平 成 27 年 10 月 から 住 民 票 のある 方 に 個 人 番 号 (マイナンバー)が 指 定 され 地 方 公 共 団 体 情 報 シス テム 機 構 ( 総 務 省 の 関 係 団 体 )から 通 知 カード 個 人 番 号 カード 交 付 申 請 書 などが 全 住 民 に 世 帯 単 位 で 順 次 郵 送 され 概 ね 平 成 27 年 11 月 末 頃 までに 届 く 予 定 です 市 区 町 村 ごとの 郵 便 局 への 通 知 カード 差 出 し 状 況 は 個 人 番 号 総 合 サイト(https://www.kojinbango-card.go.jp/mynumber/ index.html) で 確 認 することができ 差 出 日 から7 日 ~20 日 程 度 でお 手 元 に 到 着 する 見 込 みです 通 知 カードは 世 帯 主 宛 に 簡 易 書 留 で 届 きますが ご 不 在 の 場 合 は 郵 送 物 等 ご 不 在 連 絡 票 が 入 りま すので 郵 便 局 での 保 管 期 限 内 に ご 不 在 連 絡 票 に 基 づき 再 配 達 等 のお 手 続 をお 願 いします 1. 通 知 カード( 平 成 27 年 11 月 末 までに 簡 易 書 留 で 順 次 発 送 ) 住 民 票 を 有 するすべての 方 に 数 字 12 桁 の 個 人 番 号 が 通 知 されます 住 民 票 の 住 所 に 基 本 4 情 報 ( 氏 名 住 所 生 年 月 日 性 別 )と 個 人 番 号 が 記 載 された 紙 製 の 通 知 カード が 地 方 公 共 団 体 情 報 システム 機 構 から 郵 送 されます 交 付 手 数 料 は 無 料 です なお 再 交 付 手 数 料 は 有 料 ですので 紛 失 等 にはご 注 意 ください 個 人 番 号 は 国 の 行 政 機 関 や 地 方 公 共 団 体 などで 社 会 保 障 税 災 害 対 策 において 利 用 されます ワイエムビジネスレポート 2015. 11 月 号 No.85 29
2. 収 集 期 限 の 確 認 平 成 28 年 1 月 以 降 の 早 期 の 段 階 で マイナンバーの 記 載 が 必 要 となる 主 な 書 類 は 次 のとおりです 書 類 には 従 業 員 が 記 載 しなければならないものと 事 業 主 が 記 載 しなければならないものがあります 従 業 員 にマイナンバーが 通 知 されて 以 降 マイナン バーの 取 得 は 可 能 ですが マイナンバーを 記 載 した 法 定 調 書 などを 行 政 機 関 などに 提 出 する 時 までに 取 得 す れば 問 題 ないでしょう 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 について 実 務 的 には 年 末 調 整 の 時 期 に 翌 年 度 の 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 を 提 出 してもらう 企 業 も 多 いことと 思 います 平 成 28 年 分 の 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 から 様 式 が 変 更 にな り 原 則 として 従 業 員 本 人 が 自 分 や 扶 養 親 族 のマイナ ンバーを 記 載 して 勤 務 先 に 提 出 する 義 務 があります また 源 泉 徴 収 票 については たとえ 短 期 のアルバイ トでも 賃 金 の 額 に 関 わらず 本 人 に 交 付 する 義 務 があ ります 企 業 としては 雇 入 れの 際 に 利 用 目 的 を 示 して マイナンバーの 提 供 を 受 けましょう 3. 