Ⅰはじめに



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スライド 1

社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

39_1

●幼児教育振興法案

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

ニュースリリース

m07 北見工業大学 様式①

質 問 票 ( 様 式 3) 質 問 番 号 62-1 質 問 内 容 鑑 定 評 価 依 頼 先 は 千 葉 県 などは 入 札 制 度 にしているが 神 奈 川 県 は 入 札 なのか?または 随 契 なのか?その 理 由 は? 地 価 調 査 業 務 は 単 にそれぞれの 地 点 の 鑑 定

Microsoft Word - 目次.doc

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

資 料 町 内 アンケート 調 査 結 果 概 要 1. 調 査 方 法 調 査 対 象 者 : 町 内 に 居 住 する 15 歳 以 上 の 男 女 抽 出 方 法 : 無 作 為 に 抽 出 配 布 回 収 方 法 : 郵 送 配 布 郵 送 回 収 実 施 期 間 : 平 成 2

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

プラス 0.9%の 年 金 額 改 定 が 行 われることで 何 円 になりますか また どのような 計 算 が 行 われているのですか A これまでの 年 金 額 は 過 去 に 物 価 が 下 落 したにもかかわらず 年 金 額 は 据 え 置 く 措 置 をと った 時 の 計 算 式 に 基

Microsoft Word - 文書 3

就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

スライド 1

公表表紙

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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

子 どもたちのバランスのよい 育 ちを 目 指 して 今 回 の 調 査 では 世 帯 年 収 が 減 って 家 計 の 厳 しさが 増 すなかで 保 護 者 が 子 どもたちの の 費 用 を 減 らしている 実 態 が 明 らかになりました 教 育 費 に 対 して 重 い 負 担 感 を 感

検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

18 国立高等専門学校機構

Microsoft PowerPoint - 総合型DB資料_県版基金説明用.pptx

Taro-H19退職金(修正版).jtd

Ⅰ 平成14年度の状況

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

特 別 徴 収 による 納 税 の 仕 組 み 従 業 員 事 業 所 市 町 村 3 特 別 徴 収 税 額 の 通 知 ( 従 業 員 用 ) 1 給 与 支 払 報 告 書 の 提 出 (1 月 末 日 まで) 2 税 額 の 計 算 4 給 与 支 払 いの 際 に 税 額 を 徴 収 3

東京都立産業技術高等専門学校

Microsoft Word - 【事務連絡】居所情報の登録申請が間に合わなかった場合の取扱いの周知について.docx

Microsoft Word - 【溶け込み】【修正】第2章~第4章

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

●電力自由化推進法案

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

 

調査結果の概要

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Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

    平成11年度余市町私立幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

新 行 財 政 改 革 推 進 大 綱 実 施 計 画 個 票 取 組 施 策 国 や 研 究 機 関 への 派 遣 研 修 による 資 質 向 上 の 推 進 鳥 インフルエンザ 等 新 たな 感 染 症 等 に 対 する 検 査 技 術 の 習 得 など 職 員 の 専 門

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16 日本学生支援機構

2 前 項 前 段 の 規 定 にかかわらず 年 俸 制 教 職 員 から 申 し 出 があった 場 合 においては 労 使 協 定 に 基 づき その 者 に 対 する 給 与 の 全 額 又 は 一 部 を 年 俸 制 教 職 員 が 希 望 する 金 融 機 関 等 の 本 人 名 義 の 口

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

目 次 都 市 づくりの 全 体 構 想 偏 1. 都 市 づくりの 理 念 と 目 標 1 1. 都 市 づくりの 理 念 と 将 来 像 1 2. 都 市 づくりの 目 標 とテーマ 2 3. 計 画 期 間 3 4. 将 来 人 口 フレーム 3 2. 将 来 都 市 構 造 4 1. 将 来

技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

スライド 1

Microsoft Word - 公表資料(H22).doc

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減 少 率 ) と 平 均 余 命 の 伸 びを 勘 案 した 一 定 率 (0.3%) の 合 計 である スライド 調 整 率 を 差 し 引 いて 年 金 額 の 改 定 が 行 われる( 図 表 ) ただし マクロ 経 済 スライドが 完 全 に 実 施 されるのは 賃 金 や 物 価 があ

