歯 科 領 域 の 安 全 管 理 医 療 法 人 真 鶴 会 小 倉 第 一 病 院 医 療 安 全 管 理 室 長 石 川 俊 幸
本 日 の 目 標 医 療 事 故 の 現 状 について 知 る 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 知 る 医 療 安 全 に 関 連 する 政 策 等 の 動 向 に ついて 知 る
医 療 事 故 はどれくらい 起 こっているの(1) 82の 特 定 機 能 病 院 医 療 事 故 1 万 5000 件 報 告 最 近 の2 年 間 厚 労 省 まとめ 重 篤 例 387 件 毎 日 14.4.28
医 療 事 故 はどれくらい 起 こっているの(2) 厚 生 労 働 省 医 療 事 故 情 報 収 集 事 業 の 概 要
医 療 事 故 報 告 最 多 の1440 件 = 安 全 のため 意 識 向 上 ( 時 事 通 信 ) 平 成 21 年 年 3 月 24 日 医 療 事 故 の 報 告 義 務 がある272 病 院 から 昨 年 1 年 間 に 報 告 された 医 療 事 故 は1440 件 で 前 年 を174 件 上 回 り 過 去 最 多 だったことが 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 のまとめで 分 かった 同 機 構 は 事 故 が 増 えているわけではない 安 全 のため 報 告 するという 文 化 が 少 しずつ 醸 成 されてきた と している 一 方 で 約 4 分 の1に 当 たる69 病 院 は1 年 間 全 く 報 告 がな く 同 機 構 は 引 き 続 き 積 極 的 な 報 告 を 呼 び 掛 ける 1440 件 のうち 患 者 が 死 亡 したのは115 件 全 体 に 占 め る 割 合 は8.0%で 前 年 の11.2%より 低 下 した 障 害 が 残 る 可 能 性 が 高 いケースは144 件 (10.0%)だった
財 団 法 人 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 ホームページ http://jcqhc.or.jp/html/documents/pdf/medsafe/
平 成 20 年 度 年 報
医 療 事 故 の 特 徴 (1) 1) 医 療 事 故 は 医 師 看 護 師 薬 剤 師 の 技 量 や 熟 練 度 に 関 係 なく 発 生 するものである 2)その 一 方 事 故 多 発 者 の 多 いことも 事 実 で ある その 人 達 の 特 徴 は 情 緒 の 不 安 定 傾 向 消 極 型 であるといわれている 3) 時 間 帯 別 の 発 生 頻 度 は 始 業 直 後 のウォー ミングアップ 不 足 時 間 と 疲 労 の 蓄 積 した 時 間 帯 に 集 中 した 傾 向 がある
医 療 事 故 の 特 徴 (2) 4) 医 療 事 故 の 内 で 医 療 訴 訟 となった 件 数 は 年 間 1,500 件 と 推 定 されている すべての 医 療 事 故 が 訴 訟 医 事 紛 争 となったわけではない 5) 投 薬 に 関 するミスが 多 いことが 特 徴 である 6) 転 倒 転 落 に 関 する 事 故 の 報 告 が 多 い 7) 医 療 機 器 医 療 器 具 の 操 作 使 用 に 関 す 事 故 が 多 い
医 療 事 故 はどれくらい 起 こっているの(3) 医 療 事 故 関 連 の 院 外 情 報 の 入 手 平 成 19 年 度 :1615 件 平 成 20 年 度 :1338 件 平 成 21 年 度 : 366 件 Yahoo!ニュース ( 国 内 > 医 療 過 誤 ) ソネット エム スリー ( 医 療 事 故 )