本 人 へ 交 付 する 源 泉 徴 収 票 や 支 払 通 知 書 等 への 個 人 番 号 の 記 載 は 不 要 平 成 27 年 10 月 2 日 に 所 得 税 法 施 行 規 則 等 の 改 正 が 行 われ 行 政 手 続 における 特 定 の 個 人 を 識 別 するため の 番 号 の 利 用 等 に 関 する 法 律 ( 以 下 番 号 法 といい ます) 施 行 後 の 平 成 28 年 1 月 以 降 も 給 与 などの 支 払 を 受 ける 方 に 交 付 する 源 泉 徴 収 票 などへの 個 人 番 号 の 記 載 は 行 わないこととされました( 個 人 番 号 が 記 載 不 要 となる 税 務 関 係 書 類 は 以 下 のものです) なお 税 務 署 に 提 出 する 源 泉 徴 収 票 などには 個 人 番 号 の 記 載 が 必 要 ですのでご 注 意 ください ( 参 考 ) 改 正 前 は 支 払 を 受 ける 方 に 対 して 交 付 する 源 泉 徴 収 票 などについて 本 人 等 の 個 人 番 号 を 記 載 して 交 付 しなければならないこととされていました 30 ワイエムビジネスレポート 2015.11 月 号 No.85
4.マイナンバーの 番 号 確 認 と 身 元 確 認 従 業 員 からマイナンバーを 取 得 する 際 は 確 実 な 書 類 に 基 づいて1 番 号 確 認 と2 身 元 確 認 を 行 います 1 番 号 確 認 マイナンバーが 正 しい 番 号 であることを 公 式 の 書 類 で 確 認 2 身 元 確 認 現 に 手 続 を 行 っている 者 がその 番 号 の 正 しい 持 ち 主 であることの 確 認 確 認 の 書 類 を 下 表 に 記 載 しています 本 人 確 認 書 類 は 対 面 郵 送 オンライン 電 話 といったマイナンバー の 収 集 方 法 によっても 異 なります また 従 業 員 の 扶 養 家 族 のマイナンバー( 個 人 番 号 )を 取 得 するとき 税 の 年 末 調 整 では 従 業 員 が 事 業 主 に 対 してその 扶 養 家 族 のマイナンバーの 提 供 を 行 うこととされているため 従 業 員 は 個 人 番 号 関 係 事 務 実 施 者 として その 扶 養 家 族 の 本 人 確 認 を 行 う 必 要 があります この 場 合 事 業 主 が 扶 養 家 族 の 本 人 確 認 を 行 う 必 要 はありませ ん 一 方 国 民 年 金 の 第 3 号 被 保 険 者 の 届 出 では 従 業 員 の 配 偶 者 ( 第 3 号 被 保 険 者 ) 本 人 が 事 業 主 に 対 し て 届 出 を 行 う 必 要 がありますので 事 業 主 が 当 該 配 偶 者 の 本 人 確 認 を 行 う 必 要 があります 通 常 は 従 業 員 が 配 偶 者 に 代 わって 事 業 主 に 届 出 をすることが 想 定 され ますが その 場 合 は 従 業 員 が 配 偶 者 の 代 理 人 として マイナンバーを 提 供 することとなりますので 事 業 主 は 代 理 人 からマイナンバーの 提 供 を 受 ける 場 合 の 本 人 確 認 を 行 う 必 要 があります 本 人 からマイナンバーの 提 供 を 受 けるときの 本 人 確 認 書 類 ワイエムビジネスレポート 2015. 11 月 号 No.85 31
マイナンバー 基 礎 知 識 マイナンバー 関 係 書 類 の 保 管 について 社 会 保 険 労 務 士 法 人 サトー 主 任 コンサルタント 田 村 由 佳 平 成 27 年 も 残 り1か 月 を 切 り 企 業 の 総 務 や 経 理 の 担 当 者 の 方 をはじめ 年 末 調 整 等 の 業 務 で 多 忙 の 日 々をお 送 りのことと 存 じます とりわけ 来 年 から 本 格 的 に 始 まるマイナンバー 制 度 への 対 応 準 備 のた め 例 年 よりはるかに 業 務 負 担 が 増 していることでしょう マイナンバーに 関 する 取 扱 いについては 特 定 個 人 情 報 保 護 委 員 会 が 作 成 したガイドラインに 沿 って その 収 集 から 廃 棄 まで 厳 重 な 取 扱 いが 求 めら れています しかしながら 専 門 用 語 が 難 解 であることに 加 え 行 政 機 関 から 示 される 情 報 もしばしば 変 更 になることから ガイドラインを 読 むだけでなく 常 に 最 新 情 報 を 注 視 しなければならない 状 況 です そのような 中 で 企 業 の 担 当 者 を 悩 ませていた 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 の 取 扱 いについて 国 税 庁 から10 月 28 日 付 で マイナンバーの 記 載 を 省 略 できる 方 法 が 公 表 されました 今 回 は その 方 法 をご 紹 介 しながら マイナンバーの 保 管 に 関 する 留 意 点 についてお 伝 えしたいと 思 います 1.