第 1 回 委 員 会 資 料 -5 桂 川 下 流 圏 域 河 川 整 備 計 画 検 討 委 員 会 第 1 回 資 料 ( 河 川 及 び 圏 域 の 概 要 ) 平 成 22 年 3 月 3 日 有 栖 川 ( 大 覚 寺 付 近 ) 京 都 府 建 設 交 通 部 河 川 課 京 都 土 木 事 務 所 乙 訓 土 木 事 務 所
目 次 瀬 戸 川 起 点 付 近 小 泉 川 有 栖 川 1. 圏 域 の 概 要 位 置 1 土 地 利 用 2 気 候 3 歴 史 4 災 害 5 2. ブロック 別 の 概 要 ブロック 区 分 6 1 桂 川 左 岸 ブロック( 天 神 川 等 ) 7 2 桂 川 右 岸 丘 陵 地 ブロック( 小 畑 川 等 ) 1 3 桂 川 右 岸 低 平 地 ブロック( 西 羽 束 師 川 等 ) 12 西 羽 束 師 川
1. 圏 域 の 概 要 ( 位 置 ) 圏 域 の 位 置 桂 川 下 流 圏 域 は 京 都 市 西 部 並 び に 乙 訓 地 域 に 位 置 し 一 級 河 川 桂 川 の 直 轄 管 理 区 間 に 流 れ 込 む14 支 川 の 流 域 と 大 阪 府 を 経 由 して 淀 川 に 流 れ 込 む 芥 川 の 最 上 流 部 を 併 せた 区 域 である 本 圏 域 は 京 都 市 の8つの 区 と2 市 1 町 で 構 成 される 構 成 市 区 町 京 都 府 域 図 圏 域 の 概 要 面 積 は 約 18km2で 京 都 府 の 全 人 口 の 約 2%が 圏 域 内 に 居 住 している 圏 域 内 の 対 象 河 川 は 京 都 府 管 理 の15 河 川 が 対 象 であり 河 川 延 長 の 合 計 は 約 85kmとなっている 河 川 数 人 口 項 圏 域 面 積 目 府 管 理 河 川 延 長 の 合 計 桂 川 下 流 圏 域 内 約 18km2 約 85km 15 約 54 万 人 ( 平 成 21 年 ) 関 係 市 区 町 京 都 市 ( 北 区 上 京 区 下 京 区 中 京 区 南 区 右 京 区 西 京 区 伏 見 区 ) 向 日 市 長 岡 京 市 大 山 崎 町 河 川 位 置 図 出 典 : 統 計 で 見 る 府 民 の 暮 らし( 平 成 2 年 ) 京 都 府 桂 川 下 流 圏 域 の 河 川 一 覧 1 次 支 流 2 次 支 流 3 次 支 流 4 次 支 流 河 川 名 流 路 延 (km) 流 域 面 積 (km2) 河 川 名 流 路 延 長 (km) 流 域 面 積 (km2) 河 川 名 流 路 延 長 (km) 流 域 面 積 (km2) 河 川 名 流 路 延 長 (km) 流 域 面 積 (km2) 芥 川 3.6 6 ( 桂 川 : 直 轄 管 理 ) 天 神 川 ( 鴨 川 : 別 途 計 画 策 定 済 ) 有 栖 川 14.2 6.1 31.9 8.4 御 室 川 西 高 瀬 川 6.3 14.8 11.8 16.2 宇 多 川 2.3 2.5 瀬 戸 川 2.9 2.3 新 川 2.3 3.4 1 河 川 西 羽 束 師 川 本 川 小 畑 川 小 泉 川 7 河 川 4. 15 5.6 15.9 35.7 1 西 羽 束 師 川 支 川 善 峰 川 犬 川 久 保 川 6 河 川 2. 3.7.9 1.5 2.9 12 1. 1.5 1 河 川 京 都 府 管 理 河 川 15 河 川 出 典 : 河 川 調 書 京 都 府 1
