税 制 抜 本 改 革 に 伴 う 車 体 課 税 及 び 地 方 法 人 課 税 の 見 直 し 地 方 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 総 務 委 員 会 調 査 室 星 友 佳 1.はじめに 平 成 24 年 8 月 社 会 保 障 税 一 体 改 革 の 一 環 として 消 費 税 率 の 引 上 げ 等 を 内 容 とす る 税 制 抜 本 改 革 法 1 が 成 立 し 平 成 25 年 10 月 1 日 には 消 費 税 率 ( 国 地 方 )を 平 成 26 年 4 月 1 日 に5%から8%に 引 き 上 げることが 確 認 された 2 税 制 抜 本 改 革 法 第 7 条 は 国 地 方 を 通 じた 税 制 抜 本 改 革 及 び 関 連 諸 施 策 の 具 体 化 に 向 けた 検 討 に 当 たっての 基 本 的 方 向 性 を 示 しており その 中 に 掲 げられた 車 体 課 税 及 び 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しが 平 成 26 年 度 税 制 改 正 の 検 討 過 程 で 大 きな 論 点 となった これらにつ いての 与 党 の 検 討 結 果 は 平 成 26 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 平 成 25 年 12 月 12 日 自 由 民 主 党 公 明 党 )( 以 下 26 年 度 与 党 大 綱 という )に 取 りまとめられ さらに 同 大 綱 を 踏 まえ 政 府 は 平 成 26 年 度 税 制 改 正 の 大 綱 を 平 成 25 年 12 月 24 日 に 閣 議 決 定 した この 閣 議 決 定 に 基 づき 平 成 26 年 度 の 地 方 税 制 改 正 を 行 うための 地 方 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 ( 閣 法 第 10 号 )が 平 成 26 年 2 月 7 日 に 閣 議 決 定 され 同 日 国 会 に 提 出 された 本 稿 では 車 体 課 税 及 び 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しを 中 心 に 本 法 律 案 の 概 要 等 に ついて 紹 介 する 2. 車 体 課 税 の 見 直 し (1) 自 動 車 関 係 諸 税 の 種 類 現 在 自 動 車 には 消 費 税 の ほかに8 種 類 の 税 が 取 得 保 有 利 用 走 行 の 各 段 階 で 課 さ れている( 図 表 1 ) このように 多 種 類 の 税 が 課 さ れている 状 況 に 対 し 従 来 より 図 表 1 自 動 車 関 係 諸 税 自 動 車 業 界 等 か ら 税 負 担 が 複 雑 自 動 車 用 の 石 油 ガス 容 器 に 充 てんされている 石 油 ガスに 対 しては 石 油 ガス 税 ( 国 税 )が 課 される ( 出 所 ) 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11) 参 考 図 表 に 加 筆 16 立 法 と 調 査 2014.3 No. 350( 参 議 院 事 務 局 企 画 調 整 室 編 集 発 行 )
で 過 重 であるなどの 批 判 があり 税 制 の 簡 素 化 や 税 負 担 軽 減 を 要 望 する 声 が 上 がっていた (2) 車 体 課 税 ( 地 方 税 )の 概 要 ( 図 表 2) ア 自 動 車 取 得 税 自 動 車 の 取 得 者 に 対 して 都 道 府 県 が 課 す 税 3 である 創 設 時 は 地 方 の 道 路 に 関 する 費 用 のための 目 的 税 ( 道 路 特 定 財 源 )であったが 平 成 21 年 度 から 一 般 財 源 化 され 普 通 税 となった 従 来 より 消 費 税 との 二 重 課 税 である 道 路 特 定 財 源 の 廃 止 により 課 税 根 拠 を 喪 失 している 等 の 理 由 から 軽 減 廃 止 の 要 望 がなされている イ 自 動 車 税 自 動 車 の 所 有 者 に 対 して 都 道 府 県 が 課 す 税 4 である 税 率 は 種 別 や 用 途 総 排 気 量 等 により 区 分 され 規 定 されている なお 平 成 13 年 度 には 環 境 負 荷 の 大 小 により 重 課 軽 課 を 行 う 特 例 措 置 が 創 設 された ウ 軽 自 動 車 税 軽 自 動 車 原 動 機 付 自 動 車 等 に 対 してその 所 有 者 に 市 町 村 が 課 す 税 年 に 創 設 された 税 率 は 総 排 気 量 及 び 規 格 によって 年 額 が 規 定 されている 5 であり 昭 和 33 図 表 2 車 体 課 税 ( 地 方 税 )の 概 要 自 動 車 取 得 税 項 目 課 税 主 体 都 道 府 県 納 税 義 務 者 自 動 車 の 取 得 者 内 容 課 税 客 体 自 動 車 の 取 得 ( 二 輪 の 小 型 自 動 車 二 輪 の 軽 自 動 車 大 型 特 殊 及 び 小 型 特 殊 自 動 車 を 除 く) 課 税 標 準 自 動 車 の 取 得 価 額 税 率 自 家 用 自 動 車 ( 軽 自 動 車 除 く) 5%( 当 分 の 間 の 措 置 本 則 は3%) 営 業 用 自 動 車 及 び 軽 自 動 車 3% 免 税 点 50 万 円 ( 平 成 30 年 3 月 31 日 まで 本 則 は 15 万 円 ) 交 付 金 都 道 府 県 に 納 付 された 税 額 の 100 分 の 95 のうち 10 分 の7を 市 町 村 ( 特 別 区 を 含 む)に 交 付 ( 更 に 政 令 指 定 都 市 には 国 県 道 管 理 分 として 政 令 市 特 例 分 が 交 付 されている) 税 収 1,900 億 円 ( 平 成 25 年 度 地 方 財 政 計 画 額 ) 自 動 車 税 項 目 内 容 課 税 主 体 都 道 府 県 納 税 義 務 者 自 動 車 の 所 有 者 課 税 客 体 自 動 車 ( 二 輪 の 小 型 自 動 車 軽 自 動 車 大 型 特 殊 及 び 小 型 特 殊 自 動 車 を 除 く) 税 率 < 標 準 税 率 > 自 動 車 の 種 別 排 気 量 等 ごとに 設 定 制 限 税 率 は <グリーン 化 による 特 例 税 率 >( 平 成 13 年 度 創 設 ) 標 準 税 率 の 排 出 ガス 性 能 及 び 燃 費 性 能 の 優 れた 環 境 負 荷 の 小 さい 自 動 車 は 税 率 を 軽 減 し 1.5 倍 新 車 新 規 登 録 から 一 定 年 数 を 経 過 した 環 境 負 荷 の 大 きい 自 動 車 は 税 率 を 重 くす る 特 例 措 置 (いわゆる 自 動 車 税 のグリーン 化 ) 税 収 1 兆 5,497 億 円 ( 平 成 25 年 度 地 方 財 政 計 画 額 ) 17
