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単 純 に2つの 選 択 肢 の 比 較 を 考 えると Zが 一 番 いい 選 択 肢 になってしまう! X>Yの 数 :Y>Xの 数 25:35 Y>X X>Zの 数 :Z>Xの 数 23:37 Z>X Y>Zの 数 :Z>Yの 数 19:41 Y>Z つまり,Xは 下 位 に 位 置 づけられることが 一 番 多 い 候 補 者 でもあり,その 意 味 で 一 番 良 いと 言 い 切 ることも 難 しい もう 少 しこんがらがった 例 Xが23 票 Yが19 票 Zが18 票,ただし 60 名 の 意 見 をもう 少 し 詳 しくみると Xに 投 票 した23 名 は 全 てZ<Y Yに 投 票 した19 名 は 内 17 名 はZ>X 2 2 名 はZ<X Zに 投 票 した18 名 は 内 10 名 がX>Y 8 名 がY>X これは 実 はジャンケンの 関 係 になっている X>Yの 数 :Y>Xの 数 33:27 X>Zの 数 :Z>Xの 数 25:35 Y>Zの 数 :Z>Yの 数 42:18 単 記 投 票 のパラドクス 決 選 投 票 のパラドクス 単 記 投 票 : 各 投 票 者 が 与 えられた 選 択 肢 の 中 から1 つを 選 び,その 最 大 票 数 の 選 択 肢 をもって 社 会 的 決 定 とする しかし, 決 め 方 によって, 最 高 順 位 のものが 最 低 順 位 になってしまうことがしば しば 生 じる, 非 合 理 な 決 定 方 式 の 見 本 でもある よい 順 だとX 悪 い 順 でもX 単 記 投 票 で 最 上 位 者 の 得 票 数 が 過 半 数 に 達 しな い 場 合, 上 位 2 名 で 再 投 票 候 補 者 の 数 が 増 えるにつれ, 単 純 多 数 決 の 決 定 と 食 い 違 いが 生 じる 可 能 性 が 高 くなる 上 に,どの 対 決 から 始 めるかで 当 選 者 を 操 作 することが 可 能 な 投 票 方 式 恣 意 的 に 社 会 的 決 定 を 変 えることが 容 易 な 決 定 方 式 皆 が 最 下 位 にしている 順 位 評 定 法 のパラドクス 決 戦 だとx 対 zだが x z y x z y x z y z この 選 好 構 造 だと,よい 順 に 決 選 投 票 を しても 悪 い 順 に 決 選 投 票 をしてもxが 選 ばれる 各 投 票 者 が 最 下 位 を0 点 とし, 各 順 位 に 対 して ( 候 補 者 数 - 順 位 )を 点 数 とし, 総 点 で 決 める 勝 者 が 降 りたら 順 位 逆 転 が 起 きうる 無 関 係 選 択 肢 から 独 立 が 満 たされな 上 無 関 係 選 択 肢 からの 独 立 が 満 たされない 上 に,やはり 戦 略 的 な 結 果 の 操 作 を 許 してしまう 2

辞 退 による 順 位 逆 転 Zが 抜 けると 無 関 係 選 択 肢 からの 独 立 4 位 5 位 x z y a b x z y a b y a b x z 4 位 x y a b x y a b y a b x 4 位 5 位 a b c 4 位 5 位 y a b c x x:9 y:8 z:6 a:6 b:2 x:6 y:7 a:4 b:1 xとyが 逆 転 してしまう! x:11 y:10 xとyの 関 係 を 保 ったまま, 順 位 を 変 えると x:8 y:10 xとy 自 体 の 関 係 ではなく,a,b,cとの 関 連 でxとy との 関 係 が 変 わってしまう!! 