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Taro-結果概要

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

1. 本 市 の 保 育 所 運 営 費 と 保 育 料 の 現 状 2 (1) 前 回 (5/29 5/29) 児 童 福 祉 専 門 分 科 会 資 料 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区 分 別 軽 減 率 国 基 準 に 対 する 本 市 の 保 育 料 階 層 区

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技 能 労 務 職 平 均 年 齢 歳,7 平 均 給 料 月 額 歳 7,,8, 歳,9,57, 7,7 7,9 9,5 - (8,85) (5,) 類 似 団 体 5. 歳 9,8 9, 85, ( 注 ) 平 均 給 料 月 額 とは 平 成 5 年 月 日 現 在 における

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,600 円 185,800 円 222,900 円 261,900 円

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申 請 免 除 申 請 免 除 ( 学 生 以 外 ) 学 生 納 付 特 例 制 度 若 年 者 納 付 猶 予 制 度 法 定 免 除 世 帯 構 成 図 表 1 国 民 年 金 保 険 料 の 免 除 の 種 類 と 所 得 基 準 本 人 世 帯 主 配 偶 者 の 所 得 に 応 じて 免

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

1 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )について 林 地 台 帳 整 備 マニュアル( 案 )の 構 成 構 成 記 載 内 容 第 1 章 はじめに 本 マニュアルの 目 的 記 載 内 容 について 説 明 しています 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 林 地

群馬県多文化共生推進指針

Ⅰ 年 金 制 度 昭 和 37 年 12 月 1 日 に 地 方 公 務 員 等 共 済 組 合 法 が 施 行 され 恩 給 から 年 金 へ 昭 和 61 年 4 月 から 20 歳 以 上 60 歳 未 満 のすべての 国 民 が 国 民 年 金 に 加 入 厚 生 年 金 基 金 職 域

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

ほかに パート 従 業 員 らの 厚 生 年 金 加 入 の 拡 大 を 促 す 従 業 員 五 百 人 以 下 の 企 業 を 対 象 に 労 使 が 合 意 すれば 今 年 十 月 から 短 時 間 で 働 く 人 も 加 入 できる 対 象 は 約 五 十 万 人 五 百 人 超 の 企 業

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2 1.ヒアリング 対 象 (1) 対 象 範 囲 分 類 年 金 医 療 保 険 雇 用 保 険 税 備 考 厚 生 年 金 の 資 格 喪 失 国 民 年 金 の 加 入 老 齢 給 付 裁 定 請 求 など 健 康 保 険 の 資 格 喪 失 国 民 健 康 保 険 の 加 入 健 康 保 険

Microsoft Word - A6001A.doc

表紙

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子ども・子育て支援新制度とは

厚 生 年 金 は 退 職 後 の 所 得 保 障 を 行 う 制 度 であり 制 度 発 足 時 は 在 職 中 は 年 金 を 支 給 しないこととされていた しかしながら 高 齢 者 は 低 賃 金 の 場 合 が 多 いと いう 実 態 に 鑑 み 在 職 者 にも 支 給 される 特 別

資料2 利用者負担(保育費用)

130117_『高齢社会をむかえた東京23区の将来 人口と建物の関係から見て

給 与 所 得 控 除 控 除 額 の 計 算 については 次 のとおりです 給 与 等 の 収 入 金 額 給 与 所 得 控 除 額 180 万 円 以 下 の 場 合 180 万 円 を 超 え 360 万 円 以 下 の 場 合 360 万 円 を 超 え 660 万 円 以 下 の 場 合

資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

(5) 給 与 改 定 の 状 況 該 当 なし ( 事 委 員 会 を 設 置 していないため) 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 ( 参 考 ) 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 給 与 改 定 率 国 の 改 定 率 A B AB ( 改 定 率 ) 年 度 ( )

後期高齢者医療制度

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc


Taro-H26改正_溶け込み_中学授業

定款

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1 リーダーシップと 意 思 決 定 1-1 事 業 所 が 目 指 していることの 実 現 に 向 けて 一 丸 となっている 評 価 項 目 事 業 所 が 目 指 していること( 理 念 基 本 方 針 )を 明 確 化 周 知 している 1. 事 業 所 が 目 指 していること

Transcription:

日 本 人 は 幸 福 か ~ 幸 福 度 先 進 国 との 比 較 と 日 本 人 の 幸 福 感 について~ 群 馬 県 立 前 橋 女 子 高 等 学 校 2 年 吉 川 綾 乃

