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リウマチと 鑑 別 すべき 膠 原 病 の 新 しい 分 類 基 準 (ACR EULAR 新 基 準 ) 国 立 病 院 機 構 九 州 医 療 センター 膠 原 病 内 科 宮 村 知 也 (2015 年 第 16 回 博 多 リウマチセミナー) 1. はじめに 関 節 リウマチ(RA)の 治 療 は 生 物 学 的 製 剤 の 登 場 により 飛 躍 的 に 進 歩 し 寛 解 が 現 実 的 なゴールとなった 寛 解 率 を 改 善 させるために RA の 早 期 診 断 が 重 要 視 され 2010 年 ACR/EULAR 新 分 類 基 準 が 発 表 された ほ ぼ 同 時 期 に 報 告 された treat to target に 関 する 推 奨 寛 解 基 準 と 合 わせると RA の 診 断 治 療 方 針 治 療 目 標 が 明 確 に 規 定 され RA と 確 定 診 断 された 際 には 推 奨 される 治 療 目 標 をめざし 速 やかに 治 療 を 開 始 する 時 代 になった これらの 分 子 標 的 とした 生 物 学 的 製 剤 は 近 年 RA のみならず 他 の 膠 原 病 性 疾 患 においても 応 用 され 優 れ た 臨 床 成 績 を 示 している しかしながら 生 物 学 的 製 剤 による 治 療 はその 高 い 有 効 性 と 同 時 に 重 篤 な 副 作 用 に 対 する 注 意 が 必 要 であり 適 切 な 症 例 に 投 与 する 必 要 がある 特 に 臨 床 研 究 においては 対 象 となる 患 者 集 団 の 均 質 性 や 同 質 性 が 望 まれ 高 い 特 異 度 を 有 する 分 類 基 準 が 必 要 になってきた これらの 背 景 により ACR/EULAR では 2010 年 の RA 分 類 基 準 に 続 き 2012 年 にリウマチ 性 多 発 筋 痛 症 シェーグレン 症 候 群 全 身 性 エリテマトーデス 2013 年 に 全 身 性 強 皮 症 の 新 分 類 基 準 が 発 表 され 現 在 多 発 性 筋 炎 皮 膚 筋 炎 に 対 する 新 分 類 基 準 が 作 成 中 である 今 回 は これら 新 分 類 基 準 のうち シェーグレン 症 候 群 全 身 性 エリテマト ーデス 全 身 性 強 皮 症 について 解 説 をする 2. シェーグレン 症 候 群 (SS)の ACR 分 類 基 準 (2012 年 SICCA 分 類 基 準 試 案 ) シェーグレン 症 候 群 (SS)は 唾 液 腺 炎 涙 腺 炎 を 主 体 とし 様 々な 自 己 抗 体 の 出 現 がみられる 自 己 免 疫 疾 患 であり 涙 腺 および 唾 液 腺 組 織 におけるリンパ 球 浸 潤 と 上 皮 細 胞 の 破 壊 が 病 気 の 本 態 である 腺 組 織 局 所 の 浸 潤 細 胞 は CD4 陽 性 T 細 胞 が 主 体 であるが 自 然 免 疫 系 や B 細 胞 の 役 割 も 明 らかになりつつある SS の 分 類 診 断 基 準 に 関 してはこれまで 本 邦 では 1999 年 の 厚 生 省 改 定 診 断 基 準 ( 表 1) 1) が 欧 米 では 2002 年 のアメリカ ヨーロ ッパ 合 同 班 の 基 準 (AECG 基 準 )( 表 2) 2) が 広 く 使 わ れてきた 特 に 有 効 な 治 療 法 がなかったため 従 来 の 分 類 基 準 で 問 題 は 意 識 され ていなかったが リツキシ マブなどの 生 物 学 的 製 剤 が SS 治 療 に 導 入 され 高 い 有 効 性 と 引 き 換 えに 重 篤 な 副 作 用 が 出 現 する 危 険 性 が 高 まり 適 格 な 症 例 への 使 用 のために 診 断 の 正 確 さが 必 要 になってきた そのため 1

2012 年 に SS の 新 しい ACR 分 類 基 準 が 発 表 された( 表 3) 3) この 分 類 基 準 はシェーグレン 国 際 共 同 臨 床 連 携 (SICCA)が 提 案 した SICCA 分 類 基 準 試 案 を ACR が 承 認 したもので 他 の 疾 患 の ACR 分 類 基 準 と 同 様 に 今 後 の 改 定 を 前 提 としている AECG 基 準 の 問 題 点 は 表 2 におけるようにⅠ~Ⅵの 6 項 目 中 Ⅰ 眼 症 状 Ⅱ 口 腔 症 状 が 自 覚 症 状 であり 客 観 的 な 基 準 項 目 でないことであった 今 回 の 分 類 基 準 策 定 時 の 解 析 でも これらの 自 覚 症 状 は 特 異 度 を 下 げ る 要 因 であることが 確 認 されている 試 案 策 定 の 留 意 点 は 基 準 項 目 が 客 観 的 で 確 立 された 検 査 所 見 に 基 づくこ と 検 査 所 見 は 全 身 性 の 自 己 免 疫 疾 患 を 示 唆 するものおよび 口 腔 病 変 や 眼 病 変 と 明 らかに 関 係 するものである こと 基 準 項 目 が 互 いに 診 断 的 に 等 価 であること 分 類 基 準 はわかりやすく 特 異 度 が 高 く 世 界 のリウマチ 医 に 2

