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Transcription:

フランスにおける 一 人 有 限 会 社 La SARL unipersonnelle en France ジャン クロード アルアン* ( Jean-ClaudeHallouin) 亀 井 克 之 訳 ** 一 人 有 限 会 社 (SARL unipersonnelle)の 定 義 はフランス 語 で 言 うところのわかりきったこと (lapalissade)であるが 社 員 が 一 人 の 有 限 会 社 (SARL: Socitété à Responsabilité Limitée)を 意 味 する 立 法 者 における 議 論 の 末 実 務 上 これは 有 限 責 任 一 人 企 業 (EURL: Entreprise UnipersonnelleàResponsabilitéLimitée)と 時 には 呼 ばれる しかし 実 際 技 術 的 な 観 点 からは EURL( 有 限 責 任 一 人 企 業 )という 範 疇 は 存 在 しない これは 社 員 が 一 人 しかいない SARL( 有 限 会 社 ) 以 下 でも 以 上 でもない 一 人 有 限 会 社 をよりよく 理 解 すたためには まず 有 限 会 社 と は 何 かを 復 習 することから 始 めよう 有 限 会 社 は 今 日 フランスで 非 常 に 普 及 している 商 事 会 社 (sociétécommerciale)の 形 態 の 一 つである 統 計 上 は 最 も 活 用 されている 形 態 である これは1925 年 にドイツ 法 における 有 限 会 社 (GMBH: gesellschaft mit beschränkter haftung)を 模 倣 してフランスに 導 入 された これ には 第 一 次 世 界 大 戦 の 影 響 もある この 戦 争 で 多 くの 小 規 模 商 店 が 被 害 を 被 ったからである 商 店 経 営 者 にとって 責 任 の 制 限 (リスクの 限 定 )が 可 能 となるように 社 員 は 企 業 の 債 務 を 負 わないという 責 任 が 制 限 されたこの 形 態 が 導 入 されたのである しかし これは 物 的 会 社 ( 資 本 会 社 )(société de capitaux)ではない この 形 態 は 当 時 の 人 的 会 社 (sociétés de personnes) の 基 本 的 な 特 徴 を 呈 していた SARL はすぐに 成 功 を 収 めたわけではなかった 税 制 が 会 社 化 することに 有 利 ではなかったし 商 売 を 個 人 事 業 として 行 うという 考 えが 非 常 に 根 強 かったからである 状 況 が 進 展 するには1960-1970 年 代 まで 待 たねばならなかった まず 第 一 に 会 社 法 の 初 の 大 改 正 となった1966 年 7 月 24 日 付 法 次 いで 税 制 改 革 さらには 企 業 経 営 者 の 会 社 における 地 位 (Statut Social)に 関 する 改 革 である SARL は 物 的 会 社 に 似 た 制 度 とされた ( 物 的 会 社 の) 多 くの 特 長 が 採 用 された 例 えば 設 立 手 続 きは 実 際 上 同 じである 役 員 (dirigeant)は 大 きな 業 務 執 行 (gestion) 上 の 権 限 を 持 つ 資 本 の 過 半 数 で 議 決 される 通 常 社 員 総 会 (l assemblée générale ordinaire)と 4 分 の 3 で 議 決 さ 編 集 部 注 * ポアティエ 大 学 法 学 社 会 科 学 部 教 授 ** 関 西 大 学 総 合 情 報 学 部 教 授 本 稿 は2006 年 9 月 22 日 開 催 された 法 学 研 究 所 第 63 回 特 別 研 究 会 の 報 告 原 稿 に 加 筆 修 正 したものである 45

れる 特 別 社 員 総 会 (assemblée générale extraordinaire)は 区 別 される 通 常 社 員 総 会 は 役 員 を 選 任 し 解 任 する 権 限 ならびに 利 益 配 分 を 決 定 する 権 限 を 持 つ 一 方 特 別 社 員 総 会 は 定 款 (statuts) を 変 更 する 権 限 を 持 つ また SARL は 最 低 資 本 金 (capitalsocialminimum)を 有 する 必 要 がある しかしこれは 常 に 低 い 額 に 抑 えられていた SARL は 社 員 が 株 式 (actions)ではなく 持 分 の 所 有 者 (titulaires de parts)にとどまってい るという 点 で 人 的 会 社 との 接 点 を 常 に 保 持 してきた 一 方 会 社 設 立 に 関 わる 税 制 上 の 障 害 は 取 り 除 かれ 経 営 者 ( 役 員 )の 会 社 における 地 位 もより 魅 力 的 なものとなったため SARL の 制 度 が 一 気 に 普 及 した 数 年 間 で 60 万 社 から100 万 社 に 増 加 した こうした1970-1980 年 代 の 状 況 を 背 景 に 個 人 事 業 主 (entrepreneur individuel)にとっての 責 任 の 制 限 (limitation des risques)の 問 題 が 取 り 上 げられることとなった 一 般 に 個 人 事 業 主 と 呼 ば れ る 人 達 は 独 立 し た 職 業 商 業 的 な 職 業 職 人 的 な 職 業 を 営 む 自 然 人 (personne physique)である 1925 年 以 来 責 任 を 限 定 したい 人 は SARL を 設 立 することにによってそれ が 可 能 となった しかしそのためには 他 人 と 組 む 必 要 があった 通 常 それはさほど 困 難 なことではかった つ まり 共 同 で 商 売 を 営 む 夫 婦 二 人 を 想 起 すればよい しかしいつもその 通 りというわけではない 一 緒 に 事 業 を 経 営 したくないという 夫 婦 も 充 分 ありえる 一 般 的 なフランス 語 で 言 うところのわ ら 人 形 (homme de paille)のような 存 在 である 名 義 社 