初 動 期 から 検 討 する 再 開 発 ビルマネジメント について
はじめに 再 開 発 事 業 は 都 市 再 開 発 法 に 基 づいて 実 施 される 土 地 の 合 理 的 かつ 健 全 な 高 度 利 用 と 都 市 機 能 の 更 新 とを 図 り もって 公 共 の 福 祉 に 寄 与 する ことを 目 的 とした 事 業 で 平 成 21 年 度 末 時 点 で 全 国 で 755 地 区 1,067ha が 完 成 しています ( 社 ) 全 国 市 街 地 再 開 発 協 会 では 平 成 19 年 3 月 の 再 開 発 ビルマネジメント 全 国 会 議 開 催 を 機 に 再 開 発 ビルのマネジメントについての 情 報 収 集 及 び 実 態 把 握 を 行 いな がら 実 際 のビル 管 理 者 と 専 門 家 を 交 えた 議 論 を 積 み 重 ねつつ 全 国 での 情 報 交 流 会 を 開 催 するなどの 取 り 組 みを 行 って 参 りました 再 開 発 ビルのほとんどが 複 数 権 利 者 による 区 分 所 有 ビルです 区 分 所 有 ビルは 単 独 オ ーナービルに 比 べて 管 理 や 運 営 において 意 見 調 整 をはじめとして 様 々な 面 において 労 力 や 時 間 が 多 く 必 要 となることが 多 いようです 特 に 商 業 ビルにおいては 厳 しい 商 業 環 境 下 での 運 営 となっており 修 繕 やリニューアル 魅 力 的 なテナント 導 入 等 の 迅 速 な 対 応 が 求 められる 中 運 営 管 理 者 にとっての 課 題 は 多 岐 に 及 んでいます そこで そのような 状 況 に 対 して 再 開 発 ビル 運 営 管 理 者 が 相 互 の 情 報 交 換 やアドバ イスが 行 えるネットワーク の 創 出 が 有 効 に 作 用 すると 考 え 全 国 各 地 開 催 して 得 られ た 情 報 の 整 理 を 進 めて 参 りました 一 方 再 開 発 事 業 が 都 市 の 再 生 において 今 後 も 有 効 なツールとして 活 かされるべき 手 法 と 考 えられますので これから 再 開 発 事 業 に 取 り 組 む 方 々の 参 考 となるよう 既 存 の 再 開 発 ビルが 抱 える 問 題 点 や 課 題 を 整 理 しながら それらへの 対 応 方 法 としての 再 開 発 ビルマネジメント 方 策 を 検 討 致 しました ただ 再 開 発 ビルを 取 り 巻 く 課 題 については 事 業 による 個 別 要 因 が 多 く また 様 々 な 分 野 が 輻 輳 すると 共 に 法 や 制 度 に 関 わる 部 分 もあるため 全 てを 網 羅 した 処 方 箋 を 作 成 するのは 困 難 で 方 策 というよりはアドバイスに 近 いものに 留 まって 感 も 拭 えませ んが 将 来 の 円 滑 な 再 開 発 ビルマネジメントの 一 助 になれば 幸 いです なお 当 該 検 討 に 際 しては 以 下 のような 条 件 を 有 したビルを 想 定 しています 一 定 の 商 業 施 設 を 有 した 再 開 発 ビル( 百 貨 店 等 の 単 一 大 規 模 店 舗 ではない) 業 務 公 共 施 設 等 の 複 数 用 途 によって 構 成 されている 再 開 発 ビル 一 定 の 権 利 者 が 生 活 再 建 に 際 して 継 続 営 業 を 行 う 再 開 発 ビル 平 成 22 年 3 月 社 団 法 人 全 国 市 街 地 再 開 発 協 会 再 開 発 ビルマネジメント ワーキング グループ 市 街 地 再 開 発 技 術 研 究 所 1
目 次 はじめに P.1 1 不 動 産 ビジネス という 厳 しい 市 場 で 勝 ち 抜 くためには P.3 2 不 動 産 ビジネス は 施 設 の 完 成 が 事 業 のスタート P.4 3 プロパティマネジメント(PM) は 不 可 欠 なツールである P.5 4 商 業 施 設 は 迅 速 かつ 柔 軟 に 時 代 やニーズの 変 化 に 対 応 することが 重 要 P.6 5 再 開 発 ビルの 魅 力 を 持 続 するための 工 夫 等 について P.7 事 例 1 良 好 な 地 域 ポテンシャルを 活 かして 最 大 バリューの 創 出 を 図 った 計 画 的 な 仕 組 みづくり ( 六 本 木 ヒルズ/ 六 本 木 六 丁 目 地 区 : 東 京 都 港 区 ) P.8 事 例 2 複 合 用 途 構 成 による 再 開 発 ビルの 管 理 運 営 (リーベル 王 