Tax news letter www.kotaka-tax.com tax.com 平 成 25 年 度 税 制 改 正 大 綱 の 主 な 改 正 点 に 平 成 25 年 度 税 制 改 正 大 綱 が 閣 議 決 定 されました 本 ニュースレターでは 特 に 個 人 富 裕 層 中 小 企 業 オーナー 並 びに 中 小 企 業 に 関 する 主 な 改 正 点 についてご 紹 介 いたします なお 税 制 改 正 の 詳 細 は 改 正 法 案 等 の 公 表 を 待 たなければならず 今 後 の 国 会 審 議 等 により 内 容 に 変 更 が 生 じる 可 能 性 があります また 本 文 右 側 に 記 載 するコメントは 現 時 点 で 公 表 されている 資 料 に 基 づき 筆 者 が 作 成 したものであり 今 後 提 出 される 法 案 等 の 内 容 により 異 なる 取 り 扱 いになる 可 能 性 があります < 目 次 > 1. 相 続 税 贈 与 税 2 (1) 相 続 税 基 礎 控 除 の 引 下 げ (2) 相 続 税 の 税 率 見 直 し (3) 贈 与 税 の 税 率 見 直 し (4) 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 対 象 者 の 見 直 し (5) 未 成 年 者 控 除 障 害 者 控 除 の 見 直 し (6) 死 亡 保 険 金 の 非 課 税 額 (7) 小 規 模 宅 地 等 特 例 の 拡 充 (8) 自 社 株 の 納 税 猶 予 制 度 の 要 件 緩 和 等 (9) 教 育 資 金 の 贈 与 税 非 課 税 措 置 [ 新 設 ] (10) 外 国 籍 を 利 用 した 租 税 回 避 の 防 止 策 2. 所 得 税 6 (1) 最 高 税 率 の 引 き 上 げ (2) 住 宅 ローン 控 除 の 延 長 拡 充 (3) 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 (4) 上 場 株 式 等 の 配 当 及 び 譲 渡 所 得 等 の 軽 減 税 率 (5) 少 額 投 資 非 課 税 制 度 ( 日 本 版 ISA)の 拡 充 (6) 社 会 保 険 診 療 報 酬 の 所 得 計 算 特 例 の 見 直 し 3. 法 人 税 9 (1) 所 得 拡 大 促 進 税 制 [ 新 設 ] (2) 雇 用 促 進 税 制 の 拡 充 (3) 中 小 法 人 の 交 際 費 課 税 の 緩 和 (4) 研 究 開 発 税 制 の 拡 充 (5) 生 産 設 備 投 資 促 進 税 制 [ 新 設 ] (6) 環 境 関 連 投 資 促 進 税 制 の 延 長 (7) 商 業 サービス 業 農 林 水 産 業 を 営 む 中 小 企 業 等 支 援 税 制 [ 新 設 ] (8) 特 定 資 産 譲 渡 等 損 失 の 損 金 不 算 入 制 度 等 の 見 直 し 4. その 他 の 税 目 10 (1) 延 滞 税 等 の 税 率 引 き 下 げ (2) 土 地 売 買 に 係 る 登 録 免 許 税 の 軽 減 税 率 1
1. 相 続 税 贈 与 税 コメント/ 重 要 度 (3 段 階 ) (1) 相 続 税 基 礎 控 除 の 引 下 げ 相 続 税 の 基 礎 控 除 が 以 下 のように 引 き 下 げられる 増 税 平 成 23 年 度 税 制 改 正 で 予 定 されてい た 項 目 ですが 先 送 りとなっていました 5,000 万 円 + 1,000 万 円 法 定 相 続 人 数 3,000 万 円 + 600 万 円 法 定 相 続 人 数 ((2)から(6)の 項 目 も 同 じ) 基 礎 控 除 の 引 下 げにより 4% 程 度 の 課 税 割 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 合 が 6% 台 程 度 に 増 加 すると 見 込 まれ ています( 財 務 省 資 料 より) (2) 相 続 税 の 税 率 見 直 し 相 続 税 の 最 高 税 率 の 引 き 上 げと 税 率 構 造 の 見 直 しを 行 う 法 定 相 続 分 取 得 額 1,000 万 円 以 下 10% 10% 3,000 万 円 以 下 15% 15% 5,000 万 円 以 下 20% 20% 1 億 円 以 下 30% 30% 2 億 円 以 下 40% 40% 3 億 円 以 下 45% 6 億 円 以 下 50% 50% 6 億 円 超 55% 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 増 税 法 定 相 続 人 が 2 人 のケースであれば 12 億 円 ( 基 礎 控 除 後 )を 超 える 課 税 遺 産 額 で 初 めて 55%の 最 高 税 率 が 適 用 さ れますので 対 象 者 はそれほど 多 くない でしょう しかし 2 億 円 超 3 億 円 以 下 の 区 分 の 税 率 アップ(40% 45%)の 影 響 を 受 ける 人 は 少 なくないと 考 えられます ので 改 正 後 の 税 率 等 でも 相 続 税 の 試 算 をしておくべきです (3) 贈 与 税 の 税 率 見 直 し 暦 年 贈 与 に 係 る 贈 与 税 率 の 構 造 を 緩 和 する また 相 続 税 の 最 高 税 率 引 き 上 げにあわせて 贈 与 税 の 最 高 税 率 も 引 き 上 げる 贈 与 の 区 分 を 20 歳 以 上 の 者 が 直 系 尊 属 から 受 ける 贈 与 ( 特 定 贈 与 )とそれ 以 外 ( 一 般 贈 与 ) に 区 分 し 異 なる 税 率 を 適 用 する 基 礎 控 除 後 の 課 税 価 格 ( 特 定 ) ( 一 般 ) 200 万 円 以 下 10% 10% 10% 300 万 円 以 下 15% 15% 15% 400 万 円 以 下 20% 15% 20% 600 万 円 以 下 30% 20% 30% 1,000 万 円 以 下 40% 30% 40% 1,500 万 円 以 下 40% 45% 3,000 万 以 下 45% 50% 50% 4,500 万 円 以 下 50% 55% 5,000 万 円 超 55% 太 線 の 枠 内 税 率 引 き 下 げ 部 分 斜 体 字 税 率 引 き 上 げ 部 分 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 から 適 用 主 に 減 税 ( 増 税 ) 相 続 税 が 課 税 強 化 される 一 方 一 定 の 贈 与 については 贈 与 税 率 を 緩 和 し 生 前 に 若 い 世 代 への 財 産 移 転 を 後 押 しする 改 正 を 行 います 今 後 の 相 続 税 対 策 では 生 前 贈 与 の 計 画 的 な 実 施 がより 効 果 的 となります また 平 成 27 年 以 後 の 相 続 贈 与 か ら 最 高 55%の 税 率 が 適 用 されますの で 相 続 税 の 最 高 税 率 引 き 上 げの 影 響 を 大 きく 受 ける 超 資 産 家 の 方 は 今 年 来 年 と 50%の 税 率 のうちにまとまった 金 額 の 贈 与 を 検 討 しても 良 いでしょう 2
(4) 相 続 時 精 算 課 税 制 度 の 対 象 者 の 見 直 し 贈 与 者 の 年 齢 要 件 の 引 き 下 げと 受 贈 者 の 範 囲 に 孫 を 追 加 する 贈 与 者 要 件 65 歳 以 上 60 歳 以 上 受 贈 者 要 件 20 歳 以 上 の 推 定 相 続 人 20 歳 以 上 の 推 定 相 続 人 及 び 孫 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 贈 与 について 適 用 利 用 範 囲 の 拡 大 贈 与 者 の 年 齢 要 件 が 60 歳 以 上 に 引 き 下 げられることで 制 度 の 使 い 勝 手 がよ り 良 くなります 特 に 企 業 オーナーの 自 社 株 の 早 期 移 転 に 活 用 できます ただ し 孫 への 贈 与 は 相 続 時 に 相 続 税 が 2 割 加 算 となりますので 留 意 が 必 要 です (5) 未 成 年 者 控 除 障 害 者 控 除 の 見 直 し 相 続 税 の 計 算 における 未 成 年 者 控 除 障 害 者 控 除 の 金 額 を 引 き 上 げる 未 成 年 者 控 除 20 歳 に 達 するまでの 年 数 6 万 円 10 万 円 障 害 者 控 除 85 歳 に 達 するまでの 年 数 6 万 円 ( 特 別 障 害 者 12 万 円 ) 10 万 円 ( 特 別 障 害 者 20 万 円 ) 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 の 控 除 額 は 昭 和 63 年 に 改 正 され たもので 物 価 の 動 向 と 相 続 税 全 体 の 見 直 しとのバランスを 踏 まえて 減 税 措 置 となりました (6) 死 亡 保 険 金 の 非 課 税 額 改 正 なし ( ) 500 万 円 法 定 相 続 人 数 - 平 成 23 年 度 税 制 では 生 計 一 の 法 定 相 続 人 等 に 限 定 する 予 定 でした (7) 小 規 模 宅 地 等 特 例 の 拡 充 1 居 住 用 宅 地 の 適 用 対 象 面 積 の 拡 大 上 限 240 m2( 約 72 坪 ) 上 限 330 m2( 約 100 坪 ) 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 2 居 住 用 宅 地 と 事 業 用 宅 地 を 併 用 する 場 合 の 限 度 面 積 の 拡 大 特 例 の 対 象 として 選 択 する 宅 地 等 すべてが 居 住 用 宅 地 及 び 事 業 用 宅 地 の 場 合 には 居 住 用 宅 地 と 事 業 用 宅 地 について 完 全 併 用 できるように する 事 業 用 換 算 ( 居 住 用 の 場 合 は 5 居 住 用 330 m2と 事 業 用 400 m2の 3)で 合 計 400 m2が 限 度 合 計 730 m2を 限 度 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 < 計 算 例 > 居 住 用 宅 地 350 m2 事 業 用 宅 地 450 m2で 居 住 用 宅 地 の 単 価 が 高 いため 居 住 用 宅 地 から 小 規 模 宅 地 特 例 を 適 用 すべき 場 合 ( ) 居 住 用 240 m2+ 事 業 用 0=240 m2( 限 度 面 積 ) 240 m2 5/3=400 m2 400 m2 事 業 用 0 ( ) 居 住 用 330 m2+ 事 業 用 400 m2=730 m2( 限 度 面 積 ) 350 m2 330 m2 330 m2 450 m2 400 m2 400 m2 地 価 が 特 に 高 い 東 京 都 などで 相 続 税 の 納 税 者 が 急 激 に 増 加 することへの 配 慮 として 小 規 模 宅 地 等 特 例 が 拡 充 され ます 2 居 住 用 宅 地 と 完 全 併 用 できる 事 業 用 宅 地 には 同 族 会 社 に 賃 貸 している 宅 地 ( 特 定 同 族 会 社 事 業 用 宅 地 等 )も 含 ま れますが 貸 付 事 業 用 宅 地 等 は 完 全 併 用 の 対 象 外 です 同 族 会 社 が 事 業 で 利 用 している 土 地 を 企 業 オーナーが 会 社 から 買 い 取 り 居 住 用 と 事 業 用 のダブル 適 用 による 評 価 引 下 げ 対 策 を 行 うことも 考 えられます なお 居 住 用 宅 地 事 業 用 宅 地 ともに 80%の 減 額 割 合 に 変 更 はありません 3
