<4D6963726F736F667420576F7264202D20288DE490EC90AE94F58C7689E6967B95B681698AAE90AC29288D908EA693FA92C789C1292E646F63>

二 級 河 川 水 系 河 川 整 備 計 画 平 成 26 年 4 月 広 島 県

二 級 河 川 水 系 河 川 整 備 計 画 目 次 1. 流 域 の 概 要... 1 1.1 流 域 の 概 要 1 1.2 現 状 と 課 題 5 1.2.1 治 水 に 関 する 現 状 と 課 題... 5 1.2.2 利 水 に 関 する 現 状 と 課 題... 7 1.2.3 河 川 環 境 に 関 する 現 状 と 課 題... 7 2. 河 川 整 備 計 画 の 目 標 に 関 する 事 項... 9 2.1 計 画 対 象 区 間 及 び 計 画 対 象 期 間 9 2.2 洪 水, 高 潮 による 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 に 関 する 事 項 9 2.3 河 川 の 適 正 な 利 用 及 び 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 に 関 する 事 項 9 2.4 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 に 関 する 事 項 9 3. 河 川 整 備 の 実 施 に 関 する 事 項... 10 3.1 河 川 工 事 の 目 的, 種 類 及 び 施 行 の 場 所 並 びに 当 該 河 川 工 事 の 施 行 により 設 置 される 河 川 管 理 施 設 の 機 能 の 概 要 10 3.2 河 川 の 維 持 の 目 的, 種 類 及 び 施 行 の 場 所 15 3.2.1 河 川 の 維 持 の 目 的... 15 3.2.2 河 川 の 維 持 の 種 類 及 び 施 行 の 場 所... 15 4. 河 川 情 報 の 提 供, 地 域 や 関 係 機 関 との 連 携 等 に 関 する 事 項... 16

1. 流 域 の 概 要 1.1 流 域 の 概 要 さかいがわ はいがみね は, 呉 市 市 街 地 を 流 域 に 有 し,その 源 を 灰 ヶ 峰 ( 標 高 737m)に 発 し, 南 西 斜 面 の 水 を 幾 多 うちがみがわ の 支 流 で 集 めて 中 心 市 街 地 を 流 下 し,JR 呉 線 鉄 橋 付 近 で 右 支 川 を 合 流 して 呉 港 に 注 ぐ, 幹 川 流 路 延 長 3.9 km, 流 域 面 積 11.4km 2 の 二 級 河 川 です 河 川 形 態 は, 旧 国 道 185 号 との 横 断 地 点 までの 上 流 域 では, 河 床 勾 配 は 1/10~1/20, 川 幅 は 約 5~6m の 石 積 やコンクリートの 構 造 の 三 面 張 で,50cm 程 度 のパラペットが 設 置 される 単 断 面 形 状 の 河 道 となっており, 市 街 地 を 縫 うように 細 かく 蛇 行 しています 市 役 所 付 近 までの 中 流 域 は, 上 流 と 同 様 に 市 街 地 を 蛇 行 しながら 流 下 する 三 面 張 の 単 断 面 形 状 の 河 道 で, 河 床 勾 配 は 1/30~ たつかわがわ 1/800 と 徐 々に 緩 くなり, 川 幅 は 6~8m とやや 広 くなっています 市 役 所 付 近 で 右 支 流 の 辰 川 川 を 合 流 してからは 下 流 域 となり, 二 面 張 の 掘 込 河 道 で 感 潮 区 間 となっており, 河 床 勾 配 は 約 1/1,000 と 緩 く, 川 幅 は 約 30~50m にさらに 広 くなり,ほぼ 直 線 的 に 呉 港 に 注 いでいます の ろ さん 山 はちまきやま やすみやま 流 域 の 地 形 は, 中 起 伏 の 野 呂 山 地 に 属 する 鉢 巻 山 ( 標 高 400m), 灰 ヶ 峰, 休 山 ( 標 高 497m) に こう に 囲 まれた 内 側 に 位 置 し, 南 西 方 向 にコの 字 型 ですり 鉢 状 の 地 形 をしています 右 岸 域 は 二 河 川 流 域 と 境 界 を 接 し, 上 流 域 から 左 岸 域 は 灰 ヶ 峰 山 地 から 休 山 山 地 の 稜 線 が 流 域 界 を 形 成 します 山 地 の 地 質 は, 灰 ヶ 峰 山 地 は 流 紋 岩, 休 山 山 地 は 花 崗 岩 が 基 盤 をなし,コバノミツバツツジ- アカマツ 群 集 の 二 次 林 が 山 地 植 生 を 形 成 します 低 地 部 の 市 街 地 は, 山 地 から 流 出 した 土 砂 の 堆 積 で 形 成 された 沖 積 平 野 の 上 に 形 成 されています か う 気 候 は, 温 暖 寡 雨 な 瀬 戸 内 海 気 候 に 属 し, 年 平 均 気 温 は 約 17, 年 平 均 降 水 量 は 約 1,300mm で, 降 雨 は 梅 雨 期 台 風 期 に 集 中 しますが, 近 年 では 5 月 の 降 雨 が 多 くなっています 呉 市 の 中 心 市 街 地 を 占 める 流 域 は, 明 治 初 期 までは 静 かな 半 農 半 漁 の 村 落 でしたが, 前 面 を 海 に, 背 後 三 方 を 山 地 に 囲 まれたすり 鉢 上 の 地 形 で,これが 天 然 の 要 塞 として 旧 海 軍 から 着 目 され, 明 治 19 年 に 第 二 海 軍 区 軍 港 の 指 定 を 受 け, 明 治 22 年 に 呉 鎮 守 府 の 開 庁, 明 治 36 年 に 呉 海 こうしょう 軍 工 廠 の 設 置 などにより 軍 都 としての 基 盤 が 築 かれ, 昭 和 20 年 の 終 戦 まで 軍 港, 工 廠 の 街 とし て 発 展 してきました 終 戦 後 は, 平 和 産 業 港 湾 都 市 として 旧 海 軍 施 設 の 民 間 への 払 い 下 げで, 造 船, 製 鉄 ( 高 炉 ), 機 械 金 属 などの 製 造 業 を 中 心 とした 工 業 技 術 が 集 積 した 都 市 に 生 まれ 変 わり, 瀬 戸 内 海 における 有 数 の 工 業 都 市 として, 中 国 地 方 の 産 業 経 済 の 発 展 をけん 引 しています 平 成 25 年 3 月 現 在 の 呉 市 の 人 口 は 約 24 万 人 で 県 内 では 第 3 位 の 都 市 であり,65 歳 以 上 の 高 齢 者 は 人 口 の 約 30%を 占 めています また, 旧 海 軍 による 都 市 整 備 の 区 割 りで 形 成 された 中 心 市 街 地 の 街 並 みや 広 い 道 路 は,ゆとりのある 都 市 空 間 として 現 在 に 引 き 継 がれており, 旧 海 軍 の 遺 構 が 強 く 残 る 都 市 となっています 流 域 の 土 地 利 用 は, 低 地 部 と 標 高 100~150m まで 市 街 地 が 急 斜 面 を 利 用 して 展 開 しており, 流 域 面 積 の 約 50%を 占 めています 耕 地 は 畑 が 約 3%, 水 田 が 2% 弱, 山 地 が 約 44%で 非 常 に 高 度 な 土 地 利 用 がなされています 主 要 道 路 網 は, 広 島 市 と 結 ぶ 国 道 31 号, 県 東 部 沿 岸 地 域 の 幹 線 道 路 となる 国 道 185 号, 音 戸 か ら 倉 橋 島 や 能 美 島 の 島 しょ 部 と 結 ぶ 国 道 487 号 が, 呉 市 中 心 市 街 地 の 本 通 交 差 点 で 交 わっていま す この 他, 灰 ヶ 峰 山 腹 を 北 方 向 に 熊 野 と 結 ぶ 県 道 174 号, 有 料 道 路 の 広 島 呉 道 路 (クレアライ ン)などが 地 域 経 済 活 動 の 基 軸 路 線 となっており, 鉄 道 は,JR 呉 線 が 通 学 通 勤 等 の 重 要 な 輸 送 手 段 となっています 海 上 交 通 では, 流 域 の 河 口 部 に 位 置 する 呉 港 が 重 要 港 湾 の 指 定 を 受 け, 貿 1

