1.UV 硬 化 アクリルモノマー オリゴマー 一 般 的 に 使 用 されている UV 樹 脂 を 表 1に 示 す 1) 硬 化 の 形 態 としては 表 1 に 示 してある 通 り,ラジカル 重 合 により 硬 化 するものとカチオン 重 合 に 硬 化 するものとに 分 けられる カチオン



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ハードコート 用 紫 外 線 硬 化 型 アクリル 樹 脂 とその 応 用 大 成 ファインケミカル 技 術 G 朝 田 泰 広 はじめに 光 硬 化 技 術 は 1970 年 代 に 実 用 化 されて 以 来, 省 エネルギー 等, 環 境 に 優 しい 技 術 としてまた 熱 硬 化 では 困 難 であった 新 規 分 野 への 応 用 や 生 産 性 の 高 効 率 化 を 可 能 にする 技 術 として 広 範 囲 な 分 野 に 普 及 し,その 技 術 は 各 種 産 業 分 野 で 重 要 な 役 割 を 担 うようになってきている 紫 外 線 (UV) 硬 化 の 原 点 は 溶 剤 コーティングに 伴 う 乾 燥 や 有 機 溶 剤 の 蒸 発 を 回 避 することにあった が グリーンテクノロジーとして その 意 義 は 拡 大 の 一 途 である 木 材 金 属 プラスチック フィルムな どの 表 面 に UV 塗 膜 を 設 け 傷 防 止 をする 応 用 例 は 数 限 りない 硬 化 膜 の 高 度 のみならず 粘 着 性 濡 れ 性 といった 物 性 を 基 材 表 面 に 付 与 できるので 接 着 剤 粘 着 材 などさまざまな 応 用 に 展 開 される さまざまな 印 刷 用 インキにも 溶 剤 の 飛 散 をともなうことなく 無 溶 剤 化 でき UV 照 射 によって 迅 速 に 固 化 できるので 平 版 凸 版 スクリーン 版 インクジェット 印 刷 の UV インキとして 利 用 されている UV による 硬 化 加 工 は 力 学 的 な 特 性 だけではなく 基 材 表 面 へ 目 的 に 沿 った 多 様 な 特 性 付 与 に 効 果 を 発 揮 する 例 えば 携 帯 電 話 パソコン テレビ などの 表 示 パネル 表 面 には 防 眩 反 射 防 止 汚 染 防 止 といった 高 度 な 機 能 を 併 せもつ UV コートされた 各 種 フィルムが 装 備 されている 光 学 ディス プレイ フィルムといったエレクトロニクス 分 野 において,ハードコート 材 料 として 急 成 長 を 遂 げている 光 学 用 途 では, 特 に 透 明 性 と 硬 度 において 高 い 性 能 を 要 求 され 現 在 ではアクリレート 系 モノマー オ リゴマーが 材 料 設 計 の 主 軸 として 多 くの 用 途 に 用 いられている しかし,アクリレート 系 オリゴマーは 硬 化 による 収 縮 が 大 きい 為 基 材 への 密 着 不 良 及 びフィルムの 変 形 を 引 き 起 こしてしまう 課 題 がある また,モノマーについては 材 料 としての 皮 膚 刺 激 性 が 懸 念 されると いう 課 題 がある こういった 課 題 を 解 決 するために UV 硬 化 アクリルポリマーの 設 計 がされるようにな る UV ポリマーの 設 計 が 注 目 されるようになってきたのは もともと 1990 年 代 以 降 に 液 晶 表 示 用 のカラ ーフィルター 用 のカラーレジストとして 使 用 されフォトマスクによって 露 光 後 に 未 露 光 部 はアルカリ 水 溶 液 で 現 像 されパターンを 形 成 し 使 用 されたのが 主 な 始 まりである 近 年 では 反 応 設 計 の 幅 を 広 げ UV 硬 化 ポリマーとして 用 途 の 可 能 性 が 広 くなってきている 本 稿 で 紹 介 するポリマータイプの UV 硬 化 アクリルポリマーは,プラスチック 等 に 使 用 されている 成 型 加 工 プロセスが 必 要 なフィルム( 加 飾 フィルム) 及 び 光 学 フィルムの 用 途 展 開 を 想 定 した 樹 脂 である UV 硬 化 アクリルポリマーを 多 官 能 モノマー 及 び 多 官 能 オリゴマーとブレンドして 利 用 した 時 の 特 徴 や 物 性 値 に 関 して 紹 介 する