寺 / 王 寺 駅 前 久 度 地 区 中 央 街 区 : 奈 良 県 北 葛 城 郡 ) P.9 事 例 3 地 権 者 法 人 が 床 を 取 得 するスキーム ( 壱 番 街 クリスタルドーム/ 高 松 丸 亀 商 店 街 A 街 区 : 香 川 県 高 松 市 ) P.10 事 例 4 民 事 信 託 方 式 スキームを 取 り 入 れた 再 開 発 ビル (サイオス/ 豊 岡 第 一 北 地 区 : 埼 玉 県 入 間 市 ) P.11 事 例 5 再 々 開 発 事 業 への 取 り 組 み (サンビルスクエア/ 小 樽 駅 前 第 3ビル 周 辺 地 区 : 北 海 道 小 樽 市 ) P.12 2
1 不 動 産 ビジネス という 厳 しい 市 場 で 勝 ち 抜 くためには ポイント 市 街 地 再 開 発 事 業 は 高 度 成 長 期 から 急 速 に 進 行 した 日 本 の 都 市 の 発 展 にお いて 大 きな 役 割 を 担 ってきました しかし 都 市 が 拡 大 する 中 で 郊 外 化 に 伴 う 都 市 機 能 の 郊 外 流 出 や 中 心 市 街 地 の 衰 退 が 生 じる 等 不 動 産 市 場 を 取 り 巻 く 環 境 は 大 きく 変 化 してきました 特 に 昨 今 は 人 口 減 少 と 少 子 高 齢 化 長 引 く 不 況 等 不 動 産 ビジネスを 取 り 巻 く 環 境 はとても 厳 しい 状 況 になっています その 一 方 都 市 再 開 発 法 の 下 で 再 開 発 ビルが 整 備 され 始 めて 以 来 40 年 という 歳 月 が 経 過 しており 空 間 の 陳 腐 化 や 設 備 の 老 朽 化 が 進 行 し 一 部 では 既 に 改 修 や 建 替 えの 取 り 組 みが 行 われています 一 般 的 に 再 開 発 ビルは 複 数 の 地 権 者 による 共 同 事 業 として 整 備 され また まちづくりという 社 会 的 な 役 割 の 中 で 新 たな 都 市 機 能 の 導 入 が 図 られること から 区 分 所 有 の 複 合 用 途 ビルとなる 場 合 が 多 く それが 再 開 発 ビルの 大 き な 特 徴 といえます 今 後 再 開 発 ビルを 建 設 する 際 に このような 再 開 発 ビルの 特 徴 を 活 かしな がら 円 滑 かつ 健 全 な 不 動 産 ビジネスが 営 めるような 工 夫 を 行 うことが 重 要 と 考 えられますが 前 途 したように 既 に 多 くの 再 開 発 ビルにおいて 様 々な 取 り 組 みがなされてきており その 蓄 積 された 工 夫 やノウハウを 活 用 すること は 極 めて 有 効 と 思 われます 以 下 では 再 開 発 ビルマネジメント 会 議 及 び 情 報 交 流 会 等 を 通 して 得 られた 情 報 を 元 に 計 画 段 階 から 考 慮 することで 竣 工 後 のビルの 管 理 運 営 が 良 好 に 行 えるポイントを 紹 介 します 3
2 不 動 産 ビジネス は 施 設 の 完 成 が 事 業 のスタート ポイント かつて 不 動 産 は 立 地 や 用 途 等 の 期 待 値 としての 不 動 産 評 価 によってそ の 価 格 が 決 定 されていましたが 昨 今 は 如 何 にキャッシュフローを 生 むか といういわゆる 収 益 還 元 的 な 評 価 の 傾 向 が 強 くなってきました つまり 所 有 する 価 値 ではなく 利 用 する 価 値 が 重 要 視 されることになり 資 産 というよりはむしろ 装 置 に 近 い 価 値 観 となってきているようです この 装 置 に 求 められる 機 能 は 安 定 した 収 入 を 確 保 すること ですが そのためには ビル 全 体 が 合 理 的 かつ 効 率 的 に 稼 動 すること が 必 要 となり ます すると 建 物 (ハード)だけではなく その 建 物 の 管 理 や 運 営 (ソフ ト)が 一 体 的 に 機 能 できるように 創 出 されることが 重 要 となってきます 一 般 的 なオーナービルでは 建 物 の 竣 工 までの 準 備 期 間 と 竣 工 後 に 収 益 を 得 る 不 動 産 ビジネスの 本 番 が 一 つの 事 業 として 連 続 して 流 れていくことは 言 うまでもありません それに 対 して 再 開 発 事 業 は 制 度 上 施 設 建 築 物 の 竣 工 清 算 という 手 続 きで 再 開 発 事 業 は 完 了 する ことになり 不 動 産 ビジネスとは 別 の 