マイナンバー 及 びマイナンバーの 記 載 された 書 類 の 保 管 平 成 28 年 1 月 1 日 以 降 事 業 者 は 社 会 保 障 や 税 に 関 して 行 政 機 関 に 提 出 する 書 類 に 従 業 員 等 のマイナン バーを 記 載 しなければならないため 従 業 員 等 のマイナ ンバーを 収 集 して 保 管 する 必 要 があります 収 集 方 法 については 社 内 で 作 成 した 紙 の 届 出 書 を 利 用 する 方 法 やクラウドサービスなどを 利 用 する 方 法 があります が 紙 で 収 集 して 保 管 する 場 合 は キャビネットに 保 管 して 施 錠 するなどの 漏 えい 防 止 のための 安 全 管 理 措 置 を 講 ずることが 必 要 です また マイナンバー 法 では マイナンバーやマイナン バーを 含 む 個 人 情 報 ( 特 定 個 人 情 報 )について 社 会 保 障 や 税 などの 法 で 定 められている 利 用 目 的 以 外 で は 保 管 す ることが できな いとされ て いま す 従 って 従 業 員 が 退 職 後 法 令 で 定 められた 保 存 期 限 を 過 ぎた 場 合 は 書 類 の 廃 棄 やデータの 削 除 またはマイナンバー 部 分 を 復 元 できない 程 度 にマスキングするなどして 保 管 する 必 要 があります ( 内 閣 官 房 マイナンバー 広 報 資 料 より) 4 ワイエムビジネスレポート 2015.12 月 号 No.86
例 えば 源 泉 徴 収 や 年 末 調 整 のために 従 業 員 が 事 業 者 に 提 出 する 必 要 のある 各 種 の 申 告 書 について は 平 成 28 年 1 月 1 日 以 降 は 従 業 員 は 自 分 や 配 偶 者 扶 養 親 族 のマイナンバーを 記 載 する 必 要 があります そし て 事 業 者 は これらの 申 告 書 について 税 務 署 長 から 提 出 を 求 められた 場 合 を 除 き 提 出 期 限 の 属 する 年 の 翌 年 1 月 10 日 の 翌 日 から7 年 間 は 保 存 しておく 必 要 があ ります これらのマイナンバーを 含 んだ 書 類 を 保 管 する 際 は 漏 えい 防 止 の 安 全 管 理 措 置 を 講 ずる 必 要 があり ます 2. 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 への マイナンバーの 記 載 について 前 述 のとおり 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 について 原 則 として 従 業 員 自 身 が 毎 年 マイナンバーを 記 載 し て 提 出 する 必 要 がありますが 国 税 庁 が10 月 28 日 付 で 更 新 したFAQ(よくある 質 問 とその 回 答 )で マイナン バーの 記 載 を 省 略 できる 方 法 が 紹 介 されています ( 問 ) 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 個 人 番 号 欄 に 給 与 支 払 者 に 提 供 済 みの 個 人 番 号 と 相 違 ない 旨 の 記 載 をすること で 個 人 番 号 の 記 載 に 代 えることはできますか ( 答 ) 平 成 28 年 1 月 以 後 に 提 出 する 扶 養 控 除 等 申 告 書 に は 従 業 員 本 人 控 除 対 象 配 偶 者 及 び 控 除 対 象 扶 養 親 族 等 の 個 人 番 号 を 記 載 する 必 要 がありますので そ の 記 載 内 容 が 前 年 以 前 と 異 動 がない 場 合 であっても 原 則 その 記 載 を 省 略 することはできません しかしながら 給 与 支 払 者 と 従 業 員 との 間 での 合 意 に 基 づき 従 業 員 が 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 余 白 に 個 人 番 号 については 給 与 支 払 者 に 提 供 済 みの 個 人 番 号 と 相 違 