IASB 公 開 草 案 保 険 契 約 に 対 する 意 見 平 成 2 5 年 1 0 月 2 5 日 日 本 公 認 会 計 士 協 会 日 本 公 認 会 計 士 協 会 は 国 際 会 計 基 準 審 議 会 (IASB)の 継 続 的 な 努 力 に 敬 意 を 表 すと ともに 公 開 草 案 ED/2013/7 保 険 契 約 ( 以 下 改 訂 ED という )に 対 するコメント の 機 会 を 歓 迎 する 我 々は ディスカッション ペーパー 保 険 契 約 に 関 する 予 備 的 見 解 及 び 公 開 草 案 ED/2010/8 保 険 契 約 に 対 する 我 々のコメントも 踏 まえつつ 改 訂 ED の 提 案 内 容 につ いて 新 たな 視 点 も 含 め 改 めて 検 討 を 行 った 検 討 に 当 たっては 保 険 契 約 が 長 期 にわ たる 不 確 実 性 にさらされているという 特 殊 性 と それゆえにビジネスとして 成 り 立 って いるという 点 に 引 き 続 き 留 意 した 我 々は 改 訂 EDが 会 計 上 のミスマッチの 軽 減 と 経 済 的 ミスマッチの 明 瞭 な 報 告 が 達 成 できるのであれば 目 的 適 合 性 を 高 めることに 寄 与 すると 考 える 一 方 で 保 険 者 に 大 きな 影 響 を 及 ぼすことから コスト ベネフィットの 観 点 とのバランスも 重 要 と 考 えて いる 上 記 スタンスの 下 に 我 々は 改 訂 ED の 提 案 内 容 は 改 善 されているものの 更 に 検 討 が 必 要 なところもあると 考 えている 以 下 公 開 草 案 の 質 問 項 目 についてコメントする コメントの 検 討 に 当 たっては 公 開 草 案 分 類 及 び 測 定 :IFRS 第 9 号 の 限 定 的 修 正 (IFRS 第 9 号 (2010 年 )の 修 正 案 ) で 提 案 されている その 他 の 包 括 利 益 を 通 じて 公 正 価 値 の 測 定 区 分 が 導 入 されること を 前 提 としている なお 改 訂 ED 及 び IFRS 第 9 号 の 限 定 的 修 正 の 導 入 が 財 務 諸 表 に 与 える 影 響 は 相 互 に 関 連 することから 両 者 を 含 めた 財 務 諸 表 全 体 に 与 える 影 響 の 観 点 からの 検 討 も 必 要 と 考 える フィールドテストの 結 果 等 も 利 用 しつつ こうした 観 点 も 踏 まえて 改 訂 ED の 最 終 基 準 化 に 向 けた 検 討 が 実 施 されることを 期 待 する - 1 -
質 問 1 契 約 上 のサービス マージンの 調 整 次 のようにすれば 財 務 諸 表 が 企 業 の 財 政 状 態 及 び 財 務 業 績 を 忠 実 に 表 現 する 目 的 適 合 性 のある 情 報 を 提 供 するものとなることに 同 意 するか (a) 将 来 のカバー 及 び 他 の 将 来 のサービスに 関 連 する 将 来 キャッシュ フローの 現 在 価 値 の 現 在 の 見 積 りと 従 前 の 見 積 りとの 間 の 差 額 を 契 約 上 のサービス マージンに 加 算 又 は 減 算 する( 契 約 上 のサービス マージンが 負 の 値 とならないことを 条 件 と する) (b) 将 来 のカバー 及 び 他 の 将 来 のサービスに 関 連 しない 将 来 キャッシュ フローの 現 在 価 値 の 現 在 の 見 積 りと 従 前 の 見 積 りとの 間 の 差 額 を 直 ちに 純 損 益 に 認 識 する 同 意 又 は 反 対 の 理 由 は 何 か 反 対 の 場 合 どのような 提 案 をするか その 理 由 は 何 か 我 々は 提 案 内 容 に 基 本 的 に 同 意 するが 下 記 二 点 については 再 検 討 を 提 案 する 未 償 却 マージンが 残 っている 状 態 で 見 積 り 変 更 損 益 が 計 上 されることは 合 理 的 では ないため 契 約 上 のサービス マージンのアンロック 概 念 は 合 理 的 であると 考 える 改 訂 ED のこの 提 案 内 容 を 採 用 することにより 保 険 契 約 収 支 の 悪 化 に 伴 って 不 利 な 見 積 り 変 更 が 必 要 となるような 場 合 に 見 積 り 変 更 損 失 が 計 上 される 一 方 で サービス マ ージン 償 却 益 が 計 上 されるという 保 険 契 約 全 体 の 収 益 性 について 財 務 諸 表 利 用 者 にミ スリーディングな 情 報 を 与 えることが 回 避 できると 考 える ただし 今 回 の 公 開 草 案 では 以 下 の 懸 念 があるため この 点 について 再 検 討 を 提 案 す る (1) 契 約 上 のサービス マージンの 償 却 方 法 については 第 32 項 で 契 約 に 基 づき 提 供 されるサービスの 残 りの 移 転 を 最 も 適 切 に 反 映 する 規 則 的 な 方 法 で 行 う とだけ 述 べられているが 保 険 者 の 損 益 に 係 る 重 要 な 項 目 であることから 当 該 