用 途 別 には かんがい 用 と 排 水 用 に 分 類 され かんがい ポンプには 高 揚 程 ( 全 揚 程 9~300m) 排 水 ポンプには 低 揚 程 (1.5~9m)が 一 般 的 に 用 いられています 軸 形 式 県 内 で 一 般 的 に 用 いられている 軸 形 式 の 特 色 を 下 表 に 示 します 表 3 主 ポンプ 形 式 と 吐 き 出 し 量 及 び 比 速 度 の 関 係 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.132) 19

機 種 形 式 県 内 におけるポンプの 軸 形 式 と 機 種 形 式 を 下 表 に 示 します 表 4 主 ポンプの 上 限 の 吐 出 し 量 の 実 績 主 ポンプ 形 式 軸 形 式 吐 出 し 量 (m 3 /min) 渦 巻 横 軸 ( 両 吸 込 ) 516( 8.6m 3 /s) 立 軸 ( 片 吸 込 ) 750(12.5m 3 /s) 軸 流 横 軸 600(10 m 3 /s) 立 軸 3,000(50 m 3 /s) 斜 流 横 軸 612(10.2m 3 /s) 立 軸 2,424(40.4m 3 /s) 渦 巻 斜 流 立 軸 3,000(50 m 3 /s) チューブラ 横 軸 2,400(40 m 3 /s) ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.114) 表 5 主 ポンプの 特 性 比 較 形 式 項 目 渦 巻 ポンプ 斜 流 ポンプ 軸 流 ポンプ 用 水 量 と 揚 程 Q-H Q に 対 する H の 変 化 は 少 なく 締 切 揚 程 は 設 計 点 全 揚 程 の 110~140%である 渦 巻 ポンプと 軸 流 ポ ンプの 中 間 である Q に 対 する H の 変 化 が 大 きく 締 切 揚 程 は 設 計 点 全 揚 程 の 200~300%である 締 切 軸 動 力 は 最 高 Q の 変 化 にかかわら 締 切 軸 動 力 は 最 高 効 率 点 の 40~ 80% ずほぼ 一 定 である 効 率 点 の 200 ~ 軸 動 力 で 漸 次 増 加 し 最 高 250%で 漸 次 低 下 し Q-L 効 率 点 を 過 ぎると 最 高 効 率 点 を 過 ぎて 100~120%となる もさらに 低 下 する 効 率 Q-η Q の 変 化 に 対 して 効 率 の 変 化 は 少 ない 渦 巻 ポンプと 軸 流 ポ ンプの 中 間 である もっとも 急 峻 な 山 型 の 効 率 曲 線 であるの で 効 率 の 低 下 が 大 きい 選 定 上 の 注 意 吸 込 性 能 が 良 く キ ャビテーションは 起 こりにくい 締 切 運 転 可 能 である また Q の 運 転 可 能 範 囲 が 広 い Ⅰ Ⅲ 型 は 締 切 運 転 が 可 能 であるが 長 時 間 は 避 ける Ⅱ 型 は 締 切 運 転 時 の 軸 動 力 が 大 きくなるた め 一 般 的 に 締 切 運 締 切 運 転 は 軸 動 力 が 大 きくなるため 行 わない キャビテー ションは 起 こりやす い H の 運 転 可 能 範 囲 が 狭 い 転 を 行 わない ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.141) 20

比 速 度 とは ポンプの 比 速 度 とは 形 式 的 にいえば 高 さ 1m のところへ 1t の 水 を 汲 み 上 げることが できる 回 転 数 をいいます この 回 転 数 は ポンプのプロペラ(インペラー)の 形 状 に 左 右 されます ポンプの 比 速 度 Ns は 次 式 で 定 義 されます 比 速 度 が 高 いほどインペラーは 小 型 になり 回 転 数 は 増 えますが ポンプを 小 型 化 でき るメリットがあります Ns: 比 速 度 (min-1 m3/min m 基 準 ) N: 回 転 速 度 (min-1) Q: 流 量 (m3/min) H: 揚 程 (m) タービンポンプ ボリュートポンプとは 渦 巻 きポンプは 羽 根 車 を 回 転 させ 遠 心 力 で 水 に 圧 力 エネルギーと 速 度 エネルギー を 加 えています 速 度 エネルギーは 渦 巻 室 で 圧 力 エネルギーに 転 換 されますが この 時 効 率 よくエネルギー 転 換 させるためにポンプ 内 に 案 内 羽 根 を 付 けたものをタービ ンポンプと 呼 び 効 率 よく 高 い 揚 程 を 得 ることができます 一 方 案 内 羽 根 のない 形 式 をボリュートポンプと 呼 び タービンポンプより 吐 出 量 が 大 きい 場 合 に 適 しています 渦 巻 きポンプの 吐 出 圧 力 を 高 める( 高 揚 程 を 得 る)には 羽 根 車 の 外 径 を 大 きくす るか 回 転 数 を 増 すか 複 数 のポンプを 直 列 に 接 続 するかのいずれかの 方 法 によりま す 複 数 のポンプを 接 続 する 場 合 2つ 以 上 のポンプを 接 続 したものを 多 段 ポンプ 1つのものを 単 段 ポンプと 呼 びます モーターの 回 転 数 一 般 によく 使 われるかご 形 電 動 機 ( 誘 導 電 動 機 )の 回 転 数 は 電 動 機 の 極 数 と 電 源 周 波 数 によって 定 まります 誘 導 電 動 機 の 毎 分 実 回 転 数 Nm(rpm)=120 電 源 周 波 数 / 極 数 スリップ 例 ) 電 源 周 波 数 (50Hz) 極 数 4 なら 120 50/4-スリップ<1500(rpm)となり 極 数 が 増 えると 回 転 数 が 遅 くなります rpm(アールピーエム): 回 毎 分 (revolution per minute) 2.1.8 ポンプの 形 式 について ポンプの 形 式 は 軸 形 式 機 種 形 式 据 付 形 式 等 の 組 合 せで 表 され この 組 合 せの 中 から 用 途 規 模 環 境 面 敷 地 スペース 等 の 立 地 条 件 やポンプの 全 揚 程 吸 込 性 能 信 頼 性 維 持 管 理 の 容 易 性 経 済 性 等 を 総 合 的 に 評 価 して 適 切 なものを 選 定 します 機 種 形 式 県 内 におけるポンプの 軸 形 式 と 機 種 形 式 を 下 表 に 示 します ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.140) 21

