十 勝 産 雑 穀 を 用 いた 新 たな 製 品 の 開 発 事 業 部 研 究 開 発 課 佐 々 木 香 子 総 務 部 総 務 課 鎌 田 晋 事 業 部 プロジェクト 推 進 課 梅 沢 晃 1. 目 的 と 概 要 小 豆 や 菜 豆 等 の 雑 豆 の 用 途 は 餡 や 煮 豆 等 の 伝 統 的 な 用 途 が 中 心 であるが 嗜 好 の 変 化 や 食 生 活 の 多 様 化 の 影 響 から 国 内 の 消 費 量 は 減 少 傾 向 であった このため 雑 豆 普 及 における 課 題 に 関 し これまで 当 財 団 で 様 々な 形 で 需 要 調 査 を 行 ってきた 調 査 結 果 から 浮 かび 上 がる 対 策 としては 新 たな 分 野 での 利 用 促 進 及 び 広 範 囲 なマーケットの 開 拓 が 必 要 と 考 えられた しかしながら 現 状 では 新 たな 分 野 への 利 用 拡 大 には 至 っていない また 前 記 調 査 では 若 年 層 よりも 高 年 齢 層 で 雑 豆 喫 食 率 が 高 いことが 判 明 しているが 雑 豆 の 皮 が 硬 いことや 粒 が 大 きいことなどから 嚥 下 力 が 低 下 した 年 齢 層 では 豆 のままの 形 状 で 摂 取 が 困 難 な 場 合 もある 本 研 究 では 雑 豆 の 高 齢 者 食 分 野 への 利 用 促 進 を 目 的 に 小 豆 を 粉 末 化 及 びペースト 化 した 素 材 について 養 護 施 設 や 介 護 施 設 を 対 象 とした 需 要 調 査 を 行 うとともに 高 齢 者 食 への 利 用 の 可 能 性 を 検 討 した 2. 検 討 内 容 (1) 雑 豆 素 材 の 高 齢 者 向 け 加 工 品 への 利 用 における 調 査 公 益 社 団 法 人 北 海 道 栄 養 士 会 帯 広 支 部 の 総 会 が 開 催 され 総 会 に 出 席 した 管 理 栄 養 士 栄 養 士 を 対 象 に 雑 豆 に 関 する 調 査 を 行 った 1) 回 答 者 内 訳 および 献 立 状 況 回 答 者 の 約 4 割 は 病 院 医 療 関 係 の 施 設 に 勤 務 3 割 が 高 齢 者 施 設 に 勤 務 しており それら 施 設 の 献 立 状 況 について 御 回 答 頂 いた その 結 果 普 段 の 献 立 調 理 では 食 事 全 体 の 栄 養 バラン スを 考 慮 している との 回 答 が 殆 どの 回 答 者 から 得 られた また 回 答 者 の 約 半 数 が 安 心 安 全 な 素 材 を 選 ぶ 野 菜 を 多 く 使 う ことを 心 がけており その 他 の 回 答 の 中 では 地 場 産 の 食 材 を 多 く 取 り 入 れるよう 工 夫 している とあったことから 栄 養 価 だけでなく 素 材 の 品 質 にも 考 慮 し つつ 献 立 調 理 を 行 う 傾 向 があった 一 方 調 理 時 間 の 短 縮 や 原 料 価 格 を 低 く 抑 える こと を 重 視 する 回 答 者 は 比 較 的 少 なく 施 設 によっては 価 格 や 手 軽 さよりも 栄 養 品 質 の 確 保 を 最 優 先 にしていると 考 えられる 2) 雑 豆 の 施 設 等 における 利 用 状 況 雑 豆 について 使 用 頻 度 を 訪 ねたところ ほぼ 毎 週 使 う が 29% 月 に 1,2 回 位 使 う が 半 数 近 くの 47%であった( 図 1) これは 高 齢 者 は 和 菓 子 を 好 む( 聞 き 取 り 調 査 より)ことから お やつとして 雑 豆 加 工 品 を 提 供 しているからと 考 えられる また 使 った 形 態 としては 乾 燥 豆 が 最 も 多 く 次 いで 味 を 調 節 し 易 い 水 煮 餡 ( 缶 詰 等 ) と 続 いていた これは 以 前 に 行 っ た 一 般 消 費 者 対 象 のアンケート 調 査 とは 全 く 異 なる 結 果 であり 施 設 従 事 者 が 手 間 を 掛 けて 調 理 する 体 制 が 整 っていることが 伺 える 一 方 使 用 頻 度 が 低 い 領 域 では 豆 のメニューが 限 られる との 意 見 が 目 立 ち 今 後 のメニュー 提 案 などで 雑 豆 需 要 が 高 まる 可 能 性 が 示 唆 された
