2007 年 ( 平 成 19 年 )7 月 四 万 十 市
目 次 Ⅰ 基 本 方 針 策 定 の 趣 旨 1 Ⅱ 基 本 理 念 2 Ⅲ 推 進 方 針 3 1 共 通 事 項 3 2 個 別 事 項 4 (1) 子 ども 4 (2) 女 性 4 (3) 高 齢 者 5 (4) 同 和 問 題 6 (5) 障 害 者 6 (6) ハンセン 病 HIV 感 染 者 等 7 (7) 外 国 人 7 (8) さまざまな 人 権 8 資 料 1 用 語 解 説 9 2 関 係 法 令 等 11 3 四 万 十 市 人 権 条 例 制 定 検 討 委 員 会 委 員 名 簿 22
人 類 に 大 きな 惨 禍 をもたらした 二 度 にわたる 世 界 大 戦 の 反 省 と 世 界 の 平 和 及 び 安 全 を 維 持 するために 国 際 連 合 という 国 際 機 構 が 1945 年 6 月 に 設 けられました 第 3 回 国 際 連 合 総 会 (1948 年 12 月 )で 採 択 された 世 界 人 権 宣 言 において すべての 人 間 は 生 まれ ながらにして 自 由 であり かつ 尊 厳 と 権 利 について 平 等 であるとうたわれています この 理 念 は 人 類 普 遍 の 原 理 であり 日 本 国 憲 法 においても 法 の 下 の 平 等 及 び 基 本 的 人 権 の 保 障 について 定 められています 高 知 県 においては 高 知 県 総 合 計 画 の 中 に 人 権 を 主 要 な 施 策 として 位 置 づけ さまざ まな 差 別 の 解 消 に 向 けた 取 り 組 みを 積 極 的 に 推 進 してきました また 高 知 県 議 会 (1995 年 3 月 )において 人 権 尊 重 の 地 域 社 会 をめざす 人 権 宣 言 に 関 する 決 議 が 行 われています そして 県 内 に 暮 らすすべての 人 々がそれぞれ 一 人 の 人 間 として 人 を 大 切 にし 大 切 に される 人 権 尊 重 の 社 会 を 築 いていくために 高 知 県 人 権 尊 重 の 社 会 づくり 条 例 (1998 年 4 月 )を 施 行 しています 本 市 においても 世 界 人 権 宣 言 及 び 日 本 国 憲 法 に 定 められている 理 念 に 基 づいて これ まで 旧 中 村 市 では 総 合 計 画 に 人 権 の 尊 重 と 男 女 共 同 参 画 社 会 の 推 進 を 旧 西 土 佐 村 においても 振 興 計 画 に 人 権 教 育 の 推 進 と 男 女 共 同 参 画 をそれぞれ 重 要 施 策 と 位 置 づけて 人 権 課 題 の 解 決 のために 各 種 事 業 を 実 施 してきました また 旧 中 村 市 では 人 権 に 関 する 宣 言 (1996 年 )を 旧 西 土 佐 村 では 人 権 尊 重 の 村 宣 言 (2001 年 )を 行 っています そして なかむら 男 女 共 同 参 画 プラン(2003 年 3 月 )と 西 土 佐 村 男 女 共 同 参 画 社 会 づくり 計 画 (2004 年 3 月 )を 策 定 しています 2005 年 4 月 に 合 併 した 新 市 においては 合 併 協 議 会 が 策 定 した 四 万 十 市 建 設 計 画 にある 新 市 建 設 の 施 策 体 系 と 重 点 施 策 の 市 民 と 行 政 が 協 働 するまち に 示 された 青 少 年 健 全 育 成 の 推 進 男 女 共 同 参 画 の 推 進 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 を 主 要 事 業 としています 1
人 権 は 平 和 環 境 とともに 21 世 紀 のキーワードになっています 四 万 十 市 では 差 別 のない 差 別 が 受 け 入 れられることのない すべての 人 が 人 として 尊 重 される 豊 かで 平 和 な 人 権 が 尊 重 されるまちを 実 現 させるための 具 体 的 な 取 り 組 みが 必 要 であります このため あらゆる 人 権 課 題 の 早 急 な 解 決 を 図 るための 人 権 教 育 啓 発 に 関 する 市 の 取 り 組 みと 市 民 の 取 り 組 みをより 一 層 促 進 させるために 人 権 施 策 の 基 本 方 針 を 定 めます 人 権 とは 人 間 の 尊 厳 に 基 づいて 各 