2016 年 4 月 改 訂 ( 第 5 版 ) 日 本 標 準 商 品 分 類 番 号 871319 医 薬 品 イ ン タ ビ ュ ー フ ォ ー ム 日 本 病 院 薬 剤 師 会 の IF 記 載 要 領 2008 に 準 拠 して 作 成 散 瞳 剤 <トロピカミド フェニレフリン 塩 酸 塩 > 製 剤 剤 形 点 眼 剤 製 剤 の 規 制 区 分 規 格 含 量 一 般 名 製 造 販 売 承 認 年 月 日 薬 価 基 準 収 載 発 売 年 月 日 開 発 製 造 販 売 ( 輸 入 ) 提 携 販 売 会 社 名 1mL 中 にトロピカミド 5 mg フェニレフリン 塩 酸 塩 5 mg を 含 有 和 名 :トロピカミド(JAN) フェニレフリン 塩 酸 塩 (JAN) 洋 名 :Tropicamide(JAN) Phenylephrine Hydrochloride(JAN) 製 造 承 認 年 月 日 :1990 年 3 月 8 日 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 :1990 年 7 月 13 日 発 売 年 月 日 :1990 年 7 月 13 日 製 造 販 売 元 :わかもと 製 薬 株 式 会 社 医 薬 情 報 担 当 者 の 連 絡 先 問 い 合 わ せ 窓 口 わかもと 製 薬 株 式 会 社 医 薬 学 術 部 TEL 03-3279-0379 FAX 03-3279-1272 医 療 関 係 者 向 けホームページ URL http://www.wakamoto-pharm.co.jp 本 IF は 2016 年 4 月 改 訂 の 添 付 文 書 の 記 載 に 基 づき 作 成 した 最 新 の 添 付 文 書 情 報 は 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページ http://www. pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html にてご 確 認 ください
IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 - 日 本 病 院 薬 剤 師 会 - 1. 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 経 緯 医 療 用 医 薬 品 の 基 本 的 な 要 約 情 報 として 医 療 用 医 薬 品 添 付 文 書 ( 以 下 添 付 文 書 と 略 す)がある 医 療 現 場 で 医 師 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 が 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 適 正 使 用 情 報 を 活 用 する 際 に は 添 付 文 書 に 記 載 された 情 報 を 裏 付 ける 更 に 詳 細 な 情 報 が 必 要 な 場 合 がある 医 療 現 場 では 当 該 医 薬 品 について 製 薬 企 業 の 医 薬 情 報 担 当 者 等 に 情 報 の 追 加 請 求 や 質 疑 をして 情 報 を 補 完 して 対 処 してきている この 際 に 必 要 な 情 報 を 網 羅 的 に 入 手 するための 情 報 リストとし てインタビューフォームが 誕 生 した 昭 和 63 年 に 日 本 病 院 薬 剤 師 会 ( 以 下 日 病 薬 と 略 す) 学 術 第 2 小 委 員 会 が 医 薬 品 インタビュ ーフォーム( 以 下 IF と 略 す)の 位 置 付 け 並 びに IF 記 載 様 式 を 策 定 した その 後 医 療 従 事 者 向 け 並 びに 患 者 向 け 医 薬 品 情 報 ニーズの 変 化 を 受 けて 平 成 10 年 9 月 に 日 病 薬 学 術 第 3 小 委 員 会 に おいて IF 記 載 要 領 の 改 訂 が 行 われた 更 に 10 年 が 経 過 した 現 在 医 薬 品 情 報 の 創 り 手 である 製 薬 企 業 使 い 手 である 医 療 現 場 の 薬 剤 師 双 方 にとって 薬 事 医 療 環 境 は 大 きく 変 化 したことを 受 けて 平 成 20 年 9 月 に 日 病 薬 医 薬 情 報 委 員 会 において 新 たな IF 記 載 要 領 が 策 定 された 2.IF とは IF は 添 付 文 書 等 の 情 報 を 補 完 し 薬 剤 師 等 の 医 療 従 事 者 にとって 日 常 業 務 に 必 要 な 医 薬 品 の 品 質 管 理 のための 情 報 処 方 設 計 のための 情 報 調 剤 のための 情 報 医 薬 品 の 適 正 使 用 のための 情 報 薬 学 的 な 患 者 ケアのための 情 報 等 が 集 約 された 総 合 的 な 個 別 の 医 薬 品 解 説 書 として 日 病 薬 が 記 載 要 領 を 策 定 し 薬 剤 師 等 のために 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 に 作 成 及 び 提 供 を 依 頼 している 学 術 資 料 と 位 置 付 けられる ただし 薬 事 法 製 薬 企 業 機 密 等 に 関 わるもの 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの 及 び 薬 剤 師 自 らが 評 価 判 断 提 供 すべき 事 項 等 は IF の 記 載 事 項 とはならない 言 い 換 えると 製 薬 企 業 から 提 供 された IF は 薬 剤 師 自 らが 評 価 判 断 臨 床 適 応 するとともに 必 要 な 補 完 をするものと いう 認 識 を 持 つことを 前 提 としている [IF の 様 式 ] 1 規 格 は A4 判 横 書 きとし 原 則 として 9 ポイント 以 上 の 字 体 ( 図 表 は 除 く)で 記 載 し 一 色 刷 りとする ただし 添 付 文 書 で 赤 枠 赤 字 を 用 いた 場 合 には 電 子 媒 体 ではこれに 従 うものとす る 2IF 記 載 要 領 に 基 づき 作 成 し 各 項 目 名 はゴシック 体 で 記 載 する 3 表 紙 の 記 載 は 統 一 し 表 紙 に 続 けて 日 病 薬 作 成 の IF 利 用 の 手 引 きの 概 要 の 全 文 を 記 載 する ものとし 2 頁 にまとめる [IF の 作 成 ] 1IF は 原 則 として 製 剤 の 投 与 経 路 別 ( 内 用 剤 注 射 剤 外 用 剤 )に 作 成 される 2IF に 記 載 する 項 目 及 び 配 列 は 日 病 薬 が 策 定 した IF 記 載 要 領 に 準 拠 する 3 添 付 文 書 の 内 容 を 補 完 するとの IF の 主 旨 に 沿 って 必 要 な 情 報 が 記 載 される 4 製 薬 企 業 の 機 密 等 に 関 するもの 製 薬 企 業 の 製 剤 努 力 を 無 効 にするもの 及 び 薬 剤 師 をはじめ 医 療 従 事 者 自 らが 評 価 判 断 提 供 すべき 事 項 については 記 載 されない 5 医 薬 品 インタビューフォーム 記 載 要 領 2008 ( 以 下 IF 記 載 要 領 2008 と 略 す)により 作 成 された IF は 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 とし 必 要 に 応 じて 薬 剤 師 が 電 子 媒 体 (PDF)から 印 刷 して 使 用 する 企 業 での 製 本 は 必 須 ではない