3 二 世 帯 住 宅 の 敷 地 の 要 件 緩 和 居 住 用 宅 地 の 特 例 適 用 にあたり 二 世 帯 住 宅 建 物 の 構 造 要 件 を 撤 廃 内 部 で 二 世 帯 住 宅 を 行 き 来 でき 内 部 で 二 世 帯 住 宅 を 行 き 来 でき る 場 合 のみ 敷 地 すべてが 居 住 用 ない 場 合 でも 敷 地 すべてが 居 住 特 例 の 対 象 行 き 来 不 可 の 場 合 用 特 例 の 対 象 となる は 敷 地 の 一 部 のみ 居 住 用 特 例 の 対 象 3 二 世 帯 住 宅 と 老 人 ホームの 改 正 は 他 の 相 続 税 関 係 の 改 正 時 期 と 異 なり 平 成 26 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 等 から 変 更 となります 4 老 人 ホームに 入 所 した 場 合 の 適 用 要 件 緩 和 被 相 続 人 が 老 人 ホームに 入 所 していた 場 合 老 人 ホームの 終 身 利 用 権 を 取 得 しても 空 き 家 となっていた 自 宅 の 敷 地 について 以 下 の 要 件 を 満 たす 場 合 に 限 り 居 住 用 宅 地 の 特 例 の 適 用 を 認 める 被 相 続 人 の 介 護 のための 老 人 ホームへの 入 所 であること 自 宅 が 貸 付 等 の 用 途 に 供 されていないこと ( ) 老 人 ホームの 終 身 利 用 権 を 取 得 した 場 合 は 空 き 家 となった 自 宅 敷 地 は 居 住 用 宅 地 の 特 例 が 適 用 できない 上 記 3と4の 改 正 は 平 成 26 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 から 適 用 (8) 自 社 株 の 納 税 猶 予 制 度 の 要 件 緩 和 等 1 雇 用 維 持 要 件 の 緩 和 は 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 から 5 年 間 は 雇 用 の 8 割 以 上 を 確 保 する ことが 条 件 となっており 確 保 できない 場 合 は 納 税 猶 予 が 取 消 しとな り 猶 予 されていた 税 金 を 一 括 で 納 税 しなければならない 制 度 適 用 の ネックとなっていた 雇 用 維 持 要 件 を 緩 和 する 制 度 適 用 から 5 年 間 毎 年 雇 用 制 度 適 用 から 5 年 間 平 均 で 8 割 の 8 割 以 上 を 確 保 以 上 を 確 保 2 後 継 者 の 親 族 要 件 の 廃 止 後 継 者 が 先 代 経 営 者 の 親 族 に 限 られている の 親 族 要 件 を 廃 止 し 親 族 以 外 の 後 継 者 も 制 度 適 用 の 対 象 とする 3 贈 与 時 点 の 役 員 退 任 要 件 等 [ 贈 与 税 の 納 税 猶 予 ] 先 代 経 営 者 は 贈 与 時 に 役 員 を 退 代 表 者 を 退 任 すれば 代 表 権 の 任 していなければならない ない 役 員 への 就 任 は 可 能 贈 与 後 に 先 代 経 営 者 が 給 与 の 支 役 員 である 先 代 経 営 者 が 贈 与 後 給 を 受 ける 役 員 になった 場 合 に 会 社 から 給 与 の 支 給 を 受 けて 納 税 猶 予 が 取 消 しとなる も 納 税 猶 予 取 消 にならない 4 猶 予 税 額 の 再 計 算 特 例 の 創 設 民 事 再 生 計 画 等 に 基 づき 事 業 を 再 出 発 するときに 猶 予 税 額 を 再 計 算 し その 一 部 を 免 除 する 利 用 の 拡 大 制 度 創 設 から 4 年 間 で 相 続 税 390 件 贈 与 税 176 件 と 利 用 が 進 んでいません 使 えない 制 度 という 意 見 も 多 いこと から 大 幅 な 要 件 の 緩 和 を 行 います 1 雇 用 維 持 要 件 は 毎 年 の 景 気 変 動 に 配 慮 して 緩 和 されるものです 制 度 適 用 から 2 3 年 は 心 配 ないという 会 社 は 5 年 平 均 での 判 定 ですので 8 割 以 上 確 保 している 時 期 の 貯 金 で 乗 り 切 ることも できます また 仮 に 急 な 業 績 変 動 によ り 早 い 段 階 で 8 割 の 雇 用 を 下 回 ったと しても その 後 リカバリーできる 余 地 も あります 2 後 継 者 の 親 族 要 件 の 廃 止 は 番 頭 さ ん も 後 継 者 に 含 めるという 改 正 です が 番 頭 さんへの 自 社 株 の 移 転 は 贈 与 で はなく 売 買 とするケースも 多 いでしょ う 3 贈 与 税 の 納 税 猶 予 のネックの 一 つ であった 役 員 退 任 要 件 が 緩 和 され 先 代 経 営 者 は 代 表 権 を 譲 ればOKとなりま す 給 与 をもらって 役 員 として 経 営 に 参 画 しつづけることもOKです 4