員 ( 親 切 心 から 社 員 となってくれる 人 ) (associé de complaisance)と 共 に 会 社 を 設 立 することも 可 能 であった しかしこれは 必 ずしも 良 い 解 決 策 とはいえなかった その 結 果 個 人 企 業 家 が 一 人 で 事 業 を 営 みながらも 責 任 制 限 を 可 能 とするために 法 が 提 供 しなければならない 技 術 的 方 策 についての 議 論 が 行 われるようになった こうして 一 人 会 社 (société unipersonnelle)の 可 能 性 についての 議 論 がなされるようになった この 問 題 は 理 論 に 関 わる 大 きな 議 論 をまきおこした 今 日 議 論 は 沈 静 化 したとはいえ 常 に 一 人 会 社 の 問 題 に 戻 って 議 論 を 始 めなければならない こうした 問 題 が 解 決 され 一 人 企 業 が 受 け 入 れられれば 一 人 有 限 会 社 (SARLunipersonnelle)の 利 点 が 広 く 普 及 することが 可 能 となるだろう Ⅰ 一 人 会 社 をめぐる 問 題 (La question de la société unipersonnelle) 1980 年 代 の 初 頭 にフランスでどのように 議 論 が 始 まったかを 理 解 するためにはいくつかのフラ ンス 法 の 基 本 的 概 念 会 社 (société)の 概 念 さらには 資 産 (patrimoine)の 概 念 について 復 習 する 必 要 がある フランスでは 伝 統 的 に 会 社 とは 一 つの 契 約 (contrat)を 意 味 する 18 世 紀 には 会 社 とは 社 員 間 の 義 務 (obligations entre les associés)のみを 発 生 させる 契 約 でしかな かった ナポレオンによる 法 典 化 の 際 会 社 ( 組 合 )は 民 法 典 において 典 型 契 約 (contratsspéciaux) の 中 に 位 置 づけられていた ( 会 社 ( 組 合 ) 契 約 ( Ducontratdesociété )と 名 づけられた( 民 法 典 ) 第 3 編 第 9 条 が 存 在 していた ) 46

商 法 典 (Code de commerce)においては 会 社 に 関 する 一 般 規 定 ( 総 則 規 定 )(dispositions générales)は 存 在 しなかった 商 法 典 は 民 法 典 に 帰 属 していた 会 社 の 特 別 な 形 態 についてはいくつかの 規 定 しかなかった 例 えば 合 名 会 社 :(Société en Nom Collectif) 合 資 会 社 (Société en Commandite Simple) 株 式 合 資 会 社 (Société en CommanditeParactions) そして 株 式 会 社 (SociétéAnonyme)である こうしたすべての 会 社 は 民 法 上 の 組 合 (société civile)とは 異 なり 法 人 格 (personnalité morale)を 有 していた しかし あらゆる 会 社 の 起 源 には 一 つの 契 約 が 存 在 すると 考 えられた すなわち フランス 法 においては 契 約 という 場 合 少 なくとも 二 人 の 契 約 締 結 者 (co-contractants)の 存 在 を 意 味 し ている 一 つの 行 為 に 一 人 の 当 事 者 のみ 存 在 する 場 合 それは 単 独 行 為 (acte unilatéral)と なる それゆえ 一 人 会 社 は 容 認 されなかった これは 会 社 の 概 念 に 関 連 して さらにもう 一 つの 理 由 で 容 認 されなかった 最 も 普 及 してい る 商 事 会 社 の 形 態 は 既 に 述 べたように 法 人 格 を 有 している すなわち フランス 私 法 の 伝 統 においては 原 則 的 に 法 人 格 は 人 の 集 団 (groupements)に 付 与 される これが 一 人 会 社 を 拒 絶 する 二 つ 目 の 理 由 となった 考 えなければならない 二 つ 目 の 基 本 的 な 概 念 は 財 産 (patrimoine)という 概 念 である 一 般 的 な 言 葉 では 財 産 とは 人 が 所 有 する 事 物 と 富 の 総 体 を 意 味 する 財 産 を 有 するということは 富 裕 であり 大 きな 富 を 所 有 することと 同 義 語 である 一 方 法 律 用 語 としては 財 産 という 言 葉 はもう 一 つ 別 の 意 味 を 持 つ これはオーブリーとロ ー(AubryetRau)によって19 世 紀 の 後 半 に 練 り 上 げられた そこでは 財 産 は 人 格 と 密 接 に 結 びついた 形 で 把 握 された つまり 個 々の 財 産 そのものとは 異 なり 個 々の 財 産 や 義 務 の 所 有 者 になる 資 格 (aptitudeàêtretitulairedebiensetd obligations)を 指 し 示 すものと 考 えられた 財 産 は 充 足 されもするし また 空 っぽになりもする 器 と 捉 えられた 生 まれたばかりの 子 供 も 財 産 を 持 つし 貧 困 者 もまた 財 産 を 持 つ その 結 果 三 つの 命 題 と 一 つの 結 論 が 導 き 出 される 三 つの 命 題 とは 次 のものである あらゆる 人 は 一 つの 財 産 を 持 つ あらゆる 人 は 一 つの 財 産 し か 持 たない 財 産 を 持 つ 人 しか 存 在 しない 結 論 は 財 産 は 資 産 と 負 債 の 総 体 (ensemble actif et passif)と 捉 えられるということである すなわち 人 に 帰 属 するあらゆる 物 と その 人 物 のあらゆる 負 債 を 意 味 する 総 体 として 財 産 とは 常 に その 日 付 やその 起 源 に 関 わりなく あらゆる 所 有 物 やあらゆる 負 債 が 溶 けこみ 合 う 一 種 のるつぼ(creuset)のようなものなのである 換 言 すれば フランス 法 においては 財 産 とは 人 が 自 らの 資 産 の 総 体 に 対 して 負 債 の 総 体 を 負 っていることを 意 味 す る この 財 産 の 概 念 は あらゆる 人 特 に 自 然 人 たる 商 業 従 事 者 (commerçant personne physique)に 適 用 される この 結 果 人 は 一 つの 財 産 のみを 有 するということになる つまり 個 人 ならびに 商 事 上 のあらゆる 負 債 に 対 応 する 形 での 個 人 ならびに 商 事 上 のあらゆる 資 産 である 個 人 の 財 産 と その 企 業 の 財 産 とを 区 別 することは 不 可 能 である 事 業 に 失 敗 すれば あらゆ る 個 人 的 な 富 が 拘 束 されることになる これらの 概 念 を 思 い 起 こせば 個 人 企 業 家 がその 責 任 を 制 限 することを 可 能 にするような 技 術 的 方 策 についての 議 論 がどのように 展 開 されたかを 理 解 す 47

