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補 足 事 項 第 2 章 最 新 の 栄 養 学 的 知 識 1. 動 物 性 タンパク 質 の 過 剰 摂 取 の 害 2. 牛 乳 信 仰 の 弊 害 と カルシウム パラドックス 牛 乳 は 悪 い 食 品!? 3. 砂 糖 の 過 剰 摂 取 の 害 4. 第 6の 栄 養 素 食 物 繊 維 5.ますます 明 らかになってきた 腸 内 細 菌 の 重 要 性 6. 脂 肪 油 の 摂 り 過 ぎによる 弊 害 と 油 に 関 する 考 え 方 1. 動 物 性 脂 肪 と 植 物 性 油 2. 脂 質 についての 新 しい 分 類 分 子 構 造 の 違 いによる 分 類 3. 各 脂 肪 酸 の 摂 取 状 況 ( 飽 和 脂 肪 酸 オメガ9 オメガ6 オメガ3) 4. 体 内 での 各 脂 肪 酸 の 変 換 5. 最 新 の 油 の 考 え 方 オメガ3 と オメガ6 のバランス 6. 局 所 ホルモン(プロスタグランジン)の 働 き その1 動 物 性 タンパク 質 の 過 剰 摂 取 の 害 これまで 肉 牛 乳 ( 乳 製 品 ) 卵 は 栄 養 価 の 高 い 食 品 と 考 えられてきました これらの 食 品 はスタミナをつけ 欧 米 人 のような 頑 強 な 体 をつくると 言 われ 積 極 的 に 摂 るように 勧 めら れてきました 肉 牛 乳 卵 は まさに 欧 米 型 食 事 を 形 成 する 中 心 的 な 食 品 です 必 須 アミノ 酸 を 含 む 食 品 は 私 たちの 健 康 維 持 のためには 不 可 欠 です そして 肉 や 牛 乳 卵 などの 動 物 性 食 品 には この 必 須 アミノ 酸 -1-

が 豊 富 に 含 まれ 理 想 的 なタンパク 源 となっています 従 来 の 栄 養 学 では 完 全 タンパク 質 食 品 と 呼 ばれ 重 要 視 されてきました しかし 科 学 の 最 前 線 にある 生 化 学 栄 養 学 現 代 栄 養 学 は これまでの 常 識 を 覆 し 動 物 性 食 品 の 摂 り 過 ぎによる さまざまな 弊 害 を 明 らかにしています タンパク 質 の 過 剰 摂 取 の 害 を 科 学 的 に 明 確 にしています 動 物 性 タンパク 質 の 過 剰 摂 取 穀 類 豆 など 植 物 性 のタンパク 質 を 含 む 食 品 には 食 物 繊 維 や 炭 水 化 物 なども 多 く 含 ま れています そのためたくさん 摂 っても タンパク 質 の 過 剰 になるほど 食 べ 過 ぎるような ことはありません 一 方 肉 類 などの 動 物 性 食 品 を 多 食 すれば 簡 単 にタンパク 質 の 過 剰 摂 取 を 招 いてしまいます 現 代 栄 養 学 では タンパク 質 の 必 要 量 の 目 安 を 大 人 では 体 重 1 kg につき 1 日 に 0.8 ~1gとしていま す つまり 体 重 60kg の 人 では 48 ~ 60 gが 適 量 とい うことになります 現 在 アメリカ 人 のタンパク 質 の 平 均 摂 取 量 は 約 90 gですから およそ 体 重 90 ~ 110kg の 人 の 必 要 量 に 相 当 する 量 を 摂 っていることになりま す これでは いくら 体 の 大 きいアメリカ 人 であって も 過 剰 摂 取 と 言 えます ところが 1988 年 度 の 厚 生 省 ( 当 時 )の 調 査 では 日 本 人 の 大 人 のタンパク 質 の 摂 取 量 は およそ 80g にものぼっています アメリカ 人 の 体 格 に 比 べ 圧 倒 的 に 小 さな 日 本 人 が ほぼアメリカ 人 並 にタンパク 質 を 摂 っているのです 必 要 量 の2 倍 近 く 摂 っていることに なります アメリカ 人 でさえも 摂 り 過 ぎなのに 最 近 の 日 本 人 は それ 以 上 に 過 剰 摂 取 に 陥 っているということです ( タンパク 質 の 摂 取 源 から 見 たとき アメリカ 人 に 比 べ 日 本 人 は 植 物 性 食 品 からの 摂 取 が 多 いのですが 現 在 では 半 分 以 上 を 動 物 性 食 品 から 摂 って います ) 大 腸 ガンの 原 因 となる -2-

肉 の 過 剰 摂 取 に 食 物 繊 維 の 不 足 が 加 わって 大 腸 ガン が 引 き 起 こされると 言 われて います 動 物 性 タンパク 質 を 大 量 に 摂 ると 食 べたものが 十 分 に 消 化 吸 収 されないまま 大 腸 に 至 り 腐 敗 を 起 こすようになります そして 腸 内 環 境 が 悪 化 し 硫 化 水 素 インド ール メタンガス アンモニア ヒスタミンなどの 多 くの 毒 素 発 ガン 物 質 がつくり 出 さ れるようになります こうした 強 烈 な 組 織 毒 が 人 体 の 老 化 を 早 め ガンをはじめとする 多 くの 成 人 病 を 引 き 起 こすことになるのです さらに 肉 に 含 まれる 大 量 の 脂 肪 によって いっそう 腸 内 環 境 が 悪 化 し 発 ガン 物 質 が 多 量 につくられるようになります 加 えて 食 物 繊 維 の 不 足 が 発 ガンを 促 進 するこ とになります 間 違 った 食 事 により 腐 敗 し 毒 素 をため 込 んだ 便 が 長 時 間 に わたって 腸 内 にとどまることで 発 ガン 物 質 の 吸 収 が 高 まってしまうのです 肉 食 の 増 加 にともない 大 腸 ガンは 確 実 に 増 え 続 けています アレルギー 反 応 を 引 き 起 こす タンパク 質 過 剰 摂 取 の 弊 害 の1つがアレルギーです アミノ 酸 に 分 解 されていない 大 き な 分 子 のタンパク 質 ( 未 消 化 タンパク 質 )が 腸 壁 から 吸 収 され 血 液 中 に 運 ばれること があります そうした 未 消 化 タンパク 質 が 免 疫 系 によって 異 物 (アレルゲン) として 認 識 されると アレルギー 反 応 が 引 き 起 こされます そして かゆみや 湿 疹 腫 れ くし ゃみなどの 症 状 が 現 れるようになるのです アトピ ーや 喘 息 には こうした 食 物 アレルギー が 大 き くかかわっています 現 代 人 が 好 む 肉 や 牛 乳 卵 は アレルゲンになり やすい 食 品 です 日 本 人 はもともと 穀 菜 食 民 族 で 穀 類 や 豆 類 魚 からタンパク 質 を 摂 ってきました それが 短 期 間 のうちに 大 量 の 肉 や 牛 乳 を 摂 るよう になったのですから 体 はそれをうまく 処 理 するこ -3-

とができません 高 タンパク 食 品 は それ 自 体 がアレルゲンになるとともに 腸 管 ( 腸 壁 )の 透 過 性 を 高 め さらに 未 消 化 タンパク 質 を 引 き 込 んでしまうことになります 多 くの 現 代 人 は 動 物 性 のタンパク 質 を 多 食 することによって 腸 壁 のバリアー 機 能 を 弱 らせています 特 に 子 供 の 場 合 は 腸 が 十 分 に 発 達 していないために 深 刻 なダメージを 受 けることになります こ うしたことが 繰 り 返 され 腸 の 炎 症 やむくみ 下 痢 などが 起 こり いっそうアレルギーが ひどくなるのです 最 近 大 腸 炎 やクローン 病 といわれ 腸 の 炎 症 や 潰 瘍 下 痢 などに 苦 しむ 人 々が 増 えて いますが 動 物 性 タンパク 質 の 過 剰 摂 取 が その 大 きな 原 因 となっています カルシウムの 喪 失 と 骨 と 歯 の 弱 体 化 大 量 に 摂 取 され 血 液 中 にあふれたタンパク 質 (アミノ 酸 )は 最 終 的 には 尿 として 体 外 に 排 泄 されることになりますが その 過 程 で 消 化 器 系 全 体 や 肝 臓 腎 臓 に 負 担 をかける ことになります 過 剰 なアミノ 酸 が 分 解 されると 毒 性 の 強 い 窒 素 残 留 物 (アンモニア) が 生 成 されます それは 肝 臓 で 処 理 され 無 毒 な 尿 素 に 転 換 されます そして 腎 臓 の 働 き を 通 じて 尿 として 排 泄 されることになります このようにタンパク 質 を 多 量 に 摂 ると 解 毒 の 働 きをする 肝 臓 と 排 泄 を 担 う 腎 臓 に 大 きな 負 担 をかけることになるのです 尿 素 が 増 えてくると それを 尿 として 流 し 出 すために 体 は 多 くの 水 分 を 必 要 とします そして 尿 と 一 緒 に カルシウムやマグネシウムなどのミネラル 類 も 排 泄 されてしまうこと になります 尿 素 の 排 泄 がスムーズに 行 われないと 有 害 な 尿 酸 が 生 成 され 関 節 にたまっ て 痛 風 を 起 こすことになります ( こうした 要 因 以 外 に 痛 風 の 発 症 にはストレスが 大 きくかかわっていると 言 われています ) また 大 量 のアミノ 酸 が 分 解 されると 血 液 は 急 激 に 酸 性 に 傾 き それを 中 和 するために カルシウムやマグネシウムが 必 要 とされます それらが 血 液 中 に 不 足 していれば 骨 や 歯 から 溶 かし 出 して 補 うことになります さらに 肉 類 は 典 型 的 な 酸 性 食 品 で カルシウムに 対 するリンの 比 率 はおよそ 50 倍 にも なっています 血 液 中 のカルシウムとリンの 比 率 は1:1に 保 たれていなければなりませ んが 肉 を 多 く 摂 ることで そのバランスが 大 きく 崩 れてしまいます その 結 果 血 液 中 の 酸 アルカリ 濃 度 を 調 節 するために いっそう 骨 や 歯 からカルシウムが 溶 け 出 すことに -4-

なります このようにタンパク 質 を 大 量 に 摂 ることによって カルシウムなどのミネラルが 失 われ 骨 の 弱 体 化 が 急 速 に 進 行 することになります 肉 を 多 食 する 先 進 諸 国 では 骨 粗 しょう 症 が 多 発 しています 日 本 においても 動 物 性 タンパク 質 の 摂 取 が 増 えた 昭 和 30 年 代 以 降 骨 粗 しょう 症 や 骨 折 など 骨 の 異 常 が 急 増 しています 肉 の 大 量 生 産 と 汚 染 の 問 題 今 私 たちが 食 べている 牛 肉 は 牧 場 でのんびりと 草 をはんで 育 った 牛 の 肉 ではありま せん その 大 半 が 工 業 製 品 と 同 じように 大 量 生 産 システムによって 飼 育 された 牛 の 肉 な のです それは 豚 肉 とり 肉 も 同 様 です 家 畜 たちは 終 日 身 動 きもままならない 環 境 に 置 かれ ただエサだけを 与 えられ 飼 育 されています それでは 病 気 になるのは 当 たり 前 です そこで 病 気 を 防 いだり 肉 質 をよく するために 大 量 の 抗 生 物 質 ホルモン 剤 がエサと 一 緒 に 投 与 されることになります 現 在 では そうした 化 学 薬 剤 や 耐 性 菌 が 肉 の 中 から 検 出 されることは 日 常 茶 飯 事 となっています 平 成 14 年 度 の 横 浜 衛 生 局 の 食 肉 検 査 統 計 では 牛 と 豚 の 検 査 頭 数 の 約 73 %に 異 常 が 見 られ 肉 の 一 部 が 廃 棄 処 分 になっています つまり 家 畜 の 大 半 が 病 気 だということです そして その 病 気 の 家 畜 の 肉 を 国 民 が 食 べているということです 数 年 前 から ヨーロッパやアジアを 中 心 に 狂 牛 病 や 口 蹄 疫 が 大 流 行 してきました また 2002 年 秋 には 日 本 でもついに 狂 牛 病 が 発 生 し 大 騒 動 になりましたが それは 家 畜 という 生 命 体 を 異 常 に 扱 った 結 果 なのです 肉 牛 乳 ( 乳 製 品 ) 卵 の 摂 りすぎは 片 頭 痛 にどう 影 響 するのか 肉 牛 乳 乳 製 品 これらにホルモン 剤 (エストロゲン 様 環 境 ホルモン)が 含 まれてい る 可 能 性 があり 本 来 月 経 期 間 中 はエストロゲン 濃 度 が 低 いはずですが 肉 乳 製 品 環 境 ホルモンの 摂 取 でエストロゲンが 高 濃 度 になると マグネシウムの 体 内 濃 度 は 低 下 しま -5-

す またタンパク 質 を 多 量 に 摂 ると 解 毒 の 働 きをする 肝 臓 と 排 泄 を 担 う 腎 臓 に 大 きな 負 担 をかけることになります 尿 素 が 増 えてくると それを 尿 として 流 し 出 すために 体 は 多 くの 水 分 を 必 要 とします そして 尿 と 一 緒 に カルシウムやマグネシウムなどのミネ ラル 類 も 排 泄 されてしまうことになります こういったことから マグネシウム 不 足 を 引 き 起 こすことになり マグネシウム 不 足 は 片 頭 痛 悪 化 の 元 凶 となってきます また 高 脂 肪 高 タンパク 質 食 品 に 偏 った 食 生 活 を 続 けると カロリーのとり 過 ぎとあ いまって SOD (スーパーオキシドディスムターゼ)や グルタチオンペルオキシ ダーゼ カタラーゼ といった 抗 酸 化 酵 素 の 活 性 に 必 要 不 可 欠 なマンガン 鉄 銅 亜 鉛 セレンなどのミネラル 元 素 の 不 足 を 引 き 起 こします 結 果 活 性 酸 素 の 発 生 が 抗 酸 化 作 用 より 常 に 優 位 な 状 態 いわゆる 酸 化 ストレス になり 酸 化 ストレス 炎 症 体 質 を 形 成 してくることになります 肉 類 や 乳 乳 製 品 といっだ 動 物 性 タンパク 質 たっぷりの 食 事 は 腸 内 環 境 を 悪 くしま す 腸 内 の 悪 玉 菌 の 大 好 物 は 肉 などたんぱく 質 や 脂 肪 を 多 く 含 む 食 品 です 悪 玉 菌 はたんぱく 質 やアミノ 酸 を 分 解 し 悪 臭 のする 有 害 物 質 を 作 り 出 します 肉 類 は 悪 玉 菌 の 格 好 のエサです この 点 を 忘 れてはなりません このようにして 酸 化 ストレス 炎 症 体 質 ( 片 頭 痛 体 質 ) を 増 悪 させることになります 肉 食 の 多 い 欧 米 人 の 片 頭 痛 は 日 本 人 に 比 べ 強 度 なことは ここに 原 因 があります セロトニンを 増 やすためには トリプトファンをたくさん 含 んでる 食 べものをとればO K と 思 われている 人 も 多 いと 思 われます セロトニンは トリプトファン というアミノ 酸 を 原 料 としてカラダのなかでつくられ ます 腸 や 血 液 に 含 まれる 大 部 分 のセロトニンは 脳 に 入 っていきません つまり 単 純 にトリプトファンが 多 い 食 べもの たとえば 牛 レバーやバナナをせっせと 食 べよう な んて 本 や 雑 誌 を 見 かけることがありますが 実 際 にそうしたからといって 脳 内 セロトニン が 単 純 に 増 えるわけではありません 腸 内 や 血 液 中 のセロトニンは 脳 に 入 っていきませんが トリプトファンはちゃんと 脳 に 入 っていくことができます ですから トリプトファンをたくさん 取 り 込 むことができれ ば 脳 内 セロトニンも 充 分 につくることが 可 能 になります しかし トリプトファンが 通 る 場 所 に 問 題 があってここは ほかの 必 須 アミノ 酸 も 通 っ -6-