1.UV 硬 化 アクリルモノマー オリゴマー 一 般 的 に 使 用 されている UV 樹 脂 を 表 1に 示 す 1) 硬 化 の 形 態 としては 表 1 に 示 してある 通 り,ラジカル 重 合 により 硬 化 するものとカチオン 重 合 に 硬 化 するものとに 分 けられる カチオン 重 合 においては, 酸 素 重 合 阻 害 等 を 解 決 する 利 点 がある ラジカ ル 重 合 は 酸 素 による 重 合 阻 害 があるが, 光 開 始 剤 として 水 素 引 き 抜 きタイプの 開 始 剤 (ベンゾフェノ ン)とアルキルアミンを 併 用 することによって 硬 化 障 害 を 解 決 できる ハードコート 材 は 基 材 の 表 面 保 護 という 観 点 から 高 い 硬 度 や 優 れた 耐 擦 傷 性 が 必 須 であり,UV 硬 化 型 材 料 は 多 官 能 オリゴマーを 配 合 し 架 橋 密 度 を 高 くすることで 要 求 性 能 を 満 足 することが 可 能 である 単 官 能 性 モノマーには 硬 化 組 成 物 の 粘 度 を 低 くする 架 橋 密 度 を 低 減 する 密 着 性 を 向 上 する 反 応 性 を 高 める といった 役 割 がある 単 官 能 性 モノマー 単 独 では 達 成 できない 耐 溶 剤 性 硬 度 柔 軟 性 強 靭 性 などを 大 幅 に 向 上 させる 目 的 で 多 官 能 性 モノマーが 重 要 となる 2 官 能 性 モノマーは 架 橋 構 造 を 形 成 するので 溶 媒 などに 対 する 耐 久 性 を 向 上 させる 一 方 で 反 応 性 希 釈 剤 として 用 いられる また 硬 化 塗 膜 の 柔 軟 度 と 高 度 の 向 上 の 相 反 する 物 性 を 考 慮 するのに 重 要 な 因 子 となる 3 官 能 以 上 のペンタエリスリトー ルトリアクリレート 等 は 速 やかに 硬 化 塗 膜 を 与 えるので 硬 化 時 間 を 大 幅 に 短 縮 するために 有 効 であり 耐 溶 剤 性 や 傷 つきにくさといった 機 械 的 な 強 度 を 高 める 役 割 を 担 っている その 一 方 で 多 官 能 性 モ ノマーの 添 加 量 が 多 すぎると 重 合 収 縮 率 が 大 きくなって 柔 軟 性 や 基 材 への 密 着 性 が 悪 化 し 硬 化 塗 膜 の 物 性 が 低 下 する 問 題 がある 特 に 耐 磨 耗 性, 耐 擦 傷 性 を 必 要 とされる 用 途 については 官 能 基 の 多 いジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 等 の 多 官 能 モノマーが 主 に 使 用 されている( 図 1) オリゴマーは モノマーに 比 べて 分 子 量 が 高 く いくつかの 繰 り 返 し 単 位 に 2 つ 以 上 のアクリル 基 が 結 合 した 構 造 を 持 っている 繰 り 返 し 単 位 の 種 類 によって エポキシアクリレート ウレタンアクリレー ト ポリエステルアクリレートに 大 別 されるが エポキシアクリレートは エポキシ 化 合 物 とカルボン 酸 との 付 加 反 応 により 合 成 される ウレタンアクリレートは ポリオールとポリイソシアネートとの 付 加 反 応 物 に 末 端 に 残 るイソシアネート 基 をヒドロキシエチルアクリレートと 反 応 させてアクリル 基 を 分 子 末 端 に 導 入 して 製 造 される 芳 香 族 ウレタンオリゴマーはポリウレタン 特 有 の 耐 衝 撃 性 や 柔 軟 性 といっ た 力 学 的 に 好 ましい 特 性 を 発 揮 する 一 方 で 粘 度 が 高 く 黄 変 の 可 能 性 がある 脂 肪 族 ウレタンオリ ゴマーは 芳 香 族 ウレタンオリゴマーより 高 価 だが 優 れた 力 学 的 な 特 性 を 維 持 しつつ 粘 度 は 芳 香 族 より 低 いうえに 黄 変 しない 2) しかし 多 くの 場 合 反 応 性 希 釈 剤 による 粘 度 低 下 が 必 要 となる UV 硬 化 物 の 物 性 はウレタン 結 合 に 由 来 する 水 素 結 合 の 凝 集 力 によって 強 靭 性 に 優 れるが ウレタン 結 合 は 熱 によって 可 逆 的 に 水 酸 基 とイソシアネート 基 に 解 離 するので 耐 熱 性 が 求 められる 材 料 には 向 いていないのが 一 般 的 である ポリエステルアクリレートは ポリエステルポリオールとアクリル 酸 との 反 応 によって 合 成 されるが 同 程 度 の 分 子 量 の 他 のオリゴマーと 比 較 すると 粘 度 が 低 く 希 釈 剤 を 使 わずに 取 り 扱 えるという 特 徴 がある ポリエステルポリオールにおけるカルボン 酸 成 分 の 性 質 によっ て UV 硬 化 物 の 物 性 は 幅 広 いものとなる

表 1, UV 硬 化 樹 脂 の 種 類 1 官 能 アクリレート ラジカル 重 合 系 2 官 能 アクリレート 3 官 能 アクリレート モノマー 4~6 官 能 アクリレート 脂 環 式 エポキシ 樹 脂 カチオン 重 合 系 グリシジルエーテルエポキシ 樹 脂 ウレタンビニルエーテル ポリエステルビニルエーテル エポキシアクリレート 光 硬 化 型 樹 脂 ウレタンアクリレート ポリエステルアクリレート ラジカル 重 合 共 重 合 系 アクリレート ポリブタジエンアクリレート オリゴマー シリコンアクリレート アミノ 樹 脂 アクリレート 脂 環 式 エポキシ 樹 脂 カチオン 重 合 系 グリシジルエーテルエポキシ 樹 脂 ウレタンビニルエーテル ポリエステルビニルエーテル 図 1, ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの 構 造 式

2. UV 硬 化 アクリルポリマーの 設 計 について 2.1 アクリルモノマー アクリルモノマーとしてメタクリル 酸 メチル(MMA)(Tg=105 )を 基 本 とした 様 々なメタ(ア)クリル 酸 エ ステルがある 一 般 的 なモノマーの 構 造 式 とその 種 類 を 図 2 表 2 に 示 す 炭 素 数 が 長 いモノマーの 方 が Tg 値 が 低 く アクリル 酸 エステルよりもメタクリル 酸 エステルの 方 が Tg 値 が 高 い 傾 向 にある これは 分 子 運 動 性 の 束 縛 剛 直 さに 起 因 するものである 3) 親 水 性 付 与 を 期 待 するには 水 酸 基 を 持 った 2-ヒドロキシエチルメタクリレート 及 びポリエチレンオキ サイドをメインとしたポリアルキレングリコールモノメタクリレート 等 が 使 用 できる 撥 水 性 の 付 与 を 期 待 するにはフッ 素 基 の 導 入 で 効 果 が 期 待 できる 表 2, アクリルモノマーの 種 類 モノマー 名 アクリル 酸 メチル アクリル 酸 エチル アクリル 酸 ブチル アクリル 酸 2-エチルヘキシル メタクリル 酸 メチル メタクリル 酸 エチル メタクリル 酸 ブチル メタクリル 酸 イソブチル アクリル 酸 メタクリル 酸 アクリル 酸 2-ヒドロキシエチル メタクリル 酸 2-ヒドロキシエチル 略 号 Tg/ 分 子 量 MA 8 86 EA -22 100 BA -54 114 2EHA -85 128 MMA 105 100 EMA 65 114 nbma 20 142 ibma 67 142 AA 106 72 MAA 130 86 2HEA -15 116 2HEMA 55 130

