延 岡 市 メディカルタウン 構 想 平 成 23 年 2 月 21 日 宮 崎 県 延 岡 市
目 次 第 1 部 メディカルタウン 構 想 の 策 定 にあたって 1 構 想 策 定 の 意 義 1 2 地 域 の 特 徴 強 み 2 3 構 想 の 目 指 すところ 4 第 2 部 構 想 実 現 に 向 けた 取 組 み 5 1 医 療 機 器 の 研 究 開 発 の 促 進 6 2 地 場 企 業 の 医 療 産 業 参 入 の 支 援 7 3 医 療 技 術 者 の 育 成 と 交 流 促 進 8 4 医 療 関 連 企 業 の 誘 致 9 5 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 等 10 第 3 部 構 想 の 推 進 11 資 料 編
第 1 部 メディカルタウン 構 想 の 策 定 にあたって 1 構 想 策 定 の 意 義 平 成 22 年 10 月 25 日 に 宮 崎 大 分 両 県 が 策 定 した 東 九 州 地 域 医 療 産 業 拠 点 構 想 ( 東 九 州 メディカルバレー 構 想 )においては 血 液 や 血 管 に 関 する 医 療 機 器 の 生 産 開 発 拠 点 が 集 積 している 東 九 州 地 域 にお いて 血 液 や 血 管 に 関 する 医 療 を 中 心 に 産 学 官 が 連 携 を 深 め 医 療 機 器 産 業 の 一 層 の 集 積 と 地 域 経 済 への 波 及 更 には 産 業 集 積 を 活 かした 地 域 活 性 化 と 医 療 の 分 野 でアジアに 貢 献 する 地 域 を 目 指 す こととし ています この 東 九 州 メディカルバレー 構 想 における4つの 拠 点 づくり( 研 究 開 発 の 拠 点 づくり 医 療 技 術 人 材 育 成 の 拠 点 づくり 血 液 血 管 に 関 する 医 療 拠 点 づくり 医 療 機 器 産 業 の 拠 点 づくり)が 医 療 機 器 産 業 の 集 積 地 である 本 市 をはじめとする 県 北 部 地 域 において 推 進 されることで 本 市 県 北 部 地 域 ひいては 宮 崎 県 全 体 の 活 性 化 に 繋 がることが 期 待 され ます また 産 学 官 連 携 による 高 度 かつ 安 全 性 の 高 い 医 療 機 器 の 開 発 等 は 治 療 のみならず 予 防 医 療 をはじめとするより 優 れた 医 療 技 術 の 提 供 につ ながり 本 市 が 市 民 協 働 により 取 り 組 んでいる 健 康 長 寿 のまちづくり にも 大 きく 寄 与 します このようなことから 東 九 州 メディカルバレー 構 想 の4つの 拠 点 づく りに 関 する 本 市 の 取 組 みや 産 学 官 連 携 による 健 康 長 寿 の 取 組 みに 関 して 関 係 者 との 協 議 を 重 ね 延 岡 市 メディカルタウン 構 想 を 策 定 しました メディカルタウン 構 想 の 推 進 にあたっては 東 九 州 メディカルバレー 構 想 との 連 携 を 主 眼 に 置 きながら 同 構 想 に 掲 げる4つの 拠 点 づくりが 本 市 県 北 部 地 域 において 実 施 されるよう 宮 崎 県 をはじめとする 関 係 機 関 と 連 携 しながら 積 極 的 に 各 種 施 策 に 取 り 組 んでいきます 1
2 地 域 の 特 徴 強 み (1) 集 積 する 医 療 機 器 産 業 本 市 を 含 む 県 北 部 地 域 には 人 工 腎 臓 やカテーテル アフェレシス( 血 液 浄 化 ) 製 品 などの 血 液 血 管 に 関 する 医 療 機 器 の 研 究 生 産 を 行 う 旭 化 成 クラレメディカル 旭 化 成 メディカル 東 郷 メディキット などの 世 界 トップクラスの 医 療 機 器 産 業 が 集 積 しています また 旭 化 成 関 連 の 透 析 事 業 アフェレシス 事 業 セパセル 事 業 プ ラノバ 事 業 の 既 存 4 事 業 の 材 料 関 連 研 究 機 能 を 集 約 し 相 分 離 技 術 構 造 制 御 技 術 化 学 修 飾 技 術 等 の 共 通 技 術 の 融 合 と 高 度 化 を 図 るために 平 成 23 年 6 月 に 基 盤 材 料 研 究 所 が 