支 持 され 臨 床 研 究 では 患 者 を 最 大 限 に 標 準 化 するものになることであった 分 類 基 準 策 定 に 先 立 ってリウマ チ 科 眼 科 歯 科 口 腔 外 科 の 専 門 医 から 選 出 された 委 員 が 議 論 し 評 価 すべき 検 査 項 目 を 10 項 目 選 出 した( 表 4) ここでは 唾 液 分 泌 機 能 に ついて 安 静 時 唾 液 が 選 出 さ れ ガムテストやサクソンテ ストによる 刺 激 唾 液 につい ては 多 くの 施 設 で 技 術 的 困 難 のため 選 出 されなかった 同 様 に 唾 液 腺 シンチグラフ ィーも 選 出 されなかった そ の 後 データ 本 位 的 手 法 として 表 4 に 選 出 された 10 の 基 準 検 査 項 目 に 適 合 させた 統 計 学 的 分 類 基 準 モデル 群 をゴールドスタンダードとし 潜 在 クラス 分 類 (LCA) を 用 いて 分 類 基 準 案 を 検 証 した これにより FS 1 と 抗 SS-A/Ro およびまたは 抗 SS-B/La 抗 体 陽 性 が 感 度 特 異 度 共 に 高 い 検 査 項 目 であることが 示 された また 口 腔 乾 燥 症 状 や 眼 乾 燥 症 状 は 感 度 が 高 くても 特 異 度 が 低 い 結 果 となった 血 清 学 的 検 査 については 抗 SS-A/Ro およびまたは 抗 SS-B/La 抗 体 陽 性 に 該 当 しない 例 における RF あるいは 抗 核 抗 体 の 陽 性 所 見 は 非 特 異 的 だが RF 陽 性 かつ 抗 核 抗 体 価 高 値 であれば 抗 SS-A/Ro 抗 体 価 や 抗 SS-B/La 抗 体 価 に 代 わり 自 己 免 疫 を 強 く 表 現 する 集 団 を 拾 い 上 げると 判 断 された 上 記 血 清 学 的 検 査 3 項 目 を 1 項 目 にまとめて SICCA 分 類 基 準 試 案 /ACR 分 類 基 準 に 見 る 3 項 目 が 委 員 の 合 議 制 で 選 び 出 された その 上 で 分 類 基 準 試 案 として 除 外 項 目 を 加 え 3 項 目 中 2 項 目 が 合 致 することについて 86% の 合 意 で 決 定 した また 自 己 免 疫 疾 患 では 臓 器 病 変 が 複 数 合 併 する 病 態 は 稀 ではないため 一 次 性 や 二 次 性 という 区 別 は 無 意 味 として 廃 止 された 実 際 の 検 証 では LCA を 基 準 としたときこの SICCA 分 類 基 準 試 案 は 感 度 96.3% 特 異 度 83.0%であり 十 分 なパフォーマンスを 示 した こうしてでき 上 がった SICCA 分 類 基 準 試 案 が ACR に 承 認 され SS の 2012 年 ACR 分 類 基 準 となったが 1999 年 厚 生 省 改 訂 診 断 基 準 や 2002 年 の AECG 基 準 と 比 べ 大 変 シンプルで 運 用 しやすい 形 となっている た だ 注 意 すべき 点 は 序 文 にあるように 健 常 人 でなく SS を 示 唆 する 徴 候 や 症 状 がある 症 例 に 適 応 する ところ で SICCA の 登 録 条 件 や 2002 年 の AECG 基 準 のⅠとⅡを 漠 然 と 言 い 換 えたものである わが 国 における 多 施 設 共 同 研 究 による 検 証 では 日 本 人 SS および SS 疑 い 患 者 694 名 を 対 象 に 医 師 の 判 断 をゴールドスタンダードとした 場 合 2012 年 ACR 分 類 基 準 の 感 度 と 特 異 度 は 77.5%と 83.5%で 1999 年 厚 生 省 改 訂 診 断 基 準 の 79.6%と 90.4% 2002 年 AECG 基 準 の 78.6%と 90.4%に 比 べやや 劣 っていた 4) これ は 医 師 の 判 断 をゴールドスタンダードとしたため 我 が 国 医 師 が 長 く 1999 年 厚 生 省 診 断 基 準 を 使 用 してい ることに 影 響 された 可 能 性 も 示 唆 されている しかし 一 致 度 を 示 す kappa 係 数 は 2012 年 ACR 分 類 基 準 と 1999 年 厚 生 省 改 訂 診 断 基 準 の 間 では 0.74 と 高 く 分 類 される 患 者 の 臨 床 像 が 近 似 したものを 意 味 する した がって 我 が 国 での 臨 床 研 究 目 的 では 積 極 的 に 使 用 できそうなことがうかがわれる 3. 