F 消 化 器 系 のしくみと 働 き 1 消 化 器 系 (170) 生 体 が 活 動 し 健 康 を 維 持 するためには 食 物 を 摂 取 し 栄 養 分 を 吸 収 することが 必 須 である 消 化 とは 吸 収 とは 吸 収 に 適 したより 小 さい 分 機 械 的 消 化 咀 嚼 混 合 蠕 動 運 動 による 子 に 分 解 される 過 程 化 学 的 消 化 消 化 酵 素 胃 液 胆 汁 などによる 食 物 は 消 化 分 解 され 栄 養 素 は 消 化 管 を 通 過 して 血 中 に 移 動 する 過 程 1) 消 化 器 管 消 化 管 付 属 腺 口 腔 咽 頭 食 道 胃 小 腸 大 腸 直 腸 肛 門 唾 液 腺 肝 臓 膵 臓 胃 腺 腸 腺 2) 消 化 管 の 基 本 構 造 粘 膜 食 道 ( 重 層 扁 平 上 皮 ) 以 外 は 単 層 円 柱 上 皮 からなる 粘 膜 下 組 織 血 管 神 経 リンパ 管 が 通 る 筋 層 内 輪 走 筋 外 縦 走 筋 があり 機 械 的 消 化 蠕 動 運 動 に 関 わる 漿 膜 腸 管 の 最 外 層 を 被 い 腹 膜 につながり 固 定 される 2. 口 腔 の 構 造 (170) 1) 口 腔 の 構 造 口 腔 のはたらき 口 腔 上 壁 口 蓋 帆 口 蓋 扁 桃 咀 しゃく( 歯 で 噛 み 砕 く) 分 解 味 覚 ( 味 わう) 嚥 下 ( 飲 み 込 む) 上 あごにある 硬 口 蓋 前 2/3( 内 部 に 上 顎 骨 ) 軟 口 蓋 後 1/3( 骨 がない 部 分 ) 軟 口 蓋 の 後 ろ 正 中 部 に 口 蓋 垂 口 蓋 帆 の 左 右 基 部 (ワルダイエル 咽 頭 扁 桃 輪 の 一 部 がある) 2) 歯 の 成 長 と 数 歯 の 発 生 2 歳 ~3 歳 (20 本 ) 10~13 歳 (28 本 ) 17 歳 ~ (32 本 ) 生 後 6~7ヶ 月 から 生 える 下 顎 正 中 に2 本 萌 出 2 歳 で 上 下 に10 本 ( 乳 歯 ) 6 歳 頃 から 脱 落 がはじまり 乳 歯 と 入 替 わって 永 久 歯 28 本 ( 第 1~2 大 臼 歯 加 えて) 第 3 大 臼 歯 ( 上 下 4 本 )がそろって 32 本 となる 3) 歯 の 構 造 表 面 中 側 最 内 側 歯 冠 エナメル 質 ( 生 体 で 最 も 硬 い) 歯 頸 歯 冠 と 歯 根 をつなぐ セメント 質 象 牙 質 歯 髄 血 管 神 経 が 走 る 歯 根 顎 骨 に 埋 まる 部 分 59
4) 舌 (172) 有 郭 乳 頭 味 蕾 ++( 味 覚 受 容 器 ) 葉 状 乳 頭 味 蕾 + 舌 乳 頭 舌 の 構 造 糸 状 乳 頭 角 化 する 乳 頭 茸 状 乳 頭 味 蕾 ± 舌 扁 桃 リンパ 装 置 咽 頭 リンパ 輪 を 構 成 味 覚 細 胞 と 神 経 支 配 域 舌 前 方 2/3 顔 面 神 経 舌 後 方 1/3 舌 咽 神 経 舌 根 咽 頭 迷 走 神 経 舌 の 運 動 舌 下 神 経 5) 唾 液 腺 (173) (1) 唾 液 腺 と 唾 液 1500ml/ 日 を 分 泌 ( 自 律 神 経 支 配 ) ph 6-7 耳 下 腺 純 漿 液 腺 ( 酵 素 と 水 分 に 富 む) 25% αアミラーゼの 