歯 科 関 連 の 報 道 平 成 17 年 6 月 ~ 平 成 22 年 3 月 平 成 17 年 11 月 2 日 歯 科 医 に1700 万 円 支 払 い 命 令 札 幌 平 成 17 年 11 月 25 日 県 立 医 大 病 院 抜 歯 ミス 訴 訟 : 和 解 へ 広 陵 町 の 女 性 に108 万 円 平 成 18 年 2 月 28 日 インプラント 治 療 で 歯 槽 骨 内 にネジ 残 留 歯 科 に 賠 償 命 令 平 成 18 年 5 月 13 日 虫 歯 治 療 中 に4 歳 女 児 突 然 死 両 親 損 賠 提 訴 へ 平 成 18 年 10 月 20 日 深 谷 の 麻 酔 事 故 : 不 起 訴 不 当 議 決 で 遺 族 検 察 の 判 断 期 平 成 19 年 3 月 31 日 深 谷 の 麻 酔 事 故 : 歯 科 医 を 不 起 訴 再 捜 査 も 予 見 困 難 平 成 19 年 7 月 7 日 女 児 死 亡 : 歯 の 治 療 時 全 身 麻 酔 中 に 心 停 止 平 成 19 年 7 月 13 日 歯 科 手 術 中 に 急 変 女 性 死 亡 = 業 過 致 死 で 捜 査 平 成 20 年 6 月 26 日 インプラント 手 術 で 死 亡 遺 族 歯 科 医 院 を 提 訴 平 成 21 年 6 月 2 日 市 民 病 院 隣 の 歯 抜 く:118 万 円 支 払 いへ
< 抜 歯 手 術 ミス> 歯 科 医 に1700 万 円 支 払 い 命 令 札 幌 地 裁 ( 毎 日 新 聞 ) 平 成 17 年 11 月 2 日 抜 歯 手 術 中 に 麻 酔 針 が 上 あごに 刺 さったまま 折 れ 後 遺 症 を 負 ったとして 埼 玉 県 所 沢 市 の20 代 の 男 性 会 社 員 が 札 幌 市 北 区 の 歯 科 を 経 営 する 歯 科 医 に 約 2900 万 円 の 損 害 賠 償 を 求 めた 訴 訟 の 判 決 が2 日 札 幌 地 裁 であった 裁 判 長 は 請 求 を 認 め 約 1700 万 円 の 支 払 いを 命 じた 判 決 によると 男 性 は 大 学 院 生 だった03 年 1 月 あごの 痛 みから 同 歯 科 を 受 診 し 歯 科 医 は 奥 歯 のかみ 合 わせが 原 因 の 顎 関 節 症 と 診 断 抜 歯 手 術 のため 麻 酔 注 射 し た 際 注 射 針 ( 長 さ 約 14ミリ 太 さ 約 0.2ミリ)が 根 元 から 折 れ 上 あごに 残 された 針 は 病 院 で 手 術 しても 摘 出 できず 男 性 には 鈍 痛 によるけだるさなどの 症 状 が 残 っ た 歯 科 医 は 男 性 の 症 状 は 日 常 生 活 に 障 害 が 出 るほどのものではない と 反 論 したが 裁 判 長 は 時 には 仕 事 に 差 し 支 える 程 度 の 神 経 症 状 が 出 ている と 判 断 男 性 の 労 働 能 力 が10% 程 度 失 われ 今 後 約 40 年 間 にわたって 影 響 が 及 ぶ と 認 定 し 慰 謝 料 など に 逸 失 利 益 約 1140 万 円 を 加 算 した
県 立 医 大 病 院 抜 歯 ミス 訴 訟 : 和 解 へ 広 陵 町 の 女 性 に108 万 円 ( 毎 日 新 聞 ) 平 成 17 年 11 月 25 日 市 の 県 立 医 科 大 付 属 病 院 で 抜 歯 ミスがあり 県 は 慰 謝 料 108 万 円 を 支 払 うことで 近 く 和 解 する 11 月 定 例 県 議 会 に 議 案 を 提 案 する 県 によると 被 害 に 遭 ったのは 広 陵 町 の 女 性 (29)で 上 左 奥 の 大 臼 歯 1 本 を 抜 くため 02 年 3 月 口 腔 外 科 を 受 診 した しかし 男 性 歯 科 医 が 別 の 大 臼 歯 を 抜 歯 インプラント( 人 工 歯 根 ) 治 療 をしたが 女 性 は 今 年 3 月 奈 良 地 裁 に271 万 円 の 損 害 賠 償 を 求 め 提 訴 していた
インプラント 治 療 で 歯 槽 骨 内 にネジ 残 留 歯 科 に 賠 償 命 令 / 大 分 ( 毎 日 新 聞 ) 平 成 18 年 2 月 28 日 歯 のインプラント 治 療 後 に 激 痛 が 続 いたのは 歯 の 奧 に 誤 ってネジが 残 された ためとして 大 分 市 内 の 女 性 (61)が 同 市 内 の 歯 科 医 院 に 約 1300 万 円 の 損 害 賠 償 を 求 めた 訴 訟 で 大 分 地 裁 は27 日 歯 科 医 院 に 慰 謝 料 など 約 400 万 円 を 支 払 うよう 命 じた 裁 判 長 は 誤 って 