5 納 税 猶 予 税 額 の 計 算 方 法 の 見 直 し 納 税 猶 予 税 額 の 計 算 において 被 相 続 人 の 債 務 及 び 葬 式 費 用 を 非 上 場 株 式 等 以 外 の 財 産 の 価 額 から 控 除 する 6 株 券 不 発 行 会 社 への 適 用 拡 大 株 券 不 発 行 会 社 について 一 定 の 要 件 を 満 たす 場 合 には 株 券 の 発 行 をしなくても 担 保 提 供 を 可 能 とし 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 を 認 める 5 では 猶 予 対 象 株 式 を 取 得 する 後 継 者 が 先 代 経 営 者 の 債 務 を 引 き 継 ぐ と 納 税 猶 予 額 が 小 さくなる 計 算 方 法 に なっています これを 改 正 し 猶 予 税 額 が 小 さくなるのを 緩 和 します 7 猶 予 税 額 に 対 する 延 納 物 納 の 適 用 雇 用 維 持 要 件 が 充 足 できずに 納 税 猶 予 が 取 消 しとなり 猶 予 税 額 を 納 付 しなければならないときに 延 納 又 は 物 納 の 適 用 を 可 能 とする 7 納 税 猶 予 が 取 消 しとなったときは 自 社 株 の 物 納 でしのぐということもで きそうです 8 利 子 税 の 負 担 軽 減 納 税 猶 予 が 取 消 された 場 合 に 本 税 とあわせて 支 払 う 利 子 税 の 負 担 を 軽 減 する また 適 用 から 5 年 経 過 後 に 納 税 猶 予 税 額 の 全 部 又 は 一 部 を 納 付 する 場 合 には 当 該 5 年 間 の 利 子 税 を 免 除 する 利 子 税 率 2.1% 0.9% 特 例 基 準 割 合 が 2%の 場 合 8 利 子 税 の 負 担 が 軽 減 されるという ことは 納 税 猶 予 取 消 となった 場 合 の 経 済 的 リスクが 軽 減 されるということで す 9 事 前 確 認 制 度 の 廃 止 では 相 続 又 は 贈 与 前 に 経 済 産 業 大 臣 への 事 前 確 認 が 必 要 である が 突 然 経 営 者 が 亡 くなった 場 合 にも 制 度 活 用 を 可 能 とするために 事 前 確 認 制 度 を 廃 止 する 10 資 産 保 有 型 会 社 運 用 型 会 社 の 要 件 見 直 し 資 産 保 有 型 会 社 等 から 除 外 される 要 件 のうち 以 下 の 要 件 を 見 直 す 常 時 使 用 従 業 員 5 人 以 上 の 要 件 について 後 継 者 と 生 計 一 親 族 以 外 の 従 業 員 数 で 判 定 する 会 社 が 商 品 販 売 貸 付 等 を 行 っていることとする 要 件 について 後 継 者 の 同 族 関 係 者 等 に 対 する 貸 付 を 除 外 する 11 総 収 入 金 額 の 計 算 方 法 の 見 直 し 納 税 猶 予 の 取 消 事 由 である 総 収 入 金 額 がゼロとなった 場 合 について 総 収 入 金 額 から 営 業 外 収 益 及 び 特 別 利 益 を 除 外 する 12 上 場 会 社 の 議 決 権 を 50% 超 保 有 し ている 会 社 は 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 対 象 外 です しかし 上 場 会 社 オーナーの 資 産 管 理 会 社 等 が 保 有 する 上 場 会 社 の 議 決 権 割 合 が 50% 以 下 であれば その 資 産 管 理 会 社 で 事 業 を 行 い 従 業 員 を 確 保 するこ とによって 資 産 管 理 会 社 を 通 じて 実 質 的 に 上 場 株 式 について 納 税 猶 予 の 対 象 とすることができました 改 正 により 上 場 株 式 相 当 額 は 猶 予 税 額 の 計 算 上 除 外 されますので 上 場 株 式 を 多 く 保 有 する 資 産 管 理 会 社 で 制 度 を 使 うメリットは 薄 くなります 12 上 場 株 式 等 相 当 額 の 計 算 除 外 資 産 保 有 型 運 用 型 会 社 を 通 じて 上 場 株 式 等 の 1 銘 柄 につき 発 行 済 株 式 等 の 3% 以 上 を 保 有 するときは 猶 予 税 額 の 計 算 上 その 上 場 株 式 等 相 当 額 は 除 外 する 13 みなし 配 当 特 例 の 拡 充 贈 与 税 の 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 けた 株 式 を 後 継 者 が 先 代 経 営 者 の 相 続 後 に 自 社 に 売 却 した 場 合 みなし 配 当 課 税 の 特 例 の 対 象 とする 上 記 改 正 は 平 成 27 年 1 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 又 は 贈 与 から 適 用 13 贈 与 税 の 納 税 猶 予 を 受 けた 株 式 は 先 代 経 営 者 の 相 続 時 に 相 続 税 の 計 算 に 持 ち 戻 されます 当 該 株 式 について 3 年 10 ヶ 月 以 内 の 金 庫 株 譲 渡 であれば みなし 配 当 課 税 ではなく 譲 渡 課 税 (20%)となりますので そのまま 相 続 税 の 納 税 猶 予 を 受 けるのではなく 株 価 次 第 では 自 社 に 売 却 し 納 税 してしま うという 選 択 肢 が 取 りやすくなります 5