易 港 として 整 備 され, 臨 海 工 場 群 の 工 業 港 として,また, 四 国 松 山 航 路, 島 しょ 部 航 路 など 海 上 交 通 の 要 衝 として 重 要 な 役 割 を 果 たしていますが, 西 瀬 戸 自 動 車 道 (しまなみ 海 道 )の 開 通 や 島 しょ 部 への 架 橋 の 影 響 により, 呉 港 発 着 の 一 部 の 航 路 に 休 止 や 廃 止 が 生 じています 流 域 の 広 島 県 河 川 管 理 区 間 は, 下 表 に 示 すとおりです なお, 流 域 概 要 図 を 図 -1.1.1 に 示 します 河 川 名 さかい うちがみ 区 間 上 流 端 左 岸 呉 市 上 畑 町 340 番 地 先 右 岸 呉 市 上 畑 町 336 番 地 先 左 岸 呉 市 上 内 神 町 137 番 の 2 地 先 右 岸 呉 市 上 内 神 町 139 番 地 先 表 -1.1.1 流 域 管 理 区 間 一 覧 表 呉 市 下 流 端 河 川 延 長 (km) 流 域 面 積 (km 2 ) 瀬 戸 内 海 へ 至 る 3.90 11.4 への 合 流 点 2.22 1.1 旧 河 川 法 適 用 年 月 日 昭 44.3.28 昭 44.3.28 灰 ヶ 峰 県 道 31 号 鉢 巻 山 辰 川 川 県 道 174 号 広 島 呉 道 路 (クレアライン) 上 流 域 国 道 31 号 休 山 トンネル JR 呉 駅 国 道 185 号 旧 国 道 185 号 県 道 242 号 JR 呉 線 中 流 域 国 道 487 号 広 島 市 下 流 域 呉 市 : 流 域 界 休 山 : 河 川 ( 本 川 支 川 ) : 国 道 県 道 流 域 位 置 図 図 -1.1.1 流 域 概 要 図 2

状 況 写 真 1 1 上 流 端 付 近 3 2 4 2 中 流 ( 吾 妻 橋 上 流 ) 写 真 位 置 図 辰 川 川 4 下 流 (JR 橋 梁 下 流 ) 3 辰 川 川 との 合 流 点 3

状 況 写 真 1 1 上 流 端 付 近 3 2 4 2 中 流 ( 中 央 公 園 内 ) 写 真 位 置 図 3 下 流 ( 開 水 路 下 流 端 ) 4 との 合 流 点 4