図 1 雑 豆 の 使 用 頻 度 と 使 用 形 態 に 関 する 回 答 3) 雑 豆 の 利 用 意 向 利 用 したい 雑 豆 の 形 態 ( 水 煮 餡 ペースト 粉 末 )について 御 回 答 頂 いた 水 煮 については 思 う 少 し 思 う を 合 わせて 84% 餡 では 74%と 利 用 意 向 が 高 かった これは 水 煮 や 餡 につ いては 既 に 利 用 している 施 設 があったためと 考 えられる 一 方 ペースト 素 材 では 思 う 少 し 思 う を 合 わせて 62% 粉 末 素 材 では 48%と 割 合 が 低 くなり どちらとも 言 えない の 割 合 が 増 加 した これは ペースト 素 材 および 粉 末 素 材 の 使 い 方 について 予 測 できず 判 断 がつかなかっ たためと 考 えられる この 結 果 から ペースト 素 材 や 粉 末 素 材 の 提 供 を 行 う 場 合 は 使 用 例 の 提 案 を 積 極 的 に 行 う 必 要 があると 考 えられた 4) 栄 養 価 における 認 知 度 と 魅 力 および 興 味 のある 取 り 組 み 雑 豆 の 栄 養 価 に 関 する 特 長 を 設 問 し 認 知 度 を 伺 ったところ 知 らなかった という 回 答 は 全 体 的 に 低 かったが 煮 ることで 餡 粒 子 が 形 成 され 食 物 繊 維 様 の 働 きをする という 設 問 のみ 約 半 数 が 知 らなかった と 回 答 した また 特 に 魅 力 に 思 う 栄 養 価 については 各 設 問 全 てに 対 して 半 数 以 上 が 魅 力 と 感 じており 特 にミネラルやポリフェノールに 関 しては 6 割 以 上 の 回 答 者 が 魅 力 を 感 じていると 答 えた また 雑 豆 に 関 する 取 り 組 みについては レシピや 試 食 イベン ト 料 理 教 室 機 能 性 成 分 についての 講 習 会 などに 興 味 があるという 回 答 が 多 かった これらを 踏 まえ レシピ 紹 介 や 試 食 を 交 えながら 栄 養 成 分 等 の 講 習 会 を 開 催 するなど 今 後 の 効 果 的 な 取 り 組 みが 必 要 と 考 えられた (2) 配 合 検 討 の 技 術 指 導 に 関 わる 小 豆 素 材 の 加 工 特 性 成 分 の 解 析 1) 小 豆 素 材 の 粒 度 膨 潤 度 の 比 較 小 豆 は 煮 熟 する 工 程 で 餡 粒 子 が 形 成 され ざらつきの 原 因 となる 今 回 使 用 した 小 豆 パウダー および 小 豆 ペーストは 餡 粒 子 を 酵 素 処 理 で 崩 壊 させ 減 圧 乾 燥 によって 風 味 を 出 来 るだけ 残 し て 調 整 されている 小 豆 パウダー 及 びペースト 素 材 の 粒 度 分 布 測 定 結 果 では さらし 餡 の 平 均 粒 子 径 が112μmであるのと 比 較 して90μm 前 後 であり 比 較 的 粒 度 が 小 さいものを 多 く 含 んでいる ( 図 2) そのため さらし 餡 よりもざらつきを 感 じにくい 素 材 であると 考 えられる また 各 素 材 の 冷 水 又 は 温 水 に 対 する 膨 潤 度 を 測 定 したところ 小 豆 パウダーは 冷 水 で2 倍 温 水 で 約 3.5 倍 に 膨 張 することが 判 った( 図 3) 一 方 小 豆 ペーストは 水 分 を 含 んでいることから それ 以 上 の 膨 張 は 殆 ど 見 られなかった 吸 水 率 が 高 い 素 材 は 加 工 に 用 いた 場 合 他 の 素 材 の 水 分 を 極 端 に 吸 う 可 能 性 があることから 配 合 中 の 水 分 調 整 が 必 要 と 考 えられる 平 均 粒 子 径 112μm 平 均 粒 子 径 86μm
