制 度 インフラとしての 地 価 公 示 の 役 割 1. 概 要 現 在 地 価 公 示 による 価 格 の 指 標 ( 公 示 価 格 )が 法 律 により 制 度 的 に 必 要 とされる 分 野 は 一 般 の 不 動 産 鑑 定 評 価 のほか 公 共 事 業 用 地 の 取 得 地 方 公 共 団 体 等 による 遊 休 土 地 の 買 取 国 土 利 用 計 画 法 の 運 用 ( 土 地 取 引 規 制 等 ) 課 税 評 価 ( 相 続 税 評 価 固 定 資 産 税 評 価 )となっており これらについては 制 度 創 設 以 降 の 社 会 情 勢 の 変 化 に 応 じ て 何 度 か 拡 大 してきたものである 主 な 分 野 は 表 のとおりであり 地 価 公 示 公 示 価 格 等 を 引 用 している 法 令 を 網 羅 的 にまとめると 参 考 資 料 2のとおりである 表 地 価 公 示 が 制 度 的 に 必 要 とされる 主 な 分 野 分 野 一 般 の 不 動 産 鑑 定 評 価 の 規 準 関 係 する 主 体 不 動 産 鑑 定 士 法 律 ( 根 拠 法 等 ) 公 共 事 業 の 用 に 供 する 土 地 の 取 得 価 格 の 算 定 の 規 準 公 共 事 業 の 用 に 供 する 土 地 を 収 用 する 場 合 の 補 償 金 の 額 の 算 定 の 規 準 公 共 事 業 の 用 に 供 する 土 地 となる 予 定 の 区 域 内 に 存 する 土 地 の 買 取 価 格 の 算 定 の 規 準 国 土 利 用 計 画 法 ( 都 道 府 県 地 価 調 査 ) 関 係 国 土 利 用 計 画 法 による 規 制 区 域 内 の 土 地 の 権 利 の 移 転 等 の 許 可 の 基 準 上 記 の 許 可 を 得 られなかった 場 合 の 都 道 府 県 知 事 に 対 する 買 取 請 求 額 の 基 準 注 視 区 域 監 視 区 域 における 土 地 の 権 利 の 移 転 等 に 係 る 勧 告 の 基 準 起 業 者 起 業 者 収 用 委 員 会 地 方 公 共 団 体 等 都 道 府 県 知 事 昭 和 44 年 ( 地 価 公 示 法 ) 昭 和 47 年 ( 公 有 地 の 拡 大 の 推 進 に 関 する 法 律 ) 昭 和 49 年 ( 国 土 利 用 計 画 法 1 ) 地 方 公 共 団 体 等 による 遊 休 土 地 の 買 取 価 額 の 基 準 相 続 税 評 価 の 基 準 固 定 資 産 税 評 価 の 基 準 遊 休 土 地 転 換 利 用 促 進 地 区 内 に 存 する 土 地 の 買 取 価 格 の 算 定 の 規 準 国 税 局 長 市 町 村 長 地 方 公 共 団 体 等 平 成 元 年 ( 土 地 基 本 法 2 ) 平 成 2 年 ( 都 市 計 画 法 ) 1 注 視 区 域 は 平 成 10 年 改 正 より 規 定 された 2 準 備 検 討 調 整 等 のプロセスを 経 て 相 続 税 評 価 については 平 成 4 年 から 固 定 資 産 税 評 価 については 平 成 6 年 から 公 示 価 格 を 基 準 とした 具 体 的 な 算 定 方 法 が 規 定 された 1
今 日 においても 活 用 事 例 が 多 い 下 線 の 分 野 について 関 係 する 法 令 等 活 用 のフロ ー 実 績 地 価 公 示 法 制 定 時 の 国 会 での 議 論 等 を 整 理 すると 次 の(1)~(4)のと おりとなる (1) 一 般 の 不 動 産 鑑 定 評 価 の 規 準 根 拠 法 地 価 公 示 法 ( 昭 和 44 年 法 律 49 号 )( 抄 ) 第 八 条 不 動 産 鑑 定 士 は 公 示 区 域 内 の 土 地 について 鑑 定 評 価 を 行 う 場 合 において 当 該 土 地 の 正 常 な 価 格 ( 第 二 条 第 二 項 に 規 定 する 正 常 な 価 格 をいう )を 求 めるときは 第 六 条 の 規 定 に より 公 示 された 標 準 地 の 価 格 ( 以 下 公 示 価 格 という )を 規 準 としなければならない 第 十 一 条 前 三 条 の 場 合 において 公 示 価 格 を 規 準 とするとは 対 象 土 地 の 価 格 ( 当 該 土 地 に 建 物 その 他 