人 が 持 っている 固 有 の 権 利 であり 社 会 を 構 成 する すべての 人 々が 自 己 決 定 権 をもって 社 会 において 幸 福 な 生 活 を 営 むために 欠 かすことが できない 権 利 です すべての 人 々の 人 権 が 尊 重 され 相 互 に 共 存 し 得 る 平 和 で 豊 かな 社 会 を 実 現 するために は すべての 人 々が 人 間 としての 尊 厳 や 生 命 の 大 切 さについて 理 性 と 感 性 の 両 面 から 理 解 を 深 め 日 常 生 活 のあらゆる 場 面 に 生 かすことが 求 められています また 自 分 の 権 利 の 行 使 に 伴 う 責 任 を 自 覚 し 自 分 の 人 権 と 同 様 に 他 人 の 人 権 を 尊 重 す ることが 求 められています これらのことを 踏 まえて 四 万 十 市 の 人 権 施 策 推 進 については 次 のことを 基 本 理 念 と します 誰 もが 命 の 大 切 さの 理 解 を 深 め 自 由 で 平 等 に 社 会 に 参 加 参 画 し 喜 びや 生 きがいを 実 感 しながら 生 活 のあらゆる 場 面 で お 互 いの 多 様 な 生 き 方 を 認 め 合 い 人 と 人 が 支 えあ う 地 域 の 実 現 2
今 後 の 人 権 施 策 の 推 進 については 子 ども 女 性 高 齢 者 同 和 問 題 障 害 者 ハンセ ン 病 HIV 感 染 者 等 外 国 人 など 幅 広 い 人 権 課 題 について 共 通 する 施 策 の 方 向 性 を 示 す とともに それぞれの 現 状 と 課 題 を 明 らかにし 推 進 方 針 を 定 めます 1 共 通 事 項 (1) 人 権 教 育 啓 発 の 推 進 1 就 学 前 教 育 学 校 教 育 社 会 教 育 などのあらゆる 場 において 基 本 的 人 権 と 個 別 な 人 権 課 題 について 正 しい 認 識 と 理 解 を 深 め 人 権 意 識 の 高 揚 を 図 るための 人 権 教 育 を 推 進 すること 2 市 民 一 人 ひとりが 人 権 課 題 についての 関 心 と 正 しい 認 識 を 深 め 人 権 尊 重 のまち づくりに 向 けて 自 主 的 に 行 動 していけるよう 人 権 に 関 する 講 演 会 や 研 修 会 の 開 催 市 広 報 新 聞 テレビ 等 の 活 用 による 広 報 実 践 につなげることができる 啓 発 パン フレットの 作 成 と 配 付 など さまざまな 機 会 を 通 じた 啓 発 活 動 を 推 進 すること 3 企 業 内 研 修 の 充 実 のため 体 制 の 整 備 を 支 援 すること 4 人 権 に 関 する 家 庭 での 学 習 を 促 進 するため 人 権 に 関 する 学 習 機 会 の 提 供 や 学 習 情 報 等 の 提 供 を 行 うこと 5 市 職 員 教 職 員 福 祉 医 療 関 係 職 員 など 人 権 に 関 わりの 深 い 職 業 に 従 事 する 職 員 に 対 する 人 権 研 修 を 充 実 すること 6 人 権 教 育 に 取 り 組 む 人 材 の 養 成 を 図 ること (2) 相 談 指 導 体 制 の 充 実 1 市 民 が 人 権 侵 害 を 受 けたとき その 内 容 等 について 相 談 ができる 体 制 の 充 実 や 適 切 な 指 導 助 言 ができる 人 材 の 育 成 に 努 めること 2 人 権 尊 重 の 社 会 づくりに 取 り 組 む 市 民 非 営 利 団 体 などの 自 発 的 な 取 り 組 みを 支 援 すること 3
(3) 調 査 研 究 の 推 進 市 民 の 人 権 意 識 の 向 上 を 図 るために 効 果 的 な 人 権 施 策 の 調 査 研 究 を 行 うこと (4) 推 進 体 制 1 行 政 と 市 民 の 責 務 を 明 らかにして 人 権 施 策 を 総 合 的 に 推 進 すること 2 行 政 と 市 民 が 協 働 して 取 り 組 める 体 制 を 整 えること 3 国 公 共 団 体 企 業 団 体 等 との 緊 密 な 連 携 を 図 ること 2 個 別 事 項 (1) 子 ども 少 子 化 や 核 家 族 化 の 進 行 学 力 偏 重 による 受 験 競 争 などにより 生 活 のゆとりの 喪 失 や 家 庭 地 域 での 子 ども 同 士 のふれあいの 