2 離 婚 の 方 式 1 協 議 離 婚 (2012 年 には 全 体 の 87.1%) 離 婚 意 思 の 合 致 と 離 婚 届 の 提 出 が 必 要 実 質 的 な 審 査 は 必 要 ない 2 調 停 離 婚 (10%) 当 事 者 の 協 議 では 離 婚 の 合 意 が 成 立 しな



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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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っては 出 産 予 定 日 から 出 生 した 日 から 起 算 して8 週 間 を 経 過 する 日 の 翌 日 までとする ) の 期 間 内 に 当 該 子 に 係 る 最 初 の 育 児 休 業 を 開 始 し かつ 終 了 した 場 合 であって 当 該 子 に 係 る 再 度 の 育 児

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Transcription:

2015 年 10 月 14 日 ( 水 ) 瀧 川 ゼミ 担 当 : 篠 原 高 野 本 橋 有 責 配 偶 者 の 離 婚 請 求 Ⅰ 離 婚 制 度 1 離 婚 の 実 態 1 離 婚 件 数 の 増 加 2014 年 度 の 離 婚 件 数 :22 万 2000 組 離 婚 率 ( 人 口 千 対 )は 1.77 Cf) 2014 年 度 の 婚 姻 件 数 :64 万 9000 組 婚 姻 率 ( 人 口 千 対 )は 5.2 1950 年 に 8 万 件 だったが 1965 年 頃 から 急 激 に 増 加 し 2012 年 には 約 23 万 5406 件 を 記 録 した この 60 年 間 で 約 3 倍 になった 離 婚 件 数 の 増 加 は 世 界 的 な 傾 向 でもある ( 厚 生 労 働 省 HP http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/rikon10/01.html) ➁ 中 高 年 離 婚 の 増 加 1950 年 では 20 歳 代 の 離 婚 率 が 最 も 多 く 30 歳 代 も 合 わせると 全 体 の 8 割 を 占 め 40 歳 代 以 上 の 離 婚 は 約 2 割 に 過 ぎなかった その 後 20 歳 代 30 歳 代 を 合 わせた 離 婚 数 は 減 少 し(2012 年 は 約 6 割 ) 40 歳 代 以 上 の 離 婚 数 が 増 加 した 1

2 離 婚 の 方 式 1 協 議 離 婚 (2012 年 には 全 体 の 87.1%) 離 婚 意 思 の 合 致 と 離 婚 届 の 提 出 が 必 要 実 質 的 な 審 査 は 必 要 ない 2 調 停 離 婚 (10%) 当 事 者 の 協 議 では 離 婚 の 合 意 が 成 立 しない 場 合 いきなり 家 庭 裁 判 所 に 離 婚 訴 訟 を 提 起 するのではなく まず 調 停 を 申 し 立 て 調 停 において 夫 婦 関 係 を 調 整 する ( 調 停 前 置 主 義 ) 3 審 判 離 婚 (0.03%) 離 婚 の 合 意 は 成 立 したが 財 産 分 与 等 の 離 婚 条 件 に 関 するわずかな 意 見 の 相 違 で 調 停 が 成 立 しないよう な 場 合 家 庭 裁 判 所 が 相 当 と 認 めるときには 職 権 で 調 停 に 代 わる 審 判 をすることができる しかし 審 判 に 異 議 の 申 立 てがなされると 審 判 は 失 効 するため ほとんど 利 用 されていない 4 裁 判 離 婚 (2.8%) 5 和 解 離 婚 2003 年 に 制 定 された 人 事 訴 訟 法 により 創 設 された 裁 判 中 に 和 解 が 成 立 する 2

3 離 婚 原 因 をめぐる2つの 主 義 離 婚 理 由 として 婚 姻 を 継 続 しがたい 重 大 な 事 由 があることが 究 極 の 決 め 手 になるが 婚 姻 関 係 の 破 綻 が 認 められた 場 合 に 必 ず 離 婚 が 認 められるかというと 有 責 主 義 と 破 綻 主 義 の 考 え 方 によって 結 論 が 分 かれる (1) 有 責 主 義 相 手 方 に 不 貞 行 為 や 遺 棄 など 有 責 な 原 因 があった 場 合 にのみ 離 婚 を 認 めるもの 相 手 方 の 義 務 違 反 有 責 性 を 離 婚 原 因 とする この 考 えでは 極 端 に 言 えば 長 期 間 別 居 状 態 になり 婚 姻 関 係 が 完 全 に 破 綻 して 居 る 場 合 でも 離 婚 を 求 める 相 手 方 に 有 責 な 原 因 がない 限 り 離 婚 は 認 められない (2) 破 綻 主 義 長 期 間 の 別 居 状 態 或 いは 同 居 していても 家 庭 内 離 婚 状 態 などの 破 綻 状 態 になった 場 合 相 手 方 に 有 責 行 為 が 無 くても 離 婚 を 認 めるもの 客 観 的 にみて 婚 姻 関 係 が 破 綻 していることを 離 婚 原 因 とする ➀ 消 極 的 破 綻 主 義 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 は 認 めない ➁ 積 極 的 破 綻 主 義 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 でも 婚 姻 関 係 が 破 綻 していれば 離 婚 請 求 を 認 める Ex) 欧 米 1960 年 代 から 70 年 代 にかけて 有 責 主 義 から 破 綻 主 義 へ 移 行 日 本 有 責 主 義 と 破 綻 主 義 が 混 合 する 法 律 (770 条 1 項 ) 1947 年 の 改 正 以 降 欧 米 と 異 なり 大 きな 改 革 はない 3

