1. 資 産 運 標 針 7. 運 評 価 について 厚 生 年 金 国 民 年 金 の 積 立 金 の 運 用 については 将 来 にわたった 年 金 事 業 の 安 定 化 を 目 的 に 専 ら 年 金 加 入 者 の 利 益 のた め 長 期 的 な 観 点 から 安 全 かつ 効 率 的



Similar documents
建設特別・資産運用の基本方針

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

平成24年度 業務概況書

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

m07 北見工業大学 様式①

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

公表表紙

スライド 1

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

16 日本学生支援機構

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

18 国立高等専門学校機構

Microsoft PowerPoint - 基金制度

財政再計算結果_色変更.indd

公表資料02【案1】0806印刷用<厚生年金・国民年金の平成26年度収支決算の概要>

厚 生 年 金 基 金 制 度 の 概 要 公 的 年 金 たる 厚 生 年 金 の 一 部 を 国 に 代 わって 支 給 ( 代 行 給 付 )しており 当 該 支 給 を 行 うための 費 用 として 事 業 主 から 保 険 料 を 徴 収 している 加 えて 各 基 金 ごとに 上 乗 せ

しかし 主 に 欧 州 の 一 部 の 回 答 者 は 受 託 責 任 について 資 源 配 分 の 意 思 決 定 の 有 用 性 とは 独 立 の 財 務 報 告 の 目 的 とすべきであると 回 答 した 本 ED に 対 する ASBJ のコメント レターにおける 意 見 経 営 者 の 受

文化政策情報システムの運用等

<817993FA967B8E E A E815B817A B F976C8EAE82502D322E786C73>

(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ



<81696D373188A E58A77816A E93788D9191E5834B C8EAE82502E786C73>

<4D F736F F D208ED089EF95DB8CAF89C193FC8FF38BB CC8EC091D492B28DB88C8B89CA82C982C282A282C42E646F63>

定款

<6E32355F8D918DDB8BA697CD8BE28D C8EAE312E786C73>

1. 決 算 の 概 要 法 人 全 体 として 2,459 億 円 の 当 期 総 利 益 を 計 上 し 末 をもって 繰 越 欠 損 金 を 解 消 しています ( : 当 期 総 利 益 2,092 億 円 ) 中 期 計 画 における 収 支 改 善 項 目 に 関 して ( : 繰 越

(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

●電力自由化推進法案

Microsoft Word - ☆f.doc

70 愛媛大学

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>


Microsoft Word 行革PF法案-0概要

年 金 払 い 退 職 給 付 制 度 における 年 金 財 政 のイメージ 積 立 時 給 付 時 給 付 定 基 (1/2) で 年 金 を 基 準 利 率 で 付 利 給 付 定 基 ( 付 与 利 の ) 有 期 年 金 終 身 年 金 退 職 1 年 2 年 1 月 2 月 ( 終 了 )

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

Microsoft Word - ★HP版平成27年度検査の結果

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

Microsoft Word - 通達(参考).doc

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

<4D F736F F D F8D828D5A939982CC8EF68BC697BF96B38F9E89BB82CC8A6791E52E646F63>

<4D F736F F F696E74202D208CE38AFA8D8297EE8ED288E397C390A CC8A AE98EBA8DEC90AC816A2E707074>

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一


定 性 的 情 報 財 務 諸 表 等 1. 連 結 経 営 成 績 に 関 する 定 性 的 情 報 当 第 3 四 半 期 連 結 累 計 期 間 の 業 績 は 売 上 高 につきましては 前 年 同 四 半 期 累 計 期 間 比 15.1% 減 少 の 454 億 27 百 万 円 となり

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

資料2 年金制度等について(山下委員提出資料)

(2) 検 体 採 取 に 応 ずること (3) ドーピング 防 止 と 関 連 して 自 己 が 摂 取 し 使 用 するものに 責 任 をもつこと (4) 医 師 に 禁 止 物 質 及 び 禁 止 方 法 を 使 用 してはならないという 自 己 の 義 務 を 伝 え 自 己 に 施 される

代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

平成17年度高知県県産材利用推進事業費補助金交付要綱

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

リング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 性 がないも のとする 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 を 回 収 できることを 反 証 できる 場 合 に 原 則

< F2D8CFA944E8AEE8BE08BC696B195F18D908F B8C816A>

養 老 保 険 の 減 額 払 済 保 険 への 変 更 1. 設 例 会 社 が 役 員 を 被 保 険 者 とし 死 亡 保 険 金 及 び 満 期 保 険 金 のいずれも 会 社 を 受 取 人 とする 養 老 保 険 に 加 入 してい る 場 合 を 解 説 します 資 金 繰 りの 都

