環 境 省 所 管 事 業 分 野 における 障 害 を 理 由 とする 差 別 の 解 消 の 推 進 に 関 する 対 応 指 針 告 示 日 : 平 成 28 年 1 月 6 日 環 境 省 告 示 第 2 号 [ 改 定 ] 平 成 28 年 4 月 1 日 環 境 省 告 示 第 44 号 第 一 趣 旨 1 障 害 者 差 別 解 消 法 の 制 定 の 経 緯 我 が 国 は 平 成 19 年 に 障 害 者 の 権 利 に 関 する 条 約 ( 昭 和 26 年 条 約 第 1 号 以 下 権 利 条 約 という )に 署 名 して 以 来 障 害 者 基 本 法 ( 昭 和 45 年 法 律 第 84 号 )の 改 正 を 始 めと する 国 内 法 の 整 備 等 を 進 めてきた 障 害 を 理 由 とする 差 別 の 解 消 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 25 年 法 律 第 65 号 以 下 法 という )は 障 害 者 基 本 法 の 差 別 の 禁 止 の 基 本 原 則 を 具 体 化 するものであり 全 ての 国 民 が 障 害 の 有 無 によって 分 け 隔 てられることなく 相 互 に 人 格 と 個 性 を 尊 重 し 合 いながら 共 生 する 社 会 の 実 現 に 向 け 障 害 者 差 別 の 解 消 を 推 進 す ることを 目 的 として 平 成 25 年 に 制 定 された 2 法 の 基 本 的 な 考 え 方 (1) 法 の 対 象 となる 障 害 者 は 障 害 者 基 本 法 第 2 条 第 1 号 に 規 定 する 障 害 者 すなわち 身 体 障 害 知 的 障 害 精 神 障 害 ( 発 達 障 害 を 含 む )その 他 の 心 身 の 機 能 の 障 害 ( 以 下 障 害 と 総 称 する )がある 者 であつて 障 害 及 び 社 会 的 障 壁 により 継 続 的 に 日 常 生 活 又 は 社 会 生 活 に 相 当 な 制 限 を 受 ける 状 態 にあるもの である これは 障 害 者 が 日 常 生 活 又 は 社 会 生 活 において 受 ける 制 限 は 身 体 障 害 知 的 障 害 精 神 障 害 ( 発 達 障 害 を 含 む )その 他 の 心 身 の 機 能 の 障 害 ( 難 病 に 起 因 する 障 害 を 含 む )のみに 起 因 するも のではなく 社 会 における 様 々な 障 壁 と 相 対 することによって 生 ずるものとのいわゆる 社 会 モデル の 考 え 方 を 踏 まえている したがって 法 が 対 象 とする 障 害 者 は いわ ゆる 障 害 者 手 帳 の 所 持 者 に 限 られない なお 高 次 脳 機 能 障 害 は 精 神 障 害 に 含 まれる (2) 法 は 日 常 生 活 及 び 社 会 生 活 全 般 に 係 る 分 野 を 広 く 対 象 としている ただし 事 業 者 が 事 業 主 としての 立 場 で 労 働 者 に 対 して 行 う 障 害 を 理 由 とする 差 別 を 解 消 するため の 措 置 については 法 第 13 条 により 障 害 者 の 雇 用 の 促 進 等 に 関 する 法 律 ( 昭 和 35 年 法 律 第 123 号 )の 定 めるところによることとされている (3) 法 は 不 特 定 多 数 の 障 害 者 を 主 な 対 象 として 行 われる 事 前 的 改 善 措 置 ( 高 齢 者 障 1
害 者 等 の 移 動 等 の 円 滑 化 の 促 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 18 年 法 律 第 91 号 いわゆるバリ アフリー 法 )に 基 づく 公 共 施 設 や 交 通 機 関 におけるバリアフリー 化 意 思 表 示 やコミュ ニケーションを 支 援 するためのサービス 介 助 者 等 の 人 的 支 援 障 害 者 による 円 滑 な 情 報 の 取 得 利 用 発 信 のための 情 報 アクセシビリティの 向 上 等 )については 個 別 の 場 面 において 個 々の 障 害 者 に 対 して 行 われる 合 理 的 配 慮 を 的 確 に 行 うための 環 境 の 整 備 として 実 施 に 努 めることとしている 