原 則 を 適 用 した 場 合 の 事 例 を 充 実 させるなど 更 なる 明 確 化 が 必 要 である 例 えば 計 算 単 位 としてどのような 性 質 及 び 規 模 のポートフォリオを 計 算 単 位 として 設 定 するか によって 毎 期 の 償 却 額 が 異 なるものと 思 われる しかし 現 状 では 不 明 瞭 なため 実 務 上 の 適 用 に 当 たって 明 確 化 が 必 要 である (2) 契 約 上 のサービス マージンの 残 額 について 第 30 項 で 期 首 残 高 からの 加 減 算 に よって 算 定 する 方 法 が 示 されているが 再 測 定 など 他 のより 簡 便 な 算 定 方 法 の 採 用 についても 検 討 を 行 うべきと 考 える 提 案 されているアンロッキングの 方 法 では 契 約 上 のサービス マージンを 測 定 の 都 度 その 計 算 単 位 で 記 録 し 続 く 会 計 期 間 においても 履 歴 を 残 す 必 要 性 があるなど 膨 大 な 管 理 作 業 が 生 じ 実 務 的 に 適 用 が 困 難 な 場 合 が 懸 念 される 契 約 上 のサービス マージンを 各 報 告 期 間 末 で 再 測 定 する などによっても 第 30 項 による 損 益 算 定 額 との 差 が 合 理 的 に 説 明 できるような 算 定 結 果 がより 簡 便 に 入 手 できることがフィールドテスト 等 によって 把 握 されるの - 2 -
であれば このような 手 法 も 契 約 上 のサービス マージンの 適 切 な 測 定 方 法 の 一 つ として 認 められるべきと 考 える したがって 現 在 の 提 案 である 第 30 項 の 算 定 方 法 に 限 定 することなく 他 の 合 理 的 で 簡 便 な 算 定 方 法 の 採 用 についても 検 討 するべ きである 質 問 2 企 業 に 基 礎 となる 項 目 の 保 有 を 要 求 し 当 該 基 礎 となる 項 目 に 対 するリター ンへの 連 動 を 定 めている 契 約 契 約 が 企 業 に 基 礎 となる 項 目 の 保 有 を 要 求 し 保 険 契 約 者 への 支 払 と 当 該 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンとの 間 の 連 動 を 定 めている 場 合 において 企 業 が 次 のことを 行 えば 財 務 諸 表 が 企 業 の 財 政 状 態 及 び 財 務 業 績 を 忠 実 に 表 現 する 目 的 適 合 性 のある 情 報 を 提 供 するものとなることに 同 意 するか (a) 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 直 接 対 応 して 変 動 すると 予 想 される 履 行 キ ャッシュ フローを 基 礎 となる 項 目 の 帳 簿 価 額 を 参 照 して 測 定 する (b) 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 直 接 対 応 して 変 動 するとは 予 想 されない 履 行 キャッシュ フロー( 例 えば 契 約 で 定 められた 固 定 支 払 保 険 契 約 に 組 み 込 ま れたオプションのうち 分 離 されていないもの 契 約 に 組 み 込 まれていて 分 離 され ていない 最 低 支 払 額 の 保 証 )を 本 基 準 [ 案 ]の 他 の 要 求 事 項 に 従 って 測 定 する (すなわち 起 こり 得 る 結 果 の 範 囲 全 体 の 期 待 値 を 用 いて 保 険 契 約 を 測 定 し リ スク 及 び 貨 幣 の 時 間 価 値 を 考 慮 に 入 れる) (c) 履 行 キャッシュ フローの 変 動 を 次 のようにして 認 識 する (i) 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 直 接 対 応 して 変 動 すると 予 想 される 履 行 キャッシュ フローの 変 動 を 当 該 基 礎 となる 項 目 の 価 値 の 変 動 の 認 識 と 同 じ 基 礎 により 純 損 益 又 はその 他 の 包 括 利 益 に 認 識 する (ii) 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 間 接 的 に 対 応 して 変 動 すると 予 想 され る 履 行 キャッシュ フローの 変 動 を 純 損 益 に 認 識 する (iii) 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 対 応 して 変 動 するとは 予 想 されない 履 行 キャッシュ フロー( 他 の 要 因 ( 例 えば 死 亡 率 )に 対 応 して 変 動 すると 予 想 されるもの 及 び 固 定 であるもの( 例 えば 定 額 の 死 亡 給 付 金 )を 含 む)の 変 動 を 本 基 準 [ 案 ]の 一 般 的 な 要 求 事 項 に 従 って 純 損 益 及 びその 他 の 包 括 利 益 に 認 識 する 同 意 又 は 反 対 の 理 由 は 何 か 反 対 の 場 合 どのような 提 案 をするか その 理 由 は 何 か 我 々は 改 訂 ED の 提 案 内 容 は 我 が 国 における 保 険 商 品 の 特 性 や 実 務 的 観 点 に 照 ら して 適 用 困 難 と 考 える 提 案 内 容 は 特 定 地 域 の 保 険 契 約 の 特 徴 に 基 づいたものと 思 われるが 例 えば 我 が - 3 -
