大 阪 湾 におけるドラム 缶 サイズの 漂 流 物 挙 動 シミュレーションの 試 み 嶋 田 陽 一 1 1 正 会 員 神 戸 大 学 助 教 自 然 科 学 系 先 端 融 合 研 究 環 ( 658-0022 神 戸 市 東 灘 区 深 江 南 町 5-1-1) E-mail: yshimada@port.kobe-u.ac.jp 大 阪 湾 における 神 戸 市 沿 岸 から 泉 大 津 泉 佐 野 沿 岸 へドラム 缶 が 漂 流 した 事 例 を 参 考 にして, 風 圧 流 を 考 慮 したドラム 缶 サイズの 漂 流 物 挙 動 シミュレーションを 実 行 した.12 時 間 後 の 空 ドラム 缶 のいくつかは 泉 大 津 から 泉 佐 野 沿 岸 周 辺 に 漂 着 する.24 時 間 後,すべての 漂 流 物 が 漂 着 する. 空 ドラム 缶 の 軌 跡 は 出 発 点 から 概 ね 南 東 向 きを 示 す. 風 圧 流 がない 漂 流 物 の 多 くは,48 時 間 後 もほとんど 大 阪 湾 沿 岸 に 漂 着 しない. 空 ドラム 缶 の 実 験 はドラム 缶 漂 流 事 例 と 同 じ 沿 岸 周 辺 に 漂 着 する 傾 向 を 示 すことから, 風 圧 流 の 効 果 によ り12 時 間 程 度 でドラム 缶 が 大 阪 湾 を 横 断 した 可 能 性 が 高 いことを 示 した.それゆえ, 漂 流 物 に 大 きさによ ってそれらを 回 収 するための 迅 速 な 対 応 の 必 要 性 が 示 唆 される. Key Words : drifting objects, leeway,osaka bay, tracking simulation, drum 1. 諸 言 大 阪 湾 は 国 内 有 数 の 船 舶 輻 輳 海 域 であり, 工 業 地 域 及 び 住 宅 地 が 多 数 存 在 する 湾 であるので, 海 難 事 故 による 積 み 荷 あるいは 制 御 不 能 の 漁 船 など 中 大 規 模 漂 流 物 が ある 場 合, 海 上 交 通 及 び 海 洋 環 境 に 多 大 な 被 害 を 与 える 可 能 性 がある.その 1つの 事 例 として 阪 神 淡 路 大 震 災 により 神 戸 市 沿 岸 から 多 数 のドラム 缶 が 流 出 し, 一 部 が 泉 大 津 から 泉 佐 野 沿 岸 周 辺 へ 漂 着 した 事 例 がある( 橋 村 石 田 1) ).ドラム 缶 サイズの 漂 流 物 は 海 面 に 露 出 する 面 積 が 大 きいので, 風 圧 流 に 対 する 影 響 を 大 きく 受 ける 可 能 性 がある. 嶋 田 2) は, 東 日 本 大 震 災 により 八 戸 港 か ら 流 出 した 漁 船 がカナダ 沖 合 で 発 見 された 事 例 を 参 考 に して, 風 圧 流 を 考 慮 した 漂 流 物 挙 動 シミュレーションを 用 いて 風 圧 係 数 の 感 度 実 験 を 行 い, 漂 着 時 間 海 域 につ いてこの 事 例 と 対 応 する 傾 向 を 示 した. 大 阪 湾 における 漂 流 物 挙 動 シミュレーションの 主 な 研 究 として, 海 洋 ご みについて 橋 本 他 3), 流 出 油 について 林 西 尾 4) がある. これらの 漂 流 物 に 対 する 風 圧 流 の 影 響 は 小 さいので,こ れらの 研 究 はドラム 缶 サイズの 漂 流 物 挙 動 シミュレーシ ョンには 不 十 分 と 考 えられる.そこで 本 研 究 では, 神 戸 市 沿 岸 から 流 出 したドラム 缶 の 事 例 を 参 考 にして,ドラ ム 缶 サイズの 漂 流 物 挙 動 シミュレーションを 用 いて 大 阪 湾 における 漂 流 物 の 挙 動 特 性 を 調 べる. 2. 計 算 概 要 漂 流 物 の 位 置 は,モデルで 計 算 された 風 速 及 び 海 流 の データからその 位 置 における 流 速 を 周 辺 の 格 子 点 から 求 め,ランダムウォークによる 乱 流 拡 散 過 程 を 用 いて 10 分 毎 に 計 算 される.ランダムウォークを 用 いる 手 法 は, 漂 流 物 追 跡 シミュレーションにおいて 多 く 用 いられてい る( 例 えば, 嶋 田 2), 橋 本 他 3) ). 漂 流 物 挙 動 に 関 する 式 は 以 下 の 通 りである. t t t X X U t R 2K t( i, j), (1) c s L h U U U U. (2) i, j : 東 西 及 び 南 北 方 向 の 単 位 ベクトル K h : 海 洋 の 水 平 渦 拡 散 係 数 (100 m 2 s -1 ) R : 正 規 乱 数 ( 平 均 値 0, 標 準 偏 差 1) U : 流 速 ベクトル (m s -1 ) U c : 海 流 ベクトル (m s -1 ) U s : 吹 走 流 ベクトル (m s -1 ) U L : 風 圧 流 ベクトル (m s -1 ) t X : 現 在 の 位 置 ベクトル t t X : 時 間 間 隔 t 後 の 位 置 ベクトル 1 I_798