[IF の 発 行 ] 1 IF 記 載 要 領 2008 は 平 成 21 年 4 月 以 降 に 承 認 された 新 医 薬 品 から 適 用 となる 2 上 記 以 外 の 医 薬 品 については IF 記 載 要 領 2008 による 作 成 提 供 は 強 制 されるものではない 3 使 用 上 の 注 意 の 改 訂 再 審 査 結 果 又 は 再 評 価 結 果 ( 臨 床 再 評 価 )が 公 表 された 時 点 並 びに 適 応 症 の 拡 大 等 がなされ 記 載 すべき 内 容 が 大 きく 変 わった 場 合 には IF が 改 訂 される 3.IF の 利 用 にあたって IF 記 載 要 領 2008 においては 従 来 の 主 に MR による 紙 媒 体 での 提 供 に 替 え PDF ファイル による 電 子 媒 体 での 提 供 を 基 本 としている 情 報 を 利 用 する 薬 剤 師 は 電 子 媒 体 から 印 刷 して 利 用 することが 原 則 で 医 療 機 関 での IT 環 境 によっては 必 要 に 応 じて MR に 印 刷 物 での 提 供 を 依 頼 し てもよいこととした 電 子 媒 体 の IF については 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 の 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページに 掲 載 場 所 が 設 定 されている 製 薬 企 業 は 医 薬 品 インタビューフォーム 作 成 の 手 引 き に 従 って 作 成 提 供 するが IF の 原 点 を 踏 まえ 医 療 現 場 に 不 足 している 情 報 や IF 作 成 時 に 記 載 し 難 い 情 報 等 については 製 薬 企 業 の MR 等 へのインタビューにより 薬 剤 師 自 らが 内 容 を 充 実 させ IF の 利 用 性 を 高 める 必 要 がある また 随 時 改 訂 される 使 用 上 の 注 意 等 に 関 する 事 項 に 関 しては IF が 改 訂 されるまでの 間 は 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 提 供 する 添 付 文 書 やお 知 らせ 文 書 等 あるいは 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 配 信 サー ビス 等 により 薬 剤 師 自 らが 整 備 するとともに IF の 使 用 にあたっては 最 新 の 添 付 文 書 を 医 薬 品 医 療 機 器 情 報 提 供 ホームページで 確 認 する なお 適 正 使 用 や 安 全 性 の 確 保 の 点 から 記 載 されている 臨 床 成 績 や 主 な 外 国 での 発 売 状 況 に 関 する 項 目 等 は 承 認 事 項 に 関 わることがあり その 取 扱 いには 十 分 留 意 すべきである 4. 利 用 に 際 しての 留 意 点 IF を 薬 剤 師 等 の 日 常 業 務 において 欠 かすことができない 医 薬 品 情 報 源 として 活 用 して 頂 きた い しかし 薬 事 法 や 医 療 用 医 薬 品 プロモーションコード 等 による 規 制 により 製 薬 企 業 が 医 薬 品 情 報 として 提 供 できる 範 囲 には 自 ずと 限 界 がある IF は 日 病 薬 の 記 載 要 領 を 受 けて 当 該 医 薬 品 の 製 薬 企 業 が 作 成 提 供 するものであることから 記 載 表 現 には 制 約 を 受 けざるを 得 ないことを 認 識 しておかなければならない また 製 薬 企 業 は IF があくまでも 添 付 文 書 を 補 完 する 情 報 資 材 であり 今 後 インターネットで の 公 開 等 も 踏 まえ 薬 事 法 上 の 広 告 規 制 に 抵 触 しないよう 留 意 し 作 成 されていることを 理 解 して 情 報 を 活 用 する 必 要 がある (2008 年 9 月 )
目 次 Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目... 1 1. 開 発 の 経 緯... 1 2. 製 品 の 治 療 学 的 製 剤 学 的 特 性... 1 Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目... 2 1. 販 売 名... 2 2. 一 般 名... 2 3. 構 造 式 又 は 示 性 式... 2 4. 分 子 式 及 び 分 子 量... 3 5. 化 学 名 ( 命 名 法 )... 3 6. 慣 用 名, 別 名, 略 号, 記 号 番 号... 3 7. CAS 登 録 番 号... 3 Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目... 4 1. 物 理 化 学 的 性 質... 4 2. 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性... 4 3. 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法... 5 4. 有 効 成 分 の 定 量 法... 5 Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目... 6 1. 剤 形... 6 2. 製 剤 の 組 成... 6 3. 用 時 溶 解 して 使 用 する 製 剤 の 調 整 法... 6 4. 懸 濁 剤 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意... 6 5. 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性... 7 6. 