表 6 軸 形 式 と 機 種 形 式 主 ポンプの 揚 程 軸 形 式 低 揚 程 ポンプ 高 揚 程 ポンプ 横 軸 ポンプ 軸 流 形 斜 流 形 チューブラ 形 渦 巻 形 立 軸 ポンプ 軸 流 形 斜 流 形 斜 流 形 渦 巻 形 表 7 低 揚 程 ポンプの 概 略 全 揚 程 主 ポンプ 軸 形 式 横 軸 ポンプ 立 軸 ポンプ 軸 流 ポンプ 3m 以 下 5m 以 下 斜 流 ポンプ 5m 以 下 9m 以 下 表 8 高 揚 程 ポンプの 概 略 全 揚 程 軸 形 式 機 種 形 式 横 軸 ポンプ 立 軸 ポンプ 斜 流 ポンプ - 20m 以 上 渦 巻 ポンプ 15m 以 上 15m 以 上 据 付 形 式 ポンプを 支 持 するポンプ 場 本 体 の 構 造 により 一 床 式 二 床 式 があります かん がいポンプに 多 く 用 いられる 横 軸 渦 巻 きポンプ 排 水 ポンプに 用 いられる 比 較 的 揚 程 の 低 い 横 軸 ポンプなどで 一 床 式 が 多 く 横 軸 より 揚 程 の 高 い 立 軸 ポンプで 一 床 式 二 床 式 の2 通 りの 形 式 があります 項 目 床 形 式 適 用 吐 出 し 量 表 9 立 軸 ポンプの 据 付 形 式 の 比 較 一 床 式 二 床 式 1325m 3 /min 以 下 及 び 400m 3 /min 以 1325m3/min 超 及 び 400m 3 /min 超 に 下 に 適 する 適 するが 吐 出 し 量 の 小 さい 場 合 に 2255 超 ~325m 3 /min 以 下 及 び 255 も 可 能 である 土 木 構 造 の 簡 素 化 の 超 ~400m3/min 以 下 は ポンプ 一 ため 600m 3 /min 以 下 まで 一 床 式 を 床 原 動 機 二 床 が 適 する この 形 式 採 用 している 事 例 もある を 半 二 床 という 土 木 構 造 二 床 式 に 比 べ 単 純 である 一 床 式 に 比 べ 複 雑 である 二 床 式 とほぼ 同 一 しかし 吐 出 し 量 一 床 式 とほぼ 同 一 である 保 守 性 が 大 きい 場 合 はやや 難 点 がある 減 速 機 や 原 動 機 の 点 検 用 にグレーチング などで 点 検 床 を 設 置 している 場 合 が ある ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.142) 22

参 考 各 主 ポンプ 形 式 の 据 付 例 図 13 主 ポンプの 据 付 例 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.143) 23

ポンプ 形 式 の 決 定 手 順 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 参 照 箇 所 1 台 当 たりの 設 計 点 吐 出 し 量 及 び 設 計 点 実 揚 程 の 決 定 第 3 章 基 本 設 計 第 5 章 主 ポンプの 設 計 設 計 点 (= 計 画 ) 全 揚 程 を 概 定 し 適 用 線 図 により 主 ポン プ 形 式 概 定 図 -5.18(a) 図 -5.18(b) 及 び 図 -5.19 全 揚 程 概 定 は 概 略 の 損 失 水 頭 を 実 揚 程 に 加 算 する 主 ポンプ 据 付 高 さの 検 討 第 5 章 主 ポンプの 設 計 主 ポンプ 弁 管 の 配 置 第 5 章 主 ポンプの 設 計 第 9 章 弁 類 の 設 計 第 8 章 吸 込 管 及 び 吐 出 し 管 の 設 計 第 12 章 吸 込 水 槽 及 び 吐 出 水 槽 の 水 理 設 計 第 16 章 建 屋 の 設 計 設 計 点 (= 計 画 ) 全 揚 程 の 決 第 5 章 主 ポンプの 設 計 定 ( 各 種 損 失 水 頭 の 計 算 ) 適 用 線 図 により 主 ポンプ 形 第 5 章 主 ポンプの 設 計 式 の 決 定 主 ポンプの 据 付 高 さと 回 転 第 5 章 主 ポンプの 設 計 速 度 の 決 定 主 原 動 機 回 転 速 度 の 決 定 ( 減 第 6 章 主 原 動 機 の 設 計 速 機 等 介 在 の 検 討 ) 主 原 動 機 出 力 の 決 定 6.2 主 原 動 機 の 回 転 速 度 及 び 出 力 主 ポンプ 及 び 主 原 動 機 の 諸 元 決 定 図 14 高 揚 程 ポンプ 形 式 の 決 定 手 順 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.137) 24

主 ポンプ 設 計 点 吐 出 し 量 の 決 定 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 参 照 箇 所 軸 形 式 を 横 軸 に 仮 定 5.4.2.2 主 ポンプの 形 式 吸 込 水 槽 形 式 の 検 討 5.4.4 主 ポンプの 適 用 線 図 及 び 参 考 寸 法 * 表 -5.15- 参 仮 全 揚 程 の ための 損 失 水 頭 吐 出 し 管 形 式 タイプ 2 に 仮 決 定 吐 出 し 管 形 式 タイプ 3 で 仮 決 定 主 ポンプ 設 計 点 (= 計 画 ) 全 揚 程 の 仮 決 定 * 主 ポンプ 設 計 点 (= 計 画 ) 全 揚 程 の 仮 決 定 * 吸 込 性 能 検 討 NO 吸 込 性 能 検 討 NO YES YES 主 原 動 機 回 転 速 度 の 決 定 ( 減 速 機 等 介 在 の 検 討 ) 第 6 章 主 原 動 機 の 設 計 立 軸 ポンプで 検 討 主 原 動 機 の 出 力 仮 決 定 6.2 主 原 動 機 の 回 転 速 度 及 び 出 力 主 ポンプ 設 備 費 の 総 合 的 な 経 済 性 の 評 価 吐 出 し 管 形 式 タイプ 1 2 3 の 決 定 注 ) 注 ) 吐 出 し 管 形 式 タイプ 2 又 は 3 が 選 定 できた 場 合 でも タイプ 1 との 総 合 的 な 経 済 ( 建 設 費 運 転 経 費 等 ) 比 較 を 必 ず 行 うものと する したがって あらかじめタイプ 1 に ける 吸 込 性 能 を 検 討 しておく 主 ポンプ 設 計 点 (= 計 画 ) 全 揚 程 の 決 定 第 5 章 主 ポンプの 設 計 主 ポンプ 及 び 主 原 動 機 の 緒 元 決 定 図 15 低 揚 程 ポンプ 形 式 の 決 定 手 順 ( 出 典 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 設 計 ポンプ 場 p.138) 25