全 身 性 エリテマトーデス(SLE)の SLICC 分 類 基 準 (2012 年 ) 全 身 性 エリテマトーデス(SLE)は 全 身 の 臓 器 を 侵 す 炎 症 性 疾 患 で 寛 解 と 増 悪 を 繰 り 返 し 慢 性 の 臨 床 経 過 をとる SLE の 病 因 はいまだ 不 明 であるが 発 症 には 複 数 の 感 受 性 遺 伝 子 多 型 低 DNA メチル 化 や microrna などの 遺 伝 的 な 因 子 免 疫 系 の 機 能 異 常 性 ホルモンの 関 与 などの 患 者 背 景 に 加 え ウイルス 感 3

染 や 紫 外 線 喫 煙 など 様 々な 環 境 因 子 が 関 与 していると 考 えられている SLE の 臨 床 症 状 と 自 己 抗 体 は 個 々 の 症 例 により 多 様 であるため 診 断 基 準 もそれに 応 じて 多 岐 にわたる 項 目 が 含 まれている 1971 年 に 最 初 の SLE 分 類 予 備 基 準 がアメリカリウマチ 協 会 から 発 表 され その 後 1982 年 に ACR として 改 訂 された さらに 1997 年 に 改 訂 され 抗 リン 脂 質 抗 体 の 項 目 が 加 わり 現 在 も 広 く 利 用 されている( 表 5) 5, 6) 今 回 の 新 分 類 基 準 は ACR としてではなく SLICC(Systemic Lupus International Collaborating Clinics) グループによる 新 たな SLE 分 類 基 準 が 提 唱 された( 表 6) 7) 1982 年 の 分 類 基 準 は 検 証 されているものの 1997 年 の ACR 分 類 基 準 についての 検 証 はされていなかったこともあり また 検 査 法 の 進 歩 により 正 確 な 形 での 分 類 基 準 が 求 められていた 背 景 がある 第 1 ステップである 作 成 段 階 として SLE とその 他 の 疾 患 の 716 名 の 患 者 の 診 療 サマリーをもとに SLICC のメンバーが 診 断 し 80% 以 上 のリウマチ 医 が SLE と 判 断 した 際 に コンセンサスを 得 た SLE とみなした SLE を 分 類 されるための 項 目 は CART(classification and regression tree) 解 析 によりカテゴライズされ た その 結 果 少 なくとも 1 項 目 以 上 の 臨 床 項 目 と 1 項 目 以 上 の 免 疫 項 目 を 満 たすことがきめられた その 後 分 類 条 件 の 修 正 改 善 が 検 討 され 免 疫 項 目 から 抗 C1q 抗 体 と 臨 床 項 目 から 発 熱 やリンパ 節 腫 脹 が 削 除 さ れ 朝 のこわばりを 伴 う 関 節 の 圧 痛 が 関 節 炎 の 項 目 に 加 えられた 1997 年 ACR 分 類 基 準 では 11 項 目 中 4 項 目 以 上 を 満 たせば SLE と 分 類 されていた 今 回 は 新 たに 臨 床 項 目 から 1 項 目 以 上 免 疫 項 目 から 1 項 目 以 上 とし 合 計 で 4 項 目 以 上 を 満 たせば SLE としている さらにこれらの 項 目 の 有 無 にかかわらず 腎 生 検 におい てループス 腎 炎 に 合 致 した 所 見 があれば 抗 核 抗 体 が 陽 性 あるいは 抗 ds-dna 抗 体 が 陽 性 であれば SLE に 分 類 するとしている ループス 腎 炎 の 所 見 は 国 際 腎 臓 学 会 (ISN)による 2003 年 分 類 によって 定 められた 組 織 分 類 に 従 う 4