1.2 現 状 と 課 題 1.2.1 治 水 に 関 する 現 状 と 課 題 は, 明 治 19 年 から 始 まる 軍 港 整 備 と 市 街 地 整 備 に 合 わせて 計 画 的 な 改 修 が 行 なわれ, 昭 和 7 年 には 流 域 の 汚 水 雨 水 を 放 流 するための 排 水 渠 と 張 り 出 しデッキが 下 流 域 の 河 道 内 に 一 体 的 に 整 備 され, 戦 時 中 には 現 在 の 形 状 ができ 上 がっていました 呉 市 には, 東 洋 一 の 海 軍 の りゅうしょう 根 拠 地 が 造 営 され, 海 軍 の 隆 昌 とともに 人 口 が 増 大 しました そのため, 山 を 切 り, 谷 を 開 き, 河 川 の 流 れを 変 えながら 急 傾 斜 地 に 宅 地 が 造 成 され, 山 腹 斜 面 一 帯 に 住 居 地 域 が 形 成 され ていきました 一 方, 地 質 は 風 化 しやすく 水 に 弱 い 花 崗 岩 質 であるため,ひとたび 豪 雨 や 台 風 などの 異 常 気 象 に 見 舞 われた 際 には,がけ 崩 れが 発 生 しやすく, 山 麓 の 急 傾 斜 地 に 民 家 が 密 集 しているため, 住 民 や 家 屋 に 被 害 が 及 びやすい 地 域 となっています 過 去 の 大 きな 水 害 としては, 終 戦 直 後 昭 和 20 年 9 月 17 日 の 枕 崎 台 風 が 挙 げられます 16 日 9 時 頃 から 雨 が 降 りはじめ,17 日 午 後 から 風 雨 が 強 くなり,すでに 河 川 や 渓 流 は 増 水 しており, 追 い 討 ちを 掛 けるように18 時 から22 時 の4 時 間 に 未 曾 有 の 豪 雨 113.3mmを 記 録 しました このため, に こうがわ 渓 流 の 溢 水 や 山 腹 の 崩 壊,さらには 二 河 川 の 堤 防 決 壊 や 土 石 流 の 発 生 によって 呉 市 では, 死 者 1,154 名, 流 失 家 屋 1,162 戸, 半 壊 792 戸, 浸 水 家 屋 8,814 戸 に 及 ぶ 大 惨 事 となりました また, 昭 和 42 年 7 月 7 日 ~9 日 の 豪 雨 災 害 では, 西 日 本 に 停 滞 した 梅 雨 前 線 が 台 風 7 号 の 影 響 を 受 けて 活 動 が 活 発 となり, 呉 測 候 所 では 開 設 以 来 最 大 の1 時 間 雨 量 74.7mmを 記 録 しました これにより, 呉 市 では, 山 崩 れ, 崖 崩 れ, 土 石 流, 河 川 の 決 壊, 溢 水 が 発 生 し, 生 き 埋 め171 名, 死 者 88 名, 全 壊 家 屋 232 戸, 半 壊 家 屋 325 戸, 家 屋 浸 水 7,515 戸 の 大 災 害 となりました このように, 呉 地 域 では, 土 砂 災 害 が 発 生 しやすい 脆 弱 な 地 形 地 質 と, 急 傾 斜 地 を 利 用 し て 市 街 地 が 形 成 されている 特 性 があるため, の 中 上 流 区 間 及 び 支 川 や 渓 流 の 急 流 区 間 につ いては 三 面 張 の 流 路 工 として 改 修 が 行 なわれており, 今 後 も 土 砂 流 出 を 考 慮 した 川 づくりを 行 っていく 必 要 があります 近 年 においては, 大 規 模 な 土 砂 災 害 のみならず, 市 街 地 において 床 上 浸 水 を 含 む 甚 大 な 浸 水 被 害 をもたらした 平 成 11 年 6 月 29 日 豪 雨 災 害 をはじめ, 平 成 21 年 7 月 24 日, 平 成 22 年 7 月 14 日 の 梅 雨 前 線 豪 雨 により, 本 川 の 中 流 区 間 や 支 川 の 呉 市 体 育 館 付 近 での 溢 水 によ る 浸 水 被 害 が 2 年 連 続 して 発 生 しています また, 本 川 の 背 水 影 響 を 受 ける 雨 水 排 水 路 に おいては, 内 水 被 害 が 発 生 しています 高 潮 による 浸 水 被 害 については, 平 成 16 年 の 台 風 16 号,18 号 等 頻 発 しており, 特 に 既 往 最 高 潮 位 を 記 録 した 台 風 18 号 では, 左 岸 の 中 通 地 区 において 高 潮 に 伴 う 内 水 により 5cm~ 40cm 程 度 の 大 きな 浸 水 被 害 が 発 生 しました こうしたことから, からの 溢 水 が 発 生 すれば, 周 辺 市 街 地 への 被 害 が 膨 大 となる 恐 れが あるため, 本 川 の 中 流 区 間 の 浸 水 対 策 の 早 期 実 施 や 支 川 の 流 下 能 力 向 上 のほか, 堺 川 本 川 の 背 水 影 響 を 受 ける 雨 水 排 水 路 における 内 水 対 策 など, 下 水 道 整 備 を 含 めた 総 合 的 な 治 水 対 策 による 治 水 安 全 度 の 向 上 が 課 題 となっています また, 今 後, 更 に 高 齢 化 が 進 むことが 予 想 されるため, 災 害 時 において, 高 齢 者 の 避 難 などの 対 策 も 課 題 となっています 5

表 -1.2.1 呉 市 における 近 年 の 主 な 浸 水 被 害 の 状 況 水 害 発 生 年 月 降 雨 の 原 因 被 災 状 況 雨 量 平 成 11 年 6 月 22 日 ~7 月 4 日 平 成 16 年 7 月 29 日 ~8 月 3 日 平 成 16 年 8 月 27 日 ~8 月 31 日 平 成 16 年 9 月 4 日 ~9 月 8 日 平 成 17 年 9 月 3 日 ~9 月 8 日 平 成 21 年 7 月 5 日 ~7 月 12 日 平 成 21 年 7 月 17 日 ~7 月 30 日 平 成 22 年 7 月 12 日 ~7 月 14 日 梅 雨 前 線 豪 雨 台 風 10 号 及 び 豪 雨 台 風 16 号 台 風 18 号 豪 雨 及 び 台 風 10 号 床 上 浸 水 821 戸, 床 下 浸 水 640 戸, 事 業 所 778 戸 69.5mm/hr 床 上 浸 水 20 戸, 床 下 浸 水 100 戸, 事 業 所 6 戸 44.0mm/hr 床 上 浸 水 123 戸, 床 下 浸 水 443 戸, 事 業 所 16 戸 37.5mm/hr 床 上 浸 水 748 戸, 床 下 浸 水 801 戸, 事 業 所 117 戸 11.0mm/hr 床 上 浸 水 12 戸, 床 下 浸 水 222 戸, 事 業 所 2 戸 34.0mm/hr 梅 雨 前 線 豪 雨 床 下 浸 水 1 戸 17.5mm/hr 梅 雨 前 線 豪 雨 床 上 浸 水 1 戸 49.0mm/hr 梅 雨 前 線 豪 雨 床 下 浸 水 2 戸 45.0mm/hr 出 展 : 水 害 統 計 ( 国 土 交 通 省 河 川 局 (H11~H21) 等 : 雨 量 は 水 系 の 呉 観 測 所 ( 気 象 庁 )の 観 測 値 の 溢 水 状 況 市 街 地 の 浸 水 状 況 溢 水 により 浸 水 が 進 行 浸 水 被 害 の 状 況 ( 平 成 11 年 6 月 29 日 ) 出 典 : 広 島 県 呉 市 ( 支 川 )の 溢 水 市 街 地 の 浸 水 状 況 溢 水 により 浸 水 が 進 行 ( 支 川 ) 浸 水 被 害 の 状 況 ( 平 成 22 年 7 月 14 日 ) 出 典 : 広 島 県 6

