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2009 年 11 月 7 日 第 5 回 福 岡 病 院 アレルギー 喘 息 教 室 成 人 喘 息 とウイルス 感 染 国 立 病 院 機 構 福 岡 病 院 呼 吸 器 科 医 長 古 森 雅 志

気 管 支 喘 息 とは? 気 道 の 炎 症 は 慢 性 的 にあり 特 定 のアレル ゲン(アレルギーの 原 因 物 質 )やその 他 の 物 質 を 主 に 吸 い 込 んで その 刺 激 により 気 道 過 敏 性 ( 気 道 の 過 剰 な 反 応 )が 上 昇 する 図 :セルフケアナビぜんそく( 成 人 用 ). 厚 生 労 働 科 学 研 究 発 行 より

気 管 支 喘 息 とは? その 結 果 気 道 の 平 滑 筋 収 縮 や 粘 膜 のむくみ 分 泌 物 = 痰 の 増 加 により 気 道 が 狭 くなり 呼 吸 苦 や 激 しい 咳 と 痰 の 症 状 をもたらす 図 :EBMに 基 づいた 患 者 と 医 療 スタッフのパートナーシップのための 喘 息 診 療 ガイドライン2004( 成 人 編 ). 協 和 企 画 編 より

ウイルスの 気 道 感 染 かぜ 症 候 群 急 性 気 管 支 炎 小 児 の 細 気 管 支 炎 原 因 ウイルス ライノウイルス RSウイルス RSウイルス アデノウイルス コロナウイルス パラインフルエン パラインフルエンザ ザウイルスなど ウイルス アデノウイルスなど 症 状 のどの 痛 み 鼻 水 激 しい 咳 ぜー 鼻 づまり くしゃみ ぜー せき 微 熱 高 熱 +かぜ 様 症 状 発 症 比 較 的 ゆっくり 長 期 化 もある 急 激 インフルエンザ インフルエンザ ウイルス 高 熱 頭 痛 関 節 痛 筋 肉 痛 鼻 水 など +かぜ 様 症 状

ウイルスの 喘 息 発 症 因 子 説 1 歳 未 満 でライノウイルス RSウイルス による 重 篤 か 繰 り 返 される 細 気 管 支 炎 が 起 こった 場 合 5 7 才 で 喘 息 を 発 症 す る 可 能 性 がある 吸 入 ステロイドなどの 喘 息 治 療 薬 がウ イルスによる 喘 息 発 症 を 防 ぐ 可 能 性 が ある 乳 幼 児 で 咳 やゼーゼーがあると きは 早 めに 小 児 科 へ ( 呼 吸 器 アレル ギーの 専 門 家 がベター)

ウイルス 感 染 と 喘 息 発 作 小 児 および 成 人 喘 息 発 作 の60-80% 以 上 に 気 道 ウイルス 感 染 を 認 めた その 内 訳 はRSウイルス インフルエンザウイ ルス ライノウイルスなどであった 気 道 ウイルスはアレルゲンや 一 酸 化 窒 素 など と 影 響 し 合 って 相 乗 的 に 喘 息 を 悪 化 させる

細 菌 感 染 と 喘 息 発 作 肺 炎 クラミジア(=クラミドフィラ) 肺 炎 マイコプラズマの 気 道 感 染 により 小 児 成 人 の 喘 息 発 作 が 誘 発 されることがある これら 細 菌 の 一 種 はそれ 自 身 による 直 接 の 炎 症 作 用 により あるいはウイルス 感 染 と 互 いに 影 響 し 合 って 間 接 的 に 喘 息 を 悪 化 さ せると 考 えられている 喘 息 のある 方 で 発 作 と 違 う 強 い 咳 が 続 くと きも 早 めに 喘 息 のかかりつけ 医 へ!

