現 況 の 指 定 容 積 率 をすべて 使 い 切 った 場 合 に 現 況 容 積 率 の 2.25 倍 以 上 になるかどうかを 確 認 する 現 況 の 街 区 面 積 は 3,569,759m2 延 べ 床 面 積 は 3,569,759m2であるから 目 標 とする 延 べ 床 面 積 はその 2.25 倍 の 8,031,958m2である 一 方 指 定 容 積 率 をすべて 使 い 切 った 場 合 の 延 べ 床 面 積 は 10,098,106m2 現 況 の 2.83 倍 目 標 としている 延 べ 床 面 積 の 1.26 倍 であるため 現 行 の 用 途 地 域 内 で 達 成 可 能 である 目 標 よりも 多 くの 床 面 積 を 確 保 しているので この 80% 程 度 であれば 目 標 を 達 成 すること ができる 表 3.4 用 途 地 域 の 指 定 容 積 率 を 使 い 切 った 場 合 の 試 算 80
3.4.4 小 結 現 況 容 積 率 の 把 握 低 利 用 地 と 高 密 度 に 使 われている 地 域 があることを 確 認 した 商 業 中 心 である 駅 前 の 街 区 の 容 積 率 は 150%を 超 えるものが 多 く 宅 地 開 発 された 住 宅 地 では 容 積 率 50% 程 度 のものが 多 く 用 途 と 場 所 による 容 積 率 の 違 いが 確 認 された 現 況 の 利 用 を 反 映 しているが 未 開 発 地 区 や 偶 然 低 密 度 になっている 場 所 もあり 現 況 の 容 積 率 をそのまま 反 映 するべきではない 容 積 率 40%から 100%の 街 区 が 多 く 150%を 超 える 街 区 は 少 数 であるが 確 認 された 高 密 化 地 域 内 の 街 区 の 平 均 容 積 率 は 76%で これを 2.25 倍 した 目 標 容 積 率 は 171%になる 街 区 の 類 型 化 街 区 を 以 下 の8 種 類 に 類 型 化 した 類 型 のうち136はその 他 の 類 型 に 比 べ 敷 地 割 が 細 かく 高 容 積 化 が 難 しいと 考 えられ 136とそれ 以 外 の2つに 大 別 し 容 積 を 設 定 する 必 要 があると 考 えられる 81
用 途 地 域 の 把 握 長 岡 地 域 で 指 定 されている 用 途 地 域 と 実 際 の 利 用 を 比 較 すると 用 途 地 域 は 以 下 の3 種 類 に 分 類 できる 事 を 確 認 した この 用 途 の 分 類 と 現 況 の 指 定 容 積 率 を 参 考 に 詳 細 な 密 度 を 検 討 す べきである 現 況 の 用 途 地 域 で 指 定 されている 容 積 率 を 達 成 すると 目 標 としている 2.25 倍 を 超 え 2.8 倍 まで 容 積 を 増 やすことになり 指 定 容 積 率 の 80% 程 度 達 成 すれば 現 況 容 積 率 の 2.25 倍 は 達 成 できる 詳 細 な 密 度 の 検 討 にむけて 以 上 のまとめから 詳 細 な 密 度 の 検 討 は 以 下 の2 指 標 で 検 討 する それぞれの 用 途 地 域 を 街 区 の 類 型 で 高 容 積 化 が 難 しい 類 型 とそうでない 類 型 に 分 けて 密 度 を 設 定 する すべての 街 区 の 容 積 率 が 現 況 の 平 均 76.13%の 2.25 倍 である 171.29%になることを 目 標 とする 図 3.28 2つの 指 標 82
これまでの 流 れをフローチャートに 沿 って 振 り 返 る 縮 小 の 方 針 の 検 討 と 残 すべき 地 域 と 高 密 化 する 地 域 の 検 討 では 既 往 研 究 を 整 理 し コンパクト 化 の 大 きな 方 向 性 を 決 め 市 域 や 広 域 での 密 度 設 定 を 示 した バスルート 沿 いに 幅 300m を 現 況 容 積 の 2.25 倍 にする という 方 針 を 打 ち 立 て 詳 細 な 密 度 の 検 討 空 間 像 の 検 討 へと 移 った 詳 細 な 密 度 の 検 討 の 予 備 スタディとして