意 味 で の 事 業 としての 大 きな 節 目 を 有 しています 不 動 産 ビジネスという 意 味 では 事 業 の 節 目 に 際 して 施 行 者 としての 組 合 が 管 理 組 合 に 形 を 変 えるだけで 事 業 としては 継 続 されていきます しかし この 節 目 によって それまで 事 業 の 推 進 を 中 心 の 一 部 を 担 ってきた 機 関 や 関 係 者 が 大 きく 入 れ 替 わることになります その 際 に これまで 議 論 されて 来 た 考 え 方 (コンセプト)や 議 論 の 結 果 として 講 じられた 工 夫 等 が 上 手 く 継 承 されない 場 合 があるようです 特 に 商 業 施 設 においては 一 定 の 時 間 経 過 の 中 で 再 開 発 ビルに 入 居 して 生 活 再 建 を 果 たした 従 前 の 権 利 者 とは 異 なった 考 え 方 を 持 った 所 有 者 や 経 営 者 が 登 場 してきます すると それまでの 経 営 方 針 や 運 営 方 針 が 変 更 される いわゆる 後 継 者 問 題 や 相 続 問 題 が 発 生 することがあるようです 中 でも 刻 々と 変 化 する 商 業 環 境 に 迅 速 で 柔 軟 な 対 応 を 行 わないと 集 客 力 や 収 益 性 低 下 する テナントの 入 れ 替 えやリニューアル 等 の 重 要 な 課 題 に 対 しても 円 滑 な 対 応 が 行 えず 結 果 として 商 業 施 設 としての 存 続 までもが 危 ぶ まれる 場 合 もあるようです 将 来 的 なリニューアルや 改 修 を 想 定 した 施 設 計 画 や 管 理 運 営 計 画 は 当 該 再 開 発 ビルの 生 涯 総 収 益 に 大 きく 影 響 することであり 結 果 的 に 権 利 者 の 生 活 再 建 に 有 効 な 方 策 であることの 共 通 認 識 化 を 図 ることは 重 要 なテーマです 特 に ライフサイクルコスト については 充 分 な 検 討 がなされていない 場 合 も 多 く 見 受 けられるので 注 意 が 必 要 です つまり 再 開 発 ビル 特 有 の 課 題 を 見 据 えつつ 建 物 の 完 成 後 に 不 動 産 事 業 が スタートする という 原 点 を 絶 えず 確 認 することが 重 要 です 4
3 プロパティマネジメント(PM) は 不 可 欠 なツールである ポイント 収 益 還 元 的 な 価 値 が 重 要 視 されることによって ますます 対 象 とする 資 産 価 値 を 最 大 限 に 引 き 出 すことが 求 められます これは 収 益 性 が 高 い 不 動 産 ほ ど 高 額 で 売 却 できるためであり 現 在 の 不 動 産 ビジネスにおいては 基 本 的 な 考 え 方 になってきていると 思 います 当 然 このことは 再 開 発 ビルにおいてもあてはまることです つまり 従 前 権 利 者 が 生 活 再 建 を 目 指 して 権 利 変 換 した 資 産 が その 価 値 を 最 大 限 に 引 き 出 されるような 運 営 管 理 が 行 われることが 求 められるはずです 最 近 の 不 動 産 運 用 においては プロパティマネジメント(PM) が 不 可 欠 なものとなっています 一 般 的 な PM の 内 容 としては 建 物 の 物 理 的 な 維 持 管 理 業 務 をはじめ 不 動 産 を 賃 借 するテナントの 誘 致 交 渉 賃 貸 借 業 務 の 代 行 並 びに 賃 料 共 益 費 などの 請 求 回 収 トラブル 時 の 対 応 まで を 行 う 業 務 が 含 まれます したがって 今 後 再 開 発 ビルを 計 画 整 備 していく 際 にも この プロパテ ィマネジメント という 概 念 を 早 い 段 階 から 理 解 し マネジメントを 行 いや すい 施 設 とすることが 望 まれます しかしそのためには 再 開 発 ビルにおいては 世 代 交 代 や 相 続 の 発 生 により 運 用 方 法 ( 意 向 )が 変 化 し その 結 果 施 設 の 運 営 管 理 が 合 理 的 に 行 えない 状 況 が 生 じる 場 合 も 考 慮 し 計 画 段 階 から 再 開 発 ビルが 存 続 する 総 期 間 (ラ イフサイクル)の 資 産 価 値 の 向 上 を 図 ることが 生 活 再 建 としても 有 効 な 方 策 である というコンセンサスを 構 築 することが 重 要 です PM 業 務 の 一 例 5