新 しい 技 術 開 発 が 環 境 の 整 備 に 係 る 投 資 負 担 の 軽 減 をもたらすこともあることから 技 術 進 歩 の 動 向 を 踏 まえた 取 組 が 期 待 される また 環 境 の 整 備 には ハード 面 のみならず 職 員 に 対 する 研 修 等 のソフト 面 の 対 応 も 含 まれ ることが 重 要 である 障 害 者 差 別 の 解 消 のための 取 組 は このような 環 境 の 整 備 を 行 うための 施 策 と 連 携 し ながら 進 められることが 重 要 である 3 対 応 指 針 の 位 置 付 け この 指 針 ( 以 下 対 応 指 針 という )は 法 第 11 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき また 障 害 を 理 由 とする 差 別 の 解 消 の 推 進 に 関 する 基 本 方 針 ( 平 成 27 年 2 月 24 日 閣 議 決 定 )に 即 して 法 第 8 条 に 規 定 する 事 項 に 関 し 環 境 省 が 所 管 する 分 野 における 事 業 者 ( 以 下 事 業 者 という )が 適 切 に 対 応 するために 必 要 な 事 項 を 定 めたものである 4 留 意 点 対 応 指 針 で 望 ましい と 記 載 している 内 容 は 事 業 者 がそれに 従 わない 場 合 であって も 法 に 反 すると 判 断 されることはないが 障 害 者 基 本 法 の 基 本 的 な 理 念 及 び 法 の 目 的 を 踏 まえ できるだけ 取 り 組 むことが 望 まれることを 意 味 する 事 業 者 における 障 害 者 差 別 解 消 に 向 けた 取 組 は 対 応 指 針 を 参 考 にして 各 事 業 者 によ り 自 主 的 に 取 組 が 行 われることが 期 待 される しかしながら 事 業 者 による 自 主 的 な 取 組 のみによっては その 適 切 な 履 行 が 確 保 されず 例 えば 事 業 者 が 法 に 反 した 取 扱 いを 繰 り 返 し 自 主 的 な 改 善 を 期 待 することが 困 難 である 場 合 など 特 に 必 要 があると 認 められ るときは 法 第 12 条 の 規 定 により 事 業 者 に 対 し 報 告 を 求 め 又 は 助 言 指 導 若 しく は 勧 告 をすることができることとされている 第 二 障 害 を 理 由 とする 不 当 な 差 別 的 取 扱 い 及 び 合 理 的 配 慮 の 基 本 的 な 考 え 方 1 不 当 な 差 別 的 取 扱 い (1) 不 当 な 差 別 的 取 扱 いの 基 本 的 な 考 え 方 事 業 者 は 法 第 8 条 第 1 項 の 規 定 のとおり その 事 業 を 行 うに 当 たり 障 害 を 理 由 と して 障 害 者 でない 者 と 不 当 な 差 別 的 取 扱 いをすることにより 障 害 者 の 権 利 利 益 を 侵 害 してはならない ア 法 は 障 害 者 に 対 して 正 当 な 理 由 なく 障 害 を 理 由 として 財 サービスや 各 種 機 会 の 提 供 を 拒 否 する 又 は 提 供 に 当 たって 場 所 時 間 帯 などを 制 限 する 障 害 者 でな い 者 に 対 しては 付 さない 条 件 を 付 けることなどにより 障 害 者 の 権 利 利 益 を 侵 害 する 2
ことを 禁 止 している なお 障 害 者 の 事 実 上 の 平 等 を 促 進 し 又 は 達 成 するために 必 要 な 特 別 の 措 置 は 不 当 な 差 別 的 取 扱 いではない イ したがって 障 害 者 を 障 害 者 でない 者 と 比 べて 優 遇 する 取 扱 い(いわゆる 積 極 的 改 善 措 置 ) 法 に 規 定 された 障 害 者 に 対 する 合 理 的 配 慮 の 提 供 による 障 害 者 でない 者 との 異 なる 取 扱 いや 合 理 的 配 慮 を 提 供 等 するために 必 要 な 範 囲 で プライバシーに 配 慮 しつつ 障 害 者 に 障 害 の 状 況 等 を 確 認 することは 不 当 な 差 別 的 取 扱 いには 当 たらない 不 当 な 差 別 的 取 扱 いとは 正 当 な 理 由 なく 障 害 者 を 問 題 