1. 圏 域 の 概 要 ( 土 地 利 用 ) 土 地 利 用 交 通 網 の 発 達 により 京 都 大 阪 のどちらへも 移 動 しやすく 高 度 成 長 期 に は 著 しく 市 街 地 が 拡 大 圏 域 の 京 都 市 域 は 多 数 の 景 勝 地 を 有 しつつも 市 街 化 区 域 内 の 宅 地 化 が 進 行 した 地 域 乙 訓 地 域 も 市 街 地 の 拡 大 が 続 くものの 竹 林 などの 自 然 が 残 されている 桂 川 の 豊 富 な 水 による 古 くからの 農 業 と 近 代 には 西 山 山 系 の 湧 水 を 利 用 した 工 場 施 設 などにより 発 展 してきた 地 域 また 桂 離 宮 や 大 山 崎 山 荘 など 都 会 の 喧 噪 から 逃 れるなどの 自 然 や 眺 望 を 活 かした 地 域 人 口 圏 域 内 市 区 町 人 口 ( 全 市 区 町 面 積 約 578km2)は 約 127 万 人 (H21 年 )で 昭 和 3~6 年 にかけて 大 きく 増 加 し 近 年 は 横 ばい 特 に 右 京 区 伏 見 区 での 増 加 が 著 しく 右 京 区 は 昭 和 51 年 には 一 部 西 京 区 へ 分 区 された ( 人 ) 1,4, 右 京 区 西 京 区 長 岡 京 市 向 日 市 北 区 南 区 上 京 区 下 京 区 中 京 区 伏 見 区 合 計 1,2, 大 山 崎 町 京 都 近 郊 図 ( 大 日 本 帝 国 陸 地 測 量 部 昭 和 3 年 ) ( 桂 川 周 辺 は 農 地 が 拡 がっている) 1,, 右 京 区 伏 見 区 人 口 集 中 地 区 の 変 遷 ( 国 勢 調 査 ) 2, 下 京 区 中 京 区 南 区 長 岡 京 市 北 区 西 京 区 向 日 市 昭 和 3 年 4 年 5 年 6 年 7 年 17 年 21 年 圏 域 の 人 口 推 移 ( 国 勢 調 査 平 成 21 年 は 京 都 府 推 計 人 口 ) 上 京 区 大 山 崎 町 右 京 区 は 昭 和 51 年 に 分 区 ( 一 部 西 京 区 になる) 昭 和 42 年 に 山 崎 町 で 町 制 施 行 桂 離 宮 大 山 崎 山 荘 から 桂 川 を 望 む 2
1. 圏 域 の 概 要 ( 気 候 ) 気 (mm) 3 候 京 都 府 は 日 本 海 側 地 方 の 気 象 の 特 色 を 持 つ 北 部 地 区 と 瀬 戸 内 海 地 方 の 気 象 に 属 する 南 部 地 区 その 中 間 にある 丹 波 地 方 ならびに 丹 後 の 山 間 部 は 内 陸 性 盆 地 気 象 の 性 格 が 強 い 今 回 対 象 となる 桂 川 下 流 圏 域 は 内 陸 性 盆 地 気 象 に 属 し その 特 徴 は 以 下 のとおりである 降 水 量 は 6 月 ~7 月 の 梅 雨 期 と9 月 の 台 風 期 に 増 大 するが 冬 季 は 乾 燥 期 に 入 り 瀬 戸 内 側 地 方 の 気 象 分 布 を 示 す Ⅳb2 丹 波 高 原 東 部 山 がちで 冷 涼 な 気 候 区 である 各 月 および 年 平 均 気 温 はつねに 府 域 で 最 低 で 1 月 の 平 均 気 温 は1~2 年 平 均 気 温 は12 ~13 である 夏 は 過 ごしやすいが 冬 は 寒 く また 降 積 雪 量 が 多 いこと で 日 本 海 側 の 気 候 区 に 近 い 性 質 を もつ Ⅲd2 京 都 盆 地 瀬 戸 内 海 気 候 域 にはい る 暑 さは 府 域 でもっときびしい 冬 は 降 雪 が 少 