ない 旨 を 記 載 した 上 で 給 与 支 払 者 において 既 に 提 供 を 受 けている 従 業 員 等 の 個 人 番 号 を 確 認 し 確 認 した 旨 を 扶 養 控 除 等 申 告 書 に 表 示 するのであれば 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 提 出 時 に 従 業 員 等 の 個 人 番 号 の 記 載 をしなくても 差 し 支 えありません なお 給 与 支 払 者 において 保 有 している 個 人 番 号 と 個 人 番 号 の 記 載 が 省 略 された 者 に 係 る 個 人 番 号 につ いては 適 切 かつ 容 易 に 紐 付 けられるよう 管 理 しておく 必 要 があります ( 注 ) 1.この 取 扱 いは 原 則 として 税 務 署 に 提 出 されることなく 給 与 支 払 者 が 保 管 することとされている 扶 養 控 除 等 申 告 書 について 給 与 支 払 者 の 個 人 番 号 に 係 る 安 全 管 理 措 置 への 対 応 の 負 担 軽 減 を 図 るために 個 人 番 号 ワイエムビジネスレポート 2015. 12 月 号 No.86 5
の 記 載 方 法 として 認 めるものであることから 個 人 番 号 以 外 の 扶 養 控 除 等 申 告 書 に 記 載 すべき 項 目 について は 前 年 と 変 更 ない 場 合 であっても 記 載 を 省 略 するこ となく 扶 養 控 除 等 申 告 書 に 記 載 する 必 要 があります 2. 給 与 支 払 者 に 提 供 済 みの 個 人 番 号 と 相 違 ない 旨 が 記 載 された 申 告 書 について 税 務 署 長 から 提 出 を 求 められた 場 合 には 給 与 支 払 者 は 扶 養 控 除 等 申 告 書 に 従 業 員 等 の 個 人 番 号 を 付 記 して 提 出 する 必 要 があ ります 3.この 方 法 をとった 場 合 には 以 下 の 点 に 留 意 が 必 要 で す (1) 給 与 支 払 者 において 保 有 している 従 業 員 等 の 個 人 番 号 ( 従 業 員 等 の 個 人 番 号 に 異 動 があった 場 合 は 異 動 前 の 個 人 番 号 を 含 む)については 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 保 存 期 間 (7 年 間 )は 廃 棄 又 は 削 除 することは できません (2) 保 有 する 個 人 番 号 については 個 人 番 号 関 係 事 務 に 必 要 がなくなったとき 及 び 個 人 番 号 を 記 載 すべきで あった 扶 養 控 除 等 申 告 書 の 保 存 年 限 を 経 過 したときに は 速 やかに 廃 棄 又 は 削 除 しなければなりません( 廃 棄 が 必 要 となってから 廃 棄 作 業 を 行 うまでの 期 間 につい ては 毎 年 度 末 に 廃 棄 を 行 う 等 個 人 番 号 及 び 特 定 個 人 情 報 の 保 有 に 係 る 安 全 性 及 び 事 務 の 効 率 性 等 を 勘 案 し 事 業 者 において 判 断 してください) (3) 給 与 所 得 の 源 泉 徴 収 票 ( 税 務 署 提 出 用 )には 適 切 に 個 人 番 号 を 記 載 する 必 要 があります ( 国 税 庁 ホームページより 下 線 は 筆 者 が 加 えたもの) 上 記 の 内 容 の 具 体 的 な 方 法 としては 事 業 者 と 従 業 員 との 間 で 取 り 決 めをして 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 の 余 白 にあらかじめ 個 人 番 号 については 給 与 支 払 者 に 提 供 済 みの 個 人 番 号 と 相 違 ありません と 印 字 してお き その 横 に 従 業 員 に 押 印 してもらったり または 別 紙 に 同 様 の 記 載 をして 従 業 員 に 押 印 してもらい 事 業 者 が 番 号 の 確 認 をした 旨 を 記 載 して 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 と 一 緒 に 保 管 しておくなどの 方 