の 定 着 物 がある 場 合 又 は 当 該 土 地 に 関 して 地 上 権 その 他 当 該 土 地 の 使 用 若 しくは 収 益 を 制 限 する 権 利 が 存 する 場 合 には これらの 定 着 物 又 は 権 利 が 存 しないものとして 成 立 する と 認 められる 価 格 )を 求 めるに 際 して 当 該 対 象 土 地 とこれに 類 似 する 利 用 価 値 を 有 すると 認 められる 一 又 は 二 以 上 の 標 準 地 との 位 置 地 積 環 境 等 の 土 地 の 客 観 的 価 値 に 作 用 する 諸 要 因 についての 比 較 を 行 ない その 結 果 に 基 づき 当 該 標 準 地 の 公 示 価 格 と 当 該 対 象 土 地 の 価 格 と の 間 に 均 衡 を 保 たせることをいう 活 用 のフロー 鑑 定 評 価 の 基 本 的 事 項 の 確 定 対 象 不 動 産 価 格 時 点 及 び 求 める 価 格 の 種 類 を 確 定 する 試 算 価 格 の 調 整 鑑 定 評 価 の 複 数 の 手 法 により 求 められた 各 試 算 価 格 の 再 吟 味 及 び 各 試 算 価 格 が 有 する 説 得 力 に 係 る 判 断 を 行 う 鑑 定 評 価 額 の 決 定 上 記 の 手 順 を 十 分 尽 くした 後 専 門 職 業 家 としての 良 心 に 従 い 適 正 と 判 断 される 鑑 定 評 価 額 を 決 定 す るが 公 示 区 域 内 の 土 地 の 正 常 価 格 を 求 めるとき は 公 示 価 格 を 規 準 とする 鑑 定 評 価 報 告 書 の 作 成 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 をもとに 作 成 2
国 会 での 議 論 ( 地 価 公 示 法 制 定 時 ( 昭 和 44 年 )) 質 問 等 政 府 答 弁 春 日 委 員 公 示 価 格 の 効 力 について 公 川 島 ( 博 ) 政 府 委 員 特 に 大 口 の 買 い 物 示 価 格 が 適 正 な 地 価 の 形 成 に 寄 与 する ためには 実 際 の 売 買 価 格 をある 程 度 拘 束 できることが 前 提 になる この 点 でどの 程 度 の 拘 束 力 を 持 つことになるのか の 場 合 には 買 い 手 は 必 ず 最 近 は 不 動 産 鑑 定 士 を 使 っている しかし この 不 動 産 鑑 定 士 が 依 頼 を 受 けてこの 価 格 を 鑑 定 す る 場 合 には この 法 律 の 第 八 条 におきまし ( 第 61 回 国 会 参 建 設 委 員 会 昭 和 44 年 6 月 10 日 ) て 標 準 地 の 価 格 を 規 準 としなければな らない という 法 律 的 な 縛 りがある 公 示 価 格 によらずに 不 当 な 鑑 定 をすれば 当 然 鑑 定 評 価 法 による 罰 則 の 適 用 を 受 ける そ ういう 意 味 においては 民 間 の 取 引 も 間 接 的 にはこの 公 示 価 格 によって 法 律 上 縛 ら れておるということが 言 える 春 日 委 員 不 動 産 鑑 定 士 というのは 現 状 ではどういう 場 合 にどういう 社 会 層 の 人 た ちが 活 用 しているのか ( 第 61 回 国 会 参 建 設 委 員 会 昭 和 44 年 6 月 10 日 ) 川 島 ( 博 ) 政 府 委 員 大 都 市 近 郊 の 機 関 購 入 者 が 買 う 場 合 は 大 体 鑑 定 士 の 評 価 に よっているが 一 般 の 零 細 な 庶 民 が 土 地 を 求 める 場 合 には ほとんど 鑑 定 士 の 利 用 が 行 なわれていないのが 事 実 しかし 公 共 用 地 の 取 得 の 場 合 には 公 共 機 関 のみ ならず 電 力 会 社 とか 私 鉄 会 社 とかそうい う 場 合 でも ほとんど 不 動 産 鑑 定 士 の 鑑 定 評 価 を 有 力 なよりどころとして 価 格 を 決 定 している 3