現 実 にありえるのか 過 去 のアメリカ 大 統 領 選 で, 有 力 候 補 から 票 を 奪 う スポイラーが 重 要 な 役 割 を 果 たしたことが 何 度 かあった と 考 えられている xとyだけの 選 挙 だとyが 勝 つのに 1 位 2 位 x y x y x y x y ここではzがス ポイラー zが 入 るとxが 勝 ってしまう 1844 年 大 統 領 選 奴 隷 制 廃 止 が 争 点 の1つ 民 主 党 ( 賛 成 ):ジェイムズ ポーク 49.5% ホィッグ 党 ( 反 対 ):ヘンリー クレイ 48.1% 自 由 党 ( 反 対 ):ジェイムズ バーニー バ ニ 23% 2.3% バーニー 支 持 者 の 殆 どは, 恐 らくクレイを 支 持 もしバーニーが 出 馬 していなければクレイが 当 選, 奴 隷 制 廃 止 もこの 時 点 で 可 能 1848 年 大 統 領 選 やはり 奴 隷 制 が 焦 点 ホィッグ 党 :ザカリー テイラー 民 主 党 :ルイス カス 自 由 土 地 党 :マーティン ヴァン ミューレン 元 は 民 主 党 だったが, 自 分 が 候 補 でないのをよし としなかったため, 党 を 代 えて 出 馬 一 般 投 票 のミューレンの 得 票 数 は,テイラーと カスの 差 の2 倍 以 上 1860 年 大 統 領 選 挙 民 主 党 : 北 部 と 南 部 に 分 かれる 北 部 :スティーヴン ダグラス 南 部 :ジョン ブレッキンリッジ 共 和 党 :エイブラハム リンカーン ン 立 憲 連 合 党 :ジョン ベル ベルとブレッキンリッジによってダグラスの 票 が 割 られる 3

2000 年 大 統 領 選 挙 下 馬 評 ではアル ゴア, 耐 スポイラー 効 果 の ある 投 票 システムの 下 ではゴアが 勝 っただろ うといわれている ラルフ ネーダーがスポイラー,アル ゴアか ら 票 を 奪 い,ジョージ ブッシュの 当 選 に 貢 献 フィギアスケートの 旧 採 点 システム(Wikiより) 順 位 は 得 点 の 合 計 を 単 純 に 比 較 するのではなく それぞれのジャッジ がつけた 点 数 をマトリクス 化 して( 相 対 評 価 ) 決 定 される 具 体 的 には 次 のような 手 順 である 1. ジャッジはそれぞれ 自 分 がつけた 技 術 点 とプレゼンテーションの 合 計 点 によって 選 手 同 士 を1 対 1で 比 較 し 2. 高 い 合 計 点 をつけたほうの 選 手 の 支 持 するジャッジ=JIF(Judge ジ in Favor) となり その 選 手 に PIF(Point in Favor) 2ポイント を 与 える 3. さらに PIFのポイント 合 計 によって 選 手 同 士 は1 対 1で 比 較 され 高 い ほうの 選 手 に CP(Comparative Point) 2ポイント が 与 えられる もし PIFの 合 計 が 同 じであれば 両 者 に1ポイントを 与 える 4. CPの 合 計 の 高 いものから 上 位 の 順 位 となる そして 順 位 に 応 じて 順 位 点 (factored placement scores)を 与 え 各 種 目 の 順 位 点 の 合 計 によって 最 終 的 な 順 位 を 決 定 する こんなことが 起 きてしまった 1995 年 の 女 子 世 界 選 手 権 途 中 順 位 :1 位 陳 露 2 位 ボベック 3 位 ボナリー その 後,ミシェル クワンが 滑 走 4 位 何 故 か1 位 陳 露 2 位 ボナリー 3 位 ボベック 1997 年 ヨーロッパ 選 手 権 男 子 シングル 途 中 順 位 :1 位 ウルマノフ 2 位 ザゴロドニュク 3 位 キャンデロロ 最 終 滑 走 者 のウラシェンコ 6 位 結 局 :1 位 ウルマノフ 2 位 キャンデロロ 3 位 ザゴロドニュク どうすればいいの? よく 知 られている 社 会 的 決 定 方 式 はいずれも, 矛 盾 が 生 じる 戦 略 的 に 投 票 結 果 を 変 えることが 容 易 である じゃあ,そうじゃない 投 票 方 式 は 無 いの? 民 主 的 な 枠 組 みの 中 ではない Arrow の 不 可 能 性 定 理 Senのパラドクス Gibbard-Sattethewaiteの 定 理 Arrowの 不 可 能 性 定 理 下 の4つの 公 理 を 満 たす 決 定 方 式 は 存 在 しない 選 好 の 無 制 約 性 市 民 の 主 権 パレート 最 適 性 無 関 係 対 象 からの 独 立 性 非 独 裁 性 選 好 の 無 制 約 性 社 会 の 構 成 員 は 全 ての 選 択 肢 に 対 してどのよ うな 選 好 を 表 明 してもよい 個 人 の 主 義 信 条 が 完 全 に 自 由 であってよい, 各 個 人 は 全 く 好 きな 自 分 の 意 見 を 持 ってよい 4

