大 阪 湾 における 水 環 境 変 化 と 水 産 資 源 の 変 遷 木 下 歩 * 宇 野 宏 司 ** Temporal Spatial Variation on Water Environment and Fishery Resources in Osaka Bay Ayumi KINOSHITA* Kohji UNO** ABSTRACT The industrial development in high-growth period after WWII led to the environmental degradation of Osaka bay which is one of the typical semi-closed water areas in Japan. In this study, we tried to clarify the relationship between the temporal spatial variation on water environment in Osaka Bay and the variation of fishery resources and that of water quality. Using the official statistical data, we grasped the trend of water and sediment quality of Osaka bay and the amount of fishery resource, respectively. In addition, the relationship between water and sediment quality and fishery resources was examined by the correlation analysis. From our findings, it is important the water and sediment quality not only in caught year but also in birth year. Keywords: Osaka Bay, the correlativity, fishery resources, correlation coefficient. 研 究 背 景 と 目 的 わが 国 有 数 の 閉 鎖 性 海 域 である 大 阪 湾 ( 図 -)は, 古 くは 茅 渟 (ちぬ)の 海 とも 呼 ばれ, 豊 富 な 水 産 資 源 に 恵 まれた 海 であった.しかし, 戦 後 復 興 から 経 済 成 長 期 にかけて, 台 風 による 高 潮 被 害 の 軽 減 と 物 流 生 産 機 能 の 強 化 を 目 的 とした 海 岸 保 全 施 設 が 多 く 設 置 されたことにより, 結 果 として 水 質 悪 化 や 水 産 資 源 の 減 少 などの 環 境 劣 化 をもたらした. 近 年 は, 行 政 による 海 域 環 境 を 改 善 するための 技 術 を 導 入 した 施 策 が 大 阪 湾 において 実 施 され, 様 々な 規 制 の 実 施 や 生 活 環 境 の 改 善 がなされているが,その 再 生 は 依 然 として 途 上 の 段 階 にある. 本 研 究 では, 大 阪 湾 内 で 行 われている 環 境 調 査 の 中 から, 大 阪 府 立 水 産 試 験 場 が 実 施 している 浅 海 定 線 調 * 専 攻 科 都 市 工 学 専 攻 ** 都 市 工 学 科 准 教 授 図 - 大 阪 湾 ( 出 典 :google earth) 査 () の 結 果 と 大 阪 府 が 実 施 している 大 阪 府 公 共 用 水 域 水 質 測 定 調 査 () の 結 果 を 用 いて, 水 質 底 質 の 経 年 変 化 を 把 握 した.また, 水 質 改 善 の 効 果 を 水 産 資 源 の 回 復 という 視 点 から 検 討 するため,ガザミ(Portunus trituberculatus)とクロダイ(acanthopagrus schlegelii) の 漁 獲 の 推 移 に 着 目 し, 大 阪 湾 の 水 環 境 の 変 化 と 水 産 -7-
