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障害福祉制度あらまし目次

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 ( 単 位 : ) 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 185,8 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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別記

職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 () 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 ( 年 4 月 日 現 在 ) 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 44. 歳 6,4, 歳,44 4,7 7,6 4. 歳 7,

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おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 小 児 科 分 野 2012 年 度 調 査 報 告 書 大 分 大 学 医 学 部 小 児 科 学 講 座 大 分 大 学 医 学 部 地 域 医 療 小 児 科 分 野 ~ 1 ~

目 次 頁 要 旨 3 Ⅰ. おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 の 概 要 4 Ⅱ. 大 分 大 学 小 児 科 学 と 地 域 中 核 病 院 小 児 科 の 地 域 医 療 への 取 り 組 み 卒 後 研 修 プログラム 5 Ⅲ. 予 防 接 種 率 向 上 への 取 り 組 み 6 (1) 麻 しん 風 しん 混 合 (MR)ワクチン 8 (2) 水 痘 ムンプスワクチン 13 (3)インフルエンザ 菌 b 型 (Hib) 7 価 肺 炎 球 菌 ワクチン 15 Ⅳ. 救 急 搬 送 の 円 滑 化 17 Ⅴ. 被 災 地 支 援 22 (1) 九 州 北 部 豪 雨 支 援 22 (2) 東 日 本 大 震 災 支 援 27 Ⅵ. 発 達 障 害 児 支 援 29 Ⅶ. 食 物 アレルギー 対 策 34 Ⅷ. 乳 幼 児 医 療 費 39 (1) 外 来 医 療 費 39 (2) 入 院 医 療 費 40 Ⅸ. 出 生 率 42 Ⅹ. 日 本 小 児 科 学 会 からの 評 価 44 XI. 小 児 科 医 の 卒 後 研 修 47 結 語 謝 辞 48 参 考 資 料 49 報 告 者 ご 協 力 75 ~ 2 ~

要 旨 尐 子 高 齢 過 疎 化 は 日 本 のほとんど 全 ての 地 方 市 町 村 が 抱 える 大 きな 問 題 であり 地 域 存 続 や 一 次 産 業 の 育 成 や 地 域 経 済 の 安 定 化 のためには その 地 域 の 子 どもの 出 生 と その 地 域 での 育 成 が 必 須 で ある 大 分 大 学 小 児 科 は 地 域 における 小 児 医 療 と 尐 子 高 齢 過 疎 化 が 逆 相 関 することを 報 告 し 行 政 との 連 携 のもと 以 下 の 活 動 を 継 続 している 1. 地 域 の 小 児 科 へ 安 定 継 続 的 に 小 児 科 医 を 派 遣 し 常 勤 化 2. 医 療 圏 内 および 時 には 大 分 大 学 小 児 科 を 中 核 病 院 として 当 医 局 員 の 協 力 のもと 医 療 圏 を 越 え て 近 隣 の 病 院 間 で 輪 番 制 を 敷 き 準 夜 休 日 の 時 間 外 救 急 医 療 3. 定 期 予 防 接 種 率 の 向 上 水 痘 ムンプス 等 の 任 意 予 防 接 種 を 全 額 公 的 助 成 4. 行 政 と 連 携 協 力 し 5 歳 児 健 診 を 導 入 して 発 達 障 害 児 を 就 学 前 に 診 断 し 早 期 介 入 療 育 を 経 て 地 元 の 普 通 小 学 校 への 入 学 を 支 援 5. 大 学 は 三 次 後 方 支 援 病 院 高 度 専 門 医 療 に 専 念 し 研 究 教 育 病 院 としての 機 能 を 高 める 地 域 振 興 小 児 科 に 派 遣 され 勤 務 している 若 手 小 児 科 医 は 週 1 回 の 研 修 研 究 日 を 取 得 する 6. さらに 教 育 指 導 のために 教 員 が 定 期 的 に 地 域 振 興 小 児 科 を 巡 回 し その 小 児 科 の 能 力 向 上 を 支 援 する 大 分 大 学 小 児 科 は 過 去 5 年 間 に 新 規 派 遣 増 員 した 8 地 域 中 核 病 院 を 含 む 県 内 外 29 病 院 施 設 に 小 児 科 医 を 派 遣 している 予 防 医 学 健 診 活 動 を 推 進 する 市 町 村 では 予 防 接 種 率 の 向 上 に 伴 い 感 染 症 が 減 尐 し 出 生 率 の 増 加 高 い 費 用 対 効 果 が 得 られた 一 次 救 急 医 療 の 軽 減 は 更 なる 予 防 医 学 の 重 点 化 が 可 能 となり 発 達 障 害 を 持 ちながらも 地 元 の 普 通 学 校 やその 通 常 学 級 に 就 学 する 児 童 が 増 え 全 体 としても 長 期 欠 席 児 童 が 減 尐 する 傾 向 がみられている 地 域 において 行 政 との 連 携 による 小 児 医 療 小 児 保 健 の 重 点 化 は 感 染 症 の 減 尐 発 達 障 害 を 持 つ 児 への 支 援 強 化 長 期 欠 席 児 童 の 減 尐 出 生 率 の 増 加 経 済 効 果 等 を 介 して その 地 域 を 子 どもを 産 み 育 てやすい 街 元 気 な 子 どもの 育 つ 街 にしえることを 証 明 した この 事 業 は 日 本 小 児 科 学 会 より 地 域 医 療 のモデルケースとして 認 定 された ~ 3 ~

Ⅰ. おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 の 概 要 地 域 における 小 児 科 医 産 婦 人 科 医 の 安 定 的 継 続 的 な 派 遣 を 可 能 とするために 調 査 した 2006 年 の 小 児 周 産 期 医 療 を 担 う 医 師 を 確 保 する 方 策 を 講 じるためのアンケート(2011 年 度 末 報 告 書 参 照 : 是 松 聖 悟 ほか. 日 本 小 児 科 学 会 雑 誌 2009;113:1587-1592)にて 医 学 生 と 初 期 研 修 医 の 70% 以 上 が 複 数 医 師 による 勤 務 と 休 暇 診 療 技 術 専 門 医 等 の 資 格 取 得 の 支 援 収 入 2-3 年 の 期 間 限 定 の 条 件 が 整 えば 過 疎 地 域 医 療 への 貢 献 はいとわないと 回 答 した そこで 2008 年 4 月 に 大 分 県 は おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 を 大 分 大 学 医 学 部 に 委 託 した 医 師 に 対 する 卒 後 教 育 の 重 点 化 を 介 した 地 域 医 療 への 貢 献 を 主 目 的 とし 小 児 科 分 野 では 図 1 のように 地 域 中 核 病 院 に 常 勤 非 常 勤 の 小 児 科 医 を 派 遣 し 大 分 大 学 医 学 部 小 児 科 学 講 座 および 同 地 域 医 療 小 児 科 分 野 の 教 員 が 大 分 市 別 府 市 以 外 の 地 域 中 核 病 院 を 定 期 巡 回 し 派 遣 医 師 の 後 方 支 援 をしながら 地 域 住 民 のニーズや 受 療 動 向 地 域 中 核 病 院 小 児 科 の 診 療 体 制 勤 務 環 境 整 備 を 調 査 分 析 し 地 域 中 核 病 院 における 専 門 医 医 学 博 士 取 得 のための 卒 後 研 修 プログラムを 開 発 してい る 同 時 に 県 は 後 期 研 修 で 小 児 科 産 婦 人 科 を 選 択 した 医 師 に 対 する 研 修 支 援 と 地 域 中 核 病 院 とと もに 地 域 病 院 に 勤 務 する 医 師 に 対 する 国 内 外 留 学 支 援 を 行 っている 2012 年 度 は 大 分 市 医 師 会 立 アルメイダ 病 院 大 分 こども 病 院 佐 伯 市 の 慈 恵 会 西 田 病 院 に それぞ れ 常 勤 医 1 名 を 増 員 派 遣 した 図 1:おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 の 概 略 図 ~ 4 ~