固 定 ネジを 骨 内 に 入 れたままインプラントを 埋 め 込 んでおり 通 常 の 治 療 行 為 の 過 程 では 想 定 しがたい 重 大 な 過 失 とした 判 決 によると 女 性 は92 年 人 工 歯 根 を 歯 槽 骨 の 中 に 埋 めて 人 工 歯 を 固 定 す る 治 療 を 同 医 院 で 受 けた 03 年 8 月 から 治 療 部 分 に 激 痛 を 感 じるようになったた め 同 医 院 でインプラントをはずしたが 痛 みが 治 まらず 04 年 1 月 別 の 病 院 で 手 術 この 際 歯 槽 骨 内 にネジが 残 されていたことが 分 かった
市 民 病 院 隣 の 歯 抜 く:118 万 円 支 払 いへ ( 毎 日 新 聞 ) 平 成 21 年 6 月 2 日 神 奈 川 県 の 市 民 病 院 は1 日 口 腔 外 科 で01 年 に 市 の 女 性 を 治 療 中 誤 って 隣 の 歯 を 抜 くミスがあっ たと 明 らかにした 示 談 交 渉 の 末 約 118 万 円 の 賠 償 で 女 性 側 と 合 意 6 月 市 議 会 に 支 払 いを 提 案 する 女 性 は 市 の 矯 正 歯 科 医 院 から 抜 歯 要 請 の 説 明 書 を 持 って 来 院 2 年 目 の 歯 科 医 師 が 担 当 した 病 院 長 は 100 例 の 抜 歯 経 験 があり 思 い 込 みによるミス 二 度 とないようにしたい と 謝 った
医 療 が 把 握 すべきリスクとは 1) 自 然 災 害 : 地 震 台 風 竜 巻 洪 水 浸 水 渇 水 落 雷 2) 事 故 : 医 療 事 故 ( 医 療 過 誤 ) 院 内 感 染 火 災 爆 発 危 険 物 環 境 汚 染 3) 人 的 要 因 ( 内 部 ): 経 営 者 従 業 員 の 不 祥 事 機 密 漏 洩 内 部 告 発 違 法 行 為 経 営 者 / 重 要 人 物 の 執 務 不 能 4) 人 的 要 因 ( 外 部 ): 経 営 者 職 員 の 誘 拐 逮 捕 監 禁 5) 社 会 的 要 因 : 戦 争 内 乱 クーデター 経 済 混 乱 環 境 問 題
確 認 試 験 Vol. 01 質 問. 次 の 文 章 を 読 み 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい わが 国 では 年 間 1 万 5 千 件 くらいの 事 故 が 起 こっ ている 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 02 質 問. 次 の 文 章 を 読 み 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 医 療 事 故 が 発 生 した 場 合 全 ての 病 院 は 中 立 な 第 3 者 機 関 である 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 に 必 ず 報 告 しなければならない 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 03 質 問. 次 の 文 章 を 読 み 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 医 療 事 故 は 医 師 看 護 師 薬 剤 師 の 技 量 や 熟 練 度 に 関 係 して 発 生 するものである 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 04 質 問. 次 の 文 章 を 読 み 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい その 一 方 事 故 多 発 者 の 多 いことも 事 実 であ る その 人 たちの 特 徴 は 情 緒 の 不 安 定 傾 向 積 極 的 であるといわれている 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 05 質 問. 次 の 文 章 を 読 み 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 時 間 帯 別 の 発 生 頻 度 は 始 業 直 後 のウォーミ ングアップ 不 足 時 間 と 疲 労 の 蓄 積 した 時 間 帯 に 集 中 した 傾 向 がある 正 解 は
