日 本 の 再 生 に 向 けて - 東 日 本 大 震 災 復 興 への 提 言 - 平 成 23 年 7 月 全 国 知 事 会 東 日 本 大 震 災 復 興 協 力 本 部
- 東 日 本 大 震 災 日 本 の 再 生 に 向 けて 復 興 への 提 言 - 東 日 本 大 震 災 復 興 協 力 本 部 平 成 23 年 3 月 11 日 午 後 2 時 46 分 岩 手 県 三 陸 沖 を 震 源 とするマク ニチュート 9.0の 大 地 震 が 発 生 した これによる 巨 大 津 波 によって 東 北 地 方 の 太 平 洋 沿 岸 の 市 町 村 で はまち 並 みが 根 こそぎ 倒 壊 流 出 し 集 落 が 消 滅 したほか 地 震 動 火 災 液 状 化 なども 相 まって 東 日 本 に 災 害 史 上 未 曾 有 の 壊 滅 的 な 被 害 が 発 生 した 死 者 行 方 不 明 者 は 合 わせて2 万 人 を 超 え 約 12 万 人 に 上 る 被 災 者 は 今 なお 体 育 館 や 公 民 館 仮 設 住 宅 などで 不 自 由 な 暮 らしを 余 儀 なくされており 多 くの 国 民 は 復 興 への 取 組 の 遅 れに 対 して 深 い 懸 念 を 抱 いている 更 に 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 における 事 故 は 依 然 として 収 束 の 兆 しが 見 えない 状 況 の 中 警 戒 区 域 や 計 画 的 避 難 区 域 等 に 加 え 新 たに 特 定 避 難 勧 奨 地 点 が 設 定 されたことにより 関 係 住 民 は 今 もなお 出 口 の 見 えない 避 難 生 活 を 強 いられている また 放 射 性 物 質 による 汚 染 の 影 響 は 国 内 のみでなく 海 外 への 食 品 をはじめ 工 業 製 品 に 至 る 多 くの 輸 出 品 目 に 風 評 被 害 を 与 えてい る また 放 射 能 に 関 する 安 全 基 準 が 明 確 にされず そのことが 混 乱 に 輪 をか けている 日 本 全 体 の 経 済 活 動 は 電 力 不 足 の 影 響 と 相 まって このままでは 活 力 の 喪 失 にもつながりかねず 東 日 本 大 震 災 発 災 後 4ヶ 月 経 った 今 でも 復 旧 復 興 の 手 がかりを 模 索 する 状 況 が 続 いている こうした 状 況 の 中 国 においては 復 興 の 基 本 理 念 や 基 本 的 施 策 復 興 対 策 本 部 や 復 興 庁 の 設 置 特 区 制 度 の 整 備 等 を 内 容 とする 復 興 基 本 法 を 制 定 し 復 興 構 想 会 議 での 提 言 なども 踏 まえた 取 り 組 みを 進 めている 本 会 においても 発 災 直 後 に 緊 急 広 域 災 害 対 策 本 部 を 設 置 して 支 援 物 資 の 提 供 や 職 員 派 遣 などの 応 急 対 策 に 当 たった 5 月 12 日 からは 東 日 本 大 震 災 復 興 協 力 本 部 ( 本 部 長 : 上 田 埼 玉 県 知 事 )を 中 核 とした 復 興 支 援 のための 協 力 体 制 を 整 備 して 被 災 市 町 村 の 義 援 金 支 給 関 連 業 務 への 職 員 派 遣 など 中 長 期 にわたる 人 的 支 援 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 に 対 する 国 への 支 援 強 化 要 請 など 被 災 地 からのニーズにきめ 細 かく 対 応 するとともに 今 後 発 生 が 予 想 される 巨 大 地 震 等 による 大 規 模 災 害 への 実 効 ある 対 策 の 確 立 に 