延 岡 市 内 に 建 設 される 予 定 とな っており 市 内 において 医 療 機 器 の 開 発 が 促 進 されることが 期 待 されて います 医 療 関 連 産 業 は 国 の 新 成 長 戦 略 ( 平 成 22 年 6 月 18 日 閣 議 決 定 ) において 高 い 成 長 と 雇 用 創 出 が 見 込 める 日 本 の 成 長 牽 引 産 業 と 明 確 に 位 置 付 けられています また このなかで 強 みを 活 かす 成 長 分 野 の 一 つとして ライフ イノベーションによる 健 康 大 国 戦 略 を 掲 げ 医 療 介 護 健 康 関 連 サ ービスの 需 要 に 見 合 った 産 業 育 成 と 雇 用 の 創 出 新 規 市 場 約 50 兆 円 新 規 雇 用 284 万 人 を2020 年 までの 目 標 としています (2) 医 療 を 担 う 人 材 育 成 機 関 本 市 には 医 療 機 器 の 操 作 等 を 行 う 臨 床 工 学 技 士 や 薬 剤 師 を 養 成 する 九 州 保 健 福 祉 大 学 が 存 在 します 同 大 学 の 保 健 科 学 部 臨 床 工 学 科 は 4 床 のICU( 集 中 治 療 室 )と10 床 の 透 析 室 など 国 内 でもトップクラ スの 設 備 を 備 えています さらには 平 成 23 年 度 地 域 医 療 に 貢 献 できる 高 い 人 間 力 を 持 った 人 材 を 育 成 するため 宮 崎 県 立 延 岡 高 等 学 校 にメディカルサイエンス 科 が 新 設 されることになっています セパセル: 旭 化 成 メディカル の 独 自 技 術 で 開 発 した 高 性 能 輸 血 用 白 血 球 除 去 フィルター プラノバ:バイオ 医 薬 品 等 の 生 物 学 的 製 剤 の 製 造 工 程 で 有 害 なウイルスを 除 去 する 中 空 糸 型 ウイルス 除 去 フィルター 2
(3) 優 れたものづくり 技 術 を 有 する 地 場 企 業 群 市 内 はもとより 県 北 部 地 域 は 旭 化 成 や 旭 有 機 材 等 の 中 核 企 業 と 精 密 機 械 の 部 品 加 工 をはじめとする 中 小 企 業 群 の 周 辺 集 積 によって 東 九 州 有 数 の 工 業 都 市 として 発 展 を 遂 げており 歴 史 ある ものづくり のなか で 脈 々と 受 け 継 がれてきた 優 れた 技 術 や 優 秀 な 人 材 を 有 しています (4) 住 民 の 地 域 医 療 や 健 康 長 寿 に 対 する 意 識 や 取 組 み 本 市 では 平 成 21 年 9 月 市 町 村 では 全 国 初 となる 地 域 医 療 を 守 り 良 好 な 地 域 医 療 体 制 のもとで 市 民 の 健 康 長 寿 を 推 進 するための 延 岡 市 地 域 医 療 を 守 る 条 例 を 制 定 しました この 条 例 を 柱 とした 取 組 みのなかで 市 民 との 協 働 により かかり つけ 医 を 持 つ 安 易 な 時 間 外 受 診 を 控 える 医 師 や 看 護 師 などへ 感 謝 の 気 持 ちを 持 つ 検 診 健 康 診 査 などへの 協 力 の 啓 発 を 行 い 市 民 の 地 域 医 療 や 健 康 長 寿 に 対 する 意 識 が 高 揚 しつつあります このようななか 市 民 団 体 宮 崎 県 北 の 地 域 医 療 を 守 る 会 において 地 域 医 療 を 守 り 健 康 長 寿 を 目 指 す 市 民 宣 言 を 行 うとともに 平 成 22 年 12 月 22 日 には 延 岡 市 健 康 長 寿 推 進 市 民 会 議 が 健 康 長 寿 の まちづくり 市 民 運 動 行 動 計 画 書 を 策 定 するなど 健 康 長 寿 のまち を 目 指 した 市 民 運 動 が 広 く 展 開 されています これらの 取 組 みは 単 に 地 域 医 療 を 守 るという 視 点 のみではなく 地 域 住 民 が 自 らの 生 涯 を 通 じて 健 康 であることを 目 指 し 日 頃 から 自 分 の 健 康 管 理 に 努 めようというもので 医 師 や 看 護 師 をはじめとする 医 療 従 事 者 の 負 担 軽 減 につながり また 医 療 従 事 者 の 皆 さんにとって 魅 力 あ る 地 域 づくりに 繋 がると 考 えています 3