計 算 開 始 時 刻 は 2009 年 1 月 1 日 0 時 であり,シミュ レーション 計 算 期 間 は 2 日 間 とする. 漂 流 物 (100 個 )を 苅 藻 島 沖 ( 明 石 海 峡 付 近 )から 投 入 する. 吹 走 流 を 計 算 す るための 風 応 力 は, 以 下 に 通 り, 抵 抗 係 数 計 算 方 法 を 用 いてバルク 式 から 計 算 される(Large and Pond 5) ). a C d W W, 10 10 (3) 3-1 C d 1.2 10 W 11.0 ms, 10 (4) 3-1 C d (0.49 0.065 W ) 10 W 11.0 ms. 10 10 (5) : 風 応 力 (N m -2 ) a : 空 気 密 度 (1.226 kg m -3 ) C d : 海 面 抵 抗 係 数 W 10 : 海 上 10m 風 速 (m s -1 ) 吹 走 流 についてはエクマン 層 における 最 上 層 の 流 れ ( 定 常 状 態 )を 示 した 解 析 解 を 用 いた. 詳 細 は,Cushman- Roisin 6) 等 を 参 照 されたい. 鉛 直 渦 粘 性 係 数 は 10-2 m 2 s -1 と した. 風 圧 流 の 計 算 方 法 は 小 田 巻 7) を 参 考 にした. 風 圧 流 の 方 向 は 風 向 と 同 じとする. 風 圧 流 の 式 は 以 下 の 通 り である. U W, (6) L 10 W : 海 上 10m 風 速 (m s -1 ) 10 対 象 漂 流 物 は 空 ドラム 缶 (α=0.056, EX01), 重 ドラム 缶 (α=0.014, EX02)とし, 比 較 のために 風 圧 流 なしの 実 験 を 行 う(α=0.0, EX03). 風 圧 係 数 は 実 験 的 に 求 められている ( 小 田 巻 7) ). 海 流 ( 潮 汐 流 ) データについては, 海 洋 モデル POM(Princeton Ocean Moel)(Mellor 8) )で 計 算 させた 表 層 流 速 データを 用 いた. 海 底 地 形 データは ETOPO5 (Earth Topography 5 minute gridded elevation data set)を 用 いた. 海 洋 モ デルの 水 平 解 像 度 は 0.5 分, 鉛 直 層 数 は 10 層 とした.モ デル 計 算 領 域 は 北 緯 34~35 度, 東 経 135.05~135.50 度 と した. 南 境 界 及 び 西 境 界 は 開 条 件 とし, 境 界 における 流 速 は 放 射 条 件 を 用 いた. 外 部 境 界 の 水 位 は, 神 戸 の 水 位 ( 気 象 庁 提 供 )の 観 測 値 とモデル 値 を 比 較 した 結 果, 南 境 界 において 小 松 島 の 水 位 ( 気 象 庁 提 供 )から 年 平 均 値 を 取 り 除 いた 偏 差 の 1.4 倍 の 値 を 用 いた. 西 境 界 において 水 位 をゼロとした. 海 洋 モデルのスピンアップのために 2008 年 12 月 を 助 走 期 間 とした. 海 洋 モデル 計 算 中 の 水 温 及 び 塩 分 は 固 定 した(MODE=4). 漂 流 シミュレーショ ンに 用 いる 海 流 データの 時 間 間 隔 は 1 時 間 毎 にした. 風 速 データについては, 気 象 庁 提 供 GPV の MSM の 10m 風 速 データを 用 いる. 過 去 にいくつかの 数 値 シミュ レーションで 使 われている( 例 えば, 森 他 9) ).MSM の 緯 度 及 び 経 度 の 水 平 解 像 度 はそれぞれ 0.05 度 及 び 0.0625 度 であり, 時 間 間 隔 は 1 時 間 である. 3. 結 果 (1) 海 流 及 び 風 速 海 流 データを 確 認 するために, 神 戸 の 水 位 について 観 測 値 とモデル 値 の 散 布 図 を 図 -1に 示 す. 