Ⅰ はじめに 日 本 人 は 幸 福 か 高 校 生 の 私 にとって 非 常 に 大 きなテーマである 幸 福 かどうか というのは 非 常 に 個 人 的 な 感 覚 であり 年 齢 も 性 別 も 環 境 も 異 なる1 億 2000 万 人 には それぞれの 幸 福 感 がある 裕 福 な 生 活 をし 不 自 由 なく 毎 日 を 暮 らす 人 が 必 ずしも 幸 福 とは 限 らないだろうし はたから 見 れば 苦 しい 状 況 にあっても 幸 せを 感 じ 取 れる 人 もいるだろう 私 個 人 ではなく 日 本 人 は 幸 福 か という 問 いに 対 して 答 えを 出 すことは 容 易 ではない しかし 平 成 23 年 3 月 11 日 の 東 日 本 大 震 災 発 生 以 来 漠 然 と 幸 福 とは 一 体 何 だ ろう と 考 えることが 多 くなった 中 学 校 卒 業 の 日 に 起 きた 大 災 害 は 多 くの 人 々の 命 と 平 穏 な 生 活 を 奪 ったが 私 に 今 生 きていることや あたりまえの 日 常 を 送 れるこ とへの 感 謝 の 気 持 ちを 強 くさせた 想 像 を 絶 する 状 況 の 中 にあっても 前 向 きに 生 きる 人 々の 姿 や 被 災 地 の 人 々に 思 いを 馳 せる 日 本 人 の 行 動 に 日 本 人 の 中 に 新 しい 幸 福 感 ができつつあるように 感 じた そこで 私 は この 大 きなテーマを 選 択 し 考 えてみる ことにした 幸 福 感 や 幸 福 度 について 調 べていくうちに 大 変 驚 いたことは 私 が 感 覚 的 で 漠 然 としたものと 思 っていた 幸 福 というものを 様 々な 国 や 国 際 的 な 研 究 機 関 が 指 標 を 使 いながら 数 値 化 し より 満 足 度 の 高 い 社 会 を 作 ろうと 取 り 組 んでいること であった 幸 福 度 が 高 いといわれる 国 々と 比 較 する 中 で 日 本 人 の 幸 福 について 考 えて いきたいと 思 う Ⅱ 幸 福 度 指 数 について 2012 年 4 月 4 日 国 際 連 合 がブータンで 幸 福 度 研 究 討 論 会 を 開 催 し 世 界 156 カ 国 の 幸 福 度 指 数 を 示 した 健 康 や 生 活 水 準 社 会 精 神 衛 生 政 治 的 自 由 などの 観 点 から 評 価 され 1 位 がデンマーク 2 位 がフィンランド 3 位 がノルウェー 4 位 がオランダ 5 位 がカナダという 結 果 になった アメリカは 11 位 アジアではシンガポールが 日 本 を 上 回 って 33 位 日 本 が 44 位 であった 国 内 総 生 産 (GDP)の 高 い アメリカや 日 本 は 上 位 には 入 ることができなかった 1 位 のデンマークの GDP と 比 較 しても 日 本 の GDP はデンマークの 約 17 倍 アメリカは 約 46 倍 と 大 きな 差 がある それにもかかわらず 幸 福 度 指 数 はこの2カ 国 を 上 回 ってお り 経 済 的 に 豊 かでも 幸 福 とは 限 らないとことを 示 している 国 別 の 幸 福 度 を 示 す 調 査 は OECDや 民 間 調 査 機 関 なども 行 っているが どれも 同 様 に 日 本 の 順 位 は 高 くなく 40~80 位 程 度 にとどまっている 経 済 的 には 恵 まれながら 自 分 は 幸 せだ と 考 える 日 本 人 が 尐 ないということもよく 耳 にする 日 本 と 幸 福 度 指 数 の 高 い 国 々との 差 を 生 み 出 しているものは 何 なのだろうか