Ⅱ 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 1 有 責 配 偶 者 とは 婚 姻 関 係 を 継 続 する 事 が 出 来 ない 状 況 つまり 婚 姻 を 破 綻 させた 原 因 を 作 った 側 の 配 偶 者 の 事 を 指 す ex) 不 貞 婚 姻 費 用 を 支 払 わない DV 2 現 行 法 民 法 770 条 に 裁 判 離 婚 についての 定 めがある 民 法 770 条 1 夫 婦 の 一 方 は 次 に 掲 げる 場 合 に 限 り 離 婚 の 訴 えを 提 起 することが 出 来 る 一 配 偶 者 に 不 貞 な 行 為 があったとき 二 配 偶 者 から 悪 意 で 遺 棄 されたとき 三 配 偶 者 の 生 死 が 三 年 以 上 明 らかでないとき 四 配 偶 者 が 強 度 の 精 神 病 にかかり 回 復 の 見 込 みがないとき 五 その 他 婚 姻 を 継 続 し 難 い 重 大 な 事 由 があるとき 2 裁 判 所 は 前 項 第 一 号 から 第 四 号 までに 掲 げる 事 由 がある 場 合 であっても 一 切 の 事 情 を 考 慮 して 婚 姻 の 継 続 を 相 当 と 認 めるときは 離 婚 の 請 求 を 棄 却 する ことができる 1の 一 ~ 四 に 関 しては 相 手 方 配 偶 者 の 側 に 離 婚 原 因 が 存 在 する 場 合 を 具 体 的 に 定 めたもの で 離 婚 を 請 求 する 者 の 有 責 性 は 問 題 にならないといえる { 問 題 点 } 1の 五 は 破 綻 の 原 因 が 離 婚 を 請 求 する 配 偶 者 の 相 手 方 にあることを 要 件 としていない 自 らの 有 責 行 為 によって 婚 姻 関 係 の 破 綻 を 招 いた 有 責 配 偶 者 が 民 法 770 条 1 項 五 号 を 理 由 として 離 婚 を 請 求 できるかが 問 題 となっている 4

3 日 本 における 考 え 方 従 来 最 高 裁 判 所 は 民 法 770 条 1 項 5 号 を 制 限 的 に 解 釈 し 有 責 配 偶 者 の 離 婚 請 求 を 否 定 してきた { 代 表 的 な 判 例 } 最 判 昭 和 27 2 19 民 集 6 巻 2 号 110 貢 X と Y は 昭 和 12 年 以 来 夫 婦 として 同 居 してきたが 昭 和 18 年 に 婚 姻 を 届 け 出 た X と Y との 間 に 子 がなかったが X は 昭 和 21 年 に A 女 と 情 交 関 係 を 持 ち A 女 が 妊 娠 し たことから 夫 婦 関 係 が 破 綻 した そこで X が A と 円 満 な 家 庭 生 活 を 営 み Y とは 2 年 間 も 別 居 していることは 民 法 770 条 第 1 項 5 号 に 定 める その 他 婚 姻 を 継 続 し 難 い 事 由 にあたるとして 離 婚 を 請 求 した 原 審 判 決 は X の 請 求 を 認 めなかったので X が 上 告 した < 判 決 > 一 部 省 略 もしかかる 請 求 が 是 認 されるならば Y は 全 く 俗 にいう 踏 んだり 蹴 ったりである 法 はかくの 如 き 不 徳 義 勝 手 気 儘 を 許 すものではない 道 徳 を 守 り 不 徳 義 を 許 さないこと が 法 の 最 重 要 な 職 分 である 総 て 法 はこの 趣 旨 において 解 釈 されなければならない このように 最 高 裁 は X の 請 求 を 棄 却 し 以 来 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 は 許 されないという 判 例 法 理 が 確 立 した 現 在 緩 和 の 傾 向 にある { 例 えば } 婚 姻 の 破 綻 について 双 方 の 有 責 性 を 比 較 し より 有 責 性 の 多 い 配 偶 者 の 離 婚 請 求 は 認 めないが より 有 責 性 の 少 ない 配 偶 者 の 離 婚 請 求 を 認 めるもの 離 婚 が 破 綻 した 後 に 夫 が 他 の 女 性 と 同 棲 したとしても そのことは 有 責 行 為 にな らないとするもの 5