st. st. C- 深 日 港 淡 輪 港 C-9 9 7 漁 獲 率 (%) 9 7 資 源 の 変 遷 との 相 関 性 をとらえることを 試 みた.. 調 査 方 法 st. A- ガザミ 阪 南 岬 泉 佐 野 泉 南 田 尻 泉 大 津 岸 和 田 忠 岡 堺 高 石 大 阪 7 9 図 - ガザミの 漁 獲 量 クロダイ 阪 南 岬 泉 佐 野 泉 南 田 尻 泉 大 津 岸 和 田 忠 岡 堺 高 石 大 阪 7 9 図 - クロダイの 漁 獲 量 ガザミ st. st. C- st.7 st.7 B- C- st. B- st.9 図 - 漁 業 範 囲 と 調 査 定 点 クロダイ 大 阪 湾 では, 現 在, 水 質 改 善 が 一 部 の 海 域 ではみら れているが, 淀 川 や 神 崎 川 などの 河 川 からの 流 入 負 荷 () や 大 規 模 な 埋 め 立 てによる 流 動 環 境 の 変 化 (), 湾 奥 部 から 東 部 海 域 で 多 く 発 生 している 赤 潮 () など, 依 然 と 9 神 戸 ~ 大 阪 市 海 域 刺 網 漁 業 小 型 定 置 網 阪 南 岬 泉 佐 野 泉 南 田 尻 泉 大 津 岸 和 田 忠 岡 堺 高 石 大 阪 図 - ガザミとクロダイの 市 町 別 漁 獲 率 して 様 々な 環 境 問 題 を 抱 えている.そこで 本 研 究 では, まず, 浅 海 定 線 調 査 と 大 阪 府 公 共 用 水 域 水 質 測 定 調 査 の 結 果 を 用 いて 水 質 や 底 質 の 経 年 変 化 を 把 握 した.ま た,これらの 水 質 底 質 データと 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 () による 魚 種 別 漁 獲 量 とを 用 いて 水 質 底 質 と 漁 獲 量 との 相 関 関 係 を 調 べた. 図 - に 漁 業 範 囲 と 調 査 定 点 を 示 す.. 使 用 データの 概 要 使 用 データの 概 要 について 以 下 に 示 す. 浅 海 定 線 調 査 は,97 年 度 から 旧 大 阪 府 立 水 産 試 験 場 ( 現 在 は 大 阪 府 環 境 農 林 水 産 総 合 研 究 所 ) が 水 質 に 関 して 年 回 行 なっている. 代 表 的 な 測 定 項 目 として, 健 康 項 目 の 硝 酸 性 窒 素 などや, 生 活 環 境 項 目 の COD や DO などがある. 採 取 水 深 は, 表 層 では 海 面 下 m, 底 層 では 水 深 が m 未 満 の 場 合 は 海 底 面 上 m, 水 深 が m 以 上 の 場 合 は 海 底 面 上 m である. 大 阪 府 公 共 用 水 域 水 質 測 定 調 査 は,97 年 度 から 大 阪 府 環 境 農 林 水 産 総 合 研 究 所 が 水 質 底 質 に 関 して 基 準 点 により 原 則 として 年 回 以 上 あるいは 年 回 以 上 行 なっている. 測 定 項 目 は 浅 海 定 線 調 査 と 同 様 である. 採 取 水 深 は, 表 層 では 海 面 下 m, 底 層 では,st.~7 は 海 底 面 上 m,st. は 海 底 面 上 m, 上 記 以 外 は 海 底 面 上 m となっている. 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 は, 農 林 水 産 省 が 主 体 となっ て 行 っている.ただし, 本 調 査 の 対 象 期 間 は 年 度 単 位 ではなく, 毎 年 月 日 から 月 日 までである.. 海 域 別 の 水 環 境 と 水 産 資 源 の 変 化 本 研 究 で は, 底 生 水 産 資 源 の 代 表 としてガザミを, 回 遊 性 水 産 資 源 の 代 表 としてクロダイを 取 り 上 げ, 海 域 ごとに 漁 業 別 漁 獲 量 を 集 計 した.ガザミの 幼 生 はプランクトン として 浮 遊 生 活 を 送 るため, 表 層 水 質 についても 考 慮 する 必 要 があると 考 えた.また 秋 季 に 浅 海 域 に 出 現 す る (7) ことから, 秋 季 の 表 層 水 質 の 経 年 変 化 と 比 較 する こととした. 一 方, 回 遊 性 のクロダイについては, 夏 季 から 秋 季 にかけて 盛 期 である () ことから, 秋 季 の 表 層 水 質 と 小 型 定 置 網 による 漁 獲 量 とを 比 較 した. 次 に, 図 -, 図 - に 示 す 市 町 別 の 漁 獲 量 (~9 年 )を もとにガザミとクロダイの 市 町 別 漁 獲 率 を 算 出 した ( 図 -).. 水 環 境 の 変 化 と 水 産 資 源 変 動 との 相 関 性 大 --