Ⅱ. 大 分 大 学 小 児 科 学 と 地 域 中 核 病 院 小 児 科 の 地 域 医 療 への 取 り 組 み 卒 後 研 修 プログラム 大 分 大 学 小 児 科 は 地 域 における 小 児 医 療 と 尐 子 高 齢 過 疎 化 が 逆 相 関 することを 示 し(2011 年 度 末 報 告 書 参 照 : 泉 達 郎 ほか. 小 児 保 健 研 究 2005;64:441-446) 地 域 病 院 小 児 科 はすでに 集 約 され ているとの 認 識 の 下 行 政 と 協 力 し 過 疎 地 域 中 核 病 院 への 小 児 医 療 の 提 供 を 継 続 している 医 師 卒 後 研 修 プログラム( 図 2)として 大 学 病 院 での 専 門 性 の 高 い 診 療 技 術 や 研 究 だけでなく 地 域 中 核 病 院 において 大 学 で 研 修 できない 分 野 (プライマリケア 一 次 救 急 予 防 医 学 感 染 症 等 )の 研 修 を 追 加 した そして 大 学 教 員 ( 教 授 准 教 授 講 師 助 教 )が 地 域 中 核 病 院 を 定 期 的 に 巡 回 し 後 期 研 修 医 を 含 む 若 手 小 児 科 医 の 研 修 研 究 臨 床 の 後 方 支 援 を 行 い 後 期 研 修 終 了 後 に 小 児 科 専 門 医 の 受 験 取 得 ができる 体 制 を 構 築 している 小 児 科 専 門 医 取 得 後 は 大 学 院 での 研 究 や 各 種 専 門 医 コース( 小 児 神 経 てんかん アレルギ ー 血 液 新 生 児 循 環 器 糖 尿 病 )での 研 修 へと 進 む このコースにも 地 域 中 核 病 院 での 研 修 プ ログラムを 導 入 し 国 内 外 に 留 学 する 機 会 を 得 ている 2012 年 度 は 新 規 に 地 域 中 核 病 院 に 派 遣 していた 小 児 科 医 1 名 が カナダの University of Toronto に 本 システムを 利 用 して 留 学 した 図 2: 大 分 大 学 小 児 科 学 講 座 の 卒 後 研 修 プログラム ~ 5 ~

図 3は 2013 年 4 月 現 在 の 大 分 県 下 の 病 院 施 設 における 小 児 科 医 の 分 布 状 況 を 示 している 施 設 名 の No.に 下 線 を 引 いている 施 設 に 大 分 大 学 小 児 科 から 医 師 を 派 遣 している しかし 中 津 市 民 病 院 に は 福 岡 大 学 小 児 科 から 別 府 医 療 センターや 大 分 県 立 病 院 には 九 州 大 学 小 児 科 から 大 分 こども 病 院 には 久 留 米 大 学 小 児 科 からも 医 師 が 派 遣 されており 大 分 の 地 域 医 療 に 多 大 な 貢 献 をいただいてい る 大 分 大 学 小 児 科 は 2013 年 7 月 より 2009 年 に 開 業 小 児 科 が 閉 院 して 以 来 常 勤 小 児 科 医 不 在 だった 豊 後 高 田 市 にある 新 生 会 高 田 中 央 病 院 に 県 や 県 医 師 会 市 町 村 の 要 望 に 応 じて 常 勤 小 児 科 医 を 派 遣 する 予 定 である 図 3: 大 分 県 下 の 病 院 施 設 における 小 児 科 医 の 分 布 状 況 ~ 6 ~

Ⅱ. 予 防 接 種 率 向 上 への 取 り 組 み 大 分 大 学 小 児 科 は 県 や 各 市 町 村 教 育 委 員 会 と 連 係 して 市 報 ケーブルテレビ ミニ 講 演 会 などを 通 じた 広 報 活 動 や 個 人 勧 奨 などを 通 じて 定 期 予 防 接 種 の 接 種 率 向 上 任 意 予 防 接 種 の 公 費 助 成 に 努 めている( 参 考 資 料 1) 表 1 のように 9 市 町 村 で 水 痘 ワクチンやムンプスワクチンの 助 成 が 8 市 町 村 で 5 歳 児 健 診 が 導 入 されている 同 じく 医 療 費 助 成 の 動 きも 徐 々に 広 がっているが 私 たちは 予 防 の 土 台 のないままに 医 療 費 だけ 助 成 していくことの 危 険 性 を 示 した( 参 考 資 料 2: 是 松 聖 悟 ほか. 公 的 補 助 による 任 意 予 防 接 種 と 医 療 費 控 除 の 小 児 医 療 地 域 社 会 への 影 響. 日 児 誌 2012;116:1380-1386) 表 1: 大 分 県 各 市 町 村 の 医 療 費 任 意 予 防 接 種 助 成 5 歳 児 健 診 導 入 状 況 ~ 7 ~

(1) 麻 しん 風 しん 混 合 (MR)ワクチン 2012 年 より 日 本 では 風 疹 が 流 行 している 予 防 接 種 を 受 ける 機 会 のなかった20-40 歳 代 の 男 性 を 中 心 に 感 染 が 拡 大 し 同 世 代 の 妊 婦 への 波 及 した 結 果 不 幸 にも 脳 や 聴 力 視 力 心 臓 に 病 気 を 抱 えた 先 天 性 風 疹 症 候 群 を 持 つ 新 生 児 が 数 名 出 生 している( 参 考 資 料 1) 麻 しん 風 しん 混 合 (MR)ワクチンの 接 種 率 調 査 が 始 まった 2007 年 大 分 県 の 2 期 ( 小 学 校 就 学 前 年 に にあたる 幼 児 が 対 象 ) 接 種 率 は 79.4%で 全 国 最 下 位 であった その 後 県 内 の 小 児 科 医 行 政 教 育 委 員 会 が 連 係 しての 啓 発 に 努 め(2011 年 度 末 報 告 参 照 ) 表 2 に 示 したように その 接 種 率 は 徐 々に 増 加 している 表 3 のように 2 期 の 接 種 率 の 伸 び 率 は 全 国 1 位 である ただし 1 期 (1 歳 児 ) 2 期 に 比 べ 3 期 ( 中 学 1 年 生 ) 4 期 ( 高 校 3 年 生 に 相 当 する 学 年 )の 接 種 率 は 未 だ 90.5 86.2%である 特 に 結 婚 妊 娠 の 時 期 が 近 づく 高 校 3 年 生 の 14%が 先 天 性 風 疹 症 候 群 の 子 どもを 持 ってしまう 危 険 を 持 ったまま 成 人 していくことを 考 えると さらなる 啓 発 が 必 要 である 表 2: 大 分 県 内 の MR ワクチン 接 種 率 と 全 国 順 位 ~ 8 ~

表 3:MR ワクチン 2 期 接 種 率 の 2007 年 から 2011 年 までの 伸 び 率 ~ 9 ~

表 4-7 は MR ワクチンの 市 町 村 毎 の 接 種 率 順 位 を 示 している 1 期 は 国 東 市 佐 伯 市 津 久 見 市 姫 島 村 の 100%をはじめとして 流 行 阻 止 のために 必 要 な 95% 以 上 の 接 種 率 を 九 重 町 中 津 市 豊 後 大 野 市 臼 杵 市 宇 佐 市 杵 築 市 が 達 成 した 表 4:2011 年 MR ワクチン 1 期 接 種 率 ( 大 分 県 市 町 村 順 位 ) 2 期 は 姫 島 村 津 久 見 市 国 東 市 豊 後 大 野 市 日 出 町 竹 田 市 豊 後 高 田 市 別 府 市 臼 杵 市 宇 佐 市 玖 珠 町 の 順 に 接 種 率 95% 以 上 を 達 成 した 表 5:2011 年 MR ワクチン 2 期 接 種 率 ( 大 分 県 市 町 村 順 位 ) ~ 10 ~