{ 代 表 的 な 判 例 } 最 判 昭 和 62 9 2 民 集 41 巻 8 号 1423 貢 X と Y とは 昭 和 12 年 に 婚 姻 届 けをして 夫 婦 となったが 子 が 生 まれなかったため 同 23 年 に 訴 外 A の 長 女 B および 次 女 C と 養 子 縁 組 をした X と Y とは 当 初 は 平 穏 な 婚 姻 関 係 を 続 けていたが Y が 昭 和 24 年 ころ X と A との 間 に 継 続 していた 不 貞 な 関 係 を 知 ったのを 契 機 として 不 和 となり 同 年 8 月 ころ X が A と 同 棲 するようになり 以 来 今 日 まで 別 居 の 状 態 にある なお X は 同 年 29 年 に A と の 間 にもうけた D および E の 認 知 をした Y は X との 別 居 後 生 活 に 窮 したため 昭 和 25 年 2 月 かねて X から 生 活 費 を 保 証 す る 趣 旨 で 処 分 権 が 与 えられていた X 名 義 の 建 物 を 24 万 円 で 他 に 売 却 し その 代 金 を 生 活 費 に 当 てた 事 があるが そのほかには X から 生 活 費 等 の 交 付 を 一 切 受 けていない Y は 右 建 物 の 売 却 後 は 実 兄 の 家 の 一 部 屋 を 借 りて 住 み 人 形 製 作 等 の 技 術 を 身 につけ 昭 和 53 年 ころまで 人 形 店 勤 務 するなどして 生 活 を 立 てていたが 現 在 は 無 職 で 資 産 を もたない X は 精 密 測 定 機 器 の 製 造 等 を 目 的 とする 二 つの 会 社 の 代 表 取 締 役 不 動 産 の 賃 貸 等 を 目 的 とする 会 社 の 取 締 役 をしており 経 済 的 には 極 めて 安 定 した 生 活 を 送 って いる X は 昭 和 26 年 ころ 東 京 地 方 裁 判 所 に 対 し Y との 離 婚 を 求 める 訴 えを 提 起 したが 同 裁 判 所 は X と Y との 婚 姻 関 係 が 破 綻 するに 至 ったのは X が A と 不 貞 な 関 係 にあったこ とおよび Y を 悪 意 で 遺 棄 して A と 同 棲 生 活 を 継 続 していることに 原 因 があるから 右 離 婚 請 求 は 有 責 配 偶 者 からの 請 求 に 該 当 するとして これを 棄 却 する 旨 の 判 決 をし この 判 決 はその 後 確 定 した X は 昭 和 58 年 12 月 ころ Y を 突 然 訪 ね 離 婚 並 びに B および C との 離 縁 に 同 意 する よう 求 めたが Y に 拒 絶 されたので 同 59 年 東 京 家 庭 裁 判 所 に 対 し Y との 離 婚 を 求 める 旨 の 調 停 の 申 立 をし これが 成 立 しなかったので 本 件 訴 えを 提 起 した なお X は 右 調 停 において Y に 対 し 財 産 上 の 給 付 として 現 金 100 万 円 と 油 絵 1 枚 を 提 供 するこ とを 提 案 したが Y はこれを 受 けいれなかった 原 審 判 決 は X の 離 婚 請 求 を 認 めなか ったので X が 上 告 した 6

< 判 決 > 一 部 省 略 最 高 裁 は 以 下 のように 判 示 して 上 告 を 認 め 破 棄 差 し 戻 しをした 夫 婦 の 別 居 が 両 当 事 者 の 年 齢 及 び 同 居 期 間 の 対 比 において 相 当 の 長 期 間 に 及 び その 間 に 未 成 熟 の 子 が 存 在 しない 場 合 には 相 手 方 配 偶 者 が 離 婚 により 精 神 的 社 会 的 経 済 的 に 極 めて 過 酷 な 状 態 におかれる 等 離 婚 を 許 容 することが 著 しく 社 会 正 義 に 反 する と 言 えるような 特 段 の 事 情 が 認 められない 限 り 有 責 配 偶 者 からの 請 求 であるとの 一 時 をもって 許 されないとすることはできない とした 有 責 配 偶 者 判 例 判 決 日 時 : 最 大 判 昭 和 62 年 9 月 2 日 結 論 : 破 棄 差 戻 (3の 要 件 ) 1 相 当 長 期 間 の 別 居 2 未 成 熟 子 の 不 存 在 3 相 手 方 配 偶 者 が 離 婚 により 苛 酷 な 状 況 に おかれないこと ( 苛 酷 条 項 ) 肯 定 肯 定 差 戻 36 年 同 居 期 間 や 双 両 者 の 間 に 子 はいない ただ 後 に 不 趣 旨 : 五 号 所 定 の 事 由 に 係 る 責 任 方 の 年 齢 を 対 比 するま 貞 の 相 手 方 となる 者 の 長 女 次 女 を 養 相 手 方 配 偶 者 の 離 婚 による 精 神 的 でもなく 長 期 といえ 子 縁 組 しているが 未 成 熟 ではない 社 会 的 状 態 等 は 殊 更 に 重 視 されるべ る 同 居 12 年 きものでなく また 相 手 方 配 偶 者 が 離 婚 により 被 る 経 済 的 不 利 益 は 本 来 離 婚 と 同 時 又 は 離 婚 後 におい て 請 求 することが 認 められている 財 産 分 与 又 は 慰 藉 料 により 解 決 される べきものである 7