ていく 場 所 でもあるのです この 必 須 アミノ 酸 というのは フェニルアラニン とか 口 イシン というものですが 食 品 によってはトリプトファンよりもこれらの 必 須 アミノ 酸 のほうが 多 く 含 まれるものがあるのです これらの 必 須 アミノ 酸 がトリプトファンの 邪 魔 をするため トリプトファンが 通 過 しづらくなってしまうのです その 代 表 的 な 食 べもの が 肉 類 や 乳 乳 製 品 なのです つまり 牛 レバーにはトリプトファンよりもほかの 必 須 アミノ 酸 が 多 いため 実 際 には 思 ったほどトリプトファンがとれないのです 私 たちのカラダの 筋 肉 や 骨 などはタンパク 質 で 出 来 ていて このタンパク 質 を 構 成 して いるのは 20 種 類 のアミノ 酸 です そのうち 9 種 類 は 必 須 アミノ 酸 と 呼 ばれる 体 内 では 合 成 できないアミノ 酸 その 必 須 アミノ 酸 の 中 でもバリン ロイシン イソロシンは 総 称 して BCAA と 呼 ばれる 持 久 系 のアミノ 酸 で 大 切 な 栄 養 素 です この 持 久 系 アミノ 酸 BCAA は まぐろの 赤 身 肉 や 卵 などの 食 品 に 含 まれているほか 最 高 の 栄 養 といわれる 母 乳 にも 含 まれています このように BCAA が 多 い 環 境 では 脳 への 取 り 込 みが 阻 害 され 脳 内 セロトニンがあまり 増 え ないことがありますので 注 意 が 必 要 です BACC は 動 物 性 蛋 白 質 に 含 まれており 食 品 では 牛 乳 鶏 卵 マグロ 牛 肉 などが 挙 げられます 食 べ 物 はバランスが 大 事 なので 極 端 に 摂 取 を 制 限 すると 逆 に 体 調 不 良 の 原 因 になるので 注 意 です 牛 乳 鶏 卵 マグロ 牛 肉 の 摂 りすぎは 逆 に 脳 内 セロトニン 不 足 を 招 くことに 繋 がりますので 注 意 が 必 要 で す セロトニンを 増 やすためは ビタミンB3(ナイアシン) ビタミンB6 およびマグ ネシウム 亜 鉛 の 不 足 を 起 こさないことが 大 切 です トリプトファンはセロトニンの 原 料 であると 同 時 に ナイアシンの 原 料 でもあり ナイ アシンの 合 成 が 優 先 されます そのため ナイアシンが 不 足 していますと 折 角 脳 内 に 取 り 込 まれたトリプトファン もナイアシンの 合 成 に 使 われてしまい セロトニンの 合 成 へはまわってきません ナイアシンは 魚 介 類 や 肉 類 などの 食 品 に 含 まれており 腸 内 細 菌 により 産 生 もされます ので 適 量 の 魚 介 類 肉 類 を 摂 食 し 腸 内 細 菌 を 健 全 に 保 っている 限 りにおいて ナイア -7-

シンの 摂 取 不 足 を 起 こすことはありません この 条 件 が 整 った 状 態 で セロトニンはトリプトファンを 原 料 として ビタミンB6 亜 鉛 マグネシウムなどを 補 酵 素 として 合 成 されます こういったことから 肉 牛 乳 ( 乳 製 品 ) 卵 の 摂 りすぎは 腸 内 環 境 の 悪 化 をきたし ビタミンB3(ナイアシン)が 産 生 されなくなり 結 果 的 に 脳 内 セロトニン がうまく 作 られなくなってきます 以 上 のことから 肉 牛 乳 ( 乳 製 品 ) 卵 の 摂 りすぎは 片 頭 痛 治 療 上 好 ましくないこ とばかりです その2 牛 乳 信 仰 の 弊 害 と カルシウム パラドックス 牛 乳 は 悪 い 食 品!? これまでの 牛 乳 信 仰 肉 や 卵 と 並 んで これまでの 栄 養 学 で 栄 養 価 の 高 い 優 れた 食 品 と 言 われてきたのが 牛 乳 です カルシウムを 摂 るなら まず 牛 乳! というほどに 家 庭 でも 学 校 でも 牛 乳 を 飲 むことが 勧 められてきました 日 本 人 は 欧 米 人 と 比 べてカルシウムの 摂 り 方 が 足 りない 牛 乳 を 飲 めば 彼 らのように 体 格 がよくなると 国 民 の 大 半 が 信 じ 込 んできました まさに 牛 乳 信 仰 ともいえる 思 い 込 みが 浸 透 してきまし た 特 に 成 長 期 の 子 供 たちや 妊 婦 骨 粗 しょう 症 の 心 配 のある 閉 経 後 の 女 性 には 牛 乳 を 摂 る ことが 積 極 的 に 勧 められてきました しかし 牛 乳 も 肉 と 同 様 決 して 健 康 によい 食 品 ではありません 確 かにカルシウムは 必 須 ミネラルとして 人 間 の 体 にとって 不 可 欠 な 栄 養 素 です そして 牛 乳 にはカルシウムが 豊 富 に 含 まれています といって 牛 乳 を 飲 めばカルシウムが 十 分 に 補 われ 健 康 になれ るというものではないのです 実 際 世 界 で 最 も 牛 乳 を 多 く 飲 むノルウェー 人 の 骨 折 率 は 日 本 人 の5 倍 というデータがあるのです 現 在 では 牛 乳 を 飲 むことは 健 康 にプラスになるどころか かえって 深 刻 な 弊 害 を 引 き 起 こすことが 明 らかになってきました アメリカでは 一 般 の 医 師 でも 妊 婦 や 骨 粗 鬆 症 の -8-

患 者 に 牛 乳 を 勧 めるようなことはしません 欧 米 の 医 学 関 係 者 の 間 では 牛 乳 は 健 康 によ い 食 品 でないことが 常 識 化 しつつあります カルシウムの 含 有 率 と 吸 収 率 の 問 題 これまで 牛 乳 は カルシウムの 含 有 率 が 高 いから 体 によい 食 品 とされてきました しかし 単 に 含 有 率 が 高 ければよいというわけではありません 牛 乳 をたくさん 摂 った 場 合 には 腸 からの 吸 収 を 抑 えるといった 形 でカルシウムの 吸 収 を 調 整 するようになります その 結 果 として カルシウムの 排 泄 が 促 されることになります そこで 問 題 となるのが カルシウムだけでなく 他 のミネラルや 栄 養 素 も 一 緒 に 排 泄 さ れるようになるということです ( 海 外 の 研 究 では カルシウムを 多 く 摂 ると 便 の 中 の マグネシウムの 排 泄 量 が 25 %も 増 加 し 吸 収 も 抑 制 されることが 報 告 されています ) また 牛 乳 に 含 まれるカルシウムは 吸 収 率 がよいから カルシウム 不 足 の 解 消 に 役 立 つと 信 じられてきました 今 でも 盛 んにこうした 宣 伝 がなされています しかし この 見 解 にはたいへんな 問 題 が 含 まれています まず 本 当 に 牛 乳 に 含 まれるカルシウムは 吸 収 率 がよいのか ということです これに ついてはさまざまなデータがあって いまだにはっきりとした 結 論 は 出 ていませんが 一 般 には 牛 乳 のような 動 物 性 食 品 のミネラルは 野 菜 などの 植 物 性 食 品 のミネラルと 比 べ 吸 収 率 がよいとされています ( 最 近 では 野 菜 に 含 まれるカルシウムの 方 が 吸 収 がよい という 報 告 もあります ) 牛 乳 では 10 ~ 30 %ぐらいのカルシウムが 吸 収 されると 言 われ ています さて 牛 乳 のような 高 カルシウム 食 品 を 摂 った 場 合 には 急 激 に 血 液 中 のカルシウム 濃 度 が 高 まることになります カルシウムの 吸 収 率 がよい ということは このように 飲 んですぐに 血 液 中 のカルシウム 濃 度 が 高 くなる ということです しかし 私 たちの 体 には ホメオスタシス( 恒 常 性 維 持 機 能 )という 働 きが 備 わっていて 血 液 中 のカルシウム 濃 度 は 常 に 一 定 の 割 合 に 保 たれるようになっています( 1CC 中 9~ 11mg) カルシウム 濃 度 がこの 割 合 を 超 えて 高 まると 急 いで 排 泄 しなければなり ません 早 急 に 排 泄 しないと さまざまな 障 害 が 生 じるようになるからです そこで 腎 臓 は カルシウムを 尿 から 流 し 出 すために ピッチを 上 げて 働 くことになりま す それには 多 くのエネルギーが 必 要 とされ 腎 臓 に 余 分 な 負 担 がかかることになります -9-

そして 過 剰 なカルシウムが 排 泄 されるのと 同 時 に マグネシウム 亜 鉛 鉄 などのミネラ ルや 他 の 栄 養 素 も 失 われてしまいます その 結 果 さらにミネラル 不 足 が 進 むことにな ります このように 牛 乳 に 含 まれるカルシウムの 吸 収 率 がよいということは 人 体 にとって 必 ず しもプラスとはなっていないのです ( カルシウムとマグネシウムの 尿 からの 排 泄 量 に は 相 関 関 係 があることが 確 かめられています つまりカルシウムの 排 泄 量 が 増 せば 同 じようにマグネシウムの 排 泄 量 も 増 すということです ) 深 刻 なマグネシウム 欠 乏 を 引 き 起 こす ミネラルの 不 足 は 健 康 に 大 きなマイナスを 及 ぼしますが なかでもマグネシウムの 欠 乏 は 深 刻 です マグネシウムは ミネラル 間 のバランスをとるためのポイントとなる 重 要 な ミネラルです マグネシウムの 欠 乏 は 細 胞 内 外 のカルシウム カリウム ナトリウムの バランスを 崩 し それらが 果 たしている さまざまな 生 理 作 用 を 狂 わせることになります この4つのミネラルの 細 胞 内 外 での 比 率 が 守 られることで 酸 素 や 栄 養 素 の 運 搬 神 経 や 筋 肉 の 働 き ホルモンの 分 泌 などが 正 常 に 行 われるのです ( 細 胞 外 ミネラル であ るカルシウム ナトリウムは 細 胞 外 液 に 多 く 存 在 し 細 胞 内 ミネラル のマグネシウム カリウムは 細 胞 内 液 に 多 く 存 在 しています ) またマグネシウムには 酵 素 の 働 きを 助 ける 触 媒 作 用 があります マグネシウムが 不 足 している と 酵 素 は 十 分 に 働 くことができません マグネ シウムはありとあらゆる 酵 素 の 働 きに 関 与 してい るため その 欠 乏 は 全 身 の 代 謝 に 決 定 的 な 影 響 を 及 ぼすことになります 血 液 中 のマグネシウムの 欠 乏 状 態 が 続 くと これもホメオスタシスの 働 きによって マ グネシウムが 骨 や 細 胞 から 溶 け 出 すようになります 骨 は 多 くのミネラルから 構 成 されて いますが 生 命 維 持 にかかわる 重 要 なミネラルの 不 足 に 備 えて その 貯 蔵 庫 ともなってい るのです 成 人 の 体 には カルシウムは 約 1 kg 存 在 しますが マグネシウムは 25 gにすぎず そ の 差 は 40 倍 以 上 です そのうちカルシウムの 99 % マグネシウムの 約 60 %は 骨 にあり -10-

ます つまり 骨 には 圧 倒 的 にカルシウムが 多 く 存 在 し マグネシウムは その 60 分 の1 程 度 しかないということです そうしたもともと 少 ないマグネシウムが 溶 け 出 すと 骨 の 中 でのマグネシウム 欠 乏 は 深 刻 な 状 態 となり 骨 の 形 成 がうまくいかなくなります マグネシウムが 不 足 していては いくらカルシウムがあっても 骨 の 代 謝 はスムーズに 行 われません 骨 粗 鬆 症 や 骨 のトラブ ルを 防 ぐために 牛 乳 を 飲 むことで かえって 骨 の 弱 化 という 逆 の 結 果 を 招 くことになる のです カルシウム パラドックス 実 はマグネシウム 不 足 による 現 象 現 代 人 のマグネシウム 不 足 は きわめて 深 刻 な 事 態 を 迎 えています 食 事 から 摂 取 する マグネシウムの 絶 対 量 は 少 ないうえに ストレスや 激 しい 運 動 過 労 過 食 など その 消 耗 要 因 があふれています そうした 状 況 に おいて 多 量 の 牛 乳 が 摂 取 されているので すから 体 内 のマグネシウム 欠 乏 はいっそ う 進 むことになります 血 液 中 のマグネシウムが 不 足 すると 骨 や 細 胞 から 補 われることを 述 べましたが その 際 には 一 緒 にカルシウムも 溶 け 出 し ます 実 際 にはマグネシウム 不 足 であって も 骨 にはカルシウムが 大 量 に 含 まれてい るので カルシウムの 方 が 多 く 溶 け 出 すこ とになります ( これを カルシウム 脱 灰 と 言 います 骨 を 構 成 するミネラルには カルシウム マグネシウム ナトリウム リン などがありますが マグネシウムの 不 足 が 引 き 金 となって 主 要 な 骨 ミネラルの 溶 出 が 起 こるのです ) こうして 骨 から 溶 け 出 したカルシウムの 一 部 が マグネシウムが 抜 け 出 た(マグネシウ ム 不 足 の 状 態 にある) 細 胞 内 部 に 入 り 込 むことになります カルシウムは 大 切 な 栄 養 素 で すが 細 胞 外 ミネラルであるため 細 胞 の 中 にそれが 増 えると 細 胞 の 働 きが 損 なわれる ことになります 細 胞 内 に 入 ったカルシウムは 毒 ともいえる 存 在 で 細 胞 全 体 身 体 -11-

