3.1.1 調 査 範 囲 の 設 定 デザインコード 調 査 にあたり まずは 調 査 範 囲 を 設 定 する デザインコードは 概 ね 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 の 中 で 共 通 性 が 強 くみられる この ため デザインコードの 調 査 では 整 備 対 象 施 設 の 予 定



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第 3 章 景 観 配 慮 におけるデザインコード 活 用 の 方 法 3.1 デザインコードの 収 集 ( 調 査 ) デザインコードの 収 集 ( 調 査 )は 以 下 の 手 順 により 実 施 する 1 調 査 範 囲 の 設 定 2 情 報 収 集 3 デザインコードの 収 集 3 デザインコードの 収 集 では 地 図 などから 広 い 対 象 におけるデザインコー ドの 読 み 取 りと 現 地 調 査 ( 聞 き 取 り 踏 査 )により 範 囲 を 狭 めた 対 象 からのデザ インコードの 読 み 取 りを 実 施 する 1.デザインコード 収 集 の 流 れ デザインコード 収 集 は 以 下 により 実 施 する 1 調 査 範 囲 の 設 定 2 情 報 収 集 3 デザインコードの 収 集 調 査 範 囲 は 整 備 対 象 施 設 の 立 地 場 所 を 含 む 概 ね 小 学 校 区 程 度 を 調 査 範 囲 として 設 定 する 情 報 収 集 では 調 査 対 象 範 囲 において 地 域 の 営 み に 関 する 情 報 を 既 存 文 献 やイ ンターネットなどから 収 集 を 行 う デザインコードの 収 集 は 地 図 空 中 写 真 からの 読 み 取 り と 現 地 調 査 により 行 う 地 図 や 空 中 写 真 などを 用 いて 対 象 範 囲 全 域 を 俯 瞰 して( 大 景 観 レベルで) 把 握 さ れる 土 地 利 用 などに 関 わるデザインコードを 読 み 取 る 現 地 調 査 では 聞 き 取 りと 踏 査 により 実 際 に 現 地 で 水 路 や 町 並 み 民 家 など 範 囲 を 絞 り 込 んだ 対 象 ( 中 景 観 小 景 観 レベル)からデザインコードを 収 集 する 1 調 査 対 象 範 囲 の 設 定 概 ね 整 備 対 象 施 設 の 立 地 場 所 を 含 む 小 学 校 区 を 設 定 2 情 報 収 集 既 存 文 献 インターネットを 活 用 した 情 報 収 集 により 調 査 の 準 備 および 地 域 の 営 みにより 形 成 される 景 観 構 成 要 素 を 抽 出 3 大 景 観 レベルのデザインコードの 収 集 地 図 空 中 写 真 から 地 域 全 体 を 対 象 とした 土 地 利 用 などのデザインコードを 収 集 中 小 景 観 レベルのデザインコードの 収 集 現 地 調 査 ( 聞 き 取 り 踏 査 )により 対 象 範 囲 を 絞 った 景 観 構 成 要 素 からデザインコードを 収 集 図 2-8 デザインコード 収 集 の 流 れ - 38 -

3.1.1 調 査 範 囲 の 設 定 デザインコード 調 査 にあたり まずは 調 査 範 囲 を 設 定 する デザインコードは 概 ね 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 の 中 で 共 通 性 が 強 くみられる この ため デザインコードの 調 査 では 整 備 対 象 施 設 の 予 定 地 が 含 まれる 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 を 対 象 とすることが 望 ましい 1. 調 査 範 囲 デザインコードは 概 ね 小 学 校 区 程 度 を 範 囲 とする 広 がりの 中 で 共 通 性 が 強 くみら れるところが 多 いことから 調 査 にあたっては 整 備 対 象 施 設 の 立 地 場 所 を 含 む 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 とする ただし 水 路 や 道 路 などの 線 的 施 設 や 水 田 などの 面 的 施 設 において 整 備 対 象 が 広 範 囲 にわたる 場 合 には 隣 接 する 複 数 の 小 学 校 区 を 対 象 とす ることが 望 ましい 2. 小 学 校 区 を 範 囲 とした 景 観 の 特 性 農 村 においては 小 学 校 区 程 度 の 広 がりで 景 観 的 なまとまりを 有 していることが 多 く 景 観 の 維 持 管 理 主 体 である 住 民 コミュニティの 形 成 単 位 であることから 特 に 歴 史 的 デザインコードや 歴 史 的 デザインコードを 含 む 創 造 的 デザインコードの 共 通 性 が 強 くみられる 範 囲 と 位 置 づけられる 3. 調 査 範 囲 の 設 定 の 仕 方 調 査 範 囲 を 設 定 するにあたり 対 象 地 域 の 地 図 を 準 備 する 整 備 対 象 施 設 を 含 み 隣 接 する 集 落 や 農 地 が 記 載 されているものが 望 ましい 地 図 の 種 類 は 都 市 計 画 図 また は 地 形 図 など 地 域 の 地 形 土 地 利 用 道 路 水 路 施 設 などの 配 置 が 分 かるものを 準 備 する 図 面 スケールは 1/2,500 から 1/5,000 程 度 のものとし 対 象 施 設 が 農 地 や 集 落 と 離 れている 場 合 は 複 数 枚 を 準 備 する 人 為 景 観 は 農 地 や 集 落 にその 特 徴 が 顕 著 に 見 られることから 対 象 施 設 に 隣 接 す る 農 地 集 落 を 調 査 対 象 に 含 める 特 に 集 落 は 複 数 箇 所 を 廻 ることでより 多 くの 情 報 を 収 集 することができる 現 地 にて 踏 査 により デザインコードの 収 集 を 行 うため 1 地 区 につき 半 日 程 度 で 廻 ることができる 範 囲 を 勘 案 しておく 4. 整 備 対 象 範 囲 が 広 域 にわたる 場 合 例 えば 水 路 の 新 設 改 修 などのように 整 備 対 象 施 設 が 広 域 にわたる 場 合 には 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 を 一 つの 調 査 単 位 として 複 数 の 調 査 地 にてデザインコードの 収 集 を 行 う 特 に 広 域 範 囲 での 収 集 においては 既 存 情 報 地 図 や 空 中 写 真 の 読 み 込 みによるデ ザインコードの 収 集 (P41 P44)を 重 点 的 に 行 い 特 徴 的 な 地 区 にのみ 詳 細 な 調 査 (P47)を 行 う 工 程 とすることが 望 ましい - 39 -