機 会 が 減 少 するなど 子 どもと 家 庭 を 取 り 巻 く 環 境 は 大 きく 変 化 しています こうした 中 非 行 いじめ 不 登 校 児 童 虐 待 などの 問 題 が 生 じているため そ の 早 急 な 解 決 が 求 められています (2) 女 性 子 どもが 一 人 の 人 間 として 尊 重 され 偏 見 や 差 別 によって 人 権 の 侵 害 を 受 けるこ とのない 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア 子 どもの 個 性 や 人 権 を 尊 重 した 教 育 の 推 進 イ 子 どもの 人 権 に 関 して 社 会 的 関 心 の 喚 起 意 識 啓 発 ウ 家 庭 における 親 子 の 対 話 やふれあい 地 域 社 会 における 生 活 体 験 や 自 然 体 験 の 機 会 の 充 実 1 2 女 子 差 別 撤 廃 条 約 や 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 から 男 女 の 平 等 及 び 女 性 の 地 位 向 上 に 対 する 取 り 組 みは 一 歩 一 歩 進 んでいますが 人 々の 意 識 の 中 に 形 成 された 固 定 4
的 な 性 別 役 割 分 担 意 識 等 からくる 就 職 や 雇 用 の 場 における 格 差 セクシュアル ハラスメント 3 や 家 庭 内 での 暴 力 (DV=ドメスティック バイオレンス 4 )など 未 だ 女 性 に 対 する 直 接 間 接 の 差 別 が 存 在 しています こうした 差 別 の 解 消 をはじめ 政 策 や 方 針 決 定 の 場 など あらゆる 場 における 女 性 参 加 参 画 を 一 層 促 進 する 必 要 があります 女 性 に 対 するさまざまな 差 別 を 解 消 することにより 女 性 の 人 権 が 男 性 と 対 等 平 等 に 尊 重 され 保 障 される 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア 両 性 の 尊 厳 平 等 を 目 指 す 教 育 啓 発 の 推 進 イ 女 性 への 差 別 解 消 に 向 けた 普 及 啓 発 * 雇 用 の 場 における 実 質 的 な 男 女 平 等 * 家 庭 生 活 や 地 域 社 会 への 男 女 共 同 参 加 * 政 策 や 方 針 決 定 への 参 画 * 女 性 に 対 するあらゆる 暴 力 の 根 絶 (3) 高 齢 者 高 齢 化 社 会 の 到 来 によって 高 齢 者 の 社 会 参 加 雇 用 問 題 人 権 侵 害 といった 人 権 問 題 が 生 じています また 地 域 の 人 間 関 係 が 希 薄 になり 地 域 の 助 け 合 いの 力 も 弱 くなっている 現 状 も 見 られます 介 護 が 必 要 な 高 齢 者 については 介 護 する 家 族 の 身 体 的 精 神 的 経 済 的 負 担 が 増 えています 高 齢 者 が 健 康 で 安 心 して 住 むことができるように 福 祉 医 療 サービスの 充 実 就 労 機 会 の 確 保 社 会 参 加 交 流 機 会 の 充 実 などの 環 境 づくりが 大 きな 課 題 となっ ています 高 齢 者 が 社 会 の 一 員 として 人 権 が 尊 重 され 健 康 で 生 きがいをもって 生 活 して いける 社 会 の 実 現 を 図 るべきです 5
ア 高 齢 者 に 対 する 理 解 の 促 進 * 加 齢 に 伴 う 心 身 機 能 の 低 下 に 対 する 理 解 * 財 産 管 理 や 権 利 擁 護 などの 制 度 の 周 知 イ 高 齢 者 の 社 会 参 加 の 促 進 * 地 域 での 世 代 を 越 えた 交 流 やふれあいの 機 会 の 充 実 * 雇 用 や 社 会 参 加 の 充 実 (4) 同 和 問 題 これまでの 同 和 対 策 事 業 の 実 施 により 対 象 地 域 の 生 活 環 境 などは 一 定 の 成 果 が 見 られます しかし 児 童 生 徒 の 学 力 や 進 路 に 関 する 問 題 不 安 定 な 就 労 の 実 態 結 婚 差 別 差 別 落 書 きの 発 生 など 同 和 問 題 に 対 する 誤 った 知 識 や 偏 見 が 多 く 見 受 け られるなど 課 題 が 残 