整 形 外 科 指 導 医 マニュアル 整 形 外 科 領 域 における 高 度 な 専 門 知 識 と 技 術 を 持 つ 専 門 医 を 養 成 するため 指 導 方 法 に も 一 定 の 標 準 化 が 求 められる 整 形 外 科 診 療 の 現 場 における 指 導 の 要 点 についてのマニュ アルを 以 下 に 提 示 する 整 形 外 科 専 門 医 取 得 のための 研 修 を 指 導 する 医 師 は 専 攻 医 が 別 添 の 整 形 外 科 専 門 医 研 修 プログラム に 準 拠 した 研 修 を 行 い 各 項 目 の 一 般 目 標 行 動 目 標 に 達 するよう 指 導 する 必 要 がある しかし 各 項 目 において 到 達 すべき 目 標 レベルは 必 ずしも 同 一 ではなく 自 ら 実 施 でき る ものや 指 導 責 任 者 のもと 実 施 できる ものなど それぞれの 行 動 目 標 にそのレベル を 記 載 してあるので 参 照 されたい 特 に Ⅳ 運 動 器 疾 患 Ⅹ 外 傷 ( 救 急 医 療 ) の 項 目 では 経 験 レベルとして A:それぞれについて 最 低 5 例 以 上 経 験 すべき 疾 患 B:それ ぞれについて 最 低 1 例 以 上 経 験 すべき 疾 患 C: 症 例 が 少 ないため 経 験 できなくとも 正 確 な 知 識 を 持 つべき 疾 患 に 分 けてある 従 って 指 導 医 は 各 研 修 項 目 の 到 達 レベル を 考 慮 したうえで 専 攻 医 が 整 形 外 科 専 門 医 として 十 分 な 知 識 経 験 手 技 能 力 を 身 につけるよう 指 導 を 行 う 必 要 がある この 指 導 医 マニュアル は 研 修 プログラム と 同 等 の 内 容 を 載 せることで 指 導 医 が 研 修 プログラム を 参 照 しなくても 十 分 な 指 導 が 行 えるようにした 1 整 形 外 科 専 門 医 像 整 形 外 科 専 門 医 は あらゆる 運 動 器 に 関 する 科 学 的 知 識 と 高 い 社 会 的 倫 理 観 を 備 え さ らに 進 歩 する 医 学 の 新 しい 知 識 と 技 術 の 修 得 に 日 々 邁 進 し 運 動 器 に 関 わる 疾 患 の 病 態 を 正 しく 把 握 し 高 い 診 療 実 践 能 力 を 有 する 医 師 である 整 形 外 科 専 門 医 は 生 活 習 慣 や 災 害 スポーツ 活 動 によって 発 生 する 運 動 器 疾 患 と 障 害 の 発 生 予 防 と 診 療 に 関 する 能 力 を 備 え 社 会 が 求 める 最 新 の 医 療 を 提 供 し 国 民 の 運 動 器 の 健 全 な 発 育 と 健 康 維 持 に 貢 献 することに 努 める 整 形 外 科 専 門 医 は 運 動 器 疾 患 全 般 に 関 して 早 期 診 断 保 存 的 および 手 術 的 治 療 なら びにリハビリテーション 治 療 などを 実 行 できる 能 力 を 備 え 運 動 器 疾 患 に 関 する 良 質 か つ 安 全 で 心 のこもった 医 療 を 提 供 することに 努 める 2 整 形 外 科 専 門 医 の 定 義 整 形 外 科 専 攻 医 として 研 修 プログラムを 修 了 し なおかつ 専 門 医 試 験 に 合 格 した 整 形 外 科 医 師 3 整 形 外 科 指 導 医 像 整 形 外 科 学 に 関 する 十 分 な 診 療 経 験 と 見 識 をもって 整 形 外 科 専 攻 医 を 日 常 診 療 で 直 接 指 1
導 し 研 修 プログラムの 達 成 度 を 評 価 することができる 整 形 外 科 専 門 医 4 整 形 外 科 指 導 医 の 定 義 研 修 プログラム 認 定 施 設 に 勤 務 し 整 形 外 科 専 門 医 の 資 格 を 1 回 以 上 更 新 し なおかつ 指 導 医 講 習 会 を 5 年 に 1 回 以 上 受 講 している 整 形 外 科 専 門 医 5 指 導 医 の 担 当 領 域 指 導 医 の 担 当 領 域 はサブスペシャリティの 分 野 に 限 定 せず その 指 導 医 の 診 療 実 績 に 応 じて 専 攻 医 の 指 導 が 可 能 な 領 域 とする 但 し 1 名 の 指 導 医 は 4 分 野 以 上 を 担 当 するこ とは 不 可 とする 6 指 導 目 標 整 形 外 科 専 門 医 として あらゆる 運 動 器 に 関 する 科 学 的 知 識 と 高 い 社 会 的 倫 理 観 を 備 え さらに 進 歩 する 医 学 の 新 しい 知 識 と 技 術 を 修 得 できるように 幅 広 い 基 本 的 な 臨 床 能 力 ( 態 度 技 能 知 識 )を 身 につけさせる そのために 下 記 の 一 般 教 育 目 標 (General Instructional Object: GIO)を 定 める 1. 医 師 が 守 るべき 法 律 と 医 師 に 求 められる 倫 理 規 範 を 理 解 し 遵 守 できる 2. 運 動 器 疾 患 の 理 解 に 必 要 な 運 動 器 の 解 剖 学 および 病 態 生 理 学 を 修 得 する 3. 運 動 器 疾 患 の 正 確 な 診 断 を 行 うための 基 本 的 手 技 を 修 得 する 4. 運 動 器 疾 患 の 治 療 を 安 全 に 行 うための 基 本 的 手 技 を 修 得 する 5. 重 要 な 運 動 器 疾 患 について 理 解 修 得 する 6. 小 児 運 動 器 疾 患 の 診 断 治 療 予 後 を 理 解 修 得 する 7. 運 動 器 のスポーツ 外 傷 障 害 ( 傷 害 )について 基 本 的 知 識 を 修 得 する 8. 運 動 器 の 機 能 障 害 を 正 確 に 評 価 し 運 動 器 リハビリテーションを 適 切 に 処 方 する 9. 地 域 にて 医 療 を 行 うための 必 要 な 知 識 を 修 得 する 10. 運 動 器 救 急 疾 患 外 傷 に 対 応 できる 基 本 的 診 療 能 力 を 修 得 する 11. 医 療 記 録 は 開 示 義 務 に 基 づき 必 要 事 項 が 正 確 に 記 録 されねばならないこと そして 医 療 記 録 は 個 人 情 報 であり 社 会 的 にその 管 理 責 任 を 果 たさねばならないことを 理 解 修 得 する 12. 臨 床 的 な 疑 問 点 を 見 出 して 解 明 しようとする 意 欲 を 持 ち その 解 答 を 科 学 的 に 導 き 出 し 論 理 的 に 正 しくまとめる 能 力 を 修 得 する 7 指 導 のポイント 及 び 年 時 毎 の 到 達 目 標 Ⅰ 医 師 の 法 的 義 務 と 職 業 倫 理 医 師 として 働 くにあたり 守 らなければならない 法 律 があること 診 療 の 義 務 診 断 書 2
や 処 方 箋 の 交 付 義 務 守 秘 義 務 各 種 届 け 出 義 務 などの 法 的 義 務 があること それらに 反 した 場 合 には 罰 則 があることを 理 解 させる 必 要 がある また 患 者 一 人 ひとりの 最 善 の 利 益 を 第 一 に 考 えるべきであること 医 療 の 倫 理 的 側 面 倫 理 的 問 題 に 対 する 解 決 策 の 見 出 し 方 など 職 業 倫 理 について 理 解 させることが 必 要 である 一 般 目 標 : 医 師 が 守 るべき 法 律 と 医 師 に 求 められる 倫 理 規 範 を 理 解 し 遵 守 できる 行 動 目 標 : 1. 医 師 法 等 で 定 められた 医 師 の 義 務 を 知 っている 2. 医 療 法 の 概 略 特 に 療 養 担 当 規 則 を 理 解 している 3. 医 療 行 為 に 関 する 上 記 以 外 の 法 律 ( 健 康 保 険 法 薬 事 法 など)を 十 分 に 理 解 し 遵 守 でき る 4. 医 療 倫 理 医 療 安 全 の 重 要 性 を 理 解 し 実 践 できる 5. DOH(Declaration of Helsinki) 日 本 医 師 会 の 医 の 職 業 倫 理 綱 領 を 知 っている 6. 