4 商 業 施 設 は 迅 速 かつ 柔 軟 に 時 代 やニーズの 変 化 に 対 応 することが 重 要 ポイント 中 心 市 街 地 の 商 業 地 域 に 位 置 することが 多 い 再 開 発 ビルにおいては 賑 わい の 創 出 や 商 業 活 性 化 の 起 爆 剤 といった 地 域 課 題 への 取 り 組 みが 期 待 さ れる 場 合 が 多 くみられます しかし 長 引 く 不 況 や オーバーストア 等 商 業 を 取 り 巻 く 環 境 は 厳 しく 立 地 に 恵 まれた 再 開 発 ビルといえども 例 外 ではありません 特 に 最 近 は 新 たな 業 種 や 業 態 の 展 開 が 極 めて 短 時 間 で 行 われる 傾 向 が 顕 著 であるため 施 設 の 魅 力 や 集 客 力 を 継 続 するためには 如 何 に 迅 速 に 対 応 で きるかが 鍵 を 握 っています また 短 いタームでの 対 応 ゆえにローコストで 改 修 することなどが 求 められます すると 施 設 計 画 においては できるだ け 影 響 の 及 ぶ 範 囲 を 少 なくする 中 で 対 応 できるような 設 備 や 構 造 の 工 夫 が 求 められます 例 えば 郊 外 型 のショッピングセンターなどでは 商 品 の 配 置 や 内 装 照 明 の 照 度 までもが 絶 えず 変 更 されていますが それでも 10 年 程 度 で 撤 退 できる ような 設 備 投 資 しか 行 われませんし 百 貨 店 においては 目 標 売 り 上 げに 達 しないテナントは 強 制 的 に 退 去 させられるような 厳 しいルールを 強 いていま す それに 対 して 再 開 発 ビルの 場 合 は 複 数 の 権 利 者 によって 床 が 区 分 所 有 され ていることも 多 く そのために 運 営 管 理 においても 夫 々が 一 定 の 自 由 度 を 有 した 運 営 管 理 を 行 っている 場 合 も 見 受 けられます これは 区 分 所 有 床 が 法 的 に 資 産 の 保 全 権 利 の 保 全 として 強 く 守 られ ていることに 起 因 していると 思 われますが このことがかえって 柔 軟 な 対 応 を 難 しくし それによって 有 利 な 資 産 管 理 が 逆 に 損 なわれるという 矛 盾 を 孕 んだ 事 態 の 要 因 となっているも 考 えられます このような 課 題 に 対 し 変 更 できない 壁 や 設 備 は 避 けるようにしたり 専 用 部 分 として 対 応 できるよう 共 用 部 分 の 取 り 方 を 工 夫 したりするような 柔 軟 性 の 確 保 を 行 っている 取 り 組 みも 見 受 けられます また 商 業 施 設 としての 魅 力 を 確 保 するために 必 要 な 広 い 情 報 収 集 能 力 と 指 導 力 を 有 した 運 営 体 制 ( 相 応 のノウハウを 有 した 専 門 家 の 導 入 等 )を 敷 いて いる 場 合 も 見 受 けられます 6
5 再 開 発 ビルの 魅 力 を 持 続 するための 工 夫 等 について ポイント 再 開 発 ビルは 都 市 計 画 事 業 として 実 施 される 公 共 性 の 高 い 共 同 化 事 業 であ るがゆえに 公 的 支 援 が 行 われますが 一 方 で 期 間 やコストが 掛 かるという 側 面 もあり 結 果 的 には 極 めて 経 済 性 を 考 慮 しすぎた 施 設 整 備 となる 傾 向 が 見 受 けられます 例 えば 竣 工 時 に 全 館 が 同 一 テナントによって 利 用 される 場 合 空 調 等 の 設 備 が 一 系 統 にまとめられ 配 管 も 最 短 距 離 で 整 備 される 等 効 率 が 優 先 される 場 合 があります しかし 時 間 経 過 の 中 でそのテナントが 退 店 したために 床 を 分 割 使 用 したり 一 部 を 分 譲 せざるを 得 なくなったりする 場 合 も 想 定 され ます ただ 当 初 よりそのような 状 況 を 想 定 した 設 備 計 画 をすることも 難 しく 結 果 的 に 分 割 利 用 するために 多 大 な 費 用 を 掛 けざるを 得 ない 場 合 もあるようで す どの 程 度 の 変 更 までを 想 定 するかは 難 しいところですが 公 的 支 援 を 受 けて 整 備 されるということを 考 慮 すると 一 定 の 変 更 については 想 定 した 計 画 と なることが 望 まれるところです 例 えば 集 合 住 宅 等 では 