調 査 対 象 地 の 設 定 [ 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 ] 図 2-9 モデル 地 区 における 調 査 範 囲 の 設 定 調 査 用 地 図 の 作 成 例 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 ( 県 営 ほ 場 整 備 実 施 地 区 )を 対 象 としたモデル 地 区 調 査 では 調 査 範 囲 の 設 定 にあたり 概 ね 小 学 校 区 ( 恵 那 市 立 岩 邑 小 学 校 の 校 区 ) 程 度 を 調 査 対 象 範 囲 ( 青 部 分 )とした 調 査 はおよそ 半 日 程 度 を 想 定 している 調 査 用 の 地 図 は 1/5,000 の 白 地 図 を 準 備 しつなぎ 合 わせ 展 望 台 集 落 会 館 など 地 図 から 読 み 取 れる 要 所 を 強 調 したものを 作 成 した - 40 -

3.1.2 情 報 収 集 ( 概 査 ) デザインコードの 活 用 においては 調 査 前 に 地 域 の 営 みにより 形 成 継 承 され た 景 観 を 構 成 する 要 素 ( 景 観 構 成 要 素 )の 目 安 をつけておくことが 重 要 となる 情 報 収 集 により 調 査 対 象 地 における 自 然 土 地 利 用 生 活 文 化 地 域 コミュニティ 地 域 の 沿 革 についての 情 報 を 収 集 し 地 域 の 営 みにより 形 成 継 承 された 景 観 を 構 成 する 要 素 の 抽 出 を 行 う 1. 情 報 収 集 の 要 点 多 様 な 文 化 の 保 全 に 貢 献 するために デザインコードの 活 用 においては まず 地 域 の 営 みにより 形 成 継 承 された 景 観 を 構 成 する 要 素 を 把 握 することが 第 一 歩 とな る 情 報 収 集 は このような 景 観 構 成 要 素 を 特 定 するための 手 掛 かりを 探 ることを 目 的 としている この 手 掛 かりとは 地 域 の 営 みについての 情 報 であり これらの 情 報 をもとに 調 査 対 象 の 絞 込 みを 行 い デザインコードの 収 集 を 行 う 情 報 収 集 は 主 に 自 然 土 地 利 用 生 活 文 化 地 域 コミュニティ 地 域 の 沿 革 についての 情 報 を 対 象 として 特 に 地 域 の 営 みとの 関 係 がある 内 容 を 抽 出 する 自 然 については 地 形 や 地 質 山 や 川 などの 自 然 環 境 の 他 に 季 節 性 や 自 然 災 害 な どに 着 目 して 情 報 を 収 集 する 土 地 利 用 については 集 落 居 住 域 ( 生 活 域 ) 農 地 ( 生 産 域 ) 共 有 林 地 や 里 山 ( 保 全 調 整 域 ) 河 川 や 水 路 ( 水 系 ) 基 幹 道 路 や 農 道 ( 道 路 )などの 配 置 関 係 について 調 べる また 神 社 やコミュニティ 施 設 など 集 落 の 中 心 的 な 施 設 や 建 造 物 についても 位 置 情 報 を 収 集 する 生 活 文 化 については 地 域 の 生 活 様 式 や 地 域 文 化 風 俗 信 仰 など 人 文 的 なもの について 情 報 を 収 集 する 地 域 コミュニティについては 地 域 の 社 会 関 係 住 民 組 織 の 特 徴 を 把 握 する 対 象 地 区 で 景 観 や 環 境 を 保 全 するための 団 体 等 がある 場 合 は その 団 体 の 情 報 を 把 握 する 必 要 がある 地 域 の 沿 革 については 地 域 の 履 歴 を 理 解 するために 地 域 の 変 遷 ( 生 活 の 変 遷 や 領 主 の 変 遷 自 然 災 害 等 )についての 情 報 を 収 集 する 特 に 営 農 の 変 遷 についての 情 報 は 施 設 整 備 の 必 要 性 とも 関 連 した 重 要 な 情 報 となる メモ [デザインコードの 成 り 立 ちを 読 み 取 るための5つの 観 点 ] 自 然 : 地 形 地 質 自 然 的 資 源 季 節 性 自 然 災 害 など 土 地 利 用 : 集 落 居 住 域 農 地 林 地 神 社 などの 配 置 生 活 文 化 : 地 域 の 生 活 様 式 文 化 風 俗 信 仰 祭 事 など 地 域 コミュニティ : 地 域 の 社 会 関 係 住 民 の 組 織 など 地 域 の 沿 革 : 生 活 の 変 遷 営 農 の 変 遷 領 主 の 変 遷 市 町 村 合 併 の 流 れ など - 41 -

2. 情 報 収 集 の 方 法 5つの 観 点 についての 情 報 の 収 集 では 市 町 村 史 や 地 域 史 郷 土 史 などの 書 籍 によ り 網 羅 することができる インターネット 等 の 活 用 も 有 効 なる 場 合 があるが 情 報 が 断 片 的 となることに 留 意 し インターネットと 市 町 村 史 等 を 組 み 合 わせて 活 用 するこ とが 望 ましい ここで 収 集 した 情 報 から 地 域 の 営 みに 関 わる 内 容 を 抽 出 し この 内 容 に 関 係 すると 考 えられる 景 観 構 成 要 素 を 調 査 対 象 とする - 42 -