(2) 公 共 事 業 の 用 に 供 する 土 地 の 取 得 価 格 の 算 定 の 規 準 根 拠 法 地 価 公 示 法 ( 昭 和 44 年 法 律 49 号 )( 抄 ) 第 九 条 土 地 収 用 法 ( 昭 和 二 十 六 年 法 律 第 二 百 十 九 号 )その 他 の 法 律 によつて 土 地 を 収 用 するこ とができる 事 業 を 行 う 者 は 公 示 区 域 内 の 土 地 を 当 該 事 業 の 用 に 供 するため 取 得 する 場 合 ( 当 該 土 地 に 関 して 地 上 権 その 他 当 該 土 地 の 使 用 又 は 収 益 を 制 限 する 権 利 が 存 する 場 合 において は 当 該 土 地 を 取 得 し かつ 当 該 権 利 を 消 滅 させる 場 合 )において 当 該 土 地 の 取 得 価 格 ( 当 該 土 地 に 関 して 地 上 権 その 他 当 該 土 地 の 使 用 又 は 収 益 を 制 限 する 権 利 が 存 する 場 合 において は 当 該 権 利 を 消 滅 させるための 対 価 を 含 む )を 定 めるときは 公 示 価 格 を 規 準 としなけれ ばならない 活 用 のフロー 公 共 事 業 の 実 施 区 域 の 決 定 補 償 額 の 算 定 地 権 者 との 交 渉 取 得 が 必 要 な 土 地 を 確 定 し 用 地 取 得 費 の 概 算 を 把 握 取 得 する 土 地 が 属 する 地 域 で 標 準 地 を 選 定 し 取 引 事 例 をもとに 比 準 価 格 を 求 め 不 動 産 鑑 定 士 による 鑑 定 評 価 額 を 参 考 とした 上 で 公 示 価 格 を 規 準 として 標 準 地 価 格 を 決 定 し 標 準 地 価 格 をもとに 取 得 する 土 地 に 係 る 補 償 額 を 算 定 買 取 価 格 の 適 正 妥 当 性 の 説 明 の 際 公 示 価 格 を 活 用 用 地 取 得 ( 任 意 売 却 ) 国 土 交 通 省 の 公 共 用 地 の 取 得 に 伴 う 損 失 補 償 基 準 等 をもとに 作 成 公 共 事 業 において 取 得 する 土 地 の 補 償 額 の 算 定 については 正 常 な 取 引 価 格 により 行 うものとされている( 公 共 用 地 の 取 得 に 伴 う 損 失 補 償 基 準 ) 具 体 的 には 取 得 する 土 地 が 属 する 地 域 で 標 準 地 を 選 定 し 取 引 事 例 比 較 法 により 求 めた 価 格 を 基 準 として 収 益 還 元 法 又 は 原 価 法 により 求 めた 価 格 を 参 考 として 当 該 標 準 地 の 価 格 を 求 めるが その 際 には 不 動 産 鑑 定 士 による 鑑 定 評 価 額 を 参 考 とするとともに 当 該 土 地 が 公 示 区 域 内 に 存 する 場 合 は 公 示 価 格 を 規 準 として 決 定 するものとされている ここでいう 標 準 地 とは 公 共 事 業 の 用 に 供 する 土 地 の 取 得 のために 設 けるものであって 地 価 公 示 の 標 準 地 とは 異 なる こうして 決 定 した 標 準 地 の 価 格 をもとに 実 際 に 取 得 する 土 地 の 補 償 額 を 算 定 することとなる また 補 償 額 の 算 定 のほか 事 業 計 画 の 策 定 の 際 の 用 地 取 得 費 の 概 算 把 握 4
買 取 価 格 の 適 正 妥 当 性 についての 地 権 者 への 説 明 根 拠 補 償 額 の 算 定 根 拠 である 標 準 地 の 価 格 を 時 点 修 正 する 際 の 資 料 等 としても 公 示 価 格 が 活 用 されている イメージ( 公 示 区 域 内 の 道 路 用 地 の 取 得 の 例 ) 規 準 取 引 事 例 A 既 存 の 道 路 取 引 事 例 B 補 償 額 の 算 定 補 償 額 の 算 定 : 地 価 公 示 の 標 準 地 : 用 地 取 得 のための 標 準 地 : 道 路 用 地 : 取 得 する 必 要 がある 土 地 国 会 での 議 論 ( 地 価 公 示 法 制 定 時 ( 昭 和 44 年 )) 質 問 等 政 府 答 弁 吉 田 ( 之 ) 委 員 公 共 用 地 取 得 の 場 合 に 川 島 ( 博 ) 政 府 委 員 民 間 の 取 引 の 場 合 に 法 案 の 表 現 では 公 示 価 格 を 規 準 としな はあくまでガイドポストにとどまるが 不 動 ければならない あるいは 公 示 価 格 を 規 