取 り 入 れられ 始 めている スケルトン インフィル ( 躯 体 はそのままで 外 装 内 装 を 何 度 でも 入 れ 替 えられる 建 造 物 ) 等 は イ ニシャルコストとしては 高 くなりますが 変 更 リスクを 含 んだライフサイク ルコストや 環 境 への 配 慮 等 といった 視 点 で 捉 えれば 検 討 すべき 方 策 の 一 つ と 思 われます なお 再 開 発 ビルは 多 数 の 権 利 者 による 区 分 所 有 建 物 となる 場 合 が 多 いため 区 分 所 有 法 の 下 での 対 応 が 必 要 となる 場 合 もあります 既 に 各 地 では 様 々な 取 り 組 まや 工 夫 等 がなされているようなので それらについても 広 く 情 報 を 収 集 し 事 前 に 対 応 できる 部 分 は 対 応 しておくことも 肝 要 と 思 われます 7
事 例 1: 良 好 な 地 域 ポテンシャルを 活 かして 最 大 バリューの 創 出 を 図 った 計 画 的 な 仕 組 みづくり ( 六 本 木 ヒルズ/ 六 本 木 六 丁 目 地 区 : 東 京 都 港 区 ) 地 区 面 積 約 :11ha 権 利 者 数 : 従 前 714 人 従 後 376 人 敷 地 面 積 :95,106 m2 建 築 面 積 :32,257 m2 延 床 面 積 :116,831 m2 主 要 用 途 : 事 務 所 住 宅 ホテル 放 送 センター 商 業 施 設 文 化 施 設 公 益 的 施 設 総 事 業 費 : 約 2,867 億 円 権 利 変 換 の 型 : 地 上 権 非 設 定 型 (111 条 ) 土 地 所 有 形 態 : 一 筆 共 有 管 理 運 営 上 の 特 徴 施 設 計 画 上 の 特 徴 (ハードの 工 夫 ) 時 間 経 過 の 中 で 変 化 する 要 因 に 対 して できるだけ 柔 軟 に 対 応 できる 建 物 とし て 整 備 することで 賃 貸 収 益 の 安 定 を 図 り 資 産 価 値 の 維 持 向 上 を 目 指 す 特 に 時 代 と 共 に 変 化 することが 必 然 の 商 業 施 設 については 売 場 と 通 路 や 店 舗 区 画 等 の 大 幅 なレイアウト 変 更 にも 対 応 できるよう 商 業 ゾーン 全 体 を 専 有 部 として 一 者 で 所 有 している 設 備 についても 修 繕 や 改 修 が 円 滑 に 行 えるよう 用 途 や 階 層 等 を 考 慮 しなが ら 小 規 模 な 区 分 で 計 画 されている 施 設 運 営 上 の 特 徴 (ソフトの 工 夫 ) 様 々な 問 題 や 課 題 に 対 して 柔 軟 で 速 やかな 対 応 が 行 えるような 管 理 運 営 体 制 の 構 築 を 目 指 す ( 森 ビル の 経 験 と 実 績 による 総 括 的 に 管 理 運 営 体 制 ) 従 前 には 単 独 所 有 が 多 かった 権 利 形 態 において 従 後 の 管 理 運 営 費 の 拠 出 方 法 を 考 慮 した 権 利 配 置 と 運 営 方 策 ( 区 分 所 有 の 住 宅 の 管 理 費 を 共 有 する 業 務 床 収 入 で 支 払 うシステムで 賃 料 は 固 定 不 動 産 運 用 の 業 務 床 は 固 定 + 歩 合 賃 料 ) 権 利 者 の 共 有 業 務 床 は 床 所 有 割 合 に 応 じて 出 資 した 民 事 信 託 会 社 を 設 立 し 床 所 有 割 合 に 応 じた 信 託 受 益 権 の 配 当 を 得 る 仕 組 み ( 分 割 請 求 問 題 に 対 応 可 能 ) 複 数 棟 の 区 分 所 有 ビルにおける 管 理 運 営 の 特 徴 (エリアマネジメントの 発 想 ) 複 数 の 管 理 組 合 が 同 じ 管 理 者 に 管 理 業 務 委 託 する 方 法 を 採 用 特 に 複 数 の 敷 地 を 同 じ 管 理 者 とすることで 外 構 清 掃 や 装 飾 についても 一 体 的 なまちづくりの 観 点 を 持 って 実 施 可 能 また 共 用 通 行 部 分 における 収 益 業 務 ( 広 告 販 売 スペース 利 用 等 )を 同 じ 管 理 者 が 行 うことで 総 合 的 な 運 営 が 可 能 となり 収 益 性 の 向 上 に 繋 がる 共 通 使 用 部 分 の 運 営 による 収 益 は 管 理 費 に 充 当 する 仕 組 み 8