事 前 の 情 報 収 集 [ 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 ] モデル 地 区 での 調 査 に 際 し 事 前 の 情 報 を 収 集 し 調 査 対 象 の 想 定 を 行 った 情 報 収 集 では ほ 場 整 備 概 要 書 (パンフレット)や 対 象 地 を 紹 介 した 既 存 文 献 の 記 事 などの 情 報 媒 体 を 軸 として 補 足 的 にインターネットなどを 活 用 した 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 については 事 前 に 市 の 都 市 農 村 交 流 関 係 事 業 の 担 当 の 協 力 を 得 て 振 興 事 務 所 からほ 場 整 備 に 関 連 する 資 料 を 入 手 した あわせてインターネットを 活 用 し 地 区 の 景 観 や 地 区 の 沿 革 などについての 情 報 を 収 集 し 整 理 した 当 該 地 区 ではほ 場 整 備 に 関 連 する 資 料 を 軸 として 情 報 の 収 集 を 行 った 観 点 内 容 情 報 ソース 自 然 地 形 条 件 (すり 鉢 上 の 地 形 ) 白 地 図 ( 地 形 図 ) 土 地 利 用 生 活 域 ( 居 住 区 ) 生 産 域 ( 農 地 ) 生 活 文 化 地 域 コミュニティ 地 域 の 沿 革 保 全 調 整 域 ( 里 山 共 有 林 ) 道 路 水 路 の 構 成 神 社 の 配 置 昔 の 生 活 の 様 子 を 残 した 農 村 景 観 ( 民 家 の 住 宅 様 式 ) 土 地 改 良 区 水 利 組 合 の 構 成 景 観 維 持 管 理 主 体 地 域 づくり 活 用 主 体 市 町 村 合 併 の 流 れ 土 地 利 用 変 遷 県 営 ほ 場 整 備 の 実 施 - 43 - 白 地 図 ( 地 形 図 ) 県 営 ほ 場 整 備 事 業 概 要 書 景 観 コンテスト 受 賞 概 要 県 営 ほ 場 整 理 事 業 のあゆみ 市 の 都 市 農 村 交 流 事 業 の 報 告 市 ホームページ 県 営 ほ 場 整 備 事 業 概 要 書 太 字 は 地 域 の 営 みに 関 する 情 報 () 内 は 調 査 対 象 として 想 定 したもの [ 滋 賀 県 高 島 市 新 旭 町 針 江 地 区 ] 滋 賀 県 高 島 市 新 旭 町 針 江 地 区 は 湧 水 が 出 る 地 区 として 有 名 であることから 地 区 につ いて 紹 介 している 既 存 文 献 資 料 を 中 心 として インターネットなどにより 補 足 しながら 情 報 の 収 集 を 行 った 表 2-4 モデル 地 区 調 査 における 情 報 収 集 例 ( 滋 賀 県 高 島 市 新 旭 町 針 江 地 区 ) 自 然 観 点 内 容 情 報 ソース 近 隣 の 山 系 地 形 条 件 ( 扇 状 地 ) ブナ 原 生 林 など 土 地 利 用 生 活 域 ( 居 住 区 ) 生 産 域 ( 農 地 ) 生 活 文 化 地 域 コミュニティ 地 域 の 沿 革 表 2-3 モデル 地 区 調 査 における 情 報 収 集 例 ( 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 ) 保 全 調 整 域 ( 里 山 共 有 林 ) 道 路 水 路 の 構 成 湧 水 などの 水 利 用 ( 湧 水 を 汲 み 上 げるための 水 屋 ) 内 湖 における 漁 業 などの 生 業 周 辺 の 景 勝 地 景 観 維 持 管 理 主 体 地 域 づくり 活 用 主 体 市 町 村 合 併 の 流 れ 湧 水 を 活 用 した 生 活 の 様 子 ( 湧 水 を 汲 み 上 げるための 水 屋 ) 白 地 図 ( 地 形 図 ) 市 観 光 協 会 ホーム ページ 白 地 図 ( 地 形 図 ) 既 存 文 献 資 料 ( 地 区 紹 介 記 事 ) 既 存 文 献 資 料 ( 地 区 紹 介 記 事 ) 市 観 光 協 会 ホームページ 名 水 百 選 の 地 区 概 要 既 存 文 献 資 料 ( 地 区 紹 介 記 事 ) 市 観 光 協 会 パンフレット 既 存 文 献 資 料 ( 地 区 紹 介 記 事 ) 市 ホームページ 教 育 委 員 会 発 行 資 料 太 字 は 地 域 の 営 みに 関 する 情 報 () 内 は 調 査 対 象 として 想 定 したもの

3.1.3 大 景 観 におけるデザインコードの 収 集 ( 精 査 ) デザインコードの 収 集 は 地 図 などを 用 いた 土 地 利 用 からの 読 み 取 りと 現 地 での 調 査 を 行 う ここでは 対 象 地 域 の 土 地 利 用 や 空 間 構 成 の 状 況 を 把 握 し 地 域 全 体 を 対 象 とした( 大 景 観 レベルの)デザインコードを 収 集 する 土 地 利 用 空 間 構 成 の 把 握 には 対 象 地 域 の 土 地 利 用 模 式 図 ( 水 系 道 路 などの 情 報 を 加 えたゾーニング 図 )を 作 成 することが 有 効 である 土 地 利 用 模 式 図 は 生 活 域 生 産 域 保 全 調 整 域 水 系 道 路 の 構 成 をプロットすることで 作 成 する 1. 大 景 観 レベルのデザインコード 対 象 地 域 の 土 地 利 用 や 空 間 構 成 といった 大 景 観 レベルのデザインコードは 現 地 調 査 などでは 把 握 が 困 難 な 場 合 が 多 い そのため 地 図 や 空 中 写 真 から 対 象 地 の 土 地 利 用 模 式 図 ( 水 系 道 路 などの 情 報 を 加 えたゾーニング 図 )を 作 成 し デザインコード の 読 み 取 りを 行 う 2. 土 地 利 用 空 間 構 成 の 把 握 農 地 や 居 住 区 などで 構 成 される 集 落 空 間 は 特 定 の 人 の 集 団 が 定 住 可 能 な 一 定 の 環 境 を 主 体 的 に 選 び 土 地 や 環 境 を 活 用 することによって 形 成 されたものである この ような 地 域 住 民 の 主 体 的 歴 史 的 営 為 を 通 じて 形 成 された 集 落 空 間 や 土 地 利 用 には 当 然 環 境 に 対 応 した 構 成 パターン が 内 在 しているはずである デザインコードの 活 用 に 限 らず 施 設 整 備 では このような 対 象 地 域 に 内 在 する 環 境 への 対 応 の 意 図 を 読 み 取 ることが 計 画 設 計 行 為 に 求 められる コンピュータなどの 高 度 な 演 算 機 器 やいわゆる 標 準 設 計 などの 基 準 が 無 かった 時 代 では 熟 練 の 技 術 者 による 地 形 条 件 や 整 備 対 象 となる 空 間 構 成 の 読 み 取 りが 施 設 計 画 設 計 に 活 かされていた 景 観 配 慮 による 多 様 な 文 化 の 保 全 が 求 められる 今 日 の 施 設 整 備 では 先 人 達 が 築 いた 土 地 利 用 の 計 画 的 な 意 図 を 今 一 度 読 み 取 ることが 施 設 計 画 のヒントとなると 考 えられる 3. 土 地 利 用 模 式 図 の 作 成 対 象 地 の 土 地 利 用 模 式 図 は 対 象 地 区 の 地 図 情 報 を 読 み 生 活 域 生 産 域 保 全 調 整 域 水 系 道 路 を 地 図 (1/2,500 から 1/5,000 程 度 )または 空 中 写 真 にプロットすることで 作 成 する 生 活 域 とは 住 居 集 落 施 設 およびその 自 給 菜 園 で 構 成 される 生 産 域 とは 主 要 農 地 と 生 産 関 連 施 設 により 構 成 される 保 全 調 整 域 とは 山 林 などで 構 成 される また 今 後 宅 地 化 等 の 用 途 変 更 を 計 画 し ている 農 地 等 も 含 まれる 水 系 は 河 川 水 路 やため 池 道 路 は 一 般 道 ( 広 域 ) 農 道 集 落 道 等 で 構 成 される 4. 土 地 利 用 模 式 図 に 内 包 される 土 地 利 用 空 間 構 成 のデザインコードの 読 み 取 り 土 地 利 用 模 式 図 は 土 地 利 用 に 関 わる( 大 景 観 レベルにおける)デザインコードを 内 包 している この 土 地 利 用 模 式 図 における 生 活 域 生 産 域 保 全 調 整 域 水 - 44 -