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

<4D F736F F D B8E968BC695E58F CA A2E646F63>

<819A955D89BF92B28F BC690ED97AA8EBA81418FA48BC682CC8A8890AB89BB816A32322E786C7378>

Microsoft Word - 目次.doc

d02 国際交流基金 様式1

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

Microsoft PowerPoint - 総合型DB資料_県版基金説明用.pptx

スライド 1

Microsoft Word - 奨学金相談Q&A.rtf

の 権 限 と 責 任 を 明 確 に 定 め,これを 学 内 外 に 公 表 し, 関 係 者 に 周 知 するものとする ( 不 正 防 止 計 画 ) 第 6 条 最 高 管 理 責 任 者 は, 公 的 研 究 費 の 不 正 使 用 の 防 止 計 画 ( 以 下 不 正 防 止 計 画

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

法 人 等 に 対 する 課 税 際 課 税 原 則 の 帰 属 主 義 への 見 直 しのポイント 総 合 主 義 から 帰 属 主 義 への 移 行 法 人 及 び 非 居 住 者 ( 法 人 等 )に 対 する 課 税 原 則 について 従 来 のいわゆる 総 合 主 義 を 改 め OECD

(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

PowerPoint プレゼンテーション

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

Microsoft Word ETF・日経400ベア決算短信.doc

別紙3

1. 任 免 1-1 採 用 ( 試 験 採 用 ) 1 任 免 試 験 採 用 採 用 者 予 定 者 数 報 告 試 験 公 告 任 命 結 果 通 知 書 採 用 予 定 者 数 の 報 告 採 用 説 明 会 の 計 画 実 施 人 事 異 動 対 象 者

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 26 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 副 理 事 長 A 理 事 16,638 10,332 4,446 1,

Microsoft PowerPoint - 経営事項審査.ppt

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

平 成 27 年 11 月 ~ 平 成 28 年 4 月 に 公 開 の 対 象 となった 専 門 協 議 等 における 各 専 門 委 員 等 の 寄 附 金 契 約 金 等 の 受 取 状 況 審 査 ( 別 紙 ) 専 門 協 議 等 の 件 数 専 門 委 員 数 500 万 円 超 の 受

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容


目 次 貸 借 対 照 表 1 損 益 計 算 書 2 キャッシュ フロー 計 算 書 3 利 益 の 処 分 に 関 する 書 類 4 国 立 大 学 法 人 等 業 務 実 施 コスト 計 算 書 5 注 記 事 項 6 附 属 明 細 書 別 紙

< E95FB8CF689638AE98BC689FC90B390A CC8CA992BC82B582C982C282A282C E90E096BE8E9E8E9197BF2E786477>

Transcription:

資 料 2-1 厚 生 年 金 国 民 年 金 積 立 金 の 性 格 法 規 制 等 について 厚 生 労 働 省 平 成 25 年 7 月 30 日 ( 火 )

