話 題 豆 類 の 種 類 と 栄 養 性 機 能 性 成 分 北 海 道 立 十 勝 農 業 試 験 場 生 産 研 究 部 主 任 研 究 員 加 藤 淳 1.はじめに 日 本 は 世 界 的 に 見 ても 長 寿 国 であり 女 性 の 平 均 寿 命 は8.8 歳 で 年 連 続 で 世 界 一 男 性 は9.0 歳 で 世 界 第 2 位 となってい ます(00 年 現 在 ) また 世 界 保 健 機 関 (WHO)が 発 表 している 寿 命 から 病 気 や けがの 期 間 を 差 し 引 いた 平 均 健 康 寿 命 においても 日 本 は 第 1 位 の.0 歳 (WHO Healthy Life Expectancy 00 )となっ ており 健 康 でかつ 長 生 きであると 言 えま す このような 健 康 寿 命 の 維 持 には 日 常 の 食 生 活 が 大 きく 関 与 しています 豆 類 は 日 本 人 の 食 生 活 に 古 くから 取 り 入 れられており 大 豆 や 小 豆 インゲン 豆 ( 菜 豆 )などは 様 々な 調 理 加 工 品 となっ て 食 卓 に 上 ります 世 界 的 に 見 ると マメ 科 の 植 物 は18,000 種 を 超 えます この 中 に は 小 豆 やインゲン 豆 エンドウのように 炭 水 化 物 が 主 体 の 豆 類 と 大 豆 や 落 花 生 の ようにタンパク 質 と 脂 質 が 主 体 の 豆 類 があ ります 大 豆 に 関 しては 国 産 大 豆 はほぼ 全 量 が 食 用 に 使 われており その 約 半 分 は 豆 腐 に 加 工 されます 国 内 における 大 豆 の 生 産 量 は0 万 トン 前 後 ( 自 給 率 約 4%)で すが 食 用 の 自 給 率 としては1~% 程 度 で その2 割 前 後 は 北 海 道 で 栽 培 されてい ます 一 方 小 豆 は 国 内 生 産 量 の8 割 以 上 インゲン 豆 では9 割 以 上 が 北 海 道 で 栽 培 さ れています 2. 豆 類 の 種 類 豆 類 のうちで 私 たち 人 間 が 食 用 に 供 す るものは 約 0 種 ぐらいと 言 われています これらの 中 で 日 本 で 栽 培 され 食 べられ ているものとしては ササゲ 属 イン ゲン 属 ソラマメ 属 エンドウ 属 ダ イズ 属 ラッカセイ 属 の6 属 の 豆 類 に なります ササゲ 属 の 中 には 小 豆 と ささげ があります 小 豆 は 普 通 小 豆 と 呼 ばれる 主 として 餡 の 原 料 になる 小 粒 品 種 と 大 納 言 と 呼 ばれる 大 粒 品 種 の2 種 類 に 分 けられますが どちらも 同 じ 小 豆 と いう 種 に 属 します インゲン 属 には インゲン 豆 と ベ ニバナインゲン という2つの 種 がありま す インゲン 豆 の 種 類 としては 金 時 豆 うずらまめ 虎 豆 大 福 豆 (お おふくまめ) など 一 般 的 には 煮 豆 になる もの あるいは 手 亡 (てぼう) など 白
餡 の 原 料 になるものがあります ベニバ ナインゲン は 花 豆 とも 呼 ばれるも ので 白 花 豆 や 紫 花 豆 があります イ ンゲン 豆 と ベニバナインゲン は 似 て いますが 種 が 異 なります ベニバナイ ンゲン はつる 性 で どんどんつるを 伸 ば すと 同 時 に 花 を 咲 かせます なお イン ゲン 豆 にも 虎 豆 や 大 福 豆 のよう につる 性 のものがあります 北 海 道 では ベ ニバナインゲン とつる 性 の インゲン 豆 の2つを 合 わせて 高 級 菜 豆 (こうきゅ うさいとう) という 呼 び 方 をします この 他 にも 日 本 で 栽 培 されている 豆 類 と しては ソラマメ エンドウ 大 豆 落 花 生 がありますが これらは 属 と 種 が 同 じとなっています < 科 > < 属 > < 種 > 小 豆 アズキ ササゲ 属 大 納 言 ササゲ 金 時 豆 手 亡 豆 インゲンマメ 虎 豆 マメ 科 インゲン 属 大 福 豆 ダイズ 属 エンドウ 属 ソラマメ 属 ラッカセイ 属 ベニバナインゲン ダイズ エンドウ ソラマメ ラッカセイ 白 花 豆 紫 花 豆 図 日 本 で 栽 培 されている 豆 類 の 種 類 3. 