1.2.2 利 水 に 関 する 現 状 と 課 題 は 流 域 面 積 が 小 さく, 十 分 な 取 水 量 が 期 待 できないことから 水 源 河 川 としての 利 用 はな く, の 県 管 理 区 間 の 土 地 利 用 がほぼ 100% 市 街 地 であることから, 農 業 用 水 についても,そ の 利 用 が 行 なわれていません なお, 呉 市 の 都 市 用 水 である 上 水 工 水 の 供 給 は, 旧 海 軍 施 設 として 建 設 された 二 河 川 の 本 庄 水 源 地 及 び, 黒 瀬 川 の 三 永 水 源 地 を 水 源 とするものと,その 後 の 需 要 増 に 対 応 して 太 田 川 を 水 源 とする 県 営 太 田 川 東 部 工 業 用 水 道 及 び 広 島 県 広 域 水 道 を 受 水 しており, の 利 用 は 行 わ れていません したがって, においては, 利 水 に 関 する 課 題 はありません 1.2.3 河 川 環 境 に 関 する 現 状 と 課 題 河 川 環 境 に 関 する 現 状 と 課 題 については, 以 下 のとおりです (1) 水 質 の 水 質 測 定 は, 呉 市 の 環 境 部 局 によって 下 流 部 に 位 置 する 小 春 橋 地 点 で 実 施 されてい ます 2 ヶ 月 に 1 回 の 測 定 であり, 至 近 10 ヵ 年 (H15 ~H24 )の 水 質 測 定 値 から 生 活 環 境 項 目 の 内,pH BOD SS DO 大 腸 菌 群 数 の 5 項 目 について 表 -1.2.2 に 示 します こ の 中 から 河 川 の 代 表 的 な 指 標 である BOD の 経 年 変 化 図 を 図 -1.2.1 に 示 します の 水 質 は, 類 型 指 定 がなされていないものの,BOD に 関 しては,A 類 型 と 同 程 度 の 水 質 状 況 にあり, 昭 和 16 年 に 開 始 された 下 水 道 整 備 事 業 ( 下 水 道 法 事 業 認 可 は 昭 和 33 年 )は, 現 状 でほぼ 完 了 しています また, 新 たに 大 規 模 な 汚 濁 源 の 発 生 は 想 定 されにくいことなど から, 今 後 も 現 状 水 質 の 維 持 が 見 込 まれます しかし, 大 腸 菌 群 数 の 観 測 値 から 生 活 排 水 の 流 入 等 が 懸 念 され,pH も 恒 常 的 に 高 い 値 を 示 すことから, 水 質 の 改 善 に 向 けた 配 慮 が 必 要 で す 河 川 堺 川 表 -1.2.2 水 質 測 定 地 点 における 水 質 調 査 結 果 ( 測 定 地 点 : 小 春 橋 ) 項 目 水 素 イオン 濃 度 (ph) 生 物 化 学 的 酸 素 要 求 量 (BOD) 単 位 :mg/l 浮 遊 物 質 量 (SS) 単 位 :mg/l 溶 存 酸 素 (DO) 単 位 :mg/l H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 最 大 値 8.7 8.6 8.9 8.6 9.1 9.1 8.9 8.6 8.6 8.9 最 小 値 7.5 8 8.1 7.9 7.8 7.9 7.5 7.8 7.9 8.3 75% 値 0.7 1.1 0.9 0.9 1.3 2.1 1.3 1.3 1.2 1.1 平 均 値 3 4 4 6 2 2 2 2 3 2 平 均 値 9.2 9.6 11 9.7 10 11 9.6 11 10 12 大 腸 菌 群 数 平 均 値 68,000 53,000 99,000 25,000 31,000 62,000 33,000 69,000 74,000 20,000 単 位 :MPN/100ml 注 )BODの75% 値 とは n 個 の 日 間 平 均 値 を 水 質 の 良 いものから 並 べた 時 0.75 n 番 目 にくる 数 値 を 指 す 7