なく 晴 天 の 日 が 多 い 年 降 水 量 は 府 域 では 最 小 である 出 典 : 日 本 の 地 誌 1973 25 2 218.8 21.9 年 間 降 水 量 :1,515mm 191.8 15 1 5 51.1 64.6 19.7 131.2 153.7 144.8 122.4 74.7 45.1 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 11 12 ( 月 ) (1971 年 ~26 年 京 都 地 方 気 象 台 ) 京 都 地 方 気 象 台 における 気 温 と 降 雨 量 3
1. 圏 域 の 概 要 ( 歴 史 ) 歴 史 弥 生 時 代 前 から 農 耕 従 事 の 跡 がみられ 桂 川 を 中 心 に 人 の 営 みが 平 安 京 以 前 から 行 われていた 地 域 圏 域 の 各 河 川 は 桂 川 の 支 川 であるとともに 圏 域 の 農 業 用 排 水 として 古 くから 人 々の 生 活 と 深 く 係 わってきた 一 の 井 堰 桂 川 における 井 堰 灌 漑 の 歴 史 は 古 く 我 が 国 でも 有 数 のものであ る 5 世 紀 末 に 現 在 の 渡 月 橋 下 流 に 葛 野 (かどの) 大 堰 (おおい)が 築 造 され 桂 川 右 岸 の 灌 漑 用 水 を 供 給 したことに 始 まる その 後 8 世 紀 に 一 の 井 堰 として 修 復 され 明 治 初 期 には 渡 月 橋 の 上 流 に 移 設 され 左 岸 の 取 水 施 設 として 二 の 井 が 設 けられた 丹 波 国 世 木 ヨリ 山 城 国 嵯 峨 マデ 大 井 川 筋 絵 図 ( 江 戸 中 期 京 都 府 立 総 合 資 料 館 蔵 ) 三 船 祭 ( みふねまつり) 京 都 一 覧 図 画 ( 京 都 大 学 附 属 図 書 館 所 蔵 ) 洛 西 用 水 桂 川 用 水 の 井 堰 は 木 工 沈 床 蛇 籠 杭 柵 で 築 造 されていたことか ら 老 朽 化 や 河 床 低 下 による 取 水 不 能 洪 水 被 害 等 の 維 持 補 修 に 関 する 問 題 が 多 発 していた そのた め 昭 和 2 年 には 府 営 洛 西 農 業 水 利 改 良 事 業 の 実 施 が 決 議 さ れ 2 箇 所 の 井 堰 への 統 合 新 水 路 の 新 設 桂 川 右 岸 には2 箇 所 の 排 水 ポンプ 場 設 置 羽 束 師 川 を 改 修 するなどの 用 水 と 排 水 の 改 良 工 事 が 実 施 された 桂 川 用 水 桂 川 には 上 流 は 法 輪 橋 ( 現 渡 月 橋 )から 下 流 は 吉 祥 院 に 至 る 両 岸 に 十 箇 所 の 取 水 口 が 設 けら れており これらを 総 称 して 桂 川 用 水 と 呼 ばれている 15 世 紀 の 記 録 では 十 八 郷 村 の 灌 漑 用 水 として 利 用 されており 渇 水 時 においては 水 争 い が 深 刻 化 していた 現 在 の 一 の 井 堰 国 宝 東 寺 百 合 文 章 山 城 国 桂 川 用 水 差 図 ( 京 都 府 立 総 合 資 料 館 蔵 ) 差 図 補 足 説 明 図 山 城 国 水 系 図 江 戸 亭 保 間 (1716~36) ( 桂 川 から 水 路 が 多 い 赤 色 実 線 が 水 路 ) 府 営 洛 西 農 業 水 利 改 良 事 業 の 概 要 図 4