産 鑑 定 士 が 鑑 定 評 価 する 場 合 公 共 用 地 準 として 算 定 した 当 該 土 地 の 価 格 を 考 慮 を 取 得 する 場 合 それから 収 用 委 員 会 が しなければならない となっている こうし 裁 決 価 格 をきめる 場 合 いずれも 公 示 価 て 出 てくる 公 示 された 地 価 というものは 公 格 によって 拘 束 される 共 用 地 の 取 得 の 場 合 あるいは 土 地 収 用 の 場 合 に 考 慮 する 程 度 の 数 字 なのか 坪 川 国 務 大 臣 地 価 公 示 に 対 しては 一 公 的 機 関 が 土 地 を 取 得 する 場 合 の 価 格 つの 基 準 を 示 すことに 期 待 するのであっ を 統 制 するものと 判 断 して 良 いのか て 統 制 された 法 的 に 限 定 されたもので ( 第 61 回 国 会 衆 建 設 委 員 会 昭 和 44 年 4 月 16 日 ) あるというところまで 解 釈 はすべきではない と 考 えている 井 上 ( 普 ) 委 員 公 共 事 業 用 地 を 取 得 する 際 に 現 在 の 体 制 では 一 般 に 不 当 に 低 く 押 えられる 可 能 性 がある 土 地 というもの は 株 のように 擬 制 的 な 価 格 を 持 つため 投 機 の 対 象 になる 公 共 事 業 の 土 地 取 得 を する 場 合 には 投 機 の 対 象 になり 標 準 地 点 における 標 準 価 格 というものを 設 定 して も それは 一 般 土 地 所 有 者 に 対 してむしろ 低 く 押 える あるいはまた 不 満 を 増 発 させ るという 結 果 を 招 くのではないか ( 第 61 回 国 会 衆 建 設 委 員 会 昭 和 44 年 4 月 16 日 ) 坪 川 国 務 大 臣 専 門 的 な 鑑 定 評 価 の 結 論 を 得 たことによってその 土 地 の 標 準 価 格 の 目 安 がつき それに 対 する 信 頼 度 からくる 抑 制 というものの 心 理 的 作 用 はかなりある と 大 きく 期 待 をしたい 5
(3) 相 続 税 評 価 の 基 準 関 係 する 法 令 閣 議 決 定 土 地 基 本 法 ( 平 成 元 年 法 律 第 84 号 )( 抄 ) ( 公 的 土 地 評 価 の 適 正 化 等 ) 第 十 六 条 国 は 適 正 な 地 価 の 形 成 及 び 課 税 の 適 正 化 に 資 するため 土 地 の 正 常 な 価 格 を 公 示 するとともに 公 的 土 地 評 価 について 相 互 の 均 衡 と 適 正 化 が 図 られるように 努 めるもの とする 平 成 4 年 度 税 制 改 正 の 要 綱 ( 平 成 4 年 1 月 10 日 閣 議 決 定 )( 抄 ) 土 地 の 相 続 税 評 価 の 適 正 化 に 伴 う 相 続 税 の 負 担 調 整 等 を 行 い 租 税 特 別 措 置 の 整 理 合 理 化 等 課 税 の 適 正 公 平 の 確 保 を 推 進 するとともに 現 下 の 極 めて 厳 しい 財 政 事 情 を 踏 まえ 極 力 税 収 を 確 保 する 観 点 から 税 制 上 所 要 の 措 置 を 講 ずることとし 次 のとおり 税 制 改 正 を 行 うも のとする 一 相 続 税 等 の 負 担 調 整 土 地 の 相 続 税 評 価 の 評 価 割 合 を 地 価 公 示 価 格 水 準 の8 割 程 度 に 引 き 上 げる 等 の 適 正 化 に 伴 う 相 続 税 等 の 負 担 調 整 を 次 のとおり 行 う 1~6( 略 ) 二 租 税 特 別 措 置 の 整 理 合 理 化 等 ( 略 ) 三 当 面 の 財 政 事 情 等 に 対 応 するための 増 収 措 置 ( 略 ) 四 その 他 ( 略 ) 五 その 他 所 要 の 税 制 の 整 備 を 行 う 活 用 のフロー( 平 成 24 年 分 路 線 価 の 例 ) 標 準 地 の 選 定 標 準 地 の 標 準 価 格 等 の 評 価 基 幹 標 準 地 (73,000 地 点 )には 地 価 公 示 及 び 都 道 府 県 地 価 調 査 の 調 査 地 点 と 同 一 の 地 点 (47,000 地 点 )のほか 独 自 に 不 動 産 鑑 定 評 価 