系 道 路 の 配 置 構 成 をデザインコードとして 読 み 取 る( 次 頁 参 照 ) ここでのデザインコードの 読 み 取 りには 基 本 的 な 景 観 配 慮 項 目 におけるデザイン コード の 2. 集 落 ( 集 落 居 住 区 農 地 )(P18) 4. 農 地 宅 地 (P20) など が 参 考 となる - 45 -

土 地 利 用 空 間 構 成 の 把 握 [ 埼 玉 県 所 沢 市 中 富 地 区 ( 三 富 新 田 )] 埼 玉 県 所 沢 市 中 富 地 区 をモデル 地 区 として 土 地 利 用 模 式 図 の 作 成 を 行 った 当 該 地 区 は 元 禄 期 の 開 拓 に 際 し 土 地 利 用 の 合 理 化 を 図 るために 屋 敷 地 ( 生 活 域 ) 耕 地 ( 生 産 域 ) 雑 木 林 ( 保 全 調 整 域 )を 一 連 の 短 冊 形 として 農 家 に 与 えて 雑 木 林 を 中 心 とする 循 環 型 農 業 が 営 まれた 現 在 でも 一 連 の 地 割 (72m 675m)がデザインコードとして 現 存 し 雑 木 林 を 活 用 した 農 業 の 営 みが 継 承 されている 当 該 地 区 における 空 間 構 成 の 検 討 にあたり 空 中 写 真 を 入 手 し 道 路 生 活 域 生 産 域 保 全 調 整 域 を 区 分 した さらに 聞 き 取 り 調 査 により 水 路 の 配 置 を 補 足 して 空 間 モデルを 作 成 した 空 中 写 真 の 入 手 先 : 国 土 変 遷 ア ー カ イ ブ 空 中 写 真 閲 覧 (http://archive.gsi.go.jp/airphoto/) 図 2-10 土 地 利 用 模 式 図 (イメージ) - 46 -

3.1.4 中 景 観 小 景 観 におけるデザインコードの 収 集 ( 精 査 ) 中 景 観 小 景 観 におけるデザインコードの 収 集 は 主 に 聞 き 取 り 調 査 と 現 地 踏 査 により 行 う デザインコード 収 集 における 調 査 の 観 点 としては 1 地 域 の 営 みと 深 く 関 連 している 景 観 構 成 要 素 と 2 地 域 に 繰 り 返 し 出 現 し 地 域 を 特 徴 づけている 景 観 構 成 要 素 の2 点 に 着 目 する 1は 主 に 聞 き 取 り 調 査 による 情 報 収 集 を 行 う 2は 主 に 現 地 踏 査 による 確 認 を 行 いう いずれも 事 前 の 情 報 収 集 から 対 象 地 域 における 多 様 な 文 化 や 地 域 アイデンテ ィティに 関 する 情 報 を 得 ておくと 効 果 的 な 調 査 を 行 うことができる 1. 中 景 観 小 景 観 レベルのデザインコード 中 景 観 小 景 観 におけるデザインコードは 主 に 調 査 前 の 文 献 などの 調 査 ( 概 査 ) および 概 査 聞 き 取 り 調 査 による 情 報 収 集 を 踏 まえ 現 地 踏 査 により 収 集 する デザインコードの 着 眼 点 読 み 取 りの 着 眼 点 については P16 以 降 の 農 業 農 村 整 備 事 業 におけるデザインコードの 展 開 にて 整 備 工 種 別 に 解 説 している これらの 解 説 内 容 は 現 地 踏 査 におけるデザインコード 収 集 の 参 考 となる また P18 以 降 で 解 説 している 基 本 的 な 景 観 構 成 要 素 に 表 出 するデザインコード は 収 集 したデザインコードの 整 理 の 段 階 においても 参 考 とする 2. 現 地 調 査 の 考 え 方 と 留 意 点 デザインコード 調 査 における 着 目 点 としては 以 下 の2 点 が 挙 げられる 1 地 域 の 営 みと 深 く 関 連 しているもの 2 地 域 に 繰 り 返 し 出 現 し 地 域 を 特 徴 づけているもの 1については 地 域 の 営 みとの 関 係 が 重 要 となることから 農 業 や 地 域 生 活 に 詳 し い 人 への 聞 き 取 り 調 査 が 有 効 となる 聞 き 取 りを 行 う 対 象 としては 自 治 会 長 や 農 業 委 員 などが 挙 げられ またはこれらの 人 から 紹 介 を 受 けることが 望 ましい 聞 き 取 り 調 査 における 要 点 は その 地 域 でどのような 暮 らしが 営 まれてきたか 地 域 の 生 産 活 動 や 生 活 に 重 要 となるものは 何 か ということを 丁 寧 に 聞 き 取 り 得 られた 情 報 を 基 に 踏 査 を 行 うことが 効 率 的 である 2については 農 地 や 集 落 を 踏 査 し 調 査 者 が 自 らの 目 で 確 認 しながら 収 集 を 行 う なお 可 能 であれば 対 象 地 において どの 程 度 共 通 して 確 認 されるものであるかを 調 べておくと デザインコードの 位 置 付 けを 明 確 にする 目 安 となる 3. 調 査 の 流 れ 1 ヶ 所 (1つの 小 学 校 区 程 度 の 範 囲 )での 調 査 時 間 は 概 ね 半 日 程 度 となる 調 査 の 流 れは 以 下 の 通 り( 次 頁 フロー 図 参 照 ) まず 事 前 に 調 査 用 の 地 図 (1/2,500 程 度 のもの)を 入 手 しておく 地 図 は 大 きなス ケールのものとし 現 地 に 向 かう 途 中 に 役 場 などで 入 手 してもよい 調 査 では この 地 図 に 気 付 いた 点 などを 書 き 込 む 調 査 員 が 複 数 名 いる 場 合 には 人 数 分 の 地 図 を 用 意 する 次 に 現 地 に 到 着 したら まず 30 分 から1 時 間 程 度 をかけ 対 象 地 域 ( 特 に 集 落 居 - 47 -