国 の 同 種 の 保 険 契 約 の 特 徴 1 に 鑑 みれば 提 案 されている 原 資 産 と 給 付 が 連 動 する 契 約 のキャッシュ フローの 分 類 は 複 雑 すぎると 考 える 測 定 には 実 務 的 な 負 荷 が 生 じることも 勘 案 すると 各 地 域 の 同 種 の 保 険 契 約 にも 適 用 しやすいように 商 品 の 特 徴 に 基 づいた 測 定 手 法 を 充 実 すべきである なお 我 が 国 の 同 種 の 保 険 契 約 に 鑑 みた 場 合 の 実 務 的 な 取 扱 いとしては 米 国 におけ る 同 種 の 保 険 契 約 との 類 似 性 から 例 えば 米 国 会 計 基 準 審 議 会 (FASB)が 提 案 してい る Separate accounts and segregated fund arrange のような 測 定 手 法 が 考 えられる (1) 原 資 産 については 公 正 価 値 で 評 価 し 同 額 で 保 険 契 約 負 債 を 認 識 する( 原 資 産 にお いては 連 結 を 行 わない ) (2) 保 証 オプション 性 が 存 在 する 場 合 には 別 途 測 定 を 行 う 当 該 保 証 が 保 険 契 約 と して 扱 われていることから ビルディング ブロック アプローチを 適 用 して 測 定 する ただし ビルディング ブロック アプローチでは リスク 調 整 などの 影 響 により 過 大 な 負 債 計 上 になりかねないとの 懸 念 も 考 えられることから フィールド テストの 検 証 結 果 によっては 保 証 オプションの 価 値 で 測 定 することも 検 討 する (3) 原 資 産 と 直 接 的 に 連 動 する 部 分 の 公 正 価 値 の 変 動 額 は 変 動 年 度 に 全 てを 純 損 益 及 び 包 括 利 益 計 算 書 で 認 識 する 原 資 産 と 給 付 が 連 動 する 契 約 に 内 在 する 保 証 オプ ション 性 を 有 する 部 分 の 保 証 オプションの 価 値 の 変 動 分 は ビルディング ブロ ック アプローチに 従 って 損 益 計 上 する ただし 保 証 オプションの 価 値 で 測 定 する 方 が 妥 当 と 判 断 された 場 合 は 変 動 年 度 に 純 損 益 及 び 包 括 利 益 計 算 書 で 認 識 す る 質 問 3 保 険 契 約 収 益 及 び 費 用 の 表 示 すべての 保 険 契 約 について 企 業 が 純 損 益 において 保 険 契 約 の 構 成 要 素 の 変 動 に 関 する 情 報 ではなく 保 険 契 約 収 益 及 び 費 用 を 表 示 するならば 財 務 諸 表 が 企 業 の 財 務 業 績 を 忠 実 に 表 現 する 目 的 適 合 性 のある 情 報 を 提 供 するものとなることに 同 意 するか 同 意 又 は 反 対 の 理 由 は 何 か 反 対 の 場 合 どのような 提 案 をするか その 理 由 は 何 か 我 々は 現 在 提 案 されている 既 経 過 保 険 料 方 式 に 基 づく 保 険 契 約 収 益 及 び 費 用 の 表 示 方 法 について 反 対 する 代 わりに 投 資 要 素 を 控 除 しない 既 経 過 保 険 料 方 式 に 基 づく 保 険 契 約 収 益 及 び 費 用 の 表 示 方 法 を 提 案 する あわせて 現 在 提 案 されている 構 成 要 素 の 分 離 が 求 められる 要 件 を 緩 和 し 構 成 要 素 を 分 離 しやすくすることを 提 案 する 1 我 が 国 では 運 用 資 産 の 成 績 に 完 全 に 連 動 した 部 分 と 運 用 成 績 にフロアーを 設 ける 最 低 保 証 オプション を 組 み 合 わせた 商 品 が 主 流 である なお 当 該 オプションは 保 証 対 象 ( 死 亡 時 の 最 低 保 証 や 満 期 時 の 最 低 保 証 など)や 解 約 時 の 保 証 の 有 無 保 証 期 間 等 によって 様 々なバリエーションがあり アンバンドリング は 通 常 困 難 と 考 えられている - 4 -