3 構 想 の 目 指 すところ メディカルタウン 構 想 は 世 界 に 誇 れる 優 れた 医 療 機 器 産 業 の 集 積 医 療 を 担 う 人 材 育 成 機 関 医 療 及 び 健 康 長 寿 に 関 する 住 民 意 識 の 高 まり 優 れたものづくり 技 術 を 有 する 地 場 企 業 など 地 域 の 特 徴 強 みを 最 大 限 に 活 かし 産 学 官 連 携 により 東 九 州 メディカルバレー 構 想 におけ る4つの 拠 点 づくりに 関 する 取 組 みや 健 康 長 寿 の 推 進 に 関 する 取 組 み を 行 うことにより 延 岡 市 ひいては 県 北 部 地 域 全 体 の 医 療 関 連 産 業 の 振 興 及 び 住 民 の 健 康 長 寿 を 推 進 し 企 業 立 地 や 雇 用 の 拡 大 医 療 の 充 実 医 療 関 係 者 等 の 交 流 拡 大 などの 好 循 環 を 生 み 出 し 活 力 ある 地 域 づくり と 住 民 の 健 康 と 福 祉 の 向 上 を 目 指 すものです メディカルタウン 構 想 の 推 進 にあたっては 東 九 州 メディカルバレ ー 構 想 と 連 携 するとともに 市 民 協 働 による 健 康 長 寿 のまちづくり と 連 動 した 取 組 みを 行 うことにより より 効 果 的 な 施 策 の 実 現 を 図 って いきます メディカルタウン 構 想 の 全 体 イメージ 医 療 関 連 産 業 の 振 興 健 康 長 寿 の 推 進 医 療 の 充 実 企 業 立 地 雇 用 の 拡 大 医 療 関 係 者 等 の 交 流 拡 大 東 九 州 メ デ ィ カ ル バ レ ー 構 想 連 携 産 学 官 連 携 による 医 療 機 器 の 研 究 開 発 の 促 進 地 場 企 業 の 医 療 関 連 産 業 参 入 の 支 援 医 療 技 術 者 の 育 成 と 交 流 促 進 医 療 関 連 企 業 の 誘 致 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 等 連 動 健 康 長 寿 の ま ち づ く り に 関 す る 取 組 4
第 2 部 構 想 実 現 に 向 けての 取 組 み 延 岡 市 メディカルタウン 構 想 を 着 実 に 推 進 し 医 療 関 連 産 業 の 振 興 等 や 市 民 の 健 康 長 寿 を 推 進 するため 東 九 州 メディカルバレー 構 想 との 連 携 を 図 りながら 主 に 次 の 項 目 について 取 り 組 むとともに 構 想 推 進 に 資 する 新 たな 取 組 みについても 研 究 や 検 討 を 行 います 医 療 機 器 の 研 究 開 発 の 促 進 延 岡 市 県 北 部 地 域 において 医 療 機 器 の 研 究 開 発 をさらに 促 進 す るための 環 境 整 備 などに 取 り 組 みます 地 場 企 業 の 医 療 関 連 産 業 参 入 の 支 援 地 場 企 業 が 医 療 機 器 をはじめとする 医 療 関 連 産 業 へ 参 入 するための 支 援 などに 取 り 組 みます 医 療 技 術 者 の 育 成 と 交 流 促 進 国 内 外 の 医 療 技 術 者 を 対 象 とした 医 療 機 器 を 使 用 したトレーニング の 実 施 と 医 療 関 係 者 の 交 流 促 進 などに 取 り 組 みます 医 療 関 連 企 業 の 誘 致 上 記 の 各 取 組 みの 着 実 な 推 進 と 合 わせ 医 療 関 連 企 業 が 立 地 するため の 環 境 整 備 などに 取 り 組 みます 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 等 これまでの 市 民 協 働 による 良 好 な 医 療 環 境 づくりや 健 康 長 寿 の 推 進 に 関 する 取 組 みに 加 えて 新 たな 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 や 医 療 技 術 の 研 究 支 援 などに 取 り 組 みます 医 療 関 連 産 業 : 本 構 想 では 医 療 機 器 産 業 や 介 護 健 康 機 器 産 業 医 薬 品 産 業 を 指 す 5