2.1.9 水 中 ポンプについて 水 中 ポンプは 県 内 でも 水 管 理 改 良 施 設 やほ 場 整 備 の 用 水 機 場 に 用 いられています 陸 上 ポンプに 比 べ 補 機 が 不 要 なこと 揚 水 機 場 上 屋 や 土 木 構 造 物 が 簡 略 化 できるなどの メリットがあります ポンプの 計 画 揚 水 量 はほぼ 4m3/s が 限 度 とされています 一 方 水 中 ポンプは 通 電 部 も 含 め 水 中 に 設 置 されるため 陸 上 ポンプに 比 べポンプ の 異 常 を 見 つけにくいデメリットがあります さらに 土 砂 も 混 入 する 農 業 用 水 に 対 し て メカニカルシールやケーブル 取 付 部 等 への 浸 水 対 策 動 力 制 御 ケーブルの 流 水 に よる 振 れ 止 め 対 策 浸 水 検 知 器 や 温 度 検 知 器 等 の 保 護 装 置 の 設 置 など 陸 上 ポンプに 比 べて 過 酷 な 運 転 環 境 に 対 する 検 討 や 配 慮 が 必 要 です このため 設 置 後 の 維 持 管 理 にお いて これらのデメリットを 補 う 工 夫 が 求 められます 具 体 的 には 適 切 な 日 常 管 理 の 手 法 望 ましい 定 期 点 検 整 備 の 期 間 万 一 の 故 障 時 の 対 応 などについて 事 前 にメーカ ーや 施 設 管 理 者 と 十 分 な 協 議 を 行 いましょう ( 基 準 書 付 録 技 術 書 p.196 参 照 ) 水 中 ポンプは 使 用 条 件 が 厳 しいため 陸 上 ポンプに 比 べ 耐 用 年 数 が 短 くなる 傾 向 があ ります 他 の 設 備 の 耐 用 年 数 期 間 内 にポンプを 更 新 しなければならない 場 合 も 想 定 され ますので 選 定 にあたっては 故 障 リスクや 代 替 え 手 段 とその 費 用 なども 含 め 比 較 しま しょう 県 内 で 水 中 ポンプの 部 材 に 腐 食 に 強 い 金 属 を 指 定 したことで 電 食 を 誘 発 したと 疑 わ れる 事 例 や ケーブル 取 付 部 が 紫 外 線 で 劣 化 した 事 例 が 発 生 しました 部 材 の 材 質 指 定 や 変 更 にあたっては メーカーとの 十 分 な 打 ち 合 わせが 必 要 です グランドパッキン メカニカルシール 水 固 定 部 回 転 軸 固 定 部 水 固 定 部 回 転 軸 固 定 部 隙 間 を 物 理 的 に 埋 め 漏 れを 防 ぎ ます 回 転 軸 とグランドパッキン ( 黄 色 )が 直 接 接 触 し 摩 耗 するた め 漏 れ( 潤 滑 )が 必 要 です ごく 僅 かな 隙 間 ( 約 0.5~2.5μm) で 漏 れを 制 限 します 回 転 軸 と 固 定 部 の 接 触 がないため 回 転 軸 は 摩 耗 しない 構 造 です 図 16 軸 封 装 置 の 種 類 26

2.1.10 水 中 ポンプの 形 式 について 水 中 ポンプを 採 用 する 場 合 は メーカーの 汎 用 品 や 標 準 品 の 中 から 当 該 地 区 に 適 合 するポンプを 選 定 し 維 持 管 理 の 容 易 性 を 考 慮 して 脱 着 式 としましょう なお 水 中 ポンプは 陸 上 ポンプに 比 べポンプの 異 常 を 見 つけにくいため 下 表 の 仕 様 を 満 たす 製 品 を 選 定 し 維 持 管 理 の 費 用 及 び 労 力 軽 減 を 図 りましょう ポンプ 仕 様 主 要 部 材 保 護 装 置 軸 封 機 構 塗 装 膜 厚 ポンプ 付 属 品 表 10 水 中 ポンプ 標 準 仕 様 脱 着 式 水 中 ポンプ ケーシング:FC200 以 上 主 軸 :SUS403 又 は SUS420J2 羽 根 車 :FC200 又 は FCS18 浸 水 検 知 器 温 度 検 知 器 ダブルメカニカルシール 375μm 水 中 ケーブル 15m ポンプ 台 1 組 空 気 抜 弁 1 組 振 れ 止 め 板 1 組 基 礎 ボルト 1 式 その 他 1 式 27

2.2 県 内 の 用 排 水 機 場 の 施 工 事 例 本 県 では 数 十 年 間 にわたり 多 くの 用 排 水 機 場 を 新 設 更 新 してきました この 項 で は それらの 機 場 の 一 部 を 紹 介 します 2.2.1 チューブラ( 横 軸 円 筒 形 軸 流 )ポンプ( 覚 路 津 排 水 機 場 ) チューブラ( 横 軸 円 筒 形 軸 流 )ポンプ 4 台 可 動 羽 根 口 径 2,200mm 吐 出 量 12m3/s 実 揚 程 5.207m 固 定 羽 根 口 径 2,200mm 吐 出 量 12m3/s 実 揚 程 5.207m 2 台 2 台 可 動 羽 根 高 架 水 槽 ( 写 真 7) 非 常 用 発 電 機 ( 写 真 12) 軸 受 温 度 計 ( 写 真 9) 操 作 盤 ( 写 真 3) 軸 受 油 面 維 持 槽 ( 写 真 4) 潤 滑 油 装 置 ( 写 真 5) 固 定 羽 根 電 動 蝶 形 弁 ( 写 真 10) 水 圧 計 ( 写 真 11) メカシール 加 圧 ポンプ( 写 真 8) 図 17 チューブラポンプ 据 付 縦 断 面 図 28