3.5 小 春 橋 BOD75% 値 (mg/l) 3 2.5 2 1.5 1 0.5 2.0mg/l(A 類 型 環 境 基 準 値 相 当 ) 0 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 図 -1.2.1 BOD 経 年 変 化 及 び 水 質 測 定 地 点 ( 測 定 地 点 : 小 春 橋 ) (2) 動 植 物 流 域 に 生 息 する 生 物 は, 鳥 類 では, 山 地 から 平 野 部 まで 広 く 分 布 するトビ,キジバト,ス ズメ, 河 川 で 採 餌 するコサギ,アオサギ,ハクセキレイなどが 見 られます 昆 虫 類 では, 主 に 平 野 部 の 草 原 に 分 布 するアキアカネ,ベニシジミ,モンシロチョウ,モンキチョウなどが 見 られます 魚 類 相 は 豊 かとは 言 えず, 辰 川 川 合 流 部 付 近 の 落 差 工 より 上 流 では, 河 道 が 三 面 張 の 形 状 になっており, 魚 類 はほとんど 確 認 できません 特 定 種 としては,メダカが 生 息 しており, では, 辰 川 川 合 流 部 付 近, では, 市 立 図 書 館 付 近 で 多 数, 確 認 されて います 植 生 は, 中 流 域 において, 一 部, 州 が 形 成 され,ミゾソバ,カラムシ,アメリカセ ンダングサが 繁 茂 している 他, 護 岸 の 隙 間 にヨモギ,ヤブマオ 等 の 草 本 類 が 生 育 しています また, 流 域 においては 特 定 外 来 生 物 の 分 布 が 確 認 されています (3) 河 川 空 間 及 び 利 用 状 況 の 周 辺 環 境 は, 戦 前, 海 軍 が 河 口 部 を 軍 港 として 利 用 していましたが, 戦 後, 昭 和 21 年 の 呉 復 興 都 市 計 画 をもとに, 現 在 の 町 並 みが 形 成 されました さらに, 昭 和 58 から 実 施 した 都 市 景 観 形 成 モデル 事 業 によって, と 蔵 本 通 りは 一 体 的 な 都 市 公 園 として 整 備 され, 呉 市 民 の 憩 いの 空 間 として 多 くの 人 々に 親 しまれ,イベントなどの 開 催 場 になって います また, 呉 港 に 建 設 された 旧 海 軍 の 歴 史 資 料 館 である 大 和 ミュージアム や てつのくじ ら 館 に 通 じるレンガの 歩 道 や 親 水 護 岸 には, 軍 港 呉 を 彷 彿 させるデザインが 施 され, 訪 れ る 多 くの 観 光 客 を 魅 了 する 都 市 景 観 が 形 成 されています 一 方, 河 川 空 間 の 利 用 に 関 しては, の 動 植 物 の 現 状 からも, 魚 類 相 が 豊 富 ではないも のの,アユの 遡 上 や, 中 上 流 域 には, 河 川 の 清 流 で 確 認 される 種 も 多 く 存 在 しており, 貴 重 なオープンスペースとして 利 活 用 できる 環 境 であると 考 えられますが, 親 水 性 に 乏 しい 状 況 となっています このため, 今 後, 関 係 機 関 等 と 調 整 し, 水 質, 動 植 物 の 生 息 生 育 繁 殖 環 境 を 保 全 改 善 するとともに, の 周 辺 環 境 を 活 かし, 親 水 性 に 配 慮 した 河 川 空 間 の 利 活 用 促 進 を 図 っていくことが 課 題 となっています 8

2. 河 川 整 備 計 画 の 目 標 に 関 する 事 項 2.1 計 画 対 象 区 間 及 び 計 画 対 象 期 間 河 川 整 備 計 画 対 象 区 間 は, 広 島 県 知 事 管 理 区 間 とします 河 川 整 備 計 画 対 象 期 間 は, 概 ね 30 年 とします 2.2 洪 水, 高 潮 による 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 に 関 する 事 項 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 に 関 しては, 河 床 掘 削 や 河 道 拡 幅 による 改 修 を 行 い, 平 成 21 年 7 月, 平 成 22 年 7 月 規 模 の 降 雨 に 伴 う 洪 水 に 対 し, 河 川 からの 溢 水 を 防 止 し, 外 水 による 家 屋 浸 水 の 防 止 を 図 ります また, 近 年, 甚 大 な 被 害 が 発 生 した 平 成 11 年 6 月 洪 水 に 対 し, 河 川 からの 溢 水 による 床 上 浸 水 の 防 止 を 図 ります 高 潮 に 関 しては, 計 画 潮 位 に 対 して 溢 水 はしないものの, 内 水 域 において, 高 潮 に 伴 う 内 水 被 害 が 発 生 しているため, 関 係 機 関 と 連 携 した 対 策 を 実 施 します なお, 想 定 される 規 模 を 超 える 洪 水 や 高 潮, 津 波 が 発 生 した 際,その 被 害 を 最 小 限 に 抑 えるた め, 関 係 機 関 や 沿 川 住 民 と 連 携 し, 高 齢 者 などの 災 害 時 要 援 護 者 にも 配 慮 した 情 報 伝 達 方 法, 警 戒 避 難 体 制 等 の 整 備 を 図 ります 2.3 河 川 の 適 正 な 利 用 及 び 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 に 関 する 事 項 河 川 の 適 正 な 利 用 及 び 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 に 関 しては, 関 係 機 関 と 連 携 し, 現 況 流 況 の 維 持 に 努 めます また, 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持 するための 必 要 な 流 量 は 設 定 に 向 けて, 動 植 物 の 生 息 地 又 は 生 育 地 の 状 況, 流 水 の 清 潔 の 保 持 などの 観 点 から 関 係 機 関 と 連 携 し, 引 き 続 きデータ の 蓄 積 に 努 め 今 後 さらに 検 討 を 行 います 2.4 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 に 関 する 事 項 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 に 関 しては, 希 少 な 動 植 物 の 生 息 生 育 繁 殖 場 となっている 水 環 境 の 保 全, 河 川 の 縦 断 的 連 続 性 ならびに 水 際 の 植 生 等 の 連 続 性 の 確 保 や, 下 流 域 が 呉 中 央 景 観 づく り 区 域 に 含 まれていることを 踏 まえた 呉 市 景 観 計 画 との 整 合 など, 河 川 毎, 地 域 毎 の 特 性 に 配 慮 した 河 川 環 境 の 整 備 を 図 ります また, 河 川 空 間 の 利 用 に 関 しては, と 流 域 住 民 との 歴 史 的 文 化 的 なつながりを 踏 まえ, 関 係 機 関 と 連 携 して 河 川 の 水 質 や 動 植 物 の 生 息 生 育 繁 殖 環 境 の 保 全, 改 善 を 図 るとともに, 併 せて 親 水 護 岸 等 の 整 備 により, 住 民 が 河 川 に 親 しみを 感 じ, 河 川 空 間 の 利 用 が 図 られるように, の 特 性 を 反 映 した 川 づくりを 行 います 9