分 泌 三 大 唾 液 腺 顎 下 腺 混 合 腺 ( 漿 液 が 中 心 の 混 合 性 液 ) 70% 舌 扁 桃 から 分 泌 型 舌 下 腺 混 合 腺 ( 粘 液 が 中 心 の 混 合 性 液 ) 5% IgA 抗 体 が 分 泌 (2) 唾 液 の 消 化 作 用 ( 至 適 PH6.9) αアミラーゼ(プチアリン) デンプン グリコゲン 麦 芽 糖 (マルトース)にまで 分 解 (3) 唾 液 の 分 泌 と 神 経 支 配 ( 中 枢 は 延 髄 ) 副 交 感 神 経 刺 激 薄 い 唾 液 を 分 泌 顔 面 神 経 Ⅶ( 顎 下 腺 舌 下 腺 ) 舌 咽 神 経 Ⅸ( 耳 下 腺 ) 交 感 神 経 刺 激 粘 液 性 唾 液 分 泌 口 渇 ストレス 恐 怖 6) 咀 嚼 と 燕 下 作 用 咀 嚼 (そしゃく) 嚥 下 作 用 食 道 第 1 相 第 2 相 第 3 相 臼 歯 と 舌 の 随 意 運 動 ( 舌 下 神 経 ) 口 腔 相 は 随 意 運 動 咽 頭 相 食 道 相 は 不 随 意 運 動 蠕 動 運 動 で 食 塊 は 胃 へ 運 ばれる 嚥 下 中 枢 延 髄 舌 下 神 経 迷 走 神 経 の 損 傷 で 嚥 下 困 難 となる * 誤 飲 : 異 物 (ボタンなど)を 誤 って 飲 み 込 むこと 誤 嚥 : 食 物 が 気 管 に 入 ること 3. 咽 頭 の 構 造 (160) 咽 頭 鼻 腔 後 方 部 と 喉 頭 の 上 部 消 化 管 と 気 道 の 交 差 部 にある 咽 頭 扁 桃 ワルダイエル 咽 頭 輪 の 一 部 を 構 成 するリンパ 組 織 4. 食 道 (175) 長 さ25cm 直 径 約 2cmで 第 6 頸 椎 第 11 胸 椎 間 にある 後 縦 隔 器 官 で 食 道 の 位 置 ある 食 道 は 気 管 後 方 の 膜 性 壁 に 接 し 横 隔 膜 を 貫 通 し 胃 に 連 なる 食 道 狭 窄 部 ( 癌 の 好 発 部 )1 食 道 の 起 始 部 2 気 管 分 岐 部 3 横 隔 膜 貫 通 部 逆 流 性 食 道 炎 : 下 部 括 約 筋 が 緩 んで 胃 液 が 逆 流 し 食 道 炎 を 起 こす アカラシア:アウエルバッハ 神 経 細 胞 の 変 性 による 食 道 括 約 筋 が 弛 緩 しない 病 気 60
1) 食 道 の 組 織 構 造 粘 膜 粘 膜 上 皮 は 重 層 扁 平 上 皮 ( 角 化 しない) 発 生 するガンは 重 層 扁 平 上 皮 がん 筋 層 上 部 1/3 骨 格 筋 下 1/3 平 滑 筋 中 間 は 混 在 部 食 道 上 下 部 括 約 筋 を 持 つ 外 膜 外 膜 はあるが 漿 膜 を 欠 く( 縦 隔 器 官 であるため 食 道 癌 は 転 移 しやすい) 5. 胃 の 構 造 とはたらき(161) 1) 胃 各 部 の 名 称 2) 胃 粘 膜 の 構 造 胃 粘 膜 表 層 粘 膜 上 皮 アルカリ 中 性 粘 液 円 柱 上 皮 胃 底 腺 胃 液 ( 酸 性 )を 分 泌 粘 膜 下 組 織 動 脈 叢 ( 胃 潰 瘍 で 浸 襲 され 大 出 血 ) 筋 層 内 斜 走 筋 中 輪 走 筋 外 縦 走 筋 3) 胃 底 腺 の3つの 細 胞 1)ペプシノゲン( 塩 酸 によって 活 性 化 したペプシンとなる) 