全 体 の 機 能 低 下 を 引 き 起 こすことになります ( カルシウムの 細 胞 内 液 での 濃 度 に 比 べ 細 胞 外 液 での 濃 度 は 千 ~1 万 倍 も 高 くなっています これが 細 胞 内 外 におけるカルシウム の 正 常 な 比 率 ですから 余 分 に 細 胞 に 入 り 込 んだカルシウムは すばやく 追 い 出 さなけれ ばなりません ) そこで 細 胞 内 に 増 加 したカルシウムを 細 胞 外 に 汲 み 出 すことが 必 要 になりますが そ の 働 きを 担 っているのが 細 胞 膜 にあるポンプなのです しかし このポンプはマグネシ ウムがないと 働 くことができないようになっています マグネシウムが 不 足 していると ポンプの 働 きが 低 下 し カルシウムを 汲 み 出 すことができなくなります 細 胞 に 沈 着 したカルシウムは 細 胞 や 組 織 を 硬 くし( 石 灰 化 ) 動 脈 硬 化 を 招 き 心 臓 血 管 系 の 病 気 を 引 き 起 こすことになります また 腎 臓 結 石 胆 石 など 結 石 症 の 原 因 と もなります さらに 関 節 に 溜 まれば 関 節 炎 免 疫 細 胞 に 入 り 込 めばアレルギーなどをひど くし ガンや 多 くの 現 代 病 の 誘 因 ともなります ここまで マグネシウム に 注 目 して その 欠 乏 が 引 き 起 こす さまざまな 問 題 点 を 見 てきました この 流 れを カルシウム の 観 点 から 見 ると 骨 のカルシウムは 減 少 す る 一 方 で 細 胞 の 中 には 溶 け 出 したカルシウムが 溜 まる という 奇 妙 な 現 象 が 生 じること になります 不 足 と 過 剰 という 相 反 する 状 態 が 同 時 に 存 在 することになるのです これが カルシウム パラドックス です カルシウムの 観 点 だけから 眺 めると 矛 盾 して 見 えるこの 現 象 も マグネシウムの 観 点 から 見 れば すべて 矛 盾 なく 説 明 されることです マグネシウムの 欠 乏 こそが カルシ ウム パラドックス の 根 本 的 な 原 因 なのです 現 代 人 は マグネシウムを 多 く 含 む 緑 色 野 菜 や 海 藻 豆 類 や 種 子 類 などを 摂 らなくなっ ています また 穀 類 からも 精 製 によってマグネシウムが 減 少 しています それに 加 えて マグネシウムは ストレスや 過 労 などによって 著 しく 失 われやすいミネラルです こうした 深 刻 なマグネシウム 欠 乏 の 状 態 では カルシウムは 十 分 摂 っているはずなのに 骨 の 中 のカルシウムは 減 少 し 細 胞 にはカルシウムが 詰 まるという 異 常 な 事 態 が 発 生 する ことになってしまいます これが 一 般 的 に 言 われる カルシウム パラドックス の 実 態 なのです 骨 粗 鬆 症 を 引 き 起 こす -12-

老 齢 化 社 会 の 到 来 を 迎 え 骨 粗 鬆 症 の 予 防 のために カルシウムを 多 く 含 む 牛 乳 を 飲 みましょう と 盛 んに 言 われています しかし ここまで 述 べてきたように 牛 乳 を 飲 ん でも 骨 粗 鬆 症 を 防 ぐことはできません むしろ 牛 乳 のような 高 カルシウム 食 品 を 摂 ること で 骨 からカルシウムが 失 われてしまっているのです 疫 学 的 なデータにも それがはっきりと 示 されています シンガポール 人 は 平 均 的 ア メリカ 人 の3 分 の1 程 度 しかカルシウムを 摂 っていませんが 骨 折 率 はアメリカ 人 の5 分 の1にすぎません カルシウム 摂 取 率 の 少 ない 国 々の 方 が どこも 骨 粗 鬆 症 の 発 症 率 が 低 いのです 先 に 牛 乳 を 大 量 に 摂 ることで 他 の 必 須 ミネラルや 栄 養 素 が 体 外 に 排 泄 されて しまうことを 述 べましたが それによって 骨 の 形 成 に 必 要 なミネラルが 失 われ 強 い 骨 が つくられなくなるのです 食 品 中 のカルシウムの 吸 収 率 が 低 い( 血 液 中 のカルシウ ム 濃 度 が ゆっくりと 上 がる)ということは 人 体 にとって 悪 いことではありません 体 内 での 利 用 のスピードに 合 わせ て ゆっくりと 吸 収 されるのは むしろよいことなのです 体 の 必 要 性 に 応 じて 徐 々に 吸 収 されるのは 自 然 なことなの です ( 牛 乳 には 脂 肪 が 多 く 含 まれているために カルシウ ムの 吸 収 が 妨 げられるという 説 があります 摂 取 されたカル シウムは 小 腸 の 表 面 においてカルシウムイオン 化 し 吸 収 されるのですが そこに 脂 肪 が 入 ってくると 不 溶 性 のカルシウム 塩 がつくられ 吸 収 が 阻 害 されるというものです 牛 乳 のカルシウムの 吸 収 が よいか 悪 いか については 明 らかではありませんが 牛 乳 を 摂 ることには 多 くの 問 題 があるのです ) いずれにしても カルシウムの 摂 取 を 牛 乳 に 頼 る 必 要 はありません 穀 類 や 豆 類 野 菜 海 藻 ゴマなどにも カルシウムは 十 分 含 まれています そうしたカルシウムこそが 体 内 で 有 効 に 活 用 されるのです それらの 食 品 には カルシウムだけでなく 骨 の 形 成 に 必 要 な 他 のミネラルやビタミンも 豊 富 に 含 まれています 菜 食 主 義 をしてきた 人 々に 骨 粗 鬆 症 が 少 なく 牛 乳 を 飲 む 人 たちほど 多 いのは このよ うな 理 由 によるのです ( 骨 粗 鬆 症 の 原 因 は 単 なるカルシウム 不 足 だけではありませ ん 食 生 活 に 遺 伝 的 要 因 運 動 不 足 性 ホルモンの 減 少 などが 加 わって 起 こるものです が ミネラル 摂 取 の 欠 陥 が 重 大 な 要 因 となっています ) -13-

乳 糖 不 耐 症 の 問 題 牛 乳 が 人 間 の 健 康 にとってマイナスとなることは 乳 糖 不 耐 症 という 問 題 によって も 明 らかにされます 母 乳 や 牛 乳 には 乳 糖 (ラクトース)と 呼 ばれる 糖 分 が 含 まれていま すが それは 乳 糖 分 解 酵 素 (ラクターゼ) によって 分 解 され 吸 収 されます この 酵 素 の 活 性 は 赤 ちゃんが 生 まれた 直 後 にピークを 迎 え 離 乳 期 にはその 活 性 が 低 下 し 大 人 と 同 じレベルになってしまいます そして 替 わって デンプン 分 解 酵 素 (アミラ ーゼ) の 働 きが 活 発 になってきます つまり 赤 ちゃんは 乳 糖 分 解 酵 素 の 減 少 とともに 乳 離 れを 迎 え 少 しずつ 自 分 で 食 べ 物 を 摂 れる 体 へと 変 わっていくのです この 生 理 的 変 化 は もうお 乳 よりも ご 飯 から 栄 養 を 摂 るのがふさわしい ことを 示 しています 人 間 には このような 自 然 な 形 で 乳 離 れ をしていくシステムが 備 わっているのです 農 耕 を 主 として 生 活 してきた 日 本 人 の 大 半 は 欧 米 人 に 比 べてラクターゼの 活 性 は 低 く 大 人 では 80 %くらいの 人 に この 消 化 酵 素 が 不 足 しています これが 乳 糖 不 耐 症 で す 乳 糖 不 耐 症 の 人 が 牛 乳 や 乳 製 品 を 摂 ると 乳 糖 は 小 腸 で 吸 収 されず そのまま 大 腸 に いくことになります そこで 大 腸 菌 によって 分 解 され ガスと 酸 を 生 じ 腹 痛 や 下 痢 お なかが 張 ったり ゴロゴロするなどの 症 状 を 引 き 起 こします そして 下 痢 によって 腸 内 の 栄 養 素 は 体 外 に 排 泄 されてしまうことになります せっかくカルシウムを 摂 るつもりで 牛 乳 を 飲 んでも カルシウムは 乳 糖 と 一 緒 に 排 泄 されてしまうのです また 腸 内 細 菌 のバ ランスも 大 きく 崩 されることになります ( 乳 糖 不 耐 症 の 程 度 は 人 によって 異 なり 下 痢 を 起 こさない 人 もいますが 栄 養 の 利 用 が 妨 げられていることに 変 わりはありませ ん ) ある 食 べ 物 が 下 痢 を 起 こす というのは それが 体 に 有 害 な 食 品 であることを 意 味 し ています 体 に 悪 いものであるために 身 体 に 備 わった 防 衛 機 能 によって 体 外 に 排 泄 され ることになるのです この 点 からも 牛 乳 は 健 康 にとって マイナスの 食 品 悪 い 食 品 であることが 明 らかです さらに 乳 糖 の 中 のガラクトースが 体 内 で 分 解 できないため それが 目 の 水 晶 体 にたまっ て 白 内 障 の 発 症 に 関 係 していると 言 う 研 究 者 もいます アレルギー 反 応 を 引 き 起 こす -14-

さらに 牛 乳 には 次 のような 問 題 があります 牛 乳 の 中 に 含 まれているタンパク 質 (カ ゼイン)が アレルギー 反 応 を 引 き 起 こすということです 先 に 肉 の 箇 所 でも 触 れました が 普 通 タンパク 質 は 胃 や 腸 の 消 化 酵 素 の 働 きによって 分 解 され アミノ 酸 になって 吸 収 されます ところが 人 によっては アミノ 酸 になる 前 の ペプチド という 形 で 腸 壁 のバリアーを 抜 け 吸 収 されることがあります これは 腸 が 十 分 に 発 達 していない 幼 児 によく 起 こり ます こうした 未 消 化 のタンパク 質 は 体 内 においてアレルゲンとなり アレルギー 反 応 を 引 き 起 こすことになります これが 牛 乳 アレルギーです カゼインは カード 凝 乳 と 言 われる 消 化 されにくい 膜 をつくり 消 化 器 官 に 負 担 をかけます 現 在 の 牛 乳 はすべて 加 熱 殺 菌 を 施 され 酵 素 が 破 壊 されていますから それがいっそう 体 に 悪 影 響 を 及 ぼすことになります 母 乳 で 育 てられた 子 供 は 牛 乳 で 育 てられた 子 供 に 比 べ アレルギーや 他 の 病 気 になりにくいと 言 われています それには 免 疫 の 働 きが 母 乳 を 通 して 赤 ちゃんに 伝 わるということだけでなく 酵 素 の 有 無 もかかわ っているものと 思 われます またカゼインは 粘 液 を 増 やし 喘 息 気 管 支 炎 副 鼻 腔 炎 などを 悪 化 させる 原 因 ともなっています 現 代 栄 養 学 の 立 場 からは 牛 乳 とアレルギーの 関 係 は 明 らかです アレルギーの 治 療 に おいて 牛 乳 乳 製 品 を 断 つのは 常 識 的 なことと 言 えます 実 際 牛 乳 をやめるだけで 大 きく 改 善 されるケースがよくあります 牛 乳 には 母 乳 の3 倍 ものタンパク 質 4 倍 ものカルシウム 6 倍 ものリンが 含 まれて います それは 胃 袋 が4つもあり 1~2 年 で 成 長 する 牛 にとってふさわしい 成 分 であっ て 人 間 には 必 要 ありません 余 計 な 成 分 が 入 れば かえって 消 化 不 良 を 起 こし 消 化 器 官 や 肝 臓 腎 臓 に 負 担 をかけ 体 を 弱 らせることになってしまいます また 牛 乳 には 抗 生 物 質 やホルモン 剤 などの 残 留 汚 染 物 質 の 問 題 もあります 牛 乳 乳 製 品 の 摂 り 過 ぎが 大 腸 ガン 乳 ガン 子 宮 ガンの 一 因 になっているとも 言 われています 片 頭 痛 に 対 する 影 響 牛 乳 の 飲 み 過 ぎは 過 剰 なカルシウムが 排 泄 されるのと 同 時 に マグネシウム 亜 鉛 鉄 などのミネラルや 他 の 栄 養 素 も 失 われてしまいます その 結 果 さらにミネラル 不 足 が 進 むことになります このことは 脳 内 セロトニン 合 成 に 際 して 一 連 の 反 応 がス -15-

ムースに 進 まなくなり ひいては 脳 内 セロトニン 低 下 に 繋 がります SOD (スーパーオキシドディスムターゼ)や グルタチオンペルオキシダーゼ カ タラーゼ といった 抗 酸 化 酵 素 の 活 性 に 必 要 不 可 欠 なマンガン 鉄 銅 亜 鉛 セレ ンなどのミネラル 元 素 の 不 足 を 引 き 起 こします 結 果 活 性 酸 素 の 発 生 が 抗 酸 化 作 用 より 常 に 優 位 な 状 態 いわゆる 酸 化 ストレス になります カルシウムとマグネシウムの 尿 からの 排 泄 量 には 相 関 関 係 があることが 確 かめられて います つまりカルシウムの 排 泄 量 が 増 せば 同 じようにマグネシウムの 排 泄 量 も 増 すと いうことです 牛 乳 の 飲 み 過 ぎは マグネシウム 不 足 につながります マグネシウムには 酵 素 の 働 きを 助 ける 触 媒 作 用 があります マグネシウムが 不 足 して いると 酵 素 は 十 分 に 働 くことができません マグネシウムはありとあらゆる 酵 素 の 働 き に 関 与 しているため その 欠 乏 は 全 身 の 代 謝 に 決 定 的 な 影 響 を 及 ぼすことになります 現 代 人 のマグネシウム 不 足 は きわめて 深 刻 な 事 態 を 迎 えています 食 事 から 摂 取 する マグネシウムの 絶 対 量 は 少 ないうえに ストレスや 激 しい 運 動 過 労 過 食 など その 消 耗 要 因 があふれています そうした 状 況 において 多 量 の 牛 乳 が 摂 取 されているのですか ら 体 内 のマグネシウム 欠 乏 はいっそう 進 むことになります 現 代 人 は マグネシウムを 多 く 含 む 緑 色 野 菜 や 海 藻 豆 類 や 種 子 類 などを 摂 らなくな っています また 穀 類 からも 精 製 によってマグネシウムが 減 少 しています それに 加 え てマグネシウムは ストレスや 過 労 などによって 著 しく 失 われやすいミネラルです 細 胞 内 に 増 加 したカルシウムを 細 胞 外 に 汲 み 出 すことが 必 要 になりますが その 働 き を 担 っているのが 細 胞 膜 にあるポンプなのです しかし このポンプはマグネシウムが ないと 働 くことができないようになっています マグネシウムが 不 足 していると ポンプ の 働 きが 低 下 し カルシウムを 汲 み 出 すことができなくなります マグネシウムイオンは 細 胞 内 小 器 官 (ミトコンドリア)の 膜 構 造 ならびに 細 胞 膜 構 造 に おいて 膜 の 安 定 性 を 保 つ 役 割 をしています 細 胞 膜 にはミネラルイオンが 通 過 できる 小 さな 穴 があり 透 過 できるイオンの 種 類 によって ナトリウムチャネル とか カルシウムチャネル といった 名 がつけられて います これを 使 って 必 要 なミネラルを 自 在 に 出 入 りさせることで 細 胞 内 のミネラルイオ ン 濃 度 の 調 整 をするのです ミトコンドリアには 細 胞 内 のカルシウムイオン 濃 度 を 適 正 に 調 整 する 作 用 があります マグネシウムイオンが 不 足 すると 細 胞 内 小 器 官 (ミトコンドリア)の 膜 構 造 ならびに -16-