となる 事 業 について 本 質 的 に 関 係 する 諸 事 情 が 同 じ 障 害 者 でない 者 より 不 利 に 扱 うことである 点 に 留 意 する 必 要 がある (2) 正 当 な 理 由 の 判 断 の 視 点 正 当 な 理 由 に 相 当 するのは 障 害 者 に 対 して 障 害 を 理 由 として 財 サービスや 各 種 機 会 の 提 供 を 拒 否 するなどの 取 扱 いが 客 観 的 に 見 て 正 当 な 目 的 の 下 に 行 われたもので あり その 目 的 に 照 らしてやむを 得 ないと 言 える 場 合 である 事 業 者 においては 正 当 な 理 由 に 相 当 するか 否 かについて 具 体 的 な 検 討 をせずに 正 当 な 理 由 を 拡 大 解 釈 するな どして 法 の 趣 旨 を 損 なうことなく 個 別 の 事 案 ごとに 障 害 者 事 業 者 第 三 者 の 権 利 利 益 ( 例 : 安 全 の 確 保 財 産 の 保 全 事 業 の 目 的 内 容 機 能 の 維 持 損 害 発 生 の 防 止 等 )の 観 点 に 鑑 み 具 体 的 場 面 や 状 況 に 応 じて 総 合 的 客 観 的 に 判 断 することが 必 要 で ある 事 業 者 は 正 当 な 理 由 があると 判 断 した 場 合 には 障 害 者 にその 理 由 を 説 明 する ものとし 理 解 を 得 るよう 努 めることが 望 ましい (3) 不 当 な 差 別 的 取 扱 いの 具 体 例 不 当 な 差 別 的 取 扱 いに 当 たり 得 る 具 体 例 は 別 紙 のとおりである なお 第 二 の1(2) で 示 したとおり 不 当 な 差 別 的 取 扱 いに 相 当 するか 否 かについては 個 別 の 事 案 ごとに 判 断 されることとなる また 別 紙 に 記 載 されている 具 体 例 については 正 当 な 理 由 が 存 在 しないことを 前 提 としていること さらに それらはあくまでも 例 示 であり 記 載 されている 具 体 例 だけに 限 られるものではないことに 留 意 する 必 要 がある 2 合 理 的 配 慮 (1) 合 理 的 配 慮 の 基 本 的 な 考 え 方 事 業 者 は 法 第 8 条 第 2 項 の 規 定 のとおり その 事 業 を 行 うに 当 たり 障 害 者 から 現 に 社 会 的 障 壁 の 除 去 を 必 要 としている 旨 の 意 思 の 表 明 があった 場 合 において その 実 施 に 伴 う 負 担 が 過 重 でないときは 障 害 者 の 権 利 利 益 を 侵 害 することとならないよう 当 該 障 害 者 の 性 別 年 齢 及 び 障 害 の 状 態 に 応 じて 社 会 的 障 壁 の 除 去 の 実 施 について 必 要 かつ 合 理 的 な 配 慮 ( 以 下 合 理 的 配 慮 という )をするように 努 めなければならない ア 権 利 条 約 第 2 条 において 合 理 的 配 慮 は 障 害 者 が 他 の 者 との 平 等 を 基 礎 とし て 全 ての 人 権 及 び 基 本 的 自 由 を 享 有 し 又 は 行 使 することを 確 保 するための 必 要 かつ 3
適 当 な 変 更 及 び 調 整 であって 特 定 の 場 合 において 必 要 とされるものであり かつ 均 衡 を 失 した 又 は 過 度 の 負 担 を 課 さないもの と 定 義 されている 法 は 権 利 条 約 における 合 理 的 配 慮 の 定 義 を 踏 まえ 事 業 者 に 対 し その 事 業 を 行 うに 当 たり 個 々の 場 面 において 障 害 者 から 現 に 社 会 的 障 壁 の 除 去 を 必 要 としてい る 旨 の 意 思 の 表 明 があった 場 合 において その 実 施 に 伴 う 負 担 が 過 重 でないときは 障 害 者 の 権 利 利 益 を 侵 害 することとならないよう 社 会 的 障 壁 の 除 去 の 実 施 について 合 理 的 配 慮 を 行 うことを 求 めている 合 理 的 配 慮 は 障 害 者 が 受 ける 制 限 は 障 害 の みに 起 因 するものではなく 社 会 における 様 々な 障 壁 と 相 対 することによって 生 ずる ものとのいわゆる 社 会 モデル の 考 え 