6. 構 造 を 持 つ 合 祖 過 程 6. 地 理 的 構 造 を 持 つ 集 団 における 遺 伝 子 系 図 生 物 集 団 は 全 集 団 が 一 つの 任 意 交 配 集 団 と 見 なされることは 稀 であり 地 理 的 な 隔 た りが 交 配 のチャンスについて 制 限 を 与 え その 生 物 種 の 遺 伝 的 多 様 性 や 進 化 に 大 きな 影 響 を 与 える 遺 伝 的 変 異 が 少 なく 生 物 種 としては 比 較 的 若 いと 考 えられる 人 類 集 団 において も 様 々な 地 理 的 変 異 が 見 られる ここでは このような 地 理 的 構 造 を 考 慮 に 入 れた 遺 伝 子 系 図 のモデルを 紹 介 する 有 限 個 の 小 集 団 に 分 割 された 生 物 集 団 を 仮 定 しよう 各 分 集 団 を などで 表 し... を 全 分 集 団 の 集 合 とする で 分 集 団 の 総 数 を 表 し ここでは は 有 限 集 合 < とする 分 集 団 の 遺 伝 子 の 個 数 を 一 定 とする 親 個 体 は 独 立 に 分 集 団 間 を 移 住 し 移 住 先 の 分 集 団 ごとに 配 偶 子 の 遺 伝 子 プールを 作 る その 後 各 分 集 団 で 独 立 に Wgh-h モデルを 含 む 可 換 モデルに 従 って それぞれの 分 集 団 の の 個 体 遺 伝 子 からなる 次 世 代 の 集 団 を 作 る 繁 殖 と 移 住 で 世 代 と 考 えること にする 世 代 個 体 当 たり 分 集 団 から への 移 住 率 移 住 確 率 を た だし および のとき ただし とする また 行 列 Q を Q とする このとき 時 間 を 逆 に 見 て 分 集 団 にいる 個 体 が 世 代 前 に から 移 住 してきた 確 率 を とすると 次 の 補 助 定 理 を 得 る 補 助 定 理 6. δ O ただし M は 後 ろ 向 き 移 住 率 行 列 と 呼 ばれ 次 式 で 与 えられる 6. 証 明 分 集 団 間 を 上 で 定 義 した 移 住 率 Q で 毎 世 代 動 く 個 体 の 時 刻 の 位 置 を とす
る 世 代 を Δ と 見 なす 時 間 スケールを 取 ると 全 集 団 からランダムに 選 んだある 個 体 の 世 代 当 たりの 移 動 より Δ Δ Δ Δ Δ 全 集 団 からランダムに 選 んだ 個 体 なので ただし よって のとき O 同 様 に のとき O 以 上 より6.が 成 り 立 つ が 成 り 立 つので Δ のとき の 行 列 M は 分 集 団 の 集 合 上 に 連 続 時 間 マルコフ 連 鎖 を 生 成 する 推 移 確 率 を とすると コルモゴロフ 方 程 式 が 成 り 立 つ 推 移 確 率 行 列 を とすると M で 表 わされる このマルコフ 連 鎖 は 既 約 と 仮 定 する 次 に 複 数 の 個 体 遺 伝 子 の 移 住 について 考 えてみよう 複 数 の 個 体 の 位 置 を 多 重 指 数 で 表 わす は 着 目 している 複 数 の 個 体 の 中 で 分 集 団 に 位 置 する 個 体 の 数 を 表 わす 従 って は 個 体 数 である このような 多 重 指 数
全 体 の 集 合 を I < とする 各 個 体 は 行 列 Q と 前 に 定 義 した 移 住 率 に 従 って 毎 世 代 独 立 に 分 集 団 間 を 移 住 すると 仮 定 する 現 在 の 配 置 が であるとき 世 代 前 の 配 置 が る 確 率 を Δ とする 複 数 の 個 体 が 世 代 で 異 なる 分 集 団 へ 移 住 する 確 率 はO のオーダーの 無 限 小 となる よって Δ O Δ Δ Δ O Δ O Δ のとき のとき 6. その 他 ここで Δ I は δ で 定 義 される 単 位 ベクトルとする の 連 続 時 間 近 似 を 行 うと 個 体 の 時 刻 での 配 置 を とすると 移 住 による 推 であ 移 確 率 は 次 のコルモゴロフ 後 ろ 向 き 方 程 式 を 満 たす γ γ 集 団 の 様 々な 所 から 遺 伝 子 をサンプルし これらの 遺 伝 子 の 祖 先 あるいは 系 図 を 考 察 する そこで 分 集 団 から 個 の 遺 伝 子 をサンプルし その 全 体 をベクトル で 表 す はサンプル 遺 伝 子 の 総 数 である このサンプル 遺 伝 子 の 祖 先 をたどりその 遺 伝 子 系 図 を 表 現 するマルコフ 過 程 を 求 める を[] 世 代 遡 った 祖 先 集 団 におけるサンプル の 祖 先 遺 伝 子 の 空 間 配 置 とする すなわち は 分 集 団.