主 細 胞 2)リパーゼ(pH4-5で 活 性 化 ) 乳 児 の 牛 乳 脂 肪 の 分 解 に 重 要 1) 塩 酸 (H + /K + ATPase HCO3 /Cl - ポンプによる 交 換 輸 送 ) を 分 泌 壁 細 胞 2) 内 因 子 ( 赤 血 球 生 成 成 熟 に 必 要 な 糖 タンパク 塩 酸 の 分 泌 刺 激 により 分 泌 され VB12と 結 合 して 小 腸 ( 回 腸 ) 粘 膜 で 吸 収 される 副 細 胞 粘 液 ( 粘 膜 を 保 護 する)*ピロリ 菌 はウレアーゼによりアンモニアを 生 成 幽 門 G 細 胞 ガストリンを 分 泌 して 胃 液 の 分 泌 を 亢 進 幽 門 部 粘 膜 に 存 在 4) 胃 液 胃 の 容 積 1200-1400ml 胃 液 の 分 泌 量 1500ml/ 日 ph 1.0-2.0 強 い 酸 から 粘 膜 上 皮 は 粘 液 で 保 護 される 61
5) 主 細 胞 と 壁 細 胞 塩 酸 と 消 化 酵 素 の 分 泌 6) 胃 液 の 分 泌 過 程 a 胃 液 の 分 泌 ( 胃 相 ) 1) 胃 壁 の 拡 張 胃 に 内 容 物 が 入 り 胃 壁 を 拡 張 する 壁 細 胞 の 塩 酸 分 泌 2) 食 物 の 化 学 的 刺 激 G 細 胞 からガストリンが 分 泌 をされる 3)ガストリン 分 泌 胃 運 動 胃 液 塩 酸 とペプシノゲンの 分 泌 促 進 b 胃 液 の 腸 相 ( 十 二 指 腸 へ 移 行 した 段 階 でガストリン 分 泌 抑 制 ) セクレチン 胃 液 が 十 二 指 腸 に 入 ると 分 泌 され ガストリン 分 泌 を 抑 制 し 膵 液 分 泌 コレシストキニン 脂 肪 が 入 ると 分 泌 され 胃 酸 分 泌 抑 制 胆 汁 膵 酵 素 を 分 泌 させる GIP ガストリン 分 泌 抑 制 ペプチド 7) 胃 液 の 組 成 水 塩 酸 (Hcl) 電 解 質 (K Na など) 消 化 酵 素 (ペプシノゲン) 内 因 子 粘 液 K + イオンは 血 漿 より 高 いので 低 K + 血 症 を 招 く 長 引 く 嘔 吐 H + が 損 失 して 代 謝 性 アルカローシスを 起 こす 8) 胃 液 ( 胃 酸 ) 環 境 の 必 要 性 ペプシノゲンの 活 性 化 には ph3 以 下 の 酸 性 環 境 が 必 要 ペプシン 酵 素 活 性 の 至 適 ph は 強 酸 性 下 の ph3 以 下 である 可 溶 性 塩 類 を Cu Fe などと 結 合 させるために 酸 性 環 境 が 必 要 9) 胃 液 の 分 泌 胃 酸 分 泌 減 少 胃 酸 過 剰 分 泌 胃 粘 膜 萎 縮 高 齢 者 カフェイン アルコール 薬 物 ( 治 療 :シメチジン H2 ブロッカー) 62