方 を 踏 まえたものであり 障 害 者 の 権 利 利 益 を 侵 害 することとならないよう 障 害 者 が 個 々の 場 面 において 必 要 としている 社 会 的 障 壁 を 除 去 するための 必 要 かつ 合 理 的 な 取 組 であり その 実 施 に 伴 う 負 担 が 過 重 でな いものである 合 理 的 配 慮 は 事 業 者 の 事 業 の 目 的 内 容 機 能 に 照 らし 必 要 とされる 範 囲 で 本 来 の 業 務 に 付 随 するものに 限 られること 障 害 者 でない 者 との 比 較 において 同 等 の 機 会 の 提 供 を 受 けるためのものであること 事 業 の 目 的 内 容 機 能 の 本 質 的 な 変 更 に は 及 ばないことに 留 意 する 必 要 がある イ 合 理 的 配 慮 は 障 害 の 特 性 や 社 会 的 障 壁 の 除 去 が 求 められる 具 体 的 場 面 や 状 況 に 応 じて 異 なり 多 様 かつ 個 別 性 の 高 いものであり 当 該 障 害 者 が 現 に 置 かれている 状 況 を 踏 まえ 社 会 的 障 壁 の 除 去 のための 手 段 及 び 方 法 について (2) 過 重 な 負 担 の 基 本 的 な 考 え 方 に 掲 げた 要 素 を 考 慮 し 代 替 措 置 の 選 択 も 含 め 双 方 の 建 設 的 対 話 に よる 相 互 理 解 を 通 じて 必 要 かつ 合 理 的 な 範 囲 で 柔 軟 に 対 応 がなされるものである さらに 合 理 的 配 慮 の 内 容 は 技 術 の 進 展 社 会 情 勢 の 変 化 等 に 応 じて 変 わり 得 るも のである 合 理 的 配 慮 の 提 供 に 当 たっては 障 害 者 の 性 別 年 齢 状 態 等 に 配 慮 する ものとする なお 合 理 的 配 慮 を 必 要 とする 障 害 者 が 多 数 見 込 まれる 場 合 障 害 者 との 関 係 性 が 長 期 にわたる 場 合 等 には その 都 度 の 合 理 的 配 慮 とは 別 に 前 述 した 環 境 の 整 備 を 考 慮 に 入 れることにより 中 長 期 的 なコストの 削 減 効 率 化 につながる 点 は 重 要 であ る ウ 意 思 の 表 明 に 当 たっては 具 体 的 場 面 において 社 会 的 障 壁 の 除 去 に 関 する 配 慮 を 必 要 としている 状 況 にあることを 言 語 ( 手 話 を 含 む )のほか 点 字 拡 大 文 字 筆 談 実 物 の 提 示 や 身 振 りサイン 等 による 合 図 触 覚 による 意 思 伝 達 など 障 害 者 が 他 人 と コミュニケーションを 図 る 際 に 必 要 な 手 段 ( 通 訳 を 介 するものを 含 む )により 伝 えら れる また 障 害 者 からの 意 思 表 明 のみでなく 知 的 障 害 や 精 神 障 害 ( 発 達 障 害 を 含 む ) 等 により 本 人 の 意 思 表 明 が 困 難 な 場 合 には 障 害 者 の 家 族 支 援 者 介 助 者 法 定 代 理 人 等 コミュニケーションを 支 援 する 者 が 本 人 を 補 佐 して 行 う 意 思 の 表 明 も 含 む なお 意 思 の 表 明 が 困 難 な 障 害 者 が 家 族 支 援 者 介 助 者 法 定 代 理 人 等 を 伴 っ ていない 場 合 など 意 思 の 表 明 がない 場 合 であっても 当 該 障 害 者 が 社 会 的 障 壁 の 除 去 を 必 要 としていることが 明 白 である 場 合 には 法 の 趣 旨 に 鑑 みれば 当 該 障 害 者 に 4
対 して 適 切 と 思 われる 配 慮 を 提 案 するために 建 設 的 対 話 を 働 きかけるなど 自 主 的 な 取 組 に 努 めることが 望 ましい エ 合 理 的 配 慮 は 障 害 者 等 の 利 用 を 想 定 して 事 前 に 行 われる 建 築 物 のバリアフリー 化 介 助 者 等 の 人 的 支 援 情 報 アクセシビリティの 向 上 等 の 環 境 の 整 備 を 基 礎 として 個 々 の 障 害 者 に 対 して その 状 況 に 応 じて 個 別 に 実 施 される 措 置 である したがって 各 場 面 における 環 境 の 整 備 の 