患 者 やその 家 族 と 良 好 な 信 頼 関 係 を 確 立 することができる Ⅱ 運 動 器 の 基 礎 知 識 運 動 器 疾 患 を 扱 う 整 形 外 科 を 学 ぶに 当 たっては 運 動 器 の 解 剖 学 病 態 生 理 学 病 理 学 などを 理 解 させる 必 要 がある 特 に 体 幹 四 肢 の 解 剖 を 理 解 させること 骨 関 節 脊 椎 脊 髄 神 経 筋 腱 靱 帯 血 管 の 正 常 組 織 像 と 各 種 疾 患 での 病 理 組 織 像 を 理 解 させることは 重 要 である また 骨 代 謝 の 概 略 を 学 ぶことによって 骨 粗 鬆 症 などの 代 謝 性 骨 疾 患 の 病 態 を 理 解 させ ること 骨 折 の 治 癒 過 程 を 学 ぶことによって 骨 折 治 療 の 原 則 を 理 解 させること 軟 骨 代 謝 の 概 略 や 軟 骨 修 復 について 学 ぶことによって 関 節 疾 患 の 病 態 を 理 解 させることが 重 要 である さらに 脊 髄 末 梢 神 経 の 変 性 や 再 生 を 学 ぶことによって 神 経 系 の 損 傷 や 障 害 時 の 病 態 を 理 解 させること 関 節 症 と 関 節 炎 の 病 態 の 違 いを 理 解 させること 運 動 器 の バイオメカニクスの 概 略 を 学 ぶことによって 運 動 器 の 障 害 をさらに 深 く 理 解 させること が 重 要 である 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 理 解 に 必 要 な 運 動 器 の 解 剖 学 および 病 態 生 理 学 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 体 幹 四 肢 の 解 剖 を 修 得 する 2. 次 の 組 織 の 正 常 組 織 像 と 各 種 疾 患 での 病 理 組 織 像 を 述 べることができる (1) 骨 (2) 関 節 (3) 脊 椎 脊 髄 (4) 神 経 (5) 筋 腱 靱 帯 3
(6) 血 管 3. 骨 代 謝 の 概 略 を 述 べることができる 4. 骨 折 の 治 癒 過 程 を 述 べることができる 5. 軟 骨 代 謝 の 概 略 を 述 べることができる 6. 軟 骨 修 復 について 述 べることができる 7. 神 経 の 変 性 と 再 生 について 述 べることができる 8. 関 節 症 と 関 節 炎 の 病 態 の 違 いを 述 べることができる 9. 運 動 器 のバイオメカニクスの 概 略 を 述 べることができる Ⅲ 診 断 基 本 手 技 運 動 器 疾 患 を 正 確 に 診 断 するためには 鋭 い 観 察 力 論 理 的 な 思 考 力 が 重 要 であること を 理 解 させ 必 要 な 基 本 的 手 技 を 修 得 させる 必 要 がある 正 確 な 病 歴 聴 取 と 的 確 な 身 体 所 見 神 経 学 的 所 見 をとることにより 本 当 に 必 要 な 検 査 を 正 しく 行 うことの 重 要 性 を 理 解 させる 各 種 画 像 診 断 検 査 および 血 液 尿 生 化 学 検 査 など 画 像 診 断 以 外 の 検 査 についての 概 要 適 応 を 理 解 させるとともに 患 者 家 族 に 正 しく 説 明 することの 重 要 性 を 理 解 させ 実 施 できることが 必 要 である また 医 師 法 医 療 法 などの 法 律 についての 理 解 も 重 要 で ある 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 正 確 な 診 断 を 行 うための 基 本 的 手 技 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 病 歴 聴 取 に 際 して 患 者 の 社 会 的 背 景 や QOL に 配 慮 できる 2. 主 な 身 体 計 測 (ROM 四 肢 長 四 肢 周 囲 径 )ができる 3. 骨 関 節 の 身 体 所 見 がとれ 評 価 できる 4. 脊 椎 の 身 体 所 見 がとれ 評 価 できる 5. 神 経 学 的 所 見 がとれ 評 価 できる (1) 徒 手 筋 力 テスト(MMT) (2) 感 覚 障 害 の 検 査 (3) 反 射 6. 適 切 な X 線 写 真 の 撮 影 部 位 と 方 向 を 指 示 し 読 影 できる 7. CT の 適 応 を 理 解 し 適 切 に 指 示 し 読 影 できる 8. MRI の 適 応 を 理 解 し 造 影 の 要 否 も 含 め 適 切 に 指 示 し 判 定 できる 9. シンチグラフィーの 適 応 を 理 解 し 適 切 な 核 種 を 指 示 し 判 定 できる 10. 電 気 生 理 学 的 検 査 ( 筋 電 図 など)の 適 応 を 理 解 し 指 示 判 定 できる 11. 骨 量 測 定 の 概 要 を 理 解 し 指 示 判 定 できる 12. 超 音 波 エコー 検 査 の 適 応 を 理 解 し 実 施 判 定 できる 4
13. 侵 襲 的 検 査 を 行 う 場 合 患 者 家 族 に 説 明 し 同 意 を 得 ることができる 14. 侵 襲 的 検 査 施 行 後 の 合 併 症 を 熟 知 し 予 防 的 管 理 を 適 切 に 実 施 できる 15. 血 液 尿 生 化 学 検 査 の 適 応 を 理 解 し 指 示 判 定 できる 16. 関 節 液 検 査 脳 脊 髄 液 検 査 の 適 応 を 理 解 し 実 施 判 定 できる 17. 関 節 造 影 脊 髄 造 影 の 適 応 を 理 解 し 安 全 に 実 施 できる 18. 組 織 生 検 の 適 応 と 手 技 を 理 解 し 指 導 責 任 者 のもと 実 施 できる 19. 微 生 物 学 の 基 礎 を 理 解 し 細 菌 検 査 を 指 示 判 定 できる 20. 病 理 標 本 を 検 鏡 し 正 常 像 と 病 的 組 織 像 の 鑑 別 ができる 21. 関 節 鏡 検 査 の 適 応 を 理 解 し 指 導 責 任 者 のもとで 安 全 に 実 施 できる 22. 日 整 会 各 種 機 能 評 価 判 定 基 準 を 用 いて 評 価 できる Ⅳ 治 療 基 本 手 技 運 動 器 疾 患 を 安 全 に 治 療 するためには 医 療 倫 理 医 療 安 全 の 重 要 性 を 理 解 させるとと もに 必 要 な 基 本 的 手 技 を 取 得 させる 必 要 がある 特 に 薬 物 療 法 外 傷 一 般 に 対 する 基 本 的 処 置 各 種 麻 酔 法 外 固 定 などの 保 存 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 させ 適 切 に 実 施 できることが 必 要 である さらに ブロック 療 法 各 種 手 術 の 基 本 的 手 技 に 習 熟 させ 適 切 に 実 施 できることが 必 要 である また 治 療 には 危 険 性 や 合 併 症 が 伴 うことを 理 解 させ 患 者 家 族 に 正 しく 説 明 できること 予 防 的 管 理 ができることが 必 要 である 治 療 に 用 いられるバイオマテリアルの 種 類 使 用 基 準 利 点 問 題 点 について 理 解 させる こと 手 術 記 録 を 適 切 に 作 成 できること 治 療 後 のリハビリテーションを 適 切 に 処 方 で きること 在 宅 医 療 社 会 復 帰 について 理 解 させることなども 重 要 である 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 治 療 を 安 全 に 行 うための 基 本 的 手 技 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 薬 物 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 処 方 できる 2. 医 薬 品 副 作 用 被 害 救 済 制 度 を 知 っている 3. 麻 薬 管 理 に 関 する 法 律 を 理 解 し 適 切 に 処 方 できる 4. 一 般 外 傷 を 診 断 し 検 査 と 治 療 の 優 先 度 を 評 価 できる 5. 骨 折 や 脱 臼 の 整 復 を 正 しく 実 施 できる 6. ブラッシング デブリドマンなど 基 本 的 創 傷 処 置 を 正 しく 実 施 できる 7. 局 所 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 8. 伝 達 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 9. 腰 椎 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 10. 硬 膜 外 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 11. 全 身 麻 酔 の 基 礎 を 理 解 できる 12. 固 定 法 ( 副 子 ギプスなど)の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 実 施 できる 5