されています 同 和 問 題 は 社 会 的 歴 史 的 背 景 から 見 ても 重 要 な 課 題 です その 解 決 に 向 けた 取 り 組 みを 推 進 し 差 別 のない 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア 市 民 一 人 ひとりの 課 題 であるという 認 識 の 普 及 啓 発 活 動 イ 同 和 地 区 内 外 の 市 民 の 交 流 を 促 進 (5) 障 害 者 障 害 のある 人 が 地 域 の 一 員 として 活 動 し 自 立 した 生 活 を 送 ろうとするとき 物 理 的 な 障 壁 ( 道 路 建 物 バスの 段 差 など)や 制 度 的 な 障 壁 ( 就 職 試 験 などでの 差 別 )などが 問 題 となっています 中 でも 大 きな 問 題 は 障 害 に 対 する 理 解 が 十 分 でない 人 たちの 心 ない 言 葉 や 行 動 によって 障 害 のある 人 やその 家 族 が 人 間 としての 尊 厳 を 傷 つけられることであ り 社 会 全 体 が 障 害 について 正 しく 理 解 することが 必 要 であります 6
障 害 のある 人 もない 人 も 地 域 でともに 生 活 できる 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア 障 害 や 障 害 のある 人 に 対 する 理 解 の 促 進 * 障 害 のある 人 との 交 流 やふれあいの 機 会 の 充 実 * 財 産 管 理 や 権 利 擁 護 などの 制 度 の 周 知 イ 障 害 のある 人 の 社 会 参 加 の 支 援 * ともに 生 きるための 暮 らしやすい 環 境 づくり * 雇 用 の 促 進 や 働 きやすい 環 境 の 整 備 (6)ハンセン 病 HIV 感 染 者 等 ハンセン 病 HIVなどにかかった 患 者 感 染 者 が 誤 った 認 識 や 偏 見 などによ り 差 別 を 受 けている 場 合 があります 感 染 症 についての 正 しい 情 報 の 提 供 と 啓 発 活 動 などにより 患 者 感 染 者 やその 家 族 の 権 利 を 守 るための 取 り 組 みを 進 める 必 要 があります さまざまな 感 染 症 にかかった 患 者 感 染 者 が 差 別 を 受 けることなく 安 心 して 治 療 を 受 け 地 域 でともに 生 活 できる 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア ハンセン 病 HIV 感 染 者 等 の 正 しい 情 報 の 提 供 イ 感 染 予 防 対 策 を 通 じた 啓 発 活 動 の 実 施 (7) 外 国 人 国 際 化 の 進 展 とともに 外 国 人 に 対 する 偏 見 や 差 別 などの 人 権 問 題 が 顕 在 化 して います 一 般 的 には アジアの 人 たちを 軽 視 する 傾 向 があり 歴 史 的 地 理 的 に 関 係 が 深 いアジアの 近 隣 諸 国 についての 理 解 や 認 識 を 深 める 必 要 があります 7
外 国 人 にとっても 暮 らしやすい 差 別 や 偏 見 のない 地 域 社 会 の 実 現 を 図 るべきで す ア 外 国 人 や 外 国 との 交 流 国 際 理 解 の 促 進 イ アジアの 近 隣 諸 国 についての 理 解 を 深 めるための 知 識 の 普 及 (8)さまざまな 人 権 それぞれの 人 々に 関 わって さまざまな 人 権 問 題 があります ア 犯 罪 被 害 者 とその 家 族 イ 刑 を 終 えて 出 所 した 人 とその 家 族 ウ インターネットを 悪 用 した 人 権 侵 害 エ 大 人 同 士 のいじめ オ ネグレクト 5 その 他 に 全 国 的 には アイヌの 人 々の 民 族 差 別 野 宿 生 活 者 婚 外 子 性 的 マ イノリティ 6 などがあげられています 一 人 の 人 間 として 尊 重 され 偏 見 や 差 別 によって 人 権 の 侵 害 を 受 けることのない 社 会 の 実 現 を 図 るべきです ア それぞれの 人 権 についての 理 解 を 深 めるための 知 識 の 普 及 と 教 育 の 推 進 イ それぞれの 人 権 に 関 する 社 会 的 関 心 の 喚 起 意 識 啓 発 8
資 料 ( 以 下 省 略 )