R1 CH 2 =C C= H メタ(ア)クリル 酸 R1 CH 2 =C C= R2 メタ(ア)クリル 酸 エステル 系 のモノマー 図 2, モノマーの 一 般 式 2.2 ラジカル 重 合 の 合 成 例 アクリル 樹 脂 の 合 成 装 置 を 図 3 に 示 す 基 本 的 に 攪 拌 機 を 備 えた 反 応 容 器 (フラスコ)に 有 機 溶 剤 を 仕 込 み 所 定 の 温 度 に 到 達 後 重 合 条 件 に 見 合 った 開 始 剤 を 使 用 しモノマーの 供 給 を 開 始 してから 反 応 が 開 始 される 重 合 の 形 態 は 様 々な 反 応 形 態 があるが 工 業 化 のしやすさコストメリット 等 でラジカ ル 重 合 を 選 択 するのが 一 般 的 である ラジカル 重 合 理 論 は 本 稿 では 取 り 扱 わず 多 くの 参 考 書 4) があ るのでここで 割 愛 させていただきたい 滴 下 ロート モノマー 溶 液 攪 拌 機 温 度 計 オイルバス 有 機 溶 剤 図 3, アクリル 樹 脂 の 合 成 例

2.3 マクロモノマーの 合 成 例 マクロモノマーとは 分 子 量 が 1000 以 上 で 片 末 端 基 にアクリロイル 基 またはメタクリロイル 基 が 導 入 されたモノマーである 図 4 に 示 すように 合 成 法 としては 連 鎖 移 動 剤 としてチオグリコール 酸 を 使 用 す ると 片 末 端 にカルボキシル 基 が 導 入 されたポリマーが 合 成 できる そののちにグリシジルメタクリレート を 付 加 すると 片 末 端 にメタクリロイル 基 が 導 入 されたマクロモノマーが 合 成 可 能 である 分 子 量 の 調 整 は 連 鎖 移 動 剤 と 触 媒 の 量 を 調 整 することによってコントロール 可 能 である UV 硬 化 アクリルポリマー にもこのようなマクロモノマーを 用 いて 他 のモノマーと 共 重 合 することによって 物 性 の 向 上 が 期 待 できる また 機 能 性 を 持 たせるためにシリコンのマクロモノマーを 利 用 すると 撥 水 性 離 型 性 などの 機 能 を 持 たせることが 可 能 である CH 2 =C C= + CH 2 =C C= + HS CH 2 CH チオグリコール 酸 2.5wt% C 4 H 9 メチルメタクリレート 56.3wt% ブチルメタクリレート 37.5wt% 3HC-C-N=N-C- 重 合 HCCH 2 S CH 2 -C CH 2 -C CN CN C= l C= m アゾビスイソブチロニトリル C 4 H 9 CH 2 =C C= 付 加 反 応 CH 2 =C CCH 2 CHCH 2 CCH 2 S = H CH 2 -C CH 2 -C C= l C= m CH 2 -CH-CH 2 グリシジルメタクリレート 3.7% MMA / BMAマクロモノマー 図 4, マクロモノマーの 合 成 例 C 4 H 9

2.4 UV 硬 化 アクリルポリマーの 合 成 大 成 ファインケミカルが 製 造 している 8KX シリーズは ポリマー 型 のメタ(ア)クリレート 系 UV 硬 化 アク リルポリマーの 名 称 である アクリル 樹 脂 の 主 鎖 は 図 5 に 示 すようなアクリルポリマーの 骨 格 に 反 応 性 のメタ(ア)クリロイル 基 を 側 鎖 に 導 入 したポリマーであり 用 途 に 応 じて 側 鎖 には 分 子 量 が 6000 程 度 の 図 4 に 示 したようなアクリル 系 マクロモノマーが 共 重 合 されている アクリル 主 鎖 メタ(ア)クリロイル 基 UV 硬 化 アクリル 系 マクロモノマー 図 5, マクロモノマーの 合 成 例 これらのUV 硬 化 アクリルポリマーは, 通 常 一 段 目 に 溶 剤 中 でラジカル 重 合 等 によって 官 能 基 ( 酸 及 びエポキシ)を 含 むメタ(ア)クリル 酸 エステル 系 のモノマー 及 びアクリル 系 マクロモノマーを 共 重 合 した ポリマーを 作 り, 二 段 目 にエポキシや 酸 の 含 有 したメタ(ア)クリル 酸 エステル 系 のモノマーを 一 段 目 に 重 合 したポリマーに 付 加 反 応 することによって 得 られる 付 加 反 応 は, 高 温 の 方 が 有 利 なため 溶 剤 の 選 択 に 注 意 が 必 要 である 合 成 のスキームを 図 6 及 び 図 7 に 示 す + CH H 一 段 目 の 反 応 (エポキシ 含 有 ポリマー) メタ(ア)クリル 酸 エステルモノマー 共 重 合 n H H H H H H H H 図 6, アクリロイル 導 入 タイプ