Ⅲ 幸 福 度 指 数 上 位 国 との 比 較 幸 福 度 指 数 は 貧 困 状 況 平 均 寿 命 などの 健 康 状 態 雇 用 住 環 境 などから 算 出 され ているが 幸 福 度 指 数 の 高 い 国 と 日 本 の 違 いはどのような 点 なのだろうか 日 本 の 幸 福 度 を 高 めるために 必 要 なことは 何 か 幸 福 度 指 数 上 位 5 カ 国 と 日 本 の 社 会 との 違 いに 注 目 し (1) 税 金 と(2) 教 育 という2つの 面 から 考 えてみた (1) 税 金 世 界 的 に 幸 福 だと 言 われている 国 を 見 ると 税 金 が 高 く サービスが 充 実 してい ることが 挙 げられる 現 在 の 日 本 の 消 費 税 率 は 5% ここ 最 近 は 高 齢 化 が 進 む 日 本 の 将 来 を 懸 念 し 消 費 税 率 を 10%に 引 き 上 げようとする 動 きも 見 られる これに 比 べ 今 回 注 目 する 国 はどうだろうか デンマークは 消 費 税 率 が 25% フィンランドは 22% ノルウェーは 24% オランダは 19% カナダは 州 によって 異 なるが 5~18%である やはり 日 本 の 消 費 税 率 はたとえ 10%に 引 き 上 げたとしても 他 国 には 届 かない 消 費 税 をはじめ 税 率 が 高 い 国 々はその 分 集 めた 税 金 を 公 共 サービスなどにあて ている 特 にデンマークは 出 産 費 用 から 教 育 費 そして 葬 式 費 まで 国 が 負 担 してい る 日 本 では 到 底 考 えることはできないようなサービスが 実 際 に 提 供 されている 消 費 税 は 高 いながら このような 国 では 生 活 に 最 低 限 必 要 な 食 料 などにかかる 税 率 は 低 くなっている 食 料 品 などの 税 金 はフィンランドでは 17% ノルウェーでは 12% オランダでは 6%となっている このような 国 々を 見 ると 日 本 の 消 費 税 率 5% または 検 討 されている10%が 果 たして 適 切 なものなのか 考 えさせられる 確 かに 消 費 税 率 のアップは 所 得 が 低 い 人 々にとっては 生 活 を 大 変 厳 しくするものであり 増 税 することで 景 気 が 悪 くなっ てしまったり そのほかの 税 金 の 納 税 が 滞 ってしまったりすることもある しかし 税 収 入 が 増 えることで 国 は 国 民 のためにより 質 のよいサービスを 提 供 することがで きるようになる 短 期 的 にみると 増 税 は 幸 福 感 を 減 尐 させるかもしれないが 課 税 する 対 象 により 税 率 を 変 えるなど 日 本 も 生 活 への 影 響 を 配 慮 しながら 税 の 仕 組 みを 見 直 すことが 長 期 的 には 日 本 の 幸 福 度 を 上 げることになるのではないだ ろうか 医 療 技 術 の 進 歩 が 進 み 平 均 寿 命 が 延 びたことは 喜 ばしい 反 面 高 齢 化 と いう 課 題 に 直 面 している まだ10 代 である 私 だが 医 療 費 のことを 考 え 治 療 を 受 けることを 躊 躇 してしまうような 世 の 中 ではなく 長 寿 を 心 から 喜 べる 日 本 であっ てほしいと 思 う (2) 教 育 内 戦 や 貧 困 で 苦 しむ 国 々では 十 分 な 教 育 を 受 けることができない そのために