1 医 療 機 器 の 研 究 開 発 の 促 進 医 療 機 器 は 医 療 現 場 のニーズに 基 づくたゆまぬ 改 良 改 善 によって より 安 全 で 有 効 性 が 高 い 製 品 に 進 化 しながら 医 療 の 進 歩 に 大 きく 貢 献 してきました 一 方 国 内 の 医 療 機 器 の 研 究 開 発 環 境 は 海 外 と 比 較 して 多 くの 課 題 を 有 していると 言 われており 国 の 新 成 長 戦 略 においても これらの 課 題 解 決 につながる 方 策 が 示 されています また 東 九 州 メディカルバレー 構 想 においても 産 学 官 連 携 による 研 究 開 発 の 推 進 研 究 開 発 環 境 の 整 備 研 究 開 発 資 金 の 確 保 研 究 開 発 を 促 進 する 制 度 の 活 用 などに 取 り 組 むことで 研 究 開 発 の 拠 点 づくりを 進 めることとしています 本 市 をはじめとする 県 北 部 地 域 で 医 療 機 器 産 業 の 振 興 や 集 積 を 図 る ためには 研 究 や 開 発 の 促 進 につながる 環 境 づくりは 必 要 不 可 欠 です そのため 本 構 想 においては 医 療 従 事 者 と 企 業 のエンジニア 等 との 意 見 交 換 の 環 境 整 備 や 医 療 機 器 の 迅 速 な 開 発 に 必 要 な 研 究 開 発 施 設 等 の 誘 致 や 整 備 などに 取 り 組 みます 6
2 地 場 企 業 の 医 療 関 連 産 業 参 入 の 支 援 医 療 関 連 産 業 は 今 後 高 い 成 長 が 見 込 めるだけではなく 比 較 的 景 気 に 左 右 されにくい 産 業 であると 言 われています 特 に 医 療 機 器 の 開 発 には 機 械 電 子 加 工 材 料 など 広 範 囲 な 技 術 が 関 わるため 本 市 をはじめとする 県 北 部 地 域 に 集 積 する 地 場 企 業 の 技 術 力 を 活 かすことのできる 分 野 でもあります 一 方 薬 事 法 による 規 制 産 業 であることや 人 命 に 直 接 関 わる 分 野 ゆえ のリスクの 高 さ さらには 医 療 現 場 が 有 する 課 題 やニーズに 関 する 情 報 の 不 足 など 経 営 基 盤 の 弱 い 中 小 企 業 にとっては 新 規 参 入 の 障 壁 が 高 いとも 言 われています しかしながら 地 場 企 業 は 地 域 経 済 の 重 要 な 担 い 手 であり 持 続 的 な 成 長 が 見 込 まれる 産 業 分 野 への 参 入 は 本 市 をはじめとする 県 北 部 地 域 の ものづくり を 支 える 方 策 の 一 つともなりえます また 東 九 州 メディカルバレー 構 想 においても 地 場 企 業 に 対 する 支 援 に 取 り 組 むことで 医 療 機 器 産 業 の 拠 点 づくりを 進 めることとしてい ます そのため 本 構 想 においても 地 場 企 業 の 医 療 機 器 や 介 護 健 康 機 器 などの 医 療 関 連 産 業 への 新 規 参 入 を 図 るため 薬 事 法 許 認 可 取 得 を 支 援 するためのセミナーの 開 催 や 医 療 介 護 健 康 機 器 関 連 メーカーとのマ ッチングによる 事 業 化 の 促 進 などに 取 り 組 みます 7
3 医 療 技 術 者 の 育 成 と 交 流 促 進 優 れた 医 療 機 器 の 研 究 開 発 は 高 度 な 医 療 の 提 供 につながりますが そのためには 医 療 機 器 の 操 作 等 を 行 う 医 療 技 術 者 に 高 い 技 術 力 が 求 め られます このようなことから 実 際 に 開 発 された 医 療 機 器 に 関 する 手 技 トレーニングの 実 施 や 将 来 を 担 う 医 療 技 術 者 の 育 成 が 必 要 になります また 東 九 州 メディカルバレー 構 想 においても 医 療 技 術 に 係 る 人 材 育 成 将 来 を 担 う 医 療 人 材 の 育 成 などに 取 り 組 むことで 医 療 技 術 人 材 育 成 の 拠 点 づくりを 進 めることとしています さらに 九 州 保 健 