さらし 餡 (200 倍 ) 小 豆 パウダー(200 倍 ) さらし 餡 (1000 倍 ) 小 豆 パウダー(1000 倍 ) 図 2 さらし 餡 および 小 豆 パウダーの 平 均 粒 子 径 及 び 電 子 顕 微 鏡 写 真 2) 小 豆 素 材 の 成 分 比 較 エネルギー (kcal) 図 3 さらし 餡 および 小 豆 パウダーの 膨 潤 度 小 豆 パウダーおよび 小 豆 ペーストの 成 分 を 乾 燥 豆 さらし 餡 と 比 較 した( 表 1) 表 1 小 豆 素 材 と 乾 豆 さらし 餡 の 成 分 比 較 水 分 タンパク 質 脂 質 灰 分 小 豆 パウダー 335 5.2 28.3 1.4 2.7 糖 質 (g/100g) 炭 水 化 物 食 物 繊 維 不 溶 性 水 溶 性 総 量 42.4 18.9 1.1 20.0 小 豆 ペースト 131 62.8 11.1 0.5 1.1 16.6 7.4 0.4 7.8 小 豆 乾 豆 300 15.5 20.3 2.2 3.3 40.9 16.6 1.2 17.8 小 豆 さらし 餡 326 5.0 26.2 1.0 エネルギーは 炭 水 化 物 と 食 物 繊 維 を 分 けて 計 算 乾 豆 及 びさらし 餡 栄 養 成 分 値 は 五 訂 食 品 分 析 表 から 抜 粋 ナトリウム カリウム カルシウム マグネシウム リン 鉄 1.0 39.2 26.6 1.0 27.6 (mg/100g) 亜 鉛 銅 マンガン 小 豆 パウダー 1 806 67 75 240 6.8 2.0 0.64 1.03 小 豆 ペースト 0.5 316 26 29 小 豆 乾 豆 1 1500 75 120 94 2.7 350 5.4 0.8 0.25 0.40 2.3 0.67 - 小 豆 さらし 餡 11 180 60 85 220 7.4 乾 豆 及 びさらし 餡 栄 養 成 分 値 は 五 訂 食 品 分 析 表 から 抜 粋 2.4 0.41 -
その 結 果 これらの 素 材 は 水 さらし 等 の 処 理 工 程 が 無 いことから 乾 豆 の 成 分 を 残 したまま 調 整 されていることが 判 った 食 物 繊 維 については 特 にミネラルのうち 血 圧 調 整 に 関 わるカ リウムは 小 豆 パウダーで 約 800mg/100g 小 豆 ペーストで 約 300mg/100gであり さらし 餡 が 180mg/100gであるのと 比 較 しても 多 く 含 まれていた このことから 小 豆 素 材 を 食 品 に 配 合 する ことで 食 物 繊 維 やたんぱく 質 カリウムなどの 成 分 を 補 強 できると 考 えられる 3) 小 豆 素 材 の 微 生 物 検 査 小 豆 パウダーおよび 小 豆 ペーストについて 微 生 物 検 査 を 行 った 表 2に6 月 製 のロットにおけ る 検 査 結 果 を 示 す 各 素 材 は 製 造 工 程 で 加 熱 処 理 を 行 っていることから 菌 数 は 少 なく 他 のロッ トについても 菌 数 が 多 くなることはなかった そのため 小 豆 素 材 は 粉 末 飲 料 のような 加 熱 せず に 摂 取 する 食 品 への 配 合 も 可 能 である 表 2 小 豆 素 材 の 微 生 物 検 査 結 果 一 般 生 菌 数 大 腸 菌 群 真 菌 数 黄 色 ブドウ 球 菌 小 豆 粉 末 6/6 製 1.7 10 3 /g 陰 性 /0.2g 100 以 下 /g 陰 性 /0.02g 小 豆 ペースト6/10 製 300 以 下 /g 陰 性 /0.2g 100 以 下 /g 陰 性 /0.02g 4) 小 豆 素 材 入 り 食 パンの 試 作 展 示 会 等 でのバイヤーを 対 象 とした 小 豆 素 材 の 調 査 では 小 豆 素 材 をパンに 利 用 したいとの 意 見 が 多 く 聞 かれたため 小 豆 素 材 配 合 食 パンの 試 作 を 行 った( 表 3) まず 小 豆 パウダーを 対 小 麦 粉 で10%および20%で 配 合 し 他 の 副 材 料 と 試 作 条 件 が 全 て 