補 足 : 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 の 要 件 を 定 立 また 相 手 方 の 申 立 によっては 離 婚 に 伴 う 財 産 上 の 給 付 の 点 について も 審 理 し 解 決 をも 図 るのが 相 当 であるとも 示 した 1996 年 民 法 改 正 案 要 綱 第 七 裁 判 上 の 離 婚 一 夫 婦 の 一 方 は 次 に 掲 げる 場 合 に 限 り 離 婚 の 訴 えを 提 起 することができるものとする ただし (ア) 又 は(イ)に 掲 げる 場 合 については 離 婚 関 係 が 回 復 の 見 込 みのない 破 綻 に 至 って いないときは この 限 りでないものとする (ア) 配 偶 者 に 不 貞 な 行 為 があったとき (イ) 配 偶 者 から 悪 意 で 遺 棄 されたとき (ウ) 配 偶 者 の 生 死 が 三 年 以 上 明 らかでないとき (エ) 夫 婦 が 五 年 以 上 継 続 して 婚 姻 の 本 旨 に 反 する 別 居 をしているとき (オ)(ウ) (エ)のほか 婚 姻 関 係 が 破 綻 して 回 復 の 見 込 みがないとき 二 裁 判 所 は 一 の 場 合 であっても 離 婚 が 配 偶 者 又 は 子 に 著 しい 生 活 の 困 窮 又 は 耐 え 難 い 苦 痛 をも たらすときは 離 婚 の 請 求 を 棄 却 することができるものとする (エ) 又 は(オ)の 場 合 において 離 婚 の 請 求 をしている 者 が 配 偶 者 に 対 する 協 力 及 び 扶 助 を 著 しく 怠 っていることによりその 請 求 が 信 義 に 反 すると 認 められるときも 同 様 とするものとする 三 第 七 百 七 十 条 第 二 項 を 準 用 する 第 八 百 十 四 条 第 二 項 ( 裁 判 上 の 離 縁 における 裁 量 棄 却 条 項 )は 現 行 第 七 百 七 十 条 第 二 項 の 規 定 に 沿 って 書 き 下 ろすものとする しかし 各 方 面 で 家 族 の 一 体 感 を 損 ね 家 庭 を 崩 壊 させる といった 強 い 反 対 意 見 があり 政 府 の 法 案 提 出 は 先 送 りされている 8

Ⅲ 欧 米 諸 国 の 離 婚 制 度 ~フランスの 例 ~ 裁 判 所 を 介 するため 日 本 よりも 時 間 がかかる 離 婚 の 手 続 きは 夫 婦 間 の 話 合 いで 離 婚 の 条 件 を 定 める 協 議 離 婚 と 訴 訟 で 裁 判 所 に 離 婚 の 条 件 を 定 めてもらう 訴 訟 離 婚 ( 許 諾 過 失 破 綻 離 婚 )に 大 別 される 協 議 離 婚 夫 婦 共 に 離 婚 をすることと 離 婚 した 後 の 夫 婦 間 および 夫 婦 それぞれと 子 供 との 関 係 の 全 ての 点 について 合 意 していることが 条 件 日 本 の 協 議 離 婚 と 違 い 裁 判 所 によって 離 婚 の 条 件 が 審 査 され 弁 護 士 の 関 与 が 義 務 (2 人 で 共 通 の 弁 護 士 1 人 に 依 頼 しても 可 ) 許 諾 離 婚 夫 婦 共 に 離 婚 そのものには 同 意 しているが 離 婚 の 諸 条 件 ( 離 婚 後 の 夫 婦 の 住 居 の 帰 属 離 婚 補 償 金 の 額 や 支 払 い 方 法 子 の 監 護 権 養 育 費 など)に 関 して 意 見 が 合 わないため 訴 訟 を 起 こして 裁 判 所 に 決 めてもらう 夫 婦 それぞれに 弁 護 士 が 必 要 和 解 の 法 廷 ( 後 述 )または 訴 状 通 達 前 に 夫 婦 が 弁 護 士 の 介 在 の 下 で 離 婚 許 諾 確 認 書 に 署 名 した 後 は 別 の 訴 訟 離 婚 に 変 えることはできない 破 綻 離 婚 夫 婦 が 2 年 以 上 同 居 していないことが 要 件 離 婚 を 希 望 する 配 偶 者 が 原 告 の 訴 状 を 相 手 に 送 る 時 点 で 最 低 2 年 間 別 居 状 態 が 続 いているという 客 観 的 事 実 があれば 離 婚 が 認 められる 過 失 離 婚 ( 有 責 離 婚 ) 夫 婦 の 一 方 が 結 婚 にまつわる 義 務 を 著 しく 怠 ったとき または 繰 り 返 し 守 らず それにより 他 方 が 共 同 夫 婦 生 活 を 継 続 することが 不 可 能 であることが 要 件 提 示 された 証 拠 を 基 に 裁 判 所 によって その 過 失 が 法 律 で 定 められた 過 失 の 要 件 を 満 たすかが 判 断 される 離 婚 を 正 当 化 する 過 失 が 証 明 されない 場 合 には 離 婚 の 請 求 は 却 下 されてしまう また 自 分 に 過 失 の 要 素 がある 場 合 には 訴 えた 相 手 側 から 反 訴 請 求 をされた 敗 訴 してしまう 場 合 があるので 要 注 意 2005 年 の 改 正 で 離 婚 訴 訟 の 42%を 占 めているといわれる 不 倫 や 暴 力 を 理 由 とする 有 責 離 婚 におい て 離 婚 申 請 時 に 必 要 だった 有 責 事 由 報 告 書 の 提 出 は 不 用 となった また 一 方 的 有 責 を 帰 せられた 配 偶 者 は 離 婚 後 の 補 償 給 付 を 請 求 できなかったが 今 後 は 請 求 可 能 になった フランスも 含 めて 欧 米 では1960 年 代 終 わりから80 年 代 にかけて 離 婚 法 制 の 破 綻 主 義 化 が 進 行 した *イギリスに 至 っては1969 年 の 改 正 で 婚 姻 の 回 復 し 難 い 破 綻 を 唯 一 の 離 婚 原 因 とした( 証 明 の 基 準 として 有 責 行 為 の 例 を 挙 げているため 批 判 も 多 いが ) 9