医 事 関 係 訴 訟 事 件 の 処 理 状 況 及 び 平 均 審 理 期 間 既 済 件 数 参 考 資 料 : 最 高 裁 判 所 HP
地 裁 民 事 第 1 審 通 常 訴 訟 事 件 医 事 関 係 訴 訟 事 件 の 容 認 率 参 資 料 : 最 高 裁 判 所 HP
参 考 資 料 : 最 高 裁 判 所 HP 平 成 20 年 度 医 事 関 係 訴 訟 事 件 の 診 療 科 目 別 既 済 件 数 平 成 20 年 は 1 位 内 科 2 位 外 科 3 位 整 形 外 科 の 順 位 前 年 度 ( 平 成 19 年 )は 1 位 内 科 2 位 外 科 3 位 産 婦 人 科 の 順 位
訴 訟 事 例 の 紹 介
歯 科 ( 訴 訟 事 例 ) No55. 歯 科 治 療 上 のミスについて 医 療 事 故 の 状 況 の 確 認 や 患 者 への 報 告 説 明 をしなかったことも 歯 科 医 師 の 過 失 であると の 判 決 No.86 歯 科 医 師 のブリッジの 支 台 築 造 に 過 失 が 認 められた 判 決 No.87 歯 周 病 治 療 で 歯 科 医 師 が 患 者 の24 歯 全 部 を 大 幅 に 削 合 医 師 の 損 害 賠 償 責 任 を 認 めた 判 決 No.112 歯 列 矯 正 歯 科 治 療 の 契 約 を 患 者 が 治 療 途 中 で 解 除 歯 科 医 師 の 債 務 不 履 行 は 否 定 するが 治 療 行 為 の 未 履 行 の 部 分 の 治 療 費 の 返 還 義 務 は 認 めた 判 決 No.113 抜 歯 の 際 歯 科 医 師 が 麻 酔 注 射 の 注 射 針 の 選 択 を 誤 り 折 れた 注 射 器 が 患 者 の 右 上 顎 部 組 織 内 に 残 存 患 者 の 後 遺 症 を 考 慮 し 歯 科 医 師 に 損 害 賠 償 責 任 を 認 めた 判 決
歯 科 治 療 上 のミスについて 医 療 事 故 の 状 況 の 確 認 や 患 者 への 報 告 説 明 をしなかったことも 歯 科 医 師 の 過 失 であるとの 判 決 山 口 地 方 裁 判 所 平 成 14 年 9 月 18 日 判 決 ( 判 例 タイムズ1129 号 235 頁 ) ( 争 点 ) 医 療 事 故 後 の 歯 科 医 師 の 行 為 に 過 失 があるか
( 事 案 ) 患 者 Aは 平 成 12 年 12 月 9 日 右 上 6 番 の 歯 の 歯 冠 部 が 食 事 中 に 取 れ 同 時 に 歯 の 部 分 もいくらか 欠 けたため そ の 治 療 のため 同 月 11 日 Y 歯 科 医 師 が 開 設 するY 歯 科 を 受 診 した Y 歯 科 医 師 は 歯 冠 崩 壊 後 のメタルコアによる 支 台 築 造 を 行 うこととし ポストを 形 成 するため 口 蓋 根 に 穴 を 掘 ろう としたところ 口 蓋 根 の 有 無 の 確 認 を 怠 り 口 蓋 根 がそも そも 存 在 しなかったのに 上 顎 骨 を 口 蓋 根 と 間 違 えて 上 顎 骨 を 掘 ったため 上 顎 洞 内 に 穴 を 突 き 抜 けさせ いわゆる 上 顎 洞 穿 孔 を 生 じさせた Y 歯 科 のH 歯 科 衛 生 士 がメタルコアの 印 象 を 取 るための 印 象 剤 の 寒 天 を 入 れる 作 業 を 行 ったが その 際 患 者 A の 歯 牙 の 穴 から 上 顎 洞 内 に 印 象 剤 の 相 当 量 が 迷 入 した ため 上 顎 洞 内 穿 孔 と 異 物 の 混 入 を 疑 った