ることが 可 能 となる 二 つの 道 筋 が 考 えられた まず 第 一 は 会 社 の 伝 統 的 な 概 念 を 放 棄 して 一 人 会 社 を 容 認 する というものである 一 人 会 社 が 設 立 された 瞬 間 から 二 人 の 人 と 二 つの 財 産 が 存 在 するというこ とになった 会 社 は 商 行 為 を 営 み その 固 有 財 産 の 上 にそれを 引 き 当 てとする 商 事 上 の 負 債 の 責 めを 負 う 単 独 社 員 (associé unique)は 商 行 為 を 行 わず 商 事 上 の 負 債 (passif commercial) の 責 めを 負 わない 個 人 財 産 の 上 にそれを 引 き 当 てとする 個 人 的 な 負 債 (passif personnel)の 責 めを 負 う 財 産 の 分 離 があるのは ( 法 人 と 自 然 人 というように) 人 の 概 念 が 複 数 化 している からである 第 二 の 道 は 逆 に 人 格 と 密 接 に 関 連 する 財 産 の 概 念 を 放 置 して 特 別 財 産 (patrimoine d affectation)を 認 めるというものである 財 産 の 概 念 は 民 法 典 の 条 文 に 明 示 されているわけ ではない 同 一 人 物 が 複 数 の 財 産 の 筆 頭 となることを 何 も 禁 じてはいない それは 一 つの 財 産 に おける 資 産 は この 財 産 の 負 債 にしか 対 応 しないからである 学 説 上 の 大 勢 として この 第 二 の 道 が 好 まれた オーブリーとローによる 財 産 の 概 念 は 人 為 的 な 要 素 を 有 しており 同 一 人 物 が それぞれが 資 産 と 負 債 の 総 体 であり その 一 つが 主 で 別 の 一 つが 一 つの 行 為 に 影 響 を 及 ぼすという 形 で 複 数 の 財 産 の 筆 頭 になりえることをとても 簡 単 に 思 いつけるような 傾 向 があった 確 かにオーブリ ーとローによる 概 念 は 比 較 的 新 しく 古 き 伝 統 を 要 求 しうるものではない 1) 逆 に 会 社 の 概 念 の 方 はより 頑 強 なものであった 言 語 的 にも 会 社 という 語 彙 は 人 が 集 ま ってという 意 味 がこめられている 人 が 別 の 誰 かと 組 むということが 必 要 となるのである 学 説 の 大 勢 として 一 人 会 社 (société unipersonnelle)の 考 え 方 は 拒 絶 され 特 別 財 産 (patrimoine d affectation)という 考 え 方 に 助 けを 求 めることが 賞 賛 されたのである 少 し 皮 肉 なことであるが 一 人 会 社 はリヒテンシュタインでしか 知 られていなかった これは 完 全 に 事 実 というわけではない 英 国 では 以 前 から ワン マン カンパニー ( one man company )が 存 在 していた また 特 別 財 産 は ドイツ 法 では 認 知 されていた しかしながら フランスの 立 法 者 が 1985 年 7 月 13 日 付 け 法 に 取 り 組 んだ 際 特 別 財 産 を 採 用 しなかった フランスの 立 法 者 は 有 限 会 社 (SARL)に 対 してのみ 許 可 するという 一 人 会 社 制 を 選 択 した 農 業 における 同 様 なものが 有 限 責 任 農 業 経 営 体 (EARL: Exploitation Agricole à Responsabilité Limitée)である この 選 択 は いくつかのことを 考 慮 した 末 になされた まず 第 一 にその 簡 便 さである 一 人 有 限 会 社 (SARL unipersonnelle)を 導 入 するのに 際 しては いくつかの 条 文 を 訳 注 1 ) 鳥 山 恭 一 一 人 会 社 の 法 規 整 フランスにおけるその 展 開 早 稲 田 法 学 早 稲 田 大 学 法 学 会 65 巻 3 号 1990 年 8 月 25 日 32-33 頁 によれば 個 人 企 業 組 織 の 制 度 化 は 個 人 企 業 者 の 企 業 者 としての 責 任 を 制 限 して その 財 産 を 個 人 財 産 と 企 業 財 産 とに 分 割 することを 内 容 としており フランスでは 財 産 法 上 の 基 本 原 則 とされている 財 産 単 一 不 可 分 の 原 則 (le principe de l unicité et de l indivisibilité du patrimoine) との 抵 触 が 問 題 視 された オーブリー(Aubry)とロー(Rau) 両 教 授 は 19 世 紀 後 半 に この 財 産 の 概 念 を 定 式 化 した 両 教 授 によれば 財 産 は まず 人 格 の 発 現 (émanation de la personalité) であり したがって 法 人 も 自 然 人 もすべての 人 は 単 一 の 財 産 を 持 ち これを 分 割 することはできないとした 48