COD(mg/g) 図 - 底 層 DO の 経 年 変 化 図 -7 底 質 COD の 経 年 変 化 ガザミの st. st.9 C- B- B- ガザミの st. st. st. 9 9 9 97 9 9 9 99 99 9 9 9 97 9 9 9 99 99 図 - 海 域 別 ガザミの 漁 獲 量 と 表 層 COD の 経 年 変 化 ガザミの st. st.9 C- B- B- ガザミの st. st. st. 9 9 9 97 9 9 9 99 99 9 9 9 97 9 9 9 99 99 図 -9 海 域 別 ガザミの 漁 獲 量 と 表 層 DO の 経 年 変 化 阪 湾 の 水 環 境 の 変 化 と 水 産 資 源 変 動 の 相 関 性 について 検 討 するにあたり, 漁 獲 されるまでの 水 環 境 が 資 源 量 に 影 響 するものと 考 え, 遅 れ 年 数 を 考 慮 した.クロ ダイは 出 世 魚 であり,そのように 呼 ばれる 体 長 cm に 達 するまで 年 かかるので 遅 れ 年 数 を ~ 年 とし た. 一 方,ガザミについては, 寿 命 が 年 であること から 遅 れ 年 数 を ~ 年 と 変 化 させて, 各 遅 れ 年 に 対 す る 水 質 と 漁 獲 された 年 の 漁 獲 量 との 相 関 係 数 (9) を 計 算 した.. 調 査 結 果. 海 域 別 の 水 環 境 と 水 産 資 源 の 変 化 年 か らのガザミの 漁 獲 量 ( 図 -)をみると, 年 以 降 に 約 t も 減 少 していた. 底 層 DO( 図 -)については 常 に 環 境 基 準 値 を 満 たしているが, 底 質 COD( 図 -7) について,ガザミの 主 漁 場 である (A)での 値 が, 年 以 前 には 改 善 傾 向 にあったの が, 年 を 境 に 悪 化 しており,このことが 漁 獲 量 減 少 の 一 因 であると 考 えられる.また,99 年 以 降 も 基 -9-
の の....... 9 9 9 97 9 9 9 99 99 NO-N(mg/l). の の.7...... 9 9 9 97 9 9 9 99 99 PO-P(mg/l) 図 - 海 域 別 ガザミ 漁 獲 量 と 表 層 硝 酸 性 窒 素 の 経 年 変 化 準 値 を 満 たさない 年 が 散 見 され, 環 境 改 善 が 十 分 にな されているとはいえない 状 況 である. 図 - に 海 域 別 のガザミの 漁 獲 量 と 表 層 COD の 経 年 変 化 を 示 す. では, 例 年 t ほどの 漁 獲 量 しか 見 られないが, 漁 獲 量 が 比 較 的 多 い 9 年 から 年 の 表 層 COD は 低 い 値 を 示 している.しかし, 99 年 頃 に 漁 獲 量 が 激 減 した 以 降 は, 表 層 水 質 底 質 とも 改 善 が 見 られず, 漁 獲 量 は 減 少 したままである. 一 方, においては,99 年 代 後 半 以 降 の 表 層 COD は 改 善 悪 化 を 繰 り 返 しており, 年 以 降 の 漁 獲 量 の 大 幅 な 減 少 に 何 らかの 影 響 を 及 ぼしている 可 能 性 が 考 えられる.また 前 述 の 底 質 COD の 挙 動 とは 差 異 が 認 められる.このことも 漁 獲 量 減 少 に 何 らかの 影 響 を 及 ぼしている 可 能 性 がある. 図 -9 に 海 域 別 のガザミの 漁 獲 量 と 表 層 DO の 経 年 変 化 を 示 す.9 年 前 半 まで 表 層 DO は 横 ばいとなって おり, 漁 獲 量 も 安 定 傾 向 であった. 近 年 は 表 層 DO の 回 復 が 見 られるものの, 年 のように 一 時 的 に 急 減 する 時 期 もあり,ガザミの 漁 獲 量 低 下 に 何 らかの 影 響 を 及 ぼしている 可 能 性 が 考 えられる. 図 -, 図 - に 赤 潮 の 発 生 要 因 の 栄 養 塩 とされる 硝 酸 性 窒 素 リン 酸 性 リン( 表 層 )の 経 年 変 化 を 示 す. これを 見 ると,ガザミの 漁 獲 量 が 大 きく 減 少 した 年 以 降 それぞれ 値 が 増 加 している 様 子 が 見 られる.し かし, 漁 獲 量 が 多 い 9 年 代 と 比 べると 値 そのものは 年 以 降 も 変 わらないため, 本 データのみで 漁 獲 量 の 増 減 への 直 接 的 な 影 響 を 結 論 づけることはできない. 図 - に 海 域 別 のクロダイの 漁 獲 量 と 表 層 COD の 経 図 - 海 域 別 ガザミ 漁 獲 量 と 表 層 リン 酸 性 リンの 経 年 変 化 神 戸 ~ 大 阪 市 海 域 クロダイの C- st.7. 9 9 9 97 9 9 9 99 99 阪 南 市 ~ 岬 町 海 域 ( 淡 輪 港 内 ) クロダイの C- 9 9 9 97 9 9 9 99 99 岬 町 周 辺 海 域 ( 深 日 港 内 ) クロダイの C-9 9 9 9 97 9 9 9 99 99......... 図 - 海 域 別 クロダイの 漁 獲 量 と 表 層 COD の 経 年 変 化 年 変 化 を 示 す.クロダイの 漁 獲 量 については,99 年 までは t 前 後 であったが,それ 以 降 徐 々に 回 復 の 傾 向 にあり, 年 には t 前 後 まで 回 復 している. 一 方, 表 層 COD については,9 年 から 99 年 にかけ て 増 減 を 繰 り 返 しながらも 水 質 は 改 善 傾 向 にあったが, 99 年 以 降 は 増 加 傾 向 に 転 じている. 特 に 岬 町 周 辺 海..... --