そして Hは Y 歯 科 医 師 に 対 し 針 金 がこれだけ 長 く 入 ったんですけどこのメタルコアはいいですか 針 金 が 結 構 深 いような 気 がするんですけど と 伝 えた そこで Y 歯 科 医 師 は ポストを 掘 る 際 に 誤 って 穴 が 上 顎 洞 内 に 突 き 抜 けたため 寒 天 を 上 顎 洞 内 に 迷 入 させたと 疑 い 再 度 患 者 Aを 診 断 したが 当 該 部 位 を 視 認 したの みで ワイヤーを 穿 孔 に 差 し 込 んでの 確 認 はしなかった 患 者 Aは 治 療 を 受 けた 日 の 晩 から うがいをすると 鼻 から 水 が 出 てくるようになり 2 3 日 後 には 出 てくる 鼻 汁 は 黄 色 に 変 化 し 熱 っぽく 頭 痛 めまい 目 のあたりがぼ やける 等 の 急 性 上 顎 洞 炎 の 症 状 が 出 たことから 同 月 14 日 Y 歯 科 を 訪 れ Y 歯 科 医 師 に 対 し 症 状 を 伝 えたところ Y 歯 科 医 師 は 患 者 Aに 対 し 医 療 過 誤 であることを 認 めた
( 損 害 賠 償 請 求 額 ) 242 万 9760 円 ( 内 訳 : 治 療 費 2 万 4300 円 + 通 院 交 通 費 5460 円 + 将 来 の 手 術 費 用 60 万 円 + 慰 謝 料 150 万 円 + 弁 護 士 費 用 30 万 円 ) ( 判 決 による 請 求 認 容 額 ) 152 万 9760 円 ( 内 訳 : 治 療 費 2 万 4300 円 + 通 院 交 通 費 5460 円 + 将 来 の 手 術 費 用 60 万 円 + 慰 謝 料 70 万 円 + 弁 護 士 費 用 20 万 円 )
( 裁 判 所 の 判 断 ) 医 療 事 故 後 の 歯 科 医 師 の 行 為 に 過 失 があるか 裁 判 所 は Y 歯 科 医 師 が 医 療 事 故 の 当 日 H 歯 科 衛 生 士 の 説 明 等 により 患 者 Aの 上 顎 洞 内 に 印 象 剤 が 迷 入 したことを 疑 いを 持 ったことは 当 事 者 間 に 争 いがない との 前 提 にたって Y 歯 科 医 師 には 適 切 な 方 法 により 患 者 Aの 上 顎 洞 内 に 印 象 剤 が 迷 入 したか 否 かを 確 認 し かつ その 確 認 が 得 られた 場 合 には これを 患 者 Aに 報 告 説 明 する 義 務 を 有 していたものというべきであると 判 示 しました そして Y 歯 科 医 師 がワイヤーを 穿 孔 に 差 し 込 んで 確 認 することを 怠 った 過 失 により 印 象 剤 の 迷 入 を 確 認 できず したがって その 事 実 を 患 者 Aに 報 告 説 明 することができなかったと 認 定 し Y 歯 科 医 師 に 損 害 賠 償 を 命 ずる 判 決 を 言 い 渡 しました
確 認 試 験 Vol. 01 質 問. 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 医 療 関 係 訴 訟 の 件 数 は 1 年 間 で2 倍 程 度 のス ピードで 増 加 している 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 02 質 問. 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 1 年 間 で 判 決 した 既 済 件 数 は 平 成 8 年 度 は500 件 であったが 平 成 18 年 度 は1139 件 で 2 倍 以 上 にスピードアップした 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 03 質 問. 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 医 療 関 係 訴 訟 の 判 決 での 容 認 率 は 通 常 の 裁 判 の 容 認 率 に 比 べ 明 らかに 高 い 正 解 は
確 認 試 験 Vol. 04 質 問. 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 正 解 は 内 科 外 科 産 婦 人 科 などは 訴 訟 の 比 率 が 高 い
確 認 試 験 Vol. 05 質 問. 医 療 関 係 訴 訟 の 現 状 について 正 しければ を 誤 っていれば を 選 択 しなさい 歯 科 や 眼 科 では ほとんど 訴 訟 はみられない 正 解 は
横 浜 市 大 病 院 患 者 取 り 違 え ( 平 成 11 年 1 月 )