3. 河 川 整 備 の 実 施 に 関 する 事 項 3.1 河 川 工 事 の 目 的, 種 類 及 び 施 行 の 場 所 並 びに 当 該 河 川 工 事 の 施 行 により 設 置 される 河 川 管 理 施 設 の 機 能 の 概 要 河 川 工 事 対 象 河 川 及 び 施 行 区 間 は, 表 -3.1.1, 図 -3.1.1 に 示 すとおりです なお, 動 植 物 に 関 しては,その 生 息 生 育 繁 殖 環 境 が 保 全 されるよう, 整 備 内 容 との 関 係 を 踏 まえ, 必 要 に 応 じ, 専 門 家 の 指 導 助 言 を 得 ながら, 十 分 配 慮 するものとします また, 希 少 種 については,ミチゲ ーションによる 生 息 生 育 繁 殖 環 境 の 保 全 に 努 めます さらに, 河 川 整 備 を 行 う 際 には 特 定 外 来 生 物 が 流 域 内 外 に 拡 散 しないように 努 めます 表 -3.1.1 対 象 河 川 及 び 施 行 区 間 河 川 名 位 置 区 間 延 長 花 見 橋 付 近 から 中 央 橋 の 約 380m 区 間 約 380m 分 水 路 ( 約 420m) 上 園 橋 付 近 ( 約 20m) 約 440m 施 行 区 間 約 440m 分 水 路 施 行 区 間 約 380m 図 -3.1.1 対 象 河 川 及 び 施 行 区 間 位 置 図 10

(1) 本 川 では, 流 下 能 力 の 不 足 する 花 見 橋 付 近 ~ 中 央 橋 区 間 ( 区 間 延 長 約 380m)において, 河 川 改 修 を 実 施 します 河 川 改 修 は, 背 後 地 の 土 地 利 用 状 況 を 考 慮 して, 極 力, 社 会 的 影 響 を 与 えない 平 面 計 画 とし, 花 見 橋 付 近 ~ 中 央 橋 区 間 において 目 標 流 量 を 流 下 できる 河 道 断 面 を 確 保 します 河 道 断 面 の 確 保 は, 主 に 河 道 拡 幅, 河 床 掘 削 により 行 います なお,この 施 行 区 間 内 にある 橋 梁 については 架 け 換 え 等 が 必 要 となることから, 関 係 機 関 や 地 元 住 民 と 協 議 を 行 いながら 進 めます また, 河 川 改 修 施 行 区 間 は, 河 川 の 形 態 や 社 会 的 影 響 を 考 慮 し, 長 期 計 画 である 河 川 整 備 基 本 方 針 に 相 当 する 規 模 で 改 修 を 実 施 するため, 流 量 配 分 図 には 河 川 整 備 基 本 方 針 の 流 量 配 分 を 記 載 しています : 基 準 地 点 単 位 :m 3 /s 旧 上 園 橋 呉 港 河 口 地 点 2 分 水 路 170 130 80 8 辰 川 川 ( 普 通 河 川 ) 中 央 橋 施 行 区 間 桧 垣 川 ( 普 通 河 川 ) 図 -3.1.2(1) 流 量 配 分 図 呉 市 役 所 辰 川 川 中 央 橋 花 見 橋 施 行 区 間 図 -3.1.2(2) 平 面 図 11

凡 例 : 計 画 河 道 : 計 画 高 水 位 (T.P.m) H.W.L +2.91m 1:0.5 河 床 高 -0.30m 1:0.5 (1) 辰 川 川 合 流 点 上 流 H.W.L +3.14m 1:0.5 河 床 高 +0.10m 1:0.5 (2) 二 重 橋 ~ 巴 橋 区 間 実 施 に 際 しては, 今 後 の 調 査 測 量 結 果 により, 護 岸 の 構 造 が 変 更 になる 場 合 もあります 図 -3.1.2(3) 横 断 面 図 のイメージ 図 12

(2) では, の 背 水 影 響 もあり, 合 流 点 から 流 下 能 力 不 足 区 間 が 長 いため, 中 央 公 園 付 近 から 辰 川 川 への 分 水 路 ( 約 420m)を 整 備 します この 分 水 路 により, 中 央 公 園 付 近 より 下 流 の 現 況 河 道 においても 平 成 21 年 7 月, 平 成 22 年 7 月 相 当 の 洪 水 を 流 下 させることができます 河 川 改 修 は, 呉 市 新 庁 舎 との 整 合 を 図 る 平 面 計 画 とし, 上 園 橋 から 下 流 ( 分 水 路 )の 区 間 に おいて, 目 標 流 量 を 流 下 できる 河 道 断 面 を 確 保 します 河 道 断 面 の 確 保 は, 主 に 河 床 掘 削, 河 道 拡 幅 により 行 います さらに, 親 水 護 岸 の 設 置 については, 公 園 利 用 者 の 親 水 性 と 安 全 面 を 踏 まえて, 関 係 機 関 と 連 携 して 検 討 します : 基 準 地 点 単 位 :m 3 /s 旧 施 行 区 間 上 園 橋 呉 港 河 口 地 点 2 分 水 路 170 130 80 8 注 ) 辰 川 川 ( 普 通 河 川 ) 中 央 橋 桧 垣 川 ( 普 通 河 川 ) 注 ) の 流 量 は の 背 水 影 響 を 受 けても 流 下 可 能 な 平 成 21 年, 平 成 22 年 洪 水 流 量 を 記 載 将 来 的 に 排 水 施 設 等 を 設 けることにより, 河 川 整 備 基 本 方 針 の 流 量 配 分,16m 3 /s が 流 下 可 能 図 -3.1.3(1) 流 量 配 分 図 上 園 橋 施 行 区 間 中 央 公 園 分 水 路 辰 川 川 図 -3.1.3(2) 平 面 図 13