写 真 7 12( 機 械 室 ) 写 真 1 全 景 1 写 真 9 写 真 4 写 真 10 11 写 真 6 写 真 8 写 真 3 写 真 5 写 真 2 全 景 2 29

写 真 3 操 作 盤 写 真 4 軸 受 油 面 維 持 槽 写 真 5 潤 滑 油 装 置 写 真 6 グリスポンプ 30

写 真 7 高 架 水 槽 写 真 8 メカシール 加 圧 ポンプ 写 真 9 軸 受 温 度 計 31

写 真 10 電 動 蝶 形 弁 写 真 11 水 圧 計 写 真 12 非 常 用 発 電 機 32

2.2.2 横 軸 軸 流 ポンプ( 行 谷 川 排 水 機 場 ) 横 軸 軸 流 ポンプ 2 台 固 定 羽 根 口 径 1,200mm 吐 出 量 3.0m3/s 実 揚 程 2.2m 2 台 フラップ 弁 ( 写 真 25) 主 ポンプ( 写 真 14) 圧 力 計 ( 写 真 15) 主 ポンプ 駆 動 用 ディーゼルエンジン( 写 真 16) ラジエーター( 写 真 19) 電 動 弁 ( 写 真 21) 空 気 槽 ( 写 真 17) 空 気 圧 縮 機 ( 写 真 19) 真 空 ポンプ( 写 真 20) 減 速 機 ( 写 真 18) 燃 料 小 出 槽 ( 写 真 22) 非 常 用 自 家 発 電 機 ( 写 真 24) 操 作 盤 ( 写 真 23) 燃 料 移 送 ポンプ( 写 真 22) 図 18 横 軸 軸 流 ポンプ 据 付 平 面 図 33

写 真 21 写 真 15 写 真 16 写 真 20 写 真 14 写 真 18 写 真 17 写 真 13 全 景 34

写 真 14 主 ポンプ 写 真 15 圧 力 計 写 真 16 主 ポンプ 駆 動 用 ディーゼルエンジン 35

写 真 17 空 気 槽 写 真 18 減 速 機 写 真 19 空 気 圧 縮 機 ラジエーター 36

写 真 20 真 空 ポンプ 写 真 21 電 動 弁 写 真 22 燃 料 輸 送 用 ポンプ 燃 料 小 出 槽 37

写 真 23 操 作 盤 写 真 24 非 常 用 自 家 発 電 機 写 真 25 フラップ 弁 38

2.2.3 横 軸 斜 流 ポンプ( 鮎 川 排 水 機 場 ) 横 軸 斜 流 ポンプ 2 台 固 定 羽 根 口 径 1,000mm 吐 出 量 1.75m3/s 実 揚 程 2.6m 2 台 電 波 式 水 位 計 ( 写 真 40) 金 属 抵 抗 器 ( 写 真 36) 電 動 バタフライ 弁 ( 写 真 31) 電 動 カム 形 制 御 器 ( 写 真 36) 減 速 機 ( 写 真 29) 電 動 機 ( 写 真 30) 満 水 検 知 器 ( 写 真 34) 真 空 計 連 成 計 ( 写 真 33) 真 空 ポンプ( 写 真 37) 給 水 ポンプ( 写 真 38) 高 架 水 槽 ( 写 真 39) 図 19 横 軸 斜 流 ポンプ 据 付 平 面 図 横 軸 斜 流 ポンプ( 写 真 28) 減 速 機 ( 写 真 29) 電 動 バタフライ 弁 ( 写 真 31) 電 動 機 ( 写 真 30) 図 20 横 軸 斜 流 ポンプ 据 付 断 面 図 39

写 真 33 写 真 32 写 真 34 写 真 35 写 真 30 写 真 29 写 真 26 全 景 1 写 真 31 写 真 36 写 真 27 全 景 2 40

写 真 28 横 軸 斜 流 ポンプ 写 真 29 減 速 機 写 真 30 電 動 機 41

写 真 31 電 動 バタフライ 弁 写 真 32 グリースポンプ 写 真 33 真 空 計 連 成 計 42

写 真 34 満 水 検 知 器 ( 電 極 式 ) 写 真 35 給 水 吸 気 真 空 配 管 写 真 36 電 動 カム 形 制 御 器 金 属 抵 抗 器 43

写 真 37 真 空 ポンプ 写 真 38 給 水 ポンプ 写 真 39 高 架 水 槽 44

写 真 40 電 波 式 水 位 計 45

2.2.4 立 軸 軸 流 ポンプ( 親 松 排 水 機 場 ) 立 軸 軸 流 ポンプ 4 台 可 動 羽 根 口 径 2,400mm 吐 出 量 15m3/s 実 揚 程 4.3m 固 定 羽 根 口 径 2,200mm 吐 出 量 15m3/s 実 揚 程 4.3m 2 台 2 台 減 速 機 ( 写 真 44) 翼 角 計 ( 写 真 45) フラップ 弁 ( 写 真 50) 電 動 機 ( 写 真 43) 機 側 操 作 盤 ( 写 真 46) 吐 出 弁 ( 写 真 47) 圧 力 連 成 計 ( 写 真 48) 吸 込 ライナー( 写 真 49) 図 21 立 軸 軸 流 ポンプ 据 付 断 面 図 46