1. 資 産 運 標 針 7. 運 評 価 について 厚 生 年 金 国 民 年 金 の 積 立 金 の 運 用 については 将 来 にわたった 年 金 事 業 の 安 定 化 を 目 的 に 専 ら 年 金 加 入 者 の 利 益 のた め 長 期 的 な 観 点 から 安 全 かつ 効 率 的 に 行 うものとし GPIFに 寄 託 することにより 行 うこととされている( 厚 生 年 金 保 険 法 79 条 の 2 等 ) この 原 則 の 下 GPIF 法 において 基 本 ポートフォリオ 等 は 資 金 運 用 に 関 し 一 般 に 認 められている 専 門 的 知 見 に 基 づき GPIF において 慎 重 かつ 細 心 の 注 意 を 払 い 策 定 されることとされている( 年 金 事 業 に 責 任 を 持 つ 厚 生 労 働 大 臣 が 認 可 ) 厚 生 労 働 省 において5 年 ごとの 年 金 財 政 検 証 に 際 し 長 期 的 な 経 済 前 提 を 設 定 それと 整 合 的 な 形 で 必 要 な 運 用 利 回 りを 設 定 * 26 年 財 政 検 証 に 向 けた 運 用 利 回 りの 在 り 方 等 については 現 在 経 済 前 提 と 積 立 金 運 用 のあり 方 に 関 する 専 門 委 員 会 ( 座 長 吉 野 直 行 慶 応 大 学 教 授 )において 検 討 中 年 金 積 立 金 運 用 は 年 金 事 業 の 運 営 の 安 定 化 が 目 的 必 要 な 利 回 りをより 小 さいリスクで 長 期 的 に 確 保 することが 基 本 * 欧 米 の 企 業 年 金 では 母 体 企 業 への 影 響 等 から デ リスキングが 大 きな 流 れ 第 2 期 中 期 目 標 期 間 ( 平 成 22 年 4 月 ~ 平 成 27 年 3 月 )においては 年 金 の 抜 本 的 改 正 等 を 予 定 したため 定 量 的 目 標 は 示 さず 定 性 的 目 標 を 提 示 このため 国 内 債 券 並 みのリスク で 効 率 的 な 基 本 ポートフォリオを 策 定 その 際 GPIFは 年 金 財 政 に 与 える 影 響 についてシミュレーションALMを 実 施 年 金 財 政 に 与 える 影 響 についても PDCAの 観 点 等 から 厚 生 労 働 省 で 毎 年 評 価 公 表 しており 平 成 13 年 の 自 主 運 用 開 始 以 降 年 金 財 政 上 必 要 な 利 回 りは 確 保 ( 名 目 賃 金 上 昇 率 +2.18) * GPIFの 運 用 状 況 については 業 務 概 況 書 を 毎 年 度 作 成 し 公 表 している そのほか 四 半 期 ごとに 運 用 状 況 について 公 表 している 年 金 積 立 金 は 概 ね100 年 後 に 給 付 費 1 年 分 相 当 が 残 るよう 計 画 的 に 取 り 崩 すことを 前 提 として 運 用 運 用 方 針 については エ マージング 運 用 機 関 の 選 定 等 随 時 見 直 しを 行 っているほか ポートフォリオ 等 については 定 期 的 に 検 証 することとしている なお 昨 年 政 府 全 体 で 長 年 の 懸 案 であった 被 用 者 年 金 一 元 化 法 が 成 立 し 被 用 者 年 金 の 積 立 金 運 用 については 平 成 27 年 10 月 から 以 下 の 共 通 の 仕 組 みで 運 用 方 針 ポートフォリオが 決 定 される 1 被 用 者 年 金 積 立 金 ( 一 階 二 階 部 分 )について 厚 生 労 働 大 臣 財 務 大 臣 総 務 大 臣 文 部 科 学 大 臣 が 共 同 で 基 本 指 針 を 作 成 2GPIF 国 家 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 地 方 公 務 員 共 済 組 合 連 合 会 日 本 私 立 学 校 振 興 共 済 事 業 団 が 共 同 でモデルポートフォリオを 作 成 3 基 本 指 針 等 に 即 してGPIF 等 が 作 成 する 個 別 の 管 理 及 び 運 用 の 方 針 (ポートフォリオ 等 を 含 む)について 各 所 管 大 臣 が 承 認 1 4 各 所 管 大 臣 は 積 立 金 の 運 用 状 況 等 を 公 表 評 価 等 ( 参 考 資 料 P3 及 びP4ご 参 照 )