細 胞 膜 構 造 のイオンポンプの 力 が 弱 くなり 細 胞 内 小 器 官 であるミトコンドリア 膜 の 透 過 性 も 亢 進 し ミトコンドリア 内 に 入 り 込 んだカルシウムイオンは ミトコンドリア 外 へ 出 ていけません カルシウムはミトコンドリア 内 に 少 しずつ 蓄 積 してきます ミトコンド リア 内 カルシウムイオンの 増 加 が 起 こります それを 薄 めるために 細 胞 浮 腫 つまり 水 ぶ とりの 状 態 になります 細 胞 内 のカルシウムイオン 濃 度 が 異 常 に 高 くなり 過 ぎると ミトコンドリアの 調 整 機 能 は 破 壊 されてしまいます 調 整 機 能 が 壊 れたミトコンドリアは 死 滅 してしまいます ミ トコンドリアのエネルギー 産 生 やミトコンドリア 自 体 の 生 死 には ミトコンドリア 内 のカ ルシウムイオン 濃 度 が 強 く 係 わっており カルシウムイオン 濃 度 は 片 頭 痛 の 発 症 にも 非 常 に 大 きな 原 因 となります このようになった 細 胞 に 適 量 のマグネシウムが 供 給 されると 溜 まっていたカルシウ ムイオンなどが 排 出 され それにつづき 水 分 も 排 出 されますが この 水 ぶとり 状 態 も 限 度 がありカルシウムイオンがある 量 を 超 えると その 細 胞 は 不 必 要 となり 見 捨 てられます そして 後 にはカルシウムイオンなどで 一 杯 になった 固 まりだけが 残 されます これが 石 灰 化 した 細 胞 のことです 動 脈 硬 化 の 原 因 の 一 つです 結 果 的 に この 細 胞 は 死 滅 してし まいます 細 胞 内 のマグネシウムが 著 しく 不 足 すると カルシウムイオンを 細 胞 外 に 排 出 するカル シウムポンプの 調 整 機 能 が 働 かなくなり 筋 肉 は 収 縮 状 態 ( 緊 張 した 状 態 )が 続 くことに なります 片 頭 痛 の 前 兆 や 発 症 の 引 き 金 となる 脳 血 管 の 収 縮 は 脳 血 管 細 胞 内 のカルシ ウム 濃 度 の 高 まりによっても 生 じます それはつまり マグネシウム 不 足 がもたらす 結 果 でもあるのです そして マグネシウム 不 足 が 持 続 すれば ミトコンドリアの 働 きをさらに 悪 くさせるこ とに 繋 がることになり 片 頭 痛 を 悪 化 させる 元 凶 にもなってきます こうしたことから 片 頭 痛 を 治 療 していく 上 で 牛 乳 の 飲 み 過 ぎに 注 意 すると 同 時 に マグネシウムがいかに 不 足 しがちなミネラルであるかということを 念 頭 において 常 日 頃 から マグネシウム の 補 充 に 気 を 配 ることが 大 切 になってきます その3 砂 糖 の 過 剰 摂 取 の 害 甘 い 物 の 好 きな 方 々へ -17-

現 代 人 は 昔 と 比 べ 比 較 にならないほど 大 量 の 砂 糖 を 摂 るようになっています アメリ カでは 1 人 1 日 当 たり 大 さじ 17 ~ 18 杯 ( 約 160 g)もの 砂 糖 を 摂 取 していると 言 わ れますが こうした 状 況 は 現 在 の 日 本 においてもそのまま 当 てはまります 日 本 における 砂 糖 の 平 均 摂 取 量 は 約 65 gですから アメリカよりかなり 少 ないように 思 われます しかし 現 実 は 1 日 にペットボトル1 本 の 清 涼 飲 料 を 飲 み 切 ってしまうような 青 少 年 が 多 くいることを 考 えると かなりの 人 がアメリカ 人 並 に 摂 取 していると 思 われま す 数 年 前 にNHKが 放 映 した 小 学 5 6 年 生 を 対 象 にした 調 査 では 1 人 1 日 コーヒー カップ1 杯 約 210 gもの 砂 糖 を 摂 っていることが 分 かりました 大 量 に 摂 取 される 砂 糖 の 70 %は 清 涼 飲 料 や 菓 子 加 工 食 品 に 含 まれる 隠 れた 砂 糖 です コーラ ジュース 缶 コーヒー チョコレート ケーキ 菓 子 パン アイスクリーム ケ チャップ ドレッシング 調 理 済 みの 総 菜 などには 多 量 の 砂 糖 が 含 まれています ( ち なみにコーラ 1500ml 中 には 160 g 缶 コーヒー 250ml 中 には 18 g アイスクリーム1 個 には 15 gもの 砂 糖 が 入 っています ) 砂 糖 の 摂 り 過 ぎは 多 くの 現 代 病 を 引 き 起 こす 原 因 となっていますが ここでは 現 代 栄 養 学 が 明 らかにしている 砂 糖 の 過 剰 摂 取 の 害 について 見 ていきます ここ 30 年 ほど 日 本 では 砂 糖 の 摂 取 量 が 減 少 傾 向 にあると 言 われます 確 かに 砂 糖 キ ビやテンサイ( 砂 糖 大 根 ビート)などからつくられる 昔 ながらの 砂 糖 の 量 は 減 ってい ます しかし 代 わって 異 性 化 糖 と 言 われるトウモロコシや 芋 デンプンを 原 料 にしたブドウ 糖 果 糖 などの 量 は 大 幅 に 増 加 しています また 調 整 糖 と 言 わ れるミルクの 成 分 やソルビトールに 砂 糖 を 加 えたものも かなり 増 えています 他 にはハチミツやメープルシロップなど の 消 費 も 伸 びています こうした 異 性 化 糖 や 調 整 糖 は 砂 糖 の 摂 取 量 として 公 表 されるデータには 含 まれて いません 砂 糖 と 異 性 化 糖 調 整 糖 を 合 わせた 量 は ほぼ 横 ばいと 考 えられます しかも 重 要 な 点 は 約 30 年 前 ( 昭 和 47 年 ) 当 時 は すでに 食 生 活 が 崩 れ 大 量 の 砂 糖 が 摂 取 さ -18-

れるようになっていた ということです つまりここ 30 年 間 以 上 糖 類 の 過 剰 摂 取 は 続 いているのです 先 ほど 挙 げた 1 人 1 日 当 たりの 平 均 摂 取 量 65 gという 数 字 は 平 成 13 年 度 の 砂 糖 の 総 需 要 量 ( 国 内 生 産 量 に 輸 入 量 を 足 した 量 )に 異 性 化 糖 の 需 要 量 を 加 え 総 人 口 で 割 った ものです この 数 字 には 調 整 糖 やその 他 の 糖 類 は 含 まれていませんし ゼロ 歳 児 まで 加 えた 単 純 な 数 字 であることを 考 えると 実 際 の 摂 取 量 はかなり 上 回 るものと 思 われます 炭 水 化 物 ( 糖 質 )の 種 類 と 特 徴 炭 水 化 物 である 糖 類 デンプンは 人 体 の 主 要 なエネルギー 源 です 食 べ 物 として 摂 取 された 糖 類 デンプンは 消 化 酵 素 によって 単 糖 (ブドウ 糖 果 糖 ガラクトースなど)に 分 解 され 小 腸 から 毛 細 血 管 内 の 血 液 に 入 り 肝 臓 に 運 ばれます 吸 収 された 単 糖 のうち 果 糖 とガラクトースの 多 くは 肝 臓 でブドウ 糖 (グルコース)に 変 換 されます ブドウ 糖 の 一 部 はそこでエネルギー 源 となりますが 肝 臓 から 血 液 に 送 ら れたブドウ 糖 は 神 経 筋 肉 その 他 の 組 織 でエネルギー 源 として 利 用 されます ブドウ 糖 が 各 組 織 ( 細 胞 内 のクエン 酸 サイクル)で 代 謝 され エネルギーが 生 み 出 されます 体 が 活 発 に 活 動 しているときは ブドウ 糖 は 次 々にエネルギーに 変 換 されていきますが すぐに 使 われない 場 合 は インスリンの 作 用 によって グリコーゲン に 変 えられ 肝 臓 や 筋 肉 に 蓄 えられます しかしグリコーゲンの 貯 蔵 量 には 限 度 があるので あまったブド ウ 糖 は 体 脂 肪 ( 中 性 脂 肪 ) として 蓄 積 されます ( 体 脂 肪 は 予 備 エネルギー 源 で 活 動 が 増 えて 食 事 から 摂 取 された 糖 が 不 足 したときには 燃 焼 に 回 されます 活 動 が 少 なく 消 費 量 より 摂 取 量 が 多 ければ 体 脂 肪 が 増 加 し 肥 満 を 招 くことになります ) 炭 水 化 物 は 主 に 炭 素 水 素 酸 素 からできていて その 最 小 単 位 は 単 糖 と 言 い ブドウ 糖 果 糖 ガラクトースなどがあります 単 糖 が2~ 20 個 結 合 したものを オリ ゴ 糖 単 糖 が 多 数 結 合 したものを 多 糖 と 言 います ( オリゴ 糖 は 少 糖 とも 呼 ばれていますが その 中 で 単 糖 が2 個 結 合 したものは 2 糖 と 呼 ばれ 麦 芽 糖 蔗 糖 乳 糖 があります 蔗 糖 は 一 般 に 砂 糖 と 言 われます ) エネルギー 源 としての 糖 -19-

細 胞 内 に 入 ったブドウ 糖 (グルコース)は クエン 酸 サイクル と 言 われる 複 雑 なプ ロセスをへる 中 で 燃 焼 しエネルギーに 変 換 されますが ブドウ 糖 の 燃 焼 がスムーズに 行 わ れるためには ビタミンB 群 やミネラルが 不 可 欠 です ( ビタミンB1 B2 B3 B6 B 12 ビオチン パントテン 酸 そしてマグネシウム マンガン etc.) もし こうした 栄 養 素 が 不 足 するとブドウ 糖 の 燃 焼 効 率 が 低 下 し エネルギー 生 産 に 支 障 が 生 じることになります 代 謝 を 進 める 微 量 栄 養 素 の 不 足 から クエン 酸 サイクルの 途 中 でブドウ 糖 の 一 部 が 脂 肪 に 変 換 されてしまいます それではいくらブドウ 糖 があっても 十 分 なエネルギーが 得 られなくなり 身 体 の 活 力 低 下 を 引 き 起 こすことになります 先 に 砂 糖 の 過 剰 摂 取 が 肥 満 につながると 言 いましたが 単 に 糖 が 多 いということだ けが 問 題 ではなく 一 緒 に 働 く 栄 養 素 の 不 足 によっても 体 脂 肪 は 増 えることになるの です つまり 微 量 栄 養 素 の 不 足 (とくにマグネシウム 不 足 )による 糖 の 代 謝 異 常 が 肥 満 の 引 き 金 になるということです 砂 糖 は 空 のカロリー 食 品 砂 糖 の 過 剰 摂 取 が 私 たちの 健 康 にマイナスとなる 理 由 はいくつかありますが まず 挙 げ られるのが 砂 糖 は 空 のカロリー 食 品 であるということです 現 代 人 が 大 量 に 摂 取 し ている 砂 糖 の 多 くは 真 っ 白 に 精 製 された 白 砂 糖 です 糖 だけあって その 代 謝 に 必 要 な 栄 養 素 (ビタミン ミネラル)がほとんど 失 われてしまった 精 製 糖 です そのため 砂 糖 は カロリーだけあって 他 の 栄 養 素 を 含 まないという 意 味 で 空 のカロリー 食 品 と 呼 ばれています 砂 糖 以 外 の 空 のカロリー 食 品 としては アルコールや 純 粋 なデンプンなどがあります 米 や 小 麦 粉 なども 精 製 されて 白 くなればなるほど 空 のカロリー 食 品 に 近 づくことになり ます ラードなどの 動 物 性 脂 肪 やサラダ 油 テンプラ 油 などの 精 製 油 も 一 部 のビタミン があるだけで 大 半 がほとんどカロリーだけの 食 品 です ( 精 製 されていない 黒 糖 や 蜂 蜜 メープルシロップなどにはビタミンやミネラルが 含 まれていますが 糖 である 以 上 微 量 栄 養 素 の 摂 取 を 期 待 して 摂 るようなものではありません ) 微 量 栄 養 素 の 欠 乏 を 引 き 起 こす -20-