軽 自 動 車 税 項 目 内 容 課 税 団 体 市 町 村 納 税 義 務 者 軽 自 動 車 等 の4 月 1 日 現 在 の 所 有 者 課 税 客 体 軽 自 動 車 二 輪 の 小 型 自 動 車 原 動 機 付 自 転 車 小 型 特 殊 自 動 車 税 率 < 標 準 税 率 >( 例 ) 制 限 税 率 は 原 動 機 付 自 転 車 標 準 税 率 の 例 : 総 排 気 量 50cc 以 下 のもの 又 は 定 格 出 力 0.6kw 以 下 のもの( 一 部 を 除 く) 1,000 円 ( 年 額 ) 1.5 倍 軽 自 動 車 及 び 小 型 特 殊 自 動 車 例 : 四 輪 以 上 で 乗 用 自 家 用 のもの 7,200 円 ( 年 額 ) 税 収 1,852 億 円 ( 平 成 25 年 度 地 方 財 政 計 画 額 ) ( 出 所 ) 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)より 作 成 (3) 見 直 しに 係 る 経 緯 ア 平 成 21 年 度 税 制 改 正 平 成 21 年 3 月 麻 生 内 閣 が 提 出 した 所 得 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 21 年 法 律 第 13 号 )( 以 下 平 成 21 年 度 税 制 改 正 法 という )が 成 立 した 同 法 附 則 第 104 条 第 1 項 では 平 成 20 年 度 を 含 む3 年 以 内 の 景 気 回 復 に 向 けた 集 中 的 な 取 組 によ り 経 済 状 況 を 好 転 させることを 前 提 として 遅 滞 なく かつ 段 階 的 に 消 費 税 を 含 む 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 を 行 うため 平 成 23 年 度 までに 必 要 な 法 制 上 の 措 置 を 講 ずるものと する と 規 定 された そして 同 条 第 3 項 では 第 1 項 の 措 置 を 講 じるに 当 たっての 検 討 の 基 本 的 方 向 性 が 示 され 自 動 車 関 係 諸 税 についての 項 目 も 盛 り 込 まれた 具 体 的 には 同 条 第 3 項 第 4 号 において 自 動 車 関 係 諸 税 については 簡 素 化 を 図 るとともに 厳 しい 財 政 事 情 環 境 に 与 える 影 響 等 を 踏 まえつつ 税 制 の 在 り 方 及 び 暫 定 税 率 ( 中 略 ) を 含 む 税 率 の 在 り 方 を 総 合 的 に 見 直 し 負 担 の 軽 減 を 検 討 すること と 規 定 された イ 税 制 抜 本 改 革 法 の 成 立 平 成 21 年 9 月 の 政 権 交 代 を 経 て 民 主 党 政 権 は 社 会 保 障 税 一 体 改 革 に 取 り 組 み 平 成 24 年 3 月 に 野 田 内 閣 から 提 出 された 税 制 抜 本 改 革 法 案 が 民 主 党 自 由 民 主 党 及 び 公 明 党 の3 党 による 修 正 協 議 を 経 て 同 年 8 月 に 成 立 した 車 体 課 税 については 同 法 第 7 条 において 自 動 車 取 得 税 及 び 自 動 車 重 量 税 につい ては 国 及 び 地 方 を 通 じた 関 連 税 制 の 在 り 方 の 見 直 しを 行 い 安 定 的 な 財 源 を 確 保 した 上 で 地 方 財 政 にも 配 慮 しつつ 簡 素 化 負 担 の 軽 減 及 びグリーン 化 ( 環 境 への 負 荷 の 低 減 に 資 するための 施 策 をいう )の 観 点 から 見 直 しを 行 う と 規 定 され 引 き 続 き 検 討 されることとなった また 見 直 しの 時 期 については 3 党 の 実 務 者 協 議 において 消 費 税 率 ( 国 地 方 )の8%への 引 上 げ 時 までに 結 論 を 得 ることとされた 6 ウ 平 成 25 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 平 成 25 年 1 月 24 日 自 由 民 主 党 公 明 党 )の 決 定 平 成 24 年 12 月 の 政 権 交 代 後 安 倍 内 閣 が 取 り 組 んだ 平 成 25 年 度 税 制 改 正 において は 自 動 車 取 得 税 について 消 費 税 増 税 時 までに 廃 止 を 求 める 経 済 産 業 省 自 動 車 業 界 と 代 替 財 源 が 確 保 されないままでの 廃 止 に 反 対 する 総 務 省 地 方 団 体 が 対 立 した 平 18
成 25 年 1 月 に 自 由 民 主 党 及 び 公 明 党 が 決 定 した 平 成 25 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 以 下 25 年 度 与 党 大 綱 という )においては 自 動 車 取 得 税 については 安 定 的 な 財 源 を 確 保 して 地 方 財 政 への 影 響 に 対 する 適 切 な 補 てん 措 置 を 講 じることを 前 提 に 地 方 団 体 の 意 見 を 踏 まえながら ( 中 略 ) 抜 本 的 な 改 革 を 行 うこととし 平 成 26 年 度 税 制 改 正 で 具 体 的 な 結 論 を 得 る とされた 具 体 的 な 方 向 性 としては 自 動 車 取 得 税 は 二 段 階 で 引 き 下 げ 消 費 税 10 %の 時 点 で 廃 止 する 消 費 税 8%の 段 階 では エコカー 減 税 の 拡 充 などグリーン 化 を 強 化 する 必 要 な 財 源 は 別 途 措 置 する 消 費 税 10 % 段 階 で 自 動 車 税 において 自 動 車 取 得 税 のグリーン 化 機 能 を 踏 まえつつ 一 層 のグリーン 化 の 維 持 強 化 及 び 安 定 的 な 財 源 確 保 の 観 点 から 地 域 の 自 主 性 自 立 性 を 高 めつつ 環 境 性 能 等 に 応 じた 課 税 を 実 施 することとし 他 に 確 保 した 安 定 的 な 財 源 と 合 わせて 地 方 財 政 へは 影 響 を 及 ぼさない との 方 針 が 示 された これに 対 し 地 方 六 団 体 は 地 方 の 重 要 税 源 として 不 可 欠 な 自 動 車 取 得 税 の 代 替 財 源 について 具 体 的 な 措 置 が 明 記 されなかったことは 誠 に 遺 憾 平 成 26 年 度 税 制 改 正 に 向 けた 検 討 に 当 たっては 地 方 団 体 の 意 見 を 十 分 踏 まえ 都 道 府 県 及 び 市 町 村 に 減 収 が 生 ずることのないよう 地 方 税 又 は 少 なくとも 地 方 譲 与 税 による 安 定 的 な 税 財 源 を 確 保 するべきであり この 措 置 が 同 時 に 実 施 されない 限 りは 自 動 車 取 得 税 は 廃 止 す るべきではないことを 強 く 求 める との 声 明 を 発 表 した 7 エ 平 成 26 年 度 税 制 改 正 に 向 けた 検 討 25 年 度 与 党 大 綱 において 示 された 車 体 課 税 の 見 直 しの 方 向 性 に 基 づいて 専 門 的 見 地 から 検 討 を 行 い 具 体 策 について 意 見 を 述 べるため 平 成 25 年 5 月 地 方 財 政 審 議 会 に 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 が 設 置 された 検 討 事 項 とされたのは 1 自 動 車 税 における 環 境 性 能 等 に 応 じた 課 税 の 具 体 的 な 制 度 設 計 2 自 動 車 取 得 税 の 代 替 財 源 ( 自 動 車 税 における 環 境 性 能 等 に 応 じた 課 税 のほか 国 及 び 地 方 を 通 じた 関 連 税 制 のあり 方 の 見 直 しを 行 い 確 保 できる 安 定 的 な 財 源 の 候 補 ) 及 び3 消 費 税 ( 国 地 方 )の 引 上 げ 時 期 やエコカー 減 税 の 期 限 ( 平 成 27 年 3 月 末 ) 等 を 踏 まえた 円 滑 な 移 行 のための 段 取 りの3 点 8 である 同 年 11 月 同 検 討 会 は 次 の 内 容 の 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 を 取 りまとめ 地 方 財 政 審 議 会 が 11 月 25 日 に 総 務 大 臣 に 提 出 した 意 見 旨 の 内 容 が 盛 り 込 まれた (ア) 環 境 性 能 等 に 応 じた 課 税 についての 提 案 9 にも 同 趣 課 税 のタイミング 及 び 方 法 に 係 る 各 3 案 を 提 示 し グリーン 化 機 能 が 最 も 強 いものと して 課 税 のタイミングについては 自 動 車 軽 自 動 車 についての 初 年 度 特 例 課 税 (First-Year-Rate:FYR) 又 は 環 境 性 能 割 を 導 入 して 購 入 時 に 課 税 を 実 施 する 案 を 評 価 した また 課 税 の 方 法 については 燃 費 値 及 び 取 得 価 額 をベースとして 課 税 す るが ( 中 略 ) 一 定 額 の 基 礎 的 な 控 除 を 導 入 する 案 を 評 価 した (イ) 車 体 課 税 に 関 するその 他 の 課 題 ( 自 動 車 取 得 税 の 代 替 財 源 の 確 保 等 )について 自 動 車 取 得 税 の 代 替 財 源 は 現 在 の 車 体 課 税 における 不 均 衡 の 是 正 により 相 当 程 度 の 確 保 が 可 能 として 自 動 車 税 について 営 業 用 自 動 車 の 税 率 引 上 げ 10 や 環 境 性 能 の 劣 る 19