福 祉 大 学 は 優 れた 教 授 陣 と 国 内 でもトップクラス の 実 習 設 備 を 備 えるとともに アジアをはじめとする 海 外 の 複 数 の 大 学 と 教 育 交 流 協 定 を 結 んでいます このようなことから 本 構 想 においても 九 州 保 健 福 祉 大 学 の 施 設 等 を 活 用 しながら 国 内 外 の 医 療 技 術 者 を 対 象 としたトレーニングを 行 う ための 施 設 や 受 入 体 制 の 整 備 などに 取 り 組 みます また このようなトレーニングが 本 市 において 実 施 されることにより 本 市 をはじめとする 県 北 部 地 域 において 国 内 外 の 医 療 関 係 者 の 交 流 が 促 進 され 様 々な 分 野 における 交 流 や 地 域 経 済 の 活 性 化 さらには 国 産 医 療 機 器 の 販 路 拡 大 につながることも 期 待 できるため 医 療 関 係 者 の 交 流 環 境 の 整 備 などにも 取 り 組 みます 医 療 技 術 者 : 本 構 想 では 医 師 看 護 師 臨 床 工 学 技 士 臨 床 検 査 技 師 等 を 指 す 8
4 医 療 関 連 企 業 の 誘 致 近 年 国 内 製 造 業 の 海 外 進 出 の 流 れは 増 加 傾 向 にあり 産 業 集 積 にお ける 国 内 の 地 域 間 競 争 は 厳 しさを 増 してきており 県 北 部 地 域 において 安 定 した 就 業 の 場 を 確 保 するためには 景 気 に 左 右 されにくい 産 業 の 集 積 が 望 まれます このような 中 地 域 住 民 が 長 年 望 んでいた 東 九 州 自 動 車 道 延 岡 ~ 宮 崎 間 が 平 成 25 年 度 には 開 通 する 見 込 みであるほか 日 向 市 の 細 島 港 が 重 点 港 湾 に 指 定 されるなど 県 北 部 地 域 の 物 流 機 能 は 大 きく 向 上 しよ うとしています また 本 市 のクレアパーク 延 岡 工 業 団 地 第 2 工 区 ( 有 効 面 積 11ha)を はじめ 近 隣 の 門 川 町 や 日 向 市 にも 良 好 な 環 境 に 恵 まれた 工 業 団 地 が 存 在 しています このような 立 地 環 境 を 背 景 に 前 述 した1から3までの 取 り 組 みを 着 実 に 推 進 することにより 県 北 部 地 域 が 医 療 関 連 企 業 にとって 魅 力 的 な エリアとなります このようなことから 平 成 22 年 5 月 に 策 定 された 宮 崎 県 北 定 住 自 立 圏 共 生 ビジョン においても 宮 崎 大 分 両 県 が 進 める 東 九 州 地 域 の 医 療 産 業 拠 点 構 想 を 踏 まえながら 本 圏 域 の 医 療 機 器 産 業 の 集 積 に 関 す る 産 学 官 連 携 の 支 援 取 組 を 行 う こととしています また 東 九 州 メディカルバレー 構 想 においても 更 なる 企 業 誘 致 の 推 進 に 取 り 組 むことで 医 療 機 器 産 業 の 拠 点 づくりを 進 めることとして います そのため 本 構 想 においても クレアパーク 延 岡 工 業 団 地 第 2 工 区 の 整 備 や 医 療 関 連 産 業 に 特 化 した 企 業 立 地 奨 励 補 助 事 業 拡 充 の 検 討 をはじ め 東 九 州 自 動 車 道 や 九 州 中 央 自 動 車 道 さらには 重 点 港 湾 細 島 港 の 整 備 促 進 などに 取 り 組 み 医 療 関 連 企 業 の 誘 致 を 積 極 的 に 推 進 します 9
5 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 等 わが 国 は 近 年 の 生 活 環 境 の 改 善 や 医 学 の 進 歩 等 により 世 界 有 数 の 長 寿 国 となりましたが 高 齢 になっても 健 康 な 人 生 を 送 ることは 全 ての 人 の 共 通 の 願 いであると 言 えます このような 中 本 市 では 健 康 で 幸 せな 人 生 を 送 るための 市 民 の 健 康 づくりに 関 する 健 康 長 寿 のまちづくり 市 民 運 動 行 動 計 画 書 が 策 定 され 運 動 