13. 牽 引 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 実 施 できる 14. 理 学 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 処 方 できる 15. 運 動 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 処 方 できる 16. 作 業 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 処 方 できる 17. 装 具 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 装 具 や 杖 を 適 切 に 処 方 できる 18. 清 潔 操 作 ( 関 節 穿 刺 注 入 や 直 達 牽 引 など)ができる 19. 神 経 ブロックを 安 全 に 実 施 できる 20. 硬 膜 外 ブロックを 安 全 に 実 施 できる 21. 局 所 解 剖 に 基 づいて 手 術 の 概 要 を 述 べることができる 22. 手 術 について 患 者 家 族 に 説 明 し 同 意 を 得 ることができる 23. 術 前 の 準 備 ( 患 者 と 患 肢 の 確 認 体 位 手 洗 いなど)を 適 切 に 実 施 できる 24. 運 動 器 の 基 本 的 な 手 術 手 技 ( 鏡 視 下 手 術 を 含 む)に 習 熟 し 実 施 できる 25. 骨 移 植 の 種 類 を 理 解 し その 適 応 を 判 断 できる 26. バイオマテリアルの 種 類 を 理 解 し その 使 用 基 準 を 判 断 できる 27. 患 者 家 族 に 手 術 の 内 容 と 術 後 合 併 症 の 可 能 性 などを 説 明 できる 28. 術 後 合 併 症 を 熟 知 し 予 防 的 管 理 を 適 切 に 実 施 できる 29. 手 術 記 録 を 適 切 に 作 成 できる 30. 術 後 のリハビリテーションを 適 切 に 処 方 できる 31. 在 宅 医 療 社 会 復 帰 などにつき メディカルスタッフなどと 協 議 できる Ⅴ 運 動 器 疾 患 整 形 外 科 学 は 骨 関 節 脊 椎 脊 髄 神 経 筋 腱 靱 帯 血 管 などの 運 動 器 を 対 象 と する 学 問 である 外 傷 ( 救 急 医 療 )を 除 いた 運 動 器 疾 患 を 11 の 項 目 別 に 列 挙 してあるが それぞれの 経 験 レベルに 応 じて 出 来 るだけ 多 くの 疾 患 についてその 内 容 を 理 解 させる 必 要 がある そのためには 運 動 器 の 基 礎 知 識 診 断 基 本 手 技 治 療 基 本 手 技 を 十 分 に 理 解 させたうえで それぞれの 疾 患 を 学 ぶことが 重 要 である すなわち 各 疾 患 に 関 連 する 解 剖 学 病 態 生 理 学 病 理 学 バイオメカニクスなどの 基 礎 知 識 を 理 解 させたう えで 基 本 的 診 断 法 基 本 的 治 療 法 を 修 得 させることが 重 要 である なお 本 項 目 に 記 載 されている 疾 患 を 履 修 した 際 V 小 児 VI スポーツ VII リハビリ テーションの 各 項 目 の 行 動 目 標 の 中 で 当 該 疾 患 に 関 連 する 行 動 目 標 があれば 同 時 に 修 得 して 評 価 を 受 けてよい 一 般 目 標 : 重 要 な 運 動 器 疾 患 について 理 解 修 得 する 行 動 目 標 : 下 記 に 属 する 疾 患 の 臨 床 像 を 述 べて 鑑 別 診 断 でき 検 査 治 療 方 針 を 立 てる ことができる 6
A:それぞれについて 最 低 5 例 以 上 経 験 すべき 疾 患 B:それぞれについて 最 低 1 例 以 上 経 験 すべき 疾 患 括 弧 [ ] 内 の 疾 患 は どの 症 例 経 験 でも 一 経 験 とカウントする C: 症 例 が 少 ないため 経 験 修 得 できなくても 正 確 な 知 識 を 持 つべき 疾 患 ( 括 弧 [ ] 内 の 疾 患 も 含 めて) Teaching file カンファレンス 参 加 講 演 受 講 e-learning などを 利 用 する 注 : 本 項 目 に 記 載 されている 疾 患 を 履 修 した 際 V 小 児 VI スポーツ VII リハビリテ ーションの 各 項 目 の 行 動 目 標 の 中 で 当 該 疾 患 に 関 連 する 行 動 目 標 があれば 同 時 に 修 得 して 評 価 を 受 けてよい 1. 軟 部 組 織 骨 関 節 の 感 染 症 B1. 骨 髄 炎 化 膿 性 関 節 炎 C2. 壊 死 性 筋 膜 炎 ガス 壊 疽 破 傷 風 化 膿 性 腱 鞘 滑 膜 炎 結 核 性 腱 鞘 滑 膜 炎 ネコひっかき 病 真 菌 性 関 節 炎 結 核 性 骨 関 節 炎 非 結 核 性 好 酸 菌 症 梅 毒 人 工 関 節 置 換 術 後 感 染 脊 椎 インストゥルメンテーション 手 術 後 感 染 薬 剤 耐 性 菌 感 染 症 2. 慢 性 関 節 疾 患 A1. 変 形 性 関 節 症 痛 風 B2. 偽 痛 風 (CPPD 結 晶 沈 着 症 ) 滑 液 包 炎 C3. 神 経 病 性 関 節 症 血 友 病 性 関 節 症 血 液 透 析 と 骨 関 節 症 アルカプトン 尿 性 関 節 症 ヘモクロマトーシス Wilson 病 肺 性 肥 厚 性 骨 関 節 症 異 所 性 骨 化 ( 骨 化 性 筋 炎 ) 3. 四 肢 循 環 障 害 B1. 閉 塞 性 動 脈 硬 化 症 C2. 閉 塞 性 血 栓 血 管 炎 静 脈 血 栓 塞 栓 症 静 脈 瘤 Raynaud 現 象 区 画 症 候 群 Volkmann 拘 縮 4. 骨 系 統 疾 患 C1. FGFR3 異 常 症 [ 軟 骨 無 形 性 症 軟 骨 低 形 成 症 致 死 性 骨 異 形 成 症 ] II 型 コラーゲン 異 常 症 [ 先 天 性 脊 椎 骨 端 異 形 成 症 Kniest 骨 異 形 成 症 Stickler 症 候 群 1 型 など] 短 肋 骨 異 形 成 症 [ 軟 骨 外 胚 葉 性 異 形 成 症 など] 多 発 性 骨 端 異 形 成 症 偽 性 軟 骨 無 形 成 症 骨 幹 端 異 形 成 症 [Schmid 型 骨 幹 端 異 形 成 症 など] 点 状 軟 骨 異 形 成 症 骨 変 形 を 伴 わない 骨 硬 化 性 疾 患 [ 大 理 石 病 濃 化 異 骨 症 ] 骨 形 成 不 全 症 7
多 発 性 異 骨 症 [ムコ 多 糖 症 IV 型 (Morquio 症 候 群 )など] 鎖 骨 頭 蓋 異 形 成 症 5. 先 天 異 常 症 候 群 B1. 手 の 先 天 異 常 [ 形 成 障 害 分 化 障 害 重 複 指 列 誘 導 異 常 など] 足 の 先 天 異 常 [ 形 成 障 害 分 化 障 害 重 複 趾 列 誘 導 異 常 など] C2. その 他 の 先 天 異 常 症 候 群 [ 先 天 性 結 合 組 織 病 進 行 性 骨 化 性 線 維 異 形 成 症 など] 6. 代 謝 性 骨 疾 患 A1. 骨 粗 鬆 症 C2. くる 病 骨 軟 化 症 上 皮 小 体 機 能 異 常 [ 原 発 性 上 皮 小 体 機 能 亢 進 症 続 発 性 上 皮 小 体 機 能 亢 進 症 三 次 性 上 皮 小 体 機 能 亢 進 症 特 発 性 上 皮 小 体 機 能 低 下 症 続 発 性 上 皮 小 体 機 能 低 下 症 偽 性 上 皮 小 体 機 能 低 下 症 偽 性 偽 性 上 皮 小 体 機 能 低 下 症 ] 甲 状 腺 機 能 異 常 [ 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 甲 状 腺 機 能 低 下 症 ] 成 長 ホルモン 異 常 [ 先 端 巨 大 症 巨 人 症 Cushing 症 候 群 ] 骨 Paget 病 7. 神 経 疾 患 筋 疾 患 C1. 