自 動 車 に 対 する 重 課 強 化 等 を 軽 自 動 車 税 について 負 担 水 準 の 適 正 化 11 経 過 年 数 に よる 重 課 の 導 入 等 を 検 討 すべきとした また 原 動 機 付 自 転 車 に 係 る 軽 自 動 車 税 につい ては 徴 税 コストと 行 政 サービスの 受 益 に 見 合 った 税 率 水 準 への 適 正 化 を 提 言 した 12 (ウ) 円 滑 な 制 度 移 行 のための 経 過 措 置 等 について 平 成 25 年 10 月 に 与 党 が 取 りまとめた 民 間 投 資 活 性 化 等 のための 税 制 改 正 大 綱 13 において 消 費 税 率 引 上 げの 前 後 における 駆 け 込 み 需 要 及 び 反 動 減 の 緩 和 も 視 野 に 入 れ 自 動 車 取 得 税 を 見 直 すとされた これを 受 け 消 費 税 8% 段 階 の 自 動 車 取 得 税 につ いて 単 純 な 税 率 引 下 げではなく 14 現 在 の 免 税 点 に 加 え 一 定 の 燃 費 基 準 等 を 満 たし ている 自 動 車 への 基 礎 控 除 の 導 入 等 によるエコカー 減 税 の 拡 充 を 行 うことを 提 案 した 15 その 後 与 党 の 税 制 調 査 会 において 検 討 が 開 始 され 消 費 税 率 8% 段 階 の 自 動 車 取 得 税 について 一 定 の 燃 費 基 準 を 満 たすことを 条 件 に 60 万 ~ 100 万 円 を 課 税 対 象 から 差 し 引 く 基 礎 控 除 を 導 入 する 16 総 務 省 案 と 税 率 の 一 律 引 下 げを 求 める 経 済 産 業 省 案 のどちらを 採 用 するかについて 論 点 となった また 特 に 軽 自 動 車 税 の 税 率 引 上 げ 案 については 軽 自 動 車 メーカー 等 から 強 い 反 発 が 起 きた こうした 経 緯 を 経 て 前 述 のように 同 年 12 月 の 26 年 度 与 党 大 綱 の 取 りまとめ さ らに 政 府 の 平 成 26 年 度 税 制 改 正 の 大 綱 の 閣 議 決 定 を 経 て 本 法 律 案 に 車 体 課 税 の 見 直 しが 盛 り 込 まれた (4) 法 律 案 の 概 要 ( 車 体 課 税 部 分 ) ア 自 動 車 取 得 税 の 見 直 し( 対 象 は 平 成 26 年 4 月 1 日 以 後 に 取 得 される 自 動 車 ) (ア) 税 率 の 引 下 げ 自 動 車 取 得 税 の 税 率 ( 一 定 税 率 )を 次 のように 引 き 下 げる 自 家 用 自 動 車 ( 軽 自 動 車 を 除 く)は 5%( 現 行 )から3%に 引 下 げ 営 業 用 自 動 車 及 び 軽 自 動 車 は 3%( 現 行 )から2%に 引 下 げ 総 務 省 が 提 案 した 基 礎 控 除 を 導 入 する 案 は 自 動 車 業 界 等 が 求 めていた 税 率 を 一 律 に 3% 引 き 下 げる 案 と 比 較 して 低 価 格 車 ほど 税 負 担 が 減 ることから 低 所 得 層 にもメリ ットがある 17 地 方 財 政 への 影 響 も 少 ないとみられている 18 との 利 点 があったが 仕 組 みが 複 雑 過 ぎる 19 国 際 競 争 にさらされている 中 型 車 や 高 級 車 に 恩 恵 が 少 な い 20 との 批 判 を 受 けて 採 用 されなかった ただし 税 率 の 引 下 げ 幅 については 与 党 の 自 治 体 の 減 収 を 最 小 限 に 抑 える 必 要 がある 21 との 判 断 により 上 記 のとおりとされた (イ)いわゆる エコカー 減 税 の 拡 充 現 行 税 率 が 75 % 軽 減 されている 自 動 車 について は 軽 減 割 合 を 80 % に 50 % 軽 減 されている 自 動 車 については 軽 減 割 合 を 60 % に 拡 充 す る ( 図 表 3) 図 表 3 自 動 車 取 得 税 の エコカー 減 税 の 拡 充 ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 平 成 26 年 度 経 済 産 業 関 係 税 制 改 正 について 及 び 平 成 26 年 度 国 土 交 通 省 税 制 改 正 説 明 資 料 より 作 成
イ 自 動 車 税 の 見 直 し 排 出 ガス 性 能 及 び 燃 費 性 能 の 優 れた 環 境 負 荷 の 小 さい 自 動 車 は 税 率 を 軽 減 し 新 車 新 規 登 録 から 一 定 年 数 を 経 過 した 環 境 負 荷 の 大 きい 自 動 車 は 税 率 を 重 くする 特 例 措 置 (い わゆる 自 動 車 税 のグリーン 化 )の 期 限 は 平 成 25 年 度 末 までとなっていたが 基 準 の 切 替 えと 重 点 化 拡 充 を 行 った 上 で 2 年 延 長 する( 図 表 4) 図 表 4 自 動 車 税 のグリーン 化 特 例 の 延 長 拡 充 軽 課 ( 現 行 ) ( 改 正 案 ) 取 得 期 間 平 成 24 年 4 月 1 日 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 取 得 期 間 平 成 26 年 4 月 1 日 ~ 平 成 28 年 3 月 31 日 軽 課 年 度 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 ( 取 得 の 翌 年 度 分 のみ) 軽 課 年 度 平 成 27 年 度 平 成 28 年 度 ( 取 得 の 翌 年 度 分 のみ) 対 象 車 内 容 対 象 車 内 容 電 気 自 動 車 燃 料 電 池 自 動 車 プラグイン ハイブリッド 自 動 車 天 然 ガス 自 動 車 電 気 自 動 車 燃 料 電 池 自 動 車 プラグイン ハイブリッド 自 動 車 天 然 ガス 自 動 車 クリーンディーゼル 車 概 ね 75% 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 +20% 達 成 概 ね 50% 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 +20% 達 成 ( 平 成 32 年 度 燃 費 基 準 達 成 ) 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 +20% 達 成 ( 平 成 32 年 度 燃 費 基 準 未 達 成 ) 概 ね 50% 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 +10% 達 成 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 +10% 達 成 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 達 