図 に 示 すように よく 対 応 していることがわかる. 一 方, 風 速 について, 神 戸 の 観 測 値 ( 気 象 庁 提 供 )とモデル 値 を 比 較 すると 対 応 がよくなかった( 散 布 図 は 図 示 せず).その 理 由 としては, 観 測 値 の 標 高 は5.2mであり,モデル 値 の 標 高 10mと 異 な ること, 風 は 地 形 建 造 物 の 影 響 を 大 きく 受 けること, モデルの 地 表 面 の 再 現 性 が 困 難 であることが 挙 げられる. 図 -2に 神 戸 の 風 速 について 観 測 値 及 びモデル 値 の 時 系 列 を 示 す.このモデル 値 は 陸 域 における 観 測 値 と 対 応 があ まりよくないが, 本 研 究 では 海 上 風 を 用 いるので, 上 記 のような 複 雑 な 風 速 変 化 は 少 なく, 海 上 では 同 じ 傾 向 の 風 速 変 化 が 期 待 され,また, 結 論 で 図 示 する 事 例 時 の 風 況 と 漂 流 シミュレーション 計 算 期 間 の 大 阪 湾 の 風 分 布 と 類 似 性 が 高 いことから, 本 研 究 ではこのデータを 用 いた. 図 -1 神 戸 の 水 位 の 観 測 値 とモデル 値 の 散 布 図 図 -2 神 戸 の 風 速 の 時 系 列 ( 上 ) 観 測 値,( 下 )モデル 値 I_799
土木学会論文集B3 海洋開発, Vol. 70, No. 2, I_798-I_803, 2014. 図-3 EX01における漂流物の分布及び軌跡 図-4 EX02における漂流物の分布及び軌跡 I_800
土木学会論文集B3 海洋開発, Vol. 70, No. 2, I_798-I_803, 2014. 図-5 EX03における漂流物の分布及び軌跡 (2) 漂流物の位置の時間変化と軌跡 漂流物挙動の時間変化を調べるために EX01 EX02 及びEX03において 漂流物投入後6時間 12時間及び24 時間後の漂流物の分布及び48時間後までの軌跡を図-3 図-4及び図-5にそれぞれ示す EX01においては 投入 後6時間後の漂流物は南西及び北東方向に拡散しながら 大阪湾の中央部に位置する 12時間後の漂流物の一部は 泉大津から泉佐野沿岸周辺に漂着し始め 24時間後 す べての漂流物が漂着する 漂流物の軌跡は出発点から概 ね南東向きへ進む傾向を示す 漂流物の最終位置が異な るのは 乱数を用いた乱流拡散によるものである EX02においては 投入後12時間後の漂流物は中心から 四方へ拡散し大阪湾の中央部に位置し その位置は EX01よりも6時間程度遅い 24時間後 漂流物はEX01ほ ど多く大阪沿岸に漂着しない 漂流物の軌跡は EX01 よりも拡散しながら南向きへを進む傾向を示し 48時間 後にその一部は紀淡海峡を通過する 実際に和歌山県沿 岸域にもドラム缶が漂着したという報告があるので 重 ドラム缶の漂流物挙動シミュレーションの結果は少なく とも定性的に対応しており また 重ドラム缶が2日間 程度で紀淡海峡を通過する可能性を示したことは興味深 い EX03においては 漂流物の一部は淡路島北端に漂 着する 24時間後でも 多くの漂流物は出発点周辺に分 布し 漂流物は大阪湾沿岸に漂着しない 漂流物の軌跡 は 出発点から放射状に拡散する傾向を示し 48時間後 でもほとんどの漂流物は漂着していない 4. 結論 大阪湾における神戸市沿岸から泉大津 泉佐野沿岸へ ドラム缶が漂流した事例を参考にして 風圧流を考慮し たドラム缶サイズの漂流物挙動シミュレーションを行っ た 風圧流の効果が強いドラム缶の場合 12 時間後の 漂流物のいくつかは泉大津から泉佐野沿岸周辺に漂着す る 24 時間後にはすべての漂流物が漂着する 多くの 漂流物がこの事例と同じ沿岸周辺に漂着する傾向を示す ことから 風圧流の効果により ドラム缶サイズの漂流 物が神戸市沿岸から泉大津 泉佐野沿岸へ漂流した可能 性が高いことを示した また ドラム缶サイズの漂流物 の挙動には海流の影響は少ないことを示した(EX03) こ れは橋村 石田 1)の結果を支持する 橋村 石田 1)によると ドラム缶の保管場所は大阪湾 に面しておらず 苅藻島北部にある苅藻運河に面してい る 阪神 淡路大震災後 1995 年 1 月 17 日夕方から深夜 までの引き潮がきっかけとなって ドラム缶は大阪湾へ 流出した可能性があるという報告がある 図-6 に阪 神 淡路大震災後の神戸の風速変化を示す 1995 年 1 月 I_801