1. 圏 域 の 概 要 ( 災 害 ) 災 害 桂 川 の 災 害 の 主 なものを 以 下 に 整 理 する 発 生 年 月 日 明 治 32 年 9 月 7 日 昭 和 9 年 9 月 21 日 昭 和 1 年 6 月 28 日 昭 和 25 年 9 月 3 日 災 桂 川 で 堤 防 決 壊 橋 梁 流 出 室 戸 台 風 京 都 大 洪 水 ジェーン 台 風 害 昭 和 26 年 7 月 11 日 昭 和 28 年 8 月 15 日 昭 和 28 年 9 月 25 日 昭 和 34 年 9 月 26 日 亀 岡 地 方 の 豪 雨 南 山 城 水 害 台 風 13 号 伊 勢 湾 台 風 (15 号 ) 昭 和 1 年 京 都 大 洪 水 ( 長 岡 京 市 ) 昭 和 36 年 9 月 16 日 昭 和 36 年 1 月 28 日 昭 和 4 年 9 月 17 日 昭 和 47 年 7 月 17 日 昭 和 47 年 9 月 17 日 第 2 室 戸 台 風 (18 号 ) 台 風 26 号 前 線 台 風 24 号 秋 雨 前 線 (9.14 豪 雨 ) 昭 和 47 年 7 月 豪 雨 台 風 2 号 昭 和 28 年 台 風 13 号 ( 長 岡 京 市 ) 昭 和 51 年 9 月 13 日 昭 和 57 年 8 月 1 日 昭 和 61 年 7 月 22 日 平 成 元 年 9 月 3 日 台 風 17 号 台 風 1 号 7 月 2 日 から21 日 にかけての 梅 雨 前 線 豪 雨 前 線 昭 和 34 年 頃 ( 向 日 市 ) 平 成 4 年 8 月 2 日 8 月 18 日 から2 日 にかけての 大 雨 ( 資 料 : 京 都 気 象 1 年 国 土 交 通 省 HP) 昭 和 61 年 梅 雨 前 線 豪 雨 ( 向 日 市 ) 5
2. ブロック 別 の 概 要 ブロック 区 分 地 域 特 性 や 地 形 の 特 徴 から 考 慮 して 桂 川 下 流 圏 域 を3つのブロックに 分 割 して 各 河 川 の 概 要 について 見 てみる 航 空 写 真 1 桂 川 左 岸 ブロック 2 桂 川 右 岸 丘 陵 地 ブロック 3 桂 川 右 岸 低 平 地 ブロック 天 神 川 西 高 瀬 川 他 4 河 川 小 畑 川 小 泉 川 他 4 河 川 西 羽 束 師 川 新 川 他 1 河 川 6
1 桂 川 左 岸 ブロック( 天 神 川 等 1/3)の 概 要 桂 川 左 岸 ブロック 一 級 河 川 河 川 の 河 道 特 性 河 川 名 流 路 延 長 (km) 流 域 面 積 (km2) 天 神 川 14.2 31.9 御 室 川 6.3 11.8 宇 多 川 2.3 2.5 西 高 瀬 川 14.8 16.2 有 栖 川 6.1 8.4 瀬 戸 川 2.9 2.3 ブロック 内 の 河 川 は 都 市 部 を 貫 流 しており 上 流 部 では 河 床 勾 配 も 非 常 に 急 勾 配 天 神 川 最 下 流 を 除 くとほとんどの 河 川 は 堀 込 河 道 護 岸 整 備 はほぼ 概 成 河 床 もコンク リート 張 りが 多 く 上 流 に 行 くほど 急 な 河 床 勾 配 を 保 つために 床 止 め 工 が 多 くなっている 国 道 や 市 道 と 並 行 する 天 神 川 では 桜 並 木 があり 地 域 にうるおいを 与 える 空 間 として 機 能 している 西 高 瀬 川 は 桂 川 から 取 水 する 農 業 用 水 路 を 兼 ねており 沿 川 には 現 在 も 農 耕 地 が 多 数 存 在 している 標 高 (m) 25 2 15 1 5 鴨 川 桂 川 14, 天 神 川 12, 1, 8, 距 離 (m) 6, 4, 有 栖 川 2, 西 高 瀬 川 地 形 地 質 西 高 瀬 川 以 外 の 上 流 部 に 扇 状 地 があり その 下 に 砂 礫 の 段 丘 及 び 扇 状 地 性 低 地 が 形 成 され ている 各 河 川 の 下 流 部 は 桂 川 の 氾 濫 や 湛 水 で 形 成 された 三 角 州 性 低 地 表 層 地 質 は 扇 状 地 と 下 部 は 砂 礫 質 の 段 丘 堆 積 層 と 一 部 砂 泥 互 層 で 形 成 され 下 流 部 は 桂 川 からの 砂 礫 質 の 沖 積 層 となる 表 層 地 質 沖 積 層 ( 砂 礫 質 堆 積 物 ) 沖 積 層 ( 泥 質 堆 積 物 ) 低 位 段 丘 中 位 段 丘 高 位 段 丘 砂 礫 質 堆 積 物 砂 泥 互 層 頁 岩 類 砂 岩 及 び 砂 岩 泥 岩 互 層 砂 岩 及 び 泥 質 混 在 岩 層 状 チャート 及 びそのオリストリス 緑 色 岩 類 石 灰 岩 地 質 構 造 コンプレックスの 境 界 をなす 断 層 高 角 断 層 主 要 な 活 断 層 地 質 黒 ボク 土 黒 ボクグライ 土 褐 色 森 林 土 灰 色 低 地 土 グライ 土 地 形 分 類 図 ( 京 都 府 地 形 分 類 図 ) 表 層 地 質 図 ( 京 都 府 表 層 地 質 図 ) 7
1 桂 川 左 岸 ブロック( 天 神 川 等 2/3)の 概 要 社 会 環 境 府 管 理 区 間 では ほぼ 密 集 した 市 街 地 を 形 成 歴 史 天 神 川 の 名 は 中 流 で 北 野 天 満 宮 の 西 を 流 れていることによる 上 流 部 は 紙 を 漉 いた 紙 座 があったことに 由 来 して 紙 屋 川 と 称 されていた 天 神 川 は 平 野 神 社 の 禊 川 としても 重 要 な 役 割 を 果 たした 川 沿 いには 都 を 水 害 から 守 っていたことが 伺 える 御 土 居 の 遺 構 も 保 存 されている 太 秦 に 拠 点 をもつ 秦 氏 は 高 度 な 技 術 力 と 豊 富 な 経 験 をもち 桂 川 に 灌 漑 用 水 の 大 堰 ( 葛 野 大 堰 )を 作 り 天 神 川 流 域 の 嵯 峨 野 一 帯 を 開 墾 し また 養 蚕 や 機 織 な どの 新 しい 技 法 を 伝 えた 西 高 瀬 川 は 丹 波 丹 後 からの 材 木 や 淀 川 を 経 て 入 荷 する 米 などの 諸 物 資 の 輸 送 路 として 文 久 3 年 (1863 年 )に 桂 川 ~ 千 本 三 条 が 開 削 された 西 高 瀬 川 は 運 河 以 外 にも 京 友 禅 など 染 物 の 工 場 から 出 る 排 水 を 流 すための 下 水 路 としての 役 割 を 担 っていた 近 代 に 入 り 道 路 などの 陸 運 網 が 発 達 していくにつれ 運 河 としての 機 能 を 失 って 埋 められた 川 も 多 い 地 区 である 天 神 川 ( 親 水 護 岸 ) 天 神 川 ( 四 条 ~ 五 条 付 近 ) 平 野 神 社 御 土 居 西 川 通 船 路 新 開 図 文 久 3 年 (1863 年 ) ( 幕 末 に 開 削 された 西 高 瀬 川 を 示 す 図 面 ) 2 8