同 じ 場 合 について 比 較 した 10% 配 合 した 場 合 では 配 合 しない 場 合 とほぼ 同 程 度 に 生 地 の 立 ち 上 がりが 良 く 内 相 がもちもちと したタイプの 食 パンとなった パンの 内 相 を 一 部 切 り 出 し テクスチャーアナライザーで 固 さを 測 定 したところ 全 粒 粉 パンと 同 程 度 の 固 さだった( 図 4) また 20% 配 合 では 殆 ど 膨 らまず プンパニッケル(ドイツのライ 麦 全 粒 粉 のパン)のような 形 態 であり 噛 みごたえのあるパンと なった これは 小 豆 パウダーが 配 合 中 の 水 分 を 吸 収 したため 小 麦 粉 に 水 分 が 供 給 されにくくな り グルテン 形 成 が 抑 えられたためと 考 えられる 配 合 中 の 水 分 を 増 量 し 練 時 間 を 延 長 すると ともに 発 酵 時 間 を 長 めにして 生 地 の 膨 らみに 変 化 があるかを 検 討 した 結 果 20%の 配 合 でも 改 善 が 見 られた さらに 小 豆 ペーストを 固 形 分 として20%になるように 配 合 すると 通 常 の 食 パンと 同 様 の 出 来 上 がりとなった これらの 結 果 から 食 パンなどの 生 地 が 膨 らむ 発 酵 製 品 の 場 合 小 豆 素 材 の 配 合 や 発 酵 条 件 を 検 討 すれば 作 りたい 食 感 のパンを 調 整 できる 可 能 性 がある 表 3 小 豆 素 材 入 り 食 パンの 試 作 Didsku
図 4 テクスチャーアナライザーと 食 パンの 内 相 の 固 さ 比 較 Didsku 5) 提 供 レシピの 試 作 試 験 素 材 提 供 施 設 から 提 案 されたレシピに 基 づく 試 作 試 験 を 行 い 配 合 等 を 検 討 した まず 小 豆 パウダー 入 りマフィンを 試 作 した( 表 4) 小 豆 パウダーは 薄 力 粉 に 対 して0 10% 15% 配 合 し さらし 餡 を10% 配 合 したものと 比 較 した 提 案 レシピでは 小 豆 パウダーを 配 合 した 生 地 において 充 填 時 の 作 業 性 が 悪 くなったため 副 素 材 である 卵 を 増 量 したところ 作 業 性 及 び 焼 き 上 げ 時 の 生 地 の 固 さが 改 善 された 焼 き 上 がりの 固 さをテクスチャーアナライザーで 比 較 した ところ 修 正 レシピでは 小 豆 素 材 を 入 れないものと 同 等 の 固 さとなった( 表 5) 同 様 に 提 案 レシピの 蒸 しパンや 白 玉 団 子 について 薄 力 粉 や 白 玉 粉 に 対 して20 50% 配 合 して 試 作 したが いずれもさらし 餡 や 小 豆 パウダーを 配 合 すると 食 物 繊 維 が 増 加 する 反 面 配 合 量 を 増 やすに 従 っ て 固 さがでることから パウダーを 使 用 する 場 合 は 加 水 量 を 考 慮 した 配 合 にする 必 要 がある( 図 5 6) 一 方 さらし 餡 との 比 較 では 小 豆 パウダーを 用 いた 方 が 小 豆 の 風 味 が 出 ており 小 豆 パウダーを 配 合 することで 小 豆 の 風 味 を 強 化 できると 考 えられる 表 4 小 豆 素 材 入 りマフィンの 試 作 (レシピ 修 正 ) さらし 餡 10% 10% 15% 10% ( 卵 増 量 ) Force(g) 253 1258 1278 1626 288 (n=5) 添 加 なし 表 5 マフィンテクスチャー 測 定 結 果 小 豆 パウダー