写 真 45 写 真 43 写 真 44 写 真 46 写 真 41 全 景 1 写 真 48 写 真 47 写 真 42 全 景 2 47

写 真 43 電 動 機 写 真 44 減 速 機 写 真 45 翼 角 計 48

写 真 46 機 側 操 作 盤 写 真 47 吐 出 弁 写 真 48 圧 力 連 成 計 49

写 真 49 吸 込 ライナー 写 真 50 フラップ 弁 50

2.2.5 立 軸 斜 流 ポンプ( 沢 海 揚 水 機 場 ) 立 軸 斜 流 ポンプ 2 台 可 動 羽 根 口 径 1,350mm 吐 出 量 253.2m3/s 実 揚 程 6.77m 固 定 羽 根 口 径 1,350mm 吐 出 量 253.2m3/s 実 揚 程 6.77m 1 台 1 台 電 動 機 減 速 機 ( 写 真 51) 吐 出 弁 逆 止 弁 ( 写 真 52) ポンプケーシング( 写 真 53) 吐 出 管 ( 写 真 54) 図 22 立 軸 斜 流 ポンプ 据 付 縦 断 面 図 51

写 真 51 電 動 機 減 速 機 写 真 52 吐 出 弁 逆 止 弁 写 真 53 ポンプケーシング 52

写 真 54 吐 出 管 53

2.2.6 横 軸 両 吸 込 渦 巻 ポンプ( 中 江 北 部 第 2 地 区 第 2 号 揚 水 機 場 ) 横 軸 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 2 台 可 動 羽 根 口 径 300mm 吐 出 量 9.307m3/s 実 揚 程 18.0m 1 台 固 定 羽 根 口 径 300mm 吐 出 量 9.307m3/s 実 揚 程 18.0m 1 台 スイング 式 逆 止 弁 ( 写 真 60) 補 機 ( 写 真 64) 高 架 タンク( 写 真 65) 両 吸 込 渦 巻 ポンプ( 写 真 59) 電 磁 式 流 量 計 ( 写 真 62) 電 ボール 弁 ( 写 真 63) 手 動 蝶 形 弁 ( 写 真 61) フロート 式 水 位 計 ( 写 真 68) 電 動 仕 切 弁 ( 写 真 60) 操 作 盤 類 ( 写 真 66) 金 属 抵 抗 ( 写 真 67) 図 23 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 設 備 据 付 図 54

写 真 65 写 真 60 写 真 64 写 真 63 写 真 61 写 真 59 写 真 55 全 景 1 写 真 67 写 真 66 写 真 56 全 景 2 55

写 真 68 写 真 57 全 景 3 写 真 62 写 真 58 全 景 4 56

写 真 59 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 写 真 60 スイング 式 逆 止 弁 電 動 仕 切 弁 写 真 61 手 動 蝶 形 弁 57

写 真 62 電 磁 式 流 量 計 写 真 63 電 動 ボール 弁 写 真 64 補 機 ( 給 水 ポンプ 真 空 ポンプ 補 水 槽 ) 58

写 真 65 高 架 タンク 写 真 66 機 側 操 作 盤 写 真 67 金 属 抵 抗 器 59

写 真 68 フロート 式 水 位 計 60

2.2.7 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ( 中 里 北 揚 水 機 場 ) 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 2 台 口 径 200mm 揚 水 量 2.28m3/s 実 揚 程 59.118m 2 台 呼 水 ロート 圧 力 計 ( 真 空 計 )( 写 真 73) 圧 力 計 ( 吐 出 )( 写 真 73) 排 気 管 ( 写 真 71) 電 動 仕 切 弁 ( 写 真 75) 空 気 抜 弁 ( 写 真 76) 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 電 動 機 ( 写 真 74) ゴム 伸 縮 可 撓 管 ( 写 真 76) 逆 止 弁 ( 写 真 75) 吐 出 弁 図 24 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 据 付 断 面 図 61

写 真 69 全 景 1 写 真 70 全 景 2 62

写 真 75 排 気 管 写 真 75 写 真 73 74 写 真 71 全 景 1 写 真 75 写 真 73 74 写 真 72 全 景 2 63

呼 び 水 ロート 圧 力 計 ( 吐 出 ) 圧 力 計 ( 真 空 計 ) 電 動 機 圧 力 スイッチ( 吸 込 吐 出 ) 写 真 73 電 動 機 圧 力 計 圧 力 スイッチ 呼 び 水 ロート 写 真 74 自 吸 式 両 吸 込 渦 巻 ポンプ 電 動 仕 切 弁 急 閉 式 逆 止 弁 写 真 75 逆 止 弁 電 動 吐 出 弁 64

急 排 空 気 弁 可 撓 管 写 真 76 急 排 空 気 弁 可 撓 管 65

2.2.8 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ( 玉 郷 立 地 区 揚 水 機 場 ) 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ 2 台 口 径 150mm 揚 水 量 2.28m3/s 実 揚 程 59.118m 2 台 可 撓 管 電 動 仕 切 弁 ( 写 真 81) 逆 止 弁 ( 写 真 79) 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ( 写 真 80) 図 25 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ 据 付 断 面 図 66

写 真 81 写 真 80 写 真 82 写 真 83 写 真 77 全 景 1 写 真 81 写 真 85 写 真 80 写 真 78 全 景 2 67

写 真 81 逆 止 弁 写 真 80 写 真 85 写 真 79 全 景 3 電 動 機 フライホイール 横 軸 片 吸 込 渦 巻 多 段 ポンプ 写 真 80 電 動 機 ポンプ 68

電 動 ボール 弁 電 動 仕 切 弁 満 水 検 知 器 写 真 81 電 動 仕 切 弁 満 水 検 知 器 電 動 ボール 弁 真 空 ポンプ 真 空 圧 計 補 水 槽 写 真 82 真 空 ポンプ 補 水 槽 写 真 83 電 動 ボール 弁 69

圧 力 計 空 気 抜 弁 給 水 ポンプ 写 真 84 給 水 ポンプ 写 真 85 連 成 計 70

2.2.9 脱 着 式 水 中 ポンプ( 川 東 地 区 第 2 号 揚 水 機 場 ) 脱 着 式 水 中 ポンプ 3 台 口 径 250mm 吐 出 量 7.00m3/min 全 揚 程 7.0m 3 台 フロート 式 水 位 計 ( 写 真 94) スイング 式 逆 止 弁 ( 写 真 90) 手 動 仕 切 弁 ( 写 真 90) 電 磁 式 流 量 計 ( 写 真 91) 電 動 蝶 形 弁 ( 写 真 92) 脱 着 式 水 中 ポンプ( 写 真 89) 機 側 操 作 盤 ( 写 真 93) 図 26 脱 着 式 水 中 ポンプ 設 備 据 付 図 71