向 けて 取 組 を 進 めている 今 後 一 刻 も 早 い 被 災 地 の 復 興 を 成 し 遂 げ 国 難 とも 言 える 今 回 の 事 態 を 乗 り 越 えて 日 本 の 再 生 を 果 たすためには 国 と 地 方 が 総 力 を 結 集 して 取 り 組 む 必 要 がある ついては 国 が 被 災 県 から 既 に 提 出 されている 提 言 要 望 に 誠 実 に 対 応 する とともに 当 面 する 緊 急 課 題 である 以 下 の 事 項 について 地 方 と 十 分 に 協 議 の 上 速 やかに 対 応 するよう 提 言 する - 1 -
1. 地 方 の 主 体 性 を 活 かしながら 迅 速 に 復 興 対 策 に 取 り 組 むべき 提 言 1 復 興 基 本 方 針 の 早 期 提 示 東 日 本 大 震 災 では 大 津 波 や 地 震 動 火 災 液 状 化 などによりそれぞれ のまちに 甚 大 な 被 害 が 生 じたが 復 興 まちづくりの 基 本 的 な 方 向 が 明 らか にならなければ 住 宅 商 店 事 業 所 工 場 等 は 現 地 復 旧 復 興 事 業 を 推 進 することすらできない しかも 被 災 地 の 地 理 的 特 性 や 被 害 の 態 様 が 様 々 であることから それぞれにふさわしいまちづくり 復 興 計 画 が 早 期 に 策 定 できるよう 配 慮 することが 必 要 である 国 は 早 急 に 復 興 基 本 法 第 3 条 に 規 定 する 東 日 本 大 震 災 復 興 基 本 方 針 を 定 め るとともに 各 地 域 における 復 興 まちづくりに 必 要 となる 予 算 措 置 等 を 速 やかに 講 じること 提 言 2 復 興 特 区 の 速 やかな 制 度 設 計 と 有 効 活 用 地 域 主 導 による 復 興 を 迅 速 に 進 めるには 大 胆 な 規 制 緩 和 や 税 制 優 遇 等 の 特 例 を 認 める 復 興 特 区 の 活 用 が 不 可 欠 である 復 興 基 本 法 に 位 置 づ けられた 復 興 特 区 の 有 効 活 用 を 図 るため 国 は 地 方 の 意 見 を 踏 まえつつ 早 急 に 制 度 設 計 を 行 うこと 制 度 設 計 に 当 たっては 既 存 の 特 区 制 度 のスキームに 捉 われることなく 国 は 最 小 限 の 範 囲 の 関 与 にとどめ 地 域 が 主 体 的 に 策 定 した 復 興 計 画 を 速 やかに 実 施 できる 簡 便 な 手 続 きとすること なお 既 に 岩 手 県 や 宮 城 県 から 具 体 的 な 特 区 提 案 がなされているところ であり これらの 提 案 が 実 現 できるよう 制 度 設 計 及 び 運 用 を 行 うこと 提 言 3 高 速 道 路 ネットワークの 整 備 促 進 復 興 に 向 けて 力 強 く 進 んでいくには 三 陸 沿 岸 地 域 及 び 日 本 海 沿 岸 地 域 を 南 北 に 貫 く 縦 軸 と 東 西 を 結 ぶ 東 北 横 断 自 動 車 道 等 横 軸 の 格 子 状 の 高 速 道 路 ネットワークの 整 備 が 喫 緊 の 課 題 である 住 民 生 活 や 経 済 活 動 を 支 える 円 滑 な 物 流 を 確 保 し 早 急 に 被 災 した 地 方 の 骨 格 を 固 めるためにも 高 速 道 路 ネットワークの 早 期 完 成 を 図 ること 提 言 4 津 波 対 策 のための 防 災 施 設 等 の 早 期 復 旧 整 備 新 たなまちづくりを 進 めるためには 安 全 な 土 地 の 確 保 の 見 通 しが 必 要 である 各 自 治 体 の 復 興 計 画 策 定 推 進 のため 早 急 に 湾 口 防 波 堤 や 防 潮 堤 等 の 整 備 方 針 を 示 し 早 期 完 成 を 図 ること - 2 -