3 期 は 姫 島 村 国 東 市 津 久 見 市 玖 珠 町 日 出 町 豊 後 大 野 市 の 順 に 95% 以 上 を 達 成 した 表 6:2011 年 MR ワクチン 3 期 接 種 率 ( 大 分 県 市 町 村 順 位 ) 4 期 は 姫 島 村 津 久 見 市 国 東 市 九 重 町 豊 後 高 田 市 の 順 に 95% 以 上 を 達 成 した 表 7:2011 年 MR ワクチン 4 期 接 種 率 ( 大 分 県 市 町 村 順 位 ) ~ 11 ~

表 8 は MR ワクチン 2 期 接 種 率 について 2007 年 から 2011 年 までの 伸 び 率 を 示 している 100%を 維 持 している 姫 島 村 や 従 来 から 高 率 であった 国 東 市 の 伸 び 率 は 低 く 計 算 されてしまうが 2007 年 当 時 低 率 であった 別 府 市 豊 後 高 田 市 大 分 市 が 高 い 伸 び 率 を 示 した 特 に 豊 後 高 田 市 は 2009 年 に 開 業 小 児 科 の 閉 院 に 伴 い 常 勤 小 児 科 医 が 不 在 の 市 となったにも 関 わらず MR ワクチン 接 種 率 が 向 上 して おり 市 市 医 師 会 と 大 分 大 学 小 児 科 ( 週 2 日 の 非 常 勤 医 師 派 遣 )の 連 係 の 成 果 と 考 えた 表 8:MR ワクチン 2 期 接 種 率 の 伸 び 率 ( 大 分 県 市 町 村 順 位 ) ~ 12 ~

(2) 水 痘 ムンプスワクチン 13 年 間 常 勤 小 児 科 医 が 不 在 だった 竹 田 市 は 2006 年 大 分 大 学 小 児 科 から 常 勤 小 児 科 医 の 派 遣 が 開 始 されたと 同 時 に 水 痘 ムンプスワクチンを 全 額 公 費 助 成 したところ 予 防 接 種 数 の 増 加 発 生 数 の 減 尐 が 確 認 された( 図 4) 図 4: 大 分 県 竹 田 市 の 水 痘 ムンプスの 予 防 接 種 数 と 発 生 数 の 推 移 感 染 症 の 減 尐 のみならず 合 計 特 殊 出 生 率 の 増 加 (2011 年 度 末 報 告 書 参 照 : 泉 達 郎 ほか. 小 児 科 医 のいない 街 から こどもを 産 み 育 てやすい 街 への 転 換 - 過 疎 地 域 における 小 児 医 療 保 健 の 役 割 と 評 価 -. 小 児 保 健 研 究 2011;70:88-90) 高 い 費 用 対 効 果 ( 参 考 資 料 2)が 得 られ 地 域 活 性 化 経 済 支 援 にも 貢 献 していることが 確 認 された 2009 年 諸 事 情 で 6 か 月 間 小 児 医 療 を 中 断 せざるを 得 ない 時 期 に は 予 防 接 種 率 が 低 下 し 水 痘 の 流 行 がみられた あらためて 予 防 接 種 の 有 効 性 が 示 された その 成 果 は 大 分 県 内 に 浸 透 し 2009 年 より 豊 後 大 野 市 と 豊 後 高 田 市 が 2012 年 より 津 久 見 市 日 田 市 姫 島 村 佐 伯 市 が 水 痘 ムンプス 予 防 接 種 を 無 料 化 ( 豊 後 大 野 市 は 水 痘 のみ)した( 表 1) 助 成 開 始 後 に これらの 市 町 村 の 予 防 接 種 率 は 増 加 しており( 表 9) 感 染 症 の 減 尐 に 寄 与 している( 表 10) 2013 年 4 月 からは 杵 築 市 も 水 痘 ムンプスワクチンの 公 費 助 成 を 開 始 している ワクチン 公 費 助 成 の 効 果 を 図 9 10 に 示 す 予 防 接 種 率 は 当 該 市 町 村 の 医 療 機 関 におけるワクチン 入 荷 数 を 前 年 出 生 数 で 除 した 推 定 接 種 率 とした 感 染 症 発 生 数 は 各 保 健 所 管 轄 の 定 点 医 療 機 関 から 報 告 される 発 生 数 を 市 町 村 別 に 再 抽 出 し 小 児 人 口 比 に 応 じた 定 点 数 の 補 正 を 行 い さらに 市 町 村 外 の 医 療 機 関 を 受 診 したことによる 乳 幼 児 医 療 費 の 市 外 への 流 出 率 その 逆 による 市 外 からの 流 入 率 に よる 相 互 補 正 を 行 った 例 えば 臼 杵 市 の 定 点 医 療 機 関 は 1 施 設 であるが 小 児 人 口 比 から 鑑 みて 他 市 町 村 との 格 差 をなくす ために 望 ましい 定 点 数 は 1.1 施 設 となるため 発 生 数 に 110%の 定 点 補 正 が 必 要 となり 次 に 臼 杵 市 の 乳 幼 児 医 療 費 の 臼 杵 市 内 の 医 療 機 関 への 支 払 い 率 は 40% 臼 杵 市 内 の 医 療 機 関 へ 市 外 から 支 払 われ た 医 療 費 の 市 外 からの 流 入 率 は 30%であるため (100 40) x (100-30)=175%の 相 互 補 正 を 行 った ~ 13 ~

表 9: 水 痘 ムンプスワクチンの 接 種 率 表 10: 水 痘 ムンプスの 発 生 数 ( 医 療 費 入 出 率 小 児 人 口 補 正 後 の 定 点 報 告 数 ) ~ 14 ~

(3)インフルエンザ 菌 b 型 (Hib) 7 価 肺 炎 球 菌 ワクチン Hib ワクチン 7 価 肺 炎 球 菌 ワクチンは 2013 年 4 月 より 定 期 化 されたが 2013 年 3 月 までは 子 宮 頸 がん 等 ワクチン 接 種 緊 急 促 進 事 業 として 大 分 県 内 では 全 ての 市 町 村 で 公 費 助 成 による 無 料 化 が 実 現 されていた 大 分 県 では 市 町 村 相 互 乗 り 入 れ 事 業 を 実 施 しており その 接 種 率 を 調 査 していた ここで は その 接 種 率 と 7 か 月 未 満 児 の 接 種 率 をもととした 県 内 の 市 町 村 順 位 を 表 11 12 に 示 す 津 久 見 市 日 出 町 臼 杵 市 の 順 に 高 い 接 種 率 を 示 していた 表 11:2011 年 度 Hib ワクチン 接 種 率 県 内 順 位 ~ 15 ~

表 12:2011 年 度 7 価 肺 炎 球 菌 ワクチン 接 種 率 県 内 順 位 竹 田 市 津 久 見 市 豊 後 高 田 市 豊 後 大 野 市 佐 伯 市 など おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 を 介 して 市 町 村 医 師 会 教 育 委 員 会 大 学 の 連 携 による 感 染 予 防 の 啓 発 予 防 接 種 事 業 の 強 化 ( 参 考 資 料 3)が 徐 々にはかられて 来 ていることが 明 らかとなった 予 防 接 種 率 の 低 かった 杵 築 市 も 2012 年 より 市 報 での 感 染 症 予 防 啓 発 を 開 始 した( 参 考 資 料 4) 今 後 の 動 向 に 着 目 したい ~ 16 ~