状 況 により 合 理 的 配 慮 の 内 容 は 異 なることとなる また 障 害 の 状 態 等 が 変 化 することもあるため 特 に 障 害 者 との 関 係 性 が 長 期 にわたる 場 合 等 には 提 供 する 合 理 的 配 慮 について 適 宜 見 直 しを 行 うことが 重 要 である オ 同 種 の 事 業 が 行 政 機 関 等 と 事 業 者 の 双 方 で 行 われる 場 合 は 事 業 の 類 似 性 を 踏 まえ つつ 事 業 主 体 の 違 いも 考 慮 した 上 での 対 応 に 努 めることが 望 ましい (2) 過 重 な 負 担 の 基 本 的 な 考 え 方 過 重 な 負 担 については 事 業 者 において 具 体 的 な 検 討 をせずに 過 重 な 負 担 を 拡 大 解 釈 するなどして 法 の 趣 旨 を 損 なうことなく 個 別 の 事 案 ごとに 以 下 の 要 素 等 を 考 慮 し 具 体 的 場 面 や 状 況 に 応 じて 総 合 的 客 観 的 に 判 断 することが 必 要 である 事 業 者 は 過 重 な 負 担 に 当 たると 判 断 した 場 合 は 障 害 者 にその 理 由 を 説 明 するものとし 理 解 を 得 るよう 努 めることが 望 ましい 事 業 への 影 響 の 程 度 ( 事 業 の 目 的 内 容 機 能 を 損 なうか 否 か) 実 現 可 能 性 の 程 度 ( 物 理 的 技 術 的 制 約 人 的 体 制 上 の 制 約 ) 費 用 負 担 の 程 度 事 業 規 模 財 務 状 況 (3) 合 理 的 配 慮 の 具 体 例 合 理 的 配 慮 の 具 体 例 は 別 紙 のとおりである なお 第 二 の2(1)イで 示 したとおり 合 理 的 配 慮 は 具 体 的 場 面 や 状 況 に 応 じて 異 なり 多 様 かつ 個 別 性 の 高 いものであり 掲 載 した 具 体 例 については 第 二 の2(2)で 示 した 過 重 な 負 担 が 存 在 しないことを 前 提 としていること 事 業 者 に 強 制 する 性 格 のものではないこと また それらはあくま でも 例 示 であり 記 載 されている 具 体 例 に 限 られるものではないことに 留 意 する 必 要 が ある 事 業 者 においては 対 応 指 針 を 踏 まえ 具 体 的 場 面 や 状 況 に 応 じて 柔 軟 に 対 応 す ることが 期 待 される 第 三 事 業 者 における 相 談 体 制 の 整 備 事 業 者 においては 障 害 者 及 びその 家 族 その 他 の 関 係 者 からの 相 談 等 に 的 確 に 対 応 する ため 既 存 の 顧 客 相 談 窓 口 等 の 活 用 や 窓 口 の 開 設 により 相 談 窓 口 を 整 備 することが 重 要 で ある また ウェブサイト 等 を 活 用 し 相 談 窓 口 等 に 関 する 情 報 を 周 知 することや 相 談 時 には 性 別 年 齢 状 態 等 に 配 慮 するとともに 対 面 のほか 電 話 ファックス 電 子 メール また 障 害 者 が 他 人 とコミュニケーションを 図 る 際 に 必 要 となる 多 様 な 手 段 を 5
可 能 な 範 囲 で 用 意 して 対 応 することが 望 ましい さらに 実 際 の 相 談 事 例 については 相 談 者 のプライバシーに 配 慮 しつつ 順 次 蓄 積 し 以 後 の 合 理 的 配 慮 の 提 供 等 に 活 用 すること が 望 ましい 第 四 事 業 者 における 研 修 啓 発 事 業 者 は 障 害 者 に 対 して 適 切 に 対 応 し また 障 害 者 及 びその 家 族 その 他 の 関 係 者 か らの 相 談 等 に 的 確 に 対 応 するため 研 修 等 を 通 じて 法 の 趣 旨 の 普 及 を 図 るとともに 障 害 に 関 する 理 解 の 促 進 を 図 ることが 重 要 である 第 五 環 境 省 所 管 事 業 分 野 に 係 る 相 談 窓 口 大 臣 官 房 総 務 課 6