添 加 なし さらし 餡 20% 小 豆 パウダー20% 小 豆 パウダー50% 図 5 小 豆 素 材 入 り 白 玉 団 子 の 試 作 とテクスチャー 食 物 繊 維 比 較 添 加 なし さらし 餡 20% 小 豆 パウダー20% 小 豆 パウダー50% 図 6 小 豆 素 材 入 り 蒸 しパンの 試 作 とテクスチャー 食 物 繊 維 比 較 6) 試 作 品 微 生 物 検 査 小 豆 パウダー 入 り 試 作 品 について 微 生 物 検 査 を 行 った( 表 6) いずれも 加 熱 工 程 を 経 ている こともあり 菌 数 は 少 なく 試 食 提 供 できる 加 工 品 であることを 確 認 した 表 6 試 作 品 微 生 物 検 査 結 果 一 般 生 菌 数 大 腸 菌 群 真 菌 数 黄 色 ブドウ 球 菌 小 豆 パウダー 入 り マフィン 300 以 下 /g 陰 性 /0.2g 100 以 下 /g 陰 性 /0.02g 小 豆 パウダー 入 り 白 玉 団 子 300 以 下 /g 陰 性 /0.2g 100 以 下 /g 陰 性 /0.02g 小 豆 パウダー 入 り 蒸 しパン 300 以 下 /g 陰 性 /0.2g 100 以 下 /g 陰 性 /0.02g
(3) 小 豆 素 材 の 実 用 化 可 能 性 検 討 医 療 法 人 博 愛 会 介 護 老 人 保 健 施 設 あかしや 様 帯 広 大 谷 短 大 様 ( 生 活 科 学 科 栄 養 士 課 程 ) 株 式 会 社 しんかーず 様 ( 配 食 サービス 企 業 ) 十 勝 菓 子 工 房 菓 音 様 栄 養 士 坂 本 様 に 小 豆 素 材 を 使 用 したレシピを 考 案 して 頂 いた また イベント 等 で 小 豆 パウダーを 配 布 し 医 療 法 人 十 勝 勤 労 者 医 療 協 会 老 人 保 健 施 設 ケアセンター 白 樺 様 公 益 財 団 法 人 北 海 道 医 療 団 音 更 病 院 様 からもレ シピを 頂 き 合 計 54 品 のレシピを 御 提 案 頂 いた レシピ 名 写 真 解 説 をまとめ 一 部 を 抜 粋 し て 示 した( 図 7~11) 料 理 名 料 理 写 真 解 説 料 理 名 料 理 写 真 解 説 小 豆 の コロッケ いもに 小 豆 ペーストを 混 合 半 分 は 南 瓜 を 混 合 色 合 いが 良 い フレンチ トーストピザ ( 小 豆 のピザ ソース) ピザソースに 小 豆 パウダー 使 用 パンへの 水 分 移 行 を 防 止 (ペーストが 水 分 を 吸 うため) いとこ 天 ぷら 衣 に 小 豆 パウダーを 使 用 つけ 塩 にも 小 豆 パウダー 使 用 いとこ 煮 をイメージ カレーライス ルウに 小 豆 パウダーを 使 用 カレーがまろやかに 仕 上 がる いちご 大 福 餅 部 分 に 小 豆 パウダーを 使 用 小 豆 餅 と 白 餡 で 色 味 が 映 える 白 い 豆 パウダーがあれば 良 い 小 豆 入 り たらの すり 身 揚 げ 小 豆 パウダーをつなぎに 使 用 パウダー 分 の 水 分 増 量 ( 他 10 品 ) 図 7 あかしや 様 提 案 メニュー ( 他 2 品 ) 図 8 大 谷 短 大 様 提 案 メニュー 料 理 名 料 理 写 真 解 説 ( 他 6 品 ) 図 9 坂 本 様 提 案 メニュー 揚 げピザ 小 豆 ドレッシング チーズに 小 豆 パウダーを 添 加 チーズの 溶 け 出 しを 防 止 チーズの 酸 味 がまろやかに 感 じる 小 豆 パウダーを 使 用 少 量 でピンク 系 の 色 調 が 出 る マヨネーズの 酸 味 がまろやか に 感 じる ( 他 3 品 ) 図 10 しんかーず 様 提 案 メニュー 料 理 名 料 理 写 真 解 説 小 豆 メレンゲ 小 豆 パウダーを 約 30% 配 合 口 溶 けが 良 い 小 豆 ショート ブレッド 小 豆 パウダー 使 用 和 風 ショートブレッド 小 豆 の 風 味 がほんのり 残 る 図 11 菓 音 様 提 案 メニュー ( 他 3 品 ) あかしや 様 からは じゃがいもに 小 豆 ペースト 及 びカボチャを 混 合 して2 色 に 仕 上 げたコロッ ケや 餅 に 小 豆 ペーストを 加 えた 苺 大 福 など 小 豆 の 色 を 生 かしたレシピが 提 案 され( 図 7) 施 設 では 見 た 目 で 食 事 を 楽 しむことも 重 要 と 考 えられた 帯 広 大 谷 短 大 様 からは 吸 水 力 のある 小 豆 パウダーの 性 質 を 利 用 したレシピが 提 案 され ピザソースに 小 豆 パウダーを 配 合 してパンへの 水 分 移 行 を 防 止 したり カレーのルウに 小 豆 パウダーを 用 い ルウの 形 成 を 容 易 にするなどの 効