溶 解 後 の 安 定 性... 7 7. 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 )... 7 8. 溶 出 性... 7 9. 生 物 学 的 試 験 法... 7 10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法... 7 11. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法... 7 12. 力 価... 8 13. 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物... 8 14. 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報... 8 15. 刺 激 性... 8 16. その 他... 8 Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目... 9 1. 効 能 又 は 効 果... 9 2. 用 法 及 び 用 量... 9 3. 臨 床 成 績... 9 Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目... 10 1. 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群... 10 2. 薬 理 作 用... 10 Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目... 11 1. 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法... 11 2. 薬 物 速 度 論 的 パラメータ... 11 3. 吸 収... 11 4. 分 布... 12 5. 代 謝... 12 6. 排 泄... 12
7. 透 析 等 による 除 去 率... 12 Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目... 13 1. 警 告 内 容 とその 理 由... 13 2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む)... 13 3. 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由... 13 4. 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由... 13 5. 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由... 13 6. 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法... 14 7. 相 互 作 用... 15 8. 副 作 用... 15 9. 高 齢 者 への 投 与... 16 10. 妊 婦, 産 婦, 授 乳 婦 等 への 投 与... 16 11. 小 児 等 への 投 与... 16 12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響... 16 13. 過 量 投 与... 16 14. 適 用 上 の 注 意... 17 15. その 他 の 注 意... 17 16. その 他... 17 Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目... 18 1. 薬 理 試 験... 18 2. 毒 性 試 験... 18 Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目... 19 1. 規 制 区 分... 19 2. 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限... 19 3. 貯 法 保 存 条 件... 19 4. 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点... 19 5. 承 認 条 件 等... 19 6. 包 装... 19 7. 容 器 の 材 質... 19 8. 同 一 成 分 同 効 薬... 19 9. 国 際 誕 生 年 月 日... 19 10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号... 19 11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日... 20 12. 効 能 又 は 効 果 追 加, 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容... 20 13. 再 審 査 結 果, 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容... 20 14. 再 審 査 期 間... 20 15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報... 20 16. 各 種 コード... 20 17. 保 険 給 付 上 の 注 意 点... 20 ⅩⅠ. 文 献... 21 1. 引 用 文 献... 21 2. その 他 の 参 考 文 献... 21 3. 文 献 請 求 先... 21 ⅩⅡ. 参 考 資 料... 22 1. 主 な 外 国 での 発 売 状 況... 22 2. 海 外 における 臨 床 支 援 情 報... 22 ⅩⅢ. 備 考... 23
Ⅰ. 概 要 に 関 する 項 目 1. 開 発 の 経 緯 トロピカミドは 1955 年 に 開 発 されたアトロピン 類 似 の 副 交 感 神 経 遮 断 作 用 を 持 つ 散 瞳 薬 であり フェニレフリン 塩 酸 塩 はアドレナリンのパラ 位 の 水 酸 基 を 除 いた 化 合 物 で アドレナリン 類 似 の 交 感 神 経 興 奮 作 用 を 持 つ 散 瞳 薬 である しかし 各 々 単 味 の 製 剤 では 年 齢 により 散 瞳 作 用 に 差 が 認 められることや 副 作 用 の 報 告 も 多 く 問 題 となっていた 本 剤 は 副 交 感 神 経 遮 断 による 散 瞳 及 び 毛 様 筋 麻 痺 作 用 を 有 するトロピカミドと 交 感 神 経 興 奮 による 散 瞳 作 用 を 有 するフェニレフ リン 塩 酸 塩 を 配 合 した 散 瞳 剤 であり わかもと 製 薬 株 式 会 社 が 1990 年 3 月 に 承 認 を 取 得 し 1990 年 7 月 に 発 売 した 2. 製 品 の 治 療 学 的 製 剤 学 的 特 性 (1)トロピカミドとフェニレフリン 塩 酸 塩 の 相 乗 効 果 により 十 分 な 散 瞳 効 果 が 期 待 できる (2) 眼 底 の 検 査 や 眼 内 手 術 の 際 の 散 瞳 効 果 の 発 現 が 早 く 短 時 間 に 元 の 状 態 に 回 復 する (3) 本 剤 は 使 用 成 績 調 査 等 の 副 作 用 発 現 頻 度 が 明 確 となる 調 査 を 実 施 していない ( 再 審 査 対 象 外 ) 重 大 な 副 作 用 ( 頻 度 不 明 )として ショック アナフィラキシーが 報 告 されている -1-