神 戸 ~ 大 阪 市 海 域 表 - ガザミの 漁 獲 量 と 水 質 底 質 データの 相 関 係 数 クロダイの C- st.7 ガザミ 9 9 9 97 9 9 9 99 99 阪 南 市 ~ 岬 町 海 域 ( 淡 輪 港 内 ) クロダイの C- 解 析 対 象 ( 年 ) 項 目 遅 れ 年 数 水 質 ( 表 層 ) 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 97~ COD -. -.. -.7 97~ DO -. -.7. -.7 99~ NH -N.99. -. -.77 977~9 NH -N -.7 -.79.9 -.7 9~ PO -P -.. -.9 -.9 9 9 9 97 9 9 9 99 99 岬 町 周 辺 海 域 ( 深 日 港 内 ) クロダイの C-9 997~ T-N. -.7 -. -.7 997~ T-P -. -.7 -.7 -. 水 質 ( 底 層 ) 9~ COD -.9 -. -.. 9~ DO. -. -. -. 99~ NH -N.... 9~ PO -P -... -.7 9 9 9 97 9 9 9 99 99 図 - 海 域 別 クロダイの 漁 獲 量 と 表 層 DO の 経 年 変 化 域 ( 深 日 港 内 )において 表 層 COD が 99 年 に 示 した. mg/l 以 外 低 い 値 を 示 した.99 年 以 降 に 漁 獲 量 の 増 加 が 見 られており, 表 層 COD が 漁 獲 量 に 何 らかの 影 響 を 及 ぼしていることが 考 えられる. 一 方, 表 層 COD の 増 加 によって 漁 獲 量 が 増 加 している 海 域 もみられ, 漁 獲 量 増 加 にはある 程 度 の 有 機 物 流 入 も 必 要 とも 考 え られる.なお, 阪 南 市 ~ 岬 町 海 域 ( 淡 輪 港 内 )での 表 層 COD が 他 海 域 に 比 べて 高 い 傾 向 を 示 すのは, 強 い 閉 鎖 性 地 形 によるものであると 思 われる. 図 - に 海 域 別 のクロダイの 漁 獲 量 と 表 層 DO の 経 年 変 化 を 示 す. 表 層 DO に 関 しては, 多 少 の 変 動 は 見 られるがどの 海 域 も 右 上 がり 傾 向 であり,クロダイの 漁 獲 量 が 増 大 するという 傾 向 が 示 された.. 水 環 境 の 変 化 と 水 産 資 源 変 動 との 相 関 性 表 - にガザミの 漁 獲 量 と 水 質 底 質 データの 相 関 係 数 を 示 す. 遅 れ 年 数 は 漁 獲 年 を 基 準 として 算 出 した. 997~ T-N -.77 -... 997~ T-P -.9 -.. -.99 底 質 9~ COD..7 -.7 -. 9~ 強 熱 減 量.7 -. -.. 色 づけされたカラムは, 水 質 改 善 に 対 する 相 関 の 最 も 強 いものを 示 している.なお, 相 関 係 数 の 符 号 につい ては 水 質 項 目 によって 意 味 が 異 なることに 注 意 が 必 要 である. 例 えば DO の 場 合 は, 漁 獲 量 増 加 と DO 増 加 の 組 み 合 わせで 得 られた 正 の 相 関 が 高 い 場 合 に 意 味 を なす. 一 方,COD 等 その 他 の 水 質 項 目 については, 漁 獲 量 増 加 と 水 質 底 質 減 少 の 組 み 合 わせによる 負 の 相 関 が 高 い 場 合 に 意 味 をなす. 表 層 においては,COD や DO が 遅 れ 年 数 が, 年 のときに 相 関 が 強 い 傾 向 を 示 した. 各 COD の 相 関 係 数 を 見 ると, 底 層 や 底 質 に 比 べ, 表 層 の 方 が 正 の 相 関 が 強 く 示 された.また 底 層 において, 遅 れ 年 の 相 関 が 強 い 傾 向 にあることから, 漁 獲 量 の 変 化 には 漁 獲 され た 年 の 水 環 境 が 直 ちに 影 響 している 可 能 性 が 高 いもの と 推 測 される. 表 - にクロダイの 漁 獲 量 と 水 質 底 質 データの 相 関 係 数 を 示 す. 表 層 水 質 について 見 ると, 遅 れ ~ 年 の --