!かつては 多 くの 国 で 離 婚 そのものが 認 められていなかったが 基 本 的 に 結 婚 を 永 続 的 なもの と 考 えず 気 に 沿 わない 相 手 と 暗 い 結 婚 生 活 を 送 るくらいなら 新 たな 出 発 をすることを 保 証 すべ き という 考 えからこのような 大 きな 変 化 が 起 こった! (キリスト 教 カトリック 教 会 婚 姻 非 解 消 主 義 の 背 景 で 長 年 離 婚 は 認 められていなかった その 中 で 大 きな 変 化 として 1970 年 にイタリアがついに 離 婚 法 を 認 めたことを 皮 切 りに 離 婚 が 認 められる ように) * 破 綻 主 義 による 変 化 で 伴 ったもの 有 責 主 義 から 破 綻 主 義 への 移 行 で 離 婚 率 は 変 わらないという 議 論 もあるが 現 実 には17%から20% の 離 婚 率 の 上 昇 が 生 じている( 上 昇 は 法 改 正 後 数 年 に 限 られ いずれ 元 の 離 婚 率 に 戻 るという 説 も 多 い が 現 状 では 明 確 ではない) ~アメリカの 場 合 ~ アメリカではそれぞれの 州 で 異 なった 離 婚 制 度 を 採 用 し 有 責 原 因 を 残 しつつ 破 綻 原 因 を 採 用 している ものが 多 い しかし 有 責 原 因 には 性 格 不 一 致 と 別 居 を 含 むものもあり 日 本 の 制 度 とは 異 なる 例 ニューヨーク 州 ネバダ 州 テキサス 州 また 破 綻 主 義 のみをとっている 州 も 見 られる 例 フロリダ 州 積 極 的 破 綻 主 義 反 対 側 ( 積 極 的 有 責 主 義 反 対 側 )の 主 張 日 本 は 当 事 者 間 の 合 意 さえあれば 裁 判 所 に 行 かなくても 離 婚 できるという 西 欧 的 基 準 からは 特 殊 な 家 族 法 を 有 しており 離 婚 の 多 くが 裁 判 所 を 介 在 しないで 行 われるため かえって 離 婚 における 明 確 で 具 体 的 な 共 通 基 準 が 確 立 されていない よって 破 綻 主 義 に 軸 を 置 いた 離 婚 すなわち 積 極 的 破 綻 主 義 によ る 離 婚 は 困 難? また 破 綻 に 責 任 のない 特 に 妻 の 側 が 離 婚 によって 経 済 的 に 不 利 な 立 場 におかれるのは 不 当 であり こ れを 認 めれば 勝 手 に 浮 気 をした 夫 が 身 勝 手 に 妻 を 追 い 出 す 追 い 出 し 離 婚 を 許 諾 する 事 になる 有 責 者 からの 離 婚 請 は 倫 理 的 側 面 からも 認 めがたい 積 極 的 破 綻 主 義 賛 成 側 ( 積 極 的 有 責 主 義 賛 成 側 )の 主 張 今 のまま 積 極 的 破 綻 主 義 を 認 めない 現 状 が 日 本 の 裁 判 離 婚 になった 場 合 の 長 期 化 結 果 の 予 測 不 可 能 性 不 安 定 性 等 をうみだしている? 1 婚 訴 訟 が 汚 くなる 2 裁 判 官 個 人 の 価 値 観 によって 結 果 が 左 右 される 3 夫 婦 を 傷 つけ 離 婚 後 の 再 出 発 を 妨 げる 4 夫 婦 の 間 を 決 定 的 に 破 壊 し 子 に 悪 影 響 を 及 ぼす 等 の 問 題 が 生 じることになる という4 点 が 主 に 有 責 主 義 の 問 題 点 として 提 起 されている 10

また 積 極 的 破 綻 主 義 が 認 められつつも 裁 判 離 婚 の 形 態 をとっている 欧 米 では 裁 判 などの 離 婚 手 続 き を 避 けるために 事 実 婚 を 選 択 するカップルが 増 加 している 裁 判 をもちない 日 本 の 離 婚 制 度 で 積 極 的 破 綻 主 義 を 認 め 離 婚 手 続 きが 短 くなれば 結 婚 に 対 する 負 担 感 の 軽 減 につながり 結 婚 をためらってい る 層 が 結 婚 を 前 向 きに 考 えるという 効 果 が 期 待 できる さらには 非 婚 化 晩 婚 化 を 原 因 とした 少 子 化 対 策 にもなるのではと 言 われている < 参 考 文 献 > 弁 護 士 法 人 フラクタル 法 律 事 務 所 HP http://www.rikon-bengoshi.net/etc/yusekihaigu.html PRESIDENT Online HP http://president.jp/articles/-/1277 阿 部 オフィスの 男 の 離 婚 相 談 HP http://abe-jim.com/index_yuseki.htm 離 婚 サポート HP http://www.sodan.co.jp/rikon/2008/02/post_74.php 法 務 省 HP http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi_960226-1.html 小 松 亀 一 法 律 事 務 所 HP http://www.trkm.co.jp/danjyo/06020401.htm 高 橋 朋 子 床 谷 文 雄 棚 村 政 行 民 法 7 親 族 相 続 有 斐 閣 アルマ 2014 11