インフルエンザとは? インフルエンザウイルスの 感 染 によりおこ る ウイルスはヒトのほかトリ ブタなど に 通 常 は 同 種 間 で 感 染 し 拡 がる インフルエンザウイルスは1 万 分 の1mmの 大 きさで 生 きた 細 胞 内 でのみ 増 殖 できる ( 土 壌 空 気 中 では 増 殖 できない ) インフルエンザウイルスは 鼻 やのどなど の 粘 膜 細 胞 に 吸 着 し 細 胞 内 で 増 殖 し 症 状 を 起 こす

新 型 インフルエンザ ンザ ブタ ヒト トリ トリ 由 来 の4 種 類 のウイル スが 変 異 により 本 来 感 染 できなかった ヒトからヒトへの 感 染 ができるように なった 新 しいインフルエンザウイルス 新 型 ウイルスの 出 現 により 毎 年 秋 冬 に 流 行 するインフルエンザは 季 節 性 イン フルエンザとよばれるようになった

インフルエンザの 感 染 発 症 軽 快 まで 季 節 性 インフルエンザの 流 行 期 は11 月 4 月 くらい インフルエンザの 潜 伏 期 ( 感 染 から 発 症 ま で)は1 5 日 ; 平 均 3 日 インフルエンザの 症 状 は 約 1 週 間 続 きよ くなることが 多 い

インフルエンザの ンザの 重 症 化 と 合 併 症 重 症 化 のハイリスク 群 慢 性 の 呼 吸 器 病 ( 喘 息 COPDなど) 慢 性 の 心 臓 病 糖 尿 病 など 腎 臓 病 膠 原 病 (リウマチなど)やステロイド 内 服 などによる 免 疫 不 全 さらに 妊 婦 乳 幼 児 高 齢 者

インフルエンザの ンザの 重 症 化 と 合 併 症 合 併 症 成 人 小 児 気 管 支 炎 肺 炎 ( 重 症 肺 炎 で 呼 吸 不 全 に 陥 り 命 に 関 わることも)など 主 に 小 児 中 耳 炎 熱 性 けいれん 急 性 脳 症 ( 死 亡 率 10% 25%に 後 遺 症 )など

インフルエンザと ンザ 喘 息 インフルエンザウイルス 感 染 は 小 児 成 人 喘 息 の 発 作 を 誘 発 する 可 能 性 がある 逆 に 喘 息 の 存 在 がインフルエンザ を 重 症 化 する 可 能 性 がある

インフルエンザワクチンの ンザワクチンの 予 防 効 果 インフルエンザワクチン:インフルエン ザ 発 症 率 や 重 症 化 死 亡 率 を 減 少 させる 流 行 前 に 行 う 最 も 有 効 な 予 防 手 段 季 節 性 インフルエンザワクチンに 新 型 イ ンフルエンザの 予 防 効 果 はない 新 型 インフルエンザワクチンは 冬 以 降 に 起 こりうる 大 流 行 に 対 して 予 防 効 果 が 期 待 される

喘 息 に 対 する インフルエンザワクチンの ンザワクチンの 安 全 性 成 人 小 児 いずれにおいてもワクチン 接 種 による 喘 息 発 作 誘 発 に 関 する 安 全 性 が 証 明 されている

インフルエンザワクチンによる 喘 息 発 作 予 防 成 人 :ワクチン 接 種 による 直 接 の 喘 息 発 作 予 防 効 果 は 証 明 されていない 小 児 :ワクチン 接 種 による 喘 息 発 作 回 数 減 少 や 喘 息 による 日 常 生 活 への 支 障 の 軽 減 の 可 能 性 が 示 されている ワクチン 接 種 によるインフルエンザ 発 症 予 防 により 間 接 的 にインフルエンザに よる 喘 息 発 作 を 予 防 する 効 果 はあると 考 えられる

喘 息 患 者 のインフルエンザ ンザ 重 症 化 予 防 成 人 小 児 いずれにおいても 慢 性 呼 吸 器 疾 患 患 者 はインフルエンザ 重 症 化 の ハイリスク グループとされる 喘 息 患 者 もこれらに 該 当 する インフルエンザワクチンは 喘 息 患 者 に おけるインフルエンザ 重 症 化 予 防 のた めにも 接 種 が 勧 められている

インフルエンザ ンザ 感 染 の 拡 がり 方 ー 飛 沫 感 染 ー 咳 やくしゃみとともに 放 出 されたウイル スを 吸 い 込 むことで 起 こる 通 常 飛 沫 の 粒 子 は 半 径 1 2mまでは 拡 がる といわれる また 飛 沫 がさらに 小 さな 粒 子 となり1m 以 遠 で 空 気 感 染 を 来 す 可 能 性 はある