事 例 2: 複 合 用 途 構 成 による 再 開 発 ビルの 管 理 運 営 (リーベル 王 寺 / 王 寺 駅 前 久 度 地 区 中 央 街 区 : 奈 良 県 北 葛 城 郡 ) 地 区 面 積 : 約 2.5ha 権 利 者 数 : 組 合 設 立 時 223 名 (うち 法 定 権 利 者 126 名 ) 権 利 変 換 後 :88 名 敷 地 面 積 : 東 館 約 10,260 m2 西 館 約 2,310 m2 建 築 面 積 : 東 館 約 8,790 m2 西 館 約 1,840 m2 延 床 面 積 : 東 館 約 68,430 m2 西 館 約 14,240 m2 主 要 用 途 : 住 宅 公 益 的 施 設 業 務 施 設 店 舗 駐 車 場 等 総 事 業 費 : 約 251 億 円 権 利 変 換 の 型 : 地 上 権 非 設 定 型 (111 条 ) 土 地 所 有 形 態 : 一 筆 共 有 プロパティマネジメント 業 務 の 内 容 1. 施 設 運 営 管 理 業 務 ( 権 利 者 の 区 分 所 有 床 含 む) (1) 管 理 運 営 システム 点 検 更 新 業 務 (2) コストマネジメント 業 務 コストチェック( 設 備 管 理 清 掃 管 理 環 境 衛 生 管 理 警 備 業 務 等 ) エネルギー 関 連 設 備 システム 及 び 契 約 形 態 等 のチェック 見 直 しによるコス トチェック 2.テナント 営 業 管 理 支 援 業 務 (1) テナント 営 業 ( 日 常 活 動 )の 支 援 業 務 請 求 入 金 支 払 等 経 理 業 務 支 援 家 賃 等 滞 納 者 督 促 支 援 (2) 来 店 者 調 査 等 支 援 3.テナント 入 退 室 支 援 業 務 (1) テナントリーシング 支 援 業 務 (2) テナント 交 渉 契 約 管 理 支 援 業 務 (3) 立 入 退 室 管 理 入 居 時 の 内 装 工 事 監 理 諸 手 続 き 業 務 組 合 員 移 動 内 装 工 事 実 施 届 け 出 等 データ 整 理 退 去 時 の 原 状 回 復 工 事 監 理 諸 手 続 き 4.その 他 管 理 運 営 支 援 業 務 (1) 経 営 管 理 支 援 業 務 ( 王 寺 都 市 開 発 ) 事 業 分 野 別 原 価 収 益 性 分 析 税 務 法 務 専 門 家 との 連 絡 調 整 業 務 単 年 度 事 業 計 画 立 案 支 援 単 年 度 事 業 報 告 株 主 総 会 等 対 応 支 援 中 長 期 経 営 計 画 チェック 見 直 し 9
事 例 3: 地 権 者 法 人 が 床 を 取 得 するスキーム ( 壱 番 街 クリスタルドーム/ 高 松 丸 亀 商 店 街 A 街 区 : 香 川 県 高 松 市 ) 地 区 面 積 : 約 0.44ha 権 利 者 数 : 従 前 67 人 従 後 29 人 敷 地 面 積 :3,166 m2 建 築 面 積 :2,762 m2 延 床 面 積 :16,576 m2 主 要 用 途 : 住 宅 商 業 公 共 公 益 駐 車 場 その 他 総 事 業 費 : 約 69.2 億 円 権 利 変 換 の 型 : 特 則 型 [ 全 員 同 意 型 ](110 条 ) 写 真 : 新 建 築 2008 年 01 月 号 作 品 土 地 所 有 形 態 : 従 前 のまま その 上 に 定 期 借 地 権 を 設 定 している( 準 共 有 ) A 街 区 のスキーム 権 利 者 から 共 同 出 資 会 社 が 定 期 借 地 を 行 った 上 で 一 括 管 理 定 期 借 地 権 付 住 宅 は 土 地 代 が 顕 在 化 しないため 廉 価 な 分 譲 を 実 現 土 地 所 有 者 は 地 代 収 入 を 得 建 物 に 権 利 変 換 した 権 利 床 は 共 同 出 資 会 社 からの 賃 料 収 入 を 得 る 地 価 を 顕 在 化 させず ビル 全 体 を 共 同 出 資 会 社 が 一 括 で 管 理 運 営 する スキームが 迅 速 で 柔 軟 な 対 応 を 可 能 とし 資 産 価 値 の 維 持 に 有 効 とい うことを 地 権 者 が 合 意 まちづくり 会 社 の 運 営 ( 収 支 の 流 れ) 共 同 出 資 会 社 は テナントからの 家 賃 収 入 から 社 経 費 等 を 除 し 床 及 び 土 地 所 有 者 に 賃 料 を 支 払 う 地 権 者 が 営 業 する 場 合 もテナントと して 賃 料 を 払 い 所 有 と 利 用 を 分 離 することで 商 業 施 設 としての 柔 軟 な 運 営 を 実 現 できるスキーム 行 政 は 補 助 金 等 の 支 援 に 対 し 税 収 の 増 加 が 期 待 できる 10