を 実 施 する 地 点 (26,000 地 点 )を 選 定 する 基 幹 標 準 地 の 公 示 価 格 鑑 定 評 価 額 や その 他 の 標 準 地 の 精 通 者 意 見 価 格 等 を 基 に 標 準 地 の 標 準 価 格 ( 地 価 ) を 評 価 する 路 線 価 の 確 定 上 記 標 準 地 の 存 在 する 路 線 の 路 線 価 を 標 準 価 格 ( 地 価 ) の8 割 水 準 で 評 価 するとともに これを 基 に 標 準 地 の 存 在 しない 路 線 についても 同 水 準 で 路 線 価 を 評 価 する 相 続 税 評 価 における 基 幹 標 準 地 の 標 準 価 格 ( 地 価 )は 地 価 公 示 の 調 査 地 点 と 同 一 の 地 点 であれば 公 示 価 格 と 基 本 的 に 同 一 となり 独 自 に 不 動 産 鑑 定 評 価 を 実 施 する 場 合 でも 公 示 価 格 を 規 準 する 必 要 があることから 公 示 価 格 との 均 衡 が 保 たれている なお 相 続 税 評 価 は 相 続 税 法 により 相 続 遺 贈 又 は 贈 与 により 取 得 した 財 産 の 価 額 は 当 該 財 産 の 取 得 の 時 における 時 価 による こととされている 一 方 路 線 価 は 相 続 税 等 の 課 税 に 当 たって1 年 間 適 用 されるため その1 年 間 の 変 動 に 耐 え 得 るものでなければならないこと 等 の 評 価 の 安 全 性 をも 考 慮 して 地 価 公 示 価 格 水 準 の8 割 程 度 で 評 価 しているものである 6
実 績 ( 単 位 : 千 地 点 ) 国 会 での 議 論 ( 地 価 公 示 法 制 定 時 ( 昭 和 44 年 )) 質 問 等 二 宮 委 員 正 常 な 価 格 をどうきめるかとい うのが 今 非 常 に 大 事 な 問 題 である 地 価 公 示 法 案 では 正 常 な 価 格 地 方 税 法 で は 適 正 な 時 価 相 続 税 法 では 取 得 した 財 産 の 価 額 は 当 該 財 産 の 取 得 の 時 にお ける 時 価 登 録 免 許 税 法 では 不 動 産 価 額 となっている 客 体 は 一 緒 なのに 評 価 のしかたがばらばらでよいか ばらばら なゆえに 実 際 問 題 として 相 続 税 の 評 価 と か 固 定 資 産 税 の 評 価 にこれだけの 食 い 違 いが 出 ている さらに 正 常 な 価 格 と 称 し て 公 示 されると 市 場 の 宅 建 業 者 の 鑑 定 価 格 と 四 とおりになってくる どれが 一 体 い わゆる 正 常 な 価 格 なのか 非 常 に 混 乱 を 来 たすのではないか ( 第 61 回 国 会 衆 建 設 委 員 会 昭 和 44 年 6 月 12 日 ) 政 府 答 弁 川 島 政 府 委 員 各 法 律 でいろいろな 用 語 を 使 っているが たとえば 憲 法 二 十 九 条 に いう 正 当 な 補 償 あるいは 収 用 法 七 十 一 条 にいう 相 当 な 価 格 あるいは 三 十 七 年 に 政 府 は 公 共 用 地 の 取 得 に 伴 う 損 失 補 償 基 準 要 綱 というのを 閣 議 決 定 している が この 第 七 条 にいう 正 常 な 取 引 価 格 また 国 税 地 方 税 にそれぞれ 規 定 する 時 価 あるいは 適 正 な 時 価 不 動 産 価 額 これは いずれも 概 念 としては 同 じ ものである 7
(4) 固 定 資 産 税 評 価 の 基 準 関 係 する 法 令 通 達 土 地 基 本 法 ( 平 成 元 年 法 律 第 84 号 )( 抄 ) ( 公 的 土 地 評 価 の 適 正 化 等 ) 第 十 六 条 国 は 適 正 な 地 価 の 形 成 及 び 課 税 の 適 正 化 に 資 するため 土 地 の 正 常 な 価 格 を 公 示 するとともに 公 的 土 地 評 価 について 相 互 の 均 衡 と 適 正 化 が 図 られるように 努 めるもの とする 固 定 資 産 評 価 基 準 ( 昭 和 38 年 12 月 25 日 自 治 省 告 示 第 158 号 ) 第 1 章 第 12 節 経 過 措 置 一 宅 地 の 評 価 において 第 3 節 