豆 類 の 成 分 と 栄 養 性 機 能 性 食 物 繊 維 豆 類 の 成 分 の 中 で 生 活 習 慣 病 の 予 防 に 効 果 のあるものとして 最 初 に 注 目 したい のが 食 物 繊 維 です 食 物 繊 維 は 腸 の 中 で 水 分 を 吸 収 保 持 することで 腸 の 蠕 動 運 動 を 活 発 にし 便 秘 を 解 消 してくれます さ らに 水 分 以 外 にも 胆 汁 酸 塩 類 脂 肪 な どを 吸 着 する 働 きがあり 腸 内 の 有 害 物 質 も 取 り 込 んで 排 出 してくれるため 大 腸 癌 の 予 防 にも 効 果 があります 食 物 繊 維 が 多 く 入 っている 食 材 としては 海 草 類 いも 類 穀 類 野 菜 などがあり 野 菜 の 中 ではゴボウがすぐに 思 い 浮 かぶの ではないでしょうか 100グラム 中 にゴボ ウでは.グラムの 食 物 繊 維 がありますが 豆 類 ではそれよりもはるかに 多 く 小 豆 で は1.8グラム インゲン 豆 では19.グラム 大 豆 では1.1グラムと 非 常 に 多 くの 食 物 繊 維 を 含 んでいます それに 比 べ 精 白 米 だ と0.グラムしかありません 私 たちは 日 常 的 に ご 飯 やめん 類 あるいはパン 類 な どを 食 べていますが これらの 主 食 だけで は 食 物 繊 維 の 摂 取 量 は 非 常 に 低 い 状 態 に なってしまいます 豆 類 の 食 物 繊 維 で 注 目 すべきところは 豆 を 茹 でても 減 らないどころか 実 際 には 増 えているという 点 にあります 100グラ ム 中 の 食 物 繊 維 量 を 食 品 成 分 表 で 比 較 する と 小 豆 では 乾 燥 豆 で1.8グラムに 対 して 茹 で 豆 で11.8グラム インゲン 豆 では 乾 燥 豆 で19.グラムに 対 して 茹 で 豆 で1.グラ ムとなっています 一 見 すると 茹 でるこ とで 少 し 減 っているように 見 えますが 乾 燥 豆 の 水 分 は1~1%であるのに 対 し 茹 でた 豆 だと 水 分 が~% 入 っています つまり 水 分 が 大 きく 増 えているにもかか わらず 食 物 繊 維 の 減 り 方 は 少 ないのです ここで 水 分 がない 状 態 すなわち 乾 物 換
算 して 比 較 してみます 小 豆 の 場 合 は 乾 燥 豆 で1.1グラムあったものが 茹 で 豆 では.グラム インゲン 豆 の 場 合 は 乾 燥 豆 で.1グラムあったものが 茹 で 豆 では.グ ラムというように 食 物 繊 維 の 絶 対 量 は 茹 でることによって 非 常 に 増 えているのです このように 茹 でると 食 物 繊 維 が 増 える のは でん 粉 質 の 豆 類 の 特 徴 です 小 豆 と インゲン 豆 に 含 まれる 炭 水 化 物 の 大 部 分 が でん 粉 です これは 茹 でることによって あん 粒 子 というものを 形 成 します あん 粒 子 とは 豆 類 の 子 葉 細 胞 が 一 個 一 個 単 離 さ れた 状 態 のもので その 細 胞 内 で 熱 変 成 し たタンパク 質 によってでん 粉 粒 がコーティ ングされた 状 態 になっています つまり 細 胞 の 中 に 閉 じ 込 められたでん 粉 は 食 物 繊 維 と 同 様 のレジスタントスターチと 呼 ば れる 人 間 の 消 化 酵 素 では 消 化 できない 状 態 になっています このため 小 豆 やインゲ ン 豆 では 茹 でることによって 食 物 繊 維 が 増 えるという 現 象 になるのです それに 比 べて 大 豆 では 乾 燥 していても 茹 でても 食 物 繊 維 の 量 はほとんど 同 じで す これは 大 豆 の 場 合 には でん 粉 がほ とんど 入 っておらず 含 まれている 炭 水 化 物 は 主 に 糖 類 であるためです ビタミン ミネラル 豆 類 には 炭 水 化 物 のエネルギー 代 謝 に 関 与 し 疲 れを 取 り 除 くビタミン B1 が 豊 富 です 小 豆 やインゲン 豆 (100g 中 に それぞれ0.mg 0.0mg)では ビタミ ン B1 が 多 いと 言 われる 豚 のバラ 肉 に 相 当 するぐらいの 量 が 入 っています また 