成 概 ね 25% 平 成 27 年 度 燃 費 基 準 達 成 廃 止 重 課 ( 現 行 ) ( 改 正 案 ) 取 得 期 間 平 成 24 年 4 月 1 日 ~ 平 成 26 年 3 月 31 日 重 課 年 度 平 成 25 年 度 平 成 26 年 度 ( 対 象 車 に 該 当 することとなった 翌 年 度 から 毎 年 度 ) 対 象 車 内 容 対 象 車 内 容 新 車 新 規 登 録 から11 年 を 超 えている ディーゼル 車 取 得 期 間 平 成 26 年 4 月 1 日 ~ 平 成 28 年 3 月 31 日 重 課 年 度 平 成 27 年 度 平 成 28 年 度 ( 対 象 車 に 該 当 することとなった 翌 年 度 から 毎 年 度 ) 新 車 新 規 登 録 から11 年 を 超 えている ディーゼル 車 除 外 : 電 気 自 動 車 天 然 ガス 自 動 車 メタノール 自 動 車 ガソリンハイブリッド 自 動 車 一 般 乗 合 用 バス 被 けん 引 車 概 ね+10% 除 外 : 電 気 自 動 車 天 然 ガス 自 動 車 メタノール 自 動 車 ガソリンハイブリッド 自 動 車 一 般 乗 合 用 バス 被 けん 引 車 概 ね+15% 新 車 新 規 登 録 から13 年 を 超 えている ガソリン 車 ( 又 はLPG 車 ) 新 車 新 規 登 録 から13 年 を 超 えている ガソリン 車 ( 又 はLPG 車 ) ( 注 )バス( 一 般 乗 合 用 を 除 く) 及 びトラック( 被 けん 引 車 を 除 く)については 現 行 の 重 課 割 合 ( 概 ね10% 重 課 ) のまま 据 え 置 き ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 平 成 26 年 度 経 済 産 業 関 係 税 制 改 正 について 及 び 平 成 26 年 度 国 土 交 通 省 税 制 改 正 説 明 資 料 より 作 成 ウ 軽 自 動 車 税 の 見 直 し( 図 表 5) (ア) 軽 四 輪 車 等 及 び 小 型 特 殊 自 動 車 に 係 る 税 率 の 引 上 げ 軽 四 輪 車 等 及 び 小 型 特 殊 自 動 車 の 標 準 税 率 を 平 成 27 年 度 分 から 自 家 用 乗 用 車 は 21
1.5 倍 に その 他 は 約 1.25 倍 22 に 引 き 上 げる なお 軽 四 輪 車 等 については 平 成 27 年 4 月 1 日 以 後 に 最 初 の 新 規 検 査 を 受 けるものから 新 税 率 を 適 用 する (イ) 経 年 車 の 重 課 グリーン 化 を 進 める 観 点 から 最 初 の 新 規 検 査 から 13 年 を 経 過 した 軽 四 輪 車 等 につ いて 平 成 28 年 度 分 から 標 準 税 率 のおおむね 20 %の 重 課 を 導 入 する (ウ) 原 動 機 付 自 転 車 二 輪 の 軽 自 動 車 等 及 び 二 輪 の 小 型 自 動 車 に 係 る 税 率 の 引 上 げ これらの 車 種 については 新 車 既 存 車 を 問 わず 平 成 27 年 度 分 から 標 準 税 率 を 約 1.5 倍 に 引 き 上 げる(2,000 円 未 満 の 税 率 の 場 合 は 最 低 2,000 円 に 引 上 げ) 図 表 5 軽 自 動 車 税 の 見 直 し ( 出 所 ) 総 務 省 地 方 税 法 等 の 一 部 を 改 正 する 法 律 案 の 概 要 別 紙 (5) 主 な 論 点 消 費 税 率 が8%へ 引 き 上 げられる 平 成 26 年 度 ( 初 年 度 )に 見 込 まれている 自 動 車 取 得 税 の 900 億 円 の 減 収 ( 税 率 引 下 げ 分 及 びエコカー 減 税 の 拡 充 分 の 合 計 )は 後 年 度 の 自 動 車 税 及 び 軽 自 動 車 税 の 増 税 に 先 行 するため 地 方 財 政 への 影 響 を 注 視 していく 必 要 がある 軽 自 動 車 の 増 税 については 使 っている 人 は 低 所 得 者 層 も 多 く 弱 い 者 いじめだ 23 と の 意 見 や 軽 自 動 車 は 公 共 交 通 機 関 が 衰 退 した 地 方 を 中 心 に 生 活 の 足 として 重 宝 され ている 一 家 で 複 数 台 所 有 している 家 庭 も 珍 しくなく 税 額 が 上 がれば 日 常 生 活 に 影 響 が 出 るのは 必 至 だ 24 との 指 摘 があり 消 費 税 率 引 上 げの 影 響 と 併 せ 国 民 生 活 に 与 える 影 響 が 懸 念 される また 軽 自 動 車 税 の 税 率 の 引 上 げ 後 に 高 齢 者 や 女 性 など 軽 自 動 車 の 主 な 顧 客 層 を 中 心 に 買 い 控 えが 起 きるのでは 25 との 声 もあり 期 待 される 税 収 増 の 効 果 が 得 られるのか 懸 念 される 加 えて 自 動 車 取 得 税 の 廃 止 に 伴 う 代 替 財 源 を 軽 自 動 車 税 の 増 税 に 求 めたことに 対 しては 取 りやすいところから 取 る 印 象 が 強 い 26 との 批 判 がある 22
さらに 26 年 度 与 党 大 綱 では 消 費 税 率 10 % 段 階 で 25 年 度 与 党 大 綱 を 踏 まえ 自 動 車 取 得 税 のグリーン 化 機 能 を 維 持 強 化 する 環 境 性 能 課 税 ( 環 境 性 能 割 )を 自 動 車 税 の 取 得 時 の 課 税 として 実 施 する 方 針 を 打 ち 出 しているが 同 方 針 に 対 しては 取 得 税 を 廃 止 して 取 得 税 によく 似 た 新 たなしくみをつくる というわかりにくい 中 身 になってい る 27 と 批 判 されている これは 25 年 度 与 党 大 綱 で 安 定 的 な 財 源 を 確 保 し グリーン 化 も 進 めるという 矛 盾 した 見 直 し 目 標 を 盛 り 込 んだ 28 ことに 起 因 するものであり 両 者 の 目 的 を 達 成 しつつ これまで 目 指 してきた 方 向 性 である 簡 素 化 に 資 する 制 度 を 構 築 でき るのか 平 成 27 年 度 税 制 改 正 で 得 られる 具 体 的 結 論 が 注 目 される また 26 年 度 与 党 大 綱 において 今 後 軽 自 動 車 税 の 軽 課 を 検 討 することとされているが 軽 課 の 実 施 はグリ ーン 化 の 推 進 及 びユーザーの 負 担 軽 減 の 両 面 で 効 果 的 ではないかと 考 えられることから 制 度 設 計 を 注 視 していく 必 要 がある 3. 地 方 法 人 課 税 の 見 直 し (1) 地 方 法 人 課 税 の 現 状 現 在 地 方 法 人 課 税 として 都 道 府 県 が 法 人 住 民 税 及 び 法 人 事 業 税 ( 以 下 地 方 法 人 二 税 という )を 市 町 村 が 法 人 住 民 税 を 課 している 平 成 25 年 度 における 税 収 見 込 額 は 法 人 住 民 税 が 都 道 府 県 及 び 市 町 村 の 合 計 で2 兆 4,636 億 円 法 人 事 業 税 が4 兆 1,074 億 円 (うち 地 方 法 人 特 別 譲 与 税 1 兆 7,643 億 円 )である( 図 表 6) 法 人 住 民 税 は 資 本 金 等 の 額 等 に 応 じて 定 額 の 税 率 が 定 められている 均 等 割 と 法 人 税 額 を 課 税 標 準 とする 法 人 税 割 から 成 る また 法 人 事 業 税 は 法 人 が 行 う 事 業 を 課 税 客 体 として 法 人 の 所 得 等 に 応 じた 税 率 が 定 められている 図 表 6 法 人 課 税 の 概 要 ( 出 所 ) 平 成 25 年 度 第 4 回 税 制 調 査 会 資 料 総 務 省 説 明 資 料 地 方 法 人 課 税 の 在 り 方 ( 平 25.12.2) 23