CH CH CH + 一 段 目 の 反 応 ( 酸 含 有 ポリマー) メタ(ア)クリル 酸 エステルモノマー 共 重 合 n H H H H 2 段 目 の 反 応 ( 酸 含 有 ポリマーとエポキシ 含 有 モノマーの 付 加 反 応 ) 図 7, メタクリロイル 導 入 タイプ アクリル 主 鎖 は 数 多 くの 表 2 で 示 したようなメタ(ア)クリル 酸 エステル 系 のモノマーから 選 択 して 自 由 に 設 計 でき 硬 度 等 の 要 求 性 能 に 応 じて 分 子 量 及 び 二 重 結 合 当 量 等 を 考 慮 して 設 計 される 2.5 UV ラジカル 硬 化 について UV 硬 化 にもっとも 多 用 されるラジカル 重 合 反 応 には 光 ラジカル 重 合 開 始 剤 からのラジカル 生 成 反 応 重 合 開 始 反 応 成 長 反 応 及 び 停 止 反 応 といった 反 応 が 含 まれる 図 8 に UV ラジカル 重 合 のスキ ームを 示 す M は 重 合 反 応 を 起 こすモノマー 単 位 を 示 す UV 硬 化 にて 本 質 的 な 問 題 となるのが 酸 素 に よる 重 合 停 止 である 成 長 末 端 のラジカルと 酸 素 分 子 が 反 応 してパーオキシラジカル(R )が 生 成 する この 酸 素 ラジカルはビニル 重 合 を 引 き 起 こさないので 重 合 反 応 は 停 止 する 重 合 開 始 剤 は 重 合 開 始 能 感 光 波 長 領 域 モノマー オリゴマーへの 溶 解 性 分 解 生 成 物 の 影 響 などを 考 慮 したさまざまな 光 ラジカル 重 合 開 始 剤 がメーカーから 市 販 されている 光 開 始 剤 回 裂 :PI P + I 開 始 反 応 :I + M I-M I-M I-M2 成 長 反 応 :I-M n I-M n +1 連 鎖 移 動 反 応 : I-M n + CT I-M n + CT 停 止 反 応 :I-M n + I-M m I-M n + I-Mm PI: 光 開 始 剤,M:モノマー,オリゴマー 図 8, UV 硬 化 の 反 応 機 構 (ラジカル 連 鎖 型 )

2.6 UV 硬 化 アクリルポリマーの 設 計 の 幅 について 8KX シリーズのラインナップを 表 3 に 示 す 反 応 性 基 がメタクリロイル(メタクリレートタイプ) 及 びアク リロイル(アクリレートタイプ)の 2 系 統 がラインナップされている 表 4 にそれらの 性 状 値 を 示 す No 品 番 Tg/ C=C 種 類 オリゴマー オリゴマー 量 溶 剤 組 成 1 8KX-012C 125 メタクリロイル DPHA/PETA=80/20 10.8% BAC/NPA=50/50 2 8KX-052C 113 メタクリロイル DPHA/PETA=80/20 10.8% BAc/NPA=50/50 3 8KX-056C 111 メタクリロイル DPHA/APG-700=60/40 10.8% BAc/NPA=50/50 4 8KX-058 146 メタクリロイル なし なし BAc/PGM=50/50 5 8KX-077 80.8 アクリロイル なし なし NPAc/BAc/MEK=60/10/30 6 8KX-078 53 アクリロイル なし なし NPAc/BAc/MEK=60/10/30 *Tg 値 はガラス 転 移 温 度 ( 計 算 値 ) DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート APG-700:ポリプロピレングリコールジアクリレート 表 3, UV 硬 化 アクリルポリマーのラインナップ 表 4, UV 硬 化 アクリルポリマーの 性 状 値 *メタクリロイルタイプ 溶 剤 組 成 No 品 番 固 形 分 /% 粘 度 /mpa S 酸 価 ( 固 形 分 値 ) 重 量 平 均 分 子 量 二 重 結 合 当 量 BAc NPA PGM 1 8KX-012C 40±1.0 90±50 7.5~12.5 25000 473 50 50-2 8KX-052C 54.0±1.0 1800±500 3~10 47000 946 50 50-3 8KX-056C 40±1.0 300±70 3~10 47000 2000 50 50-4 8KX-058 39±1.0 150±70 26~30 15000 315 50-50 測 定 条 件 105 2 時 間 BM 型 粘 度 計 0.1NKH 滴 定 GPC C=C1molに 対 して 熱 風 乾 燥 機 25 必 要 な 樹 脂 のg 数 *アクリロイルタイプ No 品 番 固 形 分 /% 粘 度 /mpa S 酸 価 ( 固 形 分 値 ) 重 量 平 均 分 子 量 二 重 結 合 当 量 溶 剤 組 成 BAc NPAc MEK 1 8KX-077 40±1.0 120±70 5~10 23000 480 10 60 30 2 8KX-078 40±1.0 140±70 6~10 42000 240 10 60 30 測 定 条 件 150 2 時 間 BM 型 粘 度 計 0.1NKH 滴 定 GPC C=C1molに 対 して 熱 風 乾 燥 機 25 必 要 な 樹 脂 のg 数 モル 比 を 合 わせて ポリマー 一 分 子 中 に 導 入 される C=C の 数 を 任 意 に 設 計 できる 重 量 平 均 分 子 量 は 重 合 中 の 粘 度 が 高 くなり 過 ぎるため 10 万 以 上 の 設 計 は 困 難 である また 反 応 の 条 件 によっては C=C 同 士 が 付 加 反 応 中 に 反 応 してしまいゲル 化 の 問 題 が 生 じ 注 意 が 必 要 であ る メタクリロイル 基 のタイプは 予 め 10.8%のオリゴマーで 希 釈 して 設 計 されている これは メタクリロイルの 官 能 基 のみだと 硬 化 性 が 低 いためオリゴマーを 配 合 して 硬 化 性 を 高 める 目 的 で 配 合 されている