インフルエンザ ンザ 感 染 の 拡 がり 方 ー 接 触 感 染 ー 衣 類 やドアノブなどに 付 着 したウイルスを 触 り 目 鼻 口 の 粘 膜 結 膜 から 感 染 する インフルエンザウイルスは 環 境 内 で 数 分 数 時 間 まで 感 染 力 を 保 つといわれる 環 境 中 のインフルエンザウイルスにはアル コールなどの 消 毒 薬 が 有 効

インフルエンザ ンザ 感 染 拡 大 を 防 ぐ 人 ごみ 繁 華 街 集 会 などへの 外 出 を 控 える 外 出 時 にはマスクを 着 用 室 内 では 加 湿 器 などで 適 度 な 湿 度 (50 60%) を 保 ち 換 気 も 行 う 十 分 な 休 養 とバランスのよい 食 事 うがい 手 洗 いの 励 行 咳 エチケット

インフルエンザ ンザ 感 染 拡 大 を 防 ぐ ー 咳 エチケットについてー 咳 くしゃみの 際 はハンカチなどで 口 と 鼻 を 押 さ え 他 の 人 から 顔 を 背 けるか1m 以 上 離 れる ( 手 で 口 鼻 を 覆 うだけではだめ) 鼻 水 たんの 付 いたティッシュなどはフタ 付 ゴミ 箱 へ 咳 くしゃみをしている 人 にマスク 着 用 を 促 す (サージカルマスク>その 他 の 市 販 マスク) 流 行 時 の 人 ごみなどでは 症 状 のある 人 もない 人 も マスクを 装 着 しないと 感 染 拡 大 防 止 はできない

インフルエンザの 症 状 突 然 の 高 熱 (38 以 上 ) 全 身 のだるさ 筋 肉 痛 や 関 節 痛 全 身 の 症 状 のどの 痛 み せき はなみずなど 上 気 道 の 症 状 下 痢 など 消 化 器 の 症 状 喘 息 の 方 はこれらの 症 状 があれば 早 めに 医 療 機 関 へ!

インフルエンザの ンザの 治 療 のみ 薬 (カプセル ドライシロップ) タミフル 吸 入 薬 リレンザが 現 在 最 も 有 効 とされる 季 節 性 インフルエンザ(A 型 /B 型 ) 新 型 インフルエンザに ンザに 有 効 リレンザには 喘 息 発 作 誘 発 の 可 能 性 があり 注 意 を 要 する

重 症 化 サインを 見 逃 さないために: 成 人 呼 吸 困 難 息 切 れがある 胸 の 痛 みが 続 いている おう 吐 や 下 痢 が 続 いている 3 日 以 上 38 以 上 の 高 熱 が 続 いている 症 状 が 長 引 いて 悪 化 してきた など 以 上 が 見 られたら すでに 治 療 を 行 なって いてもすぐに 医 療 機 関 へ!

まとめ - 気 道 ウイルス 感 染 - 気 道 ウイルス 感 染 は 喘 息 の 発 症 増 悪 に 強 く 関 わっている 特 に 乳 幼 児 のウイルス 性 細 気 管 支 炎 は 重 症 化 長 期 化 しないよう 早 めに 医 師 の 診 察 が 望 ましい 喘 息 患 者 のかぜ 症 候 群 や 気 管 支 炎 の 場 合 も 早 めの 対 応 が 必 要 であると 同 時 に 喘 息 管 理 の 徹 底 が 重 要

まとめ インフルエンザ - インフルエンザも 喘 息 の 増 悪 に 強 く 関 わる と 同 時 に 喘 息 患 者 ではインフルエンザの 重 症 化 が 問 題 インフルエンザの 流 行 前 はワクチン 接 種 流 行 時 にはうがい 手 洗 い 咳 エチケット などの 励 行 発 症 したらできるだけ 早 い 治 療 の 開 始 が 重 要 また 喘 息 管 理 の 徹 底 をかかりつけ 医 ととも に 進 めることが 喘 息 増 悪 予 防 インフルエ ンザ 重 症 化 予 防 のために 最 も 重 要