住 域 )の 景 観 の 様 子 を 眺 めて 周 りあわせて 事 前 の 情 報 収 集 の 内 容 や 場 所 などを 確 認 す る(フロー 図 の ぶらぶら 歩 き ) 次 に 自 治 会 長 や 農 業 委 員 など 地 域 の 情 報 に 詳 しい 人 に 聞 き 取 り 調 査 を 行 う さらに 聞 き 取 りの 内 容 を 踏 まえ 対 象 を 絞 った 踏 査 を 行 い デザインコードを 収 集 する(2 3 時 間 程 度 ) 図 2-11 現 地 調 査 の 流 れ - 48 -

デザインコード 調 査 の 要 点 1: 調 査 前 と 現 地 に 到 着 後 にすべきこと 概 査 デザインコード 収 集 のための 現 地 調 査 では 事 前 の 情 報 収 集 ( 概 査 )を 必 ず 行 う 概 査 では 文 献 やインターネットを 活 用 して 地 域 の 営 み( 生 産 や 生 活 ) についての 情 報 や 地 域 の 特 徴 的 な 景 観 構 成 要 素 を 把 握 しておく( 概 査 の 方 法 は P41 にて 解 説 している) 準 備 しておくもの 現 地 調 査 に 必 要 なものは 以 下 のとおりである カメラ(デジタルカメラなど) 画 板 ( 地 図 やメモをはさむもの) 調 査 用 の 地 図 筆 記 用 具 メモ 特 に 調 査 用 の 地 図 は 調 査 範 囲 の 設 定 にて 使 用 した 1/2,500 程 度 のスケールのものが 望 ま しい 事 前 に 地 図 を 入 手 することができない 場 合 には 現 地 に 向 かう 途 中 で 役 場 などにて 入 手 する 1/10,000 や 1/25,000 といったスケールの 小 さな 地 図 は 民 家 の 配 置 などを 確 認 することができないため 現 地 調 査 では 使 用 できない ぶらぶら 歩 き 現 地 に 到 着 後 まずは 調 査 員 のみで 特 に 集 落 居 住 区 を 中 心 に 30 分 から1 時 間 程 度 をか け 地 域 を 歩 いてみる(ぶらぶら 歩 き) このぶらぶら 歩 きには 以 下 のような 目 的 がある 1 道 筋 ( 道 がどこにつながっているか)を 把 握 する 踏 査 を 効 率 的 に 行 うために 地 域 の 道 筋 の 状 況 を 確 認 しておく 特 に 自 動 車 などで 現 地 に 来 ている 場 合 には 駐 車 場 所 など 調 査 の 基 点 となる 場 所 を 確 保 する 2 概 査 にて 得 た 情 報 を 示 す 景 観 構 成 要 素 の 場 所 や 特 徴 などを 実 際 に 見 て 確 認 する 以 降 の 聞 き 取 り 内 容 のための 予 備 知 識 として 特 徴 的 な 景 観 構 成 要 素 などを 実 際 に 見 て 確 認 しておく 3 地 域 全 体 の 雰 囲 気 をつかむ 地 域 の 立 地 条 件 や 地 域 の 営 み( 生 産 や 生 活 )の 様 子 を 見 たり 肌 で 感 じとったりしてみ る また 古 い 町 並 みや 新 しい 町 並 みが 形 成 されている 場 所 や 民 家 と 農 地 ( 菜 園 など) の 隣 接 関 係 街 路 樹 の 植 栽 の 様 子 など 地 図 上 では 確 認 できない 地 域 の 様 子 をみて 以 降 の 踏 査 (じっくり 調 査 )の 目 処 をつけておく センスアップのためのポイント1 デザインコードの 分 類 項 目 を 常 に 気 に 留 めておく ぶらぶら 歩 きでは デザインコードがありそうな 場 所 や 対 象 の 目 処 をつけること が 重 要 となる そのため ぶらぶら 歩 きをしながら 対 象 を 眺 める 際 は デザインコ ードの 分 類 項 目 を 常 に 気 に 留 めておくことが 重 要 となる このような 能 力 を 養 うためには 景 観 調 査 の 経 験 を 多 く 積 むことが 有 効 となる さらに 移 動 手 段 については 自 動 車 を 使 用 すると 対 象 を 眺 める 時 間 が 一 瞬 とな ってしまい 詳 細 の 確 認 が 困 難 となることから 歩 行 による 移 動 が 望 ましい - 49 -