3. IMD,IML に UV ポリマーを 利 用 した 例 3.1 加 飾 技 術 について プラスチックは 多 様 な 構 造 特 性 と 機 能 特 性 に 加 えて, 軽 量 性 に 優 れており, 産 業 用 は 勿 論 のこと, 民 生 用 としても 基 礎 素 材 として 重 要 な 位 置 を 占 めている しかしながら, 通 常 の 一 次 成 形 のままでは, 安 っぽく 見 える 等 の 問 題 があり,プラスチックの 特 徴 を 生 かしてなおかつ 見 栄 えの 向 上 を 行 いたいとの 要 望 が 強 くある 成 形 品 に 何 らかの 形 で 付 加 される 装 飾 は, 加 飾 と 言 われている 加 飾 を 広 い 範 囲 で 考 えると, 表 5 に 示 すように 加 飾 の 目 的 は 見 栄 え 感 触 の 向 上 以 外 に, 文 字, 数 字, 記 号,マークなどによる 説 明 情 報 伝 達 さらに 電 磁 波 シールド, 電 子 回 路 の 印 刷, 耐 擦 り 傷 性 の 向 上 など 機 能 性 付 与 の3つに 分 類 される 5) 表 5, プラスチック 加 飾 の 目 的 目 的 例 1. 見 栄 え 感 触 の 向 上 シルク 印 刷 印 刷 フィルムの 貼 合 または 転 写 2. 説 明 情 報 伝 達 印 刷 ラベルの 貼 合 3. 機 能 性 付 与 塗 装 などによる 電 磁 波 シールド ハードコートによる 耐 擦 り 傷 性 向 上

3.2 IMD について IMD とは, 射 出 成 形 の 金 型 内 で 転 写 箔 による 同 時 加 飾 を 行 なう 技 術 で,In-mold Decoration の 略 で ある( 図 9) 6) PET フィルム(25μ~ 50μ)に, 表 面 保 護 層, 柄 層, 接 着 剤 層 を 印 刷 したものをベースフィ ルムとして 利 用 する 射 出 成 形 樹 脂 の 熱 によってフィルム 表 面 に 表 面 保 護 層 の 樹 脂 が 焼 きつかないよ うに,フィルム 表 面 に 離 型 層 と 呼 ばれる 層 を 設 けるのが 一 般 的 である この 離 型 層 は 転 写 後 フィルム 側 に 残 り, 成 形 品 表 面 は, 表 面 保 護 層 がトップになる 表 面 保 護 層 は UV 硬 化 型 樹 脂 が 一 般 的 に 利 用 されている ハードコート 処 理 を 施 すことによって 耐 傷 つき 性 を 高 めることができる 基 材 フィルム ハードコート 層 プライマー 層 印 刷 蒸 着 層 接 着 層 剥 離 層 被 着 体 側 図 9, インモールド 工 程

3.3 IML について IML とは, 射 出 成 形 の 金 型 内 に 加 飾 フィルムを 挿 入 (インサート)して 貼 りつける 技 術 で,In-mold Label の 略 である( 図 10) フィルムインサートは 真 空 成 形 を 行 い 深 絞 りを 行 った 後 に 射 出 成 形 するのが 特 徴 である 6) 貼 り 付 け 方 法 ハードコート 層 基 材 フィルム 印 刷 ( 裏 面 印 刷 ) 接 着 層 被 着 体 側 図 10, インサート 工 程 3.4 塗 膜 物 性 について 表 6 に 加 飾 フィルム 向 けで 評 価 した 8KX シリーズの 塗 膜 物 性 値 を 示 す 表 6, 加 飾 フィルム 用 の UV 硬 化 樹 脂 の 評 価 測 定 条 件 評 価 項 目 8KX-012C 8KX-052C 8KX-056C 8KX-058 No1 JIS K 5600-5-4 準 拠 ( 荷 重 750g) 鉛 筆 硬 度 2H H H H No2 スチールウール#0000 荷 重 500g 10 往 復 耐 スチールウール 性 傷 数 本 傷 数 本 傷 多 数 傷 数 本 No3 引 張 試 験 における 塗 膜 フィルム 上 に 照 射 前 伸 度 /% >150 >200 >200 >200 クラックが 発 生 するまでの 伸 度 照 射 後 伸 度 /% 20 40 50 20 No4 ブロッキングテスト(500g 荷 重 40 50%RH) タックフリー 性 測 定 条 件 評 価 項 目 8KX-077 8KX-078 No1 JIS K 5600-5-4 準 拠 ( 荷 重 750g) 鉛 筆 硬 度 H 2H No2 スチールウール#0000 荷 重 500g 10 往 復 耐 スチールウール 性 傷 数 本 傷 数 本 No3 引 張 試 験 における 塗 膜 フィルム 上 に 照 射 前 伸 度 /% >150 >150 クラックが 発 生 するまでの 伸 度 照 射 後 伸 度 /% 15 20 No4 ブロッキングテスト(500g 荷 重 40 50%RH) タックフリー 性 * 塗 膜 作 成 条 件 100μPET 膜 厚 5μ MEKで 固 形 分 20%に 希 釈 光 開 始 剤 I-184 3% 添 加 バーコーターで 塗 工 乾 燥 100 1 分 UV 照 射 量 500mj( 積 算 光 量 )