(9) 教 育 資 金 の 贈 与 税 非 課 税 措 置 [ 新 設 ] 祖 父 母 から 孫 ( 父 母 から 子 )に 教 育 資 金 を 一 括 して 拠 出 した 場 合 1,500 万 円 までを 贈 与 税 の 非 課 税 とする < 内 容 > 贈 与 者 は 金 融 機 関 に 孫 又 は 子 名 義 の 口 座 等 を 開 設 し そこに 教 育 資 金 を 一 括 で 拠 出 する 拠 出 した 金 額 のうち 受 贈 者 一 人 につき 1,500 万 円 までは 贈 与 税 を 課 税 しない 教 育 資 金 の 使 途 は 金 融 機 関 が 領 収 書 等 で 確 認 し これを 保 存 する 教 育 資 金 のうち 学 校 等 以 外 の 者 への 支 払 は 500 万 円 を 限 度 とする 受 贈 者 が 30 歳 に 達 したときに 残 っていた 金 額 は その 時 に 贈 与 が あったものとして 贈 与 税 を 課 税 する 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 12 月 31 日 までの 間 の 拠 出 について 適 用 今 回 の 改 正 は 祖 父 母 から 一 括 して 教 育 資 金 を 受 け 取 ることができる 点 が 大 きなメリットです 新 たな 相 続 税 対 策 と して 活 用 できそうです 拠 出 を 受 けた 資 金 の 使 途 は その 受 け 入 れた 金 融 機 関 が 領 収 書 等 でチェック するとなっていますので 教 育 資 金 以 外 への 利 用 できません (10) 外 国 籍 を 利 用 した 租 税 回 避 の 防 止 策 外 国 籍 を 持 つ 相 続 人 ( 受 贈 者 )が 日 本 国 内 に 居 住 する 被 相 続 人 ( 贈 与 者 ) から 取 得 した 国 外 財 産 について 贈 与 税 相 続 税 の 課 税 対 象 とする 相 続 人 受 贈 者 被 相 続 人 贈 与 者 国 外 に 居 住 国 内 に 居 住 5 年 以 内 に 国 内 に 住 所 あり 上 記 以 外 国 内 に 居 住 国 外 に 居 住 日 本 国 籍 あり 5 年 以 内 に 国 内 左 記 に 住 所 あり 以 外 国 内 国 外 財 産 ともに 課 税 日 本 国 籍 なし 国 内 財 産 のみ 課 税 太 枠 の 箇 所 ( 被 相 続 人 等 が 国 内 に 居 住 し 相 続 人 等 が 外 国 籍 で 国 外 居 住 )について 国 外 財 産 も 課 税 対 象 とする 平 成 25 年 4 月 1 日 以 後 の 相 続 遺 贈 又 は 贈 与 から 適 用 増 税 子 や 孫 に 外 国 籍 を 取 得 させ 国 外 財 産 への 課 税 を 免 れる 租 税 回 避 スキームを 防 止 するための 改 正 です 最 近 では 居 住 者 の 祖 父 が 外 国 籍 の 孫 に 米 国 の 信 託 受 益 権 を 贈 与 した 事 例 が 係 争 中 となっています 武 富 士 事 件 等 が 発 生 したときに 5 年 以 内 の 国 内 住 所 判 定 が 導 入 されました が 今 回 の 改 正 により 海 外 を 利 用 した 相 続 税 等 の 節 税 スキームがより 狭 まりま す 2. 所 得 税 (1) 最 高 税 率 の 引 き 上 げ 格 差 の 是 正 を 図 る 観 点 から 所 得 税 の 最 高 税 率 を 5%(40% 45%) 引 き 上 げる < 所 得 税 と 住 民 税 (10%) 合 算 の 税 率 復 興 特 別 所 得 税 含 む> 課 税 所 得 195 万 円 以 下 15.105% 330 万 円 以 下 20.210% 695 万 円 以 下 30.420% 同 左 900 万 円 以 下 33.483% 1,800 万 円 以 下 43.693% 4,000 万 円 以 下 50.840% 50.840% 4,000 万 円 超 55.945% 平 成 27 年 度 分 以 後 の 所 得 税 から 適 用 増 税 社 会 保 障 と 税 の 一 体 改 革 法 案 では 5,000 万 円 超 から 最 高 税 率 引 き 上 げと なっていましたので 最 高 税 率 での 課 税 対 象 が 拡 大 となりました 復 興 税 を 合 わせると 最 大 約 56%が 税 金 となりますので 所 得 分 散 や 法 人 に 所 得 を 留 保 する 等 の 対 策 がより 効 果 的 に なります 6
(2) 住 宅 ローン 控 除 の 延 長 拡 充 適 用 期 限 を 平 成 29 年 12 月 31 日 まで 4 年 間 延 長 し 最 大 控 除 額 を 拡 大 1 一 般 の 住 宅 の 場 合 居 住 年 借 入 控 除 各 年 の 最 大 控 除 率 限 度 額 期 間 控 除 額 控 除 額 平 25 年 ~26 2,000 万 円 年 3 月 まで 1% 10 年 20 万 円 200 万 円 平 26 年 4 月 ~ 4,000 万 円 29 年 末 まで 1% 10 年 40 万 円 400 万 円 2 認 定 長 期 優 良 住 宅 等 の 場 合 居 住 年 借 入 控 除 各 年 の 最 大 控 除 率 限 度 額 期 間 控 除 額 控 除 額 平 25 年 ~26 3,000 万 円 年 3 月 まで 1% 10 年 30 万 円 300 万 円 平 26 年 4 月 ~ 5,000 万 円 29 年 末 まで 1% 10 年 50 万 円 500 万 円 3 住 民 税 の 控 除 額 所 得 税 額 から 控 除 しきれない 場 合 に 住 民 税 から 控 除 できる 金 額 につい ても 拡 大 する 居 住 年 控 除 限 度 額 平 25 年 ~26 年 3 月 課 税 総 所 得 金 額 5%( 最 高 97,500 円 ) 平 26 年 4 月 ~29 年 末 課 税 総 所 得 金 額 7%( 最 高 136,500 円 ) 消 費 税 率 引 き 上 げによる 住 宅 市 場 へ の 影 響 に 配 慮 した 減 税 措 置 です 控 除 限 度 額 の 拡 大 時 期 については 注 意 が 必 要 です 限 度 