2. 具 体 的 な 資 産 運 4.リスク 管 理 について 考 え 方 運 用 成 績 は 約 9 割 を 資 産 構 成 割 合 (ポートフォリオ)が 左 右 長 期 運 用 では 長 期 的 視 点 からリターンとリスクが 最 適 となるポートフォリオを 求 め( 平 均 分 散 法 ) 高 値 つかみや 投 げ 売 りを 防 ぐためポートフォリオを 長 期 間 維 持 する 方 式 (SAA)が 標 準 的 知 見 * リスクにより 着 目 したポートフォリオの 決 め 方 (リスクパリティ 等 )もあるが 平 均 分 散 法 の 亜 種 であることが 示 されている(Wai Lee, Ph.D.2011 The journal of Portfolio management) * 市 況 判 断 により アセットアロケーションを 頻 繁 に 変 更 する 方 式 (TAA)もあるが 長 期 運 用 では 必 ずしも 一 般 的 ではなく 運 用 成 績 は 劣 後 するとの 指 摘 もある(Jeffrey Ptak 2012.2.2 Morningstar) 運 用 対 象 資 産 運 用 手 法 等 については GPIFが リスクリターン 特 性 や 流 動 性 投 資 可 能 な 市 場 規 模 や 分 析 に 十 分 なデータの 有 無 等 を 勘 案 し 慎 重 かつ 細 心 の 注 意 を 払 い 検 討 し 採 用 (なお 年 金 加 入 者 の 利 益 以 外 の 観 点 から 運 用 対 象 資 産 等 を 採 用 す ることは 他 事 考 慮 として 受 託 者 責 任 上 の 問 題 が 生 じうる ) 基 本 ポートフォリオは 厚 生 労 働 大 臣 が 任 命 する 運 用 委 員 会 の 議 を 経 てGPIFが 作 成 * 厚 生 労 働 大 臣 が 目 標 を 指 示 し( 中 期 目 標 ) GPIFが 作 成 厚 生 労 働 大 臣 が 認 可 ( 中 期 計 画 ) なお ポートフォリオ 等 は 従 前 厚 生 労 働 大 臣 が 定 めていたが 運 用 に 特 化 した 現 GPIF 設 立 後 GPIFが 策 定 する 仕 組 みに 変 更 ( 厚 生 労 働 大 臣 が 認 可 ) 資 産 運 用 に 関 する 標 準 的 な 知 見 である 現 代 ポートフォリオ 理 論 を 基 礎 としつつ 年 金 財 政 についてALM 分 析 を 行 い 最 適 なもの を 選 択 1 運 用 対 象 資 産 の 決 定 ( 流 動 性 市 場 規 模 為 替 ヘッジの 要 否 等 の 検 討 を 含 む ) 2 運 用 対 象 資 産 の 期 待 リターン リスク 等 を 推 定 3 リターン リスクが 最 適 となる 有 効 フロンティアを 導 出 4 基 本 ポートフォリオの 候 補 を 選 出 5 年 金 財 政 に 与 える 影 響 をシミュレーションし 年 金 財 政 上 最 適 な 基 本 ポートフォリオを 選 択 2

2. 具 体 的 な 資 産 運 4.リスク 管 理 について( 続 き) アクティブ 運 用 については 全 て 外 部 に 委 託 し マネジャー ストラクチャーの 際 に 多 様 な 運 用 ノウハウを 有 する 運 用 受 託 機 関 を 幅 広 く 公 募 採 用 することにより 各 資 産 の 運 用 に 活 かす 内 外 の 経 済 動 向 を 積 極 的 に 把 握 するとともに 大 学 等 の 研 究 機 関 と 連 携 強 化 CPPIB カルパース 等 国 際 的 な 大 手 年 金 基 金 と もスポンサーサイドで 情 報 交 換 ( 参 考 資 料 P7ご 参 照 ) GPIFはリスク 管 理 として 以 下 を 実 施 ( 参 考 資 料 P8からP10ご 参 照 ) 長 期 的 な 資 産 構 成 比 率 の 維 持 を 基 本 としつつ(SAA) リバランスについて 市 場 の 状 況 に 応 じ 適 宜 判 断 急 激 な 市 況 変 化 があった 際 市 場 構 造 の 変 化 によるものかどうか 等 解 析 各 資 産 のリスク 管 理 として トラッキングエラー ベータ 及 びデュレーション 等 の 変 化 要 因 の 分 析 等 を 実 施 例 1 平 成 20 年 度 リーマンショックによる 株 価 不 安 の 高 まりにより 基 本 ポートフォリオに 対 して 国 内 株 式 等 がアンダーウェイトと なった 毎 月 の 新 規 寄 託 金 をアンダーウェイト 資 産 に 配 分 することにより 資 産 構 成 割 合 の 回 復 に 努 め 結 果 的 にその 後 の 株 価 等 の 反 発 等 が 収 益 の 拡 大 に 寄 与 した 例 2 平 成 24 年 度 国 内 株 式 等 が 回 復 する 中 リバランスを 控 え 国 内 債 券 比 率 の 相 対 的 な 低 下 を 乖 離 限 度 幅 まで 容 認 ( 国 内 債 券 比 率 64.9%( 平 成 24 年 6 月 末 ) 61.8% ( 平 成 24 年 度 末 )) 3