ただし フィールドテスト 等 によって 上 記 提 案 が 実 務 的 ではない 等 が 判 明 した 場 合 は 我 々は 要 約 マージンアプローチなどの 採 用 を 検 討 し 必 要 に 応 じて 企 業 活 動 を 表 す 指 標 を 注 記 する 方 法 が 望 ましいと 考 える 理 由 は 以 下 のとおりである (1) 保 険 契 約 における 解 約 返 戻 金 や 満 期 保 険 金 などは 保 障 サービスと 一 体 として 提 供 されており 構 成 要 素 を 分 離 できないことが 多 い そのため 当 該 部 分 のみ 取 り 出 して 合 理 的 な 金 額 で 評 価 することは 理 論 的 にも 実 務 的 にも 困 難 である したがっ て 当 該 部 分 を 投 資 要 素 として 控 除 した 保 険 契 約 収 益 等 も 合 理 的 な 収 益 額 を 表 し ているか 懸 念 がある (2) 保 険 者 には 保 険 契 約 の 解 約 により 解 約 差 損 益 が 発 生 することがある これは 銀 行 預 金 のように 単 純 に 預 った 金 額 を 返 金 することとは 本 質 的 に 異 なる 性 質 を 解 約 返 戻 金 が 有 していることの 証 左 と 考 えられる したがって 当 該 部 分 を 投 資 要 素 と して 保 険 契 約 収 益 等 から 除 くことは 解 約 等 から 生 じる 損 益 の 会 計 上 の 取 扱 いを 不 明 瞭 にするだけでなく 実 態 を 正 しく 表 示 していない 懸 念 がある (3) 保 険 金 等 の 支 払 いと 整 合 した 保 険 契 約 収 益 を 計 上 することは 両 者 の 関 係 が 売 上 原 価 と 売 上 高 に 近 いと 考 えられることや 他 業 種 及 び 保 険 料 配 分 アプローチとの 整 合 性 及 び 財 務 諸 表 の 利 用 者 の 観 点 からも 有 用 と 考 えられる したがって 予 想 保 険 金 等 にリスク 調 整 の 変 動 額 や 契 約 上 のサービス マージンの 当 期 償 却 額 などを 加 算 し かつ 投 資 要 素 を 控 除 しない 保 険 契 約 収 益 であれば 合 理 的 かつ 有 用 であり 財 務 諸 表 の 利 用 者 の 観 点 からも 理 解 しやすい 表 示 と 考 えられる (4) 他 方 明 らかな 投 資 要 素 や 投 資 要 素 に 近 いものを 保 険 契 約 収 益 から 控 除 することは 妥 当 と 考 えるが それは 構 成 要 素 の 分 離 によって 対 応 すれば 良 いと 考 える そのた め 構 成 要 素 の 分 離 が 求 められる 要 件 を 緩 和 し 構 成 要 素 を 分 離 しやすくすることで 保 険 契 約 収 益 から 投 資 要 素 をより 効 果 的 に 除 くことができ 結 果 として 目 的 適 合 性 のある 表 示 に 寄 与 できると 考 える これにより 構 成 要 素 の 分 離 を 検 討 後 に 更 に 純 損 益 の 表 示 で 区 分 検 討 するといった 二 重 の 実 務 負 荷 を 回 避 でき 全 体 としての 整 合 性 も 保 てることから 改 訂 ED で 提 案 されている 方 法 よりも 理 解 可 能 性 の 向 上 に 資 す ると 考 える (5)ただし 我 々の 上 記 提 案 が 実 務 的 かどうかについては 定 かではないことから フィ ールドテスト 等 を 通 じて 十 分 に 検 討 することが 必 要 と 考 える フィールドテスト 等 の 結 果 我 々の 上 記 提 案 が 実 用 的 ではないと 判 明 した 場 合 は 我 々は 要 約 マージ ンアプローチを 採 用 し 企 業 活 動 を 表 す 指 標 を 注 記 する 方 法 が 望 ましいと 考 える なぜなら 保 険 者 が 経 営 管 理 上 使 用 している 客 観 的 な 数 値 の 中 で 会 計 の 観 点 から 保 険 契 約 収 益 として 共 通 に 利 用 できる 適 切 な 指 標 を 見 つけることは 現 状 では 困 難 であり 保 険 契 約 から 生 じることが 期 待 される 利 益 を 以 て 保 険 契 約 収 益 とみなすこ とが 簡 便 かつ 財 務 諸 表 利 用 者 の 理 解 に 資 すると 考 えられるからである このとき - 5 -
営 業 活 動 を 表 す 指 標 は 保 険 会 社 の 事 業 活 動 を 知 る 上 で 有 用 な 情 報 として 定 着 して いることから こうしたボリューム 情 報 を 併 せて 注 記 すべきと 考 える 質 問 4 純 損 益 における 金 利 費 用 下 記 のようにして 引 受 業 績 の 影 響 を 割 引 率 の 変 更 の 影 響 と 区 分 することを 企 業 に 要 求 すれば 財 務 諸 表 が 企 業 の 財 務 業 績 を 忠 実 に 表 現 する 目 的 適 合 性 のある 情 報 を 提 供 するものとなることに 同 意 するか (a) 純 損 益 において 契 約 が 当 初 に 認 識 された 日 に 適 用 された 割 引 率 を 用 いて 算 定 し た 金 利 費 用 を 認 識 する 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 直 接 対 応 して 変 動 す ると 予 想 されるキャッシュ フローについて 当 該 リターンの 変 動 が 当 該 キャッ シュ フローの 金 額 に 影 響 を 与 えると 企 業 が 予 想 している 場 合 には 企 業 は 当 該 割 引 率 を 更 新 しなければならない (b) 下 記 の 両 者 の 差 額 を その 他 の 包 括 利 益 に 認 識 する (i) 報 告 日 現 在 で 適 用 した 割 引 率 を 用 いて 測 定 した 保 険 契 約 の 帳 簿 価 額 (ii) 契 約 が 当 初 に 認 識 された 日 に 適 用 された 割 引 率 を 用 いて 測 定 した 保 険 契 約 の 帳 簿 価 額 基 礎 となる 項 目 に 対 するリターンに 直 接 対 応 して 変 動 すると 予 想 されるキャッシュ フローについて 当 該 リターンの 変 動 が 当 該 キャッシ ュ フローの 金 額 に 影 響 を 与 えると 企 業 が 予 想 している 場 合 には 企 業 は 当 該 割 引 率 を 更 新 しなければならない 同 意 又 は 反 対 の 理 由 は 何 か 反 対 の 場 合 どのような 提 案 をするか その 理 由 は 何 か 我 々は 提 案 内 容 に 基 本 的 に 同 意 するが 以 下 の 二 点 に 関 して 改 善 が 必 要 と 考 える (1)その 他 の 包 括 利 益 の 強 制 適 用 について 当 該 提 案 により 割 引 率 の 変 動 の 影 響 と 他 の 要 素 から 生 じる 利 得 損 失 の 区 別 が 財 務 諸 表 において 明 確 に 示 されることになる 割 引 率 の 変 動 の 影 響 は 時 間 の 経 過 とと もに 解 消 される 性 質 のものであり 企 業 の 業 績 を 示 す 指 標 としては 適 切 ではなく 両 者 を 明 確 に 区 別 することが 業 績 の 適 切 な 表 示 に 資 すると 考 える また IASB 公 開 草 案 分 類 及 び 測 定 :IFRS 第 9 号 の 限 定 的 修 正 (IFRS 第 9 号 (2010 年 )の 修 正 案 ) において 提 案 されている その 他 の 包 括 利 益 (OCI)を 通 じて 公 正 価 値 で 測 定 する 金 融 資 産 の 区 分 (FVOCI の 区 分 )の 導 入 を 前 提 とすれば 改 訂 ED での この 提 案 の 導 入 により 会 計 上 のミスマッチの 軽 減 にもつながる 点 で 評 価 できる 一 方 改 訂 ED における 当 該 提 案 は 本 提 案 第 33 項 及 び 第 34 項 の 対 象 となる 契 約 に 係 る 一 部 のキャッシュ フローを 除 き 強 制 適 用 されることになるが 会 計 上 のミ スマッチ 解 消 を 阻 害 する 可 能 性 があるため 割 引 率 の 変 動 の 影 響 を 純 損 益 として 認 識 する 選 択 肢 も 認 めるべきと 考 える つまり 金 融 資 産 のうち 償 却 原 価 及 び FVOCI の 区 - 6 -
分 に 分 類 されない 金 融 商 品 については 割 引 率 の 変 動 の 影 響 が 純 損 益 に 計 上 されるた め 保 険 契 約 負 債 側 の OCI による 認 識 を 強 制 適 用 とすれば 新 たな 会 計 上 のミスマッ チが 生 み 出 される 可 能 性 がある そこで 割 引 率 の 変 動 の 影 響 を 純 損 益 として 認 識 す る 選 択 肢 を 設 ければ 例 えば デリバティブを 用 いて 保 険 契 約 負 債 の 金 利 変 動 に 対 す る 経 済 的 なヘッジを 意 図 している 場 合 ヘッジ 会 計 が 適 用 できなくても 会 計 上 のミ スマッチを 削 減 もしくは 低 減 させることが 期 待 できる このように 会 計 上 のミスマッチの 解 消 手 段 として 保 険 契 約 の 割 引 率 の 変 動 の 影 響 を 純 損 益 として 認 識 する 選 択 肢 の 適 用 が 考 えられるが かかる 選 択 肢 は 改 訂 ED では 認 められていない したがって 割 引 率 の 変 動 の 影 響 を OCI で 認 識 する 取 扱 いを 原 則 としつつ 会 計 上 のミスマッチの 低 減 を 条 件 とした 割 引 率 の 変 動 の 影 響 を 純 損 益 で 認 識 する 選 択 肢 も 認 めるべきである 当 該 選 択 肢 の 行 使 単 位 は 実 務 上 の 実 行 可 能 性 企 業 の 運 用 契 約 の 管 理 の 実 態 の 反 映 を 考 慮 し 保 険 契 約 のポートフォリオとすべき であると 考 える なお 結 論 の 根 拠 (BC142 項 から BC145 項 )において 純 損 益 の 表 示 に 関 する 選 択 肢 の 是 非 について 検 討 がなされており 当 該 選 択 肢 の 導 入 による 複 雑 性 の 増 加 による 弊 害 がミスマッチ 低 減 の 効 果 を 上 回 らないことなどを 理 由 に 却 下 されている しかし 我 々は 保 険 者 は 保 険 契 約 を 履 行 するために 資 産 を 保 有 していることから 負 債 と 資 産 の 関 連 性 の 高 さは 保 険 業 の 特 色 と 考 えており そのため 各 社 とも 資 産 運 用 戦 略 に 工 夫 を 凝 らしていることに 鑑 みれば 選 択 肢 の 導 入 