写 真 89 写 真 86 全 景 1 写 真 90 写 真 87 全 景 2 72

写 真 92 写 真 88 全 景 3 73

写 真 89 脱 着 式 水 中 ポンプ 手 動 仕 切 弁 スイング 式 逆 止 弁 写 真 90 スイング 式 逆 止 弁 手 動 仕 切 弁 写 真 91 電 磁 式 流 量 計 74

写 真 92 電 動 蝶 形 弁 写 真 93 機 側 操 作 盤 写 真 94 フロート 式 水 位 計 75

第 3 章 電 気 設 備 基 準 3.1 電 動 機 の 選 定 について 電 動 機 の 選 定 は 陸 上 水 中 ポンプ 共 に 台 数 制 御 を 原 則 として 下 表 により 行 います (1) 陸 上 ポンプの 場 合 表 11 電 動 機 の 選 定 ( 陸 上 ポンプ) 電 動 機 出 力 電 圧 電 動 機 形 式 始 動 方 式 75kw 未 満 200V カゴ 型 スターデルタ 75~132kw 未 満 400V カゴ 型 スターデルタ 150kw 以 上 6000V カゴ 型 リアクトル 注 1 主 機 が 2 台 の 場 合 で 1 台 が 75kw 以 上 であれば 1 台 が 75kw 未 満 であっても 400V で 統 一 すること 注 2 主 機 が 2 台 の 場 合 で 1 台 が 150kw 以 上 であれば 1 台 が 150kw 未 満 であって も 6000V で 統 一 する ただし 計 画 時 に 6000V 受 電 の 可 否 を 東 北 電 力 に 確 認 す ること 注 3 電 動 機 電 圧 の 決 定 にあたっては 電 動 機 出 力 によらず 経 済 比 較 により 選 定 する こと 注 4 電 動 機 タイプの 決 定 にあたっては ポンプの 使 用 状 況 電 波 障 害 や 年 間 の 稼 働 時 間 等 から 経 済 的 かつ 適 切 な 機 種 を 選 定 すること 注 5 回 転 数 を 制 御 する 場 合 は 別 途 設 計 管 理 チームと 協 議 すること (2) 水 中 ポンプの 場 合 表 12 電 動 機 の 選 定 ( 水 中 ポンプ) 電 動 機 出 力 電 圧 電 動 機 形 式 始 動 方 式 45kw 未 満 200V カゴ 型 直 入 (7.5kw 以 下 ) カゴ 型 スターデルタ(11kw 以 上 ) 45kw 以 上 400V カゴ 型 スターデルタ(11kw 以 上 ) 3.2 受 配 電 盤 の 選 定 について 陸 上 ポンプにおける 受 電 操 作 盤 の 標 準 的 な 組 合 せは 次 の 表 13 及 び 表 14 各 盤 の 仕 様 は 表 15 のとおりです 受 電 容 量 等 の 組 合 せで 適 切 なものを 選 定 しましょう また 受 電 盤 の 標 準 組 合 せは 機 器 がシンプルで 故 障 しにくいことや 更 新 時 の 費 用 負 担 を 減 らす ことを 目 的 とし 台 数 制 御 を 基 本 としています 流 量 制 御 を 行 う 場 合 は 事 前 に 設 計 管 理 チームに 相 談 してください なお 水 中 ポンプの 受 電 操 作 盤 については 陸 上 ポンプの 標 準 組 合 せから 選 定 し 真 空 ポンプ 及 び 封 水 ポンプの 制 御 盤 や 吐 出 弁 用 の 制 御 盤 といった 不 要 な 機 器 を 除 いて 使 用 します 76

表 13 受 配 電 盤 の 標 準 組 合 せ( 陸 上 ポンプ) 受 電 容 量 主 機 電 圧 主 機 台 数 組 合 せ 盤 番 号 スケルトン 例 1 台 2L-1 図 1 50kw 未 満 200V 2 台 2L-2 図 2 1 台 6H-1 2L-3 図 3 200V 2 台 6H-1 2L-4 2L-5 図 4 50kw~ 1 台 6H-2 4L-1 2L-5 図 5 200kw 6H-2 4L-2 2L-5 (300kVA) 400V 2 台 又 は 図 6 6H-3 4L-2 2L-5 1 台 200kw~ 6H-4 6H-5 6H-8 6000V 又 は 図 7 1000kw 2L-6 1L-1 2 台 注 1 6H-8 は 主 機 の 台 数 分 必 要 表 14 受 配 電 盤 の 標 準 組 合 せ( 水 中 ポンプ) 受 電 容 量 主 機 電 圧 主 機 台 数 組 合 せ 盤 番 号 スケルトン 例 1 台 SK-1S 又 は 2L-1 図 8 又 は 図 1 50kw 未 満 200V 2 台 SK-2S 又 は 2L-2 図 9 又 は 図 2 3 台 SK-3S 図 10 1 台 6H-2 4L-1 図 5 50kW~ 6H-2 4L-2 2L-5 200kW 400V 2 台 又 は 図 6 (300kVA) 6H-3 4L-2 2L-5 注 1 真 空 ポンプ 及 び 封 水 ポンプの 動 力 制 御 回 路 は 除 く 77