10) 胃 潰 瘍 を 形 成 する 要 因 胃 液 の 過 剰 分 泌 粘 液 分 泌 減 少 ストレス アルコール ピロリ 菌 薬 物 ( 非 ステロイド 性 抗 炎 症 薬 NSAIDs:アスピリン セデスなどは 重 炭 酸 イオンと 粘 液 の 分 泌 を 抑 制 ) 11) 胃 の 神 経 副 交 感 神 経 交 感 神 経 胃 の 運 動 と 胃 液 の 分 泌 を 促 進 運 動 と 分 泌 を 抑 制 リラックス 状 態 興 奮 緊 張 状 態 6. 小 腸 ( 長 さ6-7m)(177) 第 一 腰 椎 の 右 前 に 位 置 する 後 腹 膜 下 器 官 で 腸 間 膜 を 欠 く 十 二 指 腸 25cm 十 二 指 腸 腺 (ブルンネル 腺 )はアルカリ 粘 液 消 化 酵 素 を 分 泌 ファーター 乳 頭 ( 大 十 二 指 腸 乳 頭 : 膵 管 と 総 胆 管 が 合 して 開 口 ) 空 腸 2.4m 小 腸 全 体 の 残 りの2/5で 腸 間 膜 を 持 つ 小 腸 全 体 の 残 りの3/5 盲 腸 につながり 腸 間 膜 を 持 つ 回 腸 3.6m 回 盲 弁 (バウヒン 弁 )を 持 つ 1) 小 腸 の 特 徴 とは(178 参 照 ) 小 腸 の 特 有 な 構 造 ( 大 腸 には 見 られない 構 造 ) 1 輪 状 ヒダ 粘 膜 下 結 合 組 織 が 内 腔 に 飛 びだし 絨 毛 突 起 に 覆 われる 2 絨 毛 突 起 絨 毛 突 起 には 吸 収 上 皮 と 杯 細 胞 が 並 ぶ 3 微 絨 毛 吸 収 上 皮 内 腔 には 微 絨 毛 ( 刷 子 縁 )が 生 え 消 化 酵 素 を 持 つ 2) 腸 腺 の 分 泌 と 水 の 吸 収 ( 飲 水 唾 液 胃 液 腸 液 の 合 計 約 8.5lが 小 腸 に 入 る 腸 腺 (リーベルキューン 腺 ) 陰 窩 から 分 泌 される 腸 液 ( 等 張 食 塩 水 )1.5-2l/ 日 分 泌 水 の 吸 収 は 小 腸 で85% 吸 収 大 腸 で15% 吸 収 十 二 指 腸 腺 (ブルンネル 腺 ) 胃 液 から 小 腸 を 保 護 するアルカリ 性 粘 液 を 分 泌 63
3) 小 腸 の 消 化 と 栄 養 吸 収 (196 参 照 ) 酵 素 の 種 類 その 作 用 吸 収 糖 分 解 酵 素 スクラーゼ マルターゼ ラクターゼにより 単 糖 まで 分 解 血 液 蛋 白 分 解 酵 素 アミノペプチターゼ ジペプチダーゼでアミノ 酸 まで 分 解 血 液 脂 肪 分 解 酵 素 胆 汁 酸 と 膵 液 中 のリパーゼで 脂 肪 酸 とグリセリンに 分 解 リンパ 単 糖 :グルコース(ブドウ 糖 ) フルクトース( 果 糖 ) ガラクトース 7. 大 腸 (1.6m) 大 腸 にある 特 有 な 構 造 結 腸 ヒモ 結 腸 膨 起 腹 膜 垂 結 腸 半 月 ヒダ p179 参 照 盲 腸 回 腸 との 境 に 弁 を 持 つ( 回 盲 弁 :バウヒン 弁 ) 虫 垂 ( 二 次 リンパ 器 官 :6~9cm) 上 行 結 腸 20cm 腹 膜 後 器 官 上 腸 間 膜 静 脈 へ 迷 走 神 経 支 配 横 行 結 腸 50cm ( 横 行 結 腸 間 膜 ) 1/2 上 腸 間 膜 静 脈 へ 結 腸 下 行 結 腸 25cm 腹 膜 後 器 官 下 腸 間 膜 静 脈 へ 骨 盤 神 経 支 配 S 状 結 腸 40cm (S 状 結 腸 間 膜 ) 下 腸 間 膜 静 脈 へ 直 腸 上 部 静 脈 叢 下 腸 間 膜 静 脈 へ 直 腸 骨 盤 神 経 支 配 中 下 部 の 静 脈 叢 ( 痔 静 脈 ) 内 腸 骨 膜 静 脈 へ 結 腸 の 外 観 結 腸 粘 膜 の 構 造 1) 大 腸 のはたらき 1 水 吸 収 1.2l 2 電 解 質 