図 -6 神 戸 の 風 速 変 化 ( 気 象 庁 より) 17 日 夕 方 から 1 月 18 日 午 前 まで 風 速 3m 程 度 の 北 の 風 で,その 後,1 月 19 日 朝 まで 5m 程 度 の 西 または 北 西 の 風 が 卓 越 していた. 図 -7 に MSM による 10m 風 速 ベク トルの 分 布 図 を 示 す(なお, 阪 神 淡 路 大 震 災 時 の MSM データは 存 在 していない). 漂 流 物 挙 動 シミュレーショ ン 計 算 期 間 中, 北 西 あるいは 北 の 風 が 卓 越 しており, 事 故 時 の 風 状 と 概 ね 同 じである. 冬 季 において 大 阪 湾 は 北 西 の 季 節 風 が 卓 越 する 傾 向 にあるので, 今 回 の 事 例 及 び 本 研 究 で 示 した 風 況 は 特 殊 ではないことに 注 意 されたい. 橋 村 石 田 1) は, 風 の 平 年 値 を 用 いたり, 漂 流 物 数 が 少 ないなど 設 定 が 異 なるが, 本 研 究 と 同 様 な 風 圧 流 評 価 法 を 用 いた 吹 走 流 の 効 果 を 入 れた 場 合 の 漂 流 物 挙 動 シミ ュレーションを 行 った.ただし, 風 圧 係 数 は 不 明 だが, 値 は 小 さいと 推 察 される.また, 彼 らは 流 出 油 を 漂 流 物 とした 漂 流 シミュレーションを 用 いたことに 注 意 された い.その 場 合, 漂 流 物 は 48 時 間 で 泉 佐 野 沿 岸 より 南 に 漂 着 し, 本 研 究 結 果 の 漂 流 時 間 よりも 4 倍 程 度 長 い.こ の 違 いの 原 因 は 風 圧 流 係 数 の 大 きさが 問 題 であるので, 本 研 究 のように 実 験 に 基 づいた 妥 当 な 風 圧 係 数 を 用 いて, 漂 流 シミュレーションを 行 うことが 必 要 であることが 示 唆 される.また, 本 研 究 では, 橋 村 石 田 1) の 漂 流 シミ ュレーションで 採 用 されていないランダムウォークを 導 入 することによって, 漂 流 物 が 拡 散 し,そのいくつかは 事 例 と 同 じ 沿 岸 に 漂 着 した.それゆえ, 漂 流 シミュレー ションの 結 果 が 事 例 の 関 連 性 を 示 すロバスト 性 を 確 認 す るためにも,ランダムウォークの 導 入 が 必 要 と 思 われる. 既 存 の 研 究 の1つである 橋 村 石 田 1) は, 今 回 の 事 例 を 参 考 にしたドラム 缶 サイズの 漂 流 シミュレーションで は 風 圧 流 を 評 価 しておらず, 本 研 究 ではこのシミュレー ションにおいて 風 圧 流 の 効 果 を 初 めて 導 入 した. 本 研 究 で 採 用 した 風 圧 流 評 価 方 法 はマクロ 的 だが,このような 単 純 な 風 圧 流 評 価 方 法 を 用 いて, 嶋 田 2) は 東 日 本 大 震 災 の 事 例 の 傾 向 ( 漂 流 時 間, 漂 着 位 置 )を 示 すことができ, また, 小 田 巻 7) は 東 京 湾 にて 風 圧 流 を 考 慮 した 漂 流 物 挙 動 の 観 測 実 験 を 行 い, 漂 流 物 挙 動 をある 程 度 推 定 するこ とができたので,この 方 法 を 用 いることは 妥 当 であると 考 えられる.しかし, 港 湾 付 近 など 大 阪 湾 よりも 狭 い 海 域 などで 形 状 に 特 徴 がある 漂 流 物 の 挙 動 シミュレーショ ンでは, 詳 細 な 漂 流 物 の 動 揺 評 価 が 必 要 であるかもしれ ない.また,ドラム 缶 サイズの 漂 流 物 が 12 時 間 程 度 で 漂 着 開 始 する 可 能 性 があり, 事 例 と 類 似 した 事 故 が 発 生 した 場 合, 早 急 な 対 応 の 必 要 性 があることを 示 した. 図 -7 MSM の 風 速 ベクトル 上 から 投 入 後 0 時 間,12 時 間, 24 時 間,48 時 間 I_802