3.ガバナンスについて GPIFは 平 成 18 年 度 厚 生 労 働 大 臣 が 一 般 的 監 督 権 を 持 ち 理 事 会 が 設 置 されていた 特 殊 法 人 から 運 用 に 特 化 した 独 立 行 政 法 人 として 発 足 厚 生 労 働 大 臣 は 理 事 長 等 を 任 命 するほか 中 期 目 標 を 示 し 中 期 計 画 を 認 可 理 事 長 が 業 務 執 行 の 責 任 を 負 うが 経 済 金 融 等 の 専 門 家 ( 厚 生 労 働 大 臣 任 命 )からなる 運 用 委 員 会 が 法 定 されており 運 用 に 関 する 重 要 事 項 を 審 議 基 本 ポートフォリオを 含 む 中 期 計 画 や 業 務 方 法 書 の 作 成 変 更 には 運 用 委 員 会 の 議 を 経 ることが 必 要 と されている 監 事 及 び 会 計 監 査 人 が 監 査 を 行 っているほか 運 用 委 員 会 が 業 務 の 実 施 状 況 を 監 視 している また 内 部 統 制 の 基 本 方 針 を 定 め 業 務 の 有 効 性 効 率 性 の 確 保 損 失 危 機 管 理 法 令 等 の 遵 守 情 報 保 存 管 理 財 務 報 告 等 信 頼 性 の 確 保 等 について 必 要 な 体 制 を 整 備 し 運 用 に 伴 う 各 種 リスク 等 適 切 な 管 理 を 行 っている ( 参 考 資 料 P12ご 参 照 ) 毎 年 度 厚 生 労 働 省 の 独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 において 評 価 を 受 けるほか 毎 年 度 業 務 概 況 書 を 作 成 し 運 用 状 況 の 公 表 年 金 財 政 に 与 える 影 響 について 厚 生 労 働 省 が 公 表 評 価 運 用 委 員 会 については 開 催 後 議 事 要 旨 を 公 表 * 議 事 録 については 市 場 への 影 響 等 にも 配 慮 し 開 催 から7 年 経 過 後 に 公 表 することとしている 4

3.ガバナンスについて( 外 部 委 託 先 の 管 理 等 ) 考 え 方 年 金 基 金 では パッシブ 運 用 をベースとしている (CPPIBで57.1% カルパースで56% (ただし 株 式 )(2013)) * パッシブ 運 用 に 勝 つアクティブ 運 用 マネージャーは 少 数 (カルパースですら 約 4 分 の1) 過 去 の 実 績 だけでなく 運 用 体 制 運 用 手 法 等 を 定 性 評 価 を 含 めた 選 定 が 標 準 特 に 低 利 回 り 下 で 運 用 コストの 低 減 が 各 国 の 年 金 基 金 で 大 きな 課 題 国 民 の 信 頼 を 裏 切 らないよう 公 正 性 の 確 保 と 不 正 防 止 の 徹 底 が 重 要 パッシブ 運 用 中 心 ( 国 内 株 式 で 約 8 割 ) ただし これまでの 運 用 実 績 等 を 勘 案 し 適 切 に 確 たる 根 拠 を 説 明 できる 場 合 には アクティブ 運 用 機 関 を 採 用 原 則 公 募 による 競 争 的 で 公 平 な 選 定 手 続 き 内 外 の30 社 75ファンドに 委 託 3 年 間 の 実 績 等 を 基 に 運 用 受 託 機 関 を 見 直 し(24 年 度 に 行 った 国 内 債 券 運 用 受 託 機 関 の 見 直 しに 際 しては 結 果 的 に 約 半 数 のファンドを 入 替 ) * 海 外 法 人 についても 第 3 次 審 査 の 際 職 員 が 直 接 現 地 の 運 用 担 当 責 任 者 に 面 接 し 運 用 チームの 体 制 運 用 手 法 の 詳 細 等 をチェック アクティブ 運 用 については 超 過 収 益 を 安 定 的 に 確 保 できるよう 定 性 定 量 評 価 が 高 い 運 用 機 関 をマネージャーストラク チャー コスト 等 を 勘 案 したうえで 選 定 パッシブ 運 用 においては 運 用 受 託 機 関 の 運 用 能 力 の 差 が 出 る 総 取 引 費 用 の 最 小 化 等 も 評 価 毎 年 度 定 性 評 価 及 び 定 量 評 価 を 実 施 し 必 要 に 応 じて 解 約 資 金 の 一 部 回 収 等 の 対 応 を 実 施 規 模 のメリットを 生 かし 管 理 運 用 委 託 手 数 料 率 は0.02%( 世 界 最 低 水 準 ) 公 正 性 を 確 保 するための 各 種 規 程 コンプライアンス 委 員 会 等 の 内 部 統 制 ( 米 国 等 で 見 られた 運 用 業 者 との 癒 着 事 件 等 は 皆 無 ) 資 産 管 理 機 関 (カストデイアン)の 適 切 な 監 視 等 を 行 い 保 有 資 産 を 銘 柄 別 に 日 次 ベースで 確 実 に 管 理 (AIJ 事 件 のように 資 産 の 所 在 が 不 明 になることはない ) 5