額 が 拡 大 された 住 宅 ローン 控 除 の 適 用 は 8% 又 は 10%の 消 費 税 を 支 払 った 場 合 にのみ 認 められま す 消 費 税 率 引 き 上 げ 時 の 経 過 措 置 とし て 工 事 の 請 負 契 約 等 の 場 合 は 平 成 25 年 9 月 30 日 までの 契 約 締 結 であれば 完 成 引 き 渡 しが 平 成 26 年 4 月 1 日 以 後 で あっても 5%の 消 費 税 率 が 適 用 されま す つまり 左 記 4は 住 宅 の 建 築 に 係 る 契 約 を 平 成 25 年 9 月 30 日 までに 締 結 し 居 住 開 始 を 平 成 26 年 4 月 以 降 とす ることにより 消 費 税 率 5%と 住 宅 ロー ン 控 除 拡 大 の 二 重 取 りをすることを 防 止 しています 4 消 費 税 率 との 関 係 ( 留 意 点 ) 上 記 平 成 26 年 4 月 から 平 成 29 年 末 まで の 欄 の 金 額 は 住 宅 の 購 入 価 格 に 含 まれる 消 費 税 率 が 8% 又 は 10%の 場 合 の 金 額 であり 消 費 税 率 が 5%の 場 合 は 平 成 25 年 から 平 成 26 年 3 月 まで の 欄 の 金 額 となる (3) 金 融 所 得 課 税 の 一 体 化 1 特 定 公 社 債 公 募 公 社 債 投 資 信 託 等 の 課 税 見 直 し 公 社 債 等 の 利 息 に 係 る 課 税 方 式 を 申 告 分 離 課 税 に 変 更 し 上 場 株 式 等 との 損 益 通 算 を 可 能 にする 利 子 等 20%の 源 泉 分 離 課 税 20%の 申 告 分 離 課 税 譲 渡 所 得 非 課 税 20%の 申 告 分 離 課 税 申 告 分 離 課 税 の 対 象 となる 利 子 等 について 申 告 不 要 を 選 択 できる 公 社 債 等 及 び 利 子 等 を 源 泉 徴 収 特 定 口 座 に 入 れることができる 国 債 外 国 国 債 公 募 公 社 債 有 価 証 券 報 告 書 等 提 出 会 社 の 社 債 そ の 他 一 定 の 公 社 債 以 外 の 公 社 債 及 び 私 募 公 社 債 投 信 等 は 上 記 取 り 扱 いとは 異 なる 金 融 証 券 税 制 の 大 きな 改 正 です 一 定 の 公 社 債 等 の 利 子 等 と 上 場 株 式 等 の 譲 渡 損 失 等 を 相 殺 することができる ようになります 預 金 利 息 は 源 泉 分 離 課 税 のままですので 損 益 通 算 の 対 象 とは なりません なお システム 対 応 の 都 合 から 平 成 28 年 からの 適 用 となります 2 上 記 1に 含 まれない 一 般 公 社 債 等 利 子 等 20%の 源 泉 分 離 課 税 同 左 譲 渡 所 得 非 課 税 20%の 申 告 分 離 課 税 7
3 割 引 債 の 課 税 見 直 し 売 却 益 非 課 税 20%の 申 告 分 離 課 税 償 還 差 益 発 行 時 18% 源 泉 徴 収 20%の 申 告 分 離 課 税 (20%の 源 泉 徴 収 あり) 4 同 族 会 社 が 発 行 した 社 債 の 利 子 同 族 会 社 が 発 行 した 社 債 の 利 子 でその 同 族 会 社 の 役 員 等 が 支 払 を 受 け るものは 総 合 課 税 の 対 象 とする 20% 源 泉 分 離 課 税 総 合 課 税 5 株 式 等 の 譲 渡 に 係 る 分 離 課 税 の 改 組 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 と 非 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 を 別 々 の 分 離 課 税 制 度 とした 上 で 特 定 公 社 債 等 及 び 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 と 一 般 公 社 債 等 及 び 非 上 場 株 式 等 に 係 る 譲 渡 所 得 等 の 分 離 課 税 の 区 分 とする 上 記 1から3 及 び5の 改 正 は 平 成 28 年 1 月 1 日 以 後 から 適 用 4 貸 付 金 利 息 は 総 合 課 税 となり 税 負 担 が 重 いため 役 員 から 会 社 へ 資 金 を 貸 し 付 けるときに 少 人 数 私 募 債 の 発 行 引 き 受 けを 行 うことにより 20%の 源 泉 分 離 課 税 が 適 用 できていました 同 族 会 社 の 役 員 についてはこのスキームが 利 用 できなくなります 5 上 場 株 式 等 と 非 上 場 株 式 等 の 譲 渡 を 別 々の 分 離 課 税 区 分 としますので 非 上 場 株 式 の 売 却 益 と 上 場 株 式 等 の 売 却 損 の 通 算 ができなくなると 考 えられま す (4) 上 場 株 式 等 の 配 当 及 び 譲 渡 所 得 等 の 軽 減 税 率 上 場 株 式 等 の 配 当 及 び 譲 渡 所 得 等 に 適 用 されている 10%の 軽 減 税 率 は 平 成 25 年 12 月 31 日 をもって 廃 止 し 本 則 の 20%とする 増 税 平 成 25 年 末 時 点 で 含 み 益 がある 上 場 株 式 等 は 売 却 の 検 討 が 必 要 です (5) 少 額 投 資 非 課 税 制 度 ( 日 本 版 ISA)の 拡 充 平 成 26 年 から 導 入 する 少 額 上 場 株 式 等 の 配 当 所 得 及 び 譲 渡 所 得 等 の 非 課 税 措 置 を 拡 充 する < > 口 座 開 設 期 間 : 平 