提 言 5 迅 速 ながれき 処 理 の 推 進 地 域 復 旧 の 第 一 歩 となるのが 被 災 地 のがれき 処 理 である がれき 処 理 は 基 本 的 には 市 町 村 の 事 務 とされているところであるが 東 日 本 大 震 災 で 発 生 したがれきは 広 域 かつ 大 量 に 発 生 しているため 各 自 治 体 の 処 理 能 力 を 大 きく 超 えている 迅 速 な 復 旧 を 進 めるため がれき 処 理 については 国 が 主 導 して 広 域 処 理 体 制 を 構 築 し 支 援 する 他 国 の 直 轄 事 業 や 県 への 補 助 事 業 を 導 入 するな ど 既 存 の 制 度 や 従 来 からの 役 割 分 担 を 超 えた 弾 力 的 な 運 用 や 特 例 措 置 を 実 施 すること 提 言 6 復 興 財 源 の 確 保 と 自 由 度 の 高 い 交 付 金 制 度 等 の 創 設 被 災 地 において 復 興 に 必 要 な 財 源 が 確 実 に 確 保 されるよう 復 興 財 源 の あり 方 について 地 方 を 交 えた 議 論 検 討 をただちに 開 始 すること 被 災 した 自 治 体 や 避 難 者 を 受 け 入 れている 自 治 体 が 実 施 する 復 旧 復 興 事 業 に 要 する 経 費 に 対 しては 地 方 交 付 税 総 額 とは 別 枠 で 財 源 を 確 保 すると ともに 不 交 付 団 体 にも 確 実 に 財 源 を 措 置 すること また 被 災 地 の 復 興 財 源 として 地 域 の 実 情 に 応 じて 地 域 が 主 体 的 判 断 で 復 旧 復 興 を 実 施 できるよう 自 由 度 の 高 い 包 括 的 交 付 金 制 度 を 創 設 す るとともに 復 興 税 として 基 幹 税 を 臨 時 に 増 税 する 場 合 は その 法 定 割 合 を 地 方 交 付 税 とし 通 常 分 とは 別 枠 によりその 総 額 を 確 保 すること さらに 災 害 復 旧 事 業 について 国 庫 補 助 率 のさらなるかさ 上 げや 補 助 対 象 範 囲 の 拡 大 や 国 が 実 施 する 直 轄 道 路 等 の 災 害 復 旧 復 興 事 業 に 対 する 被 災 した 自 治 体 からの 負 担 金 を 廃 止 するなどの 弾 力 的 な 財 政 支 援 措 置 を 講 ずること 提 言 7 被 災 県 ごとの 大 規 模 な 復 興 基 金 の 早 期 創 設 各 般 にわたる 復 興 対 策 を 補 完 し 被 災 地 の 実 情 や 被 災 者 のニーズに 即 した 復 興 対 策 を 長 期 安 定 的 に 地 域 の 判 断 で 主 体 的 に 展 開 できるよう 阪 神 淡 路 大 震 災 時 を 大 幅 に 上 回 る 復 興 基 金 を 被 災 県 ごとに 早 期 に 創 設 すること 提 言 8 第 3 次 補 正 予 算 の 速 やかな 編 成 と 執 行 復 興 構 想 会 議 の 提 言 や 被 災 地 の 要 望 などを 踏 まえ 直 接 的 被 害 を 受 けた 被 災 地 はもとより 併 せて 多 大 な 間 接 的 被 害 を 被 っている 東 日 本 全 体 の 復 興 に 向 けて インフラの 整 備 まちづくり 農 林 水 産 業 の 生 産 基 盤 の 復 興 産 業 振 興 放 射 能 汚 染 対 策 など 本 格 的 な 復 興 対 策 を 盛 り 込 んだ 第 3 次 補 正 予 算 を 財 源 措 置 との 同 時 決 定 にこだわらず 速 やかに 編 成 し ただちに 実 施 すること その 際 財 源 を 今 を 生 きる 世 代 のみで 負 担 することを 強 調 して 事 業 規 模 を 制 約 することなく 円 高 の 是 正 デフレ 経 済 からの 脱 却 に - 3 -