受 配 電 盤 一 覧 表 受 電 容 量 受 電 電 圧 主 機 電 圧 盤 名 称 盤 番 号 盤 参 考 寸 法 ( 幅 高 奥 行 ) 用 途 100V 50kW 未 満 or 200V 200V 50kW から 200kW (300kVA) 200kW から 1000kW 6kV 6kV 200V or 400V 6kV 低 圧 操 作 盤 2L-1 800 2350 800 主 機 1 台 及 び 補 機 の 制 御 用 低 圧 操 作 盤 2L-2 1000 2350 800 主 機 2 台 及 び 補 機 の 制 御 用 低 圧 操 作 盤 SK-1S 700 1700 400 主 機 (7.5kw 以 下 の 水 中 ポンプ)1 台 及 び 補 機 の 制 御 用 (スタンド 型 ) 低 圧 操 作 盤 SK-2S 800 1700 400 主 機 (7.5kw 以 下 の 水 中 ポンプ)2 台 及 び 補 機 の 制 御 用 (スタンド 型 ) 低 圧 操 作 盤 SK-3S 800 2350 800 主 機 (7.5kw 以 下 の 水 中 ポンプ)3 台 及 び 補 機 の 制 御 用 簡 易 受 電 盤 6H-1 1800 2350 1800 6kV 受 電 で 主 機 が200V 受 電 容 量 が200kW 以 下 簡 易 受 電 盤 6H-2 1800 2350 1800 6kV 受 電 で 主 機 が400V 受 電 容 量 が200kW 以 下 簡 易 受 電 盤 6H-3 2100 2350 1800 6kV 受 電 で 主 機 が400V 受 電 容 量 が201kW 以 上 300kVA 以 下 低 圧 操 作 盤 2L-3 800 2350 800 200Vの 場 合 で 主 機 1 台 及 び 補 機 の 制 御 用 低 圧 操 作 盤 2L-4 800 2350 800 200Vの 場 合 で 主 機 2 台 の 制 御 用 低 圧 操 作 盤 4L-1 800 2350 800 400Vの 場 合 で 主 機 1 台 の 制 御 用 低 圧 操 作 盤 4L-2 800 2350 800 400Vの 場 合 で 主 機 2 台 の 制 御 用 低 圧 補 機 盤 2L-5 700 2350 800 2L-4 4L-1 4L-2の 補 機 用 高 圧 引 込 盤 6H-4 700 2350 1600 6kV 引 込 用 高 圧 受 電 盤 6H-5 700 2350 1600 6kV 受 電 用 電 動 機 盤 6H-8 800 2350 1900 高 圧 電 動 機 の 起 動 用 1 台 /1 面 低 圧 補 機 盤 2L-6 700 2350 1600 6H-8の 補 機 用 低 圧 補 機 盤 1L-1 700 2350 1600 補 機 電 燈 盤 適 要 1 受 電 設 備 は 最 大 1000kVA 遮 断 容 量 は100MVAとする 2 電 動 機 盤 の 適 用 容 量 は315kWまでとする 3 高 圧 受 電 盤 に 使 用 する 遮 断 器 は 真 空 とする 4 本 表 の 受 配 電 盤 の 閉 鎖 階 級 はJEM 又 はJISとする 5 低 圧 操 作 盤 を 適 用 する 場 合 5,5kW 未 満 の 電 動 機 は 主 ポンプの 台 数 に 含 めず 補 機 とみなす 表 15 受 配 電 盤 一 覧 表 78

3.3 標 準 スケルトン 及 び 機 器 仕 様 図 27 標 準 スケルトンその 1 79

図 28 標 準 スケルトンその 2 80

図 29 標 準 スケルトンその 3 81

図 30 標 準 スケルトンその 4 82

図 31 標 準 スケルトンその 5 83

図 32 標 準 スケルトンその 6 84

図 33 標 準 スケルトンその 7 85

図 34 標 準 スケルトンその 8 86

図 35 標 準 スケルトンその 9 87

図 36 標 準 スケルトンその 10 88

3.4 受 配 電 盤 に 付 加 するオプション 機 能 受 配 電 盤 の 標 準 組 合 せは 3.2 受 配 電 盤 の 選 定 について のとおり シンプルで 故 障 しにくい 機 器 を 選 定 することが 原 則 ですが 運 転 管 理 の 省 力 化 等 を 目 的 として 低 圧 操 作 盤 にオプション 機 能 を 追 加 できます オプション 機 能 の 検 討 にあたっては 機 能 追 加 によって 増 加 する 維 持 管 理 費 及 び 施 設 構 造 時 の 費 用 を 施 設 管 理 者 と 十 分 協 議 しましょう 表 16 受 配 電 盤 に 付 加 するオプション 機 能 の 例 オプション 機 能 詳 細 タイマー 制 御 (24 時 間 週 間 月 間 等 ) 水 位 検 知 制 御 自 動 運 転 バイパス 弁 制 御 小 流 量 高 圧 力 停 止 時 の 復 帰 制 御 吐 出 圧 力 又 は 吐 出 流 量 による 台 数 制 御 自 動 制 御 上 記 台 数 制 御 及 びバイパス 弁 制 御 携 帯 端 末 (スマートフォン 等 )による 運 転 状 況 監 視 運 転 状 況 監 視 例 :ポンプの ON OFF 状 況 ゲートやバル ブの 開 閉 状 況 故 障 内 容 の 緊 急 通 知 機 能 運 転 時 間 及 び 揚 水 量 の 記 録 運 転 状 況 記 録 ポンプ 軸 受 部 の 温 度 や 振 動 の 計 測 記 録 89

第 4 章 その 他 4.1 上 屋 工 について 新 潟 県 では 公 共 建 築 物 等 における 県 産 材 利 用 推 進 に 関 する 基 本 方 針 に 基 づき 県 が 整 備 する 新 築 増 築 または 改 築 する 公 共 建 築 物 において 高 さ 13m 以 下 かつ 軒 高 9m 以 下 で 延 べ 床 面 積 3,000 m2 以 下 の 施 設 については 原 則 として 木 造 とする 取 り 組 みを 行 っていますので 積 極 的 に 木 造 化 を 検 討 しましょう なお 上 屋 の 設 計 にあたっては 次 の 標 準 設 計 がありますので 活 用 してください 90

4.1.1 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 標 準 設 計 ( 上 屋 工 ) 木 造 平 成 17 年 3 月 図 37 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 木 造 立 面 図 写 真 95 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 木 造 ( 河 間 三 ツ 門 地 区 ) 91

4.1.2 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 標 準 設 計 ( 上 屋 工 ) 木 造 平 成 16 年 5 月 図 38 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 木 造 立 面 図 写 真 96 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 木 造 ( 潟 4 期 地 区 ) 92

4.1.3 農 地 部 標 準 設 計 揚 水 機 場 上 屋 工 RC 造 平 成 19 年 3 月 図 39 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 RC 造 立 面 図 写 真 97 陸 上 ポンプ 揚 水 機 場 RC 造 ( 中 之 島 中 部 地 区 ) 93