Ⅳ. 救 急 搬 送 の 円 滑 化 大 分 県 では 円 滑 な 救 急 搬 送 を 目 指 す 目 的 で 2010 年 の 大 分 県 救 急 搬 送 協 議 会 小 児 救 急 搬 送 検 討 部 会 にて 搬 送 システムを 改 訂 した 疾 患 の 重 症 度 判 定 を 簡 素 化 することにより 消 防 隊 による 初 期 判 定 を 迅 速 化 し 重 症 度 毎 疾 患 毎 に あらかじめ 県 が 指 定 し 登 録 している 搬 送 先 医 療 機 関 へ 優 先 的 に 照 会 するようにした(2011 年 度 末 報 告 書 参 照 ) 今 回 2012 年 4-9 月 の 15 歳 未 満 の 救 急 搬 送 の 実 態 調 査 を 行 い 一 部 2009 年 度 との 比 較 を 行 った 表 13 は 2012 年 4-9 月 15 歳 未 満 救 急 搬 送 の 実 績 を 疾 病 と 外 傷 等 または 平 日 日 勤 帯 と 休 日 夜 間 で 分 け 搬 送 先 医 療 機 関 への 照 会 件 数 を 示 したものである 1,027 件 の 救 急 搬 送 のなかで ほとんどが 最 初 に 照 会 した 医 療 機 関 が 受 け 入 れたことを 示 しているが 照 会 5 施 設 目 での 受 け 入 れが 4 件 6 施 設 目 での 受 け 入 れが 4 件 みられ 疾 病 よりも 外 傷 等 で 平 日 日 勤 帯 よりも 休 日 夜 間 に その 傾 向 が 多 くみ うけられた 表 13:2012 年 4-9 月 の 15 歳 未 満 救 急 搬 送 ~ 17 ~

次 に 搬 送 先 の 初 診 医 が 重 症 と 初 期 判 定 した 症 例 について 同 様 に 解 析 した 27 件 の 重 症 例 に 対 して 疾 病 平 日 日 勤 帯 では 照 会 2 施 設 目 までに 搬 送 先 が 決 定 していたが 休 日 夜 間 の 外 傷 等 2 件 は 搬 送 先 決 定 まで 3 施 設 の 照 会 を 要 していた 表 14:2012 年 4-9 月 の 15 歳 未 満 救 急 搬 送 ( 重 症 ) ~ 18 ~

表 15 にて 今 回 の 2012 年 4-9 月 のデータを 2009 年 のデータと 比 較 した 救 急 要 請 から 搬 送 までの 時 間 (2009 年 /2012 年 =28±12 分 31±14 分 ) 医 療 機 関 への 照 会 件 数 (1.2±0.5 回 /1.2±0.7 回 )には 差 がなく 疾 病 外 傷 等 に 分 けても 同 様 の 結 果 であった 搬 送 先 の 初 診 医 が 重 症 と 判 断 した 症 例 の 搬 送 ま での 時 間 も 32±20 分 /30±17 分 と 差 がなかった 2012 年 4-9 月 における 照 会 件 数 3 件 以 上 の 症 例 は 疾 病 22 例 外 傷 等 44 例 で 2009 年 と 同 様 に 外 傷 等 の 搬 送 に 問 題 が 残 されていることが 明 らかになっ た 表 15: 救 急 搬 送 症 例 の 実 態 調 査 1 ~ 19 ~

表 16 には 搬 送 まで 1 時 間 以 上 要 した 症 例 を 記 載 した 2009 年 の 85 例 に 対 して 2012 年 4-9 月 は 72 例 と 増 加 していたにも 関 わらず 重 症 例 での 1 時 間 以 上 要 した 症 例 は 2009 年 の 7 例 に 対 して 2012 年 4-9 月 は 3 例 であった 市 町 村 毎 にみると 宇 佐 消 防 署 管 内 7 例 由 布 消 防 署 管 内 9 例 竹 田 消 防 署 管 内 15 例 が 多 い 地 域 として 挙 げられる 宇 佐 の 7 例 は 疾 病 3 例 外 傷 等 4 例 が 内 訳 である 由 布 の 9 例 は 疾 病 3 例 と 外 傷 等 6 例 に 分 けられ 全 て 時 間 外 の 搬 送 であった ただし 軽 症 5 例 中 等 症 1 例 で 重 症 例 で 搬 送 1 時 間 以 上 を 要 した 症 例 はなかった 竹 田 の 15 例 は 疾 病 12 例 と 外 傷 等 3 例 に 分 けら れ 全 て 時 間 外 の 搬 送 であった また 隊 員 が 重 症 ととらえた 症 例 が 7 名 あった 3 例 は 照 会 2 件 以 上 を 要 していたが この 3 例 全 てを 搬 送 先 の 初 診 医 は 軽 症 ととらえており 救 急 隊 員 の 初 期 判 断 のスキルアップが 急 務 であると 思 われた 表 16: 救 急 搬 送 の 実 態 調 査 2 ~ 20 ~

表 17 には 市 町 村 毎 の 搬 送 時 間 照 会 件 数 を 記 載 した 平 日 日 勤 帯 の 搬 送 は おおむね 30 分 前 後 照 会 件 数 1-2 件 でできていたが 竹 田 消 防 署 管 内 における 夜 間 休 日 の 疾 病 症 例 豊 後 高 田 消 防 署 管 内 における 夜 間 休 日 の 外 傷 等 症 例 が 搬 送 までの 時 間 が 45 分 以 上 となっていた 竹 田 には 小 児 科 医 が 1 名 しかおらず 豊 後 高 田 は 小 児 科 医 が 不 在 の 地 域 (2013 年 7 月 より 大 分 大 学 小 児 科 より 派 遣 予 定 ) である 豊 肥 医 療 圏 の 二 次 病 院 である 豊 後 大 野 市 民 病 院 が 小 児 の 疾 病 に 対 する 救 急 搬 送 を より 受 け 入 れられる 体 制 となることを 望 む また 豊 後 高 田 をはじめとして 大 分 県 における 小 児 の 外 傷 等 の 搬 送 には 多 くの 課 題 があることが 示 された 表 17: 救 急 搬 送 の 実 態 調 査 3 ~ 21 ~

さらに 表 18 には 市 町 村 毎 の 搬 送 件 数 疾 病 ( 外 傷 等 を 除 く)の 搬 送 先 を 記 載 した 竹 田 豊 後 大 野 消 防 署 管 内 の 搬 送 先 第 1 位 は 搬 送 件 数 も 多 く 医 療 圏 を 超 えて 大 分 こども 病 院 であ った 豊 肥 医 療 圏 の 2 次 救 急 体 制 の 改 善 が 望 まれる また 日 田 消 防 署 管 内 の 搬 送 先 第 1 位 がご 開 業 されている 個 人 クリニックであることも 改 善 すべき 点 で ある 大 分 県 済 生 会 日 田 病 院 は 時 間 外 診 療 の 負 担 が 増 えたため 2006 年 に 時 間 外 受 診 を 抑 制 した 2007 年 には 常 勤 小 児 科 医 が2 名 から1 名 と 減 員 されたため 大 分 大 学 小 児 科 からの 常 勤 医 師 派 遣 が 開 始 された 救 急 搬 送 体 制 も 含 め 再 検 討 が 必 要 である 表 18: 救 急 搬 送 の 実 態 調 査 3 ~ 22 ~

Ⅴ. 被 災 地 支 援 (1) 九 州 北 部 豪 雨 支 援 2012 年 7 月 の 九 州 北 部 豪 雨 では 大 分 県 竹 田 市 日 田 市 中 津 市 が 被 災 した なかでも 竹 田 市 では 唯 一 の 小 児 科 医 療 期 間 である 竹 田 市 立 こども 診 療 所 が 約 1m 浸 水 し 1 か 月 に 渡 り 小 児 科 の 診 療 ができ ない 状 況 に 陥 った 豊 肥 医 療 圏 の 二 次 病 院 である 豊 後 大 野 市 民 病 院 への 道 も 寸 断 された 状 況 となっ た 大 分 大 学 小 児 科 は 泉 達 郎 教 授 の 指 示 にて 是 松 末 延 聡 一 教 授 ( 大 分 こども 急 性 救 急 疾 患 学 部 門 医 療 研 究 事 業 )が 希 望 した 医 学 部 学 生 とともに 竹 田 に 入 り 避 難 所 を 巡 回 した 避 難 生 活 を 送 る 親 子 の 心 のケアに 努 めた 被 災 時 特 に 発 達 障 害 を 持 つ 子 どもなどは 避 難 所 での 生 活 が 難 しいことが 明 らかになり また 水 害 後 に うつ 傾 向 を 示 すこどもや 睡 眠 障 害 などを 来 たす 子 どもがいることも 判 明 した 市 とともに 早 期 か ら 子 どものいる 家 庭 に 連 絡 をとり 継 続 的 な 支 援 を 行 った 大 分 合 同 新 聞 (2012 年 7 月 16 日 ) ~ 23 ~