や 食 事 健 診 受 診 を 中 心 とした 取 り 組 みが 進 められており 健 康 や 長 寿 に 対 する 市 民 意 識 が 高 まっています また 宮 崎 県 北 部 広 域 行 政 事 務 組 合 においては 医 療 機 関 の 安 易 な 時 間 外 受 診 の 自 粛 や 適 正 受 診 等 の 推 進 などのため 地 域 医 療 問 題 に 関 する 啓 発 パンフレット 等 の 作 成 を 行 い 構 成 市 町 村 を 対 象 に 配 布 しており 医 療 に 関 する 住 民 の 理 解 を 促 し 地 域 医 療 を 自 ら 守 るという 意 識 の 醸 成 を 図 る 取 組 みが 進 められています 本 構 想 では こうした 市 民 協 働 の 取 組 みなどと 連 動 しながら 産 学 官 の 連 携 による 新 たな 健 康 長 寿 施 策 の 研 究 を 行 います また 住 民 の 健 康 長 寿 の 推 進 並 びに 医 療 の 充 実 のため 血 液 や 血 管 に 関 する 先 端 医 療 技 術 をはじめとする 医 療 技 術 研 究 の 支 援 なども 行 います 10
第 3 部 構 想 の 推 進 1 推 進 体 制 メディカルタウン 構 想 を 着 実 に 推 進 するため 市 役 所 内 に メディカ ルタウン 推 進 室 を 設 置 します また 構 想 の 進 捗 に 応 じてその 体 制 の 強 化 を 図 ります さらに 市 の 行 政 経 営 会 議 のもとに メディカルタウン 推 進 室 工 業 振 興 課 健 康 長 寿 推 進 室 地 域 医 療 対 策 室 経 営 政 策 課 の 関 係 課 室 によ る 庁 内 推 進 会 議 を 設 置 し 定 期 的 臨 時 的 に 協 議 を 行 い 関 係 課 室 一 体 となって 構 想 を 推 進 します 2 産 学 官 連 携 メディカルタウン 構 想 の 推 進 にあたっては 東 九 州 メディカルバレー 構 想 推 進 会 議 等 において 次 の 関 係 者 との 緊 密 な 連 携 を 図 ります また メディカルタウン 構 想 の 取 組 み 項 目 ごとに 関 係 者 との 協 議 を 行 い 効 果 的 な 連 携 を 図 ります < 産 > 旭 化 成 クラレメディカル 旭 化 成 メディカル をはじめとする 旭 化 成 グループ 各 社 東 郷 メディキット 地 場 企 業 他 < 学 > 宮 崎 大 学 九 州 保 健 福 祉 大 学 < 官 > 宮 崎 県 日 向 市 門 川 町 諸 塚 町 椎 葉 村 美 郷 町 高 千 穂 町 日 之 影 町 五 ヶ 瀬 町 他 工 程 管 理 構 想 の 推 進 にあたっては 東 九 州 メディカルバレー 構 想 と 歩 調 を 合 わ せ それぞれの 取 組 みごとに 工 程 を 設 定 して 計 画 的 に 取 り 組 んでいき ます 11
資 料 編 1 既 存 資 源 宮 崎 県 宮 崎 県 北 地 域 延 岡 市 門 川 町 旭 化 成 クラレメディカル 旭 化 成 メディカル 九 州 保 健 福 祉 大 学 延 岡 高 等 学 校 メテ ィカルサイエンス 科 日 向 市 東 郷 メディキット 宮 崎 大 学 1-1 既 存 医 療 機 器 メーカー 旭 化 成 クラレメディカル 人 工 腎 臓 (ダイアライザー)や 血 液 浄 化 (アフェレシス) 機 器 を 製 造 大 分 市 延 岡 市 に 生 産 開 発 拠 点 を 持 っている 血 液 透 析 器 (ダイアライザー) 老 廃 物 及 び 余 分 な 水 分 を 体 外 循 環 の 透 析 療 法 により 除 去 する <シェア: 日 本 No.1 世 界 No.2> アフェレシス 関 連 製 品 免 疫 疾 患 や 難 病 治 療 の 各 々の 病 因 物 質 を 膜 分 離 吸 着 分 離 技 術 を 核 とした 血 液 浄 化 治 療 で 除 去 する <シェア: 日 本 No.1 世 界 No.1>