デザインコード 調 査 の 要 点 2: 聞 き 取 りと 踏 査 の 流 れ [ 滋 賀 県 高 島 市 新 旭 町 針 江 地 区 ] 滋 賀 県 高 島 市 新 旭 町 針 江 地 区 をモデル 地 区 としてデザインコードの 収 集 整 理 を 行 った 調 査 は 現 地 踏 査 および 現 地 での 聞 き 取 り 調 査 を 実 施 した 調 査 の 要 点 は 以 下 の 通 り 表 2-5 聞 き 取 り 現 地 踏 査 における 調 査 内 容 ( 例 ) 調 査 方 法 対 象 内 容 聞 き 取 り 調 査 現 地 踏 査 対 象 の 撮 影 記 録 当 該 地 区 の 地 域 づくり 組 織 ( 生 水 の 郷 委 員 会 ) 集 落 居 住 区 湧 水 を 生 活 用 水 に 活 用 する 仕 組 み 地 区 内 で 水 をきれいに 使 うための 暗 黙 の 決 め 事 等 地 区 の 景 観 に 共 通 して 見 られる 対 象 ( 特 に 湧 水 を 生 活 用 水 に 活 用 する 仕 組 み 等 ) 特 徴 的 な 景 観 等 なお デザインコード 収 集 では 調 査 対 象 範 囲 に 居 住 区 が 含 まれるため 現 地 踏 査 等 で 住 民 に 不 安 感 を 与 えないよう 調 査 実 施 の 旨 を 自 治 会 長 などに 伝 えるなどの 配 慮 が 必 要 である 調 査 の 流 れ 当 該 地 区 では 湧 水 の 生 活 用 水 としての 活 用 する 仕 組 み を 糸 口 として そこから 当 該 地 区 の 水 利 システム 水 質 管 理 水 のネットワーク へと 調 査 対 象 を 展 開 して 情 報 を 収 集 した デザインコードに 限 らず 景 観 調 査 においては 地 区 の 生 産 や 生 活 において 何 が 最 も 重 要 なのか といった 点 にポイントを 絞 り そこから 調 査 対 象 を 広 げていくことが 効 率 的 かつ 効 果 的 である 湧 水 を 生 活 用 水 に 活 用 する 仕 組 み: 川 端 (かばた) 当 該 地 区 で 湧 水 を 生 活 用 水 に 活 用 する 仕 組 みとして もと 池 はた 池 つぼ 池 の 配 置 がデザインコードである 当 該 地 区 の 水 利 システム: 川 端 の 配 置 形 態 川 端 には 主 屋 と 一 体 になっている 内 川 端 と 主 屋 から 独 立 し ている 外 川 端 があり 主 屋 との 付 属 関 係 または 宅 地 と 水 路 と の 境 界 に 位 置 した 配 置 がデザインコードである 水 質 管 理 : 水 路 と 川 端 の 配 置 関 係 1 本 の 水 路 に 対 し3 戸 の 川 端 に 限 定 して 配 置 し 3 戸 の 住 宅 で 水 質 を 管 理 している - 50 - 水 脈 : 比 良 山 系 を 源 とする 安 曇 川 の 扇 状 地 当 該 地 区 は 比 良 山 系 を 源 とする 安 曇 川 の 扇 状 地 に 位 置 し 地 下 浸 透 し た 水 が 当 該 地 区 で 湧 き 出 て いる

デザインコード 調 査 の 要 点 3: 対 象 地 域 の 歩 き 方 [ 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 ] 事 前 の 情 報 収 集 や 聞 き 取 り 調 査 の 内 容 を 踏 まえ 対 象 地 の 踏 査 を 行 う デザインコードの 収 集 では 大 景 観 中 景 観 小 景 観 といった 景 観 スケールの 順 に 対 象 を 眺 めていくことが 基 本 となる 調 査 ルートは 事 前 に 決 めておいても 良 いが 聞 き 取 り 内 容 を 踏 まえて 柔 軟 にルートの 修 正 を 行 うことが 望 ましい 以 下 にモデル 地 区 での 調 査 事 例 とともに 現 地 踏 査 による 対 象 地 域 の 歩 き 方 を 示 す モデル 地 区 での 調 査 概 要 調 査 対 象 地 : 岐 阜 県 恵 那 市 富 田 地 区 調 査 員 人 数 :3 名 調 査 時 間 :3 時 間 程 度 表 2-6 事 前 に 情 報 収 集 を 行 った 内 容 ( 例 ) 調 査 対 象 範 囲 主 要 な 建 物 など( 地 図 からの 読 み 取 り) 3.3.1 調 査 範 囲 の 設 定 (P39) を 参 照 展 望 台 集 落 会 館 神 社 薬 師 堂 観 音 堂 などの 場 所 1. 高 い 場 所 から 対 象 地 域 を 見 渡 す( 大 景 観 レベルから 対 象 地 を 見 渡 す) 1-1 対 象 地 域 を 見 渡 せる 展 望 台 高 台 などの 場 所 を 確 認 する 現 地 に 到 着 し 聞 き 取 り 調 査 などを 終 えたら まず 対 象 地 域 を 見 渡 せる 高 い 場 所 に 行 き 地 域 全 体 を 俯 瞰 する 対 象 地 域 を 見 渡 せる 高 い 場 所 は 展 望 台 や 高 台 の 公 園 峠 道 であったりする このような 場 所 については 調 査 範 囲 の 設 定 や 事 前 の 情 報 収 集 の 段 階 で 情 報 を 収 集 しておく 必 要 がある また 聞 き 取 り 調 査 にて 現 地 の 住 民 から 対 象 地 域 を 見 渡 せる 場 所 の 情 報 を 得 ることもできる 1-2 対 象 地 域 を 見 渡 し 調 査 の 対 象 ( 物 )を 確 認 する 展 望 台 高 台 から 対 象 地 域 の 土 地 利 用 の 状 況 を 俯 瞰 し まず 手 持 ちの 地 図 と 対 象 地 域 とを 見 比 べ 対 象 地 域 の 地 形 や 土 地 利 用 の 状 況 ( 集 落 居 住 区 の 場 所 農 地 の 広 が りなど)を 見 る 次 に 事 前 の 情 報 収 集 聞 き 取 り 調 査 などで 入 手 した 情 報 を 基 に 調 査 対 象 の 場 所 や 特 徴 などを 把 握 する さらに 新 たに 気 付 いた 点 などについては 地 図 に 情 報 をプロットする 事 前 に 地 図 空 中 写 真 などを 用 いて 大 景 観 レベルのデザインコードの 収 集 をしてい る 場 合 は この 確 認 を 行 う( 大 景 観 レベルのデザインコードの 収 集 は 3.1.3 大 景 観 レベルにおけるデザインコードの 収 集 (P22) にて 解 説 している) 特 に 集 落 居 住 区 について 山 側 にまとまっている 農 地 内 で 分 散 している 道 路 に 対 し 列 状 に 配 置 している などの 特 徴 を 把 握 する [モデル 地 区 事 例 ] モデル 地 区 を 対 象 とした 調 査 では 対 象 地 域 を 見 渡 すことができる 展 望 台 から 以 下 の 内 容 の 確 認 を 行 った( 次 頁 図 参 照 ) 表 2-7 展 望 台 から 確 認 した 内 容 ( 例 ) 地 形 土 地 利 用 の 状 況 調 査 対 象 の 場 所 特 徴 新 たに 気 付 いた 点 比 較 的 平 坦 な 土 地 で 格 子 状 に 区 画 割 された 農 地 傾 斜 地 で 格 子 状 に 区 画 割 された 農 地 山 すその 傾 斜 にある 集 落 居 住 区 薬 師 堂 の 場 所 の 確 認 神 社 の 鎮 守 の 杜 - 51 - 段 丘 に 沿 った 林 地 茅 葺 民 家 の 存 在