の 吸 収 3 消 化 吸 収 は 行 われない 大 腸 の 働 き 4 消 化 酵 素 はない 5 糞 便 の 形 成 6 腸 内 細 菌 を 持 つ 2) 排 便 排 便 中 枢 ( 仙 髄 ) 直 腸 伸 展 骨 盤 神 経 ( 副 交 感 : 知 覚 ) 仙 髄 排 内 肛 門 括 約 筋 ( 平 滑 筋 ) 弛 緩 排 便 便 中 枢 直 腸 収 縮 内 肛 門 括 約 筋 弛 緩 外 肛 門 括 約 筋 ( 骨 格 筋 ) 弛 緩 いきみ 腹 圧 と 外 肛 門 括 約 筋 の 随 意 的 弛 緩 EC 細 胞 からセロトニンが 過 剰 分 泌 されると 蠕 動 運 動 を 促 進 させ HCO - 3 を 含 む 下 痢 腸 液 を 含 む 水 様 性 便 が 排 泄 される 長 期 に 渡 ると 代 謝 性 アシドーシスを 生 じる 64
3) 消 化 管 の 運 動 と 神 経 支 配 ( 自 律 神 経 支 配 ) 副 交 感 神 経 ( 迷 走 神 経 ) 交 感 神 経 消 化 管 の 運 動 運 動 促 進 運 動 抑 制 胃 幽 門 括 約 筋 弛 緩 収 縮 消 化 管 の 分 泌 作 用 分 泌 促 進 分 泌 抑 制 8. 膵 臓 (182) 1) 膵 臓 の 位 置 と 構 造 固 有 肝 動 脈 門 脈 総 胆 管 上 腸 間 膜 動 脈 脾 動 脈 脾 静 脈 膵 管 大 十 二 指 腸 乳 頭 上 腸 間 膜 静 脈 2) 膵 液 と 消 化 酵 素 セクレチンの 作 用 膵 導 管 からアルカリ 性 膵 液 ph8.0を 分 泌 分 泌 量 1000ml/ 日 膵 液 酸 性 の 粥 状 食 物 ( 胃 液 を 含 む)の 中 和 膵 液 は 重 炭 酸 液 HCO-3 - を 含 む ( 膵 液 と 胆 汁 はアルカリ 性 ) コレシストキニンの 作 用 1) 腺 房 から 消 化 酵 素 に 富 む 分 泌 顆 粒 を 分 泌 アルカリ 環 境 下 で 活 性 化 される 2) 胆 嚢 を 収 縮 させ 胆 汁 を 十 二 指 腸 に 分 泌 腺 房 トリプシノーゲン タンパク 分 解 酵 素 ( 活 性 化 してトリプシン) キモトリプシノーゲン タンパク 分 解 酵 素 ( 活 性 化 キモトリプシン) 消 化 酵 素 リパーゼ 脂 肪 分 解 酵 素 膵 アミラーゼ 糖 質 分 解 酵 素 65
3) 膵 液 の 消 化 作 用 (アルカリ 環 境 で 活 性 化 する) トリプシン 蛋 白 分 解 酵 素 蛋 白 質 ポリペプチド アミノ 酸 に 分 解 キモトリプシン 脂 肪 分 解 酵 素 リパーゼ: 胆 汁 酸 の 補 助 が 必 要 脂 肪 グリセリンと 脂 肪 酸 に 分 解 膵 アミラーゼ(アミロプシン) マルトース( 麦 芽 糖 )を 糖 分 解 酵 素 澱 粉 マルターゼ ブドウ 糖 まで 分 解 4) 膵 液 分 泌 のホルモン 性 調 整 消 化 管 ホルモン セクレチン ( 十 二 指 腸 から 分 泌 ) コレシストキニン 膵 液 分 泌 膵 消 化 酵 素 分 泌 胃 の 運 動 と 分 泌 を 抑 制 5) 膵 臓 と 十 二 指 腸 の 構 造 膵 臓 膵 液 消 化 酵 素 に 富 むアルカリ 性 膵 液 を 分 泌 総 胆 管 胆 汁 肝 臓 で 作 られた 胆 汁 は 胆 嚢 で 約 