旭 化 成 メディカル 生 物 学 的 製 剤 からウイルスを 除 去 するフィルターや 血 液 から 白 血 球 を 除 去 するフィルターを 製 造 大 分 市 延 岡 市 に 生 産 開 発 拠 点 を 持 っている 白 血 球 除 去 フィルター 輸 血 用 血 液 から 白 血 球 を 吸 着 除 去 する <シェア: 日 本 No.1 世 界 No.1> ウイルス 除 去 フィルター 生 物 由 来 製 剤 の 製 造 プロセスで 製 剤 中 の ウイルスを 除 去 する <シェア: 日 本 No.1 世 界 No.1> 東 郷 メディキット 輸 液 用 静 脈 留 置 針 人 工 透 析 用 留 置 針 血 管 用 カテーテルを 製 造 日 向 市 に 生 産 開 発 拠 点 を 持 っている 静 脈 留 置 針 点 滴 などの 輸 液 療 法 において 使 用 される 腕 の 血 管 に 刺 す 針 <シェア: 日 本 No.1(セーフティータイフ )> 透 析 用 留 置 針 人 工 透 析 を 行 う 際 の 血 液 の 出 入 り 口 となる 針 <シェア: 日 本 No.1>
血 管 用 カテーテル 脳 心 臓 腹 部 下 肢 などの 血 管 内 治 療 で 使 用 するカテーテル <シェア: 日 本 No.1( 脳 血 管 造 影 用 )>
1-2 人 材 育 成 機 関 九 州 保 健 福 祉 大 学 平 成 11 年 に 公 私 協 力 方 式 により 社 会 福 祉 学 部 保 健 科 学 部 の2 学 部 6 学 科 で 開 設 平 成 15 年 には 薬 学 部 を 増 設 するとともに 平 成 19 年 には 保 健 科 学 部 に 臨 床 工 学 科 を 設 置 してお り 3 学 部 9 学 科 を 擁 する 医 療 保 健 福 祉 の 総 合 大 学 として 発 展 している(H22.3 月 現 在 ) 薬 学 部 薬 学 科 は 薬 剤 師 国 家 試 験 の 新 卒 合 格 率 が3 年 連 続 90% 以 上 (H18 年 20 年 は 日 本 一 )となっており 医 療 を 支 える 優 秀 な 人 材 を 輩 出 している また 保 健 科 学 部 臨 床 工 学 科 においては 即 戦 力 となる 学 生 の 養 成 を 実 現 するため ICU や 血 液 透 析 室 工 作 室 保 守 点 検 実 習 室 など 国 内 のトップクラスの 設 備 を 有 するとともに 医 療 現 場 の 第 一 線 で 活 躍 していた 教 授 陣 が 指 導 にあたっている 医 療 のための 医 学 と 工 学 の 知 識 の 兼 備 という 高 い 水 準 が 求 められるため 国 内 の 養 成 校 は 50 校 程 度 に 留 まるものの 医 療 機 関 における 臨 床 工 学 技 士 の 勤 務 者 数 は 年 々 増 加 傾 向 にあり 今 後 も 医 療 の 現 場 を 支 える 人 材 として 命 を 守 る 重 責 を 担 うことが 期 待 されている < 保 健 科 学 部 臨 床 工 学 科 の 実 習 風 景 > 延 岡 高 等 学 校 メディカルサイエンス 科 医 師 や 技 術 者 など 地 域 医 療 や 先 端 技 術 産 業 などの 将 来 を 担 う 人 材 の 育 成 を 目 的 とした 県 内 初 の 学 科 理 科 数 学 英 語 での 少 人 数 指 導 による 質 の 高 い 学 びを 提 供 するとともに 病 院 や 地 域 最 先 端 企 業 への 訪 問 やインターンシップ 医 学 部 や 薬 学 部 理 工 系 学 部 の 大 学 や 企 業 による 出 前 講 座 地 域 医 療 担 当 医 師 らによる 講 演 会 も 充 実 させ 地 域 に 貢 献 できる 人 材 を 育 成 することを 目 指 す
2 国 内 医 療 機 器 生 産 額 の 推 移 ( 指 数 平 成 11 年 =100) 年 平 成 11 年 平 成 12 年 平 成 13 年 平 成 14 年 平 成 15 年 平 成 16 年 平 成 17 年 平 成 18 年 平 成 19 年 平 成 20 年 生 産 金 額 ( 百 万 円 ) 1,487,902 1,486,266 1,516,989 1,503,507 1,498,918 1,534,365 1,572,401 1,688,344 1,684,465 1,692,352 対 前 年 増 減 指 数 月 平 均 生 産 金 額 増 減 額 ( 百 万 円 ) 比 ( %) (%) ( 百 万 円 ) -33,473-2.2 100.0 123,856-1,637-0.1 99.9 123,856 