表 - クロダイの 漁 獲 量 と 水 質 底 質 データの 相 関 係 数 クロダイ 解 析 対 象 ( 年 ) 項 目 遅 れ 年 数 水 質 ( 表 層 ) 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 年 遅 れ 7 年 遅 れ 年 遅 れ 9 年 遅 れ 年 97~ COD.9 -. -.9 -.7 -. -.9 -. -. -. -. -. 97~ DO.7.....7....9.7 99~ NH -N -. -. -...7 -. -.9 977~9 NH -N -. -.9.9 -.9..7 -. -. -. -. -.9 9~ PO -P.9... -. -. 水 質 ( 底 層 ) 9~ COD..79..9..... -.. 9~ DO -...79..7.....9 -. 底 質 9~ COD -. -.9 -. -.7 -. -. -.7 -.7 -. -..9 9~ 強 熱 減 量 -.7...7...7..99.. 相 関 係 数 が 高 い 傾 向 にあり,クロダイと 呼 ばれる 成 魚 になるまでに, 年 かかることから, 仔 魚 期 の 水 質 が クロダイの 漁 獲 に 大 きく 影 響 していると 考 えられる. 一 方, 底 層 水 質 に 対 しては 相 関 係 数. 以 下 と 表 層 に 比 べて 相 関 が 低 いことから,クロダイの 生 態 には 表 層 水 質 がより 重 要 であることが 示 唆 された. 参 考 文 献 () 大 阪 府 水 産 試 験 場 : 大 阪 府 水 産 試 験 場 事 業 報 告, 97~. () 大 阪 府 : 公 共 用 水 域 水 質 等 データベース http://www.epcc.pref.osaka.jp/center_etc/water/data_bas/index.html () 大 阪 湾 環 境 データベース: http://kouwan.pa.kkr.mlit.go.jp/kankyo-db/.まとめ 本 研 究 では, 大 阪 湾 の 環 境 改 善 の 進 捗 状 況 を 把 握 す るため, 水 質 変 化 と 水 産 資 源 との 相 関 性 について 調 べ た. 大 阪 湾 では, 表 層 COD の 低 下 傾 向 や 表 層 DO の 増 加 傾 向 が 各 海 域 で 伺 え, 水 質 は 改 善 傾 向 にある.クロ ダイは, 漁 獲 量 年 と 水 質 底 質 の 測 定 年 に 遅 れが 見 ら れ, 近 年 の 水 質 改 善 による 漁 獲 量 の 増 加 する 可 能 性 が 示 唆 された. 一 方,ガザミの 漁 獲 量 と 表 層 の COD の 経 年 変 化 を 海 域 別 に 比 較 したところ, 関 空 周 辺 泉 南 海 域 は COD 値 が 比 較 的 低 く, に 比 べガザミ の 漁 獲 量 が 高 くなっていた.また, 水 質 と 漁 獲 高 との 相 関 係 数 を 遅 れ 年 数 を 考 慮 して 求 めた 結 果,ガザミの 漁 獲 量 は, 産 卵 できる 親 ガニになるまでの 年 間 の 水 環 境 と 密 接 な 関 連 があることが 示 唆 された. () 上 嶋 英 機 田 辺 弘 道 宝 田 盛 康 山 崎 宗 弘 : 大 阪 湾 で 構 想 されている 大 規 模 埋 立 による 流 動 環 境 変 化 に 関 する 研 究, 海 岸 工 学 論 文 集, 第 巻,99. () 城 久 : 大 阪 湾 に 発 生 する 赤 潮 の 特 性, 生 活 衛 生, 9, pp.~,9. () 農 林 水 産 省 : 海 面 漁 業 生 産 統 計 調 査 http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/kaimen_gyosei/index.html (7) 有 山 啓 之 : 大 阪 湾 におけるガザミの 生 態 と 資 源 培 養 に 関 する 研 究, 大 阪 府 水 産 試 験 場 研 究 報 告 第 号,99P.,. () 日 本 の 旬 魚 のお 話 : http://www.maruha-shinko.co.jp/uodas/syun/9-kurodai. html (9) 中 野 晋 片 岡 孝 一 田 所 真 路 : 徳 島 沿 岸 における アカウミガメ 上 陸 頭 数 の 減 少 要 因 の 検 討, 環 境 シ ステム 研 究 論 文 集,Vol.,pp.7-,. --