に 見 出 されるサンプルの 祖 先 遺 伝 子 の 数 で ある は[] 世 代 前 のの 祖 先 遺 伝 子 の 総 数 である このとき の 連 続 時 間 近 似 を 行 うと 次 のコルモゴロフ 後 退 方 程 式 で 表 現 される 遺 伝 子 の 系 図 を 表 すマルコフ 過 程 を 得 る 定 理 6. γ γ を 初 期 状 態 から γ への 推 移 確 率
とする このとき 次 の 方 程 式 が 成 り 立 つoohaa99 γ γ γ δ γ I 6.3 ohw ここで M は 後 ろ 向 き 移 住 率 I とする I 明 らかに であり6.3により I 上 に 保 存 的 なマルコフ 過 程 が 定 義 される これが 移 住 と 合 祖 を 含 む 地 理 的 構 造 を 持 つ 遺 伝 子 の 系 図 過 程 である この 遺 伝 子 系 図 過 程 を と 書 くことにする 連 続 時 間 マルコフ 連 鎖 の 性 質 より 状 態 での 滞 在 時 間 を τ とすると τ はパラメー ター の 指 数 分 布 に 従 う ] 6. τ > [ ] [ この 滞 在 時 間 の 後 状 態 から へのジャンプが 確 率 で 起 こる 方 程 式 6.6.3は 時 間 を 遡 って 見 た 時 各 個 体 の 移 住 の 独 立 性 と 各 分 集 団 内 での 繁 殖 の 独 立 性 より 世 代 内 で 後 ろ 向 きの 移 住 と 合 祖 が 同 時 に 起 こる 確 率 複 数 の 分 集 団 で 同 時 に 合 祖 が 起 こる 確 率 は O のオーダーの 無 限 小 ということから 導 かれる この 様 な 生 物 集 団 が 幾 つかの 分 集 団 に 分 割 されたモデルは 飛 び 石 モデルg o olと 呼 ばれ 古 くから 研 究 されている 例 えば ua&w96 W&ua965Malco967975 awy976b Mauyaa97abc 等 agyla97ac 976977 等 を 参 照 されたい 6.6.3で 定 義 される 地 理 的 構 造 を 持 つ 合 祖 過 程 ucu oalc Molは 任 意 サイズのサンプル 遺 伝 子 の 系 図 という 視 点 から 飛 び 石 モデルの 自 然 な 拡 張 と 考 えられる ただし 6.3 式 の 成 立 は 厳 密 に 証 明 されているわけではない なぜなら 後 ろ 向 きの 移 住 3
によって 世 代 前 の 個 体 の 配 置 を 考 えるとき 各 分 集 団 の 個 体 数 はそれぞれの 定 まった 個 体 数 に 戻 っていなければならない 従 って 今 注 目 しているサンプル 遺 伝 子 の 後 ろ 向 きの 移 住 は 独 立 ではない しかし 世 代 あたり 個 体 以 上 が 移 住 する 確 率 はO のオ ーダーの 無 限 小 となり 複 数 の 個 体 の 移 住 が 無 視 できるということより6.が 導 かれると 考 えられる ただし 厳 密 な 証 明 を 与 えているわけではない また 数 学 的 には 無 限 個 の 分 集 団 を 含 むモデルに 拡 張 することもできる 保 存 的 な 移 住 という 条 件 の 下 で Hbo997 はここで 述 べたモデルとは 少 し 異 なるモデルで6.3 式 を 厳 密 に 導 いている ここで 保 存 的 移 住 とは 移 住 の 前 後 で 個 体 数 の 変 化 がないという 意 味 で が 成 り 立 つ ときに 言 う を 可 算 無 限 集 合 としよう 系 図 過 程 は 次 の 飛 び 石 モデルg o