必 要 な 情 報 を 得 たり 職 業 に 就 くことができずに 厳 しい 生 活 を 余 儀 なくされてい る 教 育 を 受 けることが 当 たり 前 の 先 進 国 では 忘 れがちであるが やはり 教 育 は 幸 福 度 に 直 結 する 要 因 だ 途 上 国 ばかりでなく 幸 福 度 上 位 に 位 置 する 国 を 見 ると 総 じて 学 力 も 非 常 に 高 い 日 本 と 同 じように 中 学 校 までを 義 務 教 育 とし 小 学 校 から 大 学 まで 教 育 を 受 ける 年 数 にほとんど 変 わりはないにもかかわらず 国 際 的 な 学 力 の 比 較 では フィンランドやノルウェーなどは 日 本 より 常 に 高 いレベルにある 現 在 高 校 2 年 生 の 私 は 大 学 受 験 も 見 据 えて 学 校 だけではなく 塾 に 通 ったり 通 信 教 育 を 受 けたりしている 同 様 な 生 活 をしている 高 校 生 も 多 く 決 して 学 習 時 間 が 尐 ないとは 思 えないが この 学 力 の 差 はどこからくるのだろうか 医 療 や 福 祉 と 同 様 に 教 育 への 社 会 保 障 が 充 実 しているフィンランドは 特 別 教 育 熱 心 なわけではないが PISA(OECD 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 )では 日 本 を 上 回 り 常 に 世 界 トップクラスの 成 績 である フィンランドは 学 力 向 上 ではなく 子 供 が 満 足 できる 学 校 生 活 を 教 育 の 第 一 の 目 的 としており 高 校 まではあらゆる 教 育 費 が 無 料 となっている 大 学 でも 一 人 暮 らしの 生 活 費 が 無 料 であり 奨 学 金 制 度 も 充 実 していることだ これによって たとえ 経 済 的 に 苦 しい 家 庭 に 生 まれたとしても しっかりと 教 育 を 受 けることができる フィンランドの 教 育 でもう 一 つ 特 徴 的 なことは 生 徒 同 士 の 優 劣 をつけるような テストを 16 歳 までは 実 施 しないことだ そのためにクラス 内 で 生 徒 と 生 徒 の 学 力 の 差 が 大 きくなってしまうが 尐 人 数 でのクラス 編 成 や 低 学 力 の 生 徒 への 徹 底 的 な 支 援 により 他 の 国 に 比 べて 生 徒 同 士 の 学 力 の 差 が 極 めて 小 さい テストによる ランキング 付 けは 良 い 成 績 が 出 れば 学 習 意 欲 の 向 上 に 通 じるが 悪 い 成 績 が 続 けば 学 習 意 欲 はそがれ 生 徒 同 士 の 学 力 の 差 は 大 きくなる 成 績 によって 生 徒 を 分 けない ためのシステムが 世 界 トップクラスの 学 力 に 結 びついている 日 本 の ように 他 人 と 競 う 中 で 学 力 向 上 を 目 指 すことに 慣 れている 私 にとって 他 との 競 争 ではなく 一 人 一 人 が 向 上 する 教 育 で 高 い 学 力 をつけるという 考 え 方 は とても 新 鮮 だ ゆとり とも 違 う 教 育 が 高 い 学 力 を 育 み その 学 力 が 生 かされて 高 い 幸 福 度 につながっているのだと 思 う Ⅳ 日 本 人 と 幸 福 感 数 値 化 された 指 標 をもとにランク 付 けされた 幸 福 度 先 進 国 と 日 本 の 社 会 の 違 い を 税 と 教 育 という 視 点 で 考 えてきた 幸 福 度 の 高 い 国 々のシステムに 学 ぶことは 多 い しかしながら そのまま 日 本 に 持 ってきて あてはめれば 日 本 人 は 幸 福 になるのだ ろうか システムを 導 入 して 長 い 時 間 がたてば 日 本 の 社 会 にも 変 化 は 現 れるかも しれない しかし すぐに 幸 福 感 が 上 昇 するとは 考 えにくい 幸 福 感 はその 国 の 歴 史 や 社 会 の 成 り 立 ち 伝 統 や 慣 習 独 特 の 価 値 観 など 数 値 に 表 すことのできない 要