朝 日 新 聞 (2012 年 7 月 20 日 ) ~ 24 ~

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大 分 合 同 新 聞 (2012 年 8 月 10 日 ) (2) 東 日 本 大 震 災 支 援 大 分 大 学 小 児 科 は 日 本 小 児 科 学 会 による 東 日 本 大 震 災 被 災 地 支 援 事 業 の 一 環 として 2011 年 1-3 月 に 岩 手 県 立 大 船 渡 病 院 県 立 高 田 病 院 などでの 支 援 活 動 に 参 加 した 今 回 は 大 分 大 学 小 児 科 の 過 疎 地 域 過 疎 病 院 小 児 科 でのこれまでの 取 り 組 み( 大 分 県 内 の 過 疎 地 域 病 院 に 常 勤 小 児 科 医 を 派 遣 し 時 間 外 診 療 や 定 期 予 防 接 種 率 向 上 をはかり 地 域 の 行 政 や 教 育 委 員 会 と 協 力 して 任 意 予 防 接 種 を 無 料 化 5 歳 児 健 診 と 発 達 障 害 児 支 援 を 実 施 することによって 子 どもを 産 み 育 てやすい 環 境 が 整 備 された 竹 田 市 や 津 久 見 市 における 合 計 特 殊 出 生 率 出 生 数 の 増 加 に 貢 献 ) が 日 本 小 児 科 学 会 から 地 域 医 療 のモデルケースとして 認 定 された( 後 述 )こともあり 大 分 - 岩 手 の 交 通 費 支 給 のもと 再 度 支 援 を 依 頼 された 震 災 後 にさらなる 過 疎 化 の 増 悪 した 被 災 地 にて 活 動 を 展 開 し 当 地 の 人 口 流 出 過 疎 化 の 軽 減 に 協 力 することとしている 2013 年 3 月 より 泉 達 郎 教 授 を 筆 頭 に 小 児 科 専 門 医 小 児 神 経 専 門 医 が 月 1 回 水 曜 日 午 前 の 診 療 教 育 をした 後 大 分 を 出 発 し 3 泊 4 日 の 日 程 で 現 地 に 入 り 乳 幼 児 健 診 や5 歳 児 健 診 予 防 接 種 一 般 診 療 時 間 外 診 療 などの 業 務 をおこなう 他 研 修 会 での 講 演 なども 予 定 している 子 どもを 産 み 育 てやすい 街 なしには 大 震 災 からの 真 の 復 興 はない 大 分 県 や 関 係 する 市 町 村 とも 協 力 して 復 興 の 一 助 になるように 努 めている ~ 27 ~

大 分 合 同 新 聞 (2013 年 3 月 20 日 ) ~ 28 ~

Ⅵ. 発 達 障 害 児 支 援 大 分 大 学 小 児 科 は 行 政 教 育 福 祉 が 連 携 して 5 歳 児 健 診 にて 発 達 障 害 児 の 就 学 前 早 期 診 断 し 早 期 介 入 療 育 を 経 て 地 元 の 普 通 小 学 校 への 入 学 を 支 援 する 活 動 の 意 義 と 成 果 問 題 点 を 検 討 してい る 県 は 大 分 大 学 小 児 科 を 子 どもの 心 診 療 拠 点 病 院 に 認 定 し 発 達 障 がい 児 等 心 のネットワーク 推 進 事 業 を 委 託 した 県 および 市 町 村 と 連 携 し 5 歳 児 健 診 を 従 来 の 就 学 6 か 月 前 の 就 学 前 健 診 より 約 1 年 早 く 実 施 している 1. 地 元 の 保 健 師 による 一 次 スクリーニング 2. 地 元 医 師 会 や 大 分 大 学 からの 地 域 振 興 病 院 小 児 科 への 若 手 派 遣 医 による 二 次 健 診 3. 三 次 健 診 は 小 児 神 経 専 門 医 が 担 当 し 発 達 障 害 児 を 診 断 4. 就 学 までの 1~1.5 年 間 小 児 神 経 専 門 医 と 児 童 精 神 科 医 臨 床 心 理 士 地 元 の 特 別 支 援 教 員 や 保 健 師 が 協 力 しての 言 葉 や 行 動 の 早 期 介 入 療 育 を 経 て 普 通 小 学 校 への 入 学 を 支 援 5. 県 教 委 は 普 通 小 学 校 に 特 別 支 援 教 育 の 資 格 を 有 す 教 諭 を 2012 年 度 に 6 名 2013 年 度 に 9 名 配 置 図 5: 大 分 県 の 5 歳 児 健 診 の 実 施 概 要 ~ 29 ~

大 分 県 内 18 市 町 村 のうち 委 託 前 より 実 施 していた 2 市 に 加 え 新 規 に 2012 年 度 は 5 市 町 2013 年 度 は 2 市 の 計 9 市 が 5 歳 児 健 診 を 導 入 した( 表 1) 2012 年 度 は 9 市 2000 名 の 対 象 児 に 対 して 1552 名 (77.6%)が 一 次 スクリーニングを 受 け 小 児 神 経 専 門 医 による 三 次 健 診 には 82 名 (4.1%)が 受 診 し 発 達 障 害 の 診 断 分 類 を 受 け 支 援 を 開 始 された 表 19:2012 年 度 の 大 分 県 の 5 歳 児 健 診 の 実 績 先 行 実 施 している 竹 田 市 津 久 見 市 では 5 年 間 で 対 象 となった1,165 名 中 261 名 (22.4%)を 要 観 察 の 判 定 のもと 支 援 し 就 学 後 も 支 援 を 継 続 している 21 名 全 員 が 普 通 学 校 に 入 学 し 18 名 が 普 通 学 級 に 在 籍 し 長 期 欠 席 児 童 はいない 竹 田 市 では 全 小 中 学 生 の 長 期 欠 席 も 減 尐 した( 小 学 校 / 中 学 校 / 合 計 は 2005 年 が 3/15/18 名 2012 年 が 0/10/10 名 ) この 結 果 は 発 達 障 害 児 支 援 によって 全 ての 子 どもが 楽 しく 学 校 生 活 がすごせる 地 域 社 会 が 実 現 で きることを 示 している ~ 30 ~

表 20: 竹 田 市 における 5 歳 児 健 診 と 1 年 間 の 教 育 支 援 後 の 就 学 状 況 表 21: 津 久 見 市 における 5 歳 児 健 診 と 1 年 間 の 教 育 支 援 後 の 就 学 状 況 ~ 31 ~