塗 膜 硬 度 ( 鉛 筆 高 度 :H~2H) 及 び 乾 燥 塗 膜 の 伸 度 (150% 以 上 ),UV 硬 化 後 の 伸 度 (20~40%)に おいて 優 れた 性 能 を 発 揮 している 通 常 は, 表 面 硬 度 を 追 求 し 過 ぎるあまり 十 分 な 伸 度 が 得 られな い 樹 脂 設 計 になってしまうが, 今 回 開 発 した 8KX シリーズはポリマータイプであること 及 び 主 鎖 に 組 み 込 まれたマクロモノマーの 影 響 等 により 硬 度 と 伸 度 の 両 立 を 図 ることが 可 能 である C=C がメタク ロイル 基 の 場 合, 硬 化 性 が 落 ちるため 多 官 能 性 モノマーを 配 合 することによって 硬 化 性 を 高 めている これらの 性 能 は, 熱 成 型 が 必 要 なプラスチック 等 の IMD 及 び IML 加 飾 フィルムの 表 面 保 護 層 として 用 途 展 開 が 期 待 される 加 飾 フィルムの 製 造 工 程 において 乾 燥 後 塗 膜 がタックフリーになることで,コ ーティング 後 一 時 的 に 巻 き 取 り, 紫 外 線 硬 化 工 程 を 分 離 することが 可 能 であり, 製 造 工 程 適 性 という 点 においてもメリットがある タックフリー 性 に 関 しては, 分 子 量 が 高 い 方 が 有 利 に 働 くが, 架 橋 密 度 の 低 減 が 想 定 されるため 高 度 を 維 持 するために 多 官 能 オリゴマーの 配 合 が 必 要 となる 耐 SW 性 ( 耐 摩 耗 性 )のテストでは, 多 官 能 モノマー 及 び 多 官 能 オリゴマーなどに 比 べ 架 橋 密 度, 硬 度 が 劣 る ため,UV ポリマーにシリカ 粒 子 などの 無 機 粒 子 のハイブリッド 化 や 多 官 能 オリゴマーを 配 合 すること によって 改 善 が 期 待 される 3.5 UV ポリマーと 硬 化 剤 を 併 用 した 例 熱 硬 化 反 応 の 多 くは 縮 合 反 応 や 付 加 反 応 に 基 づくが コーティングをはじめ 接 着 など 多 様 な 分 野 に 応 用 されている 塗 料 などのコーティングに 限 れば UV 硬 化 の 占 める 割 合 は 10%に 遠 く 及 ばず 大 勢 は 熱 硬 化 である これら 熱 硬 化 に 用 いられている 反 応 を 副 反 応 として 光 ラジカルと 組 み 合 わせればデ ュアル UV 硬 化 系 となる これらの 反 応 に 酸 あるいは 塩 基 触 媒 などを 必 要 とする 場 合 が 多 いから 光 発 生 剤 や 光 塩 基 発 生 剤 を 用 いることにより 硬 化 加 速 可 能 となる メチロールあるいはアルキル 化 メチロール 基 を 有 するメラミン 誘 導 体 はそれ 自 体 が 酸 性 条 件 下 で 縮 合 するし 水 酸 基 メチロール 基 さらには アミノ 基 なども 縮 合 反 応 する カルボキシル 基 や 環 状 酸 無 水 物 はエポキシ 基 や 水 酸 基 を 有 する 化 合 物 と 反 応 するので コーティングだけでなく エレクトロニクス 用 途 などにも 広 く 用 いられる エポキシ 化 合 物 は 水 酸 基 アミノ 基 チオール 基 などと 組 み 合 わせて 熱 硬 化 樹 脂 となる 水 酸 基 との 反 応 は 酸 触 媒 チオール 基 との 反 応 は 塩 基 触 媒 によって 加 速 される ここでは MMA/GMA の 樹 脂 をベースに AA を 付 加 させて 合 成 した UV 硬 化 樹 脂 にカルボキシル 基 を 導 入 させるために 無 水 コハク 酸 を 付 加 した 例 を 図 11 に 示 す 8KX-064 は C=C 当 量 300 Mw=10000 の 樹 脂 である

8KX-064(MMA/GMA-AA 付 加 ポリマー) 8KX-064A(MMA/GMA-AA 付 加 ポリマー + 無 水 コハク 酸 ) n n H + 無 水 コハク 酸 H 図 11, UV 硬 化 樹 脂 に 無 水 コハク 酸 を 付 加 した 構 造 式 反 応 処 方 は AA の 付 加 終 了 後 約 90 で 無 水 コハク 酸 を 添 加 し 酸 価 の 経 時 変 化 で 反 応 の 終 点 を 観 察 すれば 良 い また IR で 酸 無 水 物 の 吸 収 の 消 失 を 確 認 する 方 法 を 用 いても 良 い この 樹 脂 は カルボン 酸 が 生 成 したためエポキシの 硬 化 剤 で 熱 硬 化 させることによって UV 樹 脂 + 熱 硬 化 系 の 組 み 合 わせが 可 能 である フィルムにこのタイプの 樹 脂 のコーティング 剤 を 調 整 し 使 用 した 例 を 表 7 に 示 す CH がない UV 硬 化 樹 脂 にエポキシ 硬 化 剤 を 添 加 した 場 合 タックフリーにならず 硬 化 させることが 不 可 能 である 表 7, UV 硬 化 アクリルポリマーに 無 水 コハク 酸 を 付 加 した 評 価 測 定 条 件 評 価 項 目 8KX-064 8KX-064A No1 JIS K 5600-5-4 準 拠 ( 荷 重 750g) 鉛 筆 硬 度 H 3H No2 スチールウール#0000 荷 重 500g 10 往 復 耐 スチールウール 性 傷 数 本 傷 数 本 No3 引 張 試 験 における 塗 膜 フィルム 上 に 照 射 前 伸 度 /% >150 >100 クラックが 発 生 するまでの 伸 度 照 射 後 伸 度 /% 15 15 No4 ブロッキングテスト(1000g 荷 重 40 50%RH) タックフリー 性 *どちらにもエポキシ 硬 化 剤 を3wt% 添 加 * 塗 膜 作 成 条 件 100μPET 膜 厚 5μ MEKで 固 形 分 20%に 希 釈 光 開 始 剤 I-184 3% 添 加 バーコーターで 塗 工 乾 燥 100 1 分 UV 照 射 量 500mj( 積 算 光 量 ) 無 水 コハク 酸 を 付 加 した 8KX-064A はエポキシ 硬 化 剤 を 添 加 することによって 熱 硬 化 させることがで きる その 物 性 は SW 試 験 での 物 性 低 下 も 認 められず ブロッキングテストにおいても 1Kg の 荷 重 に 耐 えることができる フィルムを 一 時 巻 き 取 りその 後 UV 照 射 しハードコート 膜 を 作 成 することが 可 能 であ る