論 点 1 A. 現 状 維 持 ( 消 極 的 破 綻 主 義 ) 有 責 配 偶 者 から 離 婚 請 求 を 原 則 として 認 めず 信 義 則 を 含 む 条 件 付 きで 認 める ( 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 については 条 文 には 記 載 しないため 具 体 的 な 別 居 年 数 や 未 成 年 の 子 供 の 存 在 についてもケースごとに 判 断 信 義 則 は 有 責 配 偶 者 の 離 婚 請 求 を 棄 却 する 場 合 と 許 容 する 場 合 の 両 方 ではたらく) B 1996 年 民 法 改 正 案 の 離 婚 請 求 に 関 しての 条 項 を 採 用 する( 積 極 的 破 綻 主 義 ) 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 についても 条 文 で 認 める ( 現 状 の 条 件 や 信 義 則 については 条 文 上 で 維 持 して いるが 具 体 的 な 数 字 を 記 しや 信 義 則 のはたらく 場 合 を 有 責 配 偶 者 の 離 婚 請 求 を 棄 却 する 場 合 のみ に 限 定 する) 12

論 点 2 A 現 状 維 持 ( 消 極 的 破 綻 主 義 ) 有 責 配 偶 者 から 離 婚 請 求 を 原 則 として 認 めず 信 義 則 を 含 む 条 件 付 きで 認 める ( 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 については 条 文 には 記 載 しないため 具 体 的 な 別 居 年 数 や 未 成 年 の 子 供 の 存 在 についてもケースごとに 判 断 信 義 則 は 有 責 配 偶 者 の 離 婚 請 求 を 棄 却 する 場 合 と 許 容 する 場 合 の 両 方 ではたらく) B 1996 年 も 改 正 要 綱 についての 条 件 をさらに 限 定 ( 超 積 極 的 破 綻 主 義 ) 1996 年 の 条 文 から 信 義 則 も 排 除 し 5 年 以 上 の 別 居 状 態 という 婚 姻 破 綻 の 現 状 のみを 条 件 にする ( 離 婚 という 繊 細 な 家 族 の 問 題 については 信 義 則 はすべての 面 で 排 除 ) 13

新 聞 記 事 参 考 朝 日 新 聞 2004 年 11 月 18 日 夕 刊 1 社 会 019 別 居 2 年 4カ 月 離 婚 請 求 認 めず 最 高 裁 判 決 別 居 期 間 が2 年 4カ 月 では 夫 婦 関 係 が 破 綻 したとはいえず 有 責 配 偶 者 ( 夫 婦 関 係 を 壊 す 原 因 をつくった 側 )から の 離 婚 請 求 は 認 められない 最 高 裁 第 一 小 法 廷 ( 横 尾 和 子 裁 判 長 )は18 日 こんな 判 断 を 示 した 離 婚 訴 訟 で は 近 年 有 責 配 偶 者 からの 請 求 でも 事 情 に 応 じて 認 める 方 向 が 強 まっているが 同 小 法 廷 は 個 々のケースを 慎 重 に 検 討 して 判 断 すべきだという 姿 勢 を 改 めて 示 した この 訴 訟 では 広 島 市 の 夫 (34)が 別 居 中 の 妻 (34)との 離 婚 を 求 めて 提 訴 一 審 は 請 求 を 棄 却 したが 二 審 は 夫 の 訴 えを 認 め 妻 側 が 上 告 した 同 小 法 廷 は 二 審 判 決 を 破 棄 し 夫 の 請 求 を 退 けた 同 小 法 廷 は 夫 について 他 の 女 性 と 関 係 をもっていたとした 一 二 審 の 判 断 に 従 い 有 責 配 偶 者 と 認 定 夫 婦 の 同 居 期 間 が6 年 7カ 月 であるのに 対 し その 後 の 別 居 期 間 が2 年 4カ 月 しかない 点 をとらえ 別 居 が 相 当 の 長 期 に 及 ん でいるとはいえない と 述 べた 毎 日 新 聞 1999.08.03 東 京 夕 刊 8 頁 社 会 異 例 別 居 わずか2 年 30 代 夫 婦 の 離 婚 認 める 妻 の 請 求 受 け-- 大 阪 地 裁 判 決 妻 は 人 間 的 に 未 熟 夫 も 包 容 力 足 りない 大 阪 府 内 の30 代 前 半 同 士 の 夫 婦 をめぐり 妻 が 求 めた 離 婚 訴 訟 で 大 阪 地 裁 が 妻 は 社 会 人 として 未 熟 で 夫 婦 の 婚 姻 関 係 は 修 復 できない として 離 婚 を 認 めていたことが2 日 分 かった 最 高 裁 は 夫 婦 関 係 崩 壊 の 原 因 を 作 った 当 事 者 ( 有 責 配 偶 者 )からの 離 婚 請 求 について 別 居 期 間 が 長 期 に 及 ぶなどの 厳 しい 条 件 を 付 けている 今 回 の 夫 婦 の 別 居 期 間 は2 年 余 り 裁 判 所 がこうしたケースで 破 たんを 認 めるのは 極 めて 異 例 で 愛 と 信 頼 に 結 婚 のベースを 置 いたとみられる 判 決 によると 2 人 は 社 内 恋 愛 で1996 年 6 月 に 結 婚 妻 はまず 新 婚 旅 行 で 夫 がスーツケースを 運 ぶのを 手 伝 わなかったとして 一 緒 にやっていく 自 信 を 失 った 別 れようと 考 え いったん 思 い 直 したが 帰 国 後 どちらの 実 家 に 先 に 行 くかで 夫 婦 げんか 97 年 3 月 に 長 男 を 出 産 したものの 初 節 句 のことでまた もめた 翌 月 には 宮 参 りでけんかし 妻 が 実 家 に 戻 って 以 降 は 別 居 状 態 が 続 いた 若 林 諒 裁 判 官 は 先 月 27 日 の 判 決 で 妻 は 人 間 的 に 未 成 熟 で 妻 の 母 親 がたびたび 新 居 を 訪 れ 何 日 も 滞 在 する など 母 親 に 依 存 しがち と 指 摘 そのうえで このような 妻 には 夫 は 親 のような 包 容 力 を 求 められる だが 夫 も 年 齢 的 人 間 的 に 力 が 及 ばず 婚 姻 関 係 は 破 たんしている と 判 断 し 離 婚 を 認 めた 最 高 裁 は87 年 に 離 婚 訴 訟 の 判 例 を 変 更 し 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 を 認 め 破 たん 主 義 を 採 用 した しかし 別 居 期 間 が 長 期 間 に 及 ぶことや 未 成 熟 の 子 供 がいないなど 厳 しい 条 件 を 付 けた 今 回 の 判 決 はその 判 例 を 大 きく 踏 み 越 えた 妻 の 代 理 人 の 弁 護 士 は 妻 に 一 方 的 に 責 任 があるとした 認 定 は 不 満 だが 夫 に 責 任 がないとしながら 離 婚 を 認 めた のは 画 期 的 愛 情 と 信 頼 の 喪 失 を 判 断 する 破 たん 主 義 の 典 型 的 な 判 決 だ と 話 している 片 や 夫 側 の 代 理 人 は そもそ 14