脳 性 麻 痺 脳 血 管 疾 患 運 動 ニューロン 疾 患 [ 筋 萎 縮 性 側 索 硬 化 症 脊 髄 性 進 行 性 筋 萎 縮 症 ] 変 性 疾 患 [Parkinson 病 脊 髄 小 脳 変 性 症 ] 脱 髄 疾 患 [ 多 発 性 硬 化 症 など] 単 神 経 障 害 多 発 性 単 神 経 障 害 多 発 神 経 障 害 筋 疾 患 [ 多 発 筋 炎 封 入 体 筋 炎 進 行 性 筋 ジストロフィー] 8. リウマチ A1. 関 節 リウマチ C2. 悪 性 関 節 リウマチ 若 年 性 関 節 リウマチ 成 人 発 症 Still 病 回 帰 性 リウマチ リウマチ 性 多 発 筋 痛 症 強 直 性 脊 椎 炎 反 応 性 関 節 炎 (Reiter 症 候 群 ) 乾 癬 性 関 節 炎 掌 蹠 膿 疱 症 性 骨 関 節 炎 サルコイドーシス Jaccoud 関 節 炎 線 維 筋 痛 症 9. 腫 瘍 A1. 良 性 軟 部 腫 瘍 あるいは 腫 瘍 類 似 疾 患 [ 脂 肪 腫 線 維 腫 腱 鞘 巨 細 胞 腫 色 素 性 絨 毛 結 節 性 滑 膜 炎 血 管 腫 神 経 鞘 腫 神 経 線 維 腫 弾 性 線 維 腫 粘 液 腫 平 滑 筋 腫 グロームス 腫 瘍 ガングリオンなど] B2. 転 移 性 骨 腫 瘍 C3. 良 性 骨 腫 瘍 [ 骨 軟 骨 腫 内 軟 骨 腫 骨 巨 細 胞 腫 類 骨 骨 腫 ] 骨 腫 瘍 類 似 疾 患 [ 非 骨 化 性 線 維 腫 単 発 性 骨 嚢 腫 線 維 性 骨 異 形 成 症 Langerhans 細 胞 肉 芽 腫 症 動 脈 瘤 様 骨 嚢 腫 骨 線 維 性 異 形 成 骨 内 ガングリオン] 原 発 性 悪 性 骨 腫 瘍 [ 骨 肉 腫 軟 骨 肉 腫 悪 性 線 維 性 組 織 球 腫 Ewing 肉 腫 (PNET) 悪 性 リンパ 腫 脊 索 腫 骨 髄 腫 ] 良 性 軟 部 腫 瘍 あるいは 腫 瘍 類 似 疾 患 [ 脂 肪 腫 8
線 維 腫 腱 鞘 巨 細 胞 腫 色 素 性 絨 毛 結 節 性 滑 膜 炎 血 管 腫 神 経 鞘 腫 神 経 線 維 腫 弾 性 線 維 腫 粘 液 腫 平 滑 筋 腫 グロームス 腫 瘍 ガングリオンなど] 軟 部 の 良 悪 性 中 間 病 変 [デスモイド 型 線 維 腫 症 隆 起 性 皮 膚 繊 維 肉 腫 ] 悪 性 軟 部 腫 瘍 [ 線 維 肉 腫 粘 液 線 維 肉 腫 悪 性 線 維 性 組 織 球 腫 脂 肪 肉 腫 平 滑 筋 肉 腫 横 紋 筋 肉 腫 血 管 肉 腫 滑 膜 肉 腫 悪 性 末 梢 神 経 鞘 腫 胞 巣 状 軟 部 肉 腫 類 上 皮 肉 腫 明 細 胞 肉 腫 骨 外 性 Ewing 肉 腫 (PNET) 骨 外 性 骨 肉 腫 ] 10. 上 肢 手 A1. 腱 板 断 裂 凍 結 肩 ( 五 十 肩 ) B2. 反 復 性 肩 関 節 脱 臼 石 灰 性 腱 炎 C3. 肩 関 節 の 先 天 異 常 [ 肩 甲 骨 高 位 症 鎖 骨 頭 蓋 異 形 成 症 先 天 性 鎖 骨 偽 関 節 など] 動 揺 性 肩 関 節 上 腕 二 頭 筋 長 頭 腱 断 裂 上 腕 二 頭 筋 長 頭 腱 炎 スポーツによる 肩 の 障 害 [インピンジメント 症 候 群 リトルリーガー 肩 など] 三 角 筋 拘 縮 症 B4. 肘 内 障 上 腕 骨 小 頭 離 断 性 骨 軟 骨 炎 ( 野 球 肘 外 側 型 ) 上 腕 骨 内 側 上 顆 骨 端 核 裂 離 障 害 ( 野 球 肘 内 側 型 ) 変 形 性 肘 関 節 症 上 腕 骨 外 側 上 顆 炎 (テニス 肘 ) 上 腕 骨 内 側 上 顆 炎 (ゴルフ 肘 ) C5. 内 反 肘 外 反 肘 前 骨 間 神 経 麻 痺 後 骨 間 神 経 麻 痺 肘 関 節 遊 離 体 A6. 腱 鞘 炎 手 の 変 形 性 関 節 症 B7. 橈 骨 神 経 麻 痺 正 中 神 経 麻 痺 [ 手 根 管 症 候 群 など] 尺 骨 神 経 麻 痺 [ 肘 部 管 症 候 群 など] 三 角 線 維 軟 骨 複 合 体 損 傷 など 手 関 節 靱 帯 損 傷 C8. 手 のスポーツ 外 傷 [スキーヤー 母 指 野 球 指 ラガージャージ 損 傷 など] 手 の 拘 縮 と 変 形 [Volkmann 拘 縮 複 合 性 局 所 疼 痛 症 候 群 Dupuytren 拘 縮 など] 石 灰 性 腱 炎 手 の 骨 壊 死 [Kienböck 病 Preiser 病 など] Guyon 管 症 候 群 11. 下 肢 A1. 変 形 性 股 関 節 症 B2. 単 純 性 股 関 節 炎 大 腿 骨 頭 壊 死 症 C3. 発 育 性 股 関 節 形 成 不 全 Perthes 病 大 腿 骨 頭 すべり 症 化 膿 性 股 関 節 炎 急 速 破 壊 型 股 関 節 症 石 灰 沈 着 性 腱 炎 弾 発 股 股 関 節 唇 損 傷 一 過 性 大 腿 骨 頭 萎 縮 症 大 腿 骨 頭 離 断 性 骨 軟 骨 炎 寛 骨 臼 底 突 出 症 A4. 半 月 ( 板 ) 損 傷 変 形 性 膝 関 節 症 B5. Osgood-Schlatter 病 ジャンパー 膝 ( 膝 蓋 腱 炎 ) 前 十 字 靱 帯 損 傷 後 十 字 靱 帯 損 傷 膝 蓋 骨 脱 臼 C6. 小 児 の 膝 変 形 [ 反 張 膝 内 反 膝 外 反 膝 など] 離 断 性 骨 軟 骨 炎 有 痛 性 分 裂 膝 蓋 骨 Sinding-Larsen-Johansson 病 ランナー 膝 ( 腸 脛 靭 帯 炎 ) 内 側 側 副 靱 帯 損 傷 9
膝 蓋 軟 骨 軟 化 症 滑 膜 ひだ 障 害 膝 の 特 発 性 骨 壊 死,ステロイド 関 節 症 滑 膜 骨 軟 骨 腫 症 C7. 過 労 性 脛 部 痛 (シンスプリント) 脛 骨 疲 労 骨 折 腓 腹 筋 肉 離 れ(テニスレッグ) 慢 性 労 作 性 下 腿 区 画 症 候 群 A8. 扁 平 足 変 形 性 足 関 節 症 外 反 母 趾 アキレス 腱 断 裂 アキレス 腱 ( 周 囲 ) 炎 C9. 小 児 期 足 部 変 形 [ 先 天 性 内 反 足 など] 麻 痺 足 母 趾 種 子 骨 障 害 外 脛 骨 障 害 三 角 骨 障 害 絞 扼 性 神 経 障 害 [Morton 病 足 根 管 症 候 群 など] 骨 端 症 外 傷 性 足 部 障 害 [ 腓 骨 筋 腱 脱 臼 距 骨 滑 車 骨 軟 骨 損 傷 など] 足 底 腱 膜 炎 12. 脊 椎 A1. 頚 椎 椎 間 板 ヘルニア 頚 椎 症 骨 粗 鬆 症 性 椎 体 骨 折 腰 椎 椎 間 板 ヘルニア 腰 痛 症 腰 部 脊 柱 管 狭 窄 B2. 後 縦 靱 帯 骨 化 症 脊 柱 側 弯 症 脊 椎 分 離 症 [スポーツによる 第 5 腰 椎 疲 労 骨 折 など] 脊 椎 すべり 症 変 形 性 脊 椎 症 C3. 斜 頚 環 椎 後 頭 骨 癒 合 症 頭 蓋 底 陥 入 症 脊 髄 空 洞 症 環 軸 関 節 回 旋 位 固 定 リウマチ 性 脊 椎 炎 透 析 性 脊 椎 関 節 症 二 分 脊 椎 化 膿 性 脊 椎 炎 結 核 性 脊 椎 炎 脊 椎 脊 髄 腫 瘍 Ⅵ 小 児 小 児 運 動 器 疾 患 の 診 断 治 療 予 後 を 理 解 修 得 させる 必 要 がある 小 児 に 特 有 な 検 査 所 見 保 存 療 法 外 科 的 治 療 法 について 理 解 させることは 重 要 である また 患 児 の 保 護 者 や 家 族 に 対 する 対 応 を 学 ばせることは 重 要 である 一 般 目 標 : 小 児 運 動 器 疾 患 の 診 断 治 療 予 後 を 理 解 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 小 児 の 各 部 位 について 発 育 段 階 に 応 じた X 線 写 真 の 読 影 ができる 2. 保 護 者 や 家 族 に 配 慮 して 診 断 説 明 治 療 ができる 3. 小 児 運 動 器 疾 患 に 使 用 する 装 具 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し 適 切 に 処 方 適 合 できる 4. 被 虐 待 児 症 候 群 の 診 断 および 行 政 機 関 への 連 絡 等 の 適 切 な 対 応 ができる 5. 乳 幼 児 の 運 動 発 達 遅 延 の 診 断 ができる 6. 骨 成 長 障 害 に 対 する 外 科 的 治 療 法 について 基 本 的 知 識 を 有 する Ⅶスポーツ スポーツ 傷 害 は 単 一 の 大 きな 外 力 によって 起 こるスポーツ 外 傷 と 外 力 が 繰 り 返 し 加 わることによって 起 こるスポーツ 障 害 に 分 けられることを 理 解 させる スポーツ 傷 害 を 10