因 にも 大 きく 影 響 を 受 けるものだと 思 う 私 は 特 に 東 日 本 大 震 災 から 約 1 年 半 たった 今 日 本 人 の 中 に 新 しい 幸 福 の 基 準 ができつつあるように 感 じている 震 災 で 失 ったものはあまりにも 大 きいけれど 私 たち 日 本 人 に 自 分 が 持 っているお 金 やモノの 量 で 計 ることのできない 幸 せに 気 付 かせてくれた 絆 の 言 葉 に 代 表 されるように 人 々とのつながりが 安 心 感 やや すらぎ 幸 福 感 を 高 める 大 きな 要 因 の 一 つとなったと 思 う 他 人 の 痛 みを 自 分 の 痛 み として 震 災 後 多 くの 組 織 が 募 金 活 動 を 始 め たくさんの 募 金 が 集 まった 私 自 身 も 群 馬 県 高 校 生 震 災 孤 児 支 援 募 金 に 参 加 し 駅 前 で 募 金 への 協 力 を 呼 びかけた みん な 素 通 りしていってしまうのではないか という 心 配 をよそに がんばって あ りがとう という 言 葉 とともに 募 金 箱 には 次 々と 被 災 地 への 思 いが 入 れられていっ た 自 分 のことよりも 他 人 の 幸 福 を 願 う 利 他 という 考 え 方 も 自 分 の 中 にすと んと 落 ちた 震 災 直 後 被 災 された 方 が 一 列 に 並 んで 配 給 を 待 つ 姿 や 略 奪 や 暴 動 を 起 こすこと もなく 支 援 する 人 々に 感 謝 を 伝 える 姿 が 全 世 界 に 報 道 され 日 本 人 の 秩 序 や 礼 節 が 称 賛 された 利 他 の 精 神 や 人 との 絆 秩 序 礼 節 などは 数 値 で 計 ることはできないが これらが 日 本 の 社 会 の 中 に 根 付 いていることで どれほど 私 たちが 安 心 して 暮 らして いられることだろう 法 律 で 作 られたセイフティネットも 大 事 であるが 日 本 社 会 に 心 のセイフティネットがあることを 日 本 人 としての 誇 りに 思 う 悲 惨 な 状 態 にあっ ても この 国 に 生 まれてよかった 幸 せだ と 感 じられ 人 が 多 い 国 こそが 幸 福 度 の 高 い 国 と 言 えるのではないだろうか Ⅴ おわりに 日 本 人 は 幸 福 か というテーマについて 数 値 に 表 れた 幸 福 度 と 数 値 に 表 すこと のできない 感 覚 的 な 幸 福 度 という2つの 面 から 考 えてきた 数 値 で 他 国 と 比 較 した 際 には 日 本 の 幸 福 度 は 高 くないが 数 値 に 表 すことができない 日 本 人 独 特 の 考 え 方 や 行 動 様 式 が まさかの 時 のセイフティネットとして 働 くため この 国 で 暮 らす 人 々 の 幸 福 度 は 決 して 低 くないと 私 は 考 える 近 年 国 際 競 争 力 を 高 めるために グローバル 人 材 を 採 用 し 社 内 公 用 語 を 英 語 に する 企 業 も 出 てきた また グローバル 社 会 に 対 応 するため 秋 入 学 の 導 入 を 検 討 す る 大 学 も 増 えてきた 高 校 生 の 私 たちが 大 学 を 卒 業 して 社 会 人 になる 頃 日 本 社 会 はまた 大 きく 変 化 しているかもしれない たくさんの 国 々の 価 値 観 に 触 れて 日 本 人 の 価 値 観 にも 尐 しずつ 変 化 してくるかしれないし 多 様 性 は 私 に 選 択 の 自 由 を 増 やし 豊 かな 人 生 に 導 いてくれるかもしれない しかし どのように 変 化 しても 他 人 の 痛 みを 自 分 の 痛 みとしてとらえる 日 本 人 の 価 値 観 や 幸 福 感 を 共 有 したいと 願 う 気 持 ち 利 他 の 精 神 を 私 を 持 ち 続 けていたい 社 会 が 変 化 しても 変 わることなく

日 本 人 の 幸 福 感 を 構 成 する 大 事 な 要 素 だと 思 うからだ 一 方 で 経 済 の 低 迷 や 大 規 模 自 然 災 害 発 生 の 可 能 性 により 将 来 に 対 して 漠 然 と した 不 安 な 気 持 ちを 持 つ 人 が 多 い 明 確 な 未 来 が 思 い 描 けないと 幸 福 感 を 感 じること は 難 しい 内 閣 府 も 幸 福 度 についての 研 究 を 進 めているが 幸 福 感 を 個 人 的 な 価 値 観 や 感 じ 方 に 大 きく 影 響 する 個 人 の 問 題 としてとらえて 終 わることなく どうすれ ば 尐 しでも 幸 福 度 を 増 やすことができるのか また 国 内 の 幸 福 の 総 量 を 増 やすこと ができるのか この 課 題 に 引 き 続 き 取 り 組 んでいく 必 要 があると 思 う 参 考 文 献 参 考 サイト 河 野 庸 介 (2000 年 ) フィンランド メソッド でわが 子 の 学 力 を 伸 ばす 主 婦 の 友 社 世 界 各 国 の 消 費 税 の 税 率 一 覧 http://www.777money.com/ (2012/09/17) 世 界 幸 福 度 指 数 http://www.chinapress.jp/media/29956 (2012/09/17) World Joint Club http://worldjc.com/3170 (2012/09/17)