体 育 館 前 凡 例 : 計 画 河 道 : 計 画 高 水 位 (T.P.m) 1:0.5 H.W.L +2.19m 河 床 高 +0.32m 1:0.5 の 親 水 護 岸 の 設 置 については, 公 園 利 用 者 の 親 水 性 と 安 全 面 を 踏 まえ て, 関 係 機 関 と 連 携 して 検 討 します 実 施 に 際 しては, 今 後 の 調 査 測 量 結 果 により, 護 岸 の 構 造 が 変 更 になる 場 合 もあります 図 -3.1.3(3) 横 断 面 図 (3) 内 水 対 策 は 掘 込 河 道 ではあるが, 流 域 低 平 部 の 内 水 被 害 の 軽 減 を 図 るため 関 係 機 関 と 連 携 して 対 策 内 容 の 検 討 を 行 い, 適 切 な 役 割 分 担 のもと, 内 水 対 策 を 実 施 します また, 施 設 整 備 のみならず, 雨 量 情 報 の 提 供 などを 行 うことにより, 迅 速 で 的 確 な 避 難 行 動 への 支 援 を 行 い, 被 害 のさらなる 軽 減 を 目 指 します 14

3.2 河 川 の 維 持 の 目 的, 種 類 及 び 施 行 の 場 所 3.2.1 河 川 の 維 持 の 目 的 河 川 の 維 持 管 理 は, 地 域 の 特 性 を 踏 まえつつ, 洪 水 による 被 害 の 防 止, 河 川 の 適 正 な 利 用, 流 水 の 正 常 な 機 能 の 維 持, 河 川 環 境 の 整 備 と 保 全 がなされるよう 総 合 的 に 行 います また, 広 島 県 では, 国 の 河 川 維 持 管 理 指 針 及 び 広 島 県 公 共 土 木 施 設 維 持 管 理 基 本 計 画 に 基 づき, 河 川 維 持 管 理 計 画 を 平 成 21 年 4 月 に 策 定 しています この 計 画 により, 河 川 堤 防 護 岸 について, 効 率 的 かつ 効 果 的 な 維 持 管 理 (アセットマネジメント)を 行 います 3.2.2 河 川 の 維 持 の 種 類 及 び 施 行 の 場 所 河 川 の 維 持 の 施 行 場 所 は, 流 域 で 広 島 県 が 管 理 する 全 区 間 とします (1) 河 道 の 維 持 堆 積 した 土 砂 が, 治 水 上 支 障 となる 場 合 は, 環 境 面 も 配 慮 しつつ 掘 削 等 必 要 な 対 策 を 講 じ ます また, 出 水 による 河 床 低 下 により, 護 岸 等 構 造 物 の 基 礎 が 露 出 すると 災 害 の 原 因 にな るため, 早 期 発 見 に 努 めるとともに, 河 川 管 理 上 支 障 となる 場 合 は, 適 切 な 処 理 を 行 います さらに, 土 砂 堆 積 による 流 下 能 力 の 低 下 が 見 込 まれる 際 には, 浚 渫 を 実 施 します (2) 護 岸, 堤 防 等 の 維 持 護 岸, 堤 防 等 の 河 川 管 理 施 設 については, 法 崩 れ, 亀 裂 等 の 異 常 について 早 期 発 見 に 努 め るとともに, 河 川 管 理 上 の 支 障 となる 場 合 は 適 切 な 処 理 を 行 います また, 洪 水, 高 潮 による 災 害 の 発 生 の 防 止 又 は 軽 減 に 関 する 事 項 の 目 標 に 対 し, 局 所 的 に パラペット 高 が 不 足 している 区 間 について, 必 要 に 応 じて, 嵩 上 げ 等 を 実 施 します なお, 橋 梁 の 影 響 による 溢 水 が 発 生 している 箇 所 については, 関 係 機 関 と 連 携 し, 必 要 な 対 策 を 実 施 します また, 今 後 多 くの 河 川 管 理 施 設 が 耐 用 年 数 を 迎 えることが 想 定 されており,これ らの 施 設 の 機 能 をより 長 く 発 揮 させるため, 長 寿 命 計 画 を 策 定 し, 必 要 に 応 じて 老 朽 化 対 策 を 行 います (3) 植 生 の 維 持 良 好 な 河 川 環 境 を 保 全 するため, 必 要 箇 所 の 草 刈 や 樹 木 の 管 理 を 地 元 住 民 と 協 力 しながら 行 います (4) 汚 濁 流 出 の 防 止 河 川 改 修 時 に 発 生 する 濁 水 については, 動 植 物 の 生 息 生 育 繁 殖 環 境, 河 川 景 観 等 への 配 慮 から,これを 防 止 または, 軽 減 するよう 努 めます (5) ゴミ ヘドロ 対 策 流 域 のゴミ 対 策 について, 河 川 巡 視 により 監 視 の 強 化 に 努 めるとともに, 地 域 住 民 行 政 が 一 体 となり, 地 域 ぐるみで 河 川 の 美 化 を 目 指 すよう, 河 川 の 浄 化 運 動 や 一 般 市 民 を 対 象 に 川 についての 理 解 を 深 めてもらう 活 動 などを 行 います また, 異 臭 の 原 因 となっている ヘドロについても 関 係 機 関 と 連 携 して 対 策 を 検 討 します 15