果 があった( 図 8) 栄 養 士 坂 本 様 レシピでは 肉 味 噌 等 のひき 肉 を 煮 込 む 料 理 に 小 豆 ペースト を 加 えることで 固 形 分 が 増 加 し 煮 込 み 時 間 が 短 縮 できる 効 果 があった( 図 9) しんかーず 様 レシピでは クリームチーズやマヨネーズの 酸 味 が 低 減 される 効 果 が 見 られ( 図 10) 菓 音 様 レシピからは 洋 菓 子 に 和 テイストを 加 えたレシピが 提 案 された( 図 11) 小 豆 素 材 を 使 用 した 場 合 の 効 果 を 図 12にまとめた 小 豆 素 材 は 1 食 物 繊 維 含 量 が 多 いこと から 食 品 に 配 合 することで 食 物 繊 維 を 強 化 できる2つけ 塩 やマヨネーズ 生 クリーム 洋 風 の 菓 子 などに 加 えることで 和 風 の 風 味 を 付 与 することができる3コロッケや 餅 などに 小 豆 の 色 調 を 加 えられる といった 付 与 効 果 の 他 4ひき 肉 料 理 などでは 煮 込 み 時 間 を 短 縮 することができ カ レールウ ピザソースなどの 水 分 および 濃 度 の 調 整 ができる5つみれやコロッケなどのつなぎを 補 強 するなどの 効 果 が 得 られることがわかった また 試 作 したものの 官 能 評 価 では クリーム チーズやマヨネーズ 等 の 酸 味 が 抑 えられたり カレールウや 肉 味 噌 などの 油 脂 のべたつき 感 をマ スキングし まろやかさが 付 与 されている 傾 向 があった 小 豆 ペースト ポタージュ イースト 発 酵 パン ポタージュ ムース コロッケ ムース 食 物 繊 維 付 与 風 味 付 与 色 調 付 与 小 豆 パウダー ドレッシング おやき 大 福 餅 団 子 蒸 しパン カップケーキ メレンゲ ショートブレッド 天 ぷら 衣 つけ 塩 大 福 餅 団 子 ドレッシング ケーキ 生 クリーム ピザソース メレンゲ ショートブレッド 天 ぷら 衣 つみれ 麺 すり 身 揚 げ 大 福 餅 団 子 蒸 しパン ミートソース 肉 味 噌 ムース 水 分 濃 度 調 整 ピザソース カレールー コロッケ 餃 子 の 具 とうふナゲット 結 着 補 強 すり 身 揚 げ つみれ 図 12 小 豆 素 材 の 効 果 と 用 途 例 4.まとめ 本 調 査 研 究 は 雑 豆 のペースト 及 び 粉 末 素 材 の 高 齢 者 向 け 食 品 への 利 用 調 査 を 推 進 する ことにより 雑 豆 素 材 の 新 規 分 野 への 用 途 拡 大 を 達 成 しようとするものである 今 年 度 は 栄 養 士 と 共 同 で 高 齢 者 食 への 雑 豆 素 材 の 配 合 を 検 討 し 風 味 や 色 調 食 物 繊 維 を 付 与 できる 他 水 分 や 濃 度 の 調 整 つなぎの 補 強 効 果 があることが 判 った 試 作 を 依 頼 し た 施 設 からは 普 段 の 雑 豆 調 理 の 際 の 手 間 と 時 間 が 削 減 できる 素 材 は 使 い 勝 手 がよく さらに 地 場 産 品 素 材 であること 栄 養 バランスがいいことを 考 慮 すると 多 少 コスト 高 でも 魅 力 のある 素 材 として 評 価 が 高 かった これらの 結 果 から 雑 豆 素 材 は 用 途 に 合 わせて 使 用 できる 新 規 素 材 であり 雑 豆 の 高 付 加 価 値 化 に 繋 がる 食 材 として 経 済 波 及 効 果 が 期 待 できた 今 後 も 雑 豆 素 材 の 用 途 を 十 分 に 示 すことができれば 他 の 雑 豆 加 工 業 者 やその 他 素 材 製 造 メーカーに 技 術 移 転 することも 可 能 であることから 雑 豆 の 新 たな 需 要 の 確 保 と 生 産 量 の 向 上 に 役 立 つと 考 えられる