地 方 法 人 二 税 は 極 めて 偏 在 度 が 高 い 税 目 であり 地 方 法 人 二 税 の 人 口 一 人 当 たりの 税 収 額 は 最 大 の 東 京 都 と 最 小 の 奈 良 県 で 格 差 が 5.3 倍 ( 平 成 23 年 度 決 算 額 )となってい る また 法 人 事 業 税 及 び 法 人 住 民 税 法 人 税 割 は 税 収 の 年 度 間 の 変 動 も 大 きい (2) 見 直 しに 係 る 経 緯 ア 地 方 法 人 特 別 税 及 び 地 方 法 人 特 別 譲 与 税 制 度 の 創 設 福 田 内 閣 による 平 成 20 年 度 税 制 改 正 においては 地 方 法 人 二 税 の 税 収 の 急 速 な 回 復 による 地 域 間 の 財 政 力 格 差 の 拡 大 を 背 景 として 地 方 税 の 偏 在 是 正 が 重 要 課 題 とされた 具 体 的 な 是 正 策 として 総 務 省 が 税 源 交 換 ( 偏 在 度 の 小 さい 地 方 消 費 税 と 偏 在 度 の 大 きい 地 方 法 人 二 税 の 交 換 )を 提 案 した 一 方 財 務 省 は 地 方 団 体 間 の 水 平 的 調 整 で 対 応 す べきで 偏 在 の 最 大 要 因 である 地 方 法 人 二 税 の 配 分 の 見 直 しが 最 も 効 果 的 と 提 案 した 29 結 果 的 に 税 源 交 換 は 実 現 に 至 らなかったが 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 において 偏 在 性 の 小 さい 地 方 税 体 系 の 構 築 が 行 われるまでの 間 の 措 置 30 として 法 人 事 業 税 ( 所 得 割 収 入 割 )の 一 部 ( 地 方 消 費 税 1%に 相 当 する 2.6 兆 円 分 )を 分 離 して 地 方 法 人 特 別 税 ( 国 税 )とし その 税 収 を 地 方 法 人 特 別 譲 与 税 として 人 口 及 び 従 業 者 数 を 基 準 に 都 道 府 県 に 譲 与 するものである 地 方 法 人 特 別 税 譲 与 税 が 創 設 された イ 税 制 抜 本 改 革 法 の 成 立 前 述 の 平 成 21 年 度 税 制 改 正 法 は 附 則 第 104 条 第 3 項 第 7 号 で 地 方 税 制 について は 地 方 分 権 の 推 進 及 び 国 と 地 方 を 通 じた 社 会 保 障 制 度 の 安 定 財 源 の 確 保 の 観 点 から 地 方 消 費 税 の 充 実 を 検 討 するとともに 地 方 法 人 課 税 の 在 り 方 を 見 直 すことにより 税 源 の 偏 在 性 が 小 さく 税 収 が 安 定 的 な 地 方 税 体 系 の 構 築 を 進 めること と 規 定 した さらに 平 成 24 年 8 月 に 税 制 抜 本 改 革 法 が 成 立 した 同 法 第 7 条 第 5 号 でも 地 方 税 制 についての 検 討 の 基 本 的 方 向 性 が 示 され 地 方 法 人 特 別 税 及 び 地 方 法 人 特 別 譲 与 税 について 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 において 偏 在 性 の 小 さい 地 方 税 体 系 の 構 築 が 行 われるま での 間 の 措 置 であることを 踏 まえ 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 に 併 せて 抜 本 的 に 見 直 しを 行 う 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 による 地 方 消 費 税 の 充 実 と 併 せて 地 方 法 人 課 税 の 在 り 方 を 見 直 すことにより 税 源 の 偏 在 性 を 是 正 する 方 策 を 講 ずることとし その 際 には 国 と 地 方 の 税 制 全 体 を 通 じて 幅 広 く 検 討 する とされた ウ 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 に 関 する 検 討 会 における 検 討 税 制 抜 本 改 革 法 を 踏 まえ 平 成 26 年 4 月 の 第 一 段 階 の 消 費 税 率 ( 国 地 方 )の 引 上 げの 施 行 前 に 見 直 しの 内 容 を 明 らかにするため 平 成 24 年 9 月 地 方 財 政 審 議 会 に 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 に 関 する 検 討 会 が 設 置 され 地 方 法 人 特 別 税 の 抜 本 的 見 直 しや 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 について 検 討 が 行 われた 同 検 討 会 は 平 成 25 年 11 月 に 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 に 関 する 検 討 会 報 告 書 を 取 りまとめた 同 報 告 書 では 地 方 消 費 税 率 の 引 上 げにより 地 方 交 付 税 の 交 付 団 体 では 社 会 保 障 税 一 体 改 革 に 伴 う 社 会 保 障 関 係 費 の 支 出 増 を 上 回 る 地 方 消 費 税 の 増 収 分 が 臨 時 財 政 対 策 債 等 の 減 少 と 相 殺 される 一 方 で 不 交 付 団 体 ではそのまま 財 源 超 過 額 の 増 となり 不 交 付 団 体 と 交 付 団 体 間 の 財 政 力 格 差 が 拡 大 することから 偏 在 是 正 措 置 が 必 要 であるとして 法 人 事 業 税 よ 24
りも 偏 在 性 が 大 きく また 国 の 法 人 税 と 課 税 ベースの 共 通 性 の 高 い 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 地 方 交 付 税 原 資 化 を 図 ることを 検 討 すべきとの 考 え 方 を 示 した さらに 前 述 の 地 方 財 政 審 議 会 が 11 月 25 日 に 総 務 大 臣 に 提 出 した 意 見 にも 同 趣 旨 の 内 容 が 盛 り 込 まれた 図 表 7 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 に 関 する 検 討 会 報 告 書 の 概 要 ( 出 所 ) 地 方 法 人 課 税 のあり 方 等 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 概 要 ) ( 平 25.11) エ 見 直 し 案 に 対 する 都 市 部 の 反 対 意 見 法 人 事 業 税 の 一 部 が 地 方 法 人 特 別 税 として 既 に 国 税 化 されているにもかかわらず 更 に 法 人 住 民 税 についても 一 部 を 地 方 交 付 税 の 原 資 とすることを 提 案 した 検 討 会 の 見 直 し 案 に 対 しては 税 収 の 多 い 都 市 部 の 地 方 団 体 から 強 い 反 対 の 声 が 上 がった 東 京 都 神 奈 川 県 愛 知 県 大 阪 府 の4 都 府 県 は 11 月 15 日 総 務 省 に 対 し 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しに 関 する 緊 急 共 同 要 請 を 実 施 31 し 1 法 人 事 業 税 の 暫 定 措 置 を 平 成 26 年 度 税 制 改 正 において 確 実 に 撤 廃 し 地 方 税 として 復 元 すること 2 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 一 部 国 税 化 を 行 わないこと を 求 めた 見 直 し 案 に 反 対 の 理 由 としては 受 益 と 負 担 という 税 負 担 の 原 則 に 反 し 地 方 分 権 改 革 の 流 れに 全 く 逆 行 する 地 方 の 企 業 誘 致 地 域 経 済 活 性 化 へのインセンティブを 損 ない 地 方 の 自 主 的 な 努 力 を 阻 害 する ことを 挙 げた また 指 定 都 市 市 長 会 も 11 月 21 日 に 自 由 民 主 党 公 明 党 税 制 調 査 会 役 員 等 に 対 して 25
