2016 年 6 月 10 日 WEC 第 3 戦 ル マン 24 時 間 プレビュー TOYOTA GAZOO Racing TS050 HYBRIDでル マン 24 時 間 初 制 覇 に 挑 む TOYOTA GAZOO Racing は FIA 世 界 耐 久 選 手 権 (WEC)シリーズ 最 大 の 注 目 イベントとも 言 える 第 84 回 ル マン 24 時 間 レースに 挑 む 今 回 がトヨタにとって 初 挑 戦 の 1985 年 以 来 18 度 目 のル マン 挑 戦 この 間 には 5 度 の 表 彰 台 獲 得 4 回 の 2 位 フィニッシュという 結 果 を 得 ている 今 年 のル マン 24 時 間 レースは 2 台 の TS050 HYBRID で 挑 む #5 号 車 は 2014 年 の WEC 世 界 チ ャンピオンであるアンソニー デビッドソンとセバ スチャン ブエミに 中 嶋 一 貴 を 加 えた 布 陣 中 嶋 は 2 年 前 のル マン 24 時 間 レースでポールポジションを 獲 得 している #6 号 車 はル マンで 3 度 のポールポ ジション 獲 得 経 験 を 持 つステファン サラザンに マイク コンウェイと 小 林 可 夢 偉 が 組 む 昨 年 のル マンで 6 位 と 8 位 に 終 わった TS040 HYBRID から 大 幅 な 改 良 が 行 われ 1000Ps の 最 大 出 力 を 発 揮 する TS050 HYBRID は ル マンに 向 けた 最 適 化 が 施 され 過 去 の 勝 者 でもあるアウディ ポルシェ 勢 に 挑 む 1
パワーユニットはトヨタ 東 富 士 研 究 所 で 開 発 され 最 高 の 効 率 とパワーを 発 揮 する 2.4 リッター 直 噴 V6 ツイン ターボエンジンと 8MJ に 対 応 したハイパワー 型 リチウムイオンバッテリー 方 式 のハイブリッドシステムとの 組 み 合 わせとなった そのパワーユニットの 開 発 と 並 行 して 2016 年 シ ーズンへ 向 けた 新 たなシャシーがドイツ ケルンの TMG で 開 発 された ほぼ 全 ての 部 品 が 新 設 計 であり 重 量 パフォーマンスの 両 面 で 最 適 化 を 図 った ル マン 24 時 間 レースで 登 場 する 低 ドラッグ 仕 様 の 空 力 パッケージは 6 月 5 日 ( 日 )にサルト サーキ ットで 行 われたテストデーで 好 感 触 を 得 ている 前 戦 スパ 6 時 間 レースでは エンジントラブルに 見 舞 われ 戦 列 を 去 るまで 勝 利 を 狙 える 位 置 でのレ ースを 続 けていた スパのレース 後 にデータを 解 析 した 結 果 トラブル 原 因 はスパ 特 有 の オー ルー ジュコーナーでの 路 面 への 車 体 底 付 きに 起 因 するも のと 判 明 した この 経 験 と 反 省 を 活 かし スパで 見 せた 速 さを 自 信 に ル マン 初 勝 利 を 目 指 す 6 月 5 日 ( 日 )に 行 われた 公 式 テストデーの 結 果 では 接 近 したバトルへの 期 待 を 高 めた 規 則 により 燃 料 消 費 量 が 約 10% 削 減 された 中 TS050 HYBRID がこの 日 にマークしたベストタイムは 昨 年 のテストデーでのタイム を 2.124 秒 も 上 回 るものであり また 2 台 の TS050 HYBRID はトータルで 179 周 2440km を 走 破 し 信 頼 性 の 高 さも 示 した ル マン 24 時 間 レースにおいては パフォーマンスと 同 様 に 耐 久 性 も 重 要 な 要 素 となる 実 際 レースウィー ク 開 始 から チェッカーフラッグまで 約 35 時 間 もの 走 行 をこなすこととなる 走 行 セッションは 6 月 15 日 ( 水 ) 午 後 4 時 ( 日 本 時 間 午 後 11 時 )から 4 時 間 の 公 式 練 習 走 行 で 始 まり 同 日 午 後 10 時 ( 同 翌 午 前 5 時 )から 2 時 間 の 公 式 予 選 1 回 目 が 行 われる 16 日 ( 木 )には 午 後 7 時 と 午 後 10 時 ( 同 翌 午 前 2 時 5 時 )から 公 式 予 選 2 回 目 3 回 目 が それぞれ 2 時 間 ずつ 行 われ 3 回 の 公 式 予 選 で 記 録 さ れた 1 周 の 最 速 タイムで 決 勝 レースのスターティンググリッドが 決 定 される 17 日 ( 金 )はル マン 旧 市 街 地 で 伝 統 のドライバーズパレードが 行 われ ファンにとってはレース 前 にドライ バーを 間 近 に 見 られるチャンスとなる 18 日 ( 土 )は 午 前 9 時 ( 同 午 後 4 時 )から 45 分 間 のウォームアップ 走 行 を 経 て 午 後 3 時 ( 同 午 後 10 時 )に 24 時 間 レースのスタートが 切 られる 2