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臨 床 項 目 として これまで 皮 疹 は 蝶 形 紅 斑 円 板 状 紅 斑 光 線 過 敏 症 であった 項 目 が 急 性 と 慢 性 の 皮 膚 ルー プスに 分 けられそれぞれのカテゴリーの 中 で 多 様 な 皮 疹 が 挙 げられている 蝶 形 紅 斑 と 光 線 過 敏 症 は 光 線 過 敏 性 ループス 皮 疹 として 急 性 皮 膚 ループスの 項 目 に 含 まれた さらにこれまで 項 目 に 含 まれていなかった 脱 毛 が 1 つの 項 目 として 加 わった 口 腔 内 潰 瘍 は 通 常 は 無 痛 性 という 記 載 が 削 除 され 口 内 炎 を 呈 する 他 の 疾 患 が 除 外 項 目 として 挙 げられている 関 節 炎 については これまで 非 びらん 性 関 節 炎 と 定 義 されていたが 実 際 にはびらんを 呈 する SLE 関 節 炎 が 存 在 するため 1997 年 ACR 基 準 項 目 の 関 節 炎 におけるにおける non-erosive が 消 され 滑 膜 炎 としている 蛋 白 尿 はテステープ 測 定 ではなくスポット 尿 ( 蛋 白 尿 / 尿 クレ アチニン 比 ) あるいは 畜 尿 測 定 による 定 量 が 必 要 となり 円 柱 は 赤 血 球 円 柱 に 特 定 された 神 経 症 状 として はこれまでけいれんと 精 神 症 状 のみであったが 脊 髄 炎 や 末 梢 神 経 炎 も 加 えられた 血 球 異 常 はこれまで 血 液 学 的 異 常 として 1 項 目 であったのが 溶 血 性 貧 血 白 血 球 減 少 血 小 板 減 少 として 独 立 した 3 項 目 とされた さらに リンパ 球 減 少 は 1,500/mm 3 未 満 であったのが 1,000/mm 3 とされ 白 血 球 減 少 とともにこれまで 2 回 以 上 であったのが 少 なくとも 1 回 でもよいこととし 他 の 疾 患 を 除 外 する 条 件 がついた 免 疫 項 目 としては これまで 抗 核 抗 体 が 1 項 目 と 免 疫 異 常 として 抗 DNA 抗 体 抗 Sm 抗 体 抗 リン 脂 質 抗 体 のいずれかが 陽 性 であれば 1 項 目 として 挙 げられていたが 今 回 は 免 疫 項 目 として 抗 ds-dna 抗 体 抗 Sm 抗 体 抗 リン 脂 質 抗 体 に 加 え 低 補 体 と 直 接 クームスの 項 目 が 加 わり 計 6 項 目 となり さらに 少 なくとも 1 項 目 が 陽 性 であることが 条 件 に 加 えられた 抗 ds-dna 抗 体 については 測 定 法 についても 言 及 され ELISA 法 では 特 異 性 が 低 いことをふまえて 基 準 範 囲 の 2 倍 を 超 えることとしている 抗 リン 脂 質 抗 体 については 今 回 抗 β2gp1 抗 体 が 加 わった 直 接 クームス 陽 性 については 臨 床 項 目 の 溶 血 性 貧 血 を 満 たした 際 には 重 複 して カウントしないため 溶 血 性 貧 血 がない 場 合 としている 第 2 ステップとして 新 しい 基 準 の 検 証 が 行 われている 第 1 ステップの 患 者 とは 別 の 690 名 の 患 者 で 検 討 され 1997 年 ACR 分 類 基 準 の 感 度 と 特 異 度 は 83%と 96%であるのに 対 し 2012 年 SLICC 分 類 基 準 では 97%と 84%であった この 差 は 統 計 学 的 には 有 意 ではないが 今 回 の SLICC 分 類 基 準 では 現 行 の ACR 分 類 基 準 と 比 較 し より 多 くの SLE 患 者 を 組 み 込 むことが 可 能 になった メキシコでの 検 証 では SLE および SLE 疑 い 患 者 200 名 を 対 象 に 医 師 の 判 断 をゴールドスタンダードとし た 場 合 2012 年 SLICC 分 類 基 準 の 感 度 と 特 異 度 は 92%と 99%で 1997 年 ACR 分 類 基 準 の 97%と 99%で あり 実 臨 床 においても 同 等 の 有 効 性 が 示 されている 8) 今 回 の 分 類 基 準 は 前 回 の 改 訂 から 15 年 経 過 して おり 現 行 の 問 題 点 を 考 慮 し 検 査 法 やその 他 の 進 歩 に 即 した よりアップデートされたものになった 新 規 分 類 基 準 により 早 期 の SLE 診 断 が 可 能 になるか 今 後 のさらなる 解 析 が 必 要 と 考 えられる 6