法 が 考 えられます これらの 方 法 は 一 定 の 手 間 はかかりますが 毎 年 従 業 員 から 回 収 する 際 や 保 管 に 係 る 安 全 管 理 措 置 につ いての 負 担 は 軽 減 されると 考 えられます 留 意 点 として は 社 内 で 統 一 したルールが 守 られるよう 従 業 員 に 充 分 な 説 明 をして 理 解 を 得 ることです なお この 取 扱 いについては 現 時 点 では 扶 養 控 除 等 ( 異 動 ) 申 告 書 に 関 するものとなっており 保 険 料 控 除 申 告 書 及 び 配 偶 者 特 別 控 除 申 告 書 にも 同 様 の 取 扱 い ができるのかは 不 明 です 今 後 この 点 も 明 らかになって くると 思 われます マイナンバーに 関 しては 実 務 対 応 においてまだ 流 動 的 な 面 があります 内 閣 官 房 のマイナンバー 特 設 サイトは 関 係 省 庁 のリンクも 掲 載 されてい ますので ときどきチェックされることをお 勧 めします http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/ 6 ワイエムビジネスレポート 2015.12 月 号 No.86
マイナンバー 基 礎 知 識 マイナンバー 制 度 の 雇 用 保 険 業 務 導 入 社 会 保 険 労 務 士 法 人 サトー コンサルタント 成 広 明 子 いよいよ 本 格 的 に 始 まるマイナンバー 制 度 平 成 28 年 1 月 1 日 以 降 は 雇 用 保 険 関 係 の 届 出 書 等 に 個 人 番 号 を 記 載 して 提 出 することになります このため 事 業 主 の 皆 さんは 従 業 員 等 から 個 人 番 号 を 取 得 しておく 必 要 があります マイナンバー 制 度 の 導 入 に 伴 い 雇 用 保 険 の 資 格 取 得 届 をはじめ として 事 業 主 からハローワークに 提 出 していただく 各 種 届 出 書 等 に 従 業 員 の 個 人 番 号 (マイナン バー) を 記 入 する 欄 が 追 加 されますので 取 り 寄 せておきましょう 1. 雇 用 保 険 関 係 手 続 の 個 人 番 号 の 記 載 提 出 の 流 れ マイナンバー 制 度 の 導 入 に 伴 い 雇 用 保 険 の 資 格 取 得 届 をはじめとして 事 業 主 からハローワークに 提 出 していただく 各 種 届 出 書 等 に 従 業 員 の 個 人 番 号 (マ イナンバー) を 記 入 する 欄 が 追 加 されます 届 出 書 様 式 等 のうち 個 人 番 号 の 追 加 等 の 変 更 があるものに 関 する 厚 生 労 働 省 令 等 の 改 正 が 行 われます このため 事 業 主 は ハローワークが 行 う 雇 用 保 険 事 務 の 個 人 番 号 関 係 事 務 実 施 者 となり 従 業 員 から 個 人 番 号 を 取 得 する 必 要 があります 28 ワイエムビジネスレポート 2016.1 月 号 No.87
2. 個 人 番 号 の 記 載 が 必 要 な 雇 用 保 険 届 出 様 式 一 覧 ( 事 業 主 提 出 関 係 ) ワイエムビジネスレポート 2016. 1 月 号 No.87 29
3. 個 人 番 号 の 記 載 が 必 要 な 雇 用 保 険 の 主 な 届 出 様 式 ( 事 業 主 提 出 関 係 ) 30 ワイエムビジネスレポート 2016.1 月 号 No.87
マイナンバー 基 礎 知 識 マイナンバー 制 度 導 入 後 の 情 報 漏 えい 防 止 対 策 社 会 保 険 労 務 士 法 人 サトー 主 任 コンサルタント 田 村 由 佳 いよいよマイナンバー 制 度 の 本 格 的 な 運 用 が 始 まりました 昨 年 来 各 企 業 の 皆 さまは マイナン バーの 収 集 保 管 方 法 の 検 討 安 全 管 理 対 策 基 本 方 針 や 取 扱 規 程 の 策 定 などを 進 め 一 通 り 準 備 を 終 えて 運 用 開 始 を 迎 えられたことと 思 います あるいは 対 応 はまだこれからという 企 業 もいらっしゃるか もしれません 今 後 もっとも 重 要 なことは この 制 度 の 目 的 を 理 解 した 上 で マイナンバーの 