市 民 の 主 権 パレート 最 適 性 全 員 が Xの 方 がYよりもよい と 考 えているの であれば, 社 会 的 決 定 はこの 選 好 に 従 わな ければならない 皆 がよいと 思 っていることが 採 用 されなけれ ばならない 無 関 係 対 象 からの 独 立 ある 選 択 肢 集 合 の 中 の, 特 定 の 選 択 肢 に 関 する 選 好 が 複 数 の 集 団 間 で 同 一 であるなら, 残 りの 選 択 肢 に 対 する 選 好 がどのように 異 なっていても,それらの 集 団 は 特 定 の 選 択 肢 に 対 しては 同 じ 決 定 を 導 く 実 はこれが 一 番 悪 さをしている? 非 独 裁 性 社 会 の 構 成 員 の 中 で,ただ1 人 の 人 物 の 選 好 順 序 が 他 の 構 成 員 の 選 好 にかかわらず 常 に 社 会 的 決 定 として 採 用 されることがあって はならない 独 裁 者 の 否 定 Arrowの 不 可 能 性 定 理 選 好 の 無 制 約,パレート 最 適 性, 無 関 係 選 択 肢 からの 独 立 を 満 たす 決 定 方 式 は 独 裁 性 しかない 民 主 主 義 的 な 社 会 的 選 択 の 決 定 方 式 は 不 可 能 自 由 主 義 とSenのパラドクス 社 会 的 決 定 が, 何 らかの 決 定 に 関 しては 個 人 の 自 由 を 許 容 しなければならない 何 でもかんでも 全 て,というわけではないが, 誰 もが 全 く 個 人 の 自 由 意 思 で 選 んでよいこと があってもよい これも 近 代 社 会 の 基 本 原 理,しかし Senのパラドクス 個 人 選 好 の 無 制 約 性,および 社 会 のパレート 最 適 性 と, 下 の 条 件 L*を 満 足 させる 決 定 関 数 はない 条 件 L: 社 会 の 全 ての 構 成 員 は, 自 己 の 選 好 順 序 に 従 って 選 択 することが 社 会 的 に 承 認 されている, 相 異 なる 選 択 肢 の 対 を 少 なくとも一 つは 持 たなければならない 条 件 L*:いかなる 社 会 でも, 少 なくとも2 人 の 構 成 員 はそれぞ れの 自 己 の 選 好 順 序 に 従 って 選 択 することが 社 会 的 に 承 認 されている, 相 異 なる 選 択 肢 の 対 を 少 なくとも 一 つ 持 たなけ ればならない 5

平 たく 言 うと 自 由 主 義 のパラドクス 条 件 L:どんな 人 でも, 自 分 の 好 きに 決 めることの 出 来 る 選 好 を1つは 持 つことが 出 来 る 条 件 L*: 少 なくとも2 人 1 人 にしてしまうと, 独 裁 者 を 認 めてしまうことになってしまう 個 人 選 好 の 無 制 約 性,およびパレート 最 適 と 両 立 しない つまり, 自 由 主 義 という 原 理 を 突 き 詰 めていくと 独 裁 者 を 許 容 してしまう 投 票 のパラドクスのもう1つの 含 意 戦 略 的 な 投 票 の 操 作 の 影 響 を 受 けてしまう 自 分 の 選 好 の 表 明 ではなく, 望 ましい 結 果 を 得 る ためだけに 投 票 を 行 なうこと 社 会 的 決 定 はあくまで 個 々 人 の 誠 実 な 意 見 表 明 の 要 約 の 結 果 として 下 されるべき, 望 ましい 結 果 を 得 るために 意 見 を 偽 る 方 が 得 になる 状 況 が 可 能 で あれば 意 見 の 集 約 という 行 為 自 体 が 成 立 しない Gibbard-Satterthwaiteの 定 理 戦 略 的 な 操 作 が 不 可 能 な 決 定 方 式 は 独 裁 性 だけ 3 人 以 上 の 候 補 者 がいる 選 挙 の 場 合, 以 下 の3つのうちのど れかが 成 り 立 つ ある1 人 の 有 権 者 の 投 票 だけで 結 果 が 決 まる どうやっても 当 選 できない 候 補 者 がいる 他 の 全 ての 有 権 者 の 投 票 にあわせて 自 らの 投 票 を 変 え ることにより, 自 分 の 望 みどおりの 結 果 を 手 にすることの 出 来 る 有 権 者 が 居 る 6