大 分 合 同 新 聞 (2013 年 1 月 19 日 ) ~ 32 ~

大 分 合 同 新 聞 (2013 年 2 月 28 日 ) ~ 33 ~

大 分 合 同 新 聞 (2012 年 11 月 8 日 ) ~ 34 ~

Ⅶ. 食 物 アレルギー 対 策 2011 年 度 末 報 告 書 に 記 載 したように 学 校 幼 稚 園 保 育 所 などでは 食 物 アレルギーを 持 つ 児 に 対 する 給 食 がひとつの 問 題 となっている 2012 年 は 他 県 で 食 物 アレルギーを 持 つ 児 が 学 校 給 食 での 誤 食 がもとで 死 亡 した 事 故 もあったため その 対 策 は 急 務 である しかし 実 際 は 医 師 の 診 断 を 受 け ていないまま 給 食 対 応 している 子 どもも 尐 なくない その 結 果 必 要 以 上 と 思 われる 除 去 食 が 学 校 給 食 で 求 められ かつ 誤 食 によってアナフィラキシーを 生 じる 危 険 性 のある 食 品 と 軽 度 のかゆみ 程 度 ですむ 食 品 の 区 別 がなれされていない 危 険 な 状 況 に 陥 っている 大 分 大 学 附 属 病 院 は アレルギー 科 を 外 形 標 示 し 小 児 科 内 科 耳 鼻 咽 喉 科 等 の 医 師 によるアレル ギー 診 療 がなされているが その 他 地 域 中 核 病 院 である 国 東 市 民 病 院 杵 築 市 立 山 香 病 院 豊 後 高 田 市 の 新 生 会 高 田 中 央 病 院 津 久 見 医 師 会 立 津 久 見 中 央 病 院 豊 後 大 野 市 民 病 院 竹 田 市 立 こども 診 療 所 天 心 堂 へつぎ 病 院 国 立 病 院 機 構 宮 崎 病 院 にて 月 1 回 アレルギー 専 門 医 による 小 児 アレルギ ー 外 来 を 開 設 している また 2013 年 度 からは 佐 伯 市 の 慈 恵 会 西 田 病 院 でもアレルギー 外 来 が 予 定 さ れている このなかで 竹 田 市 では 市 主 導 で 食 物 アレルギー 検 討 会 が 行 われている 専 門 の 医 療 機 関 では 行 われていることがあるが 自 治 体 が 主 体 となっての 事 例 検 討 会 は 珍 しい 2012 年 は 次 のような 活 動 を 行 った 竹 田 市 食 物 アレルギー 対 策 事 業 第 1 回 事 例 検 討 会 日 時 :2012 年 5 月 31 日 ( 木 )18:00-21:00 参 加 者 : 学 校 幼 稚 園 保 育 所 での 給 食 関 係 職 員 24 名 内 容 :1) 竹 田 市 における 食 物 アレルギーの 取 り 組 み 経 過 2) 事 例 検 討 3) 是 松 による 講 義 : 食 物 アレルギー 実 態 調 査 報 告 給 食 対 応 策 意 見 書 や 調 査 票 の 案 提 示 4)グループワーク 結 果 : 食 物 アレルギーの 関 係 者 が 集 まり 情 報 の 共 有 ができた 事 例 検 討 を 通 して 具 体 的 な 対 応 策 につ いて 理 解 ができた 意 見 書 や 調 査 票 を 知 ることができた 第 2 回 事 例 検 討 会 日 時 :2012 年 9 月 20 日 ( 木 )18:00-19:40 参 加 者 : 学 校 幼 稚 園 保 育 所 での 給 食 関 係 職 員 15 名 内 容 :1) 第 1 回 のアンケート 結 果 報 告 2) 事 例 検 討 3) 是 松 による 講 義 : 食 物 除 去 負 荷 試 験 について スコアの 見 方 について 対 応 策 について 4)グループワーク 結 果 : 事 例 検 討 を 通 して 具 体 的 な 対 応 策 がみえた 食 物 除 去 負 荷 試 験 の 実 際 がわかり 診 断 書 のスコ アの 見 方 についての 理 解 が 深 まった 食 物 アレルギーの 子 どもをもつ 家 族 のための 料 理 教 室 と 相 談 会 日 時 :2013 年 1 月 20 日 ( 日 )10:00-13:00 参 加 者 : 食 物 アレルギーを 持 つ 児 とその 保 護 者 4 組 内 容 : 食 物 アレルギーの 対 応 と 代 替 食 について 調 理 実 習 ( 卵 乳 小 麦 除 去 食 :オムライス わかめスープ おひたし プリン) ~ 35 ~

保 護 者 による 感 想 : 他 のアレルギーがでる 可 能 性 学 校 給 食 の 対 応 林 間 学 校 や 調 理 実 習 などがどうなるのか 不 安 材 料 がたくさんある 自 分 と 同 じ 様 な 経 験 をしていたママに 食 事 以 外 のアレルギー 症 状 についても 聞 けてよかった 代 替 食 の 料 理 のレパートリーをもっと 増 やしたいので 教 えてほしい 卵 が 食 べられないと 悲 観 していたが 鶏 肉 も 魚 も 大 豆 も 食 べられると 気 づき 前 向 きにとらえることが できた 結 果 :アレルギーについての 知 識 は 勉 強 したり 調 べたりしてある 程 度 自 分 で 学 べるので 同 じ 悩 みをも つ 人 の 経 験 談 が 一 番 ためになるように 感 じた 今 後 どんな 形 式 にするにせよ また 集 って 情 報 交 換 を 行 える 場 を 設 ける ~ 36 ~

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Ⅷ. 乳 幼 児 医 療 費 (1) 外 来 医 療 費 2011 年 の 乳 幼 児 医 療 費 を 市 町 村 毎 に 抽 出 した 外 来 医 療 費 ( 表 22 23)の 自 市 内 への 支 払 い 率 の 低 い 市 町 村 としては 豊 後 高 田 市 (15%) 由 布 市 (37%) 津 久 見 市 (39%)が 二 次 医 療 圏 内 への 支 払 い 率 の 低 い 市 町 村 として 国 東 市 (53%) 九 重 町 (66%) 豊 後 大 野 市 (68%)が 挙 げられた 豊 後 高 田 市 九 重 町 は 常 勤 小 児 科 医 不 在 の 市 町 村 で 豊 後 高 田 市 には 大 分 大 学 小 児 科 より 非 常 勤 医 を 派 遣 していたが 2013 年 7 月 より 常 勤 医 1 名 を 派 遣 する 予 定 としている 由 布 市 には 開 業 小 児 科 医 が 1 名 のみ 津 久 見 市 には 開 業 小 児 科 医 が 1 名 津 久 見 医 師 会 立 津 久 見 中 央 病 院 へ 大 分 大 学 から 派 遣 し ている 小 児 科 医 が 1 名 のみ 国 東 市 には 国 東 市 民 病 院 に 大 分 大 学 から 派 遣 している 小 児 科 医 が 1 名 自 治 医 科 大 学 卒 業 医 が1 名 のみである 豊 後 大 野 市 には 豊 後 大 野 市 民 病 院 に 大 分 大 学 から 派 遣 してい る 小 児 科 医 が 2 名 開 業 小 児 科 医 が 2 名 いる それぞれ 小 児 科 医 が 尐 ない 中 で 市 の 子 どもの 健 康 を 守 る 取 り 組 みを 行 っており さらに 地 域 医 療 が 充 実 できるよう 継 続 支 援 が 必 要 と 思 われる 表 22:2011 年 の 外 来 医 療 費 ~ 38 ~

表 23:2011 年 の 外 来 医 療 費 自 市 町 村 への 支 払 い 率 の 年 次 推 移 (2) 入 院 医 療 費 2011 年 の 入 院 医 療 費 ( 表 24 25)の 自 市 内 への 支 払 い 率 の 低 い 市 町 村 としては 竹 田 市 (0%) 豊 後 高 田 市 (0%) 日 出 町 (0%) 玖 珠 町 (1%) 九 重 町 (2%) 津 久 見 市 (2%) 由 布 市 (4%)が 二 次 医 療 圏 内 への 支 払 い 率 の 低 い 市 町 村 として 九 重 町 (19%) 豊 後 大 野 市 (25%) 玖 珠 町 (32%) 竹 田 市 (37%) が 挙 げられた 小 児 科 の 入 院 ベッドを 持 たない 竹 田 市 豊 後 高 田 市 日 出 町 玖 珠 町 九 重 町 由 布 市 が 低 率 なのは やむをえないが 入 院 ベッドのある 津 久 見 市 の 津 久 見 医 師 会 立 津 久 見 中 央 病 院 豊 後 大 野 市 の 豊 後 大 野 市 民 病 院 では 表 25 にあるように 2010 年 に 比 し 2011 年 の 自 市 内 への 支 払 い 率 が 低 下 している( 津 久 見 市 15 2%) 豊 後 大 野 市 (50 25%) これらの 地 域 中 核 病 院 が 地 域 の 子 どもの 入 院 の 受 け 皿 とし て 充 実 できるよう その 原 因 究 明 と 継 続 支 援 が 必 要 と 考 えた ~ 39 ~

表 24:2011 年 の 入 院 医 療 費 表 25:2011 年 の 入 院 医 療 費 自 市 町 村 への 支 払 い 率 の 年 次 推 移 ~ 40 ~