行 った 平 成 26 年 度 税 制 改 正 に 関 する 指 定 都 市 市 長 会 緊 急 要 請 32 において 法 人 住 民 税 は 地 域 の 構 成 員 である 法 人 が 市 町 村 から 産 業 集 積 に 伴 う 社 会 資 本 整 備 などの 行 政 サービスの 提 供 を 受 けていることに 対 する 応 益 負 担 であり 市 町 村 の 基 幹 税 目 として 重 要 な 役 割 を 果 たしている として 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 一 部 国 税 化 に 反 対 した オ 26 年 度 与 党 大 綱 の 決 定 報 告 書 等 を 踏 まえ 議 論 が 行 われた 結 果 26 年 度 与 党 大 綱 において 消 費 税 率 8% 段 階 において 地 域 間 の 税 源 の 偏 在 性 を 是 正 し 財 政 力 格 差 の 縮 小 を 図 るため 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 税 率 を 引 き 下 げるとともに 当 該 引 下 げ 分 に 相 当 する 課 税 標 準 を 法 人 税 額 とする 地 方 法 人 税 ( 仮 称 )を 創 設 して その 税 収 全 額 を 交 付 税 及 び 譲 与 税 配 付 金 特 別 会 計 に 直 接 繰 り 入 れ 地 方 交 付 税 原 資 とする なお この 偏 在 是 正 により 生 じる 財 源 ( 不 交 付 団 体 の 減 収 分 )を 活 用 して 地 方 財 政 計 画 に 歳 出 を 計 上 する また 地 方 法 人 特 別 税 譲 与 税 の 規 模 を 縮 小 し 法 人 事 業 税 に 復 元 する との 見 直 しの 方 向 性 が 決 定 された この 方 針 は 前 述 のとおり 政 府 の 平 成 26 年 度 税 制 改 正 の 大 綱 の 閣 議 決 定 を 経 て 本 法 律 案 に 盛 り 込 まれた (3) 法 律 案 の 概 要 ( 地 方 法 人 課 税 部 分 ) ア 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 税 率 の 引 下 げ 地 域 間 の 税 源 の 偏 在 性 を 是 正 し 財 政 力 格 差 の 縮 小 を 図 るため 消 費 税 率 ( 国 地 方 )8% 段 階 において 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 税 率 を 次 のように 引 き 下 げる([ ] 内 は 制 限 税 率 ) 道 府 県 民 税 : 5.0 % [ 6.0 %] 3.2 %( 1.8 %)[ 4.2 %] 市 町 村 民 税 :12.3 % [14.7 %] 9.7 %( 2.6 %)[12.1 %] これにより 都 道 府 県 分 及 び 市 町 村 分 を 合 わせて 4.4 % 税 率 を 引 き 下 げることになる なお 税 率 引 下 げ 相 当 分 については 各 事 業 年 度 の 所 得 に 対 する 法 人 税 の 額 を 課 税 標 準 とする 地 方 法 人 税 ( 税 率 4.4 %)を 国 税 として 創 設 する 33 その 税 収 は 全 額 交 付 税 及 び 譲 与 税 配 付 金 特 別 会 計 に 繰 り 入 れ 地 方 交 付 税 原 資 とする イ 地 方 法 人 特 別 税 の 規 模 の 縮 小 ( 法 人 事 業 税 への 復 元 ) 地 方 法 人 特 別 税 の 税 率 を 引 き 下 げることにより 地 方 法 人 特 別 税 の 規 模 を3 分 の1 縮 小 し 法 人 事 業 税 に 復 元 する( 地 方 法 人 特 別 税 等 に 関 する 暫 定 措 置 法 を 改 正 ) ア イの 改 正 は 平 成 26 年 10 月 1 日 以 後 に 開 始 する 事 業 年 度 から 適 用 する (4) 主 な 論 点 26 年 度 与 党 大 綱 においては 消 費 税 率 10 % 段 階 においては 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 地 方 交 付 税 原 資 化 をさらに 進 める また 地 方 法 人 特 別 税 譲 与 税 を 廃 止 するとともに 現 行 制 度 の 意 義 や 効 果 を 踏 まえて 他 の 偏 在 是 正 措 置 を 講 ずるなど 関 係 する 制 度 について 幅 広 く 検 討 を 行 う との 方 針 が 示 されている そのため 新 たに 地 方 交 付 税 の 原 資 となる 法 人 住 民 税 法 人 税 割 の 規 模 や 地 方 法 人 特 別 税 譲 与 税 制 度 に 代 わる 実 効 的 な 偏 在 是 正 策 をど のように 構 築 していくのかについて 議 論 の 進 捗 が 注 目 される 26
図 表 8 地 方 法 人 課 税 における 偏 在 性 是 正 措 置 ( 出 所 ) 平 成 26 年 度 経 済 産 業 関 係 税 制 改 正 について ( 平 25.12)( 経 済 産 業 省 ) しかし 法 人 住 民 税 法 人 税 割 を 一 部 国 税 化 して 地 方 交 付 税 として 再 配 分 する 今 回 の 措 置 は 国 から 地 方 への 税 源 移 譲 の 流 れに 逆 行 するもので 受 益 と 負 担 の 関 係 に 反 し また 真 の 分 権 型 社 会 の 実 現 の 趣 旨 にも 反 する 34 との 批 判 を 免 れることができない 側 面 がある ことに 鑑 みれば 引 き 続 き 地 方 に 税 源 を 移 譲 する 改 革 を 継 続 する 必 要 がある また 今 回 の 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しが 実 質 的 な 効 果 を 発 揮 し 始 めるのは 平 成 27 年 度 か らであり 同 年 度 の 地 方 財 政 計 画 において 偏 在 是 正 により 生 じる 財 源 の 取 扱 いがどうな るかも 注 視 していく 必 要 がある 4.その 他 の 主 な 改 正 事 項 本 法 律 案 において 車 体 課 税 及 び 地 方 法 人 課 税 の 見 直 し 以 外 の 主 な 改 正 事 項 は 次 のとお りである (1) 復 興 支 援 のための 税 制 上 の 措 置 東 日 本 大 震 災 に 係 る 津 波 により 甚 大 な 被 害 を 受 けた 区 域 のうち 市 町 村 長 が 指 定 公 示 した 区 域 内 に 所 在 する 土 地 及 び 家 屋 ( 使 用 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 して 課 税 することが 適 当 と 認 める 土 地 及 び 家 屋 を 除 く )について 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 の 課 税 免 除 又 は2 分 の1 減 額 課 税 措 置 を1 年 延 長 する 27