olを 表 現 する 無 限 次 元 拡 散 過 程 の 双 対 過 程 として 現 れる 二 つの 中 立 な 対 立 遺 伝 子 A a を 考 え アレル A の 分 集 団 での 頻 度 を そして 分 集 団 のサイズパラメ ーターを とし 次 の 方 程 式 で 表 現 される 無 限 次 元 拡 散 過 程 を 考 える X Y X Y X Y 6.5 遺 伝 子 頻 度 X の 有 限 個 の 頻 度 の 単 項 式 を X で 定 義 する ただし < とする このとき [ X ] とすると 半 群 の 性 質 より I X 6.6 ここで I は6.3で 定 義 される 定 数 である から 生 成 されるマルコ フ 連 鎖 は 遺 伝 子 の 系 図 過 程 なので [ X ] [ X ] と 表 現 される 左 辺 は 初 期 X 条 件 X X の 下 での 遺 伝 子 頻 度 の 拡 散 過 程 X のモーメントであり 右 辺 は 初 期 頻 度 Xの モーメントの 指 数 として 現 れる 遺 伝 子 系 図 過 程 に 関 する 期 待 値 である この 等 式 は 左 辺 す なわち 時 刻 のサンプルが 全 てアレル A である 確 率 は 右 辺 すなわち 時 間 を 遡 った 祖 先 集 団 においてその 祖 先 が 全 てアレル A である 確 率 に 等 しいことを 表 現 している この 関 係 は 双 対 性 と 呼 ばれ 遺 伝 子 頻 度 X と 遺 伝 子 系 図 は 双 対 な 確 率 過 程 であると 言 う こ の 双 対 性 を 利 用 して 遺 伝 子 系 図 過 程 の 解 析 から 拡 散 過 程 X の 種 々の 性 質 を 導 くこと ができる 特 に 拡 散 過 程 の 定 常 分 布 およびエルゴート 性 については hga98abで 研 究 された X
6. 合 祖 時 間 分 布 と 分 離 サイトの 数 の 分 布 ga の 合 祖 過 程 の 場 合 と 同 様 にサンプル 遺 伝 子 が 共 通 なつの 祖 先 に 到 達 するま での 待 ち 時 間 を とする 定 理 6.3. Ψ [ ] ただし を の 母 関 数 とする Ψ は の 分 布 のラプラス 変 換 である このとき Ψ は 次 式 を 満 たす I Ψ Ψ 境 界 条 件 は 全 ての に 対 して Ψ 6.7 証 明 状 態 での 滞 在 時 間 τ とジャンプ 確 率 を 用 いて Ψ [ ] [ τ τ ] [ [ τ τ τ ] ] [ τ [ τ ] ] 強 マルコフ 性 付 録 H 参 照 [ τ [ τ τ ] ] [ τ ] I τ Ψ Ψ のとき より6.7 並 びに 境 界 条 件 を 得 る 6.7を 一 般 に 解 くことは 困 難 であるが 集 団 構 造 が 単 純 でサンプル 数 が 小 さな 場 合 につい ては 具 体 的 に Ψ を 求 めることができる その 例 を 紹 介 しよう < 例 >: 次 元 トーラス 状 格 子 モデル 分 集 団 が 次 元 のトーラス 状 の 格 子 空 間 上 に 配 置 され 各 分 集 団 のサイズパラメー ターが 等 しく 空 間 的 に 一 様 な 移 住 率 を 持 つ 場 合 を 考 えよう すなわち...... 個 の 分 集 団 からなる 全 ての につ いて とする に 対 して それらの 和 と 差 をを 法 として ± ± o で 定 義 する 移 住 率 は 空 間 的 に 一 様 で から への 移 住 率 は 差 のみに 依 存 すると 仮 定 する すなわち と 書 くことにする このとき 個 サンプル 遺 伝 子 に 対 する 母 関 数 Ψ を 求 める サンプルした 分 集 団 を 5