による 会 計 上 のミスマッチ 低 減 効 果 は 各 社 の 実 態 をより 明 瞭 に 表 示 することにつながり 複 雑 性 の 増 加 による 弊 害 を 上 回 ると 思 われる 例 えば 選 択 肢 を 行 使 した 対 象 について IFRS 第 7 号 金 融 商 品 : 開 示 に 準 じた 開 示 を 求 めることで 財 務 諸 表 利 用 者 の 理 解 を 促 すことは 十 分 可 能 であ ろう 我 々は 保 険 契 約 負 債 の 割 引 率 による 変 動 は 時 とともに 巻 き 戻 されるため 区 分 する という 点 に 同 意 する 一 方 で 保 険 業 の 特 色 にも 鑑 みて 資 産 との 関 連 性 がより 明 瞭 に 表 示 される 選 択 肢 を 放 棄 すべきではないと 考 える (2) 割 引 率 の 更 新 について 割 引 率 の 更 新 が 求 められている 点 について 以 下 のとおり 目 的 や 取 扱 い 方 法 などが 不 明 瞭 であり 必 要 性 や 実 行 可 能 性 に 対 し 懸 念 がある そのため 我 々は 割 引 率 の 更 新 を 求 めるための 要 件 やその 必 要 性 を 明 確 化 した 上 で その 実 行 可 能 性 について 再 度 検 討 すべきと 考 える 1 割 引 率 を 更 新 するのであれば 変 動 すると 予 想 されたキャッシュ フローの 金 額 も 更 新 する 必 要 があるように 思 われるが 明 確 には 記 載 されていない そのため 割 引 率 の 更 新 によってどのような 目 的 を 達 成 しようとしているのかが 不 明 瞭 であ る - 7 -
2 どのように 割 引 率 を 更 新 すれば 良 いか 不 明 瞭 である 例 えば 基 礎 項 目 に 対 する リターンの 一 定 割 合 に 対 応 して 変 動 するキャッシュ フローの 場 合 割 引 率 は 当 該 一 定 割 合 を 考 慮 して 更 新 するのか 否 かが 不 明 瞭 である 3 予 想 の 程 度 が 不 明 瞭 である 基 礎 項 目 に 対 するリターンに 対 応 してキャッシ ュ フローが 変 動 するとの 予 想 に 基 づき 割 引 率 を 更 新 することが 求 められているが どの 程 度 の 確 度 の 予 想 が 必 要 であるかが 判 然 としない そのため 恣 意 的 操 作 の 余 地 が 懸 念 される 4 キャッシュ フローの 変 動 の 予 想 は 基 礎 項 目 のリターンの 予 想 に 基 づくが こう した 予 想 の 実 行 可 能 性 について 懸 念 がある また こうした 変 動 予 想 に 基 づきキャ ッシュ フローを 識 別 して 異 なる 会 計 処 理 まで 求 めなければならない 理 由 も 不 明 瞭 である 質 問 5 発 効 日 及 び 経 過 措 置 経 過 措 置 について 提 案 しているアプローチは 比 較 可 能 性 と 検 証 可 能 性 を 適 切 にバラン スさせているものであることに 同 意 するか 同 意 又 は 反 対 の 理 由 は 何 か 反 対 の 場 合 どのような 提 案 をするか その 理 由 は 何 か 我 々は 移 行 日 時 点 及 び 移 行 日 後 の 契 約 間 の 比 較 可 能 性 を 向 上 させるという 点 で 改 訂 ED の 提 案 内 容 に 同 意 する 移 行 日 時 点 における 保 険 契 約 負 債 に 契 約 サービス マー ジンを 含 めることは 移 行 日 後 に 当 初 認 識 される 契 約 の 測 定 と 整 合 的 である 経 過 措 置 を 簡 便 化 する 修 正 遡 及 適 用 についても 適 切 な 取 扱 いであると 考 える しかしながら 修 正 遡 及 適 用 では 移 行 日 時 点 の 期 待 キャッシュ フローを 当 初 認 識 時 点 から 移 行 日 時 点 までに 実 際 に 発 生 したキャッシュ フローにより 調 整 することになる が 遡 及 期 間 が 長 期 の 場 合 には 当 該 実 績 データの 入 手 可 能 性 の 制 約 や 実 務 上 の 負 荷 が 懸 念 される その 実 務 上 の 適 用 可 能 性 については フィールドテストの 結 果 により 裏 付 け られるなど 慎 重 に 検 証 する 必 要 があると 考 える - 8 -
質 問 6 保 険 契 約 に 関 する 基 準 により 生 じる 可 能 性 の 高 い 影 響 本 基 準 案 を 全 体 として 考 えた 場 合 提 案 されている 要 求 事 項 を 遵 守 するコストが 情 報 により 提 供 される 便 益 で 正 当 化 されると 考 えるか 当 該 コスト 及 び 便 益 は 質 問 1 から5における 提 案 によりどのように 影 響 を 受 けるか 当 該 コスト 及 び 便 益 は コメ ント 提 出 者 が 提 案 する 代 替 的 アプローチや 2010 年 公 開 草 案 での 提 案 と 比 較 してどう か 本 基 準 案 全 体 として 生 じる 可 能 性 の 高 い 影 響 を 以 下 の 点 について 記 述 