も 妻 がなぜ 離 婚 を 求 めているのかが 分 からず 弁 論 でも 納 得 いく 説 明 がなかった 裁 判 所 がここまで 破 たん 主 義 によった 判 決 を 出 し 驚 いている とコメントした 和 泉 かよ 子 毎 日 新 聞 1998.09.27 東 京 朝 刊 30 頁 社 会 夫 の 都 合 で 離 婚 ダメ! 大 阪 地 裁 50 歳 男 性 の 請 求 を 棄 却 -- 暴 力 別 の 女 性 と 同 居 暴 力 振 るって 家 出 して 別 の 女 性 と 同 居 して 夫 婦 げんかで 頻 繁 に 妻 (48)に 暴 力 を 振 るった 揚 げ 句 約 5 年 前 から 家 を 出 て 別 の 女 性 と 同 居 を 始 めた 会 社 員 の 夫 (50)が 離 婚 を 求 めて 裁 判 に 訴 えたが 大 阪 地 裁 の 福 井 章 代 裁 判 官 は 破 たんの 原 因 は 夫 にある 夫 婦 関 係 の 回 復 はもはや 無 理 と 判 断 しながらも 離 婚 を 認 めなかった 判 決 によると 夫 婦 は75 年 社 内 恋 愛 で 結 婚 し 長 女 をもうけた 当 初 は 円 満 だったが 夫 の 海 外 出 張 で 不 在 の 日 が 増 え 始 めた82 年 ごろから 夫 が 妻 を 殴 ったり けったりするようになった その 後 もけんかが 絶 えず 夫 の 暴 力 にたまりか ねた 妻 が 女 性 関 係 を 会 社 の 上 司 に 報 告 する と 言 い 出 した 夫 は93 年 10 月 に 家 を 出 て 間 もなく 別 の 女 性 と 暮 ら すようになった 夫 は 昨 年 3 月 大 阪 家 裁 に 離 婚 調 停 を 申 し 立 てたが 妻 が 応 じず 不 調 に 終 わった このため 夫 が 大 阪 地 裁 に 提 訴 した 福 井 裁 判 官 は 夫 が 今 も 女 性 との 関 係 を 継 続 していることなどから 夫 婦 関 係 が 完 全 に 破 たんしていると 認 定 した 夫 について(1) 家 事 育 児 に 追 われた 妻 の 心 情 を 全 く 理 解 しなかった(2) 気 に 入 らないことがある 度 に 暴 力 を 振 るっ た(3) 自 ら 家 を 出 て 他 の 女 性 との 関 係 を 続 けている--と 指 摘 そのうえで これまでの 夫 婦 の 同 居 期 間 を 考 えると 別 居 期 間 はそう 長 期 とはいえない 今 回 のケースは 夫 婦 関 係 を 破 たんさせた 夫 からの 離 婚 請 求 は 許 されない と 判 断 し た ただ 妻 に 対 しても 海 外 出 張 で 忙 しい 夫 への 思 いやりに 欠 ける 面 もあった と 諭 した 最 高 裁 は87 年 9 月 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 でも 社 会 正 義 に 反 する 特 段 の 事 情 がない 限 りは 離 婚 は 許 され る との 判 断 を 示 している 小 栗 高 弘 朝 日 新 聞 1995 年 10 月 18 日 朝 刊 2 家 020 離 婚 の 自 由 か 弱 者 の 保 護 か 5 年 別 居 離 婚 めぐりシンポ 離 婚 の 条 件 をもっと 緩 めるべきだ いや それでは 経 済 力 のない 妻 が 一 方 的 に 不 利 になる 法 制 審 議 会 ( 法 務 大 臣 の 諮 問 機 関 )の 民 法 部 会 は 先 月 五 年 別 居 後 の 離 婚 を 認 めることを 盛 り 込 んだ 中 間 報 告 をまとめた こ れに 反 対 する 弁 護 士 らのグループ 五 年 別 居 離 婚 に 反 対 し 女 性 の 自 立 を 考 える 会 が 十 二 日 都 内 で 賛 否 両 方 の 意 見 を 交 換 するシンポジウムを 開 いた 中 間 報 告 では 離 婚 請 求 の 要 件 として 従 来 から 定 められている 不 貞 行 為 悪 意 での 遺 棄 三 年 以 上 の 生 死 の 不 明 などの 項 目 に 夫 婦 が 五 年 以 上 継 続 して 共 同 生 活 をしていないとき 婚 姻 関 係 が 回 復 の 見 込 みがない 程 度 に 破 綻 (はたん)している が 新 たに 加 えられた 一 方 身 勝 手 な 離 婚 請 求 に 歯 止 めをかける 目 的 で 離 婚 により 配 偶 者 や 子 どもが 社 会 的 経 済 的 に 著 しく 過 酷 な 状 態 におかれる 時 と 離 婚 請 求 をしている 者 が 配 偶 者 に 対 する 協 力 扶 助 を 著 しく 怠 っていて 請 求 が 信 義 に 反 すると 認 め られた 時 ( 信 義 則 条 項 )は 離 婚 請 求 を 棄 却 できる ともしている 15