都 立 広 尾 病 院 薬 剤 誤 投 与 ( 平 成 11 年 2 月 )
厚 生 労 働 省 の 取 り 組 み 平 成 13 年 3 月 患 者 安 全 推 進 年 とし 患 者 の 安 全 を 守 るための 医 療 関 係 の 共 同 行 動 (Patient Safety Action PSAと 略 す )を 推 進 4 月 医 療 安 全 推 進 室 設 置 5 月 医 療 安 全 対 策 検 討 会 議 の 発 足 6 月 ヒューマンエラー 部 会 及 び 医 薬 品 医 療 用 具 等 対 策 部 会 の 設 置 10 月 医 療 安 全 対 策 ネットワーク 整 備 事 業 (ヒヤリ ハット 事 例 収 集 等 事 業 ) 開 始 平 成 14 年 4 月 医 療 安 全 推 進 総 合 対 策 策 定 ( 医 療 安 全 対 策 検 討 会 議 ) 7 月 医 療 に 係 る 事 故 事 例 情 報 の 取 り 扱 いに 関 する 検 討 部 会 設 置 12 月 厚 生 労 働 大 臣 医 療 事 故 対 策 緊 急 アピール の 発 出 平 成 15 年 12 月 厚 生 労 働 大 臣 医 療 事 故 対 策 緊 急 アピール 人 施 設 もの
医 療 法 施 行 規 則 の 一 部 改 正 平 成 14 年 10 月 1 日 から 全 て の 病 院 および 病 床 を 有 する 診 療 所 に 対 して 義 務 付 け られた 医 療 安 全 管 理 に 関 す る 項 目 は 1 医 療 の 安 全 管 理 のための 指 針 の 整 備 2 事 故 等 の 院 内 報 告 制 度 の 整 備 3 医 療 安 全 管 理 委 員 会 の 開 催 4 医 療 の 安 全 管 理 のための 職 員 研 修 の 開 催
医 療 法 施 行 規 則 改 正 平 成 15 年 4 月 1 日 から 特 定 機 能 病 院 に 義 務 付 け 専 任 の 医 療 に 係 る 安 全 管 理 を 行 う 者 を 配 置 医 療 に 係 る 安 全 管 理 を 行 う 部 門 を 設 置 患 者 からの 相 談 に 適 切 に 応 じる 体 制 を 確 保 する こと
平 成 17 年 6 月 8 日 医 療 安 全 推 進 総 合 対 策 - 今 後 の 医 療 安 全 対 策 について-: 医 療 安 全 検 討 会 議 1 経 緯 位 置 付 け 厚 生 労 働 省 は 医 療 安 全 対 策 検 討 会 議 が 平 成 14 年 4 月 に 取 りまとめた 医 療 安 全 推 進 総 合 対 策 に 基 づき 医 療 機 関 における 安 全 管 理 体 制 の 整 備 各 都 道 府 県 に 患 者 相 談 窓 口 としての 医 療 安 全 支 援 センターの 設 置 事 故 事 例 やヒヤリ ハット 事 例 の 収 集 分 析 事 業 の 実 施 等 医 療 安 全 に 関 する 様 々な 施 策 を 進 めてきた 今 般 医 療 安 全 対 策 の 推 進 を 図 るため 医 療 安 全 対 策 検 討 会 議 のもとに 設 置 した 医 療 安 全 対 策 検 討 ワーキンググループにおいて 今 後 の 医 療 安 全 対 策 について ( 報 告 書 )が 取 りまとめられ 同 報 告 書 は 本 年 6 月 8 日 に 開 催 した 医 療 安 全 対 策 検 討 会 議 の 検 討 を 経 て 厚 生 労 働 省 に 報 告 された 本 報 告 書 は 医 療 安 全 推 進 総 合 対 策 の 考 え 方 を 尊 重 しつつも 医 療 の 質 の 向 上 という 観 点 を 一 層 重 視 し 医 療 安 全 推 進 総 合 対 策 に 基 づく 対 策 の 強 化 と 新 たな 課 題 への 対 応 について 提 言 している 2 重 点 項 目 1 医 療 の 質 と 安 全 性 の 向 上 2 医 療 事 故 等 事 例 の 原 因 究 明 分 析 に 基 づく 再 発 防 止 策 の 徹 底 3 患 者 国 民 との 情 報 共 有 と 患 者 国 民 の 主 体 的 参 加 の 促 進