Ⅸ. 出 生 率 合 計 特 殊 出 生 率 の 5 年 平 均 ( 表 26) 単 年 毎 ( 表 27)を 示 す 5 年 平 均 のデータでは 姫 島 村 (2.72) 竹 田 市 (2.07) 九 重 町 (2.03) 玖 珠 町 (2.01)が 2 を 上 回 った また 単 年 毎 では 過 去 5 年 間 1.25-1.45 と 低 率 であった 津 久 見 市 が 1.72 と 上 昇 傾 向 を 示 している 予 防 接 種 や 健 診 など 予 防 医 学 の 助 成 啓 発 に 力 を 入 れている 市 町 村 で 出 生 率 の 増 加 がみられており この 取 り 組 みが 大 分 県 内 に 広 がって 行 くことが 望 まれる 表 26: 合 計 特 殊 出 生 率 (5 年 平 均 )の 年 次 推 移 ~ 41 ~

表 27: 合 計 特 殊 出 生 率 ( 単 年 毎 )の 年 次 推 移 ~ 42 ~

Ⅹ. 日 本 小 児 科 学 会 からの 評 価 おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 は 日 本 小 児 科 学 会 地 域 振 興 小 児 科 ワーキンググループよ り 地 域 医 療 のモデルケースとして 認 定 され 以 下 の 報 告 書 を 作 成 した また そのノウハウを 東 日 本 大 震 災 で 被 災 した 岩 手 県 に 紹 介 することを 依 頼 され 交 通 費 の 支 援 にて 2013 年 3 月 より 継 続 的 に 小 児 科 医 を 非 常 勤 派 遣 することになった 日 本 小 児 科 学 会 地 域 振 興 小 児 科 ワーキンググループ 九 州 ブロック 報 告 書 教 育 を 介 した 小 児 科 医 の 増 加 と 能 力 向 上 および 地 域 小 児 医 療 保 健 予 防 医 学 の 存 続 と 活 性 化 1. 大 分 大 学 医 学 部 小 児 科 学 2. 同 地 域 医 療 小 児 科 分 野 是 松 聖 悟 1,2 1 泉 達 郎 目 的 尐 子 高 齢 過 疎 化 は 日 本 のほとんど 全 ての 地 方 市 町 村 が 抱 える 大 きな 問 題 であり 地 域 の 存 続 や 一 次 産 業 の 育 成 や 地 域 経 済 の 安 定 化 のためには その 地 域 の 子 どもの 出 生 と その 地 域 での 育 成 が 必 須 である 過 疎 地 域 においてinfrastructuresとしての 小 児 医 療 小 児 保 健 を 継 続 していく 必 要 性 と 地 方 大 学 小 児 科 および 地 域 振 興 小 児 科 の 果 たすべき 役 割 その 活 動 成 果 を 検 討 した 方 法 大 分 大 学 小 児 科 は 地 域 における 小 児 医 療 と 尐 子 高 齢 過 疎 化 が 逆 相 関 することを 報 告 した[1] 小 児 科 医 の 尐 ない 過 疎 地 域 において 病 院 小 児 科 の 機 能 を 維 持 させるために 集 約 化 させることは 必 要 で はあるが 開 業 小 児 科 医 も 不 在 / 尐 ない 地 域 において 病 院 小 児 科 の 過 度 な 集 約 化 を 進 めると 市 町 村 単 位 で 行 われている 予 防 接 種 や 乳 幼 児 健 診 等 の 保 健 事 業 に 従 事 する 小 児 科 医 が 減 り/いなくなり 地 域 の 過 疎 化 をさらに 増 悪 させる 可 能 性 がある このため 大 分 大 学 小 児 科 は 大 分 県 医 師 確 保 対 策 調 査 結 果 [2]を 参 考 に 行 政 教 育 との 連 携 のもと 以 下 の 活 動 を 継 続 している 1. 地 域 小 児 科 センターや 地 域 振 興 小 児 科 市 町 村 に 唯 一 の 公 立 小 児 科 診 療 所 等 へ 安 定 継 続 的 に 小 児 科 医 を 派 遣 2. 周 辺 地 域 の 病 院 間 で 時 には 二 次 医 療 圏 を 越 えた 輪 番 制 を 敷 き 準 夜 休 日 に 時 間 外 救 急 医 療 3. 行 政 との 協 力 のもと 予 防 接 種 を 推 進 し 水 痘 おたふくかぜ 等 の 任 意 予 防 接 種 を 全 額 公 的 助 成 4. 行 政 や 福 祉 教 育 委 員 会 との 連 携 のもと 5 歳 児 健 診 を 導 入 し 発 達 障 害 児 を 就 学 前 に 診 断 する 早 期 介 入 療 育 を 経 て 地 元 の 普 通 小 学 校 への 入 学 を 支 援 5. 大 学 は 三 次 後 方 支 援 病 院 高 度 専 門 医 療 に 専 念 し 研 究 教 育 病 院 としての 機 能 を 高 める 同 時 に 地 域 振 興 小 児 科 との 連 携 を 強 化 し そこに 派 遣 されている 若 手 小 児 科 医 の 卒 後 研 修 研 究 の 教 育 指 導 のために 教 員 が 定 期 的 に 巡 回 支 援 する また 派 遣 医 は 週 1 回 の 研 究 日 に 大 学 で 臨 床 研 修 や 基 礎 研 究 を 継 続 する これらを 介 して 地 域 病 院 小 児 科 の 能 力 向 上 を 図 る 結 果 大 分 大 学 小 児 科 は 過 去 5 年 間 に 新 規 派 遣 増 員 した 8 地 域 中 核 病 院 を 含 む 県 内 外 27 病 院 施 設 に 小 児 科 医 を 派 遣 しえた 予 防 医 学 健 診 活 動 を 推 進 する 市 町 村 では 予 防 接 種 率 の 向 上 に 伴 い 感 染 症 が 減 尐 し 出 生 率 の 増 加 [3: 参 考 資 料 1] 高 い 費 用 対 効 果 [4: 参 考 資 料 2]が 得 られた さらに 大 分 県 は 発 達 障 害 児 教 育 に 精 通 した 専 門 教 員 を 地 域 の 小 学 校 に 配 置 し 5 歳 児 健 診 を 全 県 に 広 げようとしている 先 進 的 に 取 り 組 んでいる 市 では 医 療 と 行 政 福 祉 教 育 との 連 携 が 確 立 し 発 達 障 害 を 持 ちながらも 地 元 の 普 通 学 校 やその 通 常 学 級 に 就 学 する 児 童 が 増 え 全 体 としても 長 期 欠 席 児 童 が 減 尐 する 傾 向 がみられている また 地 域 での 教 育 研 修 システムの 構 築 に 伴 い 地 域 病 院 に 勤 務 する 若 手 小 児 科 医 による 学 会 発 表 や 英 文 を 含 む 論 文 は 増 加 し 専 門 医 や 学 位 の 取 得 者 も 増 えた その 活 動 が 評 価 され 大 分 県 より お おいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 発 達 障 がい 児 等 心 のネットワーク 推 進 事 業 -こどもの 心 診 療 拠 点 病 院 大 分 市 への 厚 労 省 地 域 医 療 再 生 基 金 をもとにした 大 分 こども 急 性 救 急 疾 患 学 部 門 医 ~ 43 ~