4. 全 身 性 強 皮 症 (SSc)の ACR/EULAR 分 類 基 準 (2013 年 ) 強 皮 症 (Scleroderma)または 全 身 性 強 皮 症 (Systemic Sclerosis:SSc)は 皮 膚 および 全 身 の 内 臓 諸 臓 器 の 線 維 化 微 小 血 管 障 害 自 己 抗 体 産 生 の 3 つを 特 徴 とする 全 身 性 結 合 組 織 疾 患 である SSc は 皮 膚 硬 化 のみ ならず 多 彩 な 臓 器 病 変 を 伴 い 生 命 予 後 も 症 例 ごとに 異 なるが 特 に 重 要 な 臓 器 病 変 を 伴 う 症 例 は 悪 性 腫 瘍 の 予 後 にも 匹 敵 し これらの 克 服 が 重 要 な 課 題 である 他 の 疾 患 と 同 様 に 早 期 診 断 が 予 後 の 改 善 のために 重 要 な 課 題 となっている SSc に 関 しては 欧 米 では 1980 年 の ACR 分 類 基 準 ( 表 7) 9) 本 邦 では 2003 年 の 厚 生 労 働 省 強 皮 症 調 査 研 究 班 の 診 断 基 準 ( 表 8) 10) (2010 年 にさらに 改 訂 され 自 己 抗 体 として 抗 RNA ポリメラーゼⅢ 抗 体 が 追 加 )が 用 いられてきた が 2013 年 ACR/EULAR から 新 規 SSc 分 類 基 準 ( 表 9) 11) が 発 表 された 1980 年 の ACR 分 類 基 準 の 特 徴 はその 簡 便 さにある 含 まれる 項 目 は 皮 膚 硬 化 線 維 化 病 変 が 主 体 で 構 成 されて おり 理 学 所 見 が 重 要 である 皮 膚 硬 化 が 手 指 を 越 えて 手 背 まで 及 んでいればそれだけで SSc と 分 類 できる 皮 膚 硬 化 が 手 指 に 限 局 している 場 合 には 手 指 先 端 の 陥 凹 性 瘢 痕 指 腹 の 委 縮 または 肺 線 維 症 のいずれかを 認 めれば SSc と 診 断 できる 本 基 準 の 問 題 点 は 特 異 度 は 高 い ものの 感 度 が 低 く 自 己 抗 体 や 微 小 血 管 障 害 の 要 素 が 含 まれないため 早 期 の 症 例 で 基 準 をみ たさないことが 問 題 となっていた 一 般 的 に 専 門 医 により SSc と 診 断 された 症 例 の 10~20% は ACR 基 準 を 満 たさないと 認 識 されている 2003 年 の 厚 生 労 働 省 強 皮 症 調 査 研 究 班 の 診 断 基 準 は 1980 年 7

ACR 分 類 基 準 に 準 じ 自 己 抗 体 を 加 えたものである その 後 1988 年 に LeRoy らは 皮 膚 硬 化 範 囲 を 基 に した 限 局 性 皮 膚 硬 化 型 強 皮 症 (limited cutaneous SSc:lcSSc)とびまん 皮 膚 硬 化 型 強 皮 症 (diffuse cutaneous SSc:dcSSc)の 病 型 分 類 を 提 唱 した 12) この 分 類 は 皮 膚 硬 化 範 囲 による 分 類 で 肘 膝 を 越 える 皮 膚 硬 化 の 有 無 で dcssc lcssc に 分 類 され 自 然 経 過 や 予 後 予 測 が 可 能 とされた dcssc では 発 症 3-5 年 間 は 皮 膚 硬 化 が 進 行 するが ピークに 達 するとその 後 は 無 治 療 でもゆっくりと 改 善 する 一 方 lcssc の 皮 膚 硬 化 は 長 期 にわ たって 軽 度 で 変 化 が 少 ない 皮 膚 硬 化 が 肘 や 膝 を 越 えていない dcssc 早 期 例 は 積 極 的 治 療 の 適 応 となるが その 特 徴 として 1) Raynaud 現 象 と 皮 膚 硬 化 の 出 現 時 期 がほぼ 同 時 2) 手 指 から 前 腕 にかけて 高 度 の 浮 腫 性 変 化 を 伴 う 3) 急 速 に 皮 膚 硬 化 が 進 行 する( 月 単 位 ) 4) 手 指 屈 曲 拘 縮 または 腱 摩 擦 音 を 触 知 する 5) 抗 Scl-70 抗 体 または 抗 RNA ポリメラーゼⅢ 抗 体 陽 性 が 挙 げられている さらに 2001 年 の LeRoy と Medsger による 早 期 症 例 での 分 類 基 準 では 爪 郭 毛 細 血 管 の capillaroscopy の 所 見 を 加 え 皮 膚 硬 化 が 進 んでいない 症 例 でも 1) 他 覚 的 に Raynaud 現 象 を 認 める 症 例 では SSc に 特 徴 的 な 爪 郭 毛 細 血 管 の 所 見 あるいは SSc 特 異 的 自 己 抗 体 の 検 出 2) Raynaud 現 象 が 自 覚 的 である 症 例 では SSc に 特 徴 的 な 爪 郭 毛 細 血 管 の 所 見 および SSc 特 異 的 自 己 抗 体 の 両 方 を 認 める 場 合 early limited SSc と 分 類 することが 提 唱 された 13) 爪 郭 毛 細 血 管 評 価 は SSc の 特 徴 の 一 つである 微 小 血 管 障 害 をとらえることができる 検 査 で 一 般 的 には capillaroscopy を 用 いるが ダーモスコープやルーペでも 観 察 でき 毛 細 血 管 ループの 拡 張 ( 時 に 巨 大 化 )と 毛 細 血 管 