佐 藤 俊 男 TOYOTA GAZOO Racing チーム 代 表 : ル マンは 我 々にとって 1 年 のハイライトであり シーズン 前 からこのレースに 焦 点 を 当 てて 全 力 で 準 備 を 続 けて 来 ました 前 戦 スパ 6 時 間 レースでは 高 いポテンシャルを 確 認 することが 出 来 ましたので ル マンに 向 けて 特 別 に 開 発 してきた TS050 HYBRID が 今 回 どのようなパフォーマンスを 発 揮 してくれるか とても 楽 しみにして います しかし ル マンは 車 両 の 性 能 だけでなく ドライバーを 含 めたチーム 全 員 の 総 合 力 が 求 められるレース です 困 難 な 状 況 においてもミス 無 くベストなパフォーマンスを 引 き 出 すことが 重 要 であり それが 結 果 に 繋 がり ます 勿 論 全 ての LMP1-H マニュファクチャラーがそうであるように 我 々にとっても 最 終 目 標 は 優 勝 であり その 戦 いに 向 けた 準 備 は 整 っています 長 い 戦 いの 後 に 来 るゴールを 見 据 え 常 に 的 確 な 判 断 と 最 大 限 の 集 中 力 を もって 24 時 間 を 戦 い 抜 きます 中 嶋 一 貴 (TS050 HYBRID #5 号 車 ): ル マンはいつも 感 動 的 なイベントです 2012 年 に 初 めてレースに 参 加 した 時 のことを 思 い 出 します そのスケ ールと 雰 囲 気 特 にレーススタート 直 前 は 信 じられないほどエキサイティングでした これまでのモータースポー ツでは 経 験 したことのない 思 いを 感 じました テレビでル マンを 見 た 記 憶 は 特 に 1998 年 と 1999 年 のトヨタ TS020 でのレースが 思 い 出 されます それだけにル マンでの 経 験 は 常 に 特 別 なものなのです コースもとても 楽 しめるもので ドライバーにとっては 真 のチャレンジです 最 高 速 に 達 する 長 いユーノディエール ストレート や 多 くの 高 速 コーナーは 本 当 に 運 転 していて 楽 しいです 私 の 準 備 は 整 っており レースウィークを 迎 えるのが とても 楽 しみです アンソニー デビッドソン(TS050 HYBRID #5 号 車 ): 今 年 もレースウィークが 始 まるのが 待 ち 切 れません ル マンは 全 てのドライバーが 勝 利 を 望 むレースであり 我 々 もそのために 冬 の 間 からハードなテストをこなして 来 ました このような 特 別 なイベントで 幸 運 にも 2 度 表 彰 台 に 上 がることが 出 来 たのは 忘 れられない 経 験 です ル マンは 我 々の TS050 HYBRID #5 号 車 にとって 新 たなシ ーズンのスタートとしての 挑 戦 と 言 っても 良 いでしょう 特 に 前 戦 スパはトラブルに 見 舞 われるまで 勝 利 を 目 前 に していました それだけにル マンへ 向 けて 決 意 は 更 に 強 まります 我 々のシーズンの 転 換 点 として ル マンは またとない 舞 台 です セバスチャン ブエミ(TS050 HYBRID #5 号 車 ): ル マンへの 挑 戦 には 毎 回 気 分 が 高 まります コースは 素 晴 らしく レースウィークは 常 に 素 晴 らしいことばかり です 残 念 ながらこのイベントは 年 に 一 度 しかないので その 雰 囲 気 を 充 分 に 楽 しみたいと 思 っています テスト デーでの TS050 HYBRID には 好 感 触 を 得 ました 前 戦 スパでも 上 位 を 争 えることを 示 せましたし 昨 年 に 比 べて 大 きな 進 化 を 遂 げており 今 年 は 良 い 戦 いが 出 来 ると 思 います まだ 練 習 走 行 や 公 式 予 選 で TS050 HYBRID の 全 ての 性 能 を 引 き 出 すためにやるべきことはありますが ここまでの 印 象 は 良 好 です 小 林 可 夢 偉 (TS050 HYBRID #6 号 車 ): 我 々は 皆 このイベントを 楽 しんでおり シーズン 初 頭 から 楽 しみにして 来 ました 初 めてこのコースを 走 った 時 に は 驚 きました レイアウトは 