(2) 主 な 税 負 担 軽 減 措 置 等 ア 新 築 住 宅 に 係 る 固 定 資 産 税 の 税 額 の 減 額 措 置 の 適 用 期 限 の 延 長 一 定 の 要 件 を 満 たす 新 築 住 宅 及 び 新 築 の 認 定 長 期 優 良 住 宅 に 対 して 課 する 固 定 資 産 税 を 一 定 期 間 2 分 の1に 減 額 する 措 置 について その 対 象 資 産 の 新 築 期 限 を2 年 ( 平 成 28 年 3 月 31 日 まで) 延 長 する イ 耐 震 改 修 が 行 われた 既 存 建 築 物 に 係 る 固 定 資 産 税 の 税 額 の 減 額 措 置 の 創 設 平 成 25 年 の 耐 震 改 修 促 進 法 35 の 改 正 に 伴 い 耐 震 診 断 を 義 務 付 けられ その 結 果 が 所 管 行 政 庁 に 報 告 された 家 屋 ( 一 部 を 除 く)について 政 府 の 補 助 を 受 けて 平 成 26 年 4 月 1 日 から 平 成 29 年 3 月 31 日 までの 間 に 現 行 の 耐 震 基 準 に 適 合 させるよう 改 修 工 事 を 行 った 場 合 において その 旨 を 市 町 村 に 申 告 したものに 限 り 改 修 工 事 が 完 了 した 年 の 翌 年 度 から2 年 度 分 の 当 該 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 の 税 額 を2 分 の1 減 額 する ウ 国 家 戦 略 特 区 法 に 基 づく 中 核 事 業 のうち 医 療 分 野 における 収 益 性 の 低 い 研 究 開 発 の 用 に 供 する 設 備 等 に 係 る 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 の 特 例 措 置 の 創 設 国 家 戦 略 特 別 区 域 法 に 基 づく 特 定 中 核 事 業 のうち 医 療 分 野 における 一 定 の 研 究 開 発 に 関 する 事 業 の 実 施 主 体 として 同 法 の 認 定 区 域 計 画 に 定 められた 者 が 国 家 戦 略 特 別 区 域 内 において 取 得 した 当 該 研 究 開 発 の 用 に 供 する 一 定 の 設 備 等 に 係 る 固 定 資 産 税 について 課 税 標 準 を 最 初 の3 年 間 価 格 の2 分 の1とする 措 置 を 平 成 28 年 3 月 31 日 まで 講 ずる エ 公 害 防 止 施 設 設 備 に 係 る 固 定 資 産 税 の 特 例 措 置 等 へのわがまち 特 例 の 導 入 固 定 資 産 税 の 課 税 標 準 の 特 例 が 適 用 される 公 共 の 危 害 防 止 のために 設 置 された 施 設 又 は 設 備 について 対 象 資 産 を 一 部 見 直 し 一 部 わがまち 特 例 資 産 の 取 得 期 限 を 平 成 28 年 3 月 31 日 まで 延 長 する 36 を 導 入 した 上 その 対 象 (3)その 他 航 空 機 燃 料 譲 与 税 に 係 る 譲 与 基 準 について 騒 音 世 帯 数 割 の 算 定 に 用 いられる 航 空 機 騒 音 の 評 価 指 標 が 変 更 されたことに 伴 い 航 空 機 燃 料 譲 与 税 については 2 分 の1( 現 行 3 分 の1)の 額 を 着 陸 料 の 収 入 額 で 他 の2 分 の1( 現 行 3 分 の2)の 額 を 騒 音 地 区 内 の 世 帯 数 で 按 分 することとする 等 の 見 直 しを 行 う( 航 空 機 燃 料 譲 与 税 法 を 改 正 ) 37 5.おわりに 車 体 課 税 及 び 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しについては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 に 向 けて 引 き 続 き 議 論 が 行 われることとなる 車 体 課 税 の 見 直 しについては 環 境 性 能 に 配 慮 した 自 動 車 の 技 術 開 発 の 進 展 に 伴 う 新 たな 枠 組 みに 対 応 した 税 制 の 整 備 が 喫 緊 の 課 題 である 地 球 温 暖 化 対 策 の 更 なる 推 進 につながり 得 る グリーン 化 がより 効 果 的 に 発 揮 されるとともに 制 度 趣 旨 について 国 民 の 理 解 を 得 られ かつ 地 方 財 源 の 安 定 的 な 確 保 に 資 するような 税 制 が 構 築 されることが 望 まれる また 地 方 法 人 課 税 の 見 直 しについては 地 方 消 費 税 率 の 引 き 上 げは 地 方 税 収 の 充 実 強 化 の 大 目 標 に 適 う 成 果 であるが それに 伴 う 偏 在 是 正 の 措 置 では 厳 しい 利 害 対 立 に 直 28
面 する 38 という 矛 盾 を 抱 えつつ 偏 在 是 正 策 を 講 じていく 必 要 に 迫 られている 偏 在 性 が 小 さく 税 収 が 安 定 的 な 地 方 税 体 系 の 構 築 の 実 現 に 向 けて 今 後 もより 充 実 した 議 論 が 続 けられることが 期 待 される 参 考 文 献 地 方 財 務 協 会 編 月 刊 地 方 税 別 冊 改 正 地 方 税 制 詳 解 ( 平 成 24 年 ) ( 地 方 財 務 協 会 平 成 24 年 ) 地 方 財 務 協 会 編 月 刊 地 方 税 別 冊 改 正 地 方 税 制 詳 解 ( 平 成 25 年 ) ( 地 方 財 務 協 会 平 成 25 年 ) 高 見 富 二 男 平 成 26 年 度 税 制 改 正 の 概 要 -デフレ 脱 却 経 済 再 生 の 実 現 と 税 制 抜 本 改 革 の 着 実 な 実 施 - 立 法 と 調 査 349( 平 26.2) 安 藤 範 行 歳 出 特 別 枠 別 枠 加 算 の 見 直 しと 地 方 法 人 税 の 交 付 税 原 資 化 - 平 成 26 年 度 地 方 財 政 対 策 - 立 法 と 調 査 349( 平 26.2) (ほし ゆか) 1 社 会 保 障 の 安 定 財 源 の 確 保 等 を 図 る 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 を 行 うための 消 費 税 法 の 一 部 を 改 正 する 等 の 法 律 ( 平 成 24 年 法 律 第 68 号 ) なお 地 方 消 費 税 率 の 引 上 げ 等 を 内 容 とする 社 会 保 障 の 安 定 財 源 の 確 保 等 を 図 る 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 を 行 うための 地 方 税 法 及 び 地 方 交 付 税 法 の 一 部 を 改 正 する 法 律 ( 平 成 24 年 法 律 第 69 号 )も 同 時 に 成 立 した 2 消 費 税 率 及 び 地 方 消 費 税 率 の 引 上 げとそれに 伴 う 対 応 について ( 平 25.10.1 閣 議 決 定 ) 3 権 利 の 取 得 移 転 に 担 税 力 を 認 めて 課 される 流 通 税 であるとともに 自 動 車 の 取 得 が 一 種 の 資 産 形 成 とし ての 性 格 を 有 することにも 着 目 して 課 される 税 とされているほか 自 動 車 の 取 得 者 が 自 動 車 がもたらす 交 通 事 故 CO2 排 出 公 害 騒 音 等 の 社 会 的 費 用 に 対 応 して 地 方 自 治 体 が 提 供 する 行 政 サービスから 便 益 を 受 けることに 着 目 して 課 される 税 であるとされている 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)13 頁 4 財 産 税 的 性 格 と 道 路 損 傷 負 担 金 的 性 格 を 併 せ 持 つ 税 であるとともに 近 年 は 環 境 性 能 に 応 じた 初 年 度 軽 課 後 年 度 重 課 が 特 例 措 置 として 講 じられるなど 環 境 損 傷 負 担 金 的 性 格 も 併 せ 持 つ とされている 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)13 