されたい (a) 財 務 諸 表 における 保 険 契 約 の 影 響 の 透 明 性 及 び 保 険 契 約 を 発 行 する 異 なる 企 業 間 での 比 較 可 能 性 (b) 作 成 者 にとっての 遵 守 コスト 及 び 作 成 される 情 報 を 財 務 諸 表 利 用 者 が 理 解 するた めのコスト( 適 用 開 始 時 と 継 続 ベースの 両 方 で) 我 々は 改 訂 ED の 提 案 内 容 に 対 し 以 下 の 点 についてコスト ベネフィットの 観 点 から 再 検 討 を 提 案 する (1) 保 険 料 配 分 アプローチにおける 発 生 保 険 金 に 関 する 保 険 契 約 負 債 の 割 引 率 は 保 険 事 故 発 生 期 末 の 割 引 率 を 適 用 すべきである( 第 39 項 ) 保 険 料 配 分 アプローチでは 保 険 事 故 発 生 前 と 発 生 後 で 異 なる 測 定 方 法 を 用 いて 保 険 契 約 負 債 が 測 定 される 1モデル アプローチではあるものの 保 険 料 配 分 アプロ ーチの 適 用 要 件 の 一 つである 保 険 契 約 のカバー 期 間 が1 年 以 内 である ことに 支 払 保 険 金 総 額 確 定 までの 期 間 が 明 示 的 に 含 まれていないことを 勘 案 すれば これらを 一 連 のものとして 取 り 扱 うことは 測 定 手 法 と 必 ずしも 整 合 しておらず また 両 者 を 区 分 してきた 実 務 における 認 識 との 齟 齬 などが 懸 念 される したがって 保 険 料 配 分 アプローチにおける 発 生 保 険 金 に 関 する 保 険 契 約 負 債 にお ける 金 利 の 取 扱 いについて 実 務 的 な 対 応 として 契 約 開 始 時 の 割 引 率 ではなく 保 険 事 故 発 生 期 末 の 割 引 率 を 適 用 し 割 引 及 び 金 利 の 付 与 を 行 うことを 検 討 すべきであ る (2)リスク 調 整 について 信 頼 水 準 法 での 換 算 額 の 開 示 は 不 要 である( 第 84 項 ) リスク 調 整 の 算 定 は 各 社 の 実 態 に 応 じた 方 法 で 行 われるものであるため 信 頼 水 準 法 を 使 用 した 場 合 の 開 示 は 情 報 としての 有 用 性 において 劣 後 するだけでなく ミスリ ーディングなものとなる 懸 念 がある 信 頼 水 準 法 を 使 用 していない 会 社 にとっては 有 用 性 に 乏 しい 開 示 のためだけの 算 定 となるため コスト ベネフィットの 観 点 から 反 対 する - 9 -
質 問 7 文 言 の 明 瞭 性 本 提 案 は 明 瞭 に 表 現 され IASB が 行 った 決 定 を 反 映 していることに 同 意 するか 同 意 しない 場 合 明 瞭 でない 提 案 について 記 述 されたい どのように 明 確 化 すればよい か 我 々は 改 訂 ED の 提 案 内 容 に 対 し 以 下 の 点 について 明 瞭 化 の 観 点 から 再 検 討 を 提 案 する (1) 契 約 上 のサービス マージンの 測 定 額 に 大 きな 影 響 を 与 える 見 積 り 要 素 の 明 確 化 が 必 要 と 考 える 例 えば 履 行 キャッシュ フローの 範 囲 に 含 まれる 直 接 経 費 と 損 益 処 理 される 間 接 経 費 の 区 分 について 明 確 な 考 え 方 が 示 されないまま 例 示 されている(B66 項 及 び B67 項 ) そのため 現 状 の 例 示 からだけでは 両 者 の 区 分 方 法 につき 十 分 理 解 可 能 なレ ベルではないと 考 えられる 保 険 者 の 損 益 に 大 きく 関 係 することから 考 え 方 の 明 確 化 とそれを 具 体 的 に 適 用 した 場 合 の 例 示 であることが 分 かるように より 詳 細 なガイ ダンスを 設 けることが 必 要 と 考 える (2) 現 行 の IFRS 第 4 号 保 険 契 約 の 適 用 ガイダンスの 情 報 は 特 に 初 度 適 用 会 社 に とっては 非 常 に 有 用 であることから 当 該 内 容 を 基 準 書 上 承 継 すべきである (3) 保 険 料 と 保 険 契 約 収 益 の 調 整 表 について 調 整 項 目 に 関 するガイダンスの 提 供 が 必 要 と 考 える 当 期 に 受 け 取 った 保 険 料 から 当 期 に 認 識 した 保 険 契 約 収 益 への 調 整 表 の 開 示 が 求 められているが( 第 79 項 ) 調 整 項 目 に 関 するガイダンスが 提 供 されていない 保 険 契 約 の 期 首 残 高 と 期 末 残 高 の 調 整 表 の 場 合 と 同 様 に( 第 74 項 から 第 76 項 及 び 第 78 項 ) 調 整 項 目 に 関 するガイダンスの 提 供 が 必 要 と 考 える (4) 契 約 上 のサービス マージンがゼロとなった 後 に 将 来 のカバー サービスに 関 連 する 将 来 キャッシュ フローが 改 善 した 場 合 の 取 扱 いについて 記 述 が 必 要 と 考 える 将 来 キャッシュ フローが 不 利 な 方 向 に 変 化 した 場 合 契 約 上 のサービス マージ ンがゼロとなるまでは 契 約 上 のサービス マージンにより 吸 収 され それを 超 えた 分 については 即 時 に 純 損 益 として 処 理 される( 第 30 項 及 び 第 31 項 ) その 後 将 来 キ ャッシュ フローが 有 利 な 方 向 に 回 復 した 場 合 に 純 損 失 の 金 額 の 範 囲 で 利 益 を 計 上 するのか 全 額 につき 契 約 上 のサービス マージンの 認 識 として 処 理 するのかが 明 ら かではない - 10 -