1 桂 川 左 岸 ブロック( 天 神 川 等 3/3)の 概 要 災 害 桂 川 左 岸 ブロックは 昭 和 1 年 の 洪 水 において 甚 大 な 被 害 が 発 生 したことから 大 規 模 な 河 川 改 修 と 流 路 変 更 が 実 施 された 昭 和 1 年 の 京 都 大 洪 水 昭 和 9 年 の 室 戸 台 風 の 復 旧 も 充 分 でなかった 昭 和 1 年 6 月 梅 雨 前 線 に 伴 う 集 中 豪 雨 が 京 都 を 襲 い 鴨 川 高 野 川 はもとより 天 神 川 御 室 川 等 の 河 川 において 大 災 害 が 発 生 した 西 高 瀬 川 の 分 断 昭 和 1 年 の 洪 水 を 受 け それまで1つに 合 流 していた 天 神 川 西 高 瀬 川 堀 川 を 三 つに 分 けるかたちで 付 け 替 えを 行 った また 御 室 川 と 併 せた 天 神 川 は 河 床 を 掘 り 下 げた このため 西 高 瀬 川 が 分 断 され 水 が 天 神 川 に 流 れるようになった 西 高 瀬 川 天 神 川 昔 の 西 高 瀬 川 ( 大 正 4 年 頃 ) 天 神 川 現 在 の 西 高 瀬 川 ( 水 がほとんど 無 い) 御 室 川 天 神 川 堀 川 西 高 瀬 川 御 室 川 桂 川 鴨 川 御 室 川 堀 川 旧 流 路 イメージ : 旧 流 路 : 現 在 の 流 路 流 失 及 び 全 壊 家 屋 浸 水 家 屋 死 傷 者 流 失 橋 梁 33 戸 5,14 戸 86 人 52 橋 旧 天 神 川 ( 現 在 は 廃 川 ) 昭 和 1 年 京 都 大 洪 水 実 績 図 西 高 瀬 川 旧 天 神 川 ( 西 高 瀬 川 合 流 部 付 近 ) 2 9
2 桂 川 右 岸 丘 陵 地 ブロック( 小 畑 川 等 1/2)の 概 要 桂 川 右 岸 丘 陵 地 ブロック 一 級 河 川 河 川 名 小 畑 川 善 峰 川 犬 川 小 泉 川 久 保 川 芥 川 流 路 延 長 (km) 15 3.7.9 5.6 1.5 3.6 流 域 面 積 (km2) 35.7 12. 1. 1. 1.5 6. ブロック 内 の 河 川 は 西 山 から 桂 川 に 注 ぐ 昭 和 4 年 代 に 小 畑 川 小 泉 川 は 河 川 改 修 が 行 われほぼ 完 成 している 河 川 の 河 道 特 性 上 中 流 は 勾 配 が 急 な 堀 込 河 道 下 流 は 比 較 的 緩 やかな 堀 込 河 道 となっており 最 下 流 部 は 築 堤 区 間 となっている 護 岸 はコンクリートブロックで 整 備 され 床 止 め 工 が 多 く 設 置 されている 沿 川 は 住 宅 等 が 建 ち 並 び 都 市 河 川 として 貴 重 な 空 間 を 創 出 している 標 高 (m) 25 2 15 1 5 鴨 川 桂 川 14, 小 畑 川 12, 1, 8, 距 離 (m) 6, 4, 善 峰 川 2, 小 畑 川 善 峰 川 地 形 地 質 小 畑 川 善 峰 川 小 泉 川 の 上 流 は 4m~6mの 中 起 伏 山 地 であり 小 畑 川 中 流 部 の 善 峰 川 合 流 点 付 近 には 京 都 芸 術 大 学 等 による 人 工 改 変 地 を 含 む 砂 礫 の 段 丘 が 形 成 されている 下 流 部 は 扇 状 地 性 低 地 からなる 表 層 地 質 は 上 流 部 は 頁 岩 や 砂 岩 泥 岩 中 流 下 流 部 は 段 丘 堆 積 層 からなる 表 層 地 質 沖 積 層 ( 砂 礫 質 堆 積 物 ) 沖 積 層 ( 泥 質 堆 積 物 ) 低 位 段 丘 中 位 段 丘 高 位 段 丘 