とすると かつ 空 間 的 一 様 性 より Ψ Ψ は 差 にし か 依 存 しない 従 って Ψ Ψ Ψ Ψ と 書 くことにする 6.7より 次 式 が 成 り 立 つ Ψ Ψ Ψ δ この 方 程 式 については Wlo-Hbo998により 解 かれている ここでは 次 の 様 な Ψ の 母 関 数 を 導 入 することにより 容 易 に 解 くことができる ことを 紹 介 しようoohaa6 π 次 元 ベクトル Θ θ... θ を 各 成 分 が θ... の 値 を 取 るものと する このように 定 義 されるパラメーター Θ の 集 合 を Ω とする 母 関 数 を H Θ Ψ [ Θ ] Θ θ で 定 義 する 各 Ψ は 逆 変 換 に より Ψ H Θ [ Θ ] で 与 えられる 6.7より 次 式 を 得 る ΘΩ M Θ M Θ H Θ Ψ H Θ 6.8 ここで M Θ [ Θ ] これより 逆 変 換 により Ψ H Ψ Θ M Θ M Θ 6.9 Θ Ψ H Θ Θ M Θ M Θ この 式 より Ψ を 求 め 上 記 の 結 果 を 利 用 すると 次 の 表 現 式 を 得 る Ψ Θ 平 均 分 散 は [ Θ ] M Θ M Θ Θ M Θ M Θ 6. [ V [ ] ] Γ Γ Γ Γ Γ [ Θ ] ここで Γ [ Θ ] Γ Θ M Θ M Θ Θ M Θ M Θ 簡 単 な 島 モデル で 上 の 結 果 を 見 てみよう 個 の 分 集 団 が 次 元 円 周 上 に 配 置 され 6
移 住 率 は 等 しく また 集 団 サイズは 簡 単 のため とす π る このとき M Θ δ Θ ただし Θ.. Ψ 6. 8 の 解 を 8 A A とすると Ψ のとき Ψ B B のときの 合 祖 時 間 の 分 布 密 度 をそれぞれ A A B B とするとラプラス 逆 変 換 により 次 の 結 果 を 得 る ただし A A および B B である 第 3 章 で 導 入 した DA 塩 基 配 列 を 比 較 したときこれらの 間 に 見 出 される 分 離 サイト の 数 について 考 察 する をサンプル の 中 に 存 在 する 分 離 サイトの 数 とする 無 限 サ イトモデルの 下 ではこの 数 は 系 図 上 に 起 こった 突 然 変 異 の 総 数 に 等 しい 合 祖 時 間 の 場 合 と 同 様 に 分 離 サイトの 数 の 母 関 数 h を h [ ] ただし で 定 義 すると 次 の 定 理 が 成 り 立 つ 定 理 6. h [ ] I は 次 式 を 満 たすoohaa997 h h 境 界 条 件 h 6. I 証 明 状 態 での 滞 在 時 間 を τ とする τ から 生 成 されるσ l を τ とする と 強 マルコフ 性 付 録 H 参 照 を 用 いて 7
[ ] [ [ ] [ [ ] h サンプル の 系 図 過 程 で 最 初 に τ τ ジャンプする 時 刻 までに 生 じる 突 然 変 異 の 数 を X とすると τ X τ のとき X は 系 図 の 本 の 枝 に 独 立 に 生 じる 突 然 変 異 の 数 なので 平 均 のポアソン 分 布 に 従 う また τ はパラメーター の 指 数 分 布 に 従 う これより h τ X X τ X [ [ ] [ [ ] [ h τ ] τ h X [ ] τ / X [ ]! よって h h 整 理 すると6.を 得 る 6.3 大 きな 移 住 率 および 小 さな 移 住 率 における 遺 伝 子 系 図 モデル 前 節 で 求 めた 方 程 式 を 一 般 に 解 くことは 困 難 である そこで 移 住 が 非 常 に 強 い 場 合 と 弱 い 場 合 について 考 えてみよう 移 住 の 強 さを 表 すパラメーター を 用 いて 後 ろ 向 き 移 住 率 行 列 を M とする 方 程 式 6.7は 次 式 の 様 になる 6.3 Ψ Ψ Ψ Ψ 境 界 条 件 Ψ を 後 ろ 向 き 移 住 率 M によって 生 成 される 独 立 な 個 の 粒 子 のランダムウ オークを 表 現 するマルコフ 連 鎖 とする すなわち は 次 の 生 成 作 用 素 に よって 生 成 される 8