収 集 保 管 利 用 廃 棄 の 一 連 の 業 務 が 情 報 漏 えいすることなく 実 行 されていくことです そのためには 今 一 度 策 定 した 取 扱 規 程 やマニュアルが 実 態 と 乖 離 がないか 見 直 しをするとともに 情 報 漏 えいや 安 全 管 理 対 策 に 関 する 定 期 的 な 従 業 員 教 育 の 実 施 と 万 が 一 の 情 報 漏 えい 時 の 対 応 などを 検 討 しておくことです 今 回 は 情 報 漏 えいのリスクとその 防 止 のための 社 内 教 育 と 情 報 漏 えい 時 の 対 応 についてご 紹 介 したいと 思 います 1. 情 報 漏 えいの 原 因 とリスク 回 避 一 般 的 に 情 報 漏 えいがどのように 起 きるかを 過 去 の 事 例 の 統 計 データで 見 てみましょう 原 因 としては 電 子 メールの 誤 送 信 を 中 心 としたパソコンの 誤 操 作 に よるものや 管 理 ミスによるもの 媒 体 では 紙 媒 体 によるも のが 多 く いわゆるヒューマンエラーによって 引 き 起 こさ れるものが 圧 倒 的 な 割 合 を 占 めています したがって いくら 情 報 セキュリティシステムを 完 璧 にしたとしても 人 為 的 ミスで 情 報 が 漏 えいしてしまう 可 能 性 があるという ことです 万 が 一 マイナンバーに 関 連 して 情 報 が 漏 えいした 場 合 には 次 のようなリスクがあります 1マイナンバー 法 違 反 による 刑 事 罰 の 適 用 マイナンバー 法 では 他 の 同 種 の 法 律 より 重 い 罰 則 が 設 けられています 過 失 による 情 報 漏 えいに いきなり 罰 則 が 適 用 されることはありませんが 漏 えいの 様 態 に よっては 個 人 情 報 保 護 委 員 会 (2018 年 1 月 1 日 より 従 前 の 特 定 個 人 情 報 保 護 委 員 会 から 改 組 )から 改 善 を 命 令 さ れ る 場 合 が ありま す ま た そ の 命 令 に 従 わない 場 合 は 罰 則 の 対 象 となっています 2 民 事 上 の 損 害 賠 償 請 求 企 業 が 適 切 な 安 全 管 理 対 策 を 怠 って 情 報 が 漏 えいしてし まった 場 合 対 象 者 から 民 法 上 の 使 用 者 責 任 を 問 われ 損 害 賠 償 請 求 されるリスクがありま す 実 際 に 過 去 の 個 人 情 報 の ワイエムビジネスレポート 2016. 2 月 号 No.88 13
漏 えい 事 件 の 裁 判 例 では 一 人 当 たりの 賠 償 額 が 数 万 円 以 上 となっています 3 社 会 的 信 用 の 喪 失 マイナン バ ー に 限 りま せ ん が 企 業 が 持 って い るさま ざまな 個 人 情 報 の 漏 えい 事 案 が 発 生 した 場 合 企 業 規 模 が 大 きくなればなるほど マスメディアで 取 り 上 げら れる 可 能 性 が 高 くなります また 漏 えい 時 の 企 業 の 対 応 を 誤 ると 企 業 イメージがダウンして 顧 客 離 れや 求 人 への 悪 影 響 が 生 じるなど 企 業 の 経 営 を 揺 るがしか ねない 問 題 へ 発 展 することさえあり 得 ます 2. 情 報 漏 えい 防 止 のための 従 業 員 教 育 企 業 が 情 報 漏 えいを 防 止 するためには 1 技 術 的 な 安 全 管 理 措 置 の 徹 底 (マイナンバー 等 の 情 報 ファイ ルへアクセスできる 人 とアクセス 方 法 の 制 御 外 部 から の 不 正 アクセスや 不 正 ソフトウエアから 情 報 を 保 護 す るためのセキュリティソフトの 導 入 と 定 期 更 新 )2マイナ ンバーの 取 扱 規 程 やマニュアルの 実 態 に 即 した 見 直 し3 情 報 管 理 全 般 に 対 する 定 期 的 な 従 業 員 教 育 が 重 要 となります 従 業 員 教 育 を 進 める 場 合 社 内 研 修 外 部 講 師 を 招 いた 研 修 eラーニングなどがありますが 社 内 研 修 で 事 務 取 扱 担 当 者 に 講 師 を 務 めてもらうことも 情 報 管 理 に 対 する 意 識 を 高 める 効 果 があります ツールとして は 内 閣 官 房 情 報 セキュリティセンターが 作 成 した 情 報 セキュリティ 自 己 診 断 チェックリスト も 活 用 できます http://www.nisc.go.jp/security-site/trouble/material.html 14 ワイエムビジネスレポート 2016.2 月 号 No.88