事 例 4: 民 事 信 託 方 式 スキームを 取 り 入 れた 再 開 発 ビル (サイオス/ 豊 岡 第 一 北 地 区 : 埼 玉 県 入 間 市 ) 地 区 面 積 : 約 1.0ha 権 利 者 数 : 従 前 19 件 従 後 17 件 敷 地 面 積 :1 街 区 5,319 m2 2 街 区 2,444 m2 延 床 面 積 :1 街 区 18,979 m2 2 街 区 9,509 m2 主 要 用 途 :1 街 区 = 商 業 2= 駐 車 場 総 事 業 費 : 約 48.56 億 円 権 利 変 換 の 型 : 全 員 同 意 型 (110 条 ) 土 地 所 有 形 態 (1 街 区 商 業 棟 ): 土 地 土 地 権 変 による 区 分 所 有 (2 街 区 駐 車 場 棟 ): 土 地 土 地 権 変 による 区 分 所 有 建 物 所 有 形 態 (1 街 区 商 業 棟 ): 土 地 持 分 按 分 で 全 保 留 床 取 得 (2 街 区 駐 車 場 棟 ): 全 床 保 留 床 で 駐 車 場 管 理 会 社 が 取 得 民 事 信 託 会 社 に 信 託 写 真 提 供 : アール アイ エー サイオスにおける 民 事 信 託 の 概 要 当 該 事 業 では キーテナントの 撤 退 をきっかけに 民 事 信 託 の 導 入 が 図 られた 資 金 調 達 の 円 滑 化 高 齢 等 で 金 融 機 関 等 からの 借 入 が 難 しい 場 合 の 選 択 として 有 効 信 託 報 酬 は 不 要 のため 採 算 性 が 厳 しい 場 合 の 選 択 肢 としても 有 効 政 策 投 資 銀 行 からの 資 金 調 達 が 可 能 税 制 上 のメリット 各 権 利 者 に 減 価 償 却 が 適 用 できる 借 入 金 債 務 が 各 権 利 者 に 帰 属 するため 各 権 利 者 の 相 続 税 対 策 となる 手 法 としての 評 価 共 有 床 の 分 割 請 求 や 破 産 相 続 等 にも 有 効 好 ましくない 第 三 者 を 法 的 にシャットアウトできる 留 意 点 所 有 権 が 信 託 会 社 に 移 ること 家 賃 収 入 が 下 回 ると 配 当 はマイナスにもなり 得 ることについ ては 権 利 者 の 理 解 を 得 るため 早 期 からの 説 明 が 必 要 抵 当 権 の 整 理 (この 入 間 のケースでは 既 存 の 抵 当 権 等 を 整 理 は 問 題 とならなかった) 再 開 発 組 合 権 利 者 民 事 信 託 会 社 の 関 係 再 開 発 会 社 から 保 留 床 の 譲 渡 を 受 けるのは 各 権 利 者 で 信 託 は 再 開 発 事 業 後 の 手 続 きとして 位 置 付 けられている ( 建 物 の 所 有 形 態 : 権 利 変 換 上 は 共 有 で 共 有 持 分 を 信 託 している) 保 留 床 ( 増 床 ) 譲 渡 市 街 地 再 開 発 事 業 の 施 行 者 < 市 街 地 再 開 発 組 合 > 委 託 者 & 受 益 者 < 権 利 者 > [ 土 地 建 物 所 有 者 ] 信 託 受 益 権 信 託 配 当 増 床 負 担 金 の 支 払 い 受 託 者 < 民 事 信 託 会 社 > 信 託 財 産 ( 土 地 建 物 ) 賃 貸 敷 金 補 償 金 賃 料 <テナント> 融 資 返 済 < 金 融 機 関 > 11
事 例 5: 再 々 開 発 事 業 への 取 り 組 み (サンビルスクエア/ 小 樽 駅 前 第 3ビル 周 辺 地 区 : 北 海 道 小 樽 市 ) 敷 地 面 積 :2,772 m2 建 築 面 積 : 2,300 m2 延 床 面 積 :12,447 m2 主 要 用 途 :ホテル 店 舗 プール 等 総 事 業 費 : 約 111.40 億 円 (3 地 区 合 計 ) 権 利 変 換 の 型 : 地 上 権 非 設 定 型 (111 条 ) 土 地 所 有 形 態 : 一 筆 共 有 工 事 完 了 :1976 年 11 月 従 前 再 開 発 ビルが 抱 えていた 問 題 事 業 の 契 機 設 備 の 著 しい 老 朽 化 によって 多 額 の 維 持 経 費 が 掛 かっていた( 核 施 設 であるホ テルからの 管 理 費 等 の 徴 収 が 見 込 めなかった) 当 初 の 計 画 (ボウリング 場 )から 急 遽 用 途 変 更 して 導 入 した 市 民 プールの 真 下 に 位 置 する 受 変 電 施 設 のための 漏 水 漏 電 等 