頁 5 自 動 車 税 と 同 様 に 財 産 税 的 性 格 道 路 損 傷 負 担 金 的 性 格 及 び 環 境 損 傷 負 担 金 的 性 格 の3つの 性 格 を 併 せ 持 つ 税 とされている 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)14 頁 6 税 関 係 協 議 結 果 ( 平 24.6.15) 民 主 党 ウェブサイト<http://www.dpj.or.jp/download/7219.pdf> 7 平 成 25 年 度 与 党 税 制 改 正 大 綱 について ( 平 25.1.24)( 地 方 六 団 体 ) 全 国 知 事 会 ウェブサイト<http://www.nga.gr.jp/news/H25.1.24%20yotouzeiseikaiseitaikou.pdf> 8 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)3~4 頁 9 平 成 26 年 度 地 方 税 制 改 正 等 に 関 する 地 方 財 政 審 議 会 意 見 ( 平 25.11.22)( 地 方 財 政 審 議 会 ) 10 自 動 車 税 における 営 業 用 自 動 車 と 自 家 用 自 動 車 の 関 係 ( 営 自 格 差 )については ( 中 略 ) 現 在 の 約 3 倍 の 格 差 は 合 理 性 を 欠 いていると 考 えられる とされた 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)28 頁 11 報 告 書 では 軽 自 動 車 税 の 負 担 水 準 の 適 正 化 を 検 討 すべき 理 由 として 軽 自 動 車 と 小 型 自 動 車 の 差 異 ( 価 格 車 両 重 量 等 )が 縮 まっている 現 状 のほか 1,000cc 以 下 の 自 動 車 税 と2 万 円 以 上 の 格 差 があるのは 軽 自 動 車 の 特 殊 性 を 考 慮 したとしても バランスを 欠 いていると 考 えられること 地 方 団 体 からは ( 中 略 ) 軽 自 29
動 車 の 大 型 化 高 性 能 化 及 び 自 動 車 税 との 負 担 の 均 衡 等 を 考 慮 し 税 率 を 引 き 上 げること 等 の 要 望 が 出 されて いること 等 が 挙 げられた 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)30 頁 12 理 由 として 徴 税 効 率 が 極 めて 悪 い 現 状 に 鑑 みて 地 方 団 体 から 標 準 税 率 について 早 急 に 適 切 な 見 直 しを 図 る ことを 要 請 されていることを 挙 げている 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)31 頁 13 消 費 税 率 引 上 げに 伴 う 経 済 対 策 と 総 合 的 な 成 長 力 強 化 策 の 必 要 性 から 民 間 投 資 活 性 化 のための 税 制 措 置 等 を 通 常 の 年 度 改 正 から 切 り 離 し 前 倒 しする 形 で 取 りまとめられた 14 関 連 業 界 からは 消 費 税 が8%に 引 き 上 げられる 段 階 において 自 動 車 取 得 税 の 税 率 を3% 引 き 下 げるこ とが 要 望 されているが 単 純 な 税 率 引 下 げは 現 在 エコカー 減 税 が 適 用 されていない 環 境 性 能 に 劣 る 自 動 車 の 取 得 時 の 負 担 を 一 律 に 引 き 下 げる 効 果 を 持 つものであり 環 境 インセンティブの 面 から 問 題 がある また 税 率 の 引 下 げは その 効 果 が 高 額 の 自 動 車 ほど 大 きいことにも 留 意 すべきである ( 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)33 頁 )と 指 摘 された 15 この 手 法 によれば 基 礎 控 除 額 未 満 の 低 価 格 の 自 動 車 の 場 合 消 費 税 率 の 引 上 げ 後 の 方 が 税 負 担 が 軽 減 されることになる ( 自 動 車 関 係 税 制 のあり 方 に 関 する 検 討 会 報 告 書 ( 平 25.11)33 頁 )とされる 16 毎 日 新 聞 ( 平 25.11.29) 17 毎 日 新 聞 ( 平 25.11.29) 18 産 経 新 聞 ( 平 25.11.29) なお 同 記 事 において 総 務 省 案 による 税 収 減 は 500 億 ~ 900 億 円 経 産 省 案 は 1200 億 円 とされている 19 産 経 新 聞 ( 平 25.11.29) 20 朝 日 新 聞 夕 刊 ( 平 25.12.10) 21 読 売 新 聞 ( 平 25.12.11) 22 農 業 者 や 中 小 企 業 者 等 の 負 担 を 考 慮 し 引 上 げ 幅 が 抑 制 されている 平 成 26 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 平 25.12.12)( 自 由 民 主 党 公 明 党 )5 頁 23 読 売 新 聞 ( 平 25.11.6) 24 産 経 新 聞 ( 平 25.11.10) 25 日 経 産 業 新 聞 ( 平 26.1.24) 26 毎 日 新 聞 ( 平 25.12.17) 27 日 本 経 済 新 聞 ( 平 25.11.29) 28 日 本 経 済 新 聞 ( 平 25.11.29) 29 平 成 19 年 第 26 回 経 済 財 政 諮 問 会 議 ( 平 19.11.8) 30 地 方 法 人 特 別 税 等 に 関 する 暫 定 措 置 法 ( 平 成 20 年 法 律 第 25 号 ) 第 1 条 31 東 京 都 ウェブサイト<http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/11/20nbe300.htm> 32 指 定 都 市 市 長 会 ウェブサイト<http://www.siteitosi.jp/activity/pdf/h25_11_21_01_01.pdf> 33 地 方 法 人 税 を 創 設 するための 地 方 法 人 税 法 案 ( 閣 法 第 8 号 )が 第 186 回 国 会 に 提 出 されている 34 平 成 26 年 度 税 制 改 正 に 関 する 指 定 都 市 市 長 会 緊 急 要 請 ( 脚 注 32 参 照 ) 35 建 築 物 の 耐 震 改 修 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 7 年 法 律 第 123 号 ) 36 地 方 税 の 特 例 措 置 について 国 が 一 律 に 定 めていた 内 容 を 地 方 自 治 体 が 自 主 的 に 判 断 し 条 例 で 決 定 できる ようにする 仕 組 み( 地 域 決 定 型 地 方 税 制 特 例 措 置 )の 通 称 平 成 24 年 度 税 制 改 正 において 導 入 37 航 空 機 燃 料 譲 与 税 は 着 陸 料 収 入 額 及 び 騒 音 世 帯 数 の2つの 基 準 により 空 港 関 係 都 道 府 県 及 び 市 町 村 に 譲 与 されている 今 回 の 改 正 は 騒 音 世 帯 数 割 の 算 定 に 用 いている 環 境 省 の 航 空 機 騒 音 に 係 る 評 価 指 標 が 変 更 され たことにより 現 行 の 譲 与 割 合 のままでは 一 部 の 団 体 に 譲 与 税 額 が 集 中 するなど 譲 与 税 の 配 分 が 大 きく 変 動 することから 譲 与 割 合 の 見 直 しが 必 要 とされたことによるものである 38 小 西 砂 千 夫 26 年 度 地 方 税 改 正 の 苦 心 自 治 日 報 ( 平 25.12.20 27) 30