のとき のとき その 他 移 住 率 M に 従 って 動 く 独 立 な 個 の 粒 子 のマルコフ 連 鎖 は と 表 現 さ れることを 注 意 しておこう 強 移 住 率 極 限 og-gao l 移 住 の 強 さを 表 すパラメーター が 無 限 に 大 きくなった 極 限 を 強 移 住 率 極 限 と 呼 ぶこと にすると 次 の 定 理 を 得 る 定 理 6.5 l Ψ ここで l h ら 生 成 される 上 のマルコフ 連 鎖 の 定 常 分 布 で 証 明 6. である は M か を 満 たす まず Ψ について 証 明 する としよう このとき6.3は 次 のように 書 ける Ψ Ψ h ただし h Ψ ここで この 方 程 式 の 解 はファインマンカッツの 公 式 付 録 I 参 照 を 使 って 次 のように 表 現 される h Ψ ここで [ ] はマルコフ 連 鎖 に 関 する 期 待 値 を 意 味 する 一 般 の に 対 する 式 6.3は Ψ Ψ h と 表 9
され その 解 は と 表 現 される Ψ h マルコフ 連 鎖 に 関 する 大 数 の 法 則 より l l I u u ここで I I!! ただし は M から 生 成 される 上 のマルコフ 連 鎖 の 定 常 分 布 であり を 満 たす 従 って I はマルコフ 連 鎖 の 定 常 分 布 である より I!!!!! は を 満 たす 全 ての I に 関 する 和 を 意 味 する 以 上 の 準 備 の 上 で まず のとき l Ψ が 初 期 条 件 に 依 存 しないことを 示 す とす る 全 ての について に 注 意 すると Ψ h その 他 のとき δ
h Ψ δ l は 定 常 分 布 I に 従 う 確 率 変 数 であり これより δ 故 に Ψ / / l すなわち 極 限 l I Ψ は に 依 存 しない そこでこの 極 限 を より 単 に l Ψ Ψ で 表 すことにする 3 の 場 合 についてはファインマンカッ ツの 公 式 において Ψ h h Ψ より 上 式 が Ψ に 関 する 漸 化 式 になっていることが 分 かる よって 数 学 的 帰 納 法 によって 証 明 が 完 了 する 分 離 サイトの 数 の 母 関 数 の 強 移 住 率 極 限 og-gao lについても 同 様 の 議 論 により 証 明 されるoohaa997 証 明 終 わり ] [ h は 強 移 住 率 極 限 の 下 での 有 効 個 体 数 であるが 定 理 6.5での の 定 義 式 は 加 重 を 付 けた の 調 和 平 均 と 見 ることができる 調 和 平 均 より 相 加 平 均 が 大 であることより / が 成 り 立 つ 地 理 的 構 造 を 持 つ 場 合 は 移 住 率 が 無 限 に 大 きくなった 任 意 交 配 集 団 であっても 有 効 個 体 数 は 全 集 団 の 実 個 体 数 に 比 べて 小 さいことを 意 味 する
強 移 住 率 極 限 ではないが 移 住 率 がかなり 大 きいとき 強 移 住 率 極 限 からの 摂 動 とい う 考 え 方 で 移 住 率 が 大 きいときの oalcc の 近 似 分 布 を 求 めることができ る 全 集 団 は 有 効 個 体 数 が 強 移 住 率 極 限 のときの 有 効 個 体 数 を 移 住 率 で 修 正 した を 有 効 個 体 数 とするほとんど 任 意 交 配 集 団 に 近 い 集 団 と 見 なすことができる oohaa 簡 単 な 例 を 紹 介 しよう < 例 > 次 元 トーラスモデル:.... もし 移 住 の 強 度 が 非 常 に 大 きなとき 近 似 的 に 次 式 が 成 り 立 つ Ψ ここで M M M Θ M Θ かつ M Θ Θ. θ 平 均 分 散 は [ ] Va[ ] となる この 中 で 特 に 簡 単 なつのモデルを 紹 介 すると 個 の 分 集 団 から 成 る 島 モデル 移 住 率 を : この 時 全 移 住 率 個 の 分 集 団 から 成 る 環 状 飛 び 石 モデル 移 住 率 を ± o この 時 8 全 移 住 率 弱 移 住 率 極 限 Wa-gao l 移 住 率 が 逆 に 非 常 に 弱 い 場 合 を 考 える この 場 合 異 なる 分 集 団 から 取 り 出 し た 遺 伝 子 の 合 祖 時 間 は 移 住 率 が 小 さくなるにつれ 増 加 する 従 って とすると 合 祖 時 間 分 布 の 通 常 の 極 限 は 存 在 しない そこで 移 住 の 強 度 でスケーリングした の 分 布 を 考 える のラプラス 変 換 を Φ [ ] とすると 次 式 が 成 り 立 つ