では 砂 糖 のような 空 のカロリー 食 品 は どうして 健 康 に 害 をもたらすことになる のでしょうか 私 たちが1 日 に 必 要 とする カロリー は 運 動 量 や 体 重 から 適 量 が 決 ま っています そこへカロリーだけを 含 む 食 品 を 大 量 に 摂 取 すると すぐにカロリー 枠 がい っぱいになり 他 の 食 べ 物 を 摂 ることができなくなってしまいます 残 されたわずかな 枠 で 必 須 栄 養 素 のすべてを 摂 取 しなければならなくなります しかし もともと 空 の カロリー 食 品 の 多 い 食 事 には 必 須 栄 養 素 が 不 足 していますから それが 不 可 能 であること は 明 らかです 砂 糖 を 大 量 に 摂 ればお 腹 は 空 かなくなり 食 欲 は 減 少 します 甘 い 物 ばかり 食 べている 現 代 の 子 供 たちは 昔 の 子 供 たちのような まともな 食 事 は 摂 れなくなっています ジュ ース 菓 子 パン アイスクリーム チョコレートなどを 日 常 的 に 摂 っている 子 供 は 豆 や 野 菜 などは 好 みません 昔 は 砂 糖 や 脂 肪 などの 摂 取 量 が 少 なかったので ご 飯 をしっかり 食 べてカロリーを 補 給 しなければなりませんでした そして 主 食 のご 飯 に 加 えて 豆 や 野 菜 魚 といった 副 食 をしっかり 摂 っていました そうした まともな 食 事 には カロリー 以 外 の 栄 養 素 も 多 く 含 まれ 食 事 全 体 の 栄 養 バランスが 保 たれていたのです それが 現 代 では 砂 糖 や 脂 肪 に 偏 った 結 果 大 きく 崩 れてしまいました 食 事 の 中 で 空 のカロリー 食 品 の 占 める 割 合 が 増 えるほど カロリーだけは 満 たされ ても 必 須 栄 養 素 は 欠 乏 するという 事 態 が 生 じます 現 在 日 本 人 が 摂 取 している 炭 水 化 物 の 40 % 近 くは 砂 糖 によって 占 められています また 米 も 大 半 が 白 米 で 栄 養 素 は 乏 しく なっています このような 食 事 の 傾 向 が 必 須 栄 養 素 特 に 微 量 栄 養 素 を 枯 渇 させる ことになります 砂 糖 の 過 剰 摂 取 の 害 として 最 初 に 挙 げられるのは 微 量 栄 養 素 の 欠 乏 を 引 き 起 こす ということです このなかで 当 然 マグネシウムも 不 足 して 来 ます よい 食 品 というのは カロリー 栄 養 素 の 他 にビタミンやミネラル 食 物 繊 維 などを 含 んで います こうした 食 品 で 食 事 を 組 み 立 てれば カロリー 枠 を 超 えることなく 必 須 栄 養 素 微 量 栄 養 素 を 満 たすことができます 食 べ 物 が 体 内 で 利 用 されるためには 代 謝 を 進 める 微 量 栄 養 素 が 欠 かせません しかし 空 のカロリー 食 品 である 砂 糖 には ビタミンやミネラルなどは 含 まれていないため それを 摂 ることで 体 内 の 栄 養 素 を 消 耗 させることになります つまり 砂 糖 を 摂 ることで もともと 乏 しい 体 内 の 微 量 栄 養 素 が いっそう 欠 乏 してしまうのです さらに 砂 糖 の 過 剰 摂 取 は 血 液 を 酸 性 に 傾 けます すると 体 はPHを 一 定 に 保 つた -21-

めに カルシウムなどのミネラルを 必 要 とします もし 血 液 中 に 十 分 なカルシウムがなけ れば ホメオスタシスの 働 きによって 骨 や 歯 からカルシウムを 溶 かし 出 してくることに なります 日 本 をはじめ 先 進 諸 国 では 貧 しい 国 々とは 異 なり カロリー 不 足 からくる 栄 養 失 調 は ありません むしろカロリーを 摂 り 過 ぎて 微 量 栄 養 素 の 失 調 に 陥 り 病 気 を 招 いてい ます 砂 糖 の 過 剰 摂 取 は 欧 米 型 の 食 事 の 特 徴 ですが それが 生 命 の 鎖 を 弱 体 化 させる 大 きな 原 因 の1つになっているのです 低 血 糖 症 を 引 き 起 こす 砂 糖 の 過 剰 摂 取 は 微 量 栄 養 素 の 欠 乏 を 引 き 起 こす だけでなく 血 糖 値 を 急 激 に 上 昇 させる という 点 からも 健 康 に 害 を 及 ぼします 2 糖 類 である 砂 糖 は 消 化 吸 収 のプロセスがきわめて 速 く 摂 取 後 短 時 間 で 血 液 に 運 ばれます そのため 砂 糖 をたくさん 摂 ると 血 糖 値 が 急 激 に 上 昇 することになります ( 砂 糖 は 時 に 直 接 口 や 胃 の 粘 膜 からも 吸 収 されます ) 砂 糖 の 大 量 摂 取 によって 血 糖 値 が 跳 ね 上 がると 血 糖 の 調 節 のために インスリン と いうホルモンが 分 泌 されます あふれているブドウ 糖 を 細 胞 内 に 取 り 入 れようとして 膵 臓 は 急 いで インスリン を 分 泌 することになります ( 血 糖 値 が 高 くなると インス リン が 分 泌 されてブドウ 糖 は 貯 蔵 に 回 され 反 対 に 血 糖 値 が 低 くなると グルカゴン がグリコーゲンを 分 解 して 血 糖 を 供 給 します 膵 臓 から 分 泌 されるインスリンとグルカ ゴンという2つのホルモンが 血 糖 のコントロールをしています ) 穀 類 に 含 まれるデンプンのように 消 化 に 時 間 がかかり 小 腸 からゆっくりと 吸 収 されればよいのですが 砂 糖 の 場 合 は 一 気 に 吸 収 され 高 血 糖 の 状 態 を 招 くことになります す ると 膵 臓 は 血 糖 を 下 げるためにピッチを 上 げて 多 量 のイン スリンを 分 泌 しなければならなくなります こうしたことを 繰 り 返 していると 糖 の 代 謝 にかかわる 膵 臓 や 肝 臓 副 腎 な どの 器 官 が 疲 弊 し 血 糖 の 調 節 に 狂 いが 生 じるようになります わずかな 砂 糖 が 入 っただけで 膵 臓 が 過 剰 に 反 応 して 必 要 以 上 にインスリンを 出 すよ -22-

うになると 血 糖 値 の 落 ち 込 みがひどくなったり 慢 性 的 な 低 血 糖 状 態 が 続 くことになり ます これを 低 血 糖 症 と 言 います そして 長 期 にわたってオーバーワークを 強 いられ た 膵 臓 は やがて 疲 れ 果 て 必 要 な 量 のインスリンを 分 泌 できなくなり 低 インスリン 性 の 糖 尿 病 を 招 くことにもなってしまいます ( 砂 糖 だけが 糖 尿 病 の 原 因 ではなく 脂 肪 の 摂 り 過 ぎがインスリンの 働 きを 阻 害 することが 分 かっています しかし 過 剰 な 砂 糖 が 膵 臓 を 疲 れさせ 糖 尿 病 の 誘 因 となることには 変 わりありません ) 低 血 糖 症 による 心 身 の 異 常 低 血 糖 症 とは 脳 を 含 む 全 身 のエネルギー 源 である 血 液 中 のブドウ 糖 のレベルが 異 常 に 低 くなる 病 気 です それによって 細 胞 へのブドウ 糖 の 供 給 が 不 足 し 脳 と 体 のエネルギ ー ショック 状 態 が 引 き 起 こされます ( 低 血 糖 の 影 響 は 全 身 に 及 びますが 特 に 心 臓 神 経 脳 への 影 響 は 重 大 です ) 低 血 糖 症 によって 起 こされる 症 状 はさまざまですが まず 極 度 の 疲 労 や 脱 力 感 動 悸 や 震 え 猛 烈 な 飢 餓 感 あくびやため 息 などが 現 れます 特 に 脳 はブドウ 糖 だけを 唯 一 のエ ネルギー 源 としているので 低 血 糖 の 影 響 を 敏 感 に 受 け イライラ かんしゃく 神 経 過 敏 不 安 感 集 中 力 欠 如 などの 症 状 が 現 れます 血 糖 が 低 下 していると それがストレスと なり 副 腎 から アドレナリン というホ ルモンが 分 泌 されます アドレナリンは 血 糖 を 上 げようとしますが このホルモンに は 人 を 興 奮 させ 攻 撃 的 にさせる 作 用 があ ります アドレナリンはストレスに 対 処 す るために 必 要 なものですが それが 過 剰 に 分 泌 されれば 人 格 を 変 えてしまうほど 強 烈 な 影 響 を 及 ぼすことになります 低 血 糖 によって 不 快 な 症 状 が 現 れると 手 っ 取 り 早 く 血 糖 を 上 げてくれる 甘 い 物 や ア ルコール コーヒー コーラなどの 刺 激 物 が 欲 しくなります それらは 即 効 的 に 血 糖 値 を 上 昇 させ いったん 症 状 は 収 まります しかし そうしたことの 繰 り 返 しによって 状 態 は -23-

悪 化 し 低 血 糖 症 から 脱 け 出 せなくなってしまいます 現 在 大 きな 社 会 問 題 になっている 子 供 や 青 少 年 の 心 身 の 異 常 さは 低 血 糖 症 が 大 きくかかわっていると 思 われます 落 ち 着 きがなくてすぐにキレる 頭 が 真 っ 白 になって 考 えがまとまらない 無 感 動 で 無 表 情 といった 精 神 的 脆 さ 異 常 さの 背 景 には 低 血 糖 症 の 影 響 があるのです アメリカでは 低 血 糖 症 についての 認 識 がかなり 浸 透 しています そして 多 くの 栄 養 学 者 が 砂 糖 の 過 剰 摂 取 が 低 血 糖 症 を 引 き 起 こし 心 身 に 重 大 な 悪 影 響 をもたらすことを 警 告 しています アメリカで 行 われた 研 究 では 犯 罪 者 や 非 行 少 年 の 80 % 以 上 が 低 血 糖 症 でした まさに 犯 罪 の 陰 に 低 血 糖 症 あり ということです また 精 神 病 患 者 の 67 % に 低 血 糖 症 が 関 係 していると 報 告 されています 腸 壁 のバリアーを 壊 し アレルギーを 引 き 起 こす 肉 や 牛 乳 卵 などの 高 タンパク 食 品 が 腸 壁 のバリアーを 壊 し アレルギーをひどくする ことを 以 前 に 述 べましたが 砂 糖 の 過 剰 摂 取 も 同 様 です 砂 糖 も 腸 壁 を 膨 張 させ 透 過 性 を 高 めてアレルゲン 物 質 を 血 液 中 に 引 き 込 みやすくします 腸 管 の 透 過 性 が 増 大 し 食 べ 物 が 大 きな 分 子 のまま 吸 収 されてしまうのです 牛 乳 や 卵 に 大 量 の 砂 糖 を 加 えた ケーキやクッキーなどの 菓 子 類 は 最 もアレルギーを 悪 化 させる 食 品 の1つです またアレルギーと 低 血 糖 症 は 密 接 な 関 係 があると 言 われます 低 血 糖 症 によるストレ スが 副 腎 を 弱 らせ アレルギー 反 応 をひどくします アレルギーの 体 は 常 にアレルゲンに 対 処 するために 強 いストレスにさらされています そこへ 低 血 糖 症 のストレスが 追 い 打 ちをかけ 副 腎 に 大 きなダメージを 与 えることになります すべてのストレスは 特 にそ れが 長 期 にわたる 場 合 副 腎 を 疲 弊 させ アレルギーを 起 こしやすくします ( 副 腎 が 弱 れば 低 血 糖 症 も 起 こりやすくなります ) さらに 砂 糖 の 過 剰 摂 取 によって 細 胞 が 壊 れやすくなり ヒスタミンの 放 出 が 促 されます ヒスタミンはアレルギー 反 応 ( 抗 原 抗 体 反 応 )の 過 程 で 免 疫 のマスト 細 胞 から 放 出 される 起 炎 物 質 で 腫 れやくしゃみ かゆみなどの 炎 症 反 応 を 引 き 起 こします 大 量 の 砂 糖 によって 腸 内 環 境 が 悪 化 すれば 腸 のバリアー 機 能 免 疫 機 能 が 低 下 し ます 腸 内 環 境 の 悪 化 はアレルギーだけでなく クローン 病 など 大 腸 炎 の 素 因 をつくるこ とになります また 過 剰 な 砂 糖 は 血 液 の 粘 度 を 高 め 細 胞 組 織 を 老 化 させます -24-

砂 糖 の 有 害 性 を 認 めない 動 き! このように 砂 糖 の 過 剰 摂 取 には 明 らかに 問 題 がありますが いまだにそれを 認 めようと しない 人 たちがいます 砂 糖 のもつわずかな 利 点 を 挙 げて その 有 害 性 を 否 定 しようとし ます テレビの 健 康 番 組 で ある 医 科 大 学 の 教 授 が 砂 糖 には 害 はない 子 供 が 甘 い 物 を 欲 しがるのは 体 が 欲 しているからだ と 述 べていました 砂 糖 の 有 害 性 を 認 めようとしな い 人 たちは 砂 糖 は 最 も 効 率 のよいエネルギー 源 脳 には 砂 糖 が 不 可 欠 砂 糖 も 他 の 穀 類 もカロリーは 同 じ 砂 糖 にない 栄 養 素 は 他 の 食 品 から 摂 ればいい といった 主 張 を します 最 近 では グリセミック インデックス(GI) という 概 念 が 広 く 学 者 の 間 で 言 わ れるようになりました これは 摂 取 した 炭 水 化 物 が 血 糖 (グルコース)に 変 わる 速 度 の 指 標 です 血 糖 上 昇 反 応 指 数 とも 言 われ 指 数 が 高 い 食 品 ほど 消 化 吸 収 が 速 く 血 糖 が 急 上 昇 し インスリンの 分 泌 も 促 進 されることになります では 問 題 の 砂 糖 のグリセミック 指 数 (GI)はと 言 えば 人 参 やバナナよりも 低 く なっています このGIを 根 拠 に 砂 糖 擁 護 派 の 学 者 は 砂 糖 は 低 血 糖 症 の 引 き 金 にはならない 砂 糖 は 健 康 によい 食 品 である と 主 張 します 砂 糖 はブドウ 糖 と 果 糖 からなる2 糖 類 で 半 分 は 代 謝 にインスリンを 必 要 としない 果 糖 であるため 負 担 が 少 ないと 言 うのです まず これについて 考 えてみましょう GIの 検 査 方 法 を 簡 単 に 言 えば それぞれの 炭 水 化 物 を 50 g 摂 取 し 一 定 の 時 間 ごとに 血 糖 値 の 変 化 を 測 定 します 純 粋 グルコース(ブドウ 糖 )を 100 として それを 基 準 に 他 の 食 品 のGIを 定 めます ( なかには 白 パンのGIを 100 として 基 準 にしている 研 究 者 もいます また 検 査 方 法 も 人 によって 異 なり 同 じ 食 品 でもGIにかなりバラつきがあ ります )ほとんどの 報 告 では 砂 糖 に 比 べ 人 参 のGIは 約 10 %~ 40 % 高 くなってい ます ブドウ 糖 50 gは 大 さじ3 杯 に 相 当 しますが 人 参 から 50 gの 炭 水 化 物 を 摂 取 しようと すれば 700 gもの 人 参 を 食 べなくてはなりません 人 参 の 炭 水 化 物 含 有 量 はおよそ7% ですから 700 gと 言 えば 人 参 約 4 本 分 に 相 当 します 砂 糖 を1 日 に 200 g( ブドウ 糖 は 100 g)も 摂 っている 子 供 がいる 現 状 からすれば 一 度 に 大 さじ3 杯 のブドウ 糖 を 摂 -25-