平 成 18 年 度 診 療 報 酬 改 定 医 療 安 全 対 策 加 算 の 新 設 1. 基 本 的 考 え 方 医 療 安 全 管 理 対 策 については すでに 特 定 機 能 病 院 等 を 中 心 に 一 般 の 医 療 機 関 においても 管 理 部 門 の 設 置 複 数 の 専 従 職 員 を 配 置 など 従 来 の 体 制 に 上 乗 せした 体 制 が 整 備 されつつある 入 院 患 者 にとってより 安 全 で 効 果 的 な 入 院 医 療 の 提 供 を 一 層 促 進 させる 観 点 から 急 性 期 医 療 の 高 度 化 複 雑 化 に 対 応 できる 医 療 安 全 管 理 対 策 の 実 施 体 制 について 新 たに 診 療 報 酬 上 の 評 価 を 行 う 2. 具 体 的 内 容 急 性 期 入 院 医 療 において 医 療 機 関 内 の 医 療 安 全 管 理 委 員 会 との 連 携 による より 実 効 性 のある 医 療 安 全 対 策 を 組 織 的 に 推 進 するため 医 療 安 全 対 策 に 係 わる 専 門 の 教 育 を 受 けた 看 護 師 薬 剤 師 等 を 医 療 安 全 管 理 者 として 専 従 で 配 置 している 場 合 について 入 院 基 本 料 に 対 する 加 算 を 新 設 する 医 療 安 全 対 策 加 算 ( 仮 称 )(1 回 の 入 院 につき) 50 点
第 5 次 改 正 医 療 法 平 成 19 年 4 月 1 日 施 行 医 療 の 安 全 の 確 保 病 院 等 の 管 理 者 の 責 務 第 6 条 の10 病 院 診 療 所 又 は 助 産 所 の 管 理 者 は 厚 生 労 働 省 令 で 定 めるところにより 医 療 の 安 全 を 確 保 する ための 指 針 の 策 定 従 業 員 に 対 する 研 修 の 実 施 そ の 他 の 当 該 病 院 診 療 所 又 は 助 産 所 における 医 療 の 安 全 を 確 保 するための 措 置 を 講 じなければなら ない
医 療 安 全 管 理 体 制 の 整 備 (1) 医 療 の 安 全 を 確 保 するための 指 針 の 策 定 一 般 病 院 有 床 診 療 所 無 床 診 療 所 特 定 機 能 病 院 (2) 委 員 会 の 開 催 (3) 従 業 者 に 対 する 研 修 の 実 施 (4) 医 療 機 関 内 における 事 故 報 告 医 療 安 全 管 理 者 の 配 置 医 療 安 全 管 理 部 門 の 設 置 患 者 相 談 窓 口 の 設 置 院 内 感 染 対 策 の 体 制 の 確 保 (1) 院 内 感 染 対 策 のための 指 針 の 策 定 (2) 委 員 会 の 開 催 (3) 従 業 者 に 対 する 研 修 の 実 施 (4) 医 療 機 関 内 における 事 故 報 告 院 内 感 染 対 策 担 当 者 の 配 置 医 薬 品 に 係 る 安 全 確 保 のための 体 制 の 確 保 医 療 機 器 に 係 る 安 全 確 保 のための 体 制 の 確 保 : 専 任 者 を 義 務 化 : 義 務 化 : 推 奨 : 不 要 ( 適 応 外 )
医 療 安 全 調 査 委 員 会 設 置 法 案
産 科 医 療 における 無 過 失 保 障 制 度 補 償 額 3000 万 円 来 年 1 月 スタート 産 科 医 療 補 償 制 度 記 事 : 毎 日 新 聞 社 提 供 : 毎 日 新 聞 社 平 成 20 年 7 月 15 日 小 児 脳 性 まひの 子 どもが 生 まれた 場 合 分 娩 (ぶんべん) 機 関 が 過 失 の 有 無 に 関 係 なく 金 銭 補 償 をする 産 科 医 療 補 償 制 度 が 来 年 1 月 にスタートすること が 決 まった 補 償 額 は 一 時 金 600 万 円 と20 年 間 分 割 で 支 払 われる2400 万 円 の 計 3000 万 円 とすることになった 14 日 に 開 かれた 同 制 度 運 営 委 員 会 で 運 営 主 体 の 財 団 法 人 日 本 医 療 機 能 評 価 機 構 が 概 要 を 公 表 し 了 承 された 今 月 下 旬 から 医 療 機 関 や 助 産 所 の 加 入 受 け 付 けを 始 める 補 償 対 象 になるのは 身 体 障 害 1-2 級 に 相 当 する 脳 性 まひ 児 で 年 間 推 定 二 千 数 百 人 分 娩 機 関 が 同 機 構 を 通 して 損 保 会 社 に1 件 3 万 円 の 掛 け 金 を 払 い 妊 産 婦 側 の 申 請 を 受 けて 産 科 医 らによる 審 査 委 員 会 が 支 払 い 要 件 に 該 当 す るかどうかを 判 断 する 脳 性 まひの 診 断 は 重 症 の 場 合 でも 生 後 6カ 月 以 降 でな ければ 正 確 にできないため 実 際 の 申 請 審 査 は 来 年 6 月 1 日 からになる 清 水 健 二