10 倍 に 濃 縮 され 食 後 に 分 泌 される( 胆 汁 酸 は 脂 肪 の 分 解 に 必 要 ) 大 十 二 指 腸 乳 頭 (ファーター 乳 頭 ) 膵 管 と 総 胆 管 は 膵 頭 部 で 合 流 し 膵 液 と 胆 汁 が 混 合 されて 十 二 指 腸 乳 頭 から 十 二 指 腸 内 に 排 出 される(オッディー 括 約 筋 の 調 節 による) 副 乳 頭 副 膵 管 が 独 立 して 胃 側 の 十 二 指 腸 乳 頭 上 部 で 開 口 6) 膵 ランゲルハンス 島 β (B) 細 胞 インスリン 70% 血 糖 値 を 下 げる 細 胞 での 糖 利 用 促 進 膵 ラ 氏 島 α (A) 細 胞 グルカゴン 20% 肝 グリコーゲンを 分 解 して 血 糖 値 を 上 げる δ (D) 細 胞 ソマトスタチン 10% インスリン グルカゴン 分 泌 抑 制 ランゲルハンス 島 α 細 胞 とβ 細 胞 66
9. 肝 臓 (180) 1) 肝 臓 の 外 観 肝 臓 の 前 肝 臓 の 後 肝 臓 の 重 量 約 1200g ( 肝 鎌 状 間 膜 により 右 葉 左 葉 を 分 ける ) 肝 臓 の 位 置 腹 腔 横 隔 膜 胃 十 二 指 腸 横 行 結 腸 右 腎 臓 に 接 する 1) 門 脈 ( 肝 臓 に 流 れる 静 脈 血 約 4/5(1200ml/ 分 )は 機 能 血 管 肝 門 2) 固 有 肝 動 脈 ( 肝 臓 に 流 れる 動 脈 血 約 1/5(300ml/ 分 ))は 栄 養 血 管 3) 肝 管 ( 肝 臓 から 出 る 胆 管 )は 胆 嚢 に 胆 汁 を 運 ぶ 肝 静 脈 肝 臓 を 出 た 静 脈 血 は 下 大 静 脈 に 合 流 する ( 肝 門 を 経 由 しない) 2) 肝 臓 の 機 能 血 管 と 栄 養 血 管 機 能 血 管 門 脈 小 腸 で 栄 養 吸 収 された 静 脈 血 を 肝 臓 に 運 ぶ 静 脈 血 管 栄 養 血 管 固 有 肝 動 脈 酸 素 に 富 む 動 脈 血 3) 肝 類 洞 類 洞 洞 様 毛 細 血 管 と 呼 ばれる 特 殊 な 毛 細 血 管 網 で 肝 細 胞 間 を 流 れる 血 管 内 皮 は 一 般 の 内 皮 と 異 なり 基 底 膜 を 欠 くので 物 質 交 換 に 都 合 がよい 構 造 となっている 類 洞 血 管 は 門 脈 血 と 動 脈 血 が 混 合 されゆっくりと 小 葉 の 中 心 静 脈 に 流 れる 中 心 静 脈 はさらに 集 まって 最 終 的 に 肝 静 脈 となって 肝 臓 を 出 る 類 洞 のクッパー 細 胞 はマクロファージの 一 種 で 貪 食 能 ( 古 い 赤 血 球 )がある 4) 肝 臓 の 血 液 の 流 れ 方 と 胆 汁 の 流 れ 方 血 液 の 流 れ 方 胆 汁 の 流 れ 方 門 脈 血 と 動 脈 血 は 小 葉 間 結 合 組 織 を 出 て 類 洞 で 混 合 血 となり 小 葉 の 中 心 静 脈 へ 流 れる 中 心 静 脈 は 集 まって 肝 静 脈 となり 下 大 静 脈 に 合 流 肝 細 胞 で 生 成 する 胆 汁 は 肝 細 胞 間 にある 毛 細 胆 管 を 通 って 小 葉 間 結 合 組 織 中 の 胆 管 に 流 れる ( 血 流 とは 逆 である) 肝 管 となって 肝 臓 を 去 る 67