素 晴 らしく 他 の 公 道 コースと 比 較 しても 路 面 状 況 もグリップも 良 好 でした ル マ ン 24 時 間 レースは 確 かに 世 界 有 数 のレースであり そこで 戦 えることを 誇 りに 思 います 世 界 には 多 くのレース があり 私 は 多 くのコースでレースを 戦 って 来 ました しかし その 中 でもル マンは 特 別 です このレースで 日 本 人 ドライバーとして 日 本 のチームで 勝 てれば 最 高 だと 思 います 特 に 私 にとってはトヨタでの 初 のル マ ンです ライバルとは 僅 差 であり 勝 利 を 目 指 して 挑 戦 出 来 ると 考 えています ステファン サラザン(TS050 HYBRID #6 号 車 ): ル マンは 特 別 なコースで 行 われる 特 別 なイベントです 多 くの 歴 史 を 持 つシーズン 最 長 のコースであり ここを 走 るのは 特 にフランス 人 ドライバーにとっては 素 晴 らしいことです ル マンで 良 いレースを 戦 うためにこの 1 年 ずっと 働 いて 来 ました これまでに 30 時 間 にわたる 耐 久 テストを 何 度 もこなして 来 ており レースへの 準 備 は 出 来 ています 今 年 我 々はチャレンジャーですが 多 分 良 い 位 置 に 付 けられるはずです 我 々は TS050 HYBRID と 共 に 大 きな 進 歩 を 遂 げており 前 戦 スパでレースをリードし 勝 利 を 争 ったことでその 競 争 力 を 示 しました 今 年 のル マンはエキサイティングなレースになると 思 いますし 戦 える 自 信 があります 3
マイク コンウェイ(TS050 HYBRID #6 号 車 ): 今 年 我 々は 大 きな 期 待 を 抱 いてル マンに 挑 戦 したいと 思 っています このレースでは 様 々なドラマが 起 こり 結 果 を 予 測 するのがとても 困 難 です 毎 年 初 頭 から 焦 点 を 合 わせて 準 備 していますが その 時 はあっという 間 にや って 来 ます 今 年 も 多 くの 不 確 定 要 素 がある 一 方 我 々がどの 位 置 に 付 けているのかをしっかり 認 識 したいと 願 い ます これまで 我 々は 数 千 km にわたるテストをこなして 来 ましたが 公 式 練 習 でのロングスティントや 公 式 予 選 での 全 開 走 行 を 行 うまでは 真 の 競 争 力 を 測 ることは 出 来 ません 全 ての LMP1-H クラスのライバル 達 が 昨 年 に 比 べ 本 当 に 大 きな 進 化 を 遂 げています その 差 が 小 さいことは 分 かっており 真 の 実 力 はまもなく 明 らかに なるでしょう ル マンにおけるトヨタの 戦 歴 年 No. 車 両 予 選 決 勝 1985 1986 1987 1988 #36 85C-L 29 12 #38 85C-L 22 DNF #36 86C-L 40 DNF #38 86C-L 30 20 #36 87C-L 14 DNF #37 87C-L 16 DNF #36 88C 8 12 #37 88C 10 24 #36 89C-V 24 DNF 1989 #37 89C-V 17 DNF #38 88C 25 DNF #36 90C-V 10 6 1990 #37 90C-V 14 DNF #38 90C-V 16 DNF #7 TS010 3 DNF #8 TS010 4 8 1992 #33 TS010 5 2 #34 92C-V 11 9 #35 92C-V 15 5 #22 93C-V 10 5 #25 93C-V 12 6 1993 #36 TS010 2 4 #37 TS010 5 DNF #38 TS010 4 8 1994 #1 94C-V 4 2 #4 94C-V 8 4 1995 #27 Supra LM 30 14 1996 #57 Supra LM 36 DNF 4
年 No. 車 両 予 選 決 勝 #27 TS020 8 9 1998 #28 TS020 2 DNF #29 TS020 7 DNF #1 TS020 1 DNF 1999 #2 TS020 2 DNF #3 TS020 8 2 2012 2013 2014 2015 #7 TS030 HYBRID 5 DNF #8 TS030 HYBRID 3 DNF #7 TS030 HYBRID 5 4 #8 TS030 HYBRID 4 2 #7 TS040 HYBRID 1 DNF #8 TS040 HYBRID 3 3 #1 TS040 HYBRID 8 8 #2 TS040 HYBRID 7 6 以 上 5