の 減 少 消 失 が 特 徴 的 である 2001 年 にはエキスパートが lcssc と 診 断 した 259 例 のコホートを 用 い 1980 年 の ACR 基 準 に capillaroscopy と 毛 細 血 管 拡 張 所 見 を 加 えることにより 感 度 が 34%から 89%に 上 昇 することが 報 告 された 14) また 一 次 性 と 二 次 性 の Raynaud 現 象 を 鑑 別 するのに capillaroscopy の 所 見 が 重 要 であり 一 次 性 Raynaud 現 象 は capillaroscopy の 所 見 が 正 常 で 抗 核 抗 体 陰 性 末 梢 血 管 疾 患 の 兆 候 がないことと 定 義 されている 13) SSc の 90% 以 上 で 抗 核 抗 体 は 陽 性 となり 抗 核 抗 体 の 種 類 は 特 定 の 内 臓 病 変 や 病 気 の 進 行 と 関 連 が 深 く 診 断 のみならず 病 気 の 進 行 を 予 測 するうえで 重 要 な 情 報 となる 現 在 測 定 できる SSc 自 己 抗 体 としては 抗 Scl-70 抗 体 抗 RNA ポリメラーゼⅢ 抗 体 抗 セントロメア 抗 体 抗 U1RNP 抗 体 がある dcssc で 抗 Scl-70 抗 体 陽 性 であれば 間 質 性 肺 疾 患 (ILD)を 高 率 に 伴 うが 抗 RNA ポリメラーゼⅢ 抗 体 陽 性 ならば ILD は 少 なく 腎 クリーゼに 注 意 する 必 要 があるなど 自 己 抗 体 と 皮 膚 硬 化 範 囲 による 病 型 とを 組 み 合 わせることで さらに 詳 細 な 疾 患 サブセットの 分 類 が 可 能 となる 以 上 の 病 態 解 明 の 進 歩 をふまえ 1980 年 の ACR 分 類 基 準 は 早 期 の SSc と lcssc に 対 し 感 度 が 低 かった 問 題 を 改 善 するため ACR と EULAR の 合 同 委 員 会 により 新 しい 分 類 基 準 の 策 定 が 進 められた 11) Delphi 法 を 用 いて SSc と SSc に 類 似 した 疾 患 を 分 類 できる 可 能 性 のある 項 目 を 挙 げ 168 の 項 目 から 23 の 項 目 に 候 補 を 絞 り 込 み それぞれの 項 目 について 評 価 をした さらに 項 目 を 絞 り 込 み 最 終 的 に 重 み 付 けをして 表 9 に 示 す 新 しい 分 類 基 準 が 作 成 された この 分 類 基 準 では 得 点 の 合 計 が 9 点 以 上 で SSc と 分 類 される 1)の 項 目 はこれまでの 分 類 基 準 と 同 様 に 手 指 を 越 えて 手 背 に 及 ぶ 皮 膚 硬 化 を 認 めた 場 合 は SSc と 分 類 されるに 十 分 であるとされ これのみで 9 点 となった その 他 の 項 目 は 手 指 の 皮 膚 硬 化 指 尖 部 の 皮 膚 病 変 毛 細 血 管 拡 張 爪 郭 毛 細 血 管 異 常 間 質 性 肺 疾 患 または 肺 動 脈 性 肺 高 血 圧 症 Raynaud 現 象 SSc 関 連 自 己 抗 体 となる 検 証 のための 集 団 における 感 度 と 特 異 度 は 新 しい 分 類 基 準 で 91%と 92%であり 1980 年 の ACR 分 類 基 準 の 75%と 72%を 大 きく 上 回 っていた ノルウェイでの 検 証 では 425 名 の SSc 症 例 を 対 象 としたところ 2013 年 ACR/EULAR SSc 分 類 基 準 の 感 度 は 96%であったのに 対 し 1980 年 ACR 分 類 基 準 の 感 度 は 75%であったと 報 告 されている 15) また カナダの SSc コホートでの 検 証 では 724 名 の SSc 症 例 を 対 象 としたところ 2013 年 ACR/EULAR SSc 分 類 基 準 の 感 度 は 98.3%であったのに 対 し 1980 年 ACR 分 類 基 準 の 感 度 は 88.3%であったと 報 告 されている 8