したがって 契 約 上 のサービス マージンがゼロとなった 後 の 取 扱 いについて さ らなる 明 確 化 が 必 要 である (5) 保 険 契 約 者 に 保 険 者 の 剰 余 金 全 体 に 参 加 する 権 利 を 与 える 裁 量 権 のある 有 配 当 性 に 関 する 履 行 キャッシュ フローの 測 定 に 相 互 会 社 の 剰 余 を 含 めているが(BCA62 項 ) 考 察 が 不 十 分 かつ 不 明 瞭 である 当 該 議 論 は 保 険 契 約 会 計 に 限 った 議 論 ではなく 相 互 会 社 形 態 における 資 本 及 び 利 益 概 念 に 大 きな 影 響 を 与 える 取 扱 いであり 資 本 と 負 債 の 区 分 や 概 念 フレームワー クとの 整 合 性 といった 観 点 も 考 慮 した 上 で 慎 重 に 検 討 すべき 重 要 な 論 点 と 考 える また 当 該 議 論 は 見 解 が 統 一 されている 状 況 でもない 例 えば FASB は 企 業 が 支 払 う 義 務 を 又 は 意 図 を 有 する 金 額 を 負 債 として 表 示 し そのような 義 務 又 は 意 図 を 有 しない 金 額 を 資 本 として 表 示 することを 提 案 している 我 々も 相 互 会 社 におい て 資 本 及 び 利 益 が 報 告 されないことには 類 似 の 保 険 契 約 を 発 行 する 他 の 企 業 との 比 較 可 能 性 の 観 点 から 強 い 懸 念 を 有 しており FASB の 主 張 であれば 財 務 諸 表 利 用 者 に 対 してより 有 用 な 情 報 が 提 供 できるとも 考 えている 我 々は 相 互 会 社 形 態 に 広 く 影 響 する 当 該 議 論 は 改 訂 ED の BCA において 結 論 で きるレベルのものではなく 現 状 の 提 案 内 容 では 十 分 に 納 得 できるレベルの 考 察 が 明 瞭 になされていないと 考 えている (6) Participating contract 及 び Underlying items に である 現 状 では これらの 定 義 が 不 明 瞭 なまま 議 論 がされているように 感 じられ そのた め 正 しい 相 互 認 識 の 下 に 結 論 に 至 っていない 懸 念 がある したがって 上 記 のような 各 人 によってイメージが 異 なる 懸 念 のある 用 語 は 明 確 な 定 義 をした 上 で 議 論 におい て 用 いるべきである (7) 元 受 保 険 契 約 が 不 利 な 契 約 であった 場 合 その 損 失 は 一 時 に 費 用 として 認 識 される 一 方 当 該 元 受 保 険 契 約 に 連 動 して 出 再 された 再 保 険 契 約 から 生 じる 当 初 利 益 は 繰 り 延 べることが 提 案 されている( 第 41 項 ) このため 両 損 益 を 相 殺 できず 会 計 上 のミスマッチが 生 じると 考 えられる しかし 会 計 上 のミスマッチが 生 じてもなお 提 案 されている 取 扱 いがより 明 瞭 な 表 示 に 寄 与 している 点 について 現 状 では 考 察 が 不 十 分 と 考 える なお 我 々は 元 受 保 険 契 約 と 整 合 的 な 取 扱 いを 再 保 険 契 約 に 求 めることで 会 計 上 のミスマッチを 回 避 する 方 がより 明 瞭 な 表 示 に 寄 与 すると 考 え る - 11 -
(8) 保 険 料 配 分 アプローチにおいて 新 契 約 費 は 当 初 認 識 時 において 負 債 からの 減 算 項 目 として 記 載 されている( 第 38 項 ) しかし 新 契 約 費 が 分 割 支 払 される 場 合 など 当 初 認 識 時 以 後 でも 新 契 約 費 が 支 払 われるケースがある 現 在 の 提 案 では こうし た 支 払 が 第 38 項 (b)においてどのように 取 り 扱 われるべきか 不 明 瞭 である また 第 38 項 (b)では 当 期 に 提 供 したカバーに 対 する 保 険 契 約 収 益 として 認 識 した 金 額 を 減 算 することとなっている しかし ロールフォワード 表 から 振 替 える 当 該 金 額 は 新 契 約 費 控 除 後 の 金 額 であり B91 項 に 記 載 する 収 益 計 上 される 金 額 との 関 係 が 不 明 瞭 である 以 上 - 12 -