より 経 済 回 復 を 図 り 復 興 債 を 発 行 し 日 銀 がその 役 割 を 十 分 果 たす 中 で 資 金 調 達 を 行 うことなどにより 財 源 を 確 保 し 復 興 に 必 要 な 事 業 を 迅 速 か つ 支 障 なく 実 施 できるよう 十 分 な 事 業 費 を 計 上 すること 2. 福 島 第 一 原 発 事 故 の 早 期 収 束 と 安 全 対 策 の 確 立 を 実 現 すべき 提 言 1 福 島 第 一 原 発 における 事 故 の 早 急 な 収 束 いまだ 収 束 の 兆 しが 見 えない 福 島 第 一 原 発 事 故 に 柔 軟 かつ 大 胆 に 対 応 で きるよう 官 民 及 び 国 内 外 の 叡 智 を 集 めた 取 組 を 進 めること 提 言 2 原 子 力 発 電 に 関 する 安 全 対 策 の 確 立 今 次 の 事 故 により 得 られた 知 見 や 徹 底 検 証 の 結 果 等 を 踏 まえ 防 災 指 針 や 原 子 力 発 電 所 等 に 対 する 耐 震 設 計 審 査 指 針 などの 安 全 基 準 を 抜 本 的 に 見 直 し 国 内 の 他 の 原 子 力 発 電 所 等 における 安 全 対 策 も 強 化 すること また 地 域 住 民 の 安 全 安 心 を 確 保 する 地 域 防 災 計 画 の 見 直 しを 早 期 に 行 うため 防 災 対 策 を 重 点 的 に 充 実 すべき 範 囲 (EPZ)を 原 子 力 発 電 所 から8~10kmに 設 定 している 現 行 の 原 子 力 施 設 等 の 防 災 対 策 について( 防 災 指 針 ) や 国 の 防 災 基 本 計 画 を 都 道 府 県 域 を 超 えた 大 規 模 災 害 にも 対 応 できるよう 原 発 の 立 地 しない 地 方 自 治 体 の 意 見 も 踏 まえ 早 急 に 見 直 すこと 提 言 3 放 射 能 汚 染 に 対 する 安 全 対 策 の 推 進 オフサイトセンターが 今 回 の 事 故 では 機 能 しなかったことを 十 分 検 証 し 今 後 の 対 策 に 反 映 させること また 放 射 線 量 等 に 関 するモニタリングを 強 化 し 広 域 的 かつ 長 期 継 続 的 な 測 定 を 国 が 責 任 をもって 実 施 するとともに 国 内 外 に 正 確 な 情 報 を 迅 速 に 発 信 すること 更 に 放 射 線 量 飲 料 水 食 品 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 土 壌 や 上 下 水 汚 泥 廃 棄 物 等 に 関 する 各 種 安 全 基 準 や 取 扱 い 等 に 関 する 指 針 を 速 やかに 明 確 に 設 定 した 上 住 居 や 公 園 校 庭 園 庭 等 の 土 壌 農 地 の 除 染 や 廃 棄 物 等 の 安 全 な 処 理 方 法 の 提 示 と 実 施 など 住 民 生 活 や 子 どもの 学 校 生 活 等 の 安 全 安 心 を 確 保 する 対 策 を 強 化 すること さらに 放 射 線 量 や 放 射 性 物 質 に 対 する 監 視 検 査 体 制 の 拡 充 強 化 を 図 るため 必 要 な 資 機 材 の 配 備 等 について 財 政 支 援 措 置 を 講 ずること 提 言 4 風 評 被 害 対 策 の 強 化 日 本 産 食 品 等 に 関 する 輸 入 規 制 が 強 化 長 期 化 されないよう また 輸 入 規 制 に 踏 み 切 る 国 等 が 拡 大 しないよう 関 係 国 等 への 働 きかけを 強 化 すると - 4 -