正 確 に 診 断 させ 適 切 に 治 療 予 防 できることが 重 要 である また アスレティックリ ハビリテーション アンチ ドーピング 障 害 者 スポーツなどスポーツ 医 学 に 特 有 の 事 項 についての 理 解 も 必 要 である 一 般 目 標 : 運 動 器 のスポーツ 外 傷 障 害 ( 傷 害 )について 基 本 的 知 識 を 修 得 し 適 切 に 対 処 する 行 動 目 標 : 1. スポーツ 医 学 の 概 念 を 理 解 する 2. 運 動 負 荷 試 験 と 運 動 処 方 の 基 本 を 理 解 する 3. スポーツ 外 傷 について 理 解 し 適 切 に 治 療 できる 4. スポーツ 障 害 の 種 目 特 性 について 理 解 し 適 切 に 治 療 できる 5. 発 育 期 のスポーツ 障 害 について 理 解 し 適 切 に 治 療 予 防 ができる 6. 中 高 年 のスポーツ 障 害 の 特 徴 を 理 解 し 適 切 に 治 療 予 防 ができる 7. 女 性 の 身 体 的 特 徴 と 関 連 したスポーツ 障 害 について 理 解 し 運 動 の 指 導 助 言 ができる 8. アスレティックリハビリテーションについて 理 解 し 指 導 することができる 9. アンチ ドーピングについて 理 解 し 啓 発 できる 10. スポーツ 現 場 での 救 急 医 療 を 理 解 し 競 技 大 会 での 救 護 ができる 11. ブレースの 処 方 テーピング 処 置 ができる 12. 障 害 者 スポーツを 理 解 する Ⅷリハビリテーション リハビリテーションの 概 念 を 理 解 させるとともに 運 動 器 の 機 能 障 害 を 正 確 に 評 価 し 運 動 器 リハビリテーションを 適 切 に 処 方 することの 重 要 性 を 理 解 させる リハビリテー ション 専 門 職 についての 知 識 を 修 得 させ 医 療 チームの 意 義 必 要 性 を 理 解 させること は 重 要 である また 運 動 機 能 を 評 価 できるとともに 運 動 器 不 安 定 症 ロコモティブ シンドロームを 正 しく 理 解 させることは 重 要 である さらに 運 動 器 疾 患 に 対 する 運 動 療 法 作 業 療 法 義 肢 装 具 療 法 物 理 療 法 の 適 応 と 禁 忌 を 理 解 し 処 方 し 治 療 成 果 を 評 価 できることも 重 要 である 一 般 目 標 : 運 動 器 の 機 能 障 害 を 正 確 に 評 価 し 運 動 器 リハビリテーションを 適 切 に 処 方 す る 行 動 目 標 : 1. リハビリテーション の 概 念 を 理 解 できる 2.ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)の 概 念 を 用 い て 医 学 的 リハビリテーションのプログラムを 考 えることができる 3.リハビリテーション 専 門 職 (PT,OT,ST,MSW など)の 職 務 専 門 性 役 割 について 理 解 11
できる 4. 上 記 専 門 職 看 護 師 との 医 療 チームの 意 義 必 要 性 を 理 解 し 医 師 としての 役 割 を 果 たすことができる 5. 高 齢 者 障 害 者 に 対 する 社 会 福 祉 制 度 について 理 解 できる 6. 運 動 器 不 安 定 症 を 診 断 し 治 療 できる 7. 機 能 評 価 尺 度 (Barthel Index FIM ロコモ 25 JKOM RDQ など)を 用 いて 運 動 機 能 を 評 価 できる 8.ロコモティブシンドロームを 理 解 し 病 態 に 適 した 運 動 指 導 ができる 9. 運 動 器 疾 患 に 対 する 運 動 療 法 の 適 応 と 禁 忌 を 理 解 し 処 方 し 治 療 成 果 を 評 価 できる 10. 運 動 器 疾 患 に 対 する 作 業 療 法 の 適 応 と 禁 忌 を 理 解 し 処 方 し 治 療 成 果 を 評 価 できる 11. 運 動 器 疾 患 に 対 する 義 肢 装 具 療 法 の 適 応 と 禁 忌 を 理 解 し 処 方 し 治 療 成 果 を 評 価 で きる 12. 運 動 器 疾 患 に 対 する 物 理 療 法 の 適 応 と 禁 忌 を 理 解 し 処 方 し 治 療 成 果 を 評 価 できる Ⅸ 地 域 医 療 地 域 にて 医 療 を 行 うためには 少 人 数 での 医 療 における 危 機 管 理 能 力 地 域 住 民 とのコ ミュニケーション 各 種 医 療 制 度 について 理 解 させることが 重 要 である また 病 診 連 携 病 病 連 携 メディカルスタッフとの 協 力 体 制 の 重 要 性 を 理 解 させることも 必 要 であ る 一 般 目 標 : 地 域 にて 医 療 を 行 うための 必 要 な 知 識 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 少 人 数 での 医 療 における 危 機 管 理 能 力 を 修 得 する (1) 院 内 で 臨 機 応 変 に 対 応 でき 医 療 安 全 管 理 体 制 を 理 解 している (2) 病 診 連 携 病 病 連 携 について 理 解 している (3)メディカルスタッフ( 看 護 師 PT OT ST 放 射 線 技 師 薬 剤 師 など)と 協 議 ができ る (4) 地 域 医 療 を 支 える 職 種 (ケースワーカー ケアマネージャー MSW など)について の 理 解 がある 2. 地 域 住 民 とのコミュニケーションについて 説 明 できる (1) 地 域 住 民 とコミュニケーションがとれる (2) 住 民 健 診 やボランティア 活 動 に 積 極 的 である 3. 医 療 保 険 制 度 介 護 保 険 制 度 公 費 負 担 制 度 について 説 明 できる (1) 医 療 保 険 の 概 略 を 理 解 している (2) 医 療 保 険 の 種 類 を 理 解 している (3) 公 費 負 担 医 療 について 理 解 している 12
(4) 介 護 保 険 制 度 について 理 解 している (5) 自 分 で 行 っている 医 療 行 為 の 金 額 を 知 っている Ⅹ 流 動 単 位 不 足 部 分 の 補 完 として 使 用 XⅠ 外 傷 ( 救 急 医 療 ) 運 動 器 救 急 疾 患 外 傷 に 対 応 できる 基 本 的 診 療 能 力 を 修 得 させ 救 急 診 療 体 制 の 実 際 を 理 解 させることは 重 要 である 多 発 外 傷 に 対 する 診 断 治 療 を 正 しく 理 解 させ 一 時 救 命 処 置 を 実 施 できることが 必 要 である 骨 折 や 脱 臼 は 周 囲 の 筋 靱 帯 神 経 血 管 皮 膚 などの 軟 部 組 織 や 関 節 の 損 傷 を 合 併 する 複 合 組 織 損 傷 であることを 理 解 させ その 分 類 や 治 癒 過 程 症 状 や 診 断 治 療 法 ならびに 合 併 症 について 述 べることができるように する 脊 椎 脊 髄 損 傷 では 損 傷 の 高 位 別 症 状 や 病 態 を 理 解 させ 適 切 な 処 置 を 実 施 でき ることが 必 要 である また 手 の 外 傷 や 末 梢 神 経 損 傷 の 特 徴 を 理 解 させ 適 切 な 処 置 初 期 対 応 を 実 施 できることが 必 要 である さらに Basic life support コースや JATEC コースなどを 受 講 させることも 重 要 である 一 般 目 標 : 運 動 器 救 急 疾 患 外 傷 に 対 応 できる 基 本 的 診 療 能 力 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 救 急 医 療 に 関 する 法 律 を 理 解 し 遵 守 できる 2. 一 時 救 命 処 置 ができる 3. 多 発 外 傷 における 重 要 臓 器 損 傷 とその 症 状 を 述 べることができる 4. 多 発 外 傷 の 重 症 度 を 評 価 し 検 査 治 療 の 優 先 度 を 判 断 できる 5. 開 放 骨 折 の 重 症 度 を 判 断 し 適 切 な 応 急 処 置 を 実 施 できる 6. 骨 折 脱 臼 を 列 挙 して その 臨 床 像 と 治 療 方 針 を 述 べることができる A(1) 肩 関 節 部 の 骨 折 と 脱 臼 A(2) 上 腕 骨 骨 幹 部 の 骨 折 A(3) 肘 関 節 部 の 骨 折 と 脱 臼 A(4) 前 腕 骨 骨 折 A(5) 手 関 節 手 部 の 骨 折 脱 臼 A(6) 胸 郭 の 外 傷 A(7) 脊 椎 の 骨 折 脱 臼 A(8) 骨 盤 の 骨 折 A(9) 股 関 節 部 の 骨 折 脱 臼 A(10) 大 腿 骨 骨 幹 部 骨 折 A(11) 膝 関 節 部 の 骨 折 脱 臼 A(12) 下 腿 骨 骨 折 13