書 き 換 えるだけですんだ 具 体 的 には 会 社 の 定 義 の 部 分 と SARL についての10の 条 文 である ( 社 員 数 集 団 的 決 議 など)その 他 の 部 分 については 有 限 会 社 (SARL)の 通 常 の 制 度 でほぼ 充 足 された もし 仮 に 特 別 財 産 制 度 の 導 入 を 望 んでいたとしたら はるかにもっと 大 きな 改 革 に 着 手 し そ れまで 知 られていなかったあらゆる 一 連 の 問 題 点 を 解 決 しなければならなかったはずである た が そのようにはならなかった つまり どのように 特 別 財 産 を 構 成 するのか?どのようにそれ を 移 転 (cession)したり 承 継 (transmission)したりするのか? 複 数 の 特 別 財 産 を 保 有 すること は 可 能 か?もし 可 能 なら その 人 と 取 引 をする 第 三 者 が 引 き 当 てとなって 拘 束 される 財 産 につい て 知 るためには どうすればよいのか? 第 二 には 提 供 される 解 決 策 の 単 純 性 と 信 頼 性 である 有 限 会 社 (SARL)はよく 知 られていた 有 限 会 社 が 一 人 形 態 であるとき 通 常 の 規 則 の 主 要 な 部 分 が 適 用 される 特 に 第 三 者 との 関 係 に 関 するあらゆる 部 分 や 持 分 の 移 転 や 継 承 に 関 するあらゆる 部 分 である まもなく この 方 式 が 多 くの 状 況 に 対 してよりよい 解 決 策 を 提 供 することが 明 らかとなった 企 業 家 が 事 業 譲 渡 を 望 む 場 合 ( 多 くの 危 険 があるとはいえ) 有 限 会 社 の 持 分 をどのように 譲 渡 すればよいかはよくわかっている 資 産 と 負 債 の 構 成 要 素 を 含 む 財 産 をどのように 譲 渡 すれば よいかはあまり 理 解 されていない 企 業 家 が 子 供 の 一 人 に 対 して 移 転 または 承 継 をしようと 望 む 際 には しばしば 共 同 経 営 (codirection)の 時 期 を 持 つことが 適 切 となる 有 限 会 社 ならこうしたことをうまく 行 うことができ る というのも 仮 に 社 員 が 一 人 であっても 業 務 執 行 者 (gérant)を 複 数 持 つことが 可 能 だか らである 特 別 財 産 の 共 同 運 営 は 着 手 するのが 容 易 ではない これは 有 限 会 社 にあてはまる 多 くの 解 決 策 の 恩 恵 を 受 けないからである 企 業 は 成 長 する すると 多 くのパートナーの 助 けが 必 要 となる 有 限 会 社 の 場 合 それはとても 簡 単 である 増 資 によってそれを 実 現 するか 社 員 が 持 分 の 一 部 分 を 譲 渡 することによってそれが 可 能 となる 特 別 財 産 の 場 合 こうしたことが 直 接 的 には 可 能 にはならない (また 別 に 特 別 財 産 としての) 会 社 を 作 らなければならない つまり 特 別 財 産 の 創 造 に 際 しては ( 一 般 的 に 会 社 設 立 の 手 続 きと 類 似 だったはずだと 考 え るられる) 各 種 手 続 きが 必 要 となり 会 社 を 設 立 するための 新 たな 手 続 きが 必 要 となる さらに 余 分 な 税 制 上 のコストがかかるリスクも 付 け 加 えなければならない 会 社 の 設 立 は 顕 著 な 価 値 を 有 する 事 業 と 財 産 から 実 現 するからである 要 約 するならば 一 人 有 限 会 社 は 即 座 に 企 業 を 会 社 形 態 にするという 利 点 を 有 している すなわち 20 世 紀 の 後 半 において 会 社 はフランスでは 企 業 の 法 的 組 織 化 のための 技 術 (technique d organisation de l entreprise)として 認 識 されていた そのため 結 局 特 別 財 産 より 会 社 の 概 念 の 方 が 優 越 するということとなった このことは 立 法 者 が 一 人 有 限 会 社 を 導 入 するために 会 社 の 法 的 定 義 を 修 正 する 契 機 となった したがって 会 社 は 次 のように 定 義 されるに 至 った 会 社 は 出 資 から 生 じることある 利 益 を 分 配 し または 節 約 の 利 益 を 享 受 することを 目 的 として 共 同 事 業 に 財 産 または 労 務 を 出 資 す 49

ることを 契 約 により 合 意 した 数 人 の 者 によって 設 立 される désormais est instituée par deux ou plusieurs personnes qui conviennent par un contrat d affecter à une entreprise commune des biensouleurindustrieenvuedepartagerlebénéficeoudeprofiterdel économiequipourraen résulter ( 民 法 典 1832 条 ) 2) この 条 文 においては 契 約 になお 言 及 しつつも 従 来 の 理 論 (lathéorieinstitutionelle)( 会 社 または 法 人 についての) 組 織 体 説 有 機 体 説 法 人 実 在 説 )を 犠 牲 にしたことが 明 らかである 一 人 会 社 の 容 認 において 諸 外 国 の 例 特 にヨーロッパの 事 例 は 大 きな 役 割 を 演 じた その 役 割 はその 後 も 大 きくなっていった 一 人 有 限 会 社 として 結 実 するものを 案 出 するにあたって ド イツの 例 がしばしば 引 き 合 いに 出 された まずは ドイツ 法 における 特 別 財 産 の 認 知 を 前 面 に 押 し 出 した 一 人 有 限 会 社 反 対 論 者 によるものであった しかしドイツ 法 は 結 局 のところ その 反 対 の 方 向 での 役 割 を 演 じることとなった というのも 1970 年 に ドイツの 立 法 者 が 一 人 有 限 会 社 を 導 入 していたからである その 結 果 法 務 大 臣 は 議 会 における 議 論 を 通 じて 半 ば 論 争 となりながらも これを 承 認 す ることができたのである 特 別 財 産 はうまくいきません その 証 拠 は ドイツ 法 はそれを 認 め ながらも 結 局 一 人 会 社 を 採 用 した 最 初 の 国 ではありませんか ベルギーの 例 もまた 大 