ることも 有 り 得 るでしょうが 人 参 を4 本 も 一 度 に 摂 る 人 が 一 体 何 人 いるでしょうか これを 考 えただけで 人 参 と 砂 糖 のGIを 単 純 に 比 較 し 砂 糖 は 健 康 によい などと 到 底 言 えるものではありません それに 砂 糖 よりGIが 高 いのはジュースにした 場 合 であ って 調 理 法 や 一 緒 に 摂 るものによってGIは 変 わるのです サラダにしたり 加 熱 すれば GIは 低 下 します タンパク 質 や 脂 肪 と 一 緒 に 摂 っても 酢 と 一 緒 に 摂 っても 同 様 です 食 物 繊 維 と 一 緒 に 摂 れば さらにGIは 低 下 します つまり 食 事 全 体 の 内 容 によって G Iは 変 わってしまうのです ( バナナのGIは 熟 成 度 によって2 倍 も 開 きがあると 言 われます ) そのうえ 砂 糖 と 違 い 人 参 には ビタミンやミネラル カロテノイド 類 など 多 くの 栄 養 素 が 含 まれています もしGIだけを 理 由 に 人 参 を 摂 らないとするなら 健 康 に 大 きなマ イナスを 引 き 起 こすことになってしまいます GIだけを 根 拠 に 砂 糖 と 低 血 糖 症 のかか わりを 否 定 することは 明 らかに 矛 盾 しています 低 血 糖 症 の 問 題 の 本 質 は 砂 糖 の 摂 取 量 であって GI( 吸 収 率 )ではありません 健 全 な 食 事 をしている 人 が 楽 しみとして 時 々 甘 い 物 を 摂 ることは 何 の 問 題 もありませ ん しかし 現 在 では 食 事 の 代 わりに 甘 い 菓 子 パンを 食 べるような 若 者 がたくさんいるの です 食 事 全 体 を 崩 すほど 大 量 の 砂 糖 が 摂 取 されていることが 問 題 なのです また 砂 糖 は 脳 の 栄 養 源 ストレス 解 消 には 砂 糖 が 不 可 欠 といった 主 張 もなされま す しかし 同 時 にその 学 者 自 身 が 脳 の 栄 養 源 はブドウ 糖 である と 言 っているのです から これはまったく 科 学 的 根 拠 のない 詭 弁 としか 言 いようがありません 砂 糖 でなくて もブドウ 糖 を 含 む 食 べ 物 なら 脳 の 栄 養 補 給 はできるのです それを 砂 糖 だけが 脳 の 栄 養 源 として 優 れているかのように 決 めつけています 脳 の 栄 養 源 は ブドウ 糖 であって 砂 糖 ではありません 脳 がブドウ 糖 を 求 めている というのはその 通 りですが それがいつの 間 にか 脳 は 砂 糖 を 求 めている に 変 わってし まっています 明 らかに 論 理 のすり 替 えです ブドウ 糖 は 砂 糖 から 摂 らなくても 米 や 豆 芋 や 果 物 などに 十 分 含 まれています 砂 糖 を 摂 らないと 脳 の 栄 養 が 欠 乏 して キレる とも 言 っていますが そんな 根 拠 はど こにもありません 砂 糖 こそが 最 も 効 果 的 な 脳 の 栄 養 源 である とする 短 絡 的 な 考 え こそ 問 題 としなければならないのです 仮 に 砂 糖 が 脳 の 健 康 にはプラス になるとし ても 身 体 全 体 の 健 康 にはマイナス にしかならないという 点 を 重 要 視 しなければなら ないのです -26-

ある 学 者 は その 著 書 で 昼 食 にハム 入 りのサンドイッチを 食 べた 場 合 に 同 時 に 砂 糖 入 りのコーヒーを 飲 み さらに3 時 頃 おやつとしてケーキや 砂 糖 入 りのコーヒー 紅 茶 を 飲 むのは 脳 の 健 康 からすると 理 にかなっています と 述 べています またテレビで ボケ 予 防 には 砂 糖 を 毎 食 摂 るといい 朝 目 覚 めたらまず 砂 糖 をひとなめ 毎 食 後 に 砂 糖 を 入 れたデザート 3 時 のおやつには 和 菓 子 寝 床 につく1 時 間 前 には 砂 糖 を 入 れたミルクを 飲 む と 勧 めていました 砂 糖 の 過 剰 摂 取 は 欧 米 型 食 事 の 典 型 です そうした 食 事 に 偏 った 結 果 現 代 病 が 多 発 していることはすでに 述 べました 老 人 性 痴 呆 症 の1つであるアルツハイマーと 砂 糖 の 関 連 も 指 摘 されています 砂 糖 の 有 害 性 特 に 青 少 年 の 心 と 体 に 与 える 悪 影 響 が 明 ら かになっているときに 砂 糖 の 摂 取 を 勧 めるのは 何 と 罪 つくりなことでしょうか 砂 糖 の 有 害 性 を 否 定 する 人 たちが 決 まって 取 り 上 げるのが 1997 年 にFAO/WHO ( 国 連 食 糧 農 業 機 関 / 世 界 保 健 機 関 )から 発 表 された 生 活 習 慣 病 ( 成 人 病 )の 原 因 に 蔗 糖 その 他 の 糖 デンプンが 直 接 関 与 することを 示 す 証 拠 は 得 られていない とい う 報 告 です (*WHOより 入 手 した 報 告 書 の 原 文 による ) 砂 糖 擁 護 派 の 人 々は これ を 権 威 に 砂 糖 は 何 の 問 題 もない 砂 糖 は 健 康 によい といった 主 張 を 繰 り 返 していま す しかし 実 際 に この 報 告 書 で 触 れているのは 穀 類 や 豆 類 などすべての 炭 水 化 物 の 摂 取 と 病 気 の 関 連 についてであって 砂 糖 だけを 取 り 上 げているわけではありません これを 根 拠 に WHOが 砂 糖 は 健 康 に 何 のマイナスも 及 ぼさない 砂 糖 と 成 人 病 は 関 係 がない と 宣 言 したと 言 い 立 てることは 明 らかに 間 違 っています この 報 告 書 には 他 に 微 量 栄 養 素 の 含 有 を 損 なう 過 剰 な 糖 類 の 摂 取 は 避 けなければな らない 精 製 し 過 ぎない 穀 類 野 菜 豆 類 果 物 は 特 にすぐれた 食 品 である といった 重 要 な 勧 告 も 述 べられているのです 炭 水 化 物 の 摂 取 が 病 気 の 直 接 的 な 原 因 とならないことなど 当 然 です 適 量 の 炭 水 化 物 ( 砂 糖 も 含 めて)の 摂 取 は 人 間 の 健 康 にとって 何 の 支 障 もありません 問 題 はどこまで も 砂 糖 の 大 量 摂 取 砂 糖 という 精 製 されて 微 量 栄 養 素 が 失 われた 炭 水 化 物 への 異 常 な 傾 斜 なのです 過 剰 な 砂 糖 が 食 事 全 体 のバランスを 崩 し その 結 果 微 量 栄 養 素 が 損 なわれ それによって 肥 満 や 生 活 習 慣 病 が 引 き 起 こされていることが 重 大 な 問 題 なので す 砂 糖 擁 護 派 の 人 々は 砂 糖 の 大 量 摂 取 の 問 題 をすり 替 え 意 図 的 に 砂 糖 の 安 全 性 -27-

を 強 調 しようとしています WHOの 報 告 は 適 量 の 砂 糖 は 健 康 に 問 題 はない という 当 たり 前 のことを 述 べてい るのであって 異 常 なほどの 砂 糖 の 過 剰 摂 取 に 陥 っている 現 代 人 の 食 生 活 の 実 情 を 容 認 する 宣 言 をしたわけではありません WHOは 2004 年 5 月 の 総 会 で 肥 満 症 など 慢 性 疾 患 を 防 ぐためのガイドラインとな る 砂 糖 や 脂 肪 塩 などの 摂 取 規 制 を 盛 り 込 んだ 食 事 と 運 動 と 健 康 に 関 する 世 界 戦 略 を 採 択 しています そこではバランスのいい 食 事 と 適 度 な 運 動 野 菜 や 果 物 の 摂 取 を 増 やすことが 勧 められ 砂 糖 や 脂 肪 塩 添 加 物 などの 摂 取 規 制 を 求 める 内 容 が 取 り 上 げられています 以 上 のように 甘 い 物 の 摂 りすぎはマグネシウム 不 足 を 引 き 起 こし さらに 酸 化 スト レス 炎 症 体 質 を 増 悪 させることになり 片 頭 痛 を 悪 化 させてきます その4 第 6の 栄 養 素 食 物 繊 維 食 物 繊 維 とは 最 近 になって 日 本 でも 食 物 繊 維 (ダイエ タリーファイバー)が 話 題 になっています かつては 何 の 栄 養 価 もない 食 べ 物 のカスのよ うに 扱 われていましたが 栄 養 学 の 進 歩 とと もに その 重 要 性 が 知 られるようになってき ました 現 在 では 食 物 繊 維 は 食 品 中 にあって 消 化 の 過 程 で 分 解 されない 高 分 子 成 分 と 定 義 されています つまり 食 物 繊 維 は 小 腸 までの 消 化 プロセスでは 消 化 吸 収 されず 大 腸 まで 達 する 食 品 成 分 のことで す 今 では 新 しい 栄 養 素 として その 有 用 性 が 明 らかにされつつあります 食 物 繊 維 は 消 化 吸 収 されないために 他 の 栄 養 素 のように 体 の 構 成 材 料 やエネルギー -28-

源 とはなりませんが 消 化 管 を 通 過 する 間 に 健 康 にプラスとなるさまざまな 効 果 をもた らします ( 食 物 繊 維 は 消 化 吸 収 されませんが 実 際 には 大 腸 で 腸 内 細 菌 によって 分 解 され 分 解 物 が 利 用 されることでエネルギーを 発 生 します ) 食 物 繊 維 は 成 人 病 生 活 習 慣 病 の 予 防 に 有 効 であるだけでなく 体 のバイオリズムの 調 節 や 免 疫 力 治 癒 力 を 正 常 化 するなど きわめて 重 要 な 生 理 作 用 にかかわっています そのため 食 物 繊 維 は 炭 水 化 物 脂 質 タンパク 質 ビタミン ミネラルに 次 ぐ 第 6 の 栄 養 素 として 注 目 を 浴 びるようになってきました 食 物 繊 維 の 種 類 食 物 繊 維 は 大 きく 水 に 溶 けない 不 溶 性 食 物 繊 維 と 水 に 溶 ける 水 溶 性 食 物 繊 維 に 分 けられます 不 溶 性 食 物 繊 維 は 主 に 植 物 の 細 胞 膜 を 構 成 していて 立 体 的 ですきまだらけの 構 造 をしています 胃 や 腸 の 中 でも 水 に 溶 けず 腸 内 細 菌 によってもほとんど 分 解 されずに そのまま 排 泄 されます 不 溶 性 食 物 繊 維 は 水 分 を 吸 収 してふくらみ それが 腸 壁 を 刺 激 し -29-

て 腸 の 運 動 を 活 発 にし 自 然 な 便 通 を 促 します 不 溶 性 食 物 繊 維 には 全 粒 穀 類 をはじめ 豆 類 種 子 類 ナッツ 類 野 菜 や 芋 類 に 含 まれる セルロース ヘミセルロース リ グニン などがあります ( 一 般 に 不 溶 性 食 物 繊 維 という 場 合 には この3 種 類 を 指 しますが ヘミセルロースの 中 には わずかですが 水 に 溶 けるものがあります ) 水 溶 性 食 物 繊 維 は 植 物 の 細 胞 内 にある 成 分 でヌルヌルして 水 に 溶 け ゼリー 状 に 固 まる(ゲル 化 する) 性 質 があります 胃 や 小 腸 で 他 の 食 べ 物 を 包 み 込 んで 食 物 繊 維 が 固 ま ることで 食 べ 物 が 消 化 管 を 移 動 するスピードが 遅 くなり それが 健 康 にプラスとなりま す 水 溶 性 食 物 繊 維 には 果 物 や 野 菜 に 多 く 含 まれる ペクチン や オーツ 麦 (カラス 麦 )や 大 麦 ライ 麦 などの 胚 乳 に 含 まれる ガム 質 コンニャクや 山 芋 などに 含 まれる マンナン ワカメやコンブなどに 含 まれる アルギン 酸 などがあります ( 熟 し た 果 物 や 野 菜 に 含 まれる ペクチン は 水 溶 性 ですが まだ 熟 していない 硬 い 果 物 に 含 まれるものは 不 溶 性 です このように 果 物 が 柔 らかくなるのは ペクチン 質 が 変 化 するからです ) その 他 に 動 物 性 食 物 繊 維 として エビやカニの 殻 の 主 成 分 である キチン があります キチンは 不 溶 性 ですが それを 加 工 してつくられる キトサン は 水 溶 性 です また 動 物 の 軟 骨 の 主 成 分 である コンドロイチン 硫 酸 も 食 物 繊 維 の 仲 間 と 言 えます これは 動 物 だけでなく 納 豆 山 芋 オクラなど ネバネバしたものに 少 量 含 まれています ( このように 食 物 繊 維 にはいろいろな 種 類 があり 広 い 意 味 で 多 糖 類 ブドウ 糖 やガ ラクトースなど たくさんの 単 糖 からできている に 属 します ) 食 物 繊 維 と 現 代 病 の 関 係 食 物 繊 維 の 摂 取 が 病 気 の 発 生 と 深 い 関 係 があることを 示 す 有 名 な 研 究 データが 1973 年 に 英 国 人 医 師 バーキットによって 発 表 されています それはアフリカ 人 とイギリス 人 の 便 を 比 較 したものです その 報 告 によれば アフリカ 人 の1 日 の 便 の 量 は イギリス 人 の4 倍 にも 達 し 太 く 軟 らかく ほとんど 臭 いがしません それに 比 べ イギリス 人 の 便 は 硬 く 圧 縮 され ていて 細 く 何 よりもひどい 悪 臭 がするのです 研 究 によって アフリカ 人 は 食 べた 物 を ほぼ1 日 で 排 泄 しているのに 対 し イギリス 人 は 平 均 3 日 もかかっていることが 分 かりま した -30-