A(13) 足 関 節 足 部 の 骨 折 脱 臼 7. 次 の 組 織 の 損 傷 を 診 断 し 適 切 な 応 急 処 置 を 実 施 できる A(1) 皮 膚 - 擦 過 創 切 創 刺 創 挫 創 皮 膚 欠 損 創 褥 瘡 など A(2) 筋 腱 - 筋 断 裂 腱 断 裂 など A(3) 血 管 - 動 脈 損 傷 など A(4) 靱 帯 - 捻 挫 亜 脱 臼 脱 臼 A(5) 末 梢 神 経 - 腕 神 経 叢 損 傷 など A(6) 脊 椎 脊 髄 - 頚 椎 捻 挫 A(7)その 他 の 脊 椎 脊 髄 - 脊 椎 損 傷 脊 髄 損 傷 など 8. 脊 髄 損 傷 と 末 梢 神 経 損 傷 の 麻 痺 の 高 位 を 判 断 し 応 急 処 置 を 実 施 できる 9. 手 の 外 傷 の 特 徴 を 理 解 し 適 切 な 処 置 初 期 対 応 を 実 施 できる 10. 急 性 期 の 骨 関 節 感 染 症 の 症 状 を 評 価 し 適 切 な 処 置 を 実 施 できる 11. Basic life support コースを 受 講 する 12. JATEC(Japan advanced trauma evaluation & care)コースを 受 講 する ⅩⅡ 医 療 記 録 医 療 記 録 は 社 会 的 な 開 示 義 務 に 基 づき 必 要 事 項 が 正 確 に 記 録 されねばならないこと 個 人 情 報 であるため 厳 重 な 管 理 責 任 を 果 たさねばならないことを 理 解 修 得 させることが 重 要 である 運 動 器 疾 患 に 関 する 病 歴 身 体 所 見 検 査 結 果 症 状 経 過 インフォー ムドコンセントの 内 容 手 術 記 録 などを 正 確 に 記 載 できることが 必 要 である 紹 介 状 依 頼 状 各 種 診 断 書 についても 適 切 に 記 載 できることが 必 要 である 一 般 目 標 : 医 療 記 録 は 開 示 義 務 に 基 づき 必 要 事 項 が 正 確 に 記 録 されねばならないこと そして 医 療 記 録 は 個 人 情 報 であり 社 会 的 にその 管 理 責 任 を 果 たさねばならないことを 理 解 修 得 させる 行 動 目 標 : 1. 医 療 記 録 は 社 会 的 に 開 示 を 要 求 されうるものであることを 常 に 意 識 して 正 確 に 作 成 で きる 2. 医 療 記 録 に 対 する 厳 重 な 管 理 責 任 が 必 要 であることを 理 解 し その 方 策 を 立 て 実 施 で きる 3. 運 動 器 疾 患 について 正 確 に 病 歴 を 記 載 できる 記 載 内 容 : 主 訴 現 病 歴 家 族 歴 職 業 歴 スポーツ 歴 外 傷 歴 アレルギー 歴 内 服 歴 治 療 歴 など 4. 運 動 器 疾 患 の 身 体 所 見 を 記 載 できる 記 載 内 容 : 脚 長 筋 萎 縮 変 形 ( 脊 椎 関 節 先 天 異 常 ) ROM, MMT, 反 射 感 覚 歩 容 ADL など 14
5. 検 査 結 果 を 記 載 できる 記 載 内 容 : 画 像 (X 線 像 MRI CT シンチグラム ミエログラム) 血 液 生 化 学 尿 関 節 液 病 理 組 織 など 6. 症 状 経 過 を 記 載 できる 7. 検 査 治 療 行 為 に 対 するインフォームドコンセントの 内 容 を 記 載 できる 8. 手 術 記 録 を 適 切 に 作 成 できる 9. 紹 介 状 依 頼 状 を 適 切 に 書 くことができる 10. リハビリテーション 義 肢 装 具 の 処 方 と 結 果 を 記 録 できる 11. 障 害 認 定 ( 労 災 身 障 交 通 災 害 年 金 )と 診 断 書 の 種 類 と 内 容 が 理 解 でき, 適 切 に 記 載 できる ⅩⅢ 研 究 発 表 能 力 臨 床 的 な 疑 問 点 を 見 出 させ 研 究 テーマを 立 案 してプロトコールを 作 成 させることは 重 要 である そして 解 答 を 科 学 的 に 導 き 出 すため 参 考 となる 文 献 を 検 索 するとともに 統 計 学 的 手 法 に 精 通 させ 結 果 を 論 理 的 にまとめる 能 力 を 修 得 させることが 必 要 である さらに その 成 果 を 発 表 し 論 文 として 報 告 することの 重 要 性 を 知 ることが 必 要 である 一 般 目 標 : 臨 床 的 な 疑 問 点 を 見 出 して 解 明 しようとする 意 欲 を 持 ち その 解 答 を 科 学 的 に 導 き 出 し 論 理 的 に 正 しくまとめる 能 力 を 修 得 する 行 動 目 標 : 1. 経 験 症 例 から 研 究 テーマを 立 案 しプロトコールを 作 成 できる 2. 研 究 に 参 考 となる 文 献 を 検 索 し 適 切 に 引 用 することができる 3. 結 果 を 科 学 的 かつ 論 理 的 にまとめ 口 頭 ならびに 論 文 として 報 告 できる 4. 研 究 発 表 媒 体 には 個 人 情 報 を 含 めないように 留 意 できる 5. 研 究 発 表 に 用 いた 個 人 情 報 を 厳 重 に 管 理 できる 6. 統 計 学 的 検 定 手 法 を 選 択 し 解 析 できる 15
年 時 毎 の 到 達 目 標 行 動 目 標 あるいは 達 成 目 標 専 攻 医 専 攻 医 専 攻 医 専 攻 医 1 年 目 2 年 目 3 年 目 4 年 目 Ⅰ. 医 師 の 法 的 義 務 と 職 業 倫 1. 医 師 法 等 で 定 められた 医 師 の 義 務 を 知 っている 理 一 般 目 標 : 医 師 が 守 るべき 法 律 と 医 師 に 求 められる 倫 理 規 範 を 理 解 し 遵 守 できる 2. 医 療 法 の 概 略 特 に 療 養 担 当 規 則 を 理 解 している 3. 医 療 行 為 に 関 する 上 記 以 外 の 法 律 ( 健 康 保 険 法 薬 事 法 など)を 十 分 に 理 解 し 遵 守 できる 4. 医 療 倫 理 医 療 安 全 の 重 要 性 を 理 解 し 実 践 できる 5.DOH(Declaration of Helsinki) 日 本 医 師 会 の 医 の 職 業 倫 理 綱 領 を 知 っている 6. 患 者 やその 家 族 と 良 好 な 信 頼 関 係 を 確 立 することができる Ⅱ. 運 動 器 の 基 礎 知 識 1. 体 幹 四 肢 の 解 剖 を 修 得 する. 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 理 解 に 必 要 な 運 動 器 の 生 理 学 およ び 病 態 生 理 学 を 修 得 する 2. 次 の 組 織 の 正 常 組 織 像 と 各 種 疾 患 での 病 理 組 織 像 を 述 べることができる (1) 骨 (2) 関 節 (3) 脊 椎 脊 髄 (4) 神 経 (5) 筋 腱 靱 帯 (6) 血 管 3. 骨 代 謝 の 概 略 を 述 べることができる 4. 骨 折 の 治 癒 過 程 を 述 べることができる 5. 軟 骨 代 謝 の 概 略 を 述 べることができる 6. 軟 骨 修 復 について 述 べることができる 7. 神 経 の 変 性 と 再 生 について 述 べることができる 8. 関 節 症 と 関 節 炎 の 病 態 の 違 いを 述 べることができる 9. 運 動 器 のバイオメカニクスの 概 略 を 述 べることができる Ⅲ. 診 断 基 本 手 技 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 正 確 な 診 断 を 行 うための 基 本 的 手 1. 病 歴 聴 取 に 際 して 患 者 の 社 会 的 背 景 や QOL に 配 慮 でき る 2. 主 な 身 体 計 測 (ROM, 四 肢 長, 四 肢 周 囲 径 など)ができる 3. 骨 関 節 の 身 体 所 見 がとれ, 評 価 できる 16