図 2-12 展 望 台 から 確 認 した 内 容 ( 例 ) - 52 -

2. 踏 査 を 行 う 場 所 を 設 定 し 対 象 の 全 体 像 を 確 認 する( 中 景 観 レベルで 対 象 を 捉 える) 2-1 踏 査 を 行 う 場 所 を 設 定 する 手 持 ちの 地 図 と 高 台 からの 眺 望 を 見 比 べると 調 査 対 象 となりえるものと 位 置 関 係 が 把 握 できる ここで 高 台 から 把 握 できる 範 囲 で 調 査 対 象 ( 物 )を 設 定 し 対 象 が 集 まっている 場 所 を 数 ヶ 所 設 定 する 1ヶ 所 に 設 定 する 場 所 の 範 囲 は 半 径 500m 程 度 内 ( 徒 歩 で 周 れる 範 囲 )とする 調 査 対 象 は 農 地 や 林 地 集 落 居 住 区 ( 民 家 が 集 まっている 場 所 ) など 大 まかに 設 定 してよい デザインコードは 人 工 物 があ る 場 所 に 多 くみられることから 集 落 居 住 区 は 対 象 に 加 えることが 望 ましい さらに 設 定 した 場 所 を 廻 る 順 番 を 決 める 設 定 したいくつかの 場 所 がそれほど 離 れていない 場 合 には 徒 歩 などでの 移 動 が 望 ましい この 際 自 動 車 で 対 象 地 に 来 て いる 場 合 には 駐 車 場 などの 場 所 を 勘 案 する 調 査 ルートについては どの 道 を 通 るかなどを 厳 密 に 設 定 する 必 要 は 無 く 調 査 予 定 時 間 の 内 に 設 定 した 場 所 をくまなく 丁 寧 に 廻 ることを 優 先 する 2-2 調 査 対 象 の 全 体 像 から 共 通 性 を 見 つけ 出 す 高 台 からの 眺 望 により 設 定 した 調 査 対 象 におけるデザインコード 収 集 の 着 眼 点 につ いては 基 本 的 な 景 観 配 慮 項 目 におけるデザインコード(P18 から P37) を 参 考 と する ここでは 調 査 対 象 の 共 通 性 に 気 付 くための 調 査 対 象 の 眺 め 方 を 解 説 する デザインコードの 収 集 では 大 景 観 中 景 観 小 景 観 といった 景 観 スケールの 順 に 対 象 を 眺 めていくことが 基 本 となる この 段 階 では 踏 査 により 対 象 から 少 しはなれ た 場 所 ( 中 景 観 レベル)から 対 象 を 眺 める 表 2-8 調 査 対 象 の 眺 め 方 調 査 対 象 意 識 する 点 眺 め 方 確 認 できる 共 通 性 農 地 など 広 がりを 意 識 する 農 道 では 周 囲 を 水 平 方 向 に 見 回 し ながら 歩 く 農 地 の 区 画 形 状 や 植 栽 の 配 置 など 集 落 居 住 区 連 続 性 を 意 識 する 民 家 や 屋 敷 では 複 数 の 対 象 水 路 民 家 の 屋 根 形 状 や 屋 敷 町 並 み や 道 路 ( 集 落 道 )では 手 前 と 先 を 囲 いの 植 栽 護 岸 の 石 材 集 落 道 水 路 など 眺 めながら 歩 く ( 石 積 )など センスアップのためのポイント2 全 体 像 複 数 対 象 を 視 野 に 入 れる デザインコードの 収 集 では 景 観 構 成 要 素 の 共 通 性 を 視 認 する 必 要 があるため 特 定 の 対 象 を 注 視 するのではなく 視 線 を 少 し 引 き 気 味 にして 全 体 像 や 複 数 の 対 象 を 視 野 に 入 れることを 意 識 することが 重 要 となる また 歩 きながら 対 象 を 眺 める 際 には 水 路 のみ 民 家 の 屋 根 のみ といった ように 対 象 を 固 定 するのではなく 水 路 も 屋 根 も といったように 上 下 の 対 象 に 気 を 配 りながら 歩 くことが 望 ましい( 対 象 を 固 定 すると 視 野 が 狭 くなってしまう) - 53 -

[モデル 地 区 事 例 ] 大 まかな 調 査 対 象 ( 農 地 林 地 集 落 居 住 区 )がある3ヶ 所 の 場 所 を 設 定 自 動 車 は 集 落 会 館 に 駐 車 し1 2 3の 順 に 徒 歩 で 周 った 踏 査 では 視 野 を 広 くとり 対 象 全 体 や 周 辺 を 眺 めることを 意 識 した この 段 階 では 特 に 中 景 観 レベルからのデザイン コードを 収 集 することができる 収 集 されたデザインコードを 下 図 に 示 す 図 2-13 中 景 観 レベルでの 調 査 対 象 の 設 定 と 収 集 されるデザインコード( 例 ) - 54 -