26.1.1 日 から 平 35.12.31 日 までの 10 年 間 非 課 税 投 資 総 額 :500 万 円 (1 口 座 100 万 円 5 年 間 ) 非 課 税 維 持 期 間 : 口 座 開 設 から 最 長 5 年 間 非 課 税 対 象 : 上 場 株 式 公 募 株 式 投 資 信 託 の 配 当 及 び 譲 渡 益 軽 減 税 率 の 廃 止 にあわせて 少 額 投 資 非 課 税 制 度 が 導 入 されます 最 大 で 500 万 円 までの 投 資 金 額 から 生 ずる 配 当 金 や 売 却 益 への 課 税 が 非 課 税 となります ので 個 人 投 資 家 の 積 極 的 な 活 用 が 見 込 まれます (6) 社 会 保 険 診 療 報 酬 の 所 得 計 算 特 例 の 見 直 し 医 師 の 社 会 保 険 診 療 報 酬 の 概 算 経 費 の 特 例 について 収 入 金 額 が 7,000 万 円 を 超 える 者 を 除 外 する( 法 人 税 についても 同 様 ) 個 人 は 平 成 26 年 分 以 後 の 所 得 税 から 適 用 し 法 人 は 平 成 25 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 する 事 業 年 度 から 適 用 する ( 概 算 経 費 率 ) 社 会 保 険 診 療 報 酬 72%~57% 増 税 多 額 の 自 由 診 療 収 入 があるのに 社 会 保 険 診 療 報 酬 が 5,000 万 円 以 下 である ことにより 適 用 していることや 実 際 の 経 費 率 と 概 算 経 費 率 の 差 が 大 きい 等 の 指 摘 により 改 正 されます 8
3. 法 人 税 (1) 所 得 拡 大 促 進 税 制 [ 新 設 ] 国 内 雇 用 者 への 給 与 を 増 額 した 企 業 が 増 加 額 の 10%を 税 額 控 除 できる 制 度 を 3 年 間 の 措 置 で 設 ける 控 除 限 度 額 は 法 人 税 額 の 20%( 中 小 企 業 等 以 外 は 10%)とする < 適 用 基 準 > 以 下 の 要 件 をすべて 満 たすこと 1 本 制 度 適 用 初 年 度 の 前 事 業 年 度 ( 基 準 年 度 )と 比 較 して 5% 以 上 国 内 雇 用 者 への 給 与 支 給 総 額 が 増 加 していること 2 国 内 雇 用 者 への 給 与 支 給 総 額 が 前 事 業 年 度 を 下 回 らないこと 3 給 与 の 平 均 支 給 額 が 前 事 業 年 度 を 下 回 らないこと 雇 用 促 進 税 制 とは 選 択 適 用 雇 用 促 進 税 制 では 一 人 あたりの 賃 金 が 増 えないという 批 判 がありました 本 制 度 では 平 均 給 与 額 の 増 加 が 要 件 です ので 個 人 の 所 得 水 準 の 改 善 が 期 待 され ます 給 与 総 額 の 5% 増 加 は 基 準 年 度 との 比 較 ですので 毎 年 度 5% 増 を 求 めるも のではありません(ただし 適 用 初 年 度 は 対 前 年 度 比 で 5% 増 加 が 必 要 です) (2) 雇 用 促 進 税 制 の 拡 充 雇 用 の 増 加 を 促 すため 2 人 以 上 ( 中 小 企 業 等 以 外 は5 人 以 上 ) 雇 用 者 が 増 加 した 場 合 は 増 加 数 20 万 円 が 法 人 税 額 から 控 除 される 制 度 があ り 今 回 の 改 正 では 増 加 数 40 万 円 に 拡 充 される 所 得 拡 大 促 進 税 制 とは 選 択 適 用 制 度 の 適 用 には 一 定 の 要 件 があり そ れを 満 たさなければなりません 例 え ば 雇 用 者 数 が 前 年 比 で 10% 以 上 の 増 加 や 一 定 額 以 上 の 給 与 の 支 払 い 総 額 の 増 加 などです (3) 中 小 法 人 の 交 際 費 課 税 の 緩 和 資 本 金 1 億 円 以 下 の 法 人 が 支 出 する 一 定 額 の 交 際 費 について 全 額 損 金 算 入 とする ( 交 際 費 の 損 金 算 入 限 度 額 ) 支 出 交 際 費 の 額 年 600 万 円 まで 年 800 万 円 まで 損 金 算 入 割 合 90% 100% 平 成 25 年 4 月 1 日 以 降 に 支 出 した 交 際 費 から 適 用 対 象 企 業 は 資 本 金 1 億 円 以 下 の 法 人 ( 大 法 人 による 完 全 支 配 関 係 法 人 を 除 く)です しかし 利 益 を 計 上 している 中 小 法 人 の 年 間 平 均 交 際 費 は 170 万 円 程 度 ( 国 税 庁 資 料 より 推 計 )ですので 大 きな 減 税 効 果 は 期 待 できません (4) 研 究 開 発 税 制 の 拡 充 研 究 開 発 投 資 を 維 持 拡 充 し 国 際 競 争 力 を 強 化 するため 研 究 開 発 税 制 を 拡 充 2 年 間 の 時 限 措 置 として 総 額 型 の 控 除 限 度 額 を 引 き 上 げる ( 総 額 型 の 税 額 控 除 額 及 び 控 除 限 度 額 ) 控 除 額 支 出 試 験 研 究 費 8~10% 同 左 限 度 額 法 人 税 額 の 20% 法 人 税 額 の 30% 平 成 23 年 度 改 正 で 法 人 税 率 引 き 下 げ の 穴 埋 めとして 縮 小 された 控 除 限 度 額 を 2 年 間 に 限 り 30%に 戻 します これにより 増 加 型 又 は 高 水 準 型 とあわせると 最 大 で 法 人 税 額 の 40%の 税 額 控 除 がとれます (5) 生 産 設 備 投 資 促 進 