6.5 Φ Φ Φ Ψ 境 界 条 件 : 全 ての について Φ 定 理 6.6 Φ の 弱 移 住 極 限 を Φ lφ I. とすると 次 の 様 な 関 係 を 満 たす ⅰ ただし ならば Φ. ⅱ... ただし かつ のとき ならば Φ Φ.... ⅲ I I o all とする I ならば 次 の 式 を 満 たす Φ Φ oohaa これらの 三 つの 関 係 式 を 用 いて Φ I を 解 くことができる < 例 > 分 集 団 からなる 島 モデル Φ ただし... 6.6 ga の oalc モデルの 場 合 と 同 型 の 母 関 数 となる これより 移 住 率 強 度 が 非 常 に 小 さいとき Ψ の 近 似 解 として Ψ となる 5 個 の 分 集 団 から 成 る 環 状 飛 び 石 モデル 3 5 とする このとき Φ Φ 6 8 3 6 Φ 8 35 6 となる 6.7 3
6. 分 離 サイト 数 からの 合 祖 時 間 の 推 定 任 意 交 配 集 団 における DA 塩 基 配 列 中 の 分 離 サイトの 数 と 合 祖 時 間 の 関 係 を 3. 節 で 述 べたが この 方 法 を 地 理 的 構 造 を 持 つ 集 団 に 拡 張 してみよう サンプル に 対 して 合 祖 時 間 と 分 離 サイト の 同 時 母 関 数 を ] [ G : で 定 義 する 第 3. 節 と 同 じく 無 限 サイトモデルを 仮 定 し 突 然 変 異 は 全 系 図 長 L τ. の 系 図 上 に 平 均 L のポアソン 分 布 に 従 って 起 こるものとする これより 6.8 ] [ ]! [ ]]... [ [ τ τ τ L L G. σ を 状 態 からの 最 初 のジャンプ 時 刻 とすると マルコフ 時 間 σ は 指 数 分 布 σ に 従 うので 強 マルコフ 性 付 録 H 参 照 を 使 って G G. これより I G G. 6.9 移 住 率 行 列 を M として 強 移 住 率 極 限 ς および 弱 移 住 率 極 限 ς を 考 えよう 強 移 住 率 極 限 G l wh. この 結 果 は 定 理 3.5の 任 意 交 配 集 団 における 母 関 数 と 一 致 する 弱 移 住 率 極 限. ς でスケーリングした の 母 関 数 を 次 式 で 定 義 する ] [ 6.
強 マルコフ 性 により 次 式 が 成 り 立 つ I 6. 弱 移 住 率 極 限 を とすると l ⅰ ただし ならば. ⅱ ただし... かつ のとき ならば.... ⅲ I ならば log. これらの 方 程 式 より 順 次 弱 移 住 率 極 限 を 求 めることができる 例 : 個 の 分 集 団 からなる 島 モデル log ただし... ここで η log と 置 くと ] [ l ξ ξ. のとき ξ の 同 時 分 布 密 度 は δ ただし δ は Dac のデルタ 関 数 の 条 件 付 分 布 は δ となる 3 のとき ] [ χ ただし χ 5
[ ] より の 条 件 付 分 布 は < 例 > 次 元 トーラス 状 格 子 空 間 のモデル サンプル 数 の 場 合 島 モデルとサークル 状 の 飛 び 石 モデルでサンプル 数 がの 場 合 の 結 果 を 紹 介 する. 個 の 分 集 団 から 成 る 島 モデルIla ol π.. θ.. および M θ δ θ. δ G ただし G G G G G G A B. ただし A 8 8 B 8 8 そして 8 8 これより 8. A A Gaa Gaa A A および ただし サンプル のとき A A A B A A 6. サンプル のとき とする サークル 状 飛 び 石 モデル... θ G M θ M θ M θ M θ θ θ 6
ここで o.. π θ および co θ θ M. G co co π π π ここで 分 集 団 の 数 無 限 に 大 きくすると π π θ θ θ θ θ co co l G 8 8 ただし. 7