5) 肝 小 葉 とは(182) 1 肝 小 葉 は 肝 臓 の 基 本 構 造 であり 物 質 代 謝 の 行 われる 場 所 2 各 小 葉 間 の 小 葉 間 結 合 組 織 をグリ ソン 鞘 と 呼 ぶ 3 グリソン 鞘 には 門 脈 ( 静 脈 ) 動 脈 胆 管 が 見 られる 4 小 葉 の 中 心 にある 中 心 静 脈 は 類 洞 を 流 れる 混 合 血 を 集 め 徐 々に 太 くな って 肝 静 脈 となり 肝 臓 を 出 て 行 く 5 胆 汁 は 肝 細 胞 で 生 成 されグリソン 鞘 の 小 葉 間 胆 管 に 合 流 6) 類 洞 構 造 とは クッパー 細 胞 類 洞 毛 細 胆 管 類 洞 は 肝 細 胞 間 を 流 れる 血 管 2 類 洞 壁 に 存 在 するクッパー 細 胞 (kpf)は 強 い 食 機 能 を 持 つ 3 肝 細 胞 の 細 胞 膜 に 挟 まれる 部 位 に 毛 細 胆 管 (bil)があり 小 葉 間 結 合 組 織 の 胆 管 に 流 れる 4 類 洞 壁 を 構 成 する 血 管 上 皮 (en d)は 基 底 膜 を 欠 き 血 漿 は 肝 細 胞 に 直 接 に 触 れることが 可 能 で 盛 んな 物 質 代 謝 を 行 う 肝 細 胞 にと って 都 合 がよい 7) 肝 臓 の 血 流 と 胆 汁 の 流 れ 68
8) 肝 臓 のはたらき (199 ) 胆 汁 の 生 成 (0.5-1.0リットル/ 日 ) 胆 汁 の 生 成 胆 嚢 で 10 倍 に 濃 縮 される 合 成 (インスリン 作 用 )と 分 解 (グルカゴン 作 用 ) グリコーゲンの 合 成 血 糖 不 足 でアミノ 酸 や 脂 肪 酸 からグルコースを 生 成 ( 糖 新 生 ) VA VD VE VK などの 脂 溶 性 ビタミンと VB12 葉 酸 などの ビタミンの 貯 蔵 水 溶 性 ビタミンを 貯 蔵 コレステロールの 合 成 脂 肪 酸 を 分 解 しコレステロールやケトン 体 リン 脂 質 を 合 成 する 凝 固 因 子 をつくる 凝 固 因 子 の 合 成 フィブリノーゲン (Ⅱプロトロンビン Ⅶ Ⅸ ⅩはVK 依 存 性 )などの 凝 固 因 子 を 合 成 する 血 中 の 毒 物 をグルクロン 酸 抱 合 して 無 毒 化 する 尿 素 の 生 成 アミノ 酸 を 分 解 してエネルギーを 取 り 出 し 燃 えカスのアンモ ニアを 尿 素 に 換 える ( 尿 素 回 路 ) 解 毒 作 用 尿 酸 (プリン 体 )の 生 成 核 タンパクを 分 解 して 尿 酸 に 変 え 尿 中 に 排 出 薬 物 アルコールを 解 毒 滑 面 小 胞 体 の p450 酵 素 の 作 用 アルコールはアセトアルデヒドにして 最 終 的 に CO2 と 水 にする 血 漿 タンパク 免 疫 グロブリンを 除 く 全 ての 血 漿 蛋 白 の 生 成 ホルモンの 不 活 化 余 分 なインスリン サイロキシン エストロゲンなどを 分 解 血 液 を 貯 蔵 大 量 出 血 時 に 放 出 鉄 銅 を 貯 蔵 造 血 作 用 胎 生 期 では 造 血 機 能 を 持 つ 9) 胆 汁 と 膵 液 の 分 泌 胆 肝 臓 を 出 た 胆 汁 は 胆 嚢 で 約 5 倍 