きな 影 響 を 及 ぼした フランスが 法 律 の 準 備 段 階 にあるときに ベルギ ーの 議 会 は 一 人 会 社 ではなく 特 別 財 産 を 選 択 した 法 案 についての 議 論 を 行 っていたからであ る この 法 案 は200 以 上 の 条 文 を 有 しており そのうち 3 分 の 2 が 会 社 に 関 する 条 文 を 純 粋 に 書 き 写 したようなものだった 一 人 会 社 の 場 合 に 必 要 なのが10 程 の 条 文 であるのと 比 較 すると 恐 ろ 訳 注 2 ) 講 演 原 稿 では 民 法 典 第 1832 条 の 3 項 目 のうち 最 初 の 項 目 のみが 紹 介 された 残 り 2 項 目 を 含 む 全 3 項 目 を 示 すと 次 の 通 りとなる 同 時 に 関 連 する 主 要 な 条 文 を 合 わせて 下 表 に 掲 げる フランスにおける 一 人 有 限 会 社 をめぐる 法 律 民 法 典 第 3 編 第 9 章 会 社 (1978 年 1 月 4 日 法 律 第 78-9 号 により 改 正 ) 第 1832 条 (1985 年 7 月 11 日 法 律 第 85-697 号 により 改 正 ) 1 会 社 とは 出 資 から 生 じることある 利 益 を 分 配 し または 節 約 の 利 益 を 享 受 することを 目 的 とし て 共 同 事 業 に 財 産 または 労 務 を 出 資 することを 契 約 により 合 意 した 数 人 の 者 によって 設 立 される 2 会 社 は 法 律 が 定 める 場 合 には 単 独 の 者 の 意 思 による 行 為 によって 設 立 することができる 3 社 員 は 損 失 を 分 担 する 義 務 を 負 う 商 事 会 社 に 関 する1966 年 7 月 24 日 法 律 第 66-537 号 第 34 条 (1985 年 7 月 11 日 法 律 第 85-697 号 により 改 正 ) 1 有 限 会 社 は その 出 資 の 限 度 においてのみ 損 失 を 負 担 する 一 人 または 複 数 の 者 により 設 立 される 2 会 社 が 一 人 だけからなる 場 合 この 者 を 単 独 社 員 (associé unique) と 称 する 単 独 社 員 は 本 章 の 規 定 により 社 員 総 会 に 付 与 された 権 限 を 行 使 する 第 36-1 条 (1985 年 7 月 11 日 法 律 第 85-697 号 により 追 加 ) 有 限 会 社 のすべての 持 分 が 一 人 の 所 有 に 集 中 した 場 合 には 裁 判 所 による 解 散 に 関 する 民 法 典 第 1844-5 条 の 規 定 は 適 用 しない ( 鳥 山 恭 一 前 掲 論 文 に 基 づく) 50

しいこととなる 結 局 フランスにおける 法 の 採 択 が ベルギーにおける 特 別 財 産 に 関 する 法 案 の 廃 案 へとつながった さらに 欧 州 共 同 体 法 当 局 の 介 入 は 一 人 会 社 の 選 好 を 強 めるのみであった 1989 年 12 月 21 日 欧 州 共 同 体 指 令 89/767は 加 盟 国 に 対 して 個 人 企 業 の 経 営 者 の 責 任 を 制 限 する 方 法 を 提 起 する ように 求 めたのである 指 令 は 技 術 的 な 選 択 の 余 地 を 残 した つまり 一 人 会 社 かあるいは 特 別 財 産 かの 選 択 である 指 令 がこのように 選 択 の 余 地 を 残 したのは 加 盟 国 のうち ポルトガルが 特 別 財 産 を 既 に 採 用 していたからである 以 来 ポルトガルはその 方 向 を 選 択 した 唯 一 の 国 であっ たが この 特 別 財 産 とは 別 に 一 人 会 社 も 採 用 した 一 人 会 社 は 欧 州 共 同 体 において 今 日 最 も 支 配 的 なモデルとなっている フランスでは 一 人 有 限 会 社 はすぐに 大 きな 成 功 を 収 めたというわけではなかった このこと は 税 制 上 ならびに 社 会 上 の 特 典 が 存 在 していなかったという 事 実 さらに 既 に 充 分 なほど 数 多 くの( 事 実 上 は 一 人 で 構 成 されている) 複 数 人 から 成 る SARL が 存 在 していたという 事 実 によっ て 説 明 される しかしその 数 は 徐 々に 増 加 してきた SARL の10% 約 10 万 社 に 及 ぶと 推 定 され ている また 1985 年 法 以 来 略 式 株 式 会 社 (SAS)もまた 一 人 会 社 になり 得 るようになっ たからある 今 日 議 論 は 完 全 におさまったわけではない 非 常 に 特 殊 な 形 で 議 論 が 再 燃 したにすぎない 一 人 会 社 が 問 題 視 されるようになったというわけではない 時 に 特 別 財 産 が 要 求 されるという ことなのである この 学 問 的 な 声 はすぐに 広 まるという 様 子 ではない 一 人 有 限 会 社 は 容 認 され ている ではその 利 点 は 何 だろうか? Ⅱ 一 人 会 社 の 利 点 (Intérêts de la société unipersonnelle) その 制 度 の 観 点 から 見 れば 一 人 有 限 会 社 は まず 何 よりも 有 限 会 社 である すなわち 有 限 会 社 の 通 常 の 規 則 が 適 用 された とは 言 え もちろんいくつかの 新 たな 規 則 の 採 用 や いくつかの 制 限 も 設 けられている 新 たな 規 則 として 代 表 的 なものが 通 常 総 会 を 単 独 社 員 による 決 定 に 置 き 換 えたことである 制 限 は 一 人 有 限 会 社 を 設 立 する 可 能 性 に 関 するものである 元 々1985 年 には ある 一 人 の 自 然 人 が 一 つ 以 上 の 一 人 有 限 会 社 の 社 員 となることは 禁 じられていた この 禁 止 条 項 は1994 年 になくなった 一 人 の 自 然 人 は 一 つの 法 人 と 同 様 に 望 めばいくつの 一 人 有 限 会 社 の 社 員 となってもいいことになった しかしながら 重 要 な 留 意 事 項 がある 一 つの 一 人 有 限 会 社 は また 別 の 一 人 有 限 会 社 の 社 員 となることはできない つまり 一 人 有 限 会 社 のチェーン 展 開 は 禁 止 されているのである この 留 意 事 項 によって 一 人 有 限 会 社 の 利 点 は 単 独 社 員 が 自 然 人 であるか 法 人 であるかによって 異 なったものとなった A 単 独 社 員 が 自 然 人 である 場 合 (L associé unique personne physique) 自 然 人 による 単 独 社 員 の 場 合 第 一 の 利 点 は 当 然 のことながら 責 任 の 制 限 にある これは 自 然 人 の 商 店 経 営 者 の 状 況 と 比 較 した 場 合 最 大 の 利 点 である 一 人 有 限 会 社 が 構 成 された 瞬 間 51