すべての 街 区 で 現 況 の 容 積 率 を 一 律 2.25 倍 にするスタディを 試 み 高 容 積 化 が 難 しい 場 所 があることを 確 認 した そし て 詳 細 な 密 度 を 検 討 する 前 に 現 況 の 容 積 率 街 区 類 型 用 途 地 域 を 確 認 した ま た 目 標 である 容 積 率 2.25 倍 という 数 字 を 全 体 の 平 均 容 積 率 171.28% に 変 換 し 直 し 街 区 毎 の 容 積 率 を 検 討 する 方 針 になった そして 街 区 類 型 と 用 途 地 域 の2 点 で 街 区 に 特 徴 付 けを 行 い それぞれに 目 標 容 積 率 を 与 えることで 密 度 の 検 討 を 行 う 図 3.29 フローチャート( 太 枠 内 がこれから 行 うこと) 83
3.5 フローチャート3 詳 細 な 密 度 の 検 討 3.5.1 用 途 と 街 区 類 型 による 街 区 の 分 類 用 途 と 街 区 類 型 で 目 標 容 積 を 設 定 する 用 途 と 街 区 類 型 の 容 積 設 定 の 目 安 を 以 下 の 図 に 示 した 非 住 居 系 非 住 居 系 はそれぞれの 用 途 に 見 合 う 密 度 設 定 を 行 う 駅 前 の 商 業 ビルが 並 ぶ 商 業 地 域 では 現 況 の 容 積 率 が 300% 程 度 であり まだ 開 発 可 能 な 印 象 を 受 けるため 300%よりも 高 めに 設 定 したい 一 方 で 第 二 種 住 居 地 域 の 商 業 施 設 はロードサイドや 再 開 発 型 のものが 多 く 広 い 敷 地 を 有 しているため 高 容 積 化 しやすいが ある 程 度 自 家 用 車 での 利 用 を 意 識 すべきであり 駅 前 ほどの 高 容 積 化 はすべきではない また 現 況 の 指 定 容 積 率 が 200%であるから 最 大 でもその 程 度 が 望 ましいと 考 える 倉 庫 や 工 場 のような 建 築 は 住 居 や 商 業 のように 容 易 に 高 容 積 化 できる 場 所 ではないため 現 況 を 大 きく 超 える 値 で 設 定 ができない しかし 車 での 通 勤 や 営 業 車 用 の 駐 車 場 空 間 が 多 くあり 公 共 交 通 利 用 によって 多 少 の 省 スペース 化 が 起 こ る 可 能 性 がある 工 業 地 域 は 現 況 容 積 率 より 多 少 高 く 設 定 する 程 度 に 納 めたい 混 合 系 近 隣 商 業 地 域 準 工 業 地 域 第 一 種 住 居 地 域 のすべては 戦 後 からある 地 域 に 多 いため 敷 地 が 狭 かったり 敷 地 規 模 にばらつきがある 開 放 的 な 住 居 というよりも 比 較 的 コンパクトに 居 住 しているが 全 体 として 広 いエリアで 指 定 されているため 空 き 地 も 多 く 含 まれる ある 程 度 コンパクトに 居 住 することを 目 指 す 図 3.30 用 途 地 域 の 分 類 と 街 区 類 型 の 分 類 によって 容 積 率 を 決 める 84
住 居 系 宅 地 造 成 され 開 放 的 な 住 宅 地 として 位 置 づけられており 低 層 の 街 並 が 並 んでいる 混 合 系 の 街 区 よりも 低 く 設 定 し ある 程 度 の 密 度 がありながらも 解 放 的 な 居 住 環 境 になる 密 度 設 定 を 目 指 す それぞれの 用 途 地 域 に 高 容 積 化 が 可 能 な 街 区 とそうでない 街 区 にわけ それぞれの 容 積 率 を 設 定 する 優 先 順 位 として 設 定 が 最 も 難 しい 混 合 利 用 から 設 定 したい 敷 地 割 が 細 かい 街 区 と 広 い 敷 地 と 狭 い 敷 地 が 併 存 する 街 区 といったものが 多 く さらに 主 に 居 住 利 用 になるため 採 光 等 の 居 住 環 境 を 確 保 する 必 要 がある 容 積 率 設 定 の 手 がかりとして 高 東 京 で 既 に 密 居 住 が 行 われている 街 区 の 中 で 良 好 な 印 象 を 受 けるものを 選 び 出 し それぞれの 街 区 の 容 積 率 を 計 算 し 設 定 の 参 考 にしたい 表 3.5 用 途 地 域 現 況 の 指 定 容 積 率 街 区 類 型 85