大 豆 ではこれをしのぐ 量 (100g 中 に0.8mg) が 含 まれています 一 方 精 白 米 では100 グラム 中 0.08グラムしか 人 っていませんの で 米 だけを 食 べていても 炭 水 化 物 が 十 分 に 代 謝 できません つまり エネルギーが しっかりと 供 給 されないということになり ますので 豆 を 食 べることは 非 常 に 重 要 な のです さらに 脂 質 の 代 謝 に 関 与 するビタミン B や タンパク 質 の 分 解 を 促 進 するビタ ミン B も 豆 類 には 多 く 細 胞 皮 膚 髪 爪 などの 再 生 を 助 けてくれます これらの 働 きにより 美 しい 肌 を 保 ち 肌 荒 れを 防 いでくれます ミネラルについては 小 豆 では 鉄 やカリ ウム(100g 中 にそれぞれ.mg 100mg) が 大 豆 ではカルシウムやカリウム(100g 中 にそれぞれ0mg 1900mg)が 豊 富 で す 鉄 は 赤 血 球 中 のヘモグロビンの 主 成 分 で 鉄 が 不 足 すると 酸 素 が 末 端 まで 十 分 に 行 き 渡 らず 貧 血 状 態 に 陥 ります 鉄 の 含 有 量 が 多 いことで 知 られるホウレン 草 と 比 較 しても 多 く おひたし 一 食 分 に 含 まれる 鉄 の2 倍 以 上 の 量 が 小 豆 あんを 使 った 大 福 一 個 で 摂 ることができます 高 血 圧 の 予 防 には 塩 分 を 控 えることが 一 番 ですが カリウムを 多 く 摂 ることでナト リウムとのバランスを 取 ることも 大 切 です バナナはカリウムの 多 い 食 物 の 代 表 ですが 小 豆 や 大 豆 にはその4~5 倍 もの 量 が 含 ま れており 茹 でた 後 でもバナナ 以 上 のカリ ウムが 残 っています
アミノ 酸 組 成 アミノ 酸 のバランスは 健 康 を 保 つ 上 で 大 切 ですが 特 に 必 須 アミノ 酸 と 呼 ばれる 体 内 で 生 成 できない9 種 類 のアミノ 酸 が 重 要 です 体 内 でタンパク 質 を 合 成 するとき 人 間 が 食 べたものは いったんアミノ 酸 に 分 解 され それを 体 の 中 で 再 合 成 するわけ ですが 人 間 の 体 の 中 で 合 成 することので きない 必 須 アミノ 酸 は 食 事 から 摂 取 する 必 要 があります 日 本 人 の 主 食 であるお 米 には この 必 須 アミノ 酸 のうちリジンが 非 常 に 少 ないため に( 基 準 値 の1%) これが 制 限 になって 米 だけ 食 べていても タンパク 質 は1%し か 利 用 されないのです 豆 類 にはこのリジ ンを 始 めとする 必 須 アミノ 酸 が 豊 富 に 含 ま れています したがって 豆 とお 米 と 組 み 合 わせて 食 べることにより タンパク 質 を 効 率 よく 摂 取 することができます ポリフェノールと 抗 酸 化 活 性 生 活 習 慣 病 や 老 化 さらには 癌 などの 病 気 の 要 因 とも 言 われる 活 性 酸 素 小 豆 に は この 活 性 酸 素 を 除 去 する 成 分 ポリ フェノールが 赤 ワインの2 倍 近 くも 含 まれ ています 活 性 酸 素 を 除 去 する 能 力 である 抗 酸 化 活 性 について 豆 類 の 中 で 比 較 する と 小 豆 が 極 めて 高 い 活 性 を 示 します 他 の 豆 類 の 中 で 比 較 的 活 性 が 高 いのが 金 時 豆 で ほぼ 大 納 言 に 近 いぐらいの 活 性 があり ます しかし 一 般 的 な 大 豆 や 黒 大 豆 では 小 豆 の5 分 の1 以 下 の 活 性 しかなく 白 系 のインゲン 豆 ではほんの 僅 かしか 活 性 があ りません 小 豆 の 品 種 間 で 比 較 すると エリモショ ウズ を 代 表 とする 北 海 道 の 普 通 小 豆 に 属 する 品 種 は 全 て 高 く 次 いで 大 粒 の 大 納 言 品 種 になります 最 近 輸 入 量 が 増 えてき ている 中 国 産 などでは 北 海 道 産 の 半 分 程 度 の 活 性 となっています 同 じ 小 豆 でも 品 種 によって 違 いがあることが 分 かりま す 現 在 十 勝 農 業 