税 制 [ 新 設 ] 国 内 の 生 産 等 設 備 への 投 資 額 が 一 定 の 基 準 を 満 たした 場 合 機 械 装 置 への 投 資 額 の 3%を 法 人 税 額 から 控 除 するか 30%の 特 別 償 却 を 認 める < 判 定 基 準 > 1 国 内 における 生 産 等 設 備 への 年 間 投 資 総 額 >その 事 業 年 度 の 減 価 償 却 費 2 国 内 における 生 産 等 設 備 への 年 間 投 資 総 額 が 対 前 年 度 比 10% 超 増 加 平 成 25 年 4 月 1 日 から 平 成 27 年 3 月 31 日 までの 間 に 開 始 する 事 業 年 度 について 適 用 生 産 設 備 の 更 新 を 促 進 して 生 産 性 の 向 上 を 図 るとともに 国 内 における 設 備 投 資 需 要 を 喚 起 する 観 点 から 創 設 され ます 中 小 企 業 者 等 の 一 定 の 設 備 投 資 を 対 象 とした 中 小 企 業 投 資 促 進 税 制 があり ますが 本 制 度 は 大 法 人 も 利 用 可 能 で す 9
(6) 環 境 関 連 投 資 促 進 税 制 の 延 長 太 陽 光 発 電 設 備 等 について 取 得 時 に 取 得 価 額 全 額 を 即 時 償 却 できる 制 度 の 期 限 を 平 成 27 年 3 月 31 日 まで 延 長 する( は 平 成 25 年 3 月 31 日 まで) 1 年 間 の 時 限 措 置 であった 即 時 償 却 制 度 が 延 長 となりました 電 力 の 買 取 価 格 次 第 ですが 節 税 効 果 を 含 めた 実 質 利 回 りはまだ 高 い 水 準 であると 予 測 され ます (7) 商 業 サービス 業 農 林 水 産 業 を 営 む 中 小 企 業 等 支 援 税 制 [ 新 設 ] 卸 売 業 小 売 業 サービス 業 農 林 水 産 業 を 営 む 中 小 企 業 等 の 経 営 改 善 のための 設 備 投 資 を 行 った 場 合 30%の 特 別 償 却 又 は 7%の 税 額 控 除 ( 法 人 税 額 の 20%を 限 度 )できる 措 置 を 創 設 する 平 成 25 年 4 月 1 日 から 27 年 3 月 31 日 までの 一 定 の 設 備 投 資 に 適 用 商 工 会 議 所 や 認 定 支 援 機 関 による 経 営 改 善 指 導 等 が 必 要 です (8) 特 定 資 産 譲 渡 等 損 失 の 損 金 不 算 入 制 度 等 の 見 直 し 1 特 定 資 産 の 譲 渡 等 損 失 の 損 金 不 算 入 制 度 の 対 象 となる 特 定 資 産 の 範 囲 に 特 定 適 格 組 織 再 編 成 等 を 行 った 法 人 がその 特 定 適 格 組 織 再 編 成 等 の 日 以 前 に 行 われた 他 の 特 定 適 格 組 織 再 編 成 等 によりその 法 人 と 支 配 関 係 がある 他 の 法 人 から 移 転 を 受 けた 一 定 の 資 産 を 加 える 2 青 色 欠 損 金 の 繰 越 控 除 制 度 について 支 配 関 係 がある 法 人 間 でみなし 共 同 事 業 要 件 を 満 たさない 適 格 合 併 等 が 行 われた 場 合 において 引 継 ぎ 制 限 の 対 象 となる 被 合 併 法 人 等 の 欠 損 金 及 び 利 用 禁 止 となる 合 併 法 人 等 の 欠 損 金 の 範 囲 に 一 定 の 欠 損 金 を 加 える テクニカル 項 目 含 み 損 を 抱 える 資 産 を 有 する 企 業 を その 企 業 グループごと 買 収 し まずその グループ 内 で 適 格 合 併 させた 後 で これ を 買 収 元 企 業 が 合 併 等 により 取 得 する ことで 買 収 先 企 業 が 有 する 資 産 の 譲 渡 損 失 又 は 欠 損 金 額 を 買 収 元 企 業 で 利 用 できる 条 文 構 成 となっていました 4. その 他 の 税 目 (1) 延 滞 税 等 の 税 率 引 き 下 げ 延 滞 税 等 の 割 合 を 以 下 の 通 りとする 項 目 14.6% 9.3% 延 滞 税 2 ヶ 月 以 内 等 4.3% 3.0% 納 税 の 猶 予 等 4.3% 2.0% 利 子 税 4.3% 2.0% 還 付 加 算 金 4.3% 2.0% の 割 合 は 国 内 銀 行 の 貸 出 約 定 平 均 金 利 の 年 平 均 が 1%の 場 合 平 成 26 年 1 月 1 日 以 後 の 期 間 に 対 応 する 延 滞 税 等 について 適 用 高 すぎるとの 指 摘 がある 延 滞 税 等 の 改 正 です の 割 合 の 計 算 は 日 銀 か ら 公 表 されている 貸 出 約 定 平 均 金 利 の 国 内 銀 行 の 新 規 短 期 の 年 平 均 を 利 用 し ます ( 計 算 例 ) 延 滞 税 3%= 貸 出 約 定 平 均 金 利 +2% (2) 土 地 売 買 に 係 る 登 録 免 許 税 の 軽 減 税 率 土 地 の 売 買 による 所 有 権 の 移 転 登 記 等 に 対 する 登 録 免 許 税 の 税 率 軽 減 措 置 (1.5%)の 適 用 期 限 を 2 年 延 長 する 減 税 平 成 25 年 4 月 1 日 から 2.0%( 本 則 ) になる 予 定 でした 10 ------------------------------- より 詳 しい 情 報 個 別 の 事 案 に 関 しては 当 法 人 担 当 者 までお 問 い 合 わせください お 問 い 合 わせ 先 税 理 士 法 人 KOTAKA 税 理 士 小 高 育 幸 Tel.03 03-6869 6869-1056