30,723 2.1 102.0 126,416-13,482-0.9 101.0 125,292-4,589-0.3 100.7 124,910 35,447 2.4 103.1 127,864 38,036 2.5 105.7 131,033 115,943 7.4 113.5 140,695-3,879-0.2 113.2 140,372 7,887 0.5 113.7 141,029 平 成 20 年 薬 事 工 業 生 産 動 態 統 計 年 報 3 都 道 府 県 別 医 療 機 器 生 産 金 額 都 道 府 県 名 生 産 金 額 対 前 年 増 減 構 成 割 合 20 年 ( 百 万 円 ) 19 年 ( 百 万 円 ) 増 減 額 ( 百 万 円 ) 比 (%) 20 年 (%) 19 年 (%) 全 国 1,692,352 1,684,465 7,887 0.5 100.00 100.00 1 栃 木 213,718 233,984-20,266-8.7 12.63 13.89 2 静 岡 181,779 187,714-5,935-3.2 10.74 11.14 3 東 京 141,674 155,130-13,456-8.7 8.37 9.21 4 大 分 114,521 109,489 5,032 4.6 6.77 6.50 5 埼 玉 98,449 93,826 4,623 4.9 5.82 5.57 ~ 27 宮 崎 11,508 11,394 114 1.0 0.68 0.68 平 成 20 年 薬 事 工 業 生 産 動 態 統 計 年 報
4 血 液 や 血 管 に 関 する 医 療 人 工 透 析 ( 透 析 療 法 ) 人 工 透 析 ( 透 析 療 法 )とは 機 能 の 低 下 した 腎 臓 に 代 わって 血 液 中 の 老 廃 物 や 過 剰 な 水 分 を 人 工 的 に 取 り 除 く 療 法 で 血 液 透 析 と 腹 膜 透 析 の 二 つの 方 法 がある 血 液 透 析 は 腕 の 血 管 から 血 液 を 透 析 装 置 に 送 り 血 液 をろ 過 してきれいになった 血 液 を 体 内 に 送 り 返 す 方 法 であり 通 常 病 院 やクリニックなどの 透 析 施 設 で 週 3~4 回 (1 回 4~5 時 間 )の 治 療 を 行 う 腹 膜 透 析 は 自 分 の 腹 膜 を 使 って 血 液 をきれいにする 方 法 であり 腹 腔 に 透 析 液 を 入 れ て 自 宅 や 職 場 など 社 会 生 活 の 中 で 治 療 を 行 う 国 内 の 慢 性 透 析 患 者 は 約 29 万 人 (2009.12 時 点 )であり そのほとんどが 血 液 透 析 治 療 を 行 っているが 治 療 のために 病 院 やクリニックに 頻 繁 に 通 う 必 要 があるなど 患 者 の 負 担 が 大 きいことが 指 摘 されている 現 在 九 州 保 健 福 祉 大 学 の 竹 澤 真 吾 教 授 と 国 内 医 療 機 器 メーカーが 患 者 の QOL の 向 上 や 透 析 医 療 経 済 上 の 効 果 を 目 指 して 操 作 が 簡 単 で 低 価 格 な 全 自 動 型 の 透 析 装 置 を 開 発 中 であり 在 宅 透 析 の 普 及 やアジア 地 域 における 透 析 治 療 の 機 会 拡 大 と 医 療 の 質 の 向 上 が 期 待 されている アフェレシス アフェレシスとは 有 効 な 治 療 薬 がない 難 病 治 療 分 野 や 副 作 用 等 の 影 響 で 医 薬 品 での 治 療 が 困 難 な 症 例 などに 対 する 治 療 法 として また 予 防 医 療 分 野 でも 注 目 されている 治 療 法 である 具 体 的 には 血 液 を 体 外 の 装 置 に 通 し ろ 過 吸 着 などの 分 離 技 術 で 病 気 に 関 わる 物 質 を 取 り 除 く 医 薬 品 とは 異 なり 自 分 の 血 液 を 浄 化 して 有 用 な 成 分 を 体 内 へ 戻 すため 体 に やさしい 治 療 法 として 患 者 の QOL の 向 上 につながるとともに 今 後 の 医 療 の 進 歩 や 疾 患 の 原 因 解 明 に 応 じて 多 くの 疾 患 に 対 して 大 きく 貢 献 することが 期 待 されている