3.5.2 基 準 となる 容 積 率 を 決 めるための 調 査 容 積 率 を 設 定 する 際 基 準 となる 容 積 率 をつくりたい そのために 既 に 高 密 度 である 東 京 都 内 の 複 数 の 街 区 で 街 区 調 査 を 行 った 場 所 は 以 下 の5カ 所 である 文 京 区 千 駄 木 1 丁 目 文 京 区 本 駒 込 1 丁 目 目 黒 区 青 葉 台 1 丁 目 目 黒 区 碑 文 谷 3 丁 目 世 田 谷 区 下 馬 3 丁 目 この 中 で 住 環 境 として 印 象 の 良 かった3 敷 地 の 街 区 類 型 と 容 積 率 をまとめた 図 3.31 東 京 の 街 区 調 査 地 文 京 区 千 駄 木 1 丁 目 街 区 面 積 :1,885m2 実 質 容 積 率 :154% 街 区 類 型 :12 宅 地 幅 住 宅 敷 地 割 上 図 3.32 千 駄 木 地 区 地 図 図 3.33 千 駄 木 地 区 の 街 並 図 3.34 調 査 街 区 アクソメ 図 戸 建 て 住 宅 と 数 世 帯 分 の 小 規 模 な 集 合 住 宅 からなる 街 区 建 物 の 高 さや 敷 地 の 大 きさにばらつきがなく 整 った 印 象 を 与 える 敷 地 が 小 さい 三 階 建 ての 住 宅 が 多 く それらは2 世 帯 住 宅 であることが 多 い 86
目 黒 区 青 葉 台 1 丁 目 街 区 面 積 :1,999m2 実 質 容 積 率 :196% 街 区 類 型 :22 宅 地 幅 ゆとりある 住 宅 地 規 模 上 図 3.35 青 葉 台 地 区 地 図 下 図 3.36 青 葉 台 地 区 の 街 並 図 3.37 調 査 街 区 アクソメ 図 目 黒 川 沿 いはファサードや 高 さが 揃 っており 整 った 印 象 を 与 える 裏 側 は 建 物 の 高 さや 敷 地 の 大 きさに 違 いがあり 整 っていないが 古 い 戸 だて 住 宅 が 更 新 され 高 密 度 利 用 が なされれば 良 い 景 観 になるだろう 目 黒 区 碑 文 谷 3 丁 目 街 区 面 積 :8,641m2 実 質 容 積 率 :210% 街 区 類 型 :7 大 規 模 敷 地 小 規 模 宅 地 混 合 型 8 中 大 規 模 敷 地 型 図 3.38 碑 文 谷 地 区 地 図 図 3.39 調 査 街 区 アクソメ 図 87
大 きい 集 合 住 宅 と 戸 だてが 併 存 し ていたが 大 きい 建 物 と 小 さな 建 物 が 明 確 に 別 れており 混 在 した 印 象 はなかった 集 合 住 宅 の 高 さが 5 層 程 度 で 収 まっていた 事 や 周 囲 に 植 栽 が 施 されていた 事 等 が 良 い 印 象 を 与 えた 図 3.40 碑 文 谷 地 区 の 街 並 街 区 類 型 1のような 敷 地 割 の 細 かい 街 区 では 住 居 利 用 として 最 大 限 利 用 しているように 感 じていても 容 積 率 は 150% 程 度 までしか 到 達 できない 一 方 街 区 類 型 2や78といったゆとりある 街 区 では 低 層 住 宅 と 集 合 住 宅 が 併 存 した 街 区 であっても 良 好 な 景 観 を 維 持 していた 良 い 景 観 を 保 ちながらの 高 密 度 化 の 限 度 とも 感 じ られる2つの 敷 地 では 容 積 率 は 200% 程 度 まで 利 用 されていた 混 合 利 用 地 では 街 区 類 型 136のような 高 容 積 化 が 難 しい 街 区 では 千 駄 木 を 参 考 にし 容 積 率 150% を 目 指 し 街 区 類 型 24578のような 高 容 積 化 が 比 較 的 容 易 な 街 区 では 青 葉 台 と 碑 文 谷 を 参 考 に 容 積 率 200% を 目 指 す 88