Ⅱ. 名 称 に 関 する 項 目 1. 販 売 名 (1) 和 名 オフミック 点 眼 液 (2) 洋 名 OPHMIC OPHTHALMIC SOLUTION (3) 名 称 の 由 来 OPHTHALMIC から 命 名 2. 一 般 名 (1) 和 名 ( 命 名 法 ) トロピカミド(JAN) フェニレフリン 塩 酸 塩 (JAN) (2) 洋 名 ( 命 名 法 ) Tropicamide (JAN) Phenylephrine Hydrochloride(JAN) (3)ステム アトロピン 誘 導 体 trop 交 感 神 経 作 用 フェネチル 誘 導 体 -frine 3. 構 造 式 又 は 示 性 式 構 造 式 トロピカミド フェニレフリン 塩 酸 塩 -2-
4. 分 子 式 及 び 分 子 量 トロピカミド 分 子 式 :C 17 H 20 N 2 O 2 分 子 量 :284.35 フェニレフリン 塩 酸 塩 分 子 式 :C 9 H 13 NO 2 HCl 分 子 量 :203.67 5. 化 学 名 ( 命 名 法 ) トロピカミド (2RS)-N-Ethyl-3-hydroxy-2-phenyl-N- (pyridin-4-ylmethyl) propanamide(iupac) フェニレフリン 塩 酸 塩 (1R)-1-(3-Hydroxyphenyl)-2-methylaminoethanol monohydrochloride(iupac) 6. 慣 用 名, 別 名, 略 号, 記 号 番 号 7.CAS 登 録 番 号 トロピカミド 1508-75-4 フェニレフリン 塩 酸 塩 61-76-7-3-
Ⅲ. 有 効 成 分 に 関 する 項 目 1. 物 理 化 学 的 性 質 (1) 外 観 性 状 トロピカミド 本 品 は 白 色 の 結 晶 性 の 粉 末 で においはなく 味 は 苦 い フェニレフリン 塩 酸 塩 本 品 は 白 色 の 結 晶 又 は 結 晶 性 の 粉 末 で においはなく 味 は 苦 い (2) 溶 解 性 トロピカミド 本 品 はエタノール(95) 又 はクロロホルムに 溶 けやすく 水 又 はジエチルエーテルに 溶 けにくく 石 油 エーテルにほとんど 溶 けない 本 品 は 希 塩 酸 に 溶 ける フェニレフリン 塩 酸 塩 本 品 は 水 に 極 めて 溶 けやすく エタノール(95)に 溶 けやすく ジエチルエーテルにほとんど 溶 け ない (3) 吸 湿 性 (4) 融 点 ( 分 解 点 ), 沸 点, 凝 固 点 トロピカミド 融 点 :96~99 フェニレフリン 塩 酸 塩 融 点 :140~145 (5) 酸 塩 基 解 離 定 数 (6) 分 配 係 数 (7)その 他 の 主 な 示 性 値 トロピカミド 吸 光 度 E 1% 1cm (255 nm) :166~180( 乾 燥 後 5 mg 2 mol/l 塩 酸 試 液 200 ml) ph: 本 品 1.0 g を 水 500 ml に 溶 かした 液 の ph は 6.5~8.0 である フェニレフリン 塩 酸 塩 旋 光 度 α 20 D:-42.0~-47.5 ( 乾 燥 後 0.5 g 水 10 ml 100 mm) ph: 本 品 1.0 g を 水 100 ml に 溶 かした 液 の ph は 4.5~5.5 である 2. 有 効 成 分 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 -4-
3. 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 トロピカミド 日 局 トロピカミド による フェニレフリン 塩 酸 塩 日 局 フェニレフリン 塩 酸 塩 による 4. 有 効 成 分 の 定 量 法 トロピカミド 日 局 トロピカミド による フェニレフリン 塩 酸 塩 日 局 フェニレフリン 塩 酸 塩 による -5-
Ⅳ. 製 剤 に 関 する 項 目 1. 剤 形 (1) 投 与 経 路 点 眼 (2) 剤 形 の 区 別, 規 格 及 び 性 状 剤 形 の 区 分 : 点 眼 剤 規 格 :1mL 中 トロピカミド 5 mg フェニレフリン 塩 酸 塩 5 mg 含 有 性 状 : 無 色 ~ 微 黄 色 澄 明 の 無 菌 製 剤 (3) 識 別 コード キャップの 色 : 濃 青 色 キャップ 天 面 : (4)pH, 浸 透 圧 比, 粘 度, 比 重, 安 定 な ph 域 等 浸 透 圧 比 :0.8~1.3( 生 理 食 塩 液 に 対 する 比 ) ph :5.0~6.0 (5) 無 菌 の 有 無 無 菌 2. 製 剤 の 組 成 (1) 有 効 成 分 ( 活 性 成 分 )の 含 量 1mL 中 トロピカミド 5 mg フェニレフリン 塩 酸 塩 5 mg 含 有 (2) 添 加 物 緩 衝 液 :ホウ 酸 クエン 酸 水 和 物 保 存 剤 :ベンザルコニウム 塩 化 物 等 張 化 剤 : 塩 化 ナトリウム ph 調 節 剤 : 塩 酸 水 酸 化 ナトリウム (3) 添 付 溶 解 後 の 組 成 及 び 容 量 3. 用 時 溶 解 して 使 用 する 製 剤 の 調 整 法 4. 懸 濁 剤 乳 剤 の 分 散 性 に 対 する 注 意 -6-