二 ( 一 )3(1) 及 び 第 3 節 二 ( 二 )4の 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 を 求 める 場 合 には 当 分 の 間 基 準 年 度 の 初 日 の 属 する 年 の 前 年 の1 月 1 日 の 地 価 公 示 法 ( 昭 和 44 年 法 律 第 49 号 )による 地 価 公 示 価 格 及 び 不 動 産 鑑 定 士 又 は 不 動 産 鑑 定 士 補 による 鑑 定 評 価 から 求 められた 価 格 等 を 活 用 することとし これらの 価 格 の7 割 を 目 途 として 評 定 するものとする この 場 合 において 不 動 産 鑑 定 士 又 は 不 動 産 鑑 定 士 補 による 鑑 定 評 価 から 求 められた 価 格 等 を 活 用 するに 当 たつては 全 国 及 び 都 道 府 県 単 位 の 情 報 交 換 及 び 調 整 を 十 分 に 行 うものとする 活 用 のフロー( 平 成 24 年 の 例 ) 標 準 宅 地 の 選 定 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 の 評 定 状 況 が 類 似 する 地 区 ごとに 価 格 事 情 等 が 標 準 的 である か 地 価 公 示 等 の 調 査 地 点 が 所 在 するか 等 を 考 慮 して 主 要 な 街 路 を 選 定 し 主 要 な 街 路 に 沿 接 する 宅 地 のうち 奥 行 間 口 等 が 標 準 的 と 認 められるものを 標 準 宅 地 とし て 選 定 する 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 は 公 示 地 価 鑑 定 評 価 額 を 活 用 し これらの 価 格 の7 割 を 目 途 に 評 定 する 路 線 価 の 付 設 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 ( 地 価 )に 基 づき 路 線 価 を 付 設 する 固 定 資 産 税 評 価 における 標 準 宅 地 の 適 正 な 時 価 ( 地 価 )の 評 定 に 当 たっては 地 価 公 示 等 の 調 査 地 点 と 同 一 の 地 点 であれば 基 本 的 に 公 示 価 格 が 活 用 され 独 自 に 不 動 産 鑑 定 評 価 を 実 施 する 場 合 でも 公 示 価 格 と 規 準 する 必 要 があることか ら 公 示 価 格 との 均 衡 が 保 たれている なお 固 定 資 産 税 評 価 は 基 準 年 度 (3 年 毎 の 年 度 を 指 し 直 近 では 平 成 24 年 度 )の 課 税 標 準 の 基 礎 となった 価 格 が3 年 間 据 え 置 かれることも 勘 案 し 3 割 程 度 の 安 全 を 見 て 公 示 価 格 の7 割 を 目 途 として 行 われている 8
実 績 時 点 標 準 宅 地 の 地 点 数 地 価 公 示 都 道 府 県 地 価 調 査 と 同 一 の 標 準 宅 地 の 地 点 数 地 価 公 示 と 同 一 の 標 準 宅 地 の 地 点 数 平 成 15 年 度 評 価 替 約 44 万 地 点 36,983 21,146 平 成 18 年 度 評 価 替 約 44 万 地 点 38,403 21,880 平 成 21 年 度 評 価 替 約 44 万 地 点 36,249 20,823 平 成 24 年 度 評 価 替 約 43 万 地 点 33,892 18,951 東 日 本 大 震 災 による 課 税 免 除 区 域 内 の 標 準 宅 地 数 を 除 く 2. 不 動 産 鑑 定 評 価 に 係 る 実 績 1.