療 研 究 事 業 が 順 次 委 託 されている 小 児 科 教 員 は 7 名 増 員 ( 教 授 2 名 准 教 授 1 名 助 教 3 名 臨 床 心 理 士 1 名 )され 上 記 活 動 の 中 心 的 役 割 を 担 っている さらに 大 分 県 より 小 児 科 産 婦 人 科 の 後 期 研 修 医 に 研 修 貸 与 金 大 分 県 と 地 域 病 院 より 地 域 病 院 勤 務 医 に 留 学 研 修 貸 与 金 が 支 給 され この 制 度 を 利 用 して 国 内 外 に 留 学 する 小 児 科 医 が 増 えている 結 論 1. 地 域 における 医 療 行 政 福 祉 教 育 の 連 携 による 小 児 医 療 小 児 保 健 の 重 点 化 は 感 染 症 の 減 尐 発 達 障 害 を 持 つ 児 への 支 援 強 化 長 期 欠 席 児 童 の 減 尐 出 生 率 の 増 加 経 済 効 果 等 を 介 して その 地 域 が 子 どもを 産 み 育 てやすい 街 になることを 証 明 した 2. 小 児 科 専 門 医 となるための 目 標 研 修 項 目 のうち 健 康 支 援 子 どもの 総 合 診 療 プライマリケア 育 児 支 援 患 児 家 族 との 好 ましい 信 頼 関 係 構 築 を 取 得 するためには 大 学 や 中 核 都 市 の 一 般 病 院 よりも 地 域 病 院 での 研 修 が 望 ましい 地 域 が 小 児 科 専 門 医 を 育 て 小 児 科 専 門 医 が 高 い 臨 床 能 力 をもって 地 域 医 療 に 貢 献 することが 実 現 しえた 3. 医 療 の 集 約 化 の 問 題 点 を 提 起 し いわゆる 過 疎 地 域 における 地 域 医 療 特 に 小 児 医 療 を 存 続 活 性 化 させる 意 義 を 報 告 した 参 考 文 献 1. 泉 達 郎 ほか. 小 児 保 健 研 究 2005;64:441-446. 2. 是 松 聖 悟 ほか. 日 児 誌 2009;113:1587-1592. 3. 泉 達 郎 ほか. 小 児 保 健 研 究 2011;70:88-90. 4. 是 松 聖 悟 ほか. 日 児 誌 2012;116:1380-1386. 西 日 本 新 聞 (2013 年 2 月 12 日 ) ~ 44 ~

大 分 合 同 新 聞 (2013 年 2 月 28 日 ) ~ 45 ~

XI. 小 児 科 医 の 卒 後 研 修 地 域 では 発 症 早 期 から 継 続 的 に 治 療 できる 利 点 があるため 本 事 業 によって 若 手 医 師 の 洞 察 力 鑑 別 診 断 する 能 力 問 題 解 決 力 が 養 成 され 患 児 とその 家 族 と 密 接 な 関 係 を 構 築 することや その 地 域 を 任 されている 責 任 感 を 培 うことができるようになる さらに. 患 児 の 症 状 から 教 科 書 には 記 載 されていない 新 規 性 を 学 び 病 気 の 本 質 を 探 る 姿 勢 と 患 児 を 救 うために 更 なる 学 習 が 必 要 であることを 再 認 識 して 自 ら 研 究 していく 意 識 を 高 めることが 可 能 となる つまり 地 域 医 療 は 小 児 科 専 門 医 取 得 のために 必 須 である 地 域 が 小 児 科 専 門 医 を 育 て 小 児 科 専 門 医 が 先 進 医 療 技 術 を 駆 使 して 地 域 医 療 に 貢 献 する 相 互 関 係 の 構 築 が 地 域 の 小 児 科 医 不 足 を 解 決 させるだけでなく 高 い 臨 床 能 力 を 持 つ 小 児 科 医 を 育 成 し 元 気 で 健 康 な 子 どもの 育 つ 街 安 心 して 子 どもを 産 み 育 てることのできる 街 を 構 築 させると 考 えている しかし 地 域 中 核 病 院 に 勤 務 する 医 師 は 1-2 名 の 尐 数 のことが 多 いため 竹 田 市 豊 後 大 野 市 や 佐 伯 市 では 時 間 外 診 療 のワークシェアリングにて 病 院 間 で 輪 番 制 をとって 夜 間 休 日 の 小 児 科 時 間 外 診 療 を 行 っている(2008 年 度 報 告 書 参 照 ) その 結 果 地 域 中 核 病 院 に 勤 務 する 小 児 科 医 は 週 1 日 の 研 究 日 を 利 用 して 大 学 に 戻 ることができるようになった 夜 間 遅 くまで 臨 床 研 修 基 礎 実 験 論 文 作 成 等 に 励 んでいる 過 去 5 年 間 で 地 域 中 核 病 院 に 勤 務 する 若 手 医 師 による 7 編 の 英 語 論 文 が 国 内 外 の 医 学 雑 誌 に 掲 載 発 表 された( 表 28) そのなかには 地 域 病 院 で 收 集 した 検 体 を 研 究 日 に 大 学 にて 自 らの 手 で 測 定 し 世 界 へ 発 信 した 研 究 成 果 もある 表 1:2009-2013 年 地 域 中 核 病 院 勤 務 の 若 手 医 師 による 英 語 論 文 ~ 46 ~

おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 の 委 託 後 大 分 大 学 で 小 児 科 専 門 医 を 取 得 する 医 師 は 増 えた さらには 新 卒 後 研 修 制 度 導 入 後 卒 業 生 が 都 市 部 の 臨 床 研 修 病 院 に 出 ることが 増 え 減 尐 してい た 小 児 科 入 局 医 師 数 も 増 加 に 転 じる 傾 向 がみられつつある( 図 6) 図 6: 大 分 大 学 での 小 児 科 専 門 医 取 得 数 と 新 規 小 児 科 入 局 医 師 数 結 語 地 域 において 行 政 との 連 携 による 小 児 医 療 小 児 保 健 の 重 点 化 は 感 染 症 の 減 尐 発 達 障 害 を 持 つ 児 への 支 援 強 化 長 期 欠 席 児 童 の 減 尐 出 生 率 の 増 加 経 済 効 果 等 を 介 して その 地 域 を 子 どもを 産 み 育 てやすい 街 元 気 な 子 どもの 育 つ 街 にしえることを 証 明 した 謝 辞 おおいた 地 域 医 療 支 援 システム 構 築 事 業 を 委 託 してくださっている 大 分 県 各 市 町 村 のご 関 係 の 皆 様 に 深 謝 申 し 上 げます ~ 47 ~

参 考 資 料 1: 大 分 合 同 新 聞 での 啓 発 大 分 合 同 新 聞 (2012 年 9 月 1 日 ) ~ 48 ~

大 分 合 同 新 聞 (2013 年 3 月 2 日 ) ~ 49 ~

参 考 資 料 2: 日 本 小 児 科 学 会 雑 誌 ~ 50 ~

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参 考 資 料 3: 津 久 見 市 報 (2012 年 度 分 ) ~ 57 ~

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参 考 資 料 4: 杵 築 市 報 (2012 年 度 分 ) ~ 69 ~

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報 告 者 大 分 大 学 医 学 部 小 児 科 学 講 座 大 分 大 学 医 学 部 地 域 医 療 小 児 科 分 野 是 松 聖 悟 ご 協 力 大 分 県 福 祉 保 健 部 医 療 政 策 課 大 分 県 福 祉 保 健 部 障 害 福 祉 課 大 分 県 福 祉 保 健 部 健 康 対 策 課 大 分 県 福 祉 保 健 部 福 祉 保 健 企 画 課 大 分 県 生 活 環 境 部 消 防 保 安 室 大 分 県 中 部 保 健 所 大 分 県 西 部 保 健 所 大 分 県 北 部 保 健 所 大 分 県 豊 肥 保 健 所 大 分 県 東 部 保 健 所 大 分 県 南 部 保 健 所 大 分 市 保 健 所 大 分 県 教 育 委 員 会 国 東 市 国 東 市 教 育 委 員 会 杵 築 市 杵 築 市 教 育 委 員 会 豊 後 高 田 市 豊 後 高 田 市 教 育 委 員 会 津 久 見 市 津 久 見 市 教 育 委 員 会 豊 後 大 野 市 豊 後 大 野 市 教 育 委 員 会 竹 田 市 竹 田 市 教 育 委 員 会 大 分 市 大 分 市 教 育 委 員 会 中 津 市 中 津 市 教 育 委 員 会 臼 杵 市 臼 杵 市 教 育 委 員 会 日 田 市 日 田 市 教 育 委 員 会 別 府 市 別 府 市 教 育 委 員 会 佐 伯 市 佐 伯 市 教 育 委 員 会 宇 佐 市 宇 佐 市 教 育 委 員 会 ~ 74 ~

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