5. 製 剤 の 各 種 条 件 下 における 安 定 性 長 期 保 存 試 験 1) 試 験 項 目 : 性 状 ph 浸 透 圧 比 不 溶 性 異 物 不 溶 性 微 粒 子 定 量 保 存 条 件 保 存 期 間 保 存 形 態 結 果 25±1 60±5%RH 3 年 間 ポリプロピレン 容 器 変 化 なし 加 速 試 験 2) 試 験 項 目 : 性 状 浸 透 圧 比 紫 外 吸 収 スペクトル ph 不 溶 性 異 物 試 験 定 量 保 存 条 件 保 存 期 間 保 存 形 態 結 果 40±1 75±5%RH 6 ヵ 月 点 眼 用 プラスチック 製 容 器 変 化 なし 6. 溶 解 後 の 安 定 性 7. 他 剤 との 配 合 変 化 ( 物 理 化 学 的 変 化 ) 8. 溶 出 性 9. 生 物 学 的 試 験 法 10. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 確 認 試 験 法 トロピカミド 呈 色 反 応 フェニレフリン 塩 酸 塩 呈 色 反 応 11. 製 剤 中 の 有 効 成 分 の 定 量 法 液 体 クロマトグラフィー 検 出 器 : 紫 外 吸 光 光 度 計 ( 測 定 波 長 :262 nm) カ ラ ム: 内 径 約 4 mm 長 さ 15 cm のステンレス 管 に 5 μm のオクタデシルシリル 化 シリカ ゲルを 充 てんしたもの カラム 温 度 : 室 温 移 動 相 :0.01 M リン 酸 塩 緩 衝 液 (ph 7.0) アセトニトリル 混 液 (18:7)に 0.0008 M ウラリル 硫 酸 ナトリウム 及 び 0.0325 M 硫 酸 ナトリウムを 加 えた 後 リン 酸 を 加 えて ph を 7.0 に 調 整 する 流 量 :フェニレフリン 塩 酸 塩 の 保 持 時 間 が 約 4.8 分 になるように 調 整 する カラムの 選 定 : 標 準 溶 液 15μl につき 上 記 の 条 件 で 操 作 するとき フェニレフリン 塩 酸 塩 トロピ カミド 内 標 準 物 質 の 順 に 溶 出 し フェニレフリン 塩 酸 塩 とトロピカミドの 分 離 度 が 6 以 上 及 びトロピカミドと 内 標 準 物 質 の 分 離 度 が 6 以 上 のものを 用 いる -7-
12. 力 価 13. 混 入 する 可 能 性 のある 夾 雑 物 14. 治 療 上 注 意 が 必 要 な 容 器 に 関 する 情 報 15. 刺 激 性 Ⅸ-2.-(4)の 項 参 照 16.その 他 -8-
Ⅴ. 治 療 に 関 する 項 目 1. 効 能 又 は 効 果 診 断 及 び 治 療 を 目 的 とする 散 瞳 と 調 節 麻 痺 2. 用 法 及 び 用 量 散 瞳 通 常 1 回 1~2 滴 を 点 眼 するか 又 は 1 回 1 滴 を 3~5 分 おきに 2 回 点 眼 する 調 節 麻 痺 通 常 1 回 1 滴 を 3~5 分 おきに 2~3 回 点 眼 する なお 症 状 により 適 宜 増 減 する 3. 臨 床 成 績 (1) 臨 床 データパッケージ(2009 年 4 月 以 降 承 認 品 目 ) (2) 臨 床 効 果 (3) 臨 床 薬 理 試 験 : 忍 容 性 試 験 (4) 探 索 的 試 験 : 用 量 反 応 探 索 試 験 (5) 検 証 的 試 験 1) 無 作 為 化 並 行 用 量 反 応 試 験 2) 比 較 試 験 3) 安 全 性 試 験 4) 患 者 病 態 別 試 験 (6) 治 療 的 使 用 1) 使 用 成 績 調 査 特 定 使 用 成 績 調 査 ( 特 別 調 査 ) 製 造 販 売 後 臨 床 試 験 ( 市 販 後 臨 床 試 験 ) 2) 承 認 条 件 として 実 施 予 定 の 内 容 又 は 実 施 した 試 験 の 概 要 -9-
Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 1. 薬 理 学 的 に 関 連 ある 化 合 物 又 は 化 合 物 群 トロピカミド: 副 交 感 神 経 遮 断 薬 (アトロピン 等 ) フェニレフリン 塩 酸 塩 : 交 感 神 経 刺 激 薬 (アドレナリン 等 ) 2. 薬 理 作 用 (1) 作 用 部 位 作 用 機 序 作 用 部 位 : 虹 彩 毛 様 体 作 用 機 序 :トロピカミドは 眼 組 織 において 副 交 感 神 経 を 遮 断 することにより 瞳 孔 括 約 筋 を 弛 緩 させ 散 瞳 作 用 を 発 揮 する また 毛 様 体 筋 を 弛 緩 させ 毛 様 筋 麻 痺 作 用 を 発 揮 する フェニレフリン 塩 酸 塩 は 眼 組 織 において 交 感 神 経 を 刺 激 することにより 瞳 孔 散 大 筋 を 収 縮 させ 散 瞳 作 用 を 発 揮 する (2) 薬 効 を 裏 付 ける 試 験 成 績 3) 散 瞳 作 用 家 兎 眼 に 本 剤 を 1 回 50 μl 点 眼 した 結 果 瞳 孔 径 は 点 眼 1 時 間 後 には 最 大 となり 24 時 間 後 に は 点 眼 前 の 状 態 に 回 復 した < 生 物 学 的 同 等 性 試 験 対 象 : 白 色 家 兎 4) > 方 法 :クロスオーバー 法 により 本 剤 及 び 標 準 製 剤 を 50 μl 点 眼 して 散 瞳 量 を 測 定 し 最 大 散 瞳 量 及 び 散 瞳 量 - 時 間 曲 線 下 面 積 (AUC 0 24 )を 求 めた 結 果 : 求 めた 最 大 散 瞳 量 及 び 散 瞳 量 - 時 間 曲 線 下 面 積 について 分 散 分 析 法 にて 統 計 解 析 を 行 っ た 結 果 有 意 な 差 は 認 められず 両 剤 の 生 物 学 的 同 等 性 が 確 認 された 最 大 散 瞳 量 (mm) AUC 0 24 (hr mm) オフミック 点 眼 液 4.0±0.50 40.9±6.01 標 準 製 剤 ( 点 眼 剤 トロピカミド 5 mg フェニレフリン 塩 酸 塩 5 mg) 4.1±0.73 42.1±5.69 (Mean±S.D., n=10) 最 大 散 瞳 量 並 びに AUC 等 のパラメータは 被 験 個 体 の 選 択 測 定 回 数 時 間 等 の 試 験 条 件 によって 異 なる 可 能 性 がある (3) 作 用 発 現 時 間 持 続 時 間 -10-
Ⅶ. 薬 物 動 態 に 関 する 項 目 1. 血 中 濃 度 の 推 移 測 定 法 (1) 治 療 上 有 効 な 血 中 濃 度 (2) 最 高 血 中 濃 度 到 達 時 間 (3) 臨 床 試 験 で 確 認 された 血 中 濃 度 (4) 中 毒 域 (5) 食 事 併 用 薬 の 影 響 (6) 母 集 団 (ポピュレーション) 解 析 により 判 明 した 薬 物 体 内 動 態 変 動 要 因 2. 薬 物 速 度 論 的 パラメータ (1)コンパートメントモデル (2) 吸 収 速 度 定 数 (3)バイオアベイラビリティ (4) 消 失 速 度 定 数 (5)クリアランス (6) 分 布 容 積 (7) 血 漿 蛋 白 結 合 率 3. 吸 収 -11-
4. 分 布 (1) 血 液 - 脳 関 門 通 過 性 (2) 血 液 - 胎 盤 関 門 透 過 性 (3) 乳 汁 中 への 移 行 性 (4) 髄 液 への 移 行 性 (5)その 他 の 組 織 への 移 行 性 5. 代 謝 (1) 代 謝 部 位 及 び 代 謝 経 路 (2) 代 謝 に 関 与 する 酵 素 (CYP450 等 )の 分 子 種 (3) 初 回 通 過 効 果 の 有 無 及 びその 割 合 (4) 代 謝 物 の 活 性 の 有 無 及 び 比 率 (5) 活 性 代 謝 物 の 速 度 論 的 パラメータ 6. 排 泄 (1) 排 泄 部 位 及 び 経 路 (2) 排 泄 率 (3) 排 泄 速 度 7. 透 析 等 による 除 去 率 -12-