当 時 アフリカの 田 舎 に 住 んでいた 人 々の 食 事 の 特 徴 は 低 脂 肪 高 食 物 繊 維 で 食 物 繊 維 はイギリス 人 の3 倍 も 摂 っていました バーキットと 彼 の 仲 間 の 医 師 たちは 食 物 繊 維 の 摂 取 と 病 気 との 関 連 を 調 べ 続 け その 結 果 をイギリスの 医 学 雑 誌 に 発 表 したのです 彼 らの 論 文 は 欧 米 の 医 学 界 に 大 きな 衝 撃 を 与 えることになりました その 中 でバーキットは 現 代 の 欧 米 社 会 に 多 く 見 られる 心 臓 病 胆 石 大 腸 ガン 虫 垂 炎 痔 肥 満 糖 尿 病 静 脈 瘤 などの 病 気 は 食 物 繊 維 を 大 量 に 摂 っているアフリ カ 人 には ほとんど 発 生 していないことを 明 らかにしました ( ところが 同 じアフリカ 人 でも 都 会 に 住 み 欧 米 化 した 食 事 を 摂 っている 人 々の 間 には 欧 米 人 なみに 現 代 病 が 蔓 延 していました ) そうした 報 告 に 触 発 された 世 界 中 の 医 師 たちのその 後 の 研 究 によって バーキット 博 士 の 発 表 は 裏 付 けられました 大 腸 内 で の 食 物 繊 維 の 働 きが 明 らかになり その 重 要 性 が 認 識 されるようになったのです 現 代 病 を 防 ぐ 食 物 繊 維 の 働 き 食 物 繊 維 の 研 究 が 進 むにつれ その 重 要 な 働 きが 徐 々に 明 らかになってきました ここでは 現 代 人 に 不 足 している 食 物 繊 維 の 幅 広 い 効 用 を 見 ていきます (1)カロリーの 摂 り 過 ぎを 防 ぎ 消 化 器 官 の 働 きを 助 ける 不 溶 性 食 物 繊 維 の 多 い 食 品 は パサパサして 硬 いため よく 噛 まないと 飲 み 込 めませ ん そのため 自 然 にゆっくりと 食 べるようになり 早 食 いによる 過 食 が 防 がれます 食 物 繊 維 が 食 品 の 水 分 や 唾 液 胃 液 などと 混 じり 合 ってふくれ 長 く 胃 にとどまって 満 腹 感 が 持 続 します さらによく 噛 むことで 歯 ぐきやあごが 強 くなり 唾 液 も 多 く 分 泌 されるようになります 唾 液 にはアミラーゼ(デンプン 分 解 酵 素 )が 含 まれており 消 化 が 助 けられます また 唾 液 には 解 毒 成 分 も 含 まれています 唾 液 の 解 毒 作 用 はかなり 大 きく 有 害 物 質 の 種 類 によ -31-

っては 毒 性 を 何 十 分 の 一 にまで 低 下 させることができると 言 われます (2)ブドウ 糖 の 吸 収 をゆるやかにし 血 糖 値 の 急 激 な 上 昇 を 防 ぐ 水 溶 性 の 食 物 繊 維 は 胃 の 中 で 水 分 を 吸 収 してゲル 状 に 固 まり( 粘 度 が 増 し) 血 糖 のコントロールを 助 ける 働 きをします 食 物 繊 維 が 胃 の 中 で 他 の 食 べ 物 を 包 み 込 んで 固 ま ると 食 べ 物 が 胃 から 小 腸 にいくスピードが 遅 くなり ブドウ 糖 などの 栄 養 素 がゆっくり と 吸 収 されることになります それによって 食 後 の 急 激 な 血 糖 値 の 上 昇 が 抑 えられ 低 血 糖 症 や 糖 尿 病 の 予 防 につながります 水 溶 性 食 物 繊 維 だけでなく 不 溶 性 食 物 繊 維 も ブドウ 糖 の 吸 収 をゆるやかにします たと えば 玄 米 などのように 精 製 度 の 低 い 穀 類 に 含 ま れるデンプンは 食 物 繊 維 でしっかりと 包 まれ ています これを 消 化 するには 食 物 繊 維 の 外 皮 を 少 しずつはがし ブドウ 糖 を1つ1つ 切 り 分 けていかなければなりません そのためブドウ 糖 は ゆっくりとしたペースで 吸 収 され ることになります ( デンプンは 炭 水 化 物 の1 種 で 非 常 にたくさんのブドウ 糖 からで きている 多 糖 類 です ) (3) 脂 肪 胆 汁 の 吸 収 を 抑 え 血 中 コレステロールを 減 少 させ る 水 溶 性 食 物 繊 維 は コレス テロール 脂 肪 胆 汁 などの 吸 収 を 抑 制 し 血 中 コレステロー ルを 減 少 させる 働 きがあります ゲル 化 した 食 物 繊 維 は 腸 内 で 脂 肪 やコレステロール 胆 汁 な どを 包 み 込 み その 吸 収 を 妨 げて 排 泄 を 進 めます -32-

食 物 繊 維 が 胆 汁 の 排 泄 を 促 すことで 体 内 でのコレステロールの 消 費 が 増 し 血 中 コレステロールを 減 らすことができると 言 われます 肝 臓 でコレステロールからつくられ る 胆 汁 ( 胆 汁 酸 ) は 腸 内 で 脂 肪 と 結 びつき 小 腸 における 脂 肪 の 吸 収 を 助 けます その 胆 汁 を 食 物 繊 維 が 吸 着 し 便 として 排 泄 させることで 結 果 的 に 血 中 コレステロール が 減 少 することになります (4) 便 通 をスムーズにして 有 毒 物 質 の 排 泄 を 促 進 する 不 溶 性 食 物 繊 維 は 水 分 を 吸 収 して 数 倍 から 数 十 倍 ( 20 ~ 30 倍 )にもふくれるた め 腸 壁 を 刺 激 して 腸 の 蠕 動 運 動 を 活 発 にします 水 を 吸 って 適 度 に 軟 らかでボリューム のある 便 は 腸 内 をスムーズに 進 み 無 理 なく 排 泄 されることになります 水 溶 性 食 物 繊 維 も 便 通 を 助 けます 食 物 繊 維 を 材 料 にして 腸 内 細 菌 が 発 酵 を 進 め その 発 酵 物 質 が 腸 の 蠕 動 運 動 を 促 し 自 然 な 排 便 をもたらします このように 食 物 繊 維 の 働 きで 便 通 が よくなり 便 が 腸 内 にとどまる 時 間 が 短 くなり 腸 内 環 境 の 悪 化 が 防 が れます それによって 発 ガン 物 質 有 毒 物 質 の 生 成 吸 収 が 抑 えられ 排 泄 が 促 進 されます 食 物 繊 維 には 食 品 や 空 気 から 取 り 込 まれた 農 薬 や 重 金 属 有 害 化 学 物 質 などを 吸 着 し て 排 泄 させる 効 果 もあります またスムーズな 便 通 によって 力 まず に 排 便 できるため 痔 や 憩 室 症 ( 腸 内 の 圧 力 によって 大 腸 に 突 起 ができ 炎 症 を 起 こす 病 気 )などが 防 がれ 静 脈 瘤 の 予 防 にもつながります (5) 腸 内 細 菌 ( 有 益 菌 )が 働 きやすい 環 境 をつくる 水 溶 性 食 物 繊 維 は 大 腸 内 で 腸 内 細 菌 の エサ になり 細 菌 が 働 きやすい 環 境 をつ -33-

くります 腸 内 細 菌 は 食 物 繊 維 を 発 酵 させ 人 体 にプラスとなる 多 くの 発 酵 物 質 を 生 成 し ます 食 物 繊 維 が 材 料 となって 生 み 出 された 発 酵 物 質 ( 酸 性 物 質 ) は 腸 内 のPHを 弱 酸 性 に 保 ち 腸 内 の 腐 敗 からくる 有 害 菌 の 繁 殖 を 抑 えます そして 有 益 菌 が 生 育 活 動 しやすい 環 境 をつくり 出 します また 不 溶 性 食 物 繊 維 は ほとんど 消 化 分 解 されませんが 腸 内 細 菌 が 住 みやすい 環 境 をつくるのに 役 立 ちます ( 一 般 に 有 益 菌 は 善 玉 菌 有 害 菌 は 悪 玉 菌 と 呼 ば れています ) その 他 にも 食 物 繊 維 には さまざまな 効 用 があります 海 藻 に 含 まれる アルギン 酸 は 消 化 管 内 のナトリウムの 排 泄 を 促 し ナトリウムの 過 剰 摂 取 による 害 を 防 ぎます ま た 肝 機 能 や 免 疫 力 を 高 める 作 用 なども 知 られています キノコ 類 に 含 まれる ベータ グルカン は 免 疫 力 をアップし ガンをはじめとする 生 活 習 慣 病 の 予 防 に 役 立 つと 言 われます 動 物 性 食 物 繊 維 の キチン キトサン も そ の 幅 広 い 効 果 が 注 目 されています このように 食 物 繊 維 のもたらすメリットは 多 くありますが (4) 便 通 をスムーズ にして 有 毒 物 質 の 排 泄 を 促 進 する (5) 腸 内 細 菌 ( 有 益 菌 )が 働 きやすい 環 境 をつ くる というのが 最 も 重 要 な 働 きです 腸 内 環 境 を 改 善 し 腸 内 細 菌 のエサになってそ の 働 きを 助 けることが 食 物 繊 維 の 最 大 の 効 用 と 言 えます 2000 年 4 月 の ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン に 大 腸 ガン -34-

と 食 物 繊 維 の 因 果 関 係 についての 人 間 を 対 象 とした 臨 床 研 究 の 結 果 が 発 表 され 議 論 を 巻 き 起 こしました それによると これまで 一 般 的 に 考 えられていた 食 物 繊 維 が 大 腸 ガ ンの 発 生 を 防 ぐ という 見 解 が 必 ずしも 正 しいとは 言 えないというのです しかしその 研 究 は 食 物 繊 維 の 摂 取 と 大 腸 ガン( 実 際 には 前 ガン 病 変 である 大 腸 ポリ ープ)との 間 には 直 接 的 な 因 果 関 係 はないという 可 能 性 があることを 明 らかにしたもの にすぎません 現 代 人 が 多 食 する 肉 と 食 物 繊 維 を 組 み 合 わせて 摂 取 した 場 合 に 食 物 繊 維 が 大 腸 ガンを 防 ぐ 効 果 をもっているか いないかを 明 らかにしたものではないのです そもそも 病 気 と 食 事 の 関 連 については どこまでも 複 数 の 要 因 を 組 み 合 わせたトータル 的 な 判 断 が 必 要 とされます 大 腸 ガンと 食 物 繊 維 という 単 一 の 因 果 関 係 を 調 べて 効 果 のあるなしを 論 じても 本 質 的 な 結 論 を 導 き 出 すことはできません 欧 米 型 食 事 の 特 徴 の1つは 肉 食 ( 高 タンパク) 低 食 物 繊 維 ですが おそらくは 高 タンパク 低 食 物 繊 維 という 組 み 合 わせが 大 腸 ガンの 発 生 に 結 び 付 くものと 思 われま す 研 究 では 大 腸 ガンと 食 物 繊 維 との 関 連 についてのみ 調 査 し その 間 には 因 果 関 係 が ないということが 明 らかにされただけなのです 高 タンパク 低 食 物 繊 維 の 組 み 合 わせ が 大 腸 ガンを 発 生 させない という 結 論 に 至 ったわけではありません -35-

先 に 述 べたバーキットの 研 究 も 一 般 的 には 食 物 繊 維 と 現 代 病 の 関 係 を 明 らかにし たものと 考 えられていますが 実 は アフリカ 人 の 欧 米 食 化 と 現 代 病 の 因 果 関 係 を 明 確 にしたものと 言 えます バーキットは 食 物 繊 維 という1つの 要 素 に 注 目 して 研 究 成 果 を 報 告 していますが 本 来 は 高 タンパク 高 脂 肪 低 食 物 繊 維 という 欧 米 型 食 事 と 大 腸 ガンをはじめとするさまざまな 現 代 病 との 因 果 関 係 を 疫 学 的 に 明 らかにしたも の と 見 るべきでしょう 食 物 繊 維 を 不 足 させている 現 代 人 百 年 前 の 人 々と 比 べ 現 代 のアメリカ 人 の 食 物 繊 維 の 摂 取 量 は 20 ~ 25 %にすぎない と 言 われます そしてこの 傾 向 は そのまま 現 在 の 日 本 人 にも 当 てはまります 昭 和 30 年 以 前 の 日 本 人 と 比 べ 食 物 繊 維 の 摂 取 量 はかなり 減 少 しています 食 物 繊 維 は 一 部 を 除 いて 植 物 性 食 品 に 含 まれます そのため 穀 類 や 豆 類 野 菜 海 藻 などを 多 く 食 べていた 従 来 の 日 本 人 は 食 物 繊 維 が 不 足 するようなことはありません でした しかし 食 生 活 が 欧 米 化 し 肉 や 牛 乳 などの 動 物 性 食 品 が 大 量 に 摂 取 されるよ うになった 現 代 では 食 物 繊 維 の 摂 取 量 は 急 激 に 減 ってしまいました また 日 本 人 の 主 食 であり 貴 重 な 食 物 繊 維 源 である 穀 類 も 過 剰 な 精 製 によって 繊 維 と 栄 養 をはぎ 取 られ 真 っ 白 になってしまいました 欧 米 型 の 食 事 においては 決 まって 白 -36-

いもの やわらかいもの が 好 まれるようになります こうして ますます 食 物 繊 維 は 欠 乏 することになりました 食 物 繊 維 を 多 く 摂 るような 食 生 活 改 善 最 近 では 自 然 食 ブームによって 白 米 や 白 パンの 代 わりに 玄 米 や 雑 穀 小 麦 全 粒 粉 の パンを 食 べる 人 が 徐 々に 増 えてきました また 伝 統 的 な 日 本 食 のよさを 見 直 す 動 きも 起 こ っています 植 物 性 食 品 と 動 物 性 食 品 の 摂 取 比 率 を 9:1 にするように 勧 めています この 指 針 に 従 って 食 事 改 善 をし 植 物 性 食 品 を 多 く 摂 るようにすれば 食 物 繊 維 は 十 分 補 給 でき るようになります 食 物 繊 維 は 穀 類 豆 種 子 ナッツ 野 菜 芋 キノコ 海 藻 果 物 に 多 く 含 まれています そしてそうした 食 品 には 私 たちが 健 康 を 保 つのに 不 可 欠 な 栄 養 素 も 豊 富 に 含 まれています 最 近 では 植 物 性 食 品 中 のさまざまな 生 理 活 性 物 質 についての 研 究 が 進 み その 素 晴 らしい 働 きが 注 目 を 集 めています 海 藻 やキノコ 類 は 食 物 繊 維 の 宝 庫 で かなり 高 い 含 有 率 を 示 していますが 食 物 繊 維 の 働 きは 種 類 によって 異 なるため 多 種 類 の 食 品 から 摂 ることを 勧 めます そうすれば 他 の 栄 養 素 もバランスよく 含 まれた 理 想 的 な 低 脂 肪 高 食 物 繊 維 の 食 事 ができあがり ます 片 頭 痛 治 療 での 重 要 性 -37-