シンポジウムではまず 参 議 院 議 員 で 離 婚 相 談 を 主 宰 するなど 離 婚 問 題 にくわしい 円 (まどか)より 子 さんが 改 正 に 賛 成 の 立 場 から 一 方 の 当 事 者 の 離 婚 の 意 志 が 堅 ければ それを 認 めるのが 人 間 の 尊 厳 を 守 ることになる 相 手 の 同 意 がなければ 離 婚 が 難 しい 現 状 は 是 正 されるべきだ と 主 張 した これに 対 し 民 法 改 正 に 反 対 の 弁 護 士 の 後 藤 富 士 子 さんは 女 子 大 生 でさえ 就 職 難 の 時 代 に 中 高 年 の 離 婚 女 性 は 就 職 もできず 貧 困 に 陥 れられるのは 明 らか 欧 米 のような 夫 の 給 与 からの 養 育 費 の 天 引 きや 国 の 養 育 費 の 立 て 替 え 払 いなどの 制 度 にも 中 間 報 告 では 言 及 されていない 経 済 的 な 手 当 てのないままに 国 家 が 離 婚 を 強 制 していい のか と 反 対 論 を 述 べた 続 いて 木 村 晋 介 亀 井 とも 子 の 両 弁 護 士 が 賛 否 それぞれの 立 場 で 対 論 した 木 村 さんは 女 性 は 経 済 的 に 弱 者 だというが 離 婚 しても 女 性 が 自 立 できる 社 会 を 目 指 すのが 本 筋 ではないか 結 婚 の 自 由 があるなら 離 婚 の 自 由 もあるはず 離 婚 の 条 件 も 緩 和 されるべきだ だれでも 一 回 の 結 婚 で 理 想 の 相 手 をめ ぐり 合 えるわけではない 新 しい 家 庭 を 築 いている 人 もおり その 家 庭 を 守 る 必 要 もある と 賛 成 を 表 明 亀 井 さんは 男 女 の 真 の 平 等 が 実 現 されるのは 遠 い 先 のこと 育 児 や 介 護 夫 の 転 勤 などでやむなく 仕 事 を 辞 める 女 性 も 多 い 現 状 では あまりに 不 公 平 な 内 容 今 の 法 律 でも 時 間 をかけて 話 し 合 えば 離 婚 はできる 今 以 上 に 有 責 配 偶 者 の 離 婚 の 自 由 を 拡 大 する 必 要 はない と 反 論 した 会 はシンポジウムに 先 立 って 衆 参 両 院 の 女 性 議 員 三 十 四 人 にアンケートをした 回 答 を 寄 せたのは 十 一 人 五 年 別 居 後 に 有 責 配 偶 者 からの 離 婚 請 求 を 認 めることに 対 して 賛 成 は 一 反 対 が 四 賛 否 を 明 らかにしないなどその 他 六 だ った まとめ 信 義 則 条 項 は 曖 昧 であるため 裁 判 官 の 裁 量 で 判 断 が 分 かれる 有 責 主 義 見 せかけの 人 生 を 強 要 することになる? 婚 姻 関 係 の 実 態 を 無 視 している? 離 婚 の 原 因 を 作 った 者 の 配 偶 者 を 守 る 破 綻 主 義 愛 情 と 信 頼 の 損 失 を 判 断 する 離 婚 の 自 由 を 広 く 認 める 結 婚 育 児 介 護 等 でキャリアを 中 断 することの 多 い 女 性 にとって 不 公 平? 有 責 配 偶 者 の 離 婚 の 自 由 を 広 く 認 める 必 要 はない? 16