16 ) 今 回 の 新 規 分 類 基 準 の 特 徴 は capillaroscopy による 爪 郭 毛 細 血 管 異 常 の 所 見 が 項 目 に 追 加 され 微 小 血 管 障 害 に 関 連 する 所 見 が 増 えたことである また SSc 特 異 的 自 己 抗 体 が 加 えられ SSc の 特 徴 がバランスよく 反 映 されており 分 類 基 準 による 判 断 が 専 門 家 の 診 断 により 近 いものとなった 5. 最 後 に 今 回 は ACR/EULAR から 最 近 に 発 表 された 分 類 基 準 のうち SS SLE SSc について 述 べた いずれの 基 準 もより 早 期 症 例 の 分 類 を 目 的 としており 今 後 のこれらの 疾 患 に 対 しる 新 規 生 物 学 的 製 剤 などの 臨 床 試 験 を 念 頭 に 置 いたものとなっている 今 後 は 実 臨 床 においても 新 規 分 類 基 準 の 適 応 など さらに 検 討 すべき 課 題 が あると 考 えられる また 2015 年 1 月 より 厚 生 労 働 省 の 指 定 する 難 病 が 56 疾 患 から 110 疾 患 に 拡 充 された 今 回 の 拡 充 に 伴 い SS は SLE や SSc と 同 様 に 指 定 難 病 となり 公 費 助 成 の 対 象 なった その 診 断 については SS は 1999 年 厚 生 労 働 省 改 訂 診 断 基 準 SLE は 1997 年 ACR 分 類 基 準 SSc は 2010 年 厚 生 労 働 省 強 皮 症 調 査 研 究 班 診 断 基 準 が 使 用 され 指 定 医 による 診 断 書 作 成 が 必 須 となる さらに 公 費 助 成 は 全 症 例 が 対 象 となるわけでは なく SS では ESSDAI 5 点 SLE では SLEDAI 4 点 SSc では 最 も 重 症 度 スコアの 高 いものが moderate 以 上 など それぞれの 疾 患 の 重 症 度 分 類 で 中 等 症 以 上 の 症 例 が 対 象 となる 点 に 留 意 が 必 要 である 詳 細 につい ては 厚 生 労 働 省 ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html)に 記 載 されているので 参 照 いただきたい 9

文 献 1) Fujibayashi T, Sugai S, Miyasaka N, et al. Revised Japanese criteria for Sjögren's syndrome (1999): availability and validity. Mod Rheumatol. 2004;14(6):425-34. 2) Vitali C, Bombardieri S, Jonsson R, et al. Classification criteria for Sjögren's syndrome: a revised version of the European criteria proposed by the American-European Consensus Group. Ann Rheum Dis. 2002;61(6):554-8. 3) Shiboski SC, Shiboski CH, Criswell L, et al. American College of Rheumatology classification criteria for Sjögren's syndrome: a data-driven, expert consensus approach in the Sjögren's International Collaborative Clinical Alliance cohort. Arthritis Care Res. 2012;64(4):475-87. 4) Tsuboi H, Hagiwara S, Asashima H, et al. Validation of different sets of criteria for the diagnosis of Sjögren's syndrome in Japanese patients. Mod Rheumatol. 2013;23(2):219-25. 5) Tan EM, Cohen AS, Fries JF, et al. The 1982 revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum. 1982;25(11):1271-7. 6) Hochberg MC. Updating the American College of Rheumatology revised criteria for the classification of systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum. 1997;40(9):1725. 7) Petri M, Orbai AM, Alarcón GS, et al. Derivation and validation of the Systemic Lupus International Collaborating Clinics classification criteria for systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum. 2012;64(8):2677-86. 