Ⅷ. 安 全 性 ( 使 用 上 の 注 意 等 )に 関 する 項 目 1. 警 告 内 容 とその 理 由 2. 禁 忌 内 容 とその 理 由 ( 原 則 禁 忌 を 含 む) 禁 忌 ( 次 の 患 者 には 投 与 しないこと) 1. 緑 内 障 及 び 狭 隅 角 や 前 房 が 浅 いなどの 眼 圧 上 昇 の 素 因 のある 患 者 [ 急 性 閉 塞 隅 角 緑 内 障 の 発 作 を 起 こすことがある ] 2. 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 ( 解 説 ) 1. 本 剤 の 有 効 成 分 の 一 つであるトロピカミドは 副 交 感 神 経 遮 断 薬 であり 副 交 感 神 経 終 末 におい てアセチルコリンと 競 合 的 に 拮 抗 して 神 経 伝 達 を 遮 断 し 瞳 孔 括 約 筋 を 弛 緩 させることにより 散 瞳 を 生 じ また 毛 様 体 筋 の 緊 張 を 抑 制 し 調 節 麻 痺 を 示 す また フェニレフリン 塩 酸 塩 は 瞳 孔 散 大 筋 の 収 縮 により 散 瞳 を 生 じる 閉 塞 隅 角 緑 内 障 狭 隅 角 や 前 房 が 浅 いなどの 眼 圧 上 昇 の 素 因 のある 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると 瞳 孔 括 約 筋 毛 様 体 筋 の 弛 緩 及 び 瞳 孔 散 大 筋 の 収 縮 によ って 隅 角 が 閉 塞 し シュレム 管 からの 房 水 流 出 が 妨 げられて 眼 圧 上 昇 を 引 き 起 こす とくに 散 瞳 が 持 続 すると 急 性 閉 塞 隅 角 緑 内 障 の 発 作 を 起 こすおそれがあるので これらの 患 者 には 投 与 しないこと また 開 放 隅 角 緑 内 障 の 患 者 でも 毛 様 体 筋 の 弛 緩 による 房 水 流 出 抵 抗 の 増 加 によ り 眼 圧 が 上 昇 する 場 合 があるので 投 与 しないこと 2. 本 剤 の 副 作 用 としてショック アナフィラキシー 眼 瞼 炎 眼 瞼 皮 膚 炎 そう 痒 感 等 が 報 告 さ れているため 本 剤 の 成 分 による 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 には 投 与 しないこと 3. 効 能 又 は 効 果 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 4. 用 法 及 び 用 量 に 関 連 する 使 用 上 の 注 意 とその 理 由 5. 慎 重 投 与 内 容 とその 理 由 慎 重 投 与 ( 次 の 患 者 には 慎 重 に 投 与 すること) (1) 小 児 [ 11. 小 児 等 への 投 与 の 項 参 照 ] (2) 高 血 圧 症 の 患 者 [フェニレフリンの 血 圧 上 昇 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ] (3) 動 脈 硬 化 症 の 患 者 [フェニレフリンの 血 圧 上 昇 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ] (4) 冠 不 全 又 は 心 不 全 などの 心 臓 疾 患 のある 患 者 [フェニレフリンのβ₁ 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ] (5) 糖 尿 病 の 患 者 [フェニレフリンの 糖 新 生 促 進 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ] (6) 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 の 患 者 [ 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 の 患 者 では 心 悸 亢 進 頻 脈 等 の 交 感 神 経 刺 激 症 状 がみられることがあり 本 剤 の 投 与 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ] ( 解 説 ) (1)トロピカミドなどの 三 級 アミンムスカリン 受 容 体 拮 抗 薬 やフェニレフリン 塩 酸 塩 は 結 膜 嚢 か ら 血 中 への 吸 収 は 極 めて 少 ないものの 鼻 涙 管 を 通 って 吸 収 の 良 好 な 粘 膜 表 面 に 達 して 全 身 に 影 響 を 及 ぼすことがある 特 に 三 級 アミンムスカリン 受 容 体 拮 抗 薬 は 小 児 で 全 身 の 副 作 用 が 起 こりやすいとされていることから 記 載 した -13-
(2) 本 剤 の 有 効 成 分 の 一 つであるフェニレフリン 塩 酸 塩 はα1 選 択 性 作 動 薬 である 高 血 圧 症 の 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると フェニレフリンの 血 圧 上 昇 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそれがある ことから 記 載 した (3) 動 脈 硬 化 症 の 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると フェニレフリンの 血 圧 上 昇 作 用 により 症 状 が 増 悪 するお それがあることから 記 載 した (4)フェニレフリンはα1 選 択 性 作 動 薬 であるが 大 量 ではβアドレナリン 受 容 体 も 活 性 化 する 冠 不 全 又 は 心 不 全 などの 心 臓 疾 患 のある 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると 症 状 が 増 悪 するおそれがあるこ とから 記 載 した (5) 糖 尿 病 の 患 者 に 本 剤 を 投 与 すると フェニレフリンの 糖 新 生 促 進 作 用 により 症 状 が 増 悪 するおそ れがあることから 記 載 した (6) 甲 状 腺 機 能 亢 進 症 の 患 者 では 心 悸 亢 進 頻 脈 等 の 交 感 神 経 刺 激 症 状 がみられることがあり 本 剤 の 投 与 により 症 状 が 増 悪 するおそれがあることから 記 載 した 6. 