3. 情 報 漏 えい 時 の 対 応 万 が 一 情 報 が 漏 えいしてしまった 場 合 の 対 応 につい ては いざというときに 社 内 で 混 乱 しないように 手 順 を 確 認 しておくとよいでしょう 以 下 は 個 人 情 報 保 護 委 員 会 が 公 表 している 対 応 策 です 漏 えい 事 案 に 対 する 報 告 については 現 時 点 では 努 力 義 務 となっておりま すが 昨 年 9 月 9 日 に 公 布 された 改 正 マイナンバー 法 で は 特 定 個 人 情 報 の 安 全 確 保 に 係 る 重 大 な 事 態 が 生 じたときは 委 員 会 に 報 告 するもの とされたため 今 後 法 令 に 基 づく 報 告 について 委 員 会 規 則 が 定 められ ることになります 2. 報 告 義 務 について 重 大 事 態 又 はそのおそれのある 事 案 を 除 き マイ ナンバー 法 違 反 又 はそのおそれのある 場 合 は 個 人 情 報 保 護 委 員 会 への 報 告 は 努 力 義 務 となっています た だし 事 実 を 意 図 的 に 隠 したりすると やがて 表 面 化 し たときに 企 業 の 姿 勢 を 問 われかねません 情 報 漏 えい が 発 生 してしまった 場 合 は 左 記 1に 従 って 適 切 な 対 応 した 上 で 事 案 に 応 じて 報 告 すべきかを 検 討 してくださ い 重 大 事 態 については 個 人 情 報 保 護 委 員 会 や 主 務 大 臣 への 報 告 義 務 があります この 場 合 あらかじめ 顧 問 弁 護 士 に 相 談 した 方 が 良 いでしょう 報 告 書 式 は 個 人 情 報 保 護 委 員 会 のサイトからダウ ンロードできます 1. 特 定 個 人 情 報 の 漏 えい 事 案 等 が 発 生 した 場 合 の 対 応 (1) 社 内 の 責 任 者 への 報 告 と 被 害 の 拡 大 防 止 http://www.ppc.go.jp/legal/policy/rouei/ 特 定 個 人 情 報 の 漏 えい 事 案 等 の 報 告 様 式 責 任 ある 立 場 の 人 に 直 ちに 報 告 する 被 害 の 拡 大 を 防 止 する( 例 端 末 をネットワークから 切 り 離 す) (2) 事 実 関 係 の 調 査 と 原 因 の 究 明 事 実 関 係 を 調 査 し 番 号 法 違 反 又 はそのおそれが 把 握 できた 場 合 には その 原 因 の 究 明 を 行 う (3) 影 響 範 囲 の 特 定 漏 えいした 人 数 漏 えいした 情 報 の 内 容 漏 えいし た 媒 体 漏 えいした 原 因 等 を 踏 まえて 影 響 の 範 囲 を 特 定 する (4) 再 発 防 止 策 の 検 討 実 施 (5) 影 響 を 受 ける 可 能 性 のある 本 人 への 連 絡 等 事 案 の 内 容 等 に 応 じて 二 次 被 害 の 防 止 類 似 事 案 の 発 生 回 避 等 の 観 点 から 事 実 関 係 等 につい て 速 やかに 本 人 へ 連 絡 し 又 は 本 人 が 容 易 に 知 り 得 る 状 態 にする (6) 事 実 関 係 再 発 防 止 策 の 公 表 事 実 関 係 及 び 再 発 防 止 策 について 速 やかに 公 表 する 重 大 事 態 とは 次 のいずれかに 該 当 した 場 合 を 指 します ( 健 康 保 険 組 合 等 を 除 く 民 間 事 業 者 の 場 合 ) 1 漏 えい 等 した 特 定 個 人 情 報 の 本 人 の 数 が101 人 以 上 である 場 合 2 電 磁 的 方 法 によって 不 特 定 多 数 の 人 が 閲 覧 できる 状 態 と なった 場 合 3 従 業 員 等 が 不 正 の 目 的 で 利 用 し 又 は 提 供 した 場 合 ワイエムビジネスレポート 2016. 2 月 号 No.88 15