砂 礫 質 堆 積 物 砂 泥 互 層 頁 岩 類 砂 岩 及 び 砂 岩 泥 岩 互 層 砂 岩 及 び 泥 質 混 在 岩 層 状 チャート 及 びそのオリストリス 緑 色 岩 類 石 灰 岩 地 質 構 造 コンプレックスの 境 界 をなす 断 層 高 角 断 層 主 要 な 活 断 層 地 質 黒 ボク 土 黒 ボクグライ 土 褐 色 森 林 土 灰 色 低 地 土 グライ 土 地 形 分 類 図 ( 京 都 府 地 形 分 類 図 ) 表 層 地 質 図 ( 京 都 府 表 層 地 質 図 ) 1 2
2 桂 川 右 岸 丘 陵 地 ブロック( 小 畑 川 等 2/2)の 概 要 社 会 環 境 竹 林 と 筍 が 特 産 品 として 有 名 また 古 寺 や 山 荘 など 平 安 京 と 異 なった 雰 囲 気 を 残 す 地 域 である 西 山 山 系 の 湧 水 を 利 用 した 工 場 立 地 と 企 業 と 連 携 した 里 山 保 全 (モデルフォレスト)が 実 践 されている 地 域 でもある 京 都 大 阪 にも 交 通 が 便 利 で 高 度 経 済 成 長 期 に 宅 地 開 発 が 進 行 し 市 街 地 が 拡 大 している 圏 域 内 で 建 設 が 進 められている 京 都 第 二 外 環 状 道 路 (にそと)では 雨 水 の 流 出 抑 制 措 置 ( 調 整 池 の 設 置 )が 図 られ ている モデルフォレスト 活 動 の 様 子 にそと 建 設 現 場 ( 小 泉 川 付 近 ) 歴 史 災 害 小 畑 川 小 泉 川 は 昭 和 3 年 代 までは 森 林 や 竹 藪 などの 丘 陵 地 を 流 れる 河 川 で あった 昭 和 3 年 代 には 浸 水 被 害 が 多 発 した 竹 林 が 残 る 小 泉 川 周 辺 昭 和 4 年 後 半 ~5 年 代 に 洛 西 ニュータウンが 完 成 し 併 せて 河 川 改 修 が 実 施 され 現 在 の 姿 となっている 現 在 土 砂 供 給 が 少 ないためか 河 床 の 低 下 が 著 しく 護 床 工 や 低 水 路 の 改 修 に 併 せて 魚 道 の 設 置 など 河 川 の 縦 断 方 向 の 連 続 性 確 保 を 進 めている ニュータウンの 建 設 と 併 せて 河 川 改 修 直 線 的 な 都 市 河 川 に 変 貌 昭 和 34 年 水 害 ( 小 畑 橋 付 近 ) 昭 和 4 年 代 昭 和 36 年 水 害 ( 長 岡 京 市 役 所 付 近 ) 小 畑 川 ( 川 の 舞 台 ) 小 泉 川 ( 落 差 工 ) 久 保 川 ( 魚 道 ) 11 2
3 桂 川 右 岸 低 平 地 ブロック( 西 羽 束 師 川 等 1/2)の 概 要 桂 川 右 岸 低 平 地 ブロック 一 級 河 川 河 川 名 新 川 西 羽 束 師 川 本 川 西 羽 束 師 川 支 川 流 路 延 長 (km) 2.3 4. 2. 流 域 面 積 (km2) 15.9 西 羽 束 師 川 新 川 はもともと 桂 川 右 岸 の 低 平 地 における 農 業 の 用 排 水 路 であった 3.4 2.9 河 川 の 河 道 特 性 西 羽 束 師 川 は 桂 川 から 分 派 する 洛 西 幹 線 用 水 路 と 洛 西 中 央 幹 線 用 水 路 及 び 千 代 原 川 と 寺 戸 川 などを 水 源 としている 西 羽 束 師 川 は 現 在 は 市 街 化 が 進 んで いるが 元 々は 西 山 丘 陵 と 桂 川 右 岸 一 帯 