重 要 な 基 本 的 注 意 とその 理 由 及 び 処 置 方 法 重 要 な 基 本 的 注 意 (1) 低 出 生 体 重 児 の 眼 底 検 査 実 施 において 徐 脈 無 呼 吸 等 が 起 こるとの 報 告 があるので 投 与 中 は 観 察 を 十 分 に 行 い 慎 重 に 投 与 すること [ 11. 小 児 等 への 投 与 の 項 参 照 ] (2) 散 瞳 又 は 調 節 麻 痺 が 起 こるので 本 剤 投 与 中 の 患 者 には 散 瞳 又 は 調 節 麻 痺 が 回 復 するまで 自 動 車 の 運 転 等 危 険 を 伴 う 機 械 の 操 作 に 従 事 させないよう 注 意 すること また サングラスを 着 用 す る 等 太 陽 光 や 強 い 光 を 直 接 見 ないよう 注 意 すること ( 解 説 ) (1) 低 出 生 体 重 児 の 眼 底 検 査 実 施 のため 本 剤 を 投 与 した 症 例 で 徐 脈 無 呼 吸 等 の 副 作 用 が 報 告 され ていることから 記 載 した (2) 本 剤 の 有 効 成 分 の 一 つであるトロピカミドは 副 交 感 神 経 遮 断 薬 であり 副 交 感 神 経 終 末 において アセチルコリンと 競 合 的 に 拮 抗 して 神 経 伝 達 を 遮 断 し 瞳 孔 括 約 筋 を 弛 緩 させることにより 散 瞳 を 生 じ また 毛 様 体 筋 の 緊 張 を 抑 制 し 調 節 麻 痺 を 示 す また フェニレフリン 塩 酸 塩 は 瞳 孔 散 大 筋 の 収 縮 により 散 瞳 を 生 じる 投 与 後 自 動 車 の 運 転 等 危 険 を 伴 う 機 械 の 操 作 を 行 うと 散 瞳 又 は 調 節 麻 痺 により 事 故 等 を 引 き 起 こすおそれがあることから 記 載 した 本 剤 投 与 後 物 がぼやけて 見 えたり 普 段 よりまぶしく 感 じられる 場 合 は 症 状 が 回 復 するまで 危 険 を 伴 う 機 械 の 操 作 を 行 わないよう 指 導 すること また サングラスを 着 用 するなど 太 陽 光 や 強 い 光 を 直 接 見 ないよう 指 導 すること -14-
7. 相 互 作 用 (1) 併 用 禁 忌 とその 理 由 (2) 併 用 注 意 とその 理 由 薬 剤 名 等 臨 床 症 状 措 置 方 法 機 序 危 険 因 子 MAO 阻 害 剤 ( 治 療 中 及 び 治 療 後 3 週 間 以 内 ) 急 激 な 血 圧 上 昇 を 起 こす おそれがある 本 剤 の 代 謝 酵 素 を 阻 害 す ることにより カテコール アミン 感 受 性 が 亢 進 する と 考 えられている 交 感 神 経 終 末 でのノルア 三 環 系 及 び 四 環 系 抗 うつ 剤 急 激 な 血 圧 上 昇 を 起 こす ドレナリン 再 取 り 込 みを (マプロチリン 塩 酸 塩 クロミプ おそれがある 阻 害 し 受 容 体 のアドレナ ラミン 塩 酸 塩 アモキサピン) リン 濃 度 を 上 昇 させる ( 解 説 ) MAO 阻 害 剤 MAO 阻 害 剤 は フェニレフリン 塩 酸 塩 の 代 謝 酵 素 を 阻 害 することにより カテコールアミン 感 受 性 を 亢 進 させると 考 えられている 従 って 併 用 により 急 激 な 血 圧 上 昇 を 起 こすおそれがある ことから 記 載 した 三 環 系 及 び 四 環 系 抗 うつ 剤 本 剤 は 三 環 系 及 び 四 環 系 抗 うつ 剤 は 交 感 神 経 終 末 でのノルアドレナリン 再 取 り 込 みを 阻 害 し 受 容 体 のアドレナリン 濃 度 を 上 昇 させるため 併 用 により 急 激 な 血 圧 上 昇 を 起 こすおそれがあるこ とから 記 載 した 8. 副 作 用 (1) 副 作 用 の 概 要 本 剤 は 使 用 成 績 調 査 等 の 副 作 用 発 現 頻 度 が 明 確 となる 調 査 を 実 施 していない ( 再 審 査 対 象 外 ) (2) 重 大 な 副 作 用 と 初 期 症 状 ショック アナフィラキシー( 頻 度 不 明 ) ショック アナフィラキシーが 起 こることがあるので 観 察 を 十 分 に 行 い 紅 斑 発 疹 呼 吸 困 難 血 圧 低 下 眼 瞼 浮 腫 等 の 症 状 が 認 められた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこ と (3)その 他 副 作 用 過 敏 症 眼 消 化 器 その 他 頻 度 不 明 眼 瞼 炎 ( 眼 瞼 発 赤 腫 脹 等 ) 眼 瞼 皮 膚 炎 瘙 痒 感 発 疹 蕁 麻 疹 結 膜 炎 ( 結 膜 充 血 浮 腫 眼 脂 等 ) 角 膜 上 皮 障 害 眼 圧 上 昇 口 渇 悪 心 嘔 吐 顔 面 潮 紅 頻 脈 血 圧 上 昇 頭 痛 (4) 項 目 別 副 作 用 発 現 頻 度 及 び 臨 床 検 査 値 異 常 一 覧 -15-
(5) 基 礎 疾 患, 合 併 症, 重 度 度 及 び 手 術 の 有 無 等 背 景 別 の 副 作 用 発 現 頻 度 (6) 薬 物 アレルギーに 対 する 注 意 及 び 試 験 法 禁 忌 ( 次 の 患 者 には 投 与 しないこと) 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 ショック アナフィラキシーがあらわれた 場 合 には 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 う 過 敏 症 状 があらわれた 場 合 には 投 与 を 中 止 する 9. 高 齢 者 への 投 与 一 般 に 高 齢 者 では 生 理 機 能 が 低 下 しているので 注 意 すること 10. 妊 婦, 産 婦, 授 乳 婦 等 への 投 与 11. 