食 物 繊 維 には 食 品 や 空 気 から 取 り 込 まれた 農 薬 や 重 金 属 有 害 化 学 物 質 などを 吸 着 して 排 泄 させる 効 果 もあります 食 べ 物 が 胃 から 小 腸 にいくスピードが 遅 くなり ブドウ 糖 などの 栄 養 素 がゆっくりと 吸 収 されることになります それによって 食 後 の 急 激 な 血 糖 値 の 上 昇 が 抑 えられます そして 腸 内 環 境 を 改 善 し 腸 内 細 菌 のエサになってその 働 きを 助 けることが 食 物 繊 維 の 最 大 の 効 用 と 言 えます このようにして 酸 化 ストレス 炎 症 体 質 の 改 善 にとって 重 要 な 位 置 を 占 めていま す 日 本 人 と 欧 米 人 での 片 頭 痛 は 異 なっている 皆 さんは 日 本 人 と 欧 米 人 の 片 頭 痛 とは 異 なっていることをご 存 じでしょうか まず 欧 米 人 の 片 頭 痛 では 小 児 で 5 % 成 人 男 性 で 15 % 成 人 女 性 では 25 %にみられ るといわれていますが 日 本 人 では 6 ~ 8 % 位 ですので 欧 米 に 比 べると 頻 度 の 少 ない 頭 痛 です これまでこのような 比 較 は 寺 本 純 先 生 がされておられます 欧 米 人 との 比 較 で 前 兆 の ある 片 頭 痛 の 場 合 日 本 人 では 大 半 が 視 覚 症 状 であり 欧 米 人 では 視 覚 症 状 は 40 %で 残 りは 言 語 障 害 体 の 半 身 のしびれであり 日 本 人 では 後 頭 動 脈 領 域 に 欧 米 人 では 前 頭 動 脈 領 域 に 痛 みを 訴 え 欧 米 人 では 80 %に 吐 き 気 嘔 吐 を 伴 うのに 対 して 日 本 人 では 低 いようです 欧 米 人 では わずかな 光 小 さな 音 階 段 をゆっくり 昇 る 程 度 の 振 動 でも 嫌 がることが 多 く 頭 痛 を 起 こしていなくても わずかな 光 小 さな 音 階 段 をゆっくり 昇 る 程 度 の 振 動 でも 頭 痛 が 誘 発 されることが 多 いのに 対 して 日 本 人 では 少 ないようです 食 べ 物 によ って 誘 発 される 片 頭 痛 が 欧 米 人 では 多 いのに 対 して 日 本 人 は 少 ないようです 発 症 年 齢 は ともに 20 歳 前 後 とされています 薬 剤 使 用 率 を 見 ると 日 本 人 では 全 体 を 平 均 して 56.8 %が 市 販 薬 のみで 対 処 していま す 医 師 の 処 方 薬 のみを 使 用 している 人 は 5.4 %と 極 めて 少 なく 市 販 薬 と 医 師 の 処 方 薬 の 両 方 を 使 用 している 人 は 18.6 %で 薬 を 使 用 していない 人 は 19.2 %でした アメリカ の 報 告 では 10) 49 %が 市 販 薬 のみ 23 %が 医 師 の 処 方 薬 のみ(このように 日 本 人 に 比 べ 圧 倒 的 に 多 いようです) 23 %が 市 販 薬 と 医 師 の 処 方 薬 の 両 方 を 使 用 し 薬 を 使 用 してい -38-

ない 人 は 5 %のみであることが 分 かりました このように 欧 米 人 の 片 頭 痛 は 日 本 人 に 比 べて 発 症 頻 度 も 高 く さらに 頭 痛 の 程 度 頻 度 も 強 度 で 回 数 も 多 いことが 指 摘 されています そして 片 頭 痛 と 肥 満 の 合 併 頻 度 は 圧 倒 的 に 欧 米 に 多 く 日 本 人 では 片 頭 痛 と 肥 満 の 合 併 率 は 低 いようです ( 米 国 人 健 常 者 のBMIは28.5 日 本 人 健 常 者 のBMIは22.7といわれています ので これから 推 測 しても 片 頭 痛 に 肥 満 が 多 いことは 想 像 できると 思 います) このような 背 景 をみますと 片 頭 痛 と 肥 満 が 片 頭 痛 の 程 度 と 何 らかの 関 係 がありそう に 思 えます そこで まず 以 下 の 点 から 考 えてみましょう まず 消 化 管 の 構 造 と 機 能 の 面 から 食 べ 物 を 食 べてから 便 として 排 泄 されるまでの 時 間 は 24 ~ 72 時 間 と 言 われます 115) 日 本 人 の 場 合 排 便 までの 時 間 が 平 均 で 34 時 間 から 44 時 間 ( 一 日 半 から 二 日 ) アメリ カ 人 は 70 時 間 ( 約 三 日 ) イギリ スでは 実 に 104 時 間 ( 四 日 以 上 ) なのです ところが 食 物 繊 維 を 多 く 食 べる インドやアフリカでは 欧 米 諸 国 よ りずっと 短 く 10 時 間 程 度 なので す つまり 食 物 繊 維 を 多 く 食 べ る 国 は 排 便 までの 時 間 が 短 く 肉 食 を 主 とする 欧 米 では 時 間 が 長 い という 傾 向 があるのです ところが 日 本 人 の 大 腸 の 長 さ が 約 1.5m 欧 米 人 で 約 1m そ う 我 々の 方 が1.5 倍 も 長 いので す このように 大 腸 の 長 さが 欧 米 人 では 日 本 人 に 比 べ 短 いにも 関 わらず 食 べ 物 を 食 べ てから 便 として 排 泄 されるまでの 時 間 に 差 が 見 られます これは 欧 米 人 は 肉 中 心 の 脂 肪 分 が 多 い 食 事 ですが 日 本 人 は 昔 から 野 菜 や 穀 物 中 心 の 繊 維 が 多 い 食 事 だったことに 関 係 があるといわれています -39-

このように 食 事 の 内 容 によってこのような 違 いがあるようです 食 事 内 容 による 差 は 何 を 意 味 するのか 欧 米 人 の 肉 中 心 の 食 生 活 は マグネシウム 不 足 をもたらすことになります また 食 品 添 加 物 土 水 大 気 汚 染 などが マグネシウムの 働 きを 阻 害 しているとも 言 われています 牛 乳 鶏 卵 マグロ 牛 肉 の 摂 りすぎは 脳 内 セロトニン 不 足 その 他 を 招 くことに 繋 がります ほかにも 諸 々の 弊 害 が 指 摘 されることは 前 にも 述 べました さらに 脂 肪 の 摂 取 量 も 欧 米 人 では 数 段 日 本 人 より 多 いものと 推 測 されます とくに 米 国 人 のオメガ6 系 脂 肪 酸 とオメガ3 系 脂 肪 酸 の 摂 取 比 もかなり 高 いことか らも 生 理 活 性 物 質 との 関 連 が 示 唆 されます 以 上 のように 食 物 繊 維 は 片 頭 痛 治 療 上 重 要 になってきます その5 腸 内 細 菌 の 重 要 性 最 近 になって 腸 内 細 菌 に 対 する 認 識 が 広 まるようになってきました 腸 内 細 菌 には 体 によい 働 きをする 善 玉 菌 と 体 に 悪 い 働 きをする 悪 玉 菌 があり 悪 玉 菌 が 多 いと 大 腸 ガンをはじめとするさまざまな 病 気 が 引 き 起 こされると 言 われるようになってきまし -40-

た そして 善 玉 菌 の 働 きを 活 発 にするためのヨーグルトやオリゴ 糖 などの 売 上 が 急 激 な 伸 びを 示 し 巨 大 な 市 場 になっています 確 かに 腸 内 細 菌 は 私 たち 人 間 にとって とても 重 要 な 働 きをしています 腸 内 細 菌 の 状 態 が 健 康 を 左 右 する と 言 っても 過 言 でないことが 最 新 の 研 究 で 明 らかにされていま す 腸 内 細 菌 についての 研 究 の 歴 史 は それほど 長 いわけではありません しかし その 短 い 期 間 に 急 速 に 進 展 しています 特 にここ 数 年 の 間 に 数 多 くの 重 大 な 研 究 成 果 が 報 告 されています 従 来 からの 細 菌 培 養 法 に 新 たに 分 子 生 物 学 的 手 法 が 導 入 され 研 究 は 一 気 に 進 み 腸 内 細 菌 の 全 容 が 解 明 されるようになりました 今 や 腸 内 細 菌 についての 研 究 は 現 代 科 学 の 最 先 端 に 立 っています ここでは その 最 新 の 知 見 について 述 べていきます 最 も 身 近 なエコロジー 的 共 存 関 係 人 間 の 腸 の 中 には およそ 500 種 類 以 上 100 兆 個 以 上 もの 細 菌 が 住 んでいます 100 兆 個 といえば 私 たちの 身 体 を 形 成 する 細 胞 の 数 よりも 多 く その 細 菌 を 集 めれば 肝 臓 と 同 じくらいの 重 さになると 言 われます 腸 内 細 菌 の 多 くは 小 腸 の 終 わりから 大 腸 全 体 にわ たって 住 みつき 私 たちの 健 康 状 態 を 決 定 する 重 要 な 働 きをしています 腸 内 細 菌 の 住 処 である 大 腸 は かつて は 最 後 の 消 化 器 官 で 水 分 を 吸 収 して 便 をつくるところ 老 廃 物 の 蓄 積 場 所 とい った 程 度 の 認 識 しかなされていませんで した しかし 腸 内 細 菌 の 働 きの 重 要 性 が 明 らかになるにつれ 大 腸 に 対 する 見 方 も 根 本 的 に 変 わることになりました 最 近 では エコロジー が 人 々の 関 心 を 集 め 私 たちを 取 り 巻 く 環 境 の 悪 化 や 自 然 崩 壊 が 人 類 に 多 くの 悪 影 響 を 与 えていることが 知 られるようになってきました と ころが 考 えてみれば 私 たちにとって 最 も 身 近 で 最 大 のエコロジー 的 世 界 とは 腸 内 細 菌 の 世 界 であると 言 えます 人 間 と 腸 内 細 菌 は 持 ちつ 持 たれつの 関 係 の 中 で 共 存 している -41-

のです 100 兆 個 以 上 もの 生 き 物 が 住 みついて 生 命 活 動 を 行 い 私 たちの 健 康 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼしている 人 間 は 腸 内 細 菌 からさまざまな 恩 恵 を 受 けて 生 命 を 保 ち 腸 内 細 菌 は 人 間 によって 活 動 する 場 所 を 与 えられ 存 在 している という 事 実 は 人 間 の 体 に 備 わっている 免 疫 システムの 働 きを 考 えると とても 神 秘 的 で 不 思 議 なことなのです 人 間 の 免 疫 システムは 外 部 から 侵 入 してくる 細 菌 を 強 力 に 排 除 して 生 命 に 危 害 が 及 ばないようにしています 免 疫 システムは 人 間 を 病 気 に 至 らせる 多 くの 病 原 菌 や 有 害 物 を 排 除 して 人 体 を 守 ろうとします 腸 内 細 菌 は 免 疫 の 対 象 となる 病 原 菌 と 同 じように 細 菌 なのですが 腸 内 細 菌 は 免 疫 システムによって 排 除 されません この 不 思 議 な 事 実 は 腸 内 細 菌 が 人 体 にとって 有 益 な 働 きをするために 免 疫 システムが 味 方 として 認 め 存 在 するのを 許 している ということ を 意 味 しています 腸 内 細 菌 がいなければ 私 たち 人 間 は 細 菌 の 海 の 中 で 生 きていくことはで きません 細 菌 は 必 要 性 があって 腸 内 に 住 みつき それによって 私 たちは 自 然 界 の 中 で 生 活 することができるよう になっているのです 善 玉 菌 と 悪 玉 菌 腸 内 細 菌 は 私 たちが 食 べたものをエサにして 生 命 を 維 持 し さまざまな 物 質 をつくっ ています そうした 細 菌 の 中 には 人 間 に 有 益 な 働 きをする 有 益 菌 もいれば 逆 に 有 害 な 働 きをする 有 害 菌 もいます これが 一 般 に 言 われている 善 玉 菌 悪 玉 菌 で す その 他 に 日 和 見 菌 と 呼 ばれる 腸 内 細 菌 がいます 日 和 見 菌 とは 腸 内 の 状 態 によ って 有 害 な 働 きをしたり 無 害 であったり 有 益 な 働 きをする 菌 のことです 腸 内 細 菌 は 大 きくこの3 種 類 に 分 けられます 有 益 菌 が 多 ければ 健 康 が 保 たれ 有 害 菌 が 増 えると 病 気 にかかりやすくなります 有 益 菌 は 食 物 繊 維 やデンプンをエサにして 活 動 し 腸 内 で 発 酵 を 進 め 人 体 にさま ざまなプラスの 影 響 をもたらします 有 益 菌 の 代 表 的 なものは ビフィズス 菌 です ビ -42-

フィズス 菌 は 乳 酸 菌 の1 種 で 発 酵 により 乳 酸 などの 有 機 酸 を 生 成 し 腸 内 の 酸 性 度 を 高 めて 有 害 菌 の 繁 殖 を 抑 えます 有 益 菌 が 活 発 に 活 動 していれば 消 化 吸 収 が 促 さ れ 免 疫 力 は 高 まり 健 康 を 保 つことができます ( 乳 酸 菌 は 乳 酸 発 酵 に 関 与 する 細 菌 の 総 称 で 現 在 までに 約 350 種 類 が 確 認 されています ビフィズス 菌 はそのうちの1 種 で 現 在 までに 約 35 種 類 が 確 認 されています ビフィズス 菌 は 人 間 の 腸 内 に 住 みつくことの できる 細 菌 で 腸 内 細 菌 の 中 で 最 も 重 要 な 役 割 を 担 っています ) 有 害 菌 はタンパク 質 を 好 み 腸 内 で 腐 敗 を 起 こし 健 康 にマイナスをもたらします 有 害 菌 の 代 表 的 なものは ウエルシュ 菌 です その 他 にも 大 腸 菌 や ブドウ 球 菌 などが 知 られています 有 害 菌 はタンパク 質 や 脂 肪 を 分 解 して 有 害 物 質 発 ガン 物 質 を 生 成 し 腸 内 環 境 を 悪 化 させます それによって 老 化 が 早 まり 病 気 にかかりやすくな るのです ( 悪 玉 菌 として 名 高 い ウエルシュ 菌 は 腸 内 に 常 在 する 有 害 菌 クロス トリジウム の1 種 です ) このように 聞 くと 大 半 の 人 々は 何 とか 憎 い 悪 玉 菌 を 体 内 から 追 い 出 して 善 玉 菌 だけ にしたいと 思 うかもしれません そして 善 玉 菌 を 増 やすために ヨーグルトをせっせと 食 べるかもしれません こうした 考 えが 世 の 中 に 常 識 として 定 着 し 安 易 なヨーグルトブー ムを 生 み 出 すことになっています しかし その 考 え 方 は 間 違 っています 腸 内 細 菌 のバランス 一 般 的 に 腸 内 細 菌 は 善 玉 菌 悪 玉 菌 に 区 別 され 悪 玉 菌 はもっぱら 不 用 な 厄 介 者 のように 思 われていますが そうではありません もし 悪 玉 菌 と 呼 ばれている 菌 が 本 当 に 人 体 に 害 をも たらすだけのものであるなら 免 疫 システムの 働 きによって とっくに 排 除 されているはずで す 一 生 懸 命 にヨーグルトを 食 べて 腸 内 から 追 い 出 そうとしなくても とっくにいなくなっていることでしょう ここに 大 きな 生 命 活 動 の 神 秘 があるのです 免 疫 がいわゆる 悪 玉 菌 を 排 除 しないでいるということは 実 は 悪 玉 菌 は 人 体 にとっ て 必 要 な 存 在 であるからです 人 体 に 有 益 な 働 きをするために あえて 生 かしているので -43-