から 二 つの 人 格 すなわち 二 つの 財 産 が 存 在 することになる 会 社 は 商 事 行 為 を 行 なう 商 事 上 の 債 務 を 負 うのはこの 会 社 である 会 社 は 会 社 が 所 有 する 財 産 を 基 礎 にして 債 務 につき 負 担 を 負 う かつて 商 人 であったもの あるいは 商 人 であるべきだった 者 は もはやこうした 性 格 を 持 たない その 者 は 単 なる( 一 人 有 限 会 社 の) 社 員 にすぎない したがってそうした 人 たちは 企 業 の 債 務 を 個 人 的 に 負 うことはなくなった ひとたび 出 資 (apport)を 実 現 すれば それ 以 上 その 人 物 に 対 して 要 求 することはできない その 者 は 自 分 が 出 資 した 分 のみを 失 う 可 能 性 があ るだけである 個 人 的 な 財 産 は 保 護 される 要 求 される 最 低 資 本 金 額 (capital social minimum)は 通 常 の 有 限 会 社 のそれと 同 じであり これは 常 に 小 額 であっただけに その 利 点 はなおさら 大 きい その 額 は 2 万 フラン ついで ₅ 万 フラン そして7500ユーロとなった 今 日 これはさらに 改 善 あるいは 改 悪 された もはや 最 低 資 本 金 額 というものは 存 在 しなくなった 有 限 会 社 の 資 本 金 額 は 定 款 により 自 由 に 設 定 可 能 と なった つまり 法 的 には 1 ユーロから 一 人 有 限 会 社 を 設 立 することが 可 能 となった 1 ユーロ 設 立 を 薦 めるべきかどうかは 定 かではない 実 際 のところ 原 則 では 社 員 は 会 社 の 債 務 に 責 任 を 負 わないとはいえ これについてはいくつかの 修 正 ( 緩 和 )(tempérament)がある まず 第 一 の 修 正 は 純 粋 に 契 約 的 なものである 会 社 が 資 本 不 足 となったときに 借 り 入 れを 望 んでも 銀 行 員 はその 会 社 が 債 務 返 済 に 充 分 な 保 証 を 提 供 しないと 考 えるだろう 銀 行 は 単 独 社 員 による 個 人 保 証 を 要 求 するだろう 担 保 付 の 貸 付 については 責 任 の 制 限 はもはや 存 在 しない 第 二 の 修 正 は 清 算 ( 破 産 手 続 き)(liquidation judiciaire)の 場 合 に 現 れるもので 経 営 者 (dirigeant)にのみ( 責 任 が) 及 ぶのであるが 一 人 有 限 会 社 においては 多 くの 場 合 単 独 社 員 が 同 時 に 経 営 者 となっている 仮 に 経 営 者 が 経 営 上 の 過 失 (fautes de gestion)を 犯 した 場 合 会 社 の 負 債 のすべてまたは 一 部 をその 者 に 負 わせることが 可 能 である ここでは 責 任 制 限 という 概 念 は 消 滅 し それに 伴 い 一 人 会 社 のあらゆる 利 点 も 失 われてしま う 学 説 の 多 くは 非 常 に 多 くの 場 合 それが 現 実 で 一 人 会 社 における 責 任 限 定 というのは 多 くの 場 合 はおとり(leurre)のようなものにすぎないと 見 ている 最 近 の 調 査 では そうしたことは 事 実 ではなく 逆 に 会 社 の 負 債 を 役 員 の 個 人 的 な 負 担 にすることは 統 計 上 複 数 人 の 有 限 会 社 (SARL pluripersonnelle)よりも 一 人 有 限 会 社 において 頻 繁 ではないことが 判 明 している 質 的 調 査 によってその 理 由 が 理 解 できる 調 査 によれば 一 人 有 限 会 社 は 一 般 に 既 に 企 業 経 営 の 経 験 があり 法 律 コンサルタントの 意 見 を 取 り 入 れた 人 物 によって 選 択 されている そうした 人 物 は 責 任 の 制 限 を 求 め その 恩 恵 を 失 わないためには 何 をなすべきかを 知 っている こうした 観 点 か らは 一 人 有 限 会 社 はその 役 割 を 十 分 果 たしている 第 二 の 利 点 は 経 営 (gestion)に 関 して いくつかの 選 択 肢 があることである 適 用 される 有 限 会 社 の 通 常 の 規 定 では 単 独 社 員 (associé unique)は 自 動 的 に 業 務 執 行 者 (gérant)であ るというわけではない 業 務 執 行 者 たるには そのように 指 名 される 必 要 がある 実 際 社 員 の 肩 書 きで 業 務 執 行 者 として 指 名 されることが 可 能 である しかし 第 三 者 を 指 名 することも 可 能 なのである もし 自 らを 業 務 執 行 者 に 指 名 すれば その 者 は 社 員 と 業 務 執 行 者 と いう 二 つの 肩 書 きを 積 み 重 ねることとなる つまり 完 全 な 権 力 を 有 すということになる しかし 52