技 を 修 得 する. 4. 脊 椎 の 身 体 所 見 がとれ, 評 価 できる 5. 神 経 学 的 所 見 がとれ, 評 価 できる ( 1) 徒 手 筋 力 テスト(MMT) ( 2) 感 覚 障 害 の 検 査 ( 3) 反 射 6. 適 切 な X 線 写 真 の 撮 影 部 位 と 方 向 を 指 示 し, 読 影 できる. 7.CT の 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 指 示 し, 読 影 できる. 8.MRI の 適 応 を 理 解 し, 造 影 の 要 否 も 含 め 適 切 に 指 示 し, 判 定 できる. 9.シンチグラフィーの 適 応 を 理 解 し, 適 切 な 核 種 を 選 択 して 指 示 し, 判 定 できる. 10. 電 気 生 理 学 的 検 査 ( 筋 電 図, 神 経 伝 導 速 度 など)の 適 応 を 理 解 し, 実 施 判 定 できる. 11. 骨 量 測 定 の 概 要 を 理 解 し, 指 示 判 定 できる. 12. 超 音 波 エコー 検 査 の 適 応 を 理 解 し 実 施 判 定 できる 13. 侵 襲 的 検 査 を 行 う 場 合 患 者 家 族 に 説 明 し 同 意 を 得 る ことができる 14. 侵 襲 的 検 査 施 行 後 の 合 併 症 を 熟 知 し 予 防 的 管 理 を 適 切 に 実 施 できる 15. 血 液 尿 生 化 学 検 査 の 適 応 を 理 解 し 指 示 判 定 できる 16. 関 節 造 影, 脊 髄 造 影 の 適 応 を 理 解 し 安 全 に 実 施 できる. 17. 関 節 液 検 査 脳 脊 髄 液 検 査 の 適 応 を 理 解 し 実 施 判 定 できる 18. 組 織 生 検 の 適 応 と 手 技 を 理 解 し 指 導 責 任 者 のもとで 実 施 できる. 19. 微 生 物 学 の 基 礎 を 理 解 し 細 菌 検 査 を 指 示 判 定 できる 20. 病 理 標 本 を 検 鏡 し 正 常 像 と 病 的 組 織 像 の 鑑 別 ができる 21. 関 節 鏡 検 査 の 適 応 を 理 解 し 指 導 責 任 者 のもとで 安 全 に 実 施 できる 22. 日 整 会 各 種 機 能 評 価 判 定 基 準 を 用 いて 評 価 できる. Ⅳ. 治 療 基 本 手 技 1. 薬 物 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 処 方 できる. 一 般 目 標 : 運 動 器 疾 患 の 治 療 2. 医 薬 品 副 作 用 被 害 救 済 制 度 を 知 っている を 安 全 に 行 うためにその 基 本 的 手 技 を 修 得 する. 3. 麻 薬 管 理 に 関 する 法 律 を 理 解 し, 適 切 に 処 方 できる 4. 一 般 外 傷 を 診 断 し, 検 査 と 治 療 の 優 先 度 を 評 価 できる. 17
5. 骨 折 や 脱 臼 の 徒 手 整 復 を 正 しく 実 施 できる. 6.ブラッシング,デブリドマンなど 基 本 的 創 傷 処 置 を 正 しく 実 施 できる. 7. 局 所 麻 酔 法 を 正 しく 実 施 できる. 8. 伝 達 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 9. 腰 椎 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 10. 硬 膜 外 麻 酔 を 正 しく 実 施 できる 11. 全 身 麻 酔 の 基 礎 を 理 解 できる 12. 固 定 法 ( 副 子,ギプスなど)の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 実 施 できる. 13. 牽 引 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 実 施 できる. 14. 理 学 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 処 方 できる. 15. 運 動 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 処 方 できる. 16. 作 業 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 適 切 に 処 方 できる. 17. 装 具 療 法 の 基 本 と 適 応 を 理 解 し, 装 具 や 杖 を 適 切 に 処 方 できる 18. 清 潔 操 作 ( 関 節 穿 刺 注 入 や 直 達 牽 引 など)が 実 施 でき る. 19. 神 経 ブロックを 安 全 に 実 施 できる. 20. 硬 膜 外 ブロックを 安 全 に 実 施 できる. 21. 局 所 解 剖 に 基 づいて 手 術 の 概 要 を 述 べることができる. 22. 手 術 について 患 者 家 族 に 説 明 し 同 意 を 得 ることがで きる 23. 術 前 の 準 備 ( 患 者 と 患 肢 の 確 認 体 位 手 洗 いなど)を 適 切 に 実 施 できる 24. 運 動 器 の 基 本 的 な 手 術 手 技 ( 鏡 視 下 手 術 を 含 む)に 習 熟 し 実 施 できる 25. 骨 移 植 の 種 類 を 理 解 し その 適 応 を 判 断 できる 26.バイオマテリアルの 種 類 を 理 解 し その 使 用 基 準 を 判 断 できる 27. 患 者 家 族 に 手 術 の 内 容 と 術 後 合 併 症 の 可 能 性 などを 説 明 できる 28. 術 後 合 併 症 を 熟 知 し 予 防 的 管 理 を 適 切 に 実 施 できる 29. 手 術 記 録 を 適 切 に 作 成 できる 30. 術 後 のリハビリテーションを 適 切 に 処 方 できる 18
31. 在 宅 医 療 社 会 復 帰 などにつき メディカルスタッフなどと 協 議 できる Ⅻ. 医 療 記 録 一 般 目 標 : 医 療 記 録 は 開 示 義 務 に 基 づき 必 要 事 項 が 正 確 に 1. 医 療 記 録 は 社 会 的 に 開 示 を 要 求 されうるものであることを 常 に 意 識 して 正 確 に 作 成 できる 2. 医 療 記 録 に 対 する 厳 重 な 管 理 責 任 が 必 要 であることを 理 解 し,その 方 策 を 立 て, 実 施 できる 記 載 されねばならないこと,そ して 医 療 記 録 は 個 人 情 報 であ り, 社 会 的 にその 管 理 責 任 を 果 たさねばならないことを 理 解 修 得 する 3. 運 動 器 疾 患 について 正 確 に 病 歴 が 記 載 できる. 記 載 内 容 : 主 訴, 現 病 歴, 家 族 歴, 職 業 歴,スポーツ 歴, 外 傷 歴,アレル ギー 歴, 内 服 歴, 治 療 歴 など 4. 運 動 器 疾 患 の 身 体 所 見 が 記 載 できる. 記 載 内 容 : 脚 長, 筋 萎 縮, 変 形 ( 脊 椎, 関 節, 先 天 異 常 ),ROM,MMT, 反 射, 感 覚, 歩 容,ADL など 5. 検 査 結 果 の 記 載 ができる. 記 載 内 容 : 画 像 (X 線 像,MRI,CT,シンチグラム,ミエログラ ム), 血 液 生 化 学, 尿, 関 節 液, 病 理 組 織 など 6. 症 状, 経 過 の 記 載 ができる 7. 検 査, 治 療 行 為 に 対 するインフォームドコンセントの 内 容 を 記 載 できる 8. 手 術 記 録 を 適 切 に 作 成 できる. 9. 紹 介 状, 依 頼 状 を 適 切 に 書 くことができる. 10.リハビリテーション, 義 肢, 装 具 の 処 方 と 結 果 が 記 録 でき る. 11. 障 害 認 定 ( 労 災, 身 障, 交 通 災 害, 年 金 )と 診 断 書 の 種 類 と 内 容 が 理 解 でき, 適 切 に 記 載 できる XIII. 研 究 発 表 能 力 一 般 目 標 : 臨 床 的 な 疑 問 点 を 見 出 して 解 明 しようとする 意 欲 1. 経 験 症 例 から 研 究 テーマを 立 案 し,プロトコールを 作 成 で きる. 2. 研 究 に 参 考 となる 文 献 を 検 索 し, 適 切 に 引 用 することがで きる. をもち,その 結 果 を 科 学 的 に 導 き 出 し, 論 理 的 に 正 しくまと める 能 力 を 修 得 する. 19