ともに 政 府 として 国 際 社 会 に 対 して 農 林 水 産 物 加 工 食 品 工 業 製 品 観 光 サービスなど 広 範 な 分 野 地 域 に 関 する 安 全 性 を 緊 急 に 宣 言 するこ と また これらの 分 野 等 に 係 る 風 評 の 払 拭 に 向 けた 的 確 かつ 積 極 的 な 情 報 発 信 や 農 林 水 産 物 及 び 工 業 製 品 等 の 安 全 性 の 証 明 に 必 要 な 検 査 等 により 生 じ る 企 業 等 の 新 たな 負 担 に 対 する 対 策 を 講 じること また 被 災 地 から 避 難 された 人 々が 風 評 等 により いわれなく 差 別 や いじめを 受 けることがないよう 国 民 各 層 への 周 知 を 図 るため 一 層 の 情 報 発 信 に 努 めること さらに 農 林 水 産 物 等 の 風 評 被 害 による 経 済 的 損 害 について 確 実 に 賠 償 等 の 対 象 とすること 提 言 5 原 子 力 災 害 に 対 する 十 分 な 財 政 支 援 原 子 力 発 電 所 事 故 による 影 響 を 早 急 に 払 拭 するために 必 要 な 地 方 の 取 組 み に 対 し 使 途 の 自 由 な 交 付 金 制 度 の 創 設 等 十 分 な 財 政 支 援 を 行 うこと 提 言 6 国 内 産 品 の 輸 出 証 明 書 発 行 事 務 対 策 日 本 産 食 品 に 対 する 輸 入 規 制 に 対 し 適 切 に 対 応 すること 特 に 現 在 都 道 府 県 が 行 っている 輸 出 証 明 書 の 発 行 について 都 道 府 県 の 負 担 とならな いよう 配 慮 すること 3. 被 災 者 支 援 施 策 を 充 実 強 化 すべき 提 言 1 被 災 者 に 対 する 支 援 の 充 実 強 化 地 震 津 波 災 害 及 び 原 子 力 災 害 により 避 難 を 余 儀 なくされ 慣 れない 環 境 で 生 活 再 建 に 取 り 組 んでいる 被 災 者 に 対 し 住 宅 雇 用 をはじめ 生 活 全 般 に わたるきめの 細 かい 支 援 を 機 動 的 に 実 施 すること また 原 子 力 災 害 に 伴 う 被 災 者 の 早 期 救 済 に 万 全 を 尽 くすとともに 損 害 の 賠 償 等 に 当 たっては 立 法 措 置 も 含 め 国 が 全 責 任 を 持 って 対 応 すること 提 言 2 原 子 力 災 害 被 災 者 への 経 済 的 支 援 原 子 力 災 害 被 災 者 の 税 負 担 に 対 する 救 済 について 特 別 法 を 制 定 すること などにより 地 震 津 波 災 害 と 同 様 に 措 置 するとともに 地 方 自 治 体 における 地 方 税 収 入 等 の 減 に 係 る100%の 財 源 措 置 を 講 じること 提 言 3 住 宅 確 保 のための 支 援 避 難 所 で 避 難 している 方 々が 一 刻 も 早 く 安 心 して 生 活 できるよう 応 急 仮 設 住 宅 の 迅 速 な 建 設 を 支 援 するとともに 公 営 民 間 住 宅 等 の 活 用 を 促 進 すること - 5 -