ながら それぞれの 役 割 についての 義 務 的 事 項 を 遵 守 することが 望 まれる 例 えば 業 務 執 行 者 としては 会 社 財 産 の 流 用 (abus de biens sociaux)をしないように 留 意 しなければならない 会 社 の 目 的 目 標 に 合 致 した 経 営 を 要 求 する こうした 義 務 を 遵 守 しなければ 罰 則 に 身 をさらす ことになるだけでなく 責 任 制 限 の 恩 恵 を 失 う 可 能 性 がある 会 社 運 営 (gérance)を 第 三 者 に 委 任 する 場 合 一 人 有 限 会 社 は 自 分 の 企 業 を 第 三 者 に 経 営 させる 新 しい 技 術 として 捉 えられる その 運 営 は 通 常 のものに 近 い 単 独 社 員 は 社 員 総 会 において 権 力 を 有 する 意 思 決 定 の 方 法 は 整 備 されてきた 招 集 と 討 議 の あらゆるプロセスは 単 独 社 員 の 決 定 にとってかわられ それは 従 わなければ 無 効 とされてし まう 特 別 の 形 式 に 従 う すなわち 記 録 簿 への 記 載 である これは 総 会 の 議 事 録 (procèsverbaux) に 相 当 する 結 局 のところそれほど 強 制 的 ではなくよく 知 られた 形 式 と 多 くの 義 務 について 単 独 社 員 の 個 人 的 財 産 と 切 り 離 された 会 社 の 財 産 は 当 事 者 と 第 三 者 によって 管 理 可 能 である さ らに 一 人 有 限 会 社 の 利 点 は 企 業 家 (entrepreneur)が 企 業 の 資 産 (actifs de l entreprise)で はなく 持 分 (partssociales)の 所 有 者 であるという 事 実 にある このことは 事 業 の 譲 渡 ならびに 承 継 (cessions et transmissions)の 際 に さらに 柔 軟 性 を 与 える 事 業 の 譲 渡 ならびに 承 継 は 人 口 動 態 的 な 状 況 を 考 慮 すると 現 在 のフランスにおいて きわめて 重 要 な 問 題 となっている 数 年 後 には 多 くの 企 業 経 営 者 が 定 年 の 年 齢 に 到 達 し 子 孫 に 承 継 するか それが 不 可 能 であれば 事 業 を 売 却 することになる 持 分 は 資 産 よりも 容 易 に 部 分 的 また 段 階 的 な 譲 渡 (cessions partielles ou progressives)を 可 能 とする また 分 配 もはる かに 簡 単 に 行 うことが 可 能 である かくして 企 業 主 に 幾 人 かの 子 供 がいる 場 合 持 分 を 子 供 た ちに 配 分 し 経 営 をそのうちの 一 人 に 委 ねることができる こうしたことは 商 事 上 の 資 産 (actifs commerciaux)については はるかに 困 難 となる 同 様 に 段 階 的 な 譲 渡 を 望 む 場 合 持 分 の 一 部 分 を 譲 渡 することは 可 能 である 一 方 取 得 者 は 第 三 者 又 は 近 親 者 となるが まずは 共 同 経 営 者 となる 次 に 残 る 部 分 が 譲 渡 され 取 得 者 は 唯 一 の 役 員 となる ここで 注 目 しなければならないことは 一 人 有 限 会 社 は 会 社 の 固 有 の 形 態 なのではなく 有 限 会 社 の 固 有 の 状 態 だということである 社 員 の 単 独 制 (unicitéd associé)から 複 数 性 (pluralité d associés)への 移 行 は 逆 の 作 業 と 同 じように 技 術 的 には 会 社 の 形 態 変 更 ではない このこ とに 関 する 特 別 な 規 則 は 今 日 フランス 法 において 組 織 変 更 は 十 分 に 簡 易 な 状 況 にあるとして も 機 能 する 必 要 はない なぜなら また 別 の 会 社 形 態 の 下 同 じ 法 人 を 続 行 することになるか らである 一 人 の 社 員 から 複 数 の 社 員 への 移 行 は その 逆 と 同 様 に 資 本 の 配 分 (répartition du capital)に 関 する 変 更 に 過 ぎない 複 数 人 有 限 会 社 においては 社 員 数 の 変 更 以 上 の 結 果 を もたらすものではない 定 款 の 執 筆 によって 特 に 単 独 社 員 または 社 員 の 集 団 による 意 思 決 定 の 方 法 に 関 して 二 つの 状 況 が 規 定 される 事 実 に 留 意 しなければならない すなわち 社 員 総 会 による 意 思 決 定 と 単 独 社 員 による 意 思 決 定 とである このことは 一 方 で 一 人 有 限 会 社 へと 至 る 二 つの 道 筋 があることを 意 味 している すなわち 唯 一 の 社 員 による 会 社 の 設 立 と 複 数 の 社 員 から 単 独 の 社 員 への 移 行 で ある 53

企 業 が 成 長 している 場 合 は 状 況 も 好 都 合 である 会 社 は 既 に 存 在 しているし さらに 繰 り 返 しになるが 単 独 社 員 制 から 複 数 社 員 制 に 移 行 するのは 非 常 に 容 易 である そのような 需 要 が 感 じられるや 否 や 増 資 (augmentation de capital)という 方 法 であれ 持 分 の 譲 渡 という 方 法 で あれ パートナーを 加 入 させるのが 適 当 となる その 結 果 個 人 事 業 家 に 対 して 実 務 の 観 点 か ら 次 のように 総 括 することができる 仮 に 企 業 の 規 模 が 小 さく 特 別 な 見 通 しがない 場 合 には 一 人 会 社 を 設 立 しないことを 助 言 す ることがなお 許 されるであろう しかし 企 業 に 成 長 の 見 通 しがあれば あるいは 比 較 的 短 期 間 に その 企 業 が 承 継 される 場 合 には 一 人 有 限 会 社 は もっとも 多 くの 機 会 を 提 供 する 形 態 となる B 単 独 社 員 が 法 人 である 場 合 (L associé unique personne morale) 単 独 社 員 が 法 人 である 場 合 一 人 有 限 会 社 は100% 子 会 社 (filialeà100%)ということになる その 立 場 で 当 該 企 業 は グループに 貢 献 しえる フランス 法 は 当 初 よりこのことを 容 認 してい た しかしながら こうした 単 独 社 員 は 業 務 執 行 者 としては 指 名 され 得 ないことに 留 意 しなけれ ばならない その 理 由 は 有 限 会 社 においては 役 員 