3. 結 果 を 科 学 的 にかつ 論 理 的 にまとめ, 口 頭 ならびに 論 文 と して 報 告 できる. 4. 研 究 発 表 媒 体 には 個 人 情 報 を 含 めないように 留 意 できる 5. 研 究 発 表 に 用 いた 個 人 情 報 を 厳 重 に 管 理 できる. 6. 適 切 な 統 計 学 的 手 法 を 選 択 し 解 析 できる 8 研 修 方 略 1. 研 修 期 間 4 年 間 とする 2. 研 修 領 域 および 研 修 期 間 幅 広 い 研 修 の 選 択 肢 と 魅 力 ある 病 院 群 で 一 人 ひとりに 合 った 研 修 が 可 能 であること が 特 徴 である それぞれの 研 修 病 院 での 研 修 期 間 は 研 修 修 了 時 に 修 得 すべき 領 域 の 単 位 をすべて 修 得 していれば 専 攻 医 毎 に 自 由 に 設 定 することが 可 能 である 修 得 すべき 領 域 と 単 位 (1 ヶ 月 1 単 位 )の 詳 細 は 以 下 の 通 りとする a: 脊 椎 6 単 位 b: 上 肢 手 6 単 位 c: 下 肢 6 単 位 d: 外 傷 6 単 位 e:リウマチ 3 単 位 f :リハビリテーション 3 単 位 g:スポーツ 3 単 位 h: 地 域 医 療 3 単 位 i : 小 児 2 単 位 j : 腫 瘍 2 単 位 k: 流 動 単 位 8 単 位 計 48 単 位 注 : 1 流 動 単 位 は a から j までの 領 域 の 中 から 必 修 単 位 とは 別 に 自 由 に 選 択 することが 可 能 で ある 2 地 域 研 修 は 専 攻 医 が 大 学 病 院 以 外 で 地 域 に 密 着 した 医 療 を 経 験 することと 専 攻 医 の 都 市 部 偏 在 を 回 避 することが 目 的 である 31 病 院 で 研 修 可 能 な 分 野 が 複 数 ある 場 合 は 研 修 期 間 及 び 研 修 実 態 に 応 じて 按 分 する 例 えば 脊 椎 外 傷 分 野 の 研 修 病 院 に 1 年 間 勤 務 した 場 合 は 脊 椎 6 単 位 外 傷 6 単 位 を 認 定 上 肢 手 リウマチ 分 野 の 研 修 病 院 に 1 年 間 勤 務 した 場 合 は 上 肢 手 8 単 位 リウマチ 4 単 位 を 認 定 する 20
4 各 項 目 の C 判 定 領 域 は 正 確 な 知 識 を 持 つべき 領 域 として 実 際 に 経 験 修 得 できなく ても Teaching file カンファレンス 参 加 講 演 受 講 e-learning 等 の 知 識 で 修 得 す ることも 可 とする 51 名 の 指 導 医 が 指 導 可 能 な 専 攻 医 は 3 名 以 内 とする 6 研 修 病 院 には 原 則 として 常 勤 の 指 導 医 がいることを 必 須 とする 但 し 地 域 医 療 を 研 修 する 医 療 機 関 には 常 勤 指 導 医 がいなくても 専 門 医 研 修 管 理 委 員 会 が 指 定 した 指 導 医 と 密 接 な 連 携 を 取 って 研 修 をした 場 合 は 単 位 として 認 定 する 7 大 学 病 院 の 研 修 目 的 には 研 究 マインド( 論 文 作 成 を 含 む)の 涵 養 が 含 まれ 全 ての 専 攻 医 は 大 学 での 研 修 を 必 須 とする 9 評 価 評 価 は 日 本 整 形 外 科 学 会 が 作 成 した web 入 力 システムを 用 いて 行 う 各 項 目 について 専 攻 医 が 目 標 を 達 成 した 都 度 あるいは 担 当 した 単 位 期 間 (ローテーション) 終 了 時 また はその 年 度 内 に 評 価 する 指 導 医 は 専 攻 医 の 一 般 目 標 行 動 目 標 に 対 して 優 可 不 可 の 3 段 階 で 評 価 する 評 価 日 は 年 月 日 で 記 入 することとし 遡 って 数 年 分 をまとめて 記 入 することは 認 められない 臨 床 医 として 十 分 な 適 性 が 備 わっているかどうかに 関 しても 評 価 することとし 安 心 安 全 な 医 療 の 提 供 ができない 場 合 ( 迷 惑 行 為 遅 刻 チーム 医 療 を 乱 す 等 も 含 む) 法 令 や 規 則 が 遵 守 できない 場 合 ( 医 道 審 議 会 の 処 分 対 象 )は 不 適 正 な 事 例 とする 全 ローテーション 終 了 時 の 修 了 認 定 基 準 は 各 修 得 すべき 領 域 分 野 に 求 められている 必 要 単 位 を 全 て 満 たしていることである 傷 病 妊 娠 出 産 育 児 その 他 やむを 得 ない 理 由 がある 場 合 の 休 止 期 間 は 合 計 6 ヶ 月 間 以 内 とする 限 度 を 超 えたときは 原 則 とし て 少 なくも 不 足 期 間 分 を 追 加 履 修 することが 求 められる 疾 病 の 場 合 は 診 断 書 の 妊 娠 出 産 の 場 合 はそれを 証 明 するものの 添 付 が 必 要 である 評 価 は 優 可 不 可 とし 不 可 は 落 第 とする 不 可 と 評 価 されても その 後 可 や 優 へ 変 われば OK とする 優 と 評 価 されれば その 後 の 再 評 価 は 不 要 とする 不 可 の 場 合 流 動 単 位 で 再 研 修 するが それでも 不 可 の 場 合 研 修 期 間 を 延 長 して 再 々 研 修 を 追 加 す る 不 可 の 場 合 他 施 設 での 研 修 へ 変 更 することも 可 とする 不 可 が 消 失 するまで 研 修 終 了 は 認 められない すなわち 行 動 目 標 のすべての 必 修 項 目 について 目 標 を 達 成 して いることが 必 要 である 優 : 充 分 に 理 解 できた,または 実 践 できた 可 :ほぼ 理 解 した またはほぼ 実 践 できた 不 可 : 理 解 できなかった または 実 践 できていない 21
10 指 導 体 制 1.プログラム 統 括 責 任 者 研 修 プログラムの 企 画 立 案 及 び 実 施 の 管 理 ならびに 専 攻 医 に 対 する 助 言 指 導 その 他 の 援 助 を 行 う プログラム 全 体 の 指 導 体 制 内 容 評 価 に 関 し 監 督 責 任 を 持 ち 当 該 基 幹 病 院 におい ては 指 導 管 理 責 任 者 としてその 指 導 体 制 内 容 評 価 に 関 しても 責 任 を 持 つ 基 幹 病 院 の 常 勤 医 師 であって 指 導 医 及 び 専 攻 医 に 対 する 指 導 を 行 うために 必 要 な 経 験 および 能 力 を 有 している 毎 年 所 定 の 書 式 で 年 次 報 告 を 行 い 研 修 プログラムを 構 成 する 研 修 施 設 関 連 施 設 お よび 研 修 プログラムに 所 属 する 指 導 医 等 に 変 更 が 生 じた 場 合 には 併 せて 変 更 を 届 け 出 る 指 導 医 を 兼 務 できない 2. 専 門 研 修 連 携 施 設 の 指 導 管 理 責 任 者 専 門 研 修 連 携 施 設 の 指 導 管 理 責 任 者 は プログラム 責 任 者 と 協 力 して 研 修 プログラム 実 施 の 管 理 並 びに 専 攻 医 に 対 する 助 言 指 導 その 他 の 援 助 を 行 う 当 該 専 門 研 修 連 携 施 設 においては 指 導 管 理 責 任 者 としてその 指 導 体 制 内 容 評 価 に 関 して 責 任 を 持 つ 指 導 医 を 兼 務 できる 10 指 導 医 として 行 うべき 事 柄 1. 週 間 予 定 を 作 成 する 2. 定 期 的 な 勉 強 会 を 行 う 抄 読 会 学 会 予 演 会 研 究 報 告 会 学 術 講 演 会 など 3. 指 導 医 講 習 会 に 参 加 する 4. 専 攻 医 の 労 務 管 理 をする 5. 専 門 医 研 修 管 理 委 員 会 に 出 席 する 6.Peer reviewする 7. 専 攻 医 に 日 本 整 形 外 科 学 会 が 主 催 又 は 認 定 する 教 育 研 修 会 を 受 講 させ 所 定 の 手 続 に より30 単 位 を 修 得 させる また 1 回 以 上 の 学 会 発 表 筆 頭 著 者 として1 編 以 上 の 論 文 を 作 成 させる 22