また 今 後 恒 久 的 な 住 宅 供 給 対 策 として 災 害 公 営 住 宅 地 域 優 良 賃 貸 住 宅 や 改 良 住 宅 などの 整 備 が 大 量 に 必 要 となることから 補 助 率 の 引 上 げや 地 方 負 担 に 係 る 全 額 交 付 税 措 置 の 実 施 また 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 にお ける 対 象 災 害 の 見 直 し 等 の 制 度 の 総 合 的 な 見 直 しを 行 い 被 災 した 住 宅 の 修 繕 や 再 建 に 対 して 手 厚 く 支 援 するなど 国 による 全 面 的 な 支 援 と 財 政 措 置 を 講 じること 提 言 4 液 状 化 被 害 からの 復 旧 への 支 援 の 充 実 強 化 液 状 化 の 被 害 を 受 けた 住 宅 の 被 害 認 定 基 準 の 見 直 しが 行 われたが 新 たな 基 準 で 判 定 しても 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 の 対 象 となる 世 帯 は 非 常 に 少 ない ことから 更 なる 基 準 の 見 直 しを 実 施 すること さらに 液 状 化 被 害 世 帯 への 独 自 支 援 を 行 った 自 治 体 に 対 する 財 源 措 置 を 講 じること 4. 東 日 本 大 震 災 を 踏 まえ 地 域 の 防 災 対 策 を 強 化 すべき 今 回 の 震 災 では 事 前 に 想 定 し 防 災 対 策 を 講 じていた 規 模 を 超 える 想 定 外 の 規 模 で 地 震 が 発 生 し 甚 大 な 被 害 を 招 いたことから 各 地 域 における 防 災 対 策 を 強 化 するため 国 の 防 災 基 本 計 画 を 早 期 に 見 直 すとともに 以 下 の 措 置 を 講 じること 提 言 1 地 震 津 波 観 測 監 視 システム 等 の 構 築 による 観 測 体 制 の 強 化 地 震 津 波 発 生 メカニズムの 解 明 を 進 めるとともに 地 震 津 波 観 測 監 視 システム(DONET)や 海 上 ブイを 使 った 海 底 津 波 計 (DART)による 津 波 観 測 網 を 構 築 し 津 波 観 測 予 知 体 制 を 確 立 強 化 すること 提 言 2 早 急 な 津 波 被 害 予 測 の 実 施 正 確 なシミュレーションのもと 津 波 高 に 加 えて 詳 細 な 浸 水 予 測 図 を 作 成 するなど 被 害 想 定 の 見 直 しを 行 うこと 提 言 3 消 防 力 防 災 力 の 強 化 大 規 模 災 害 時 の 緊 急 救 助 や 支 援 孤 立 集 落 の 発 生 を 防 ぐためには 被 災 状 況 の 把 握 と 救 急 援 助 活 動 の 早 急 な 活 動 展 開 はきわめて 重 要 であり 国 において 緊 急 消 防 援 助 隊 の 活 動 の 充 実 強 化 や 消 防 救 急 無 線 の 送 受 信 を 確 実 にする 消 防 救 急 デジタル 無 線 衛 星 電 話 の 整 備 など 情 報 通 信 体 制 の 充 実 強 化 を 図 ること また 警 察 の 災 害 対 応 のための 資 機 材 の 充 実 自 衛 隊 の 災 害 派 遣 活 動 の 環 境 整 備 や 自 治 体 との 共 同 訓 練 の 強 化 海 外 からの 支 援 隊 の 円 滑 な 受 入 のため - 6 -
の 取 組 など 地 域 の 防 災 力 の 強 化 に 向 けて 総 合 的 な 対 策 を 講 じること 提 言 4 災 害 医 療 体 制 の 充 実 強 化 DMAT( 災 害 派 遣 医 療 チーム)は 大 規 模 災 害 時 の 救 急 救 助 医 療 に 大 きな 力 を 発 揮 するが 今 般 の 東 日 本 大 震 災 では 移 動 手 段 や 携 行 装 備 の 確 保 に 大 きな 課 題 があり 緊 急 の 展 開 活 動 に 支 障 を 来 した ついては DMATの 迅 速 有 効 な 活 動 展 開 を 実 施 するため 国 として 大 規 模 災 害 被 災 地 における 移 動 手 段 や 携 行 装 備 の 確 保 と 活 動 環 境 の 整 備 を 図 る こと - 7 -