九 州 初 の 医 療 ADRスタート 福 岡 県 弁 護 士 会 平 成 21 年 10 月 1 日 産 経 新 聞 福 岡 県 弁 護 士 会 は1 日 から 医 療 過 誤 などをめぐる 患 者 と 医 療 機 関 とのトラブルを 裁 判 によらずに 解 決 を 図 る 医 療 ADR( 裁 判 外 紛 争 解 決 手 続 き) を 開 始 する 九 州 では 初 め ての 導 入 で 裁 判 よりも 迅 速 で 安 価 な 解 決 をめざす ADRは 法 律 紛 争 を 調 停 や 仲 裁 など 裁 判 以 外 の 方 法 で 解 決 する 方 法 で 同 弁 護 士 会 で は 平 成 14 年 に 法 律 問 題 全 般 を 扱 う 機 関 として 開 設 医 療 問 題 も 含 めて 相 談 を 受 け 付 け ていたが 患 者 らに 浸 透 しきれず 裁 判 に 訴 える 患 者 も 多 かった 裁 判 では 解 決 まで1 年 以 上 かかるのが 一 般 的 だが 医 療 紛 争 の 中 には 治 療 の 十 分 な 説 明 がなかったから 謝 ってほしい など 話 し 合 いや 和 解 で 済 ませられるようなケースも 少 なくないという 医 療 ADRでは 数 回 の 審 理 による3~4カ 月 での 解 決 をめざし 患 者 側 と 医 療 機 関 側 の 双 方 からの 申 し 立 てが 可 能 主 張 に 開 きがある 場 合 には それぞれに 専 門 的 な 知 識 を もった 弁 護 士 がつき 仲 裁 人 として 元 裁 判 官 や 学 者 の 弁 護 士 が 間 に 入 る 福 岡 での 導 入 は 東 京 の3 弁 護 士 会 札 幌 弁 護 士 会 岡 山 弁 護 士 会 に 続 き 全 国 4 例 目 19 年 9 月 にスタートさせた 東 京 では 2 年 間 で90 件 の 申 し 立 てがあり うち 約 6 割 が1 年 目 に 解 決 したという 福 岡 県 弁 護 士 会 の 紛 争 解 決 センター 運 営 委 員 会 委 員 長 の 植 松 功 弁 護 士 は 医 療 紛 争 には 双 方 の 感 情 的 なわだかまりだけということも 多 い まずは 弁 護 士 会 に 相 談 してほし い と 呼 びかけている 問 い 合 わせは 県 内 各 地 区 の 法 律 相 談 センターへ 申 し 立 ては1 件 につき1 万 円 ( 税 別 ) 和 解 などが 成 立 した 場 合 には 解 決 額 に 応 じた 手 数 料 が 必 要 となる
医 療 安 全 全 国 共 同 行 動 参 加 登 録 病 院 :3000 病 院 以 上 有 害 事 象 件 数 の 低 減 :30 万 件 以 上 入 院 死 亡 者 の 低 減 :1 万 人 以 上 入 院 患 者 のうち 医 療 事 故 による 死 亡 者 数 ( 推 定 )は 約 4 万 人 有 害 事 象 率 :6.8% 死 亡 率 :0.27% 1360 万 人 0.3%= 約 4 万 人
医 療 施 設 数 の 推 移 参 考 資 料 : 最 高 裁 判 所 HP
医 療 の 質 と 安 全 の 強 化 ひと 昔 前 は おまかせの 医 療 の 時 代 患 者 ( 国 民 )の 意 識 の 変 化 医 療 に 対 するニーズの 高 揚 権 利 意 識 の 高 まり 患 者 中 心 の 医 療 医 療 の 質 や 安 全 性 が 厳 しく 問 われ 医 療 機 関 は 患 者 さんから 選 ばれる 時 代 に!
駆 け 足 でどうもすみません ご 安 全 に! KokuraDaiichi Hospital