8) Amezcua-Guerra LM, Higuera-Ortiz V, Arteaga-García U, et al. Performance of the 2012 SLICC and the 1997 ACR classification criteria for systemic lupus erythematosus in a real-life scenario. Arthritis Care Res (Hoboken). 2014 Jul 29. [Epub ahead of print] 9) Preliminary criteria for the classification of systemic sclerosis (scleroderma). Subcommittee for scleroderma criteria of the American Rheumatism Association Diagnostic and Therapeutic Criteria Committee. Arthritis Rheum. 1980;23(5):581-90. 10) 厚 生 労 働 省 科 学 研 究 費 補 助 金 難 治 性 疾 患 克 服 事 業 強 皮 症 における 病 因 解 明 と 根 治 的 治 療 法 の 開 発 強 皮 症 における 診 断 基 準 重 症 度 分 類 治 療 指 針 2007 年 改 訂 版 11) van den Hoogen F, Khanna D, Fransen J, et al. 2013 classification criteria for systemic sclerosis: an American College of Rheumatology/European League against Rheumatism collaborative initiative. Arthritis Rheum. 2013;65(11):2737-47. 12) LeRoy EC, Black C, Fleischmajer R, et al. Scleroderma (systemic sclerosis): classification, subsets and pathogenesis. J Rheumatol. 1988;15(2):202-5. 13) LeRoy EC, Medsger TA Jr. Criteria for the classification of early systemic sclerosis. J Rheumatol. 2001;28(7):1573-6. 14) Lonzetti LS, Joyal F, Raynauld JP, et al. Updating the American College of Rheumatology preliminary classification criteria for systemic sclerosis: addition of severe nailfold capillaroscopy abnormalities markedly increases the sensitivity for limited scleroderma. Arthritis Rheum. 2001;44(3):735-6. 15) Hoffmann-Vold AM, Gunnarsson R, Garen T, et al. Performance of the 2013 American College of Rheumatology/European League Against Rheumatism Classification Criteria for Systemic Sclerosis (SSc) in Large, Well-defined Cohorts of SSc and Mixed Connective Tissue Disease. J Rheumatol. 2015;42(1):60-3. 16) Alhajeri H, Hudson M, Fritzler M, et al. The 2013 ACR/EULAR Classification Criteria for Systemic Sclerosis Out-perform the 1980 Criteria. Data from the Canadian Scleroderma Research Group. Arthritis Care Res (Hoboken). 2014 Sep 18. [Epub ahead of print] 10