に 関 するものを 含 む 不 動 産 鑑 定 評 価 の 実 績 については 不 動 産 の 鑑 定 評 価 に 関 する 法 律 に 基 づく 事 業 実 績 報 告 で 確 認 することができる なお これには 公 的 土 地 評 価 ( 地 価 公 示 都 道 府 県 地 価 調 査 )の 実 績 は 含 まれない 不 動 産 鑑 定 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 等 の 推 移 不 動 産 鑑 定 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 等 は 10 年 前 と 比 較 して164 名 ( 約 3.4%) 増 加 なお 平 成 24 年 1 月 1 日 現 在 で 不 動 産 鑑 定 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 等 (4,968 名 )は 不 動 産 鑑 定 士 等 名 簿 への 登 録 者 数 (9,194 名 )の 約 54%になっている ( 人 ) 6,000 都 道 府 県 知 事 登 録 に 係 る 不 動 産 鑑 定 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 等 国 土 交 通 大 臣 登 録 に 係 る 不 動 産 鑑 定 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 等 5,000 4,804 5,176 4,968 4,000 3,000 3,768 4,102 4,005 2,000 1,000 1,036 1,074 963 0 平 成 13 年 平 成 18 年 平 成 23 年 備 考 : 不 動 産 鑑 定 士 等 ( 不 動 産 鑑 定 士 及 び 不 動 産 鑑 定 士 補 )の 数 は 翌 年 1 月 1 日 現 在 9
不 動 産 鑑 定 業 務 に 従 事 する 不 動 産 鑑 定 士 等 1 人 当 たり 平 均 鑑 定 評 価 書 作 成 件 数 の 推 移 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えの 前 年 は 都 道 府 県 知 事 登 録 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 の 作 成 件 数 の 増 加 率 が 国 土 交 通 大 臣 登 録 業 者 に 所 属 する 不 動 産 鑑 定 士 の 作 成 件 数 の 増 加 率 より 大 きくなる 傾 向 にある ( 件 ) 140 120 100 国 土 交 通 大 臣 登 録 業 者 都 道 府 県 知 事 登 録 業 者 108 98 平 成 23 年 分 より 集 計 の 区 分 に 基 準 に 則 らない 評 価 を 明 確 に 位 置 づけた 基 準 101 に 則 った 評 価 の 件 数 103 126 116 80 74 76 65 69 60 40 40 39 40 36 45 42 39 38 41 38 44 37 36 35 36 36 20 0 平 成 12 年 平 成 13 年 平 成 14 年 平 成 15 年 平 成 16 年 平 成 17 年 平 成 18 年 平 成 19 年 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 22 年 平 成 23 年 備 考 : 1 鑑 定 人 等 としての 業 務 及 び2 公 的 土 地 評 価 ( 地 価 公 示 都 道 府 県 地 価 調 査 )は 含 んでいない ( 出 典 第 29 回 国 土 審 議 会 土 地 政 策 分 科 会 不 動 産 鑑 定 評 価 部 会 ( 平 成 24 年 6 月 25 日 ) 配 付 資 料 ) 3. 本 日 特 にご 議 論 いただきたい 事 項 制 度 インフラとしての 重 要 性 についての 情 報 発 信 の 強 化 地 価 公 示 の 活 用 が 制 度 的 に 必 要 な 分 野 は 社 会 情 勢 の 変 化 に 応 じて 何 度 か 拡 大 してきており 地 価 公 示 は 今 日 においても 重 要 な 制 度 インフラとなっている 一 方 こうした 分 野 で 地 価 公 示 が 果 たしている 役 割 が 必 ずしも 国 民 の 理 解 を 得 られているとは 言 い 難 い 状 況 にある 厳 しい 財 政 制 約 のもとで 公 費 を 投 じている 以 上 一 般 の 土 地 取 引 の 指 標 以 外 の 地 価 公 示 の 重 要 性 有 効 性 についての 国 民 の 理 解 を 促 進 する 取 組 を 強 化 す る 必 要 があると 考 えられるが そうした 取 組 の 際 にどういった 点 に 留 意 すべき か 以 上 10