に 濃 縮 される 脂 肪 が 十 二 指 腸 粘 膜 に 接 すると コ 汁 レシストキニンの 作 用 で 胆 嚢 は 収 縮 し 総 胆 管 から 十 二 指 腸 に 分 泌 される 膵 コレシストキニンの 作 用 で 腺 房 から 消 化 酵 素 を 分 泌 させ セクレチンの 作 用 で 導 管 か 液 らアルカリ 膵 液 が 分 泌 される さらに 胆 汁 と 一 緒 になって 十 二 指 腸 内 に 分 泌 される 10) 胆 汁 の 成 分 ( 胆 汁 はアルカリ 性 で 消 化 酵 素 は 含 まれない ) コレステロール ステロイドホルモンの 材 料 となる 胆 汁 色 素 (ビリルビン) 肝 臓 でつくられた 直 接 ビリルビンのほとんどが 十 二 指 腸 に 排 出 分 泌 された 多 くは 回 腸 で 再 吸 収 され 肝 臓 に 戻 る( 腸 管 循 環 ) 胆 汁 酸 胆 汁 酸 の5%が 糞 便 から 排 泄 される 界 面 活 性 剤 作 用 で 脂 肪 滴 の 表 面 を 親 水 性 にする(ミセル 化 ) * 界 面 活 性 剤 : 石 けん 液 のような 作 用 を 持 つ 69
11) 胆 汁 の 働 き 1) 脂 肪 の 乳 化 2) 脂 溶 性 ビタミン 吸 収 3) 糞 便 を 着 色 脂 肪 を 乳 化 (ミセル 化 )して 分 解 を 助 ける VA VD VE VK の 吸 収 を 助 ける 胆 汁 は 腸 内 細 菌 の 作 用 でウロビリンとなり 糞 便 を 着 色 10. 消 化 と 吸 収 作 用 (188) 1) 糖 質 の 分 類 多 糖 類 デンプン グリコーゲン セルロース 二 糖 類 スクロース(ショ 糖 ) マルトース( 麦 芽 糖 ) ラクトース( 乳 糖 ) 単 糖 類 グルコース(ブドウ 糖 ) フルクトース( 果 糖 ) ガラクトース 2) 主 な 消 化 酵 素 とその 作 用 (196) 消 化 酵 素 作 用 唾 液 プチアリン(アミラーゼ) デンプン デキストリン マルトース( 麦 芽 糖 ) 胃 液 ペプシン タンパク 質 ペプトン ポリペプチド リパーゼ 脂 肪 脂 肪 酸 + モノグリセリド(グリセリン) 膵 液 アミロプシン(アミラーゼ) ステアプシン( 膵 リパーゼ) トリプシン キモトリプシン デンプン マルトース( 二 糖 類 まで) 脂 肪 脂 肪 酸 + モノグリセリド(グリセリン) タンパク 質 ポリペプチド カルボキシペプチターゼ 腸 液 ラクターゼ マルターゼ リパーゼ エレプシン ペプチターゼ 乳 糖 (ラクトース) マルトース+グルコース(ブドウ 糖 ) 脂 肪 脂 肪 酸 + モノグリセリド(グリセリン) ポリペプチド オリゴペプチド ジペプチド+アミノ 酸 11. 腹 膜 と 腹 膜 後 器 官 腹 膜 は 腹 腔 表 面 や 臓 器 表 面 を 被 う 漿 膜 からなる 器 官 を 被 う 漿 膜 が 二 重 からなるものを 間 膜 ( 肝 胃 間 膜 胃 横 行 結 腸 間 膜 腸 間 膜 大 網 な ど)と 呼 ぶ 腹 膜 後 ( 下 ) 器 官 後 腹 膜 下 に 位 置 する( 腹 腔 に 飛 び 出 してない) 器 官 の 総 称 で 以 下 のも のがある 腎 臓 膵 臓 十 二 指 腸 副 腎 下 大 静 脈 腹 大 動 脈 尿 管 など 70