4. 河 川 情 報 の 提 供, 地 域 や 関 係 機 関 との 連 携 等 に 関 する 事 項 (1) 河 川 にかかる 調 査 研 究 等 の 促 進 継 続 的 な 水 文 観 測, 水 質 観 測 データを 活 用 し, 河 川 の 危 機 管 理, 維 持 管 理 及 び 計 画 など 基 礎 的 な 情 報 として 役 立 てます 多 自 然 川 づくりに 関 する 生 物 の 生 息 生 育 繁 殖 環 境 の 調 査 研 究 を 関 係 機 関 の 協 力 を 得 ながら 促 進 し, 技 術 的 手 法 の 確 立 に 努 めます また, 様 々な 調 査 研 究 の 成 果 は, 関 係 各 所 において 有 効 利 用 が 図 れるよう 努 めます (2) 河 川 情 報 の 提 供 インターネット 等 で, 河 川 事 業 で 整 備 された 水 辺 の 施 設 などを 紹 介 するとともに, 河 川 に 関 する 自 由 な 意 見 をお 聞 きします また,パンフレットや 各 種 イベント 等 で 河 川 事 業 や 施 策 を PR し, 理 解 を 得 るよう 努 めます 災 害 による 被 害 の 軽 減 を 図 るため, 広 島 県 河 川 防 災 情 報 システムにより, 県 内 一 円 の 雨 量 水 位 やダム 諸 量 などのデータを,リアルタイムで 情 報 提 供 を 行 うとともに, 水 防 警 報 など 必 要 な 対 策 支 援 を 迅 速 に 行 います また, 適 切 な 河 川 管 理 や 防 災 体 制 の 一 層 の 充 実 を 図 るため, 河 川 等 の 情 報 提 供 システムなどについて, 必 要 に 応 じて 整 備 を 行 います (3) 地 域 や 関 係 機 関 との 連 携 治 水, 河 川 利 用 及 び 景 観 等 の 河 川 環 境 上 の 適 正 な 河 川 管 理 を 図 ることに 支 障 が 生 じる 場 合 は, 関 係 機 関 と 連 携 して 対 応 します 治 水 に 関 しては, 広 島 県, 呉 市 が 連 携 し, 総 合 的 な 治 水 対 策 を 実 施 し, 内 水 被 害 や 外 水 被 害 の 軽 減 を 図 ります 治 水 上 影 響 を 及 ぼす 開 発 行 為 は, 必 要 に 応 じて 流 出 抑 制 対 策 等 を 事 業 者 に 指 導 します 想 定 される 規 模 を 超 える 洪 水 や 高 潮, 津 波 が 発 生 したときの 対 応 として, 広 島 県 防 災 Web や 呉 市 防 災 拠 点 を 有 効 に 活 用 した 関 係 機 関 や 沿 川 住 民 への 情 報 伝 達, 警 戒 避 難 体 制 等 の 強 化 に 努 めます 良 好 な 河 川 環 境 を 維 持 するため, 許 可 工 作 物 の 新 設 や 改 築 にあたっては, 施 設 管 理 者 に 対 して 治 水 上 の 影 響 等 を 考 慮 の 上, 環 境 の 保 全 にも 配 慮 するよう 指 導 します 河 川 の 水 質 改 善 については, 下 水 道 の 整 備 や 水 質 悪 化 が 懸 念 される 大 規 模 開 発 時 の 対 応 な ど, 地 元 住 民 や 関 係 機 関 と 連 携 を 図 りながらその 対 策 に 努 めます 水 質 事 故 が 発 生 した 時 は, 事 故 状 況 の 把 握, 関 係 機 関 への 連 絡, 河 川 状 況 や 水 質 の 監 視 を 行 い, 事 故 処 理 等 を 原 因 者 及 び 呉 市 などの 関 係 機 関 と 協 力 して 行 います 存 在 感 のある 川 づくりを 図 るため, 地 域 のまちづくりと 調 整 し, 観 光 施 設 等 を 活 かした 川 づくりを 目 指 し, 地 域 住 民 や 関 係 機 関 等 との 連 携 を 強 化 します 親 しめる 川 づくりを 進 めるため, 河 川 に 関 する 広 報 活 動 等 により 地 域 住 民 に 河 川 への 関 心 を 高 めるよう 努 めます また, 草 刈 りや 清 掃 活 動 などの 河 川 愛 護 活 動 の 支 援 も 行 います 水 源 かん 養 等 の 役 割 を 担 う 山 林 等 の 生 態 系 機 能 の 保 全 について, 河 川 の 成 り 立 ちやその 役 割 特 性 を 考 慮 し, 源 流 の 山 々を 含 めた 流 域 一 体 での 河 川 管 理 への 取 組 が 重 要 であると 考 えます このため, 地 域 住 民 や 地 方 公 共 団 体, 関 係 機 関 団 体 等 と, 流 域 一 体 となって, より 一 層 の 連 携 強 化 に 努 め, 相 互 の 情 報 共 有 を 図 ります 16

策 定 日 及 び 告 示 日 策 定 日 告 示 日 平 成 26 年 4 月 24 日 平 成 26 年 4 月 28 日 本 書 に 掲 載 した 下 表 の 地 図 は, 国 土 地 理 院 長 の 承 認 を 得 て, 同 院 発 行 の 2 万 5 千 分 1 地 形 図 を 複 製 したものである ( 承 認 番 号 平 26 情 複 第 148 号 ) また これらの 地 図 を 第 三 者 がさらに 複 製 する 場 合 には 国 土 地 理 院 の 長 の 承 認 を 得 なければ ならない ページ 図 番 タ イ ト ル 2 図 -1.1.1 流 域 概 要 図 3 写 真 位 置 図 4 写 真 位 置 図 8 図 -1.2.1 BOD 経 年 変 化 及 び 水 質 測 定 地 点 ( 測 定 地 点 : 小 春 橋 ) 10 図 -3.1.1 対 象 河 川 及 び 施 行 区 間 位 置 図 本 書 に 掲 載 した 下 表 の 地 図 は, 呉 市 長 の 承 認 を 得 て, 同 市 発 行 の 2.5 千 分 1 呉 市 平 面 図 を 複 製 したものである ( 呉 市 承 認 番 号 平 成 26 年 6 月 11 日 呉 都 都 第 172 号 ) また これらの 地 図 を 第 三 者 がさらに 複 製 する 場 合 には 呉 市 長 の 承 認 を 得 なければならない ページ 図 番 タ イ ト ル 11 図 -3.1.2(2) 平 面 図 12 図 -3.1.3(2) 平 面 図