の 事 故 防 止 対 策 に 多 額 の 費 用 負 担 が 想 定 された 機 能 変 換 が 難 しいプールをはじめ 改 修 工 事 を 実 施 する 場 合 新 耐 震 基 準 をク リアするまでに 多 大 な 影 響 が 生 じると 予 測 された 複 数 用 途 ビル( 市 民 プール 商 業 店 舗 ホテル 等 )の 一 部 床 (ホテル)の 営 業 が 停 止 したことを 受 け 管 理 会 社 が 主 体 となり 再 開 発 ビルの 再 生 について 検 討 された 商 業 診 断 の 提 案 により 高 齢 者 施 設 等 の 具 体 的 な 用 途 を 想 定 した 再 利 用 を 検 討 したが 上 記 のような 問 題 を 抱 えていたことや 区 分 所 有 という 複 雑 な 権 利 関 係 から 断 念 した 建 物 の 再 利 用 が 難 しいという 状 況 になったことから 再 々 開 発 の 可 能 性 につい て 検 討 されることになった 再 々 開 発 事 業 に 向 けたハードル 地 方 自 治 体 や 開 発 局 との 協 議 の 結 果 以 下 の 点 が 整 理 されれば 再 々 開 発 の 導 入 が 可 能 という 結 論 に 至 った 1 施 設 建 築 物 の 維 持 管 理 に 支 障 が 生 じていること 2 改 修 等 の 方 法 によっては 有 効 活 用 を 図 ることが 困 難 であること 3 既 に 建 築 後 相 当 期 間 を 経 過 していること 4 都 市 機 能 の 更 新 という 新 たな 利 用 が 行 われること 5 通 常 の 再 開 発 の 条 件 が 揃 っていること 地 区 面 積 約 :6,200 m2 権 利 者 数 : 従 前 32 人 従 後 11 人 敷 地 面 積 :3,560 m2 建 築 面 積 :2,784 m2 延 床 面 積 :26,645 m2 主 要 用 途 : 住 宅 ホテル 店 舗 公 共 公 益 駐 車 場 等 総 事 業 費 : 約 65 億 円 権 利 変 換 の 型 : 全 員 同 意 型 (110 条 ) 土 地 所 有 形 態 : 一 筆 共 有 再 々 開 発 事 業 に 至 る 経 緯 手 法 としては 優 良 建 築 物 等 整 備 事 業 と 第 一 種 市 街 地 再 開 発 事 業 の2つを 比 較 検 討 する 中 で 以 下 のようにいくつかのハードルをクリアすることによって 全 員 同 意 型 の 再 々 開 発 事 業 という 手 法 が 選 択 された 第 一 種 市 街 地 再 開 発 事 業 の 方 が 税 制 上 有 利 と 判 断 した 通 常 の 再 開 発 事 業 の 要 件 充 足 のために 隣 接 地 の4 名 の 地 権 者 を 加 えた 区 域 設 定 と した 施 設 の 劣 化 及 び 老 朽 化 の 状 況 から 耐 用 年 数 の2/3の 経 過 年 数 と 同 等 の 機 能 低 下 が 認 められた 法 的 手 続 期 間 を 短 縮 する 為 区 分 所 有 法 に 基 づく 建 替 え 決 議 の 採 決 の 必 要 が 無 い 全 員 同 意 による 権 利 変 換 を 選 択 した 床 構 成 の 考 え 方 定 住 人 口 の 増 加 と 宿 泊 観 光 による 中 心 市 街 地 の 活 性 化 を 睨 み 以 下 の 観 点 から 床 構 成 を 計 画 した ホテルの 経 営 破 綻 の 要 因 分 析 の 結 果 客 室 営 業 は 可 能 と 判 断 (バンケット 営 業 の 不 振 が 破 綻 の 原 因 )し 従 後 ビルにおいてもホテル 機 能 (ビジネスホテル)を 導 入 街 なか 居 住 ニーズを 想 定 した 都 市 型 住 宅 を 導 入 事 業 効 果 と 採 算 性 が 見 込 んで 計 画 されたホテル 住 宅 を 保 留 床 として 売 却 権 利 床 は 1F と B1F の 店 舗 駐 車 場 は 敷 地 の 制 約 上 タワーパーキングとした 中 心 市 街 地 活 性 化 計 画 の 策 定 と 認 定 補 助 採 択 基 準 を 満 たすには 中 心 市 街 地 活 性 化 基 本 計 画 の 中 に 位 置 付 けられ 認 定 を 受 ける 必 要 があった 従 前 ビルの 管 理 会 社 がまちづくり 会 社 となり 中 心 市 街 地 活 性 化 協 議 会 の 中 心 メン バーとして 行 政 とともに 基 本 計 画 案 を 策 定 し 平 成 20 年 7 月 に 内 閣 総 理 大 臣 の 認 定 を 受 けた 12