5. 専 材 の 確 保 について GPIFは 運 用 受 託 機 関 に 委 託 等 を 行 い 将 来 の 年 金 給 付 の 貴 重 な 原 資 となる 年 金 積 立 金 の 管 理 運 用 をすることが 業 務 であるこ とから その 理 事 長 は 1 金 融 経 済 に 関 する 専 門 知 識 経 験 があること 2 金 融 証 券 市 場 や 金 融 業 界 等 に 対 して 公 平 中 立 であ ること 3 組 織 管 理 の 能 力 経 験 があることといった 観 点 から 厚 生 労 働 大 臣 が 任 命 職 員 は 比 較 的 少 数 であるが 民 間 金 融 機 関 における 運 用 経 験 等 のある 職 員 が 約 3 分 の1( 大 学 等 で 講 義 も 実 施 ) * GPIFの 職 員 72 名 ( 非 常 勤 1 名 )( 平 成 24 年 度 末 ) * このうち 証 券 アナリスト 資 格 合 格 者 は28 名 ( 平 成 24 年 度 末 ) 他 の 独 立 行 政 法 人 と 同 様 人 件 費 等 について 節 減 目 標 あり ( 中 期 目 標 期 間 で 一 般 管 理 費 15% 以 上 業 務 経 費 5% 節 減 ラスパイレス 指 数 ( 地 域 学 歴 勘 案 )は97.7( 平 成 24 年 度 )) 6.エクイティ 性 資 産 に 係 るリターン 最 化 について 議 決 権 行 使 については これを 通 じた 国 による 民 間 企 業 支 配 につながるのではないかとの 懸 念 もあり 現 行 GPIFが 議 決 権 行 使 を 直 接 行 うのではなく 運 用 受 託 機 関 にそれぞれの 判 断 で 適 切 に 議 決 権 行 使 を 行 わせる 方 式 をとっている ( 米 国 の 連 邦 公 務 員 年 金 基 金 と 同 様 の 方 式 ) 6

運 実 績 年 金 積 立 金 が 本 格 的 な 自 主 運 用 を 開 始 した 平 成 13 年 度 ~23 年 度 までの 運 用 結 果 は デフレ 下 で 国 内 株 式 等 が 低 迷 していた が 平 均 収 益 率 1.62%( 収 益 額 : 約 25.2 兆 円 ) 名 目 賃 金 上 昇 率 を2.18% 超 え 財 政 検 証 等 の 前 提 を 上 回 る 利 回 りを 確 保 平 成 24 年 度 の 収 益 率 は10.23%( 収 益 額 11.2 兆 円 ) 複 合 ベンチマークからの 超 過 収 益 額 約 1.3 兆 円 (+1.24%) 30.00% 20.00% 10.00% 0.00% 10.00% 20.00% 30.00% 諸 外 国 の 大 手 年 金 基 金 と 比 較 すると 株 式 比 率 の 差 等 に より 大 きく 勝 たないが 大 きく 負 けない 運 用 国 際 比 較 に 際 しては インフレ 率 のほか 国 内 株 式 の 低 迷 低 金 利 円 高 等 この 間 の 運 用 環 境 の 違 いに 留 意 する 必 要 がある カルパース CPPIB ノルウェー 政 府 年 金 基 金 厚 年 国 年 積 立 金 カルパースに 関 しては 平 成 16 年 度 以 降 のデータを 使 用 厚 年 国 年 積 立 金 の 平 成 24 年 度 の 数 値 については GPIFのみの 平 成 24 年 度 の 運 用 収 益 率 名 目 値 等 により 低 い と 思 われている 我 が 国 の 年 金 運 用 利 回 りも 例 えば 物 価 上 昇 率 控 除 後 では 英 米 よりも 高 い (OECD 年 金 アウト ルック2012 ただし 民 間 年 金 のデータ) チリ ポーランド ノルウェー デンマーク カナダ ドイツ フィンランド オランダ オーストラリア 日 本 ポルトガル ベルギー 韓 国 スイス ニュージーランド アイスランド オーストリア チェコ 共 和 国 ハンガリー 加 重 平 均 英 国 スペイン 米 国 2001 年 12 月 2010 年 12 月 2007 年 12 月 2011 年 6 月 10.0 5.0 0.0 5.0 10.0 7