は 自 然 人 でなければならないからである 一 人 有 限 会 社 は 社 員 が 法 人 である 場 合 第 三 者 に 運 営 を 委 ねることはできない その 他 の 部 分 については 既 に 見 た 単 独 社 員 が 自 然 人 である 場 合 における 利 点 特 典 のほとんどを 見 いだすこ とができる 主 要 な 関 心 点 は 先 ほど 見 たのと 同 様 に 事 業 活 動 を 自 らの 個 人 的 財 産 から 分 離 し うることにある 解 散 (dissolution)の 際 には 固 有 の 特 典 がある 単 独 社 員 が 自 然 人 である 一 人 有 限 会 社 に 適 用 される 有 限 会 社 の 一 般 的 な 権 利 として 解 散 は 清 算 へ 導 かれ 清 算 の 期 間 に 会 社 の 法 人 格 は 存 続 することになる 単 独 社 員 が 法 人 である 一 人 有 限 会 社 においては 状 況 は 異 なる 解 散 は 清 算 を 伴 わずに 実 施 される これは 資 産 のすべて すなわち 負 債 と 同 様 に 資 産 が 単 独 社 員 に 移 転 されてい ることを 示 している 実 際 その 効 果 は 合 併 の 効 果 と 同 様 である しかし 解 散 はさらにもっ と 単 純 な 条 件 でなされる なぜなら 単 独 社 員 が 会 社 の 解 散 を 意 思 決 定 すればそれで 十 分 だからで ある これは 事 業 再 構 築 (restructuration)の 非 常 に 単 純 かつ 柔 軟 な 方 式 となる しかしながら 実 務 上 は 一 人 有 限 会 社 は グループ 構 成 企 業 としてはほとんど 用 いられてい ない その 理 由 は 基 本 的 に 税 制 に 関 わるものである これは 何 よりも 一 人 の 社 員 のみを 有 する 一 人 有 限 会 社 が 法 人 税 制 の 対 象 となっている 事 実 による 税 制 上 の 連 結 制 度 (intégration fiscale)という 選 択 肢 を 用 いる 場 合 を 除 いて 支 配 会 社 (société contrôlante)のところで( 一 人 会 社 の) 損 失 の 税 制 上 の 遡 及 ( 控 除 )(remontée fiscale des pertes)を 認 めないという 不 都 合 を 呈 している 一 人 有 限 会 社 が 企 業 グループで 用 いられない 理 由 は 会 社 の 持 分 の 譲 渡 に 関 わる 税 制 にもある 有 限 会 社 の 持 分 譲 渡 は 株 式 譲 渡 よりも 費 用 がかさむ それゆえ 企 業 グループは 簡 易 株 式 会 社 (SAS:SociétéparActionsSimplifiée)の 方 を 好 むのである グループは 今 日 存 在 している 一 人 有 限 会 社 から より 簡 単 に 同 様 に 一 人 会 社 となり 得 る 簡 易 株 式 会 社 へと 転 換 しえる これは100% 子 会 社 を 組 織 するのに ふさわしい 形 態 である しかし それはまた フランスの 一 人 会 社 法 制 の 成 功 と それが 決 定 的 に 受 容 されたことの 証 しでもある 54

訳 者 あとがき ここに 訳 出 したのは 2006 年 9 月 22 日 に 開 催 された 関 西 大 学 法 学 研 究 所 第 63 回 特 別 研 究 会 フラン スにおける 小 規 模 会 社 ( 司 会 後 藤 元 伸 通 訳 亀 井 克 之 )において ポワティエ 大 学 法 学 社 会 科 学 部 教 授 ジャン クロード アルアン 氏 が 行 った 講 演 のオリジナル 原 稿 である ジャン クロード アルアン(Jean-Claude Hallouin) 氏 は フランス 中 西 部 ポワティエ 大 学 法 学 社 会 科 学 部 の 教 授 である アルアン 教 授 の 研 究 領 域 は 会 社 法 を 中 心 とする 広 義 の 団 体 法 である 特 に 小 規 模 企 業 法 ならびにアソシエーション 法 を 研 究 領 域 の 中 心 とされており 当 該 領 域 におけるフ ランスを 代 表 する 研 究 者 である ヨーロッパ 会 社 法 制 やフランス 会 社 法 制 に 関 わる 総 論 的 な 研 究 のほ か 小 規 模 企 業 法 一 人 会 社 法 アソシエーション 法 に 関 する 各 論 的 な 研 究 を 数 多 く 発 表 されている 今 回 の 講 演 で アルアン 教 授 は フランスにおいて 一 人 会 社 が 容 認 されるまでの 過 程 を 解 説 してい る 具 体 的 には 1985 年 7 月 11 日 法 により 個 人 企 業 者 の 責 任 制 限 を 念 頭 に 企 業 財 産 と 個 人 企 業 者 の 個 人 財 産 との 分 離 を 確 保 して 個 人 企 業 のための 企 業 組 織 を 制 度 化 する 目 的 で 有 限 責 任 一 人 企 業 (EURL : Entreprise Unipersonnelle à Responsabilité Limitée) という 名 称 で 一 人 会 社 の 設 立 およ び 存 続 が 認 められるに 至 った 経 緯 について 時 代 背 景 学 説 論 点 と 共 に 述 べられている アルアン 教 授 の 講 演 内 容 は 我 が 国 で 2006 年 に 会 社 法 が 施 行 され 会 社 をめぐる 諸 制 度 が 改 革 されたことと 関 連 して 日 仏 比 較 の 観 点 から 大 変 興 味 深 い 内 容 であった 講 演 原 稿 の 訳 出 にあたっては 特 に 次 の 論 文 を 参 考 にした 鳥 山 恭 一 一 人 会 社 の 法 規 整 フラン スにおけるその 展 開 早 稲 田 法 学 早 稲 田 大 学 法 学 会 65 巻 3 号 1990 年 8 月 25 日 本 稿 の 基 となった 講 演 会 当 日 の 通 訳 用 原 稿 の 準 備 に 際 して 講 演 会 の 司 会 の 労 をとられた 後 藤 元 伸 法 学 部 教 授 ( 現 在 政 策 創 造 学 部 教 授 )から 専 門 用 語 の 解 説 原 稿 の 修 正 など さまざまなご 教 導 を 賜 った ここに 感 謝 の 意 を 表 する 次 第 である 55