3.5.3 容 積 設 定 住 居 系 混 合 系 の 第 一 住 居 地 域 や 近 隣 商 業 地 域 準 工 業 地 域 より 低 い 容 積 率 設 定 にすべきで ある 第 一 種 第 二 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 では 混 合 系 よりも 低 い 値 で 設 定 すると 高 容 積 化 が 可 能 な 街 区 では 青 葉 台 や 碑 文 谷 のように 中 層 の 集 合 住 宅 と 戸 だてが 混 ざった 街 区 でより 解 放 的 にしたい 高 容 積 化 が 難 しい 街 区 では 現 況 よりもやや 高 密 化 させ 千 駄 木 よりも 低 密 度 にしたい 第 一 種 第 二 種 中 高 層 住 居 専 用 地 域 は 高 容 積 化 し 易 い 街 区 は 150% 高 容 積 化 が 難 し い 街 区 は 100%とする 全 体 の 目 標 容 積 率 を 達 成 するために 微 調 整 を 行 うかもしれな い 第 一 種 第 二 種 低 層 住 居 専 用 地 域 の 指 定 容 積 率 は 100%と 80%の 2 種 類 があり 現 況 容 積 率 は 60% 程 度 である 空 き 地 や 低 利 用 地 を 含 めた 数 値 であるため 指 定 容 積 率 達 成 は 容 易 であると 思 われる 街 区 類 型 問 わず 指 定 容 積 率 を 最 大 に 利 用 し 100%と 80%とする 非 住 居 系 工 業 地 域 は 高 密 度 化 が 難 しい 一 方 で 公 共 交 通 利 用 によって 通 勤 で 用 いられる 駐 車 場 空 間 を 利 用 したり 工 場 用 途 以 外 の 街 区 で 低 密 度 利 用 のものも 存 在 するため 現 況 容 積 率 である 70%から 100% 程 度 を 目 指 す 第 二 種 住 居 地 域 の 商 業 施 設 はロードサイドや 再 開 発 型 のものが 多 く 広 い 敷 地 を 有 しているため 高 容 積 化 しやすいが ある 程 度 自 家 用 車 での 利 用 を 意 識 すべきであり 駅 前 ほどの 高 容 積 化 はすべきではない 現 況 の 指 定 容 積 率 が 200%であるから 最 大 限 利 用 しても 駅 前 の 商 業 地 域 よりは 低 くなる 目 標 は 150%から 200%とするが 全 体 の 目 標 容 積 率 を 達 成 するために 微 調 整 を 行 うかもしれない 商 業 地 域 は 駅 前 の 大 通 り 沿 いの 指 定 容 積 率 が 600%の 地 域 では 現 況 容 積 率 300% 程 度 の 利 用 があり 指 定 容 積 率 600%の 周 囲 を 囲 む 指 定 容 積 率 400%の 地 域 では 現 況 容 積 89
率 200% 程 度 の 利 用 である どちらの 地 域 も 低 層 低 密 度 の 街 区 があったり 部 分 的 に 空 地 が 存 在 するが 指 定 容 積 率 を 最 大 に 利 用 する 事 は 難 しいが 中 心 地 居 住 がなされ ていないため 更 新 時 に 上 層 部 を 住 居 利 用 とした 複 合 利 用 を 行 うことにより 容 積 率 の 上 昇 が 見 込 まれる 現 況 容 積 率 以 上 で 指 定 容 積 率 以 下 を 目 標 とし 全 体 の 目 標 容 積 率 を 達 成 するために 微 調 整 を 行 う 以 上 の 内 容 を 用 途 地 域 と 類 型 毎 にまとめた この 目 標 の 中 で 目 標 容 積 率 である 171%が 達 成 されるように 微 調 整 を 行 う 表 3.6 目 標 容 積 率 の 設 定 ( 微 調 整 前 ) 90
微 調 整 の 結 果 それぞれ 以 下 の 目 標 容 積 率 で 全 体 の 目 標 である 171% つまり 現 況 容 積 率 の 2.25 倍 が 可 能 になる この 容 積 率 配 分 で 現 れる 都 市 像 を 検 討 する 表 3.7 目 標 容 積 率 の 設 定 91
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