に 広 がる 田 園 地 帯 を 持 つ 西 羽 束 師 川 新 川 ともに 低 平 地 を 流 れる 勾 配 の 緩 い 河 川 で 本 川 である 桂 川 の 水 位 により 背 水 の 影 響 を 受 ける 河 川 で ともに 桂 川 合 流 地 点 では 樋 門 及 び 排 水 ポンプ 施 設 が 整 備 されている 標 高 (m) 25 2 15 1 5 鴨 川 桂 川 14, 12, 1, 8, 距 離 (m) 6, 西 羽 束 師 川 4, 西 羽 束 師 川 支 川 2, 新 川 地 形 地 質 当 該 ブロックは 桂 川 の 氾 濫 や 湛 水 で 形 成 された 三 角 州 性 低 地 が 大 半 を 占 め 西 部 には 起 伏 量 1m 以 下 の 丘 陵 地 が 存 在 する 表 層 地 質 は 三 角 州 性 低 地 は 泥 質 堆 積 物 から 成 る 沖 積 層 であり 西 部 の 丘 陵 地 は 頁 岩 及 び 泥 質 混 在 岩 からなる 表 層 地 質 沖 積 層 ( 砂 礫 質 堆 積 物 ) 沖 積 層 ( 泥 質 堆 積 物 ) 低 位 段 丘 中 位 段 丘 高 位 段 丘 砂 礫 質 堆 積 物 砂 泥 互 層 頁 岩 類 砂 岩 及 び 砂 岩 泥 岩 互 層 砂 岩 及 び 泥 質 混 在 岩 層 状 チャート 及 びそのオリストリス 緑 色 岩 類 石 灰 岩 地 質 構 造 コンプレックスの 境 界 をなす 断 層 高 角 断 層 主 要 な 活 断 層 地 質 黒 ボク 土 黒 ボクグライ 土 褐 色 森 林 土 灰 色 低 地 土 グライ 土 桂 川 合 流 部 西 羽 束 師 川 本 川 地 形 分 類 図 ( 京 都 府 地 形 分 類 図 ) 表 層 地 質 図 ( 京 都 府 表 層 地 質 図 ) 12 2
3 桂 川 右 岸 低 平 地 ブロック( 西 羽 束 師 川 等 2/2)の 概 要 社 会 環 境 農 地 が 多 く 残 るものの 現 在 も 宅 地 化 が 進 行 している 国 道 171 号 を 中 心 に 商 業 施 設 や 工 場 の 立 地 が 多 い 西 羽 束 師 川 流 域 では 近 年 世 帯 数 の 増 加 が 特 に 著 しい 工 場 の 立 地 宅 地 化 の 進 行 歴 史 災 害 西 羽 束 師 川 新 川 流 域 は 久 我 の 森 神 社 羽 束 師 神 社 など 農 耕 の 神 があ がめられていることからも 古 くから 農 耕 が 盛 んな 水 郷 地 域 であった 桂 川 の 恩 恵 を 受 ける 反 面 一 度 洪 水 を 受 けると 一 面 が 湖 のようになるなど 大 きな 被 害 と 受 ける 地 域 であった 羽 束 師 神 社 昭 和 34 年 頃 の 水 害 ( 西 国 街 道 ) 洪 水 対 策 もともと 本 ブロックの 河 川 は 農 業 の 幹 線 用 水 路 として 整 備 されたもので, 疎 通 能 力 が 小 さく,また 緩 流 河 川 で あり 低 平 地 を 流 れているために 洪 水 時 には 自 然 排 水 が 困 難 であった このため ポンプによる 強 制 排 水 や 地 下 ト ンネルによる 洪 水 調 整 を 行 っている 昭 和 35 年 8 月 3 日 の 水 害 出 典 :2 世 紀 のむこうまち 京 都 西 部 の 土 地 利 用 と 農 業 利 水 ( 明 治 2 年 頃 ) 昭 和 3 年 頃 の 羽 束 師 久 我 界 隈 の 景 観 図 いろは 呑 龍 トンネル 13 2