3. 対 象 の 詳 細 から 共 通 性 を 見 つけ 出 す( 小 景 観 レベルから 対 象 をゆっくり じっくり 眺 める) ここでの 検 討 は 設 定 した 場 所 ごとに 行 うことが 望 ましい 特 に 人 工 物 が 多 く 集 まる 集 落 居 住 区 では 重 要 な 検 討 となる 半 径 500m 程 度 内 に 設 定 した 場 所 を 30 分 から1 時 間 弱 をかけて 丁 寧 に 歩 いて 廻 る 3-1 中 景 観 レベルで 目 処 をつけ 小 景 観 レベルで 確 認 する デザインコードの 多 くは 小 景 観 レベルで 視 認 されるが 個 別 の 対 象 物 を 小 景 観 レベ ルで 眺 めるだけでは 他 の 対 象 との 比 較 をしにくく 共 通 性 に 気 付 くことが 困 難 となる そのため 高 台 から 対 象 地 を 見 渡 し さらに 対 象 から 少 し 離 れた 場 所 から( 大 景 観 中 景 観 レベル) 対 象 またはその 周 辺 に 視 野 を 広 げて 眺 め 共 通 性 がありそうな 目 処 を つけ 対 象 に 近 寄 って( 小 景 観 レベルから) 詳 細 を 調 べることが 効 果 的 となる その ため 踏 査 においては 中 景 観 レベルから 対 象 の 全 体 像 を 捉 え 小 景 観 レベルで 確 認 す る 工 程 を 設 定 した1つの 場 所 で 数 回 繰 り 返 す 3-2 他 の 場 所 対 象 でも 確 認 する 中 景 観 ( 対 象 から 少 し 離 れた 場 所 )で 目 処 をつけたものを 小 景 観 から( 対 象 に 近 寄 り) 確 認 する ここで 共 通 性 が 確 認 されたものについては 他 の 場 所 や 対 象 でも 確 認 する 3-3 小 景 観 レベルの 対 象 の 記 録 情 報 をストックする 踏 査 では 小 景 観 レベルのデザインコードを 現 地 にて 収 集 できることが 最 も 望 まし いが 調 査 後 の 整 理 の 段 階 にて 個 々の 対 象 から 共 通 性 が 確 認 される 場 合 もある その ため 調 査 後 の 確 認 作 業 を 念 頭 におき 小 景 観 レベルの 対 象 の 記 録 情 報 ( 写 真 や 位 置 情 報 )をストックしておくことが 重 要 となる 番 外 さらにぶらぶら 巡 り 歩 きをしてみる 時 間 に 余 裕 がある 場 合 には 範 囲 内 をくまなく 歩 くことが 望 ましい 特 に 一 通 り 踏 査 を 完 了 した 後 に 収 集 したデザインコードが 他 の 場 所 でも 確 認 されるのか または 調 査 後 に 改 めて 確 認 作 業 を 行 うために 小 景 観 レベルの 対 象 の 写 真 を 撮 影 しておく と いったプロセスを 行 うことで 調 査 成 果 が 上 がるだけではなく 調 査 者 のデザインコー ドを 収 集 する 能 力 ( 景 観 を 見 る 目 )を 養 うことができる センスアップのためのポイント3 近 隣 の 集 落 居 住 区 をみてみる 農 村 地 域 では 集 落 居 住 区 の 立 地 環 境 が 異 なると 例 え 隣 接 した 集 落 でも 景 観 の 様 子 が 異 なる 場 合 がある( 当 然 同 様 の 場 合 もある) 調 査 により 収 集 したデザインコードが 対 象 地 域 と 隣 接 する 地 域 で 共 通 するもの なのか または 隣 接 した 地 域 では 違 った 約 束 事 として 表 れているのか といたこと を 確 認 すると 収 集 したデザインコードの 位 置 付 けを 明 確 にできる あわせて このような 調 査 プロセスは 調 査 者 の 景 観 を 見 る 目 デザインコード を 収 集 する 能 力 を 養 うためにも 重 要 となる 注 意 : 現 地 踏 査 においては 対 象 地 の 住 民 に 迷 惑 がかからないよう 事 前 に 自 治 会 長 などに 調 査 を 行 う 旨 の 連 絡 を 行 う - 55 -

図 2-14 中 景 観 レベルでの 踏 査 ルートと 収 集 されるデザインコード( 例 ) - 56 -

デザインコード 調 査 の 要 点 4: 写 真 の 撮 り 方 デザインコードは 景 観 の 約 束 事 ( 一 定 の 共 通 性 )を 示 すものであることから 写 真 では 共 通 したパターンが 映 し 出 されていることが 重 要 となる また 整 理 にあたっては 調 査 結 果 に 基 づく 成 果 品 (とりまとめ)の 作 成 にあたり 調 査 で 撮 影 した 写 真 による 説 明 を 行 うため デザインコードを 示 す 共 通 パターン と その 詳 細 が 分 かる 写 真 があることが 望 ましい そのため デザインコード 調 査 における 写 真 撮 影 では デザインコードの 対 象 となる 共 通 パターンの 撮 影 したもの( 対 象 から 少 し 引 いた 写 真 )と 対 象 の 詳 細 が 分 かる 写 真 ( 対 象 に 寄 った 写 真 )の 最 低 2 枚 を 撮 影 する また 共 通 パターンを1 枚 の 写 真 に 収 めることが 難 しい 場 合 には 複 数 の 対 象 について 撮 影 しておく [デザインコードを 示 す 共 通 パターンを 写 真 で 表 現 する 方 法 ] 1 1 枚 の 写 真 に 収 める 特 に 町 並 みや 護 岸 農 地 のけい 畔 など 連 続 的 に 共 通 パターンがみられる 対 象 につい ては 対 象 から 少 し 引 いた 場 所 から 写 真 を 撮 影 することが 望 ましい あわせて 対 象 の 詳 細 については 近 景 からの 撮 影 を 行 う [ 東 京 都 八 丈 町 ] 共 通 性 を 表 現 する ために 中 景 の 写 真 ( 左 )を 用 いて 石 積 や 植 栽 の 詳 細 を 把 握 するために 近 景 ( 右 )の 写 真 を 用 いる 特 に 道 を 挟 んで 両 側 に デザインコードが 確 認 される 場 合 に は 両 側 を1 枚 の 写 真 に 収 めること が 重 要 となる 2 複 数 枚 の 写 真 で 表 現 する 洗 い 場 や 小 規 模 な 橋 分 水 施 設 など 点 的 なものに 共 通 パターンがみられる 対 象 につい ては 複 数 の 対 象 ごとに 撮 影 を 行 う なお 点 的 な 対 象 における 配 置 の 共 通 性 につ いては 地 図 上 にプロットすることで 把 握 する 集 落 内 の 分 水 施 設 の 形 にみられる 共 通 性 を 表 現 するために 複 数 の 対 象 の 撮 影 を 行 う とりまとめにおいても 写 真 を 並 べて 示 すことで 共 通 性 の 説 明 を 行 うことができる - 57 - [ 滋 賀 県 甲 良 町 ]