試 験 場 で 保 存 している 小 豆 の 遺 伝 資 源 約,000 点 の 中 で 北 海 道 で 栽 培 可 能 な00 点 について 抗 酸 化 活 性 を 比 較 したところ 主 要 品 種 の エリモショ ウズ が 上 位 90%の 中 に 入 るような 高 い 抗 酸 化 活 性 を 持 っていました 世 界 中 の 遺 伝 資 源 の 中 で 比 較 しても 北 海 道 の 小 豆 は ポリフェノールがかなり 多 く 含 まれており 高 い 抗 酸 化 活 性 を 示 すことが 分 かりました 一 方 小 豆 の 抗 酸 化 活 性 は 栽 培 環 境 に よっても 異 なります 同 じ 北 海 道 産 であっ ても 産 地 や 収 穫 年 次 によって 違 います これには 日 照 時 間 が 関 係 しています 花 が 咲 いてから 実 が 熟 すまでの 登 熟 期 間 と 呼 ば れる 期 間 のうち 8 月 上 旬 から9 月 上 旬 の 日 照 時 間 が 一 番 影 響 しています この 間 の 日 照 時 間 が 長 くなればなるほど 抗 酸 化 活 性 も 高 くなります すなわち 太 陽 の 照 っ ている 時 間 が 長 いところで 登 熟 した 小 豆 は 抗 酸 化 活 性 やポリフェノールの 量 が 多 くな るということになります なお 小 豆 は 普 通 茹 でて 食 べますが ポリフェノールは 煮 汁 に 多 く 溶 け 出 します 例 えば あんを 製 造 するときでは もとの 原 料 豆 が 持 っていた 抗 酸 化 活 性 を100とす
ると 煮 ている 過 程 で8 割 ぐらいに 減 りま す さらに 煮 汁 を 全 部 捨 て 水 でさらした 生 あんの 状 態 にすると2 割 程 度 にまで 減 り ます このように 大 きく 減 少 するのですが ゼロにはなりません 野 菜 などでは 煮 て いる 過 程 でポリフェノールはどんどん 抜 け て 行 きますが 小 豆 の 場 合 はあん 粒 子 の 表 面 にタンパク 質 があり タンパク 質 とポリ フェノールは 結 合 する 性 質 を 待 っています ですから ポリフェノールは 煮 てもあん 粒 子 の 表 面 に 吸 着 されて 残 るので 生 あんの 状 態 でも 残 ります さらに 加 糖 あんの 場 合 は 砂 糖 を 加 えて 加 熱 することにより メラノイジンという 物 質 ができます これ もまた 抗 酸 化 活 性 の 非 常 に 高 い 物 質 ですの で 和 菓 子 として 食 べるときにはこれらの 成 分 による 効 果 も 期 待 できることになりま す 小 豆 の 生 理 調 節 機 能 過 食 や 運 動 不 足 によって 内 臓 脂 肪 が 蓄 積 し 高 血 圧 高 脂 血 症 糖 尿 病 など 複 数 の 生 活 習 慣 病 を 合 併 する 人 が 近 年 増 加 し ています このような 状 態 をメタボリック シンドローム( 内 臓 脂 肪 症 候 群 )といい 多 くの 症 状 を 合 併 するほど 動 脈 硬 化 を 促 進 して 脳 梗 塞 や 心 筋 梗 塞 のリスクが 高 ま ります メタボリックシンドロームの 診 断 基 準 (00 年 日 本 内 科 学 会 )としては 内 臓 脂 肪 の 蓄 積 が100 平 方 センチメートル 以 上 が 必 須 項 目 とされています これは ウエス ト 周 囲 径 が 男 性 で8センチメートル 以 上 女 性 で90センチメートル 以 上 に 相 当 します その 他 に 高 血 圧 高 脂 血 症 高 血 糖 のう ち2 項 目 以 上 が 該 当 する 場 合 に メタボ リックシンドロームと 診 断 されます メタボリックシンドロームにつながる 生 活 習 慣 病 や さらにはガンを 引 き 起 こした り 老 化 にも 関 与 しているのが 活 性 酸 素 で す ポリフェノールを 主 体 とする 小 豆 の 抗 酸 化 成 分 には 血 圧 や 血 糖 値 血 中 コレス テロールの 上 昇 を 抑 制 する 効 果 のあること が 動 物 実 験 により 確 かめられました また 人 体 に 対 しても 中 性 脂 肪 や 悪 玉 コレステ ロール(LDL コレステロール)を 低 下 さ せる 傾 向 にあり 様 々な 生 理 調 節 機 能 が 認 められています なお ポリフェノールは 水 に 溶 けやすい 成 分 なので 小 豆 を 調 理 したときに その 多 くは 煮 汁 へ 溶 け 出 してしまいます ポリ フェノールを 十 分 に 摂 取 しようとするなら ば 煮 汁 も 残 さずに 使 う 汁 粉 や 赤 飯 などが 効 果 的 でしょう 4.