別 紙 障 害 を 理 由 とする 不 当 な 差 別 的 取 扱 い 及 び 合 理 的 配 慮 の 具 体 例 1 不 当 な 差 別 的 取 扱 いに 当 たりうる 具 体 例 障 害 を 理 由 として 以 下 の 取 扱 いを 行 うこと 窓 口 対 応 を 拒 否 又 は 対 応 の 順 序 を 後 回 しにすること 資 料 の 送 付 パンフレットの 提 供 説 明 会 シンポジウム 等 への 出 席 等 を 拒 むこと 客 観 的 に 見 て 事 業 の 遂 行 上 特 に 必 要 ではないにもかかわらず 障 害 があること を 理 由 に 来 訪 の 際 に 付 き 添 い 者 の 同 行 を 求 めるなどの 条 件 を 付 けること 2 不 当 な 差 別 的 取 扱 いに 当 たらない 具 体 例 合 理 的 配 慮 を 提 供 等 するために 必 要 な 範 囲 で プライバシーに 配 慮 しつつ 障 害 者 に 障 害 の 状 況 等 を 確 認 すること 3 合 理 的 配 慮 に 当 たり 得 る 配 慮 の 具 体 例 (1) 物 理 的 環 境 への 配 慮 の 具 体 例 事 業 者 が 管 理 する 施 設 敷 地 内 において 車 椅 子 歩 行 器 利 用 者 のためにキャス ター 上 げ 等 の 補 助 をし 又 は 段 差 に 携 帯 スロープを 渡 すこと 配 架 棚 の 高 い 所 に 置 かれたパンフレット 等 を 取 って 渡 すこと パンフレット 等 の 位 置 を 分 かりやすく 伝 えること 目 的 の 場 所 までの 案 内 の 際 に 障 害 者 の 歩 行 速 度 に 合 わせた 速 度 で 歩 いたり 左 右 前 後 距 離 の 位 置 取 りについて 障 害 者 の 希 望 を 聞 いたりすること 疲 労 を 感 じやすい 障 害 者 から 別 室 での 休 憩 の 申 し 出 があった 際 別 室 の 確 保 が 困 難 であったことから 当 該 障 害 者 に 事 情 を 説 明 し 対 応 窓 口 の 近 くに 長 椅 子 を 移 動 させて 臨 時 の 休 憩 スペースを 設 けること (2) 意 思 疎 通 の 配 慮 の 具 体 例 筆 談 要 約 筆 記 読 み 上 げ 手 話 点 字 など 多 様 なコミュニケーション 分 かり やすい 表 現 を 使 って 説 明 するなどの 意 思 疎 通 の 配 慮 を 行 うこと 情 報 保 障 の 観 点 から 見 えにくさに 応 じた 情 報 の 提 供 ( 聞 くことで 内 容 が 理 解 で きる 説 明 資 料 や 拡 大 コピー 拡 大 文 字 又 は 点 字 を 用 いた 資 料 遠 くのものや 動 きの 速 いものなど 触 ることができないものを 確 認 できる 模 型 や 写 真 等 の 提 供 等 ) 聞 こえにくさに 応 じた 視 覚 的 な 情 報 の 提 供 見 えにくさと 聞 こえにくさの 両 方 があ る 場 合 に 応 じた 情 報 の 提 供 ( 手 のひらに 文 字 を 書 いて 伝 える 等 ) 知 的 障 害 に 配 慮 した 情 報 の 提 供 ( 伝 える 内 容 の 要 点 を 筆 記 する 漢 字 にルビを 振 る なじみのない 外 来 語 は 避 ける 等 )を 行 うこと その 際 各 媒 体 間 でページ 番 号 等 が 異 なり 得 るこ とに 留 意 して 使 用 すること 意 思 疎 通 が 不 得 意 な 障 害 者 に 対 し 絵 カード 等 を 活 用 して 意 思 を 確 認 すること 比 喩 表 現 等 の 理 解 が 困 難 な 障 害 者 に 対 し 比 喩 や 暗 喩 二 重 否 定 表 現 などを 用 い ずに 具 体 的 に 説 明 すること 7
(3)ルール 慣 行 の 柔 軟 な 変 更 の 具 体 例 障 害 者 が 立 って 列 に 並 んで 順 番 を 待 っている 場 合 に 周 囲 の 理 解 を 得 た 上 で 当 該 障 害 者 の 順 番 が 来 るまで 椅 子 などを 用 意 すること スクリーン 手 話 通 訳 者 板 書 等 がよく 見 えるように スクリーン 等 に 近 い 席 を 確 保 すること 他 人 との 接 触 多 人 数 の 中 にいることによる 緊 張 等 により 発 作 等 がある 場 合 緊 張 を 緩 和 するため 当 該 障 害 者 に 説 明 の 上 障 害 の 特 性 や 施 設 の 状 況 に 応 じて 別 室 を 準 備 すること 事 務 手 続 の 際 に 職 員 等 が 必 要 書 類 の 代 読 代 筆 を 行 うこと 8