小 児 等 への 投 与 小 児 に 投 与 する 場 合 には 全 身 の 副 作 用 が 起 こりやすいので 観 察 を 十 分 に 行 い 慎 重 に 投 与 するこ と 特 に 低 出 生 体 重 児 では 徐 脈 無 呼 吸 等 が 起 こるとの 報 告 があるので 観 察 を 十 分 に 行 い 異 常 が 認 められた 場 合 には 直 ちに 投 与 を 中 止 し 適 切 な 処 置 を 行 うこと なお 必 要 に 応 じて 本 剤 を 希 釈 して 使 用 することが 望 ましい ( 解 説 ) トロピカミドなどの 三 級 アミンムスカリン 受 容 体 拮 抗 薬 やフェニレフリン 塩 酸 塩 は 結 膜 嚢 から 血 中 への 吸 収 は 極 めて 少 ないものの 鼻 涙 管 を 通 って 吸 収 の 良 好 な 粘 膜 表 面 に 達 して 全 身 に 影 響 を 及 ぼすことがある 特 に 三 級 アミンムスカリン 受 容 体 拮 抗 薬 は 小 児 で 全 身 の 副 作 用 が 起 こりやすいと されていることから 記 載 した また 低 出 生 体 重 児 の 眼 底 検 査 実 施 のため 本 剤 を 投 与 した 症 例 で 徐 脈 無 呼 吸 等 の 副 作 用 が 報 告 されている 低 出 生 体 重 児 特 に 極 低 出 生 体 重 児 は 明 らかな 基 礎 疾 患 がなくても 徐 脈 痙 攣 及 び 無 呼 吸 発 作 を 起 こすことがあり 薬 剤 との 因 果 関 係 は 必 ずしも 明 らかではないが 迅 速 的 確 な 処 置 を 必 要 とする 内 容 であることから 記 載 した 従 って 小 児 に 投 与 する 場 合 は 観 察 を 十 分 に 行 い 慎 重 に 投 与 すること なお 全 身 の 副 作 用 を 防 ぐ 方 法 として 点 眼 後 目 からあふれた 液 を 直 ちに 拭 きとる 点 眼 後 1~5 分 間 閉 瞼 し 涙 嚢 部 を 圧 迫 する 本 剤 を 希 釈 して 用 いることが 望 ましいとされている 12. 臨 床 検 査 結 果 に 及 ぼす 影 響 13. 過 量 投 与 -16-
14. 適 用 上 の 注 意 (1) 投 与 経 路 点 眼 用 にのみ 使 用 すること (2) 薬 剤 交 付 時 次 のことを 患 者 へ 指 導 すること 1) 原 則 として 結 膜 嚢 内 に 点 眼 し 1~5 分 間 閉 瞼 と 共 に 涙 嚢 部 を 圧 迫 すること 2) 点 眼 のとき 容 器 の 先 端 が 直 接 目 に 触 れないように 注 意 すること 3) 点 眼 のとき 液 が 眼 瞼 皮 膚 等 についた 場 合 には すぐにふき 取 ること 15.その 他 の 注 意 液 が 変 色 したり 沈 殿 を 生 じたものを 使 用 しないこと 16.その 他 -17-
Ⅸ. 非 臨 床 試 験 に 関 する 項 目 1. 薬 理 試 験 (1) 薬 効 薬 理 試 験 ( Ⅵ. 薬 効 薬 理 に 関 する 項 目 参 照 ) (2) 副 次 的 薬 理 試 験 (3) 安 全 性 薬 理 試 験 (4)その 他 の 薬 理 試 験 2. 毒 性 試 験 (1) 単 回 投 与 毒 性 試 験 (2) 反 復 投 与 毒 性 試 験 (3) 生 殖 発 生 毒 性 試 験 (4)その 他 の 特 殊 毒 性 眼 粘 膜 刺 激 性 試 験 5) 家 兎 5 羽 にオフミック 点 眼 液 基 剤 生 理 食 塩 液 を 1 回 1 滴 30 分 間 隔 で 10 回 点 眼 し 点 眼 直 後 1 分 間 の 瞬 目 回 数 を 測 定 した 最 終 点 眼 30 分 後 に 福 井 らの 方 法 による 眼 障 害 反 応 の 判 定 基 準 に 従 い 角 膜 虹 彩 及 び 結 膜 の 障 害 度 を 観 察 した その 結 果 オフミック 点 眼 液 と 基 剤 の 瞬 目 回 数 は 基 剤 と 同 様 に 生 理 食 塩 液 群 と 比 較 し 軽 度 の 増 加 を 認 めた また オフミック 点 眼 液 の 眼 障 害 は 生 理 食 塩 液 群 と 比 較 し 角 膜 上 皮 眼 瞼 結 膜 お よび 分 泌 物 の 増 加 など 軽 い 障 害 が 認 められた -18-
Ⅹ. 管 理 的 事 項 に 関 する 項 目 1. 規 制 区 分 製 剤 : 有 効 成 分 :トロピカミド フェニレフリン 塩 酸 塩 劇 薬 2. 有 効 期 間 又 は 使 用 期 限 使 用 期 間 :3 年 ( 安 定 性 試 験 結 果 に 基 づく) 3. 貯 法 保 存 条 件 室 温 保 存 4. 薬 剤 取 扱 い 上 の 注 意 点 (1) 薬 局 での 取 り 扱 いについて (2) 薬 剤 交 付 時 の 注 意 ( 患 者 等 に 留 意 すべき 必 須 事 項 等 ) Ⅷ.14. 適 用 上 の 注 意 の 項 参 照 5. 承 認 条 件 等 6. 包 装 5 ml 10 本 7. 容 器 の 材 質 ボトル:ポリプロピレン 中 栓 :ポリエチレン キャップ:ポリプロピレン ラベル:ポリエチレンテレフタレート 8. 同 一 成 分 同 効 薬 同 一 成 分 :ミドリン P 点 眼 液 同 効 薬 :アトロピン 硫 酸 塩 水 和 物 シクロペントラート 塩 酸 塩 9. 国 際 誕 生 年 月 日 不 明 10. 製 造 販 売 承 認 年 月 日 及 び 承 認 番 号 製 造 販 売 承 認 年 月 日 :1990 年 3 月 8 日 承 認 番 号 :20200AMZ00378-19-
11. 薬 価 基 準 収 載 年 月 日 1990 年 7 月 13 日 12. 効 能 又 は 効 果 追 加, 用 法 及 び 用 量 変 更 追 加 等 の 年 月 日 及 びその 内 容 13. 再 審 査 結 果, 再 評 価 結 果 公 表 年 月 日 及 びその 内 容 14. 再 審 査 期 間 15. 投 薬 期 間 制 限 医 薬 品 に 関 する 情 報 本 剤 は 投 薬 (あるいは 投 与 ) 期 間 に 関 する 制 限 は 定 められていない 16. 各 種 コード 販 売 名 HOT(9 桁 ) 番 号 厚 生 労 働 省 薬 価 基 準 収 載 医 薬 品 コード レセプト 電 算 コード オフミック 点 眼 液 102267401 1319810Q1029 661310250 17. 保 険 給 付 上 の 注 意 点 -20-
ⅩⅠ. 文 献 1. 引 用 文 献 1) 秋 葉 清 他 (わかもと 製 薬 ):オフミック 点 眼 液 の 研 究 報 告 [ 長 期 安 定 性 試 験 ]( 社 内 資 料 ) 2) 小 熊 徹 他 (わかもと 製 薬 ):オフミック 点 眼 液 の 研 究 報 告 [ 加 速 試 験 ]( 社 内 資 料 ) 3)わかもと 製 薬 株 式 会 社 : 散 瞳 作 用 試 験 ( 社 内 資 料 ) 4) 枝 浪 謙 一 他 (わかもと 製 薬 ):オフミック 点 眼 液 の 研 究 報 告 [ 生 物 学 的 同 等 性 試 験 ]( 社 内 資 料 ) 5)わかもと 製 薬 株 式 会 社 : 眼 粘 膜 刺 激 性 試 験 ( 社 内 資 料 ) 2.その 他 の 参 考 文 献 3. 文 献 請 求 先 わかもと 製 薬 株 式 会 社 医 薬 学 術 部 103-8330 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 本 町 二 丁 目 2 番 2 号 TEL;03-3279-0379 FAX;03-3279-1272-21-
ⅩⅡ. 参 考 資 料 1. 主 な 外 国 での 発 売 状 況 2. 海 外 における 臨 床 支 援 情 報 -22-
ⅩⅢ. 備 考 -23-