スローフードと 健 康 日 本 では 昔 から いろいろな 料 理 の 食 材 として 豆 を 使 っています 大 豆 を 使 ったも のであれば 豆 腐 納 豆 味 噌 などいろい ろあります また 小 豆 を 使 った 赤 飯 お 汁 粉 ぜんざい インゲン 豆 を 使 った 煮 豆 など これらは 古 くから 食 べられてきてい ます これは 単 においしいというだけでな く 私 たちが 健 康 で 長 生 きできる 社 会 を 作 り 上 げた 源 にもなっています これまでに も 述 べてきたように 豆 類 はアミノ 酸 のバ
ランスも 大 変 良 好 なので 日 本 人 の 主 食 で ある 米 と 組 み 合 わせて 食 べることによって タンパク 質 を 効 率 よく 摂 取 することができ ます 最 近 スローフード という 言 葉 をよ く 耳 にしますが これは 単 純 に ファース トフード に 対 比 される 言 葉 ではなく もっ と 深 い 意 味 があります もともとスロー フード 運 動 は 今 から 約 0 年 前 に 北 イタリ アのブラという 町 で 発 祥 しました そこで の 考 え 方 としては 1 番 目 として 地 元 に ある 伝 統 的 な 料 理 や 食 文 化 を 守 っていこう とするものです 2 番 目 としては 単 に 食 べるだけでなく そのような 食 材 を 生 産 す る 優 良 な 生 産 者 を 守 っていこうというもの です 3 番 目 としては そういった 考 え 方 や 伝 統 的 食 文 化 を 次 の 世 代 へ 伝 えて 行 くた め 子 供 をはじめ 消 費 者 全 体 に 味 覚 教 育 を 進 めていこうというものです 私 たちの 日 常 の 食 生 活 を 見 直 し 一 人 一 人 が 健 全 で 安 心 できる 食 生 活 を 実 践 できる ようにするためには 子 供 だけではなく 大 人 にとっても 食 育 は 重 要 な 意 味 を 持 ちます 食 の 安 全 食 品 の 選 び 方 や 組 み 合 わせ 食 文 化 に 関 する 知 識 を 深 め 自 ら 考 える 習 慣 を 身 につけるための 取 り 組 みが 食 育 で あり その 基 本 となる 考 え 方 が スローフー ド であると 言 えます 日 本 の 伝 統 的 な 食 材 を 日 常 の 食 生 活 に 取 り 入 れ 日 本 型 食 生 活 を 改 めて 見 つめ 直 すことにより 健 康 で 豊 かな 生 活 を 送 れるのではないでしょうか 5.おわりに 最 近 の 食 に 関 する 情 報 には 健 康 機 能 性 に 関 するものや ダイエットに 関 するもの が 多 く 様 々な 情 報 が 氾 濫 しています 一 時 期 ほどの 健 康 ブームではなくなったとは 言 え ビタミン 類 やアミノ 酸 などのサプリ メント ダイエット 食 品 や 健 康 食 品 などに 頼 る 傾 向 は 未 だに 続 いています 特 定 の 食 品 を 食 べることで 病 気 が 治 ったり 健 康 になると 信 じたり 逆 に 特 定 の 食 品 の 影 響 で 健 康 を 害 したり 病 気 になると 信 じるこ とを フードファディズム といいます 誤 った 食 に 関 する 情 報 や 偏 った 情 報 を 基 に 偏 執 的 な 食 生 活 を 送 ることは かえっ て 健 康 を 害 することにつながります 豆 類 が 和 食 に 欠 くことのできない 食 材 と して 今 日 まで 綿 々と 受 け 継 がれてきたの は そのおいしさはもちろんのこと 健 康 を 維 持 する 上 でも 重 要 な 役 割 を 果 たしてき たことがあげられます 豆 類 は 日 本 の 食 文 化 の 重 要 な 担 い 手 であると 同 時 に 栄 養 面 や 健 康 機 能 面 においても 優 れた 食 材 と 言 え るのではないでしょうか