謝 辞 : 本 研 究 は, 公 益 財 団 法 人 関 西 エネルギー リサイ クル 科 学 研 究 振 興 財 団 若 手 奨 励 研 究 によって 行 われた. 図 -7 ( 続 き) 参 考 文 献 1) 橋 村 真 幸, 石 田 憲 治 : 震 災 時 に 大 阪 湾 に 流 出 した 大 量 危 険 物 ドラム 缶 の 漂 流 解 析, 地 域 安 全 学 会 梗 概 集, No.21, pp.1-4, 2007. 2) 嶋 田 陽 一 : ランダムウォークを 用 いた 漂 流 漁 船 挙 動 シミュ レーションの 試 み: 風 圧 係 数 の 感 度 実 験, 土 木 学 会 論 文 集 B3( 海 洋 開 発 ), Vol.69, No.2, pp.i_1180-i_1185, 2013. 3) 橋 本 英 資, 谷 本 照 己, 星 加 章, 高 杉 由 夫 : 瀬 戸 内 海 における 漂 流 予 測 モデルによる 海 洋 ごみ 分 布 域 の 推 定, 海 岸 工 学 論 文 集, Vol.55, pp.401-405, 2008. 4) 林 美 鶴, 西 尾 茂 : 流 出 油 拡 散 漂 流 予 測 モデルを 用 いた 大 阪 湾 における 油 漂 流 パターンの 解 析, 日 本 航 海 学 会 論 文 集, No.113, pp.249-258, 2005. 5) Large, W. G., Pond,S.: Open Ocean Momentum Flux Measurements in Moderate to Strong Winds, Journal of Physical Oceanography, Vol.11, pp. 324 336, 1981. 6) Cushman-Roisin, Benoit: Introduction to Geophysical Fluid Dynamics, Prentice Hall, 336pp., 1994. 7) 小 田 巻 実 : 沿 岸 域 における 漂 流 予 測 の 試 み, 沿 岸 海 洋 研 究 ノート, Vol.23, No.2, pp.148-154, 1986. 8) Mellor, G. L.: USERS GUIDE for A THREE-DIMENSIONAL, PRIMITIVE EQUATION, NUMERICAL OCEAN MODEL, 41pp., Program in Atmospheric and Oceanic Sciences, Priceton University, Princeton, N.J., 1998. 9) 森 信 人, 佐 地 泰 昭, 重 松 孝 昌, 中 尾 正 喜, 矢 持 進, 間 瀬 肇 : 海 洋 モデルによる 気 象 変 動 を 考 慮 した 大 阪 湾 への 都 市 排 熱 放 出 の 影 響 評 価, 土 木 学 会 論 文 集 B2( 海 岸 工 学 ), Vol.66,No.1, pp.1296-1300, 2010. TRIAL OF THE BEHAVIOR SIMULATION OF DRUM SIZE DRIFTING OBJECTS IN OSAKA BAY Yoichi SHIMADA After the Great Hanshin-Awaji earthquake, Some drums drifted from the Kobe-city coasts to the Izumiohtsu-Izumisano coasts. Based on hints of the drifintg drum accident, we perfromed the tracking simulation of drifting drum size objects considering leeway effects in the Osaka Bay. Some of empty drums have arrived in 12 hours at the Izumiohtsu-Izumisano coasts. All objects have arrived within 24 hours. The trajectories of the empty drums show toward the sourheast from the departure point. Nonleeway objects can hardly arrive at coasts in 48 hours. The empty drum experiment shows the same tendency as the drifting drum accident. There are some possibilities that leeway effects make the empty drums arrive at the Izumiohtsu and Izumisano coasts in 12 hours crossing the Osaka bay. Therefore we suggest that the quick measure to collect drifting objects need depending on their size. I_803