4.1.4 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 上 屋 工 RC 造 平 成 26 年 度 制 定 予 定 図 40 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 RC 造 立 面 図 写 真 98 水 中 ポンプ 揚 水 機 場 RC 造 ( 紫 雲 寺 2 期 地 区 ) 94

4.2 上 屋 の 減 災 対 策 について 上 屋 の 構 造 は 木 造 を 原 則 としますが 地 震 による 津 波 や 豪 雨 による 浸 水 強 風 による 被 害 が 想 定 される 地 域 では 下 表 を 参 考 に 減 災 対 策 を 検 討 しましょう 検 討 項 目 海 岸 部 での 減 災 対 策 共 通 の 減 災 対 策 表 17 上 屋 の 減 災 対 策 事 例 詳 細 RC 構 造 の 採 用 津 波 による 損 壊 を 軽 減 するため RC 構 造 とする 管 理 者 避 難 施 設 の 設 置 沿 岸 部 等 で 避 難 場 所 が 遠 い 場 合 土 木 部 公 表 の 津 波 浸 水 想 定 図 や 市 町 村 公 表 のハザードマッ プ 等 より 高 い 位 置 に 避 難 施 設 を 設 置 する 防 水 性 の 高 い 扉 の 設 置 衝 撃 や 浸 水 に 比 較 的 強 い 外 開 き 鉄 扉 を 設 置 す る 出 入 口 の 検 討 海 側 は 排 気 ダクトのみとし 出 入 口 や 窓 は 海 と 反 対 側 とし 窓 や 排 気 ダクトは 津 波 浸 水 想 定 図 より 高 い 位 置 とする 出 入 口 及 び 搬 入 口 については 津 波 浸 水 想 定 図 を 参 考 に 作 業 性 を 損 なわない 範 囲 で 位 置 を 選 定 する 電 気 機 器 や 窓 の 設 置 位 置 の 検 討 電 気 盤 発 電 機 窓 を 津 波 浸 水 想 定 図 や 過 去 の 豪 雨 での 浸 水 高 さより 高 い 位 置 とする 強 風 被 害 に 対 する 検 討 強 風 の 想 定 される 地 域 では 重 量 シャッターを 採 用 する 4.3 津 波 浸 水 想 定 図 ( 平 成 25 年 12 月 )で 浸 水 が 想 定 される 施 設 農 地 部 が 造 成 又 は 管 理 する 基 幹 的 施 設 のうち 津 波 浸 水 想 定 図 ( 平 成 25 年 12 月 )で 浸 水 が 想 定 される 地 域 内 又 は 隣 接 する 施 設 は 表 18 のとおりです 表 18 津 波 浸 水 想 定 図 で 浸 水 が 想 定 される 地 域 内 又 は 隣 接 する 施 設 施 設 名 所 在 地 造 成 時 の 事 業 名 堀 川 排 水 機 場 村 上 市 県 営 農 地 防 災 等 事 業 石 川 右 岸 排 水 機 場 村 上 市 県 営 農 地 防 災 等 事 業 石 川 左 岸 排 水 機 場 村 上 市 県 営 農 地 防 災 等 事 業 95

親 松 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 小 新 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 新 川 河 口 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 新 川 右 岸 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 旧 広 通 江 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 旧 木 山 川 排 水 機 場 新 潟 市 国 営 かんがい 排 水 事 業 高 山 排 水 機 場 新 潟 市 その 他 事 業 貝 柄 排 水 機 場 新 潟 市 県 営 その 他 事 業 遠 藤 排 水 機 場 新 潟 市 県 営 その 他 事 業 田 潟 排 水 機 場 新 潟 市 県 営 かんがい 排 水 事 業 春 日 排 水 機 場 柏 崎 市 県 営 農 地 防 災 事 業 畑 野 排 水 機 場 佐 渡 市 県 営 農 地 防 災 事 業 4.4 関 連 法 規 について 関 連 法 規 及 び 手 続 きは 土 地 改 良 事 業 計 画 設 計 基 準 及 び 運 用 解 説 に 記 載 の 法 令 及 びその 関 連 法 規 を 参 考 にしてください 96

第 5 章 付 記 新 潟 県 農 業 土 木 技 術 協 会 用 排 水 機 場 設 備 設 計 の 手 引 検 討 委 員 会 構 成 員 委 員 職 名 氏 名 備 考 会 長 新 保 仁 協 会 理 事 小 島 栄 一 郎 H23 H24 事 務 局 長 高 橋 誠 H24 H25 協 会 会 員 昱 工 業 ( 株 ) 営 業 二 部 部 長 昱 工 業 ( 株 ) 営 業 二 部 課 長 小 林 信 和 加 藤 守 ( 株 )コバリキ 部 長 甲 斐 猛 夫 ( 株 )コバリキ 第 一 営 業 部 係 長 木 村 浩 太 郎 ( 株 ) 新 東 エンジニア 代 表 取 締 役 稲 葉 茂 敦 井 産 業 ( 株 ) 営 業 第 三 部 取 締 役 部 長 敦 井 産 業 ( 株 ) 営 業 第 三 部 環 境 システム 課 課 長 代 理 敦 井 産 業 ( 株 ) 営 業 第 三 部 環 境 システム 課 係 長 伊 藤 景 範 小 澤 正 則 横 木 隆 志 ( 株 ) 中 越 ポンプ 取 締 役 営 業 部 長 末 永 勝 弥 ( 株 ) 中 越 ポンプ 営 業 課 古 家 晋 ( 株 )ナビック エンジニアリング 事 業 部 1 グループ 営 業 チーム 課 長 ( 株 )ナビック エンジニアリング 事 業 部 1 グループ 営 業 チーム 課 長 代 理 県 農 地 部 技 監 諸 橋 政 之 竹 田 克 弥 斉 藤 瑞 穂 農 地 部 農 地 建 設 課 副 参 事 峠 光 一 H25 事 務 局 農 地 部 農 地 管 理 課 総 合 調 整 室 政 策 企 画 員 伊 藤 広 明 H23 H24 農 地 部 農 地 管 理 課 総 合 調 整 室 政 策 企 画 員 増 田 秀 明 H25 農 地 部 農 地 管 理 課 総 合 調 整 室 主 任 本 田 純 一 97