3.6 伸 びを 重 視 した UV 硬 化 アクリル 樹 脂 の 設 計 前 述 したように 加 飾 フィルムの 用 途 では フィルムに UV コーティング 剤 を 塗 工 し UV 照 射 後 に 成 型 する 方 法 もある こういった 用 途 で 材 料 を 設 計 する 場 合 UV 硬 化 させた 後 でもある 程 度 伸 びが 期 待 できるようにしなくてはならない そこで 最 近 開 発 したのが 熱 可 塑 成 分 をリッチにした 組 成 つまり C=C 当 量 が 高 い 8KX シリーズを 設 定 した 表 8 に 物 性 データを 示 す 表 8. 物 性 データ 測 定 条 件 評 価 項 目 8KX-078 8KX-089 No1 JIS K 5600-5-4 準 拠 ( 荷 重 750g) 鉛 筆 硬 度 2H F No2 スチールウール#0000 荷 重 500g 10 往 復 耐 スチールウール 性 傷 数 本 傷 多 数 No3 引 張 試 験 における 塗 膜 フィルム 上 に 照 射 前 伸 度 /% >150 >200 クラックが 発 生 するまでの 伸 度 照 射 後 伸 度 /% 20 130% 以 上 No4 ブロッキングテスト(1000g 荷 重 40 50%RH) タックフリー 性 No5 計 算 値 C=C 当 量 240 930 No6 重 量 平 均 分 子 量 GPC 40000 100000 No7 コパトーン24h 放 置 (80 PMMAフィルム) 耐 薬 品 性 〇 * 塗 膜 作 成 条 件 100μPET 膜 厚 5μ MEKで 固 形 分 20%に 希 釈 光 開 始 剤 I-184 3% 添 加 バーコーターで 塗 工 乾 燥 100 1 分 UV 照 射 量 500mj( 積 算 光 量 ) C=C 当 量 が 高 い UV 硬 化 アクリル 樹 脂 では 特 に 熱 をかけていないが UV 照 射 後 の 伸 度 が 130% 以 上 となり C=C 当 量 が 240 のタイプに 比 べ 約 7 倍 の 伸 度 が 向 上 した 硬 度 は 架 橋 密 度 の 低 下 により 下 がる 傾 向 にはあるが 耐 薬 品 性 に 関 しては 高 分 子 量 化 することにより 膜 の 耐 久 性 をアップさせてい る 伸 びに 関 しては C=C 当 量 が 高 い 設 計 で 主 鎖 Tgを 低 くすることによって 改 善 が 可 能 であるが 耐 薬 品 性 が 悪 化 する 懸 念 をあるので 組 成 のバランスには 注 意 する 必 要 がある

4. 光 学 フィルム 用 向 け UV ポリマーを 使 用 した 例 4.1 反 射 防 止 フィルム 図 13 に 外 光 反 射 の 制 御 の 模 式 図 を 示 す 反 射 防 止 フィルムは LCD タッチパネル 大 型 TV などの 表 面 からの 反 射 を 少 なくする 場 合 に 使 用 される これには 種 々の 策 が 挙 げられる 7) まず 屋 外 使 用 の LCD 機 器 やタッチパネルの 映 り 込 み 防 止 対 策 では 表 面 状 態 を 荒 らし 表 面 の 反 射 光 を 乱 す 方 法 アン チグレア(AG)フィルムが 最 も 安 価 で 普 及 している この 光 学 性 能 については ヘイズ 値 で 示 される こ の AG フィルムはハードコート 機 能 と 合 わせてハードコート AG フィルムとして 上 市 されていることが 多 い また 物 理 光 学 式 反 射 防 止 フィルム(AR フィルム)は 基 材 の 表 面 に 屈 折 率 の 異 なる 層 を 設 けること で 設 けた 層 の 表 面 での 反 射 光 と 基 材 の 界 面 での 反 射 光 の 位 相 を 逆 転 させて 打 ち 消 し 合 わせること によって 反 射 光 を 軽 減 する 原 理 である 反 射 防 止 は 波 長 依 存 性 があり 単 純 な 系 ではすべての 可 視 光 波 長 域 の 反 射 を 抑 えることはできない 一 般 に 一 層 では 反 射 率 の 軽 減 が 小 さいため 二 層 以 上 の 積 層 をして 反 射 面 を 増 やした 多 層 構 造 をとる 積 層 方 式 には 湿 式 コーティング 法 とドライ 法 とがある 湿 式 コーティング 法 はダイコーティング グラビアコーティングなどの 製 法 がある 二 層 構 成 で 行 うことが 多 く 高 屈 折 率 層 としてはシリカゾルに AT 微 粒 子 や Ag 超 微 粒 子 を 混 合 したものを 用 いる 低 屈 折 率 層 としてはパーフルオロ 樹 脂 などが 使 用 されている ハードコート 樹 脂 基 材 AG 処 理 シリカ 粒 子 光 学 薄 膜 基 材 AR 処 理 図 13, 光 学 フィルム 表 面 処 理 による 外 光 反 射 の 制 御

4.2 塗 膜 物 性 について 光 学 フィルムに 要 求 される 物 性 として 高 度 光 学 特 性 の 他 にフィルムのそり 低 減 等 が 求 められている フィルムのそりの 低 減 は 原 反 フィルムのコストダウン 化 が 進 むにつれてフィルムの 厚 みが 薄 くなりハ ードコートをのせたときに 硬 化 収 縮 が 大 きいとそりが 発 生 する 問 題 が 生 じる こういった 現 象 は 生 産 工 程 上 他 の 部 材 との 貼 り 合 せをする 際 問 題 となる 硬 度 を 発 現 させるためには 多 官 能 性 のアクリル モノマーで 6 官 能 性 のジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを 主 体 として 設 計 される しかしながら このモノマーのみでは 硬 化 収 縮 が 大 きくフィルムのそりがでてしまい 製 品 としてさまざまな 課 題 を 抱 える ことになる そこで UV 硬 化 アクリルポリマーを 配 合 しフィルムのそりの 低 減 を 解 決 した 例 を 表 9 に 示 す 表 9, オリゴマー 添 加 による 物 性 データ そり 鉛 筆 硬 度 ヘーズ/% 透 過 率 /% 乾 燥 性 8KX-012C 2H 1.55 91.17 タックなし PETフィルム 1.24 91.36 配 合 例 1 2 3 4 5 8KX-012C 100 60 40 20 0 DPHA 40 60 80 100 密 着 乾 燥 性 タックなし タックなし タックわずか タック 大 タック 大 鉛 筆 硬 度 2H 3H 3H 3H~4H 3H~4H そり なし 2mm 9mm 18mm 27mm 注 ) 比 率 はNV 比 DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート * 塗 工 条 件 NV:20%に 調 整 (BAcで 希 釈 ) I-184(NV 比 3% 添 加 )バーコーターNo16 約 5μ 照 射 量 :280mj 100μ PETフィルム( 東 洋 紡 製 ポリエステルフィルムA4300) * 評 価 方 法 そり : 塗 膜 を6cm 四 方 に 切 り 取 り 浮 き 上 がった 個 所 の 合 計 を 数 値 化 鉛 筆 硬 度 :JIS K5600-5-4 ヘーズ : 日 本 電 色 工 業 NDH5000 乾 燥 性 : 温 風 乾 燥 機 105 30 秒 後 指 触 で 判 定 DPHA 単 独 だと 3H の 鉛 筆 硬 度 を 発 現 させることが 可 能 であるが フィルムのそりが 大 きい 結 果 となって いる UV 硬 化 アクリルポリマーを 適 当 な 割 合 でブレンドしフィルムのそりを 観 察 すると 高 度 は 2H と 若 干 の 低 下 は 認 められるが そりがでないフィルムの 作 成 を 実 現 することができる UV 硬 化 アクリルポリ マーをブレンドすることによって 硬 化 収 縮 の 低 減 が 可 能 となったためと 思 われる ポリマー1 分 子 中 に はおおよそ 50 個 の C=C が 導 入 されている(アクリル 当 量 =473)が 硬 化 収 縮 に 寄 与 しているのはポリ マーの 分 子 量 及 び 主 鎖 から 離 れた C=C の 影 響 (UV 架 橋 点 の 長 さ) 等 が 硬 化 収 縮 に 関 係 していると 思

われる 図 14 に TAcフィルム(40μ)をベースとしてフィルムのそりと 高 度 のバランスをとった 写 真 を 示 す 高 硬 度 の 多 官 能 性 モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)に UV 硬 化 アクリルポリマーを 4 割 配 合 することによって 硬 度 を 2H に 維 持 しそりの 低 減 をすることが 可 能 となる 膜 厚 5μ D P HA(8mm) 8 K X-012C/DPHA = 4/6(3mm) 膜 厚 10μ 8 K X-012C/DPHA = 4/6(6mm) 図 14, カール 性 評 価 (40μTAcフィルム)

おわりに 我 々は ユーザーの 用 途 や 要 望 に 合 わせた 幅 広 い 材 料 設 計 に 対 応 できるよう ポリマーの 二 重 結 合 当 量 を 調 整 した 製 品 及 び 分 子 量 溶 剤 を 変 えたラインナップを 取 り 揃 えており さらなる 材 料 カスタ マイズを 請 け 負 う 研 究 体 制 も 整 っている 本 製 品 シリーズと 独 自 の 樹 脂 設 計 技 術 により 市 場 拡 大 を 続 ける 加 飾 フィルム 保 護 層 用 UV 硬 化 樹 脂 及 び 光 学 フィルム 用 の 用 途 展 開 を 目 指 している 参 考 文 献 1) 磯 部 孝 治, 材 料 各 論, 田 畑 米 穂 監 修, 新 UV EB 硬 化 技 術 と 応 用 展 開,シーエムシー,1997,p. 25 2) 高 柳 弘, イソシアネート 概 要 市 場, 藤 本 登 編, イソシアネート 化 合 物 の 反 応 メカニズムと 応 用 安 全 性 特 許 動 向, 技 術 情 報 協 会,2008,p.7. 3) 根 本 紀 夫, 高 原 純 一, ゴム 弾 性, 高 分 子 学 会 編, 高 分 子 の 力 学 物 性, 共 立 出 版,1996,p.6. 4) 蒲 池 幹 治, 遠 藤 剛, 岡 本 佳 男, 福 田 猛, 監 修 ラジカル 重 合 ハンドブック,エヌ ティー エス,2010 5) 桝 井 捷 平, プラスチック 加 飾 技 術 の 概 要, 永 井 規 之 編 集, プラスチックへの 加 飾 技 術 全 集, 技 術 情 報 協 会,2008,p.3. 6) 阿 竹 浩 之, 印 刷 転 写 インサート 等 による 加 飾 技 術, 永 井 規 之 編 集, プラスチックへの 加 飾 技 術 全 集, 技 術 情 報 協 会,2008,pp.117-119. 7) 宮 武 稔, 大 型 液 晶 ディスプレイ 用 光 学 フィルムの 課 題 と 改 善 状 況, 月 間 ディスプレイ,vol11,No4, 2005,p.47.