読 解 力 向 上 に 関 する 研 究 研 究 主 題 読 解 力 向 上 をめざす 学 習 指 導 各 教 各 領 域 における 指 導 過 程 を 通 して 研 究 概 要 本 研 究 は 003 年 OECD が 実 施 した PISA 調 査 ( 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 )の 結 果 から 課 題 とされ た PISA 型 読 解 力 を 向 上 させるための 開 発 研 究 であ 平 成 7 年 月 に 文 部 学 省 から 出 された 読 解 力 向 上 に 関 する 指 導 資 料 読 解 力 向 上 プログラ ム を 参 考 に 読 解 力 向 上 のための 授 業 構 想 をどのように 立 てたらよいかについて 各 教 で 取 り 組 むことにした 今 年 度 は まず 国 語 社 会 算 数 数 学 理 の4 教 での 開 発 を 試 み 各 教 でどのように 読 解 力 を 育 てていくことができるかを 実 践 を 通 して 明 らかにした 研 究 の 目 的 本 研 究 は PISA 調 査 で 課 題 とされた 読 解 力 ( 以 下 読 解 力 と 表 記 して 述 べる)の 向 上 を 図 るための 各 教 の 指 導 方 法 や 指 導 事 例 を 小 中 学 校 へ 提 供 するために 行 う 主 題 設 定 の 理 由 平 成 6 年 月 に 生 徒 の 学 習 到 達 度 調 査 (PISA003)の 調 査 結 果 が 公 表 され 読 解 力 の 得 点 の 低 さが 問 題 となった この 読 解 力 は 自 らの 目 標 を 達 成 し 自 らの 知 識 と 可 能 性 を 発 達 させ 効 果 的 に 社 会 に 参 加 するため 書 かれた テキストを 理 解 し 利 用 し 熟 考 する 能 力 と 定 義 されてい 特 徴 として 次 の 3 点 が 挙 げられ 文 章 だけでなく 非 連 続 型 のテキスト(デー タを 視 覚 的 に 表 現 した 図 グラフ 表 マト リクス 技 術 的 な 説 明 などの 図 地 図 書 式 など)も 対 象 であること 理 解 ( 情 報 の 取 り 出 し)だけでなく 解 釈 熟 考 評 価 の 能 力 を 育 成 すること 読 むことだけでなくテキストを 利 用 して 論 述 する 能 力 も 育 成 すること これらを 社 会 生 活 に 役 立 つ 読 解 力 として 育 てることが 喫 緊 の 課 題 であることが 提 言 された これを 受 けて 読 む 考 える 書 く の 循 環 の 中 で 読 解 力 の 育 成 を 図 ろうと 平 成 7 年 月 に 文 部 学 省 から 読 解 力 向 上 に 関 する 指 導 資 料 読 解 力 向 上 プログラム が 出 された し かし 指 導 事 例 として 出 されているものは その 形 式 が 主 で 実 際 の 指 導 をどのように 行 うかは 現 場 の 実 践 に 任 されてい この 読 解 力 は 生 きる 力 を 育 むことを めざしている 学 習 指 導 要 領 の 趣 旨 を 生 かすために も 国 語 だけでなく 全 教 で 社 会 生 活 に 役 立 つ 読 解 力 として 育 成 を 担 うべきものであ これまでも 各 教 の 指 導 や 学 習 で 文 章 や 資 料 を 読 むこと に 力 を 入 れてきてはいるが PISA が 提 言 した 読 解 力 の 観 点 からの 指 導 はほとん ど 行 われていなかったと 言 え そこで 各 教 で 何 をどのように 指 導 すれば 読 解 力 が 育 成 できるかを 追 究 し 各 学 校 に 指 導 方 法 や 実 践 事 例 を 提 示 していきたいと 考 えた 3 研 究 目 標 読 解 力 の 定 義 を 踏 まえ 各 教 各 領 域 に おける 効 果 的 な 指 導 方 法 を 明 らかにす
4 研 究 の 視 点 () 各 教 で 育 てる 読 解 力 の 視 点 の 協 議 () 読 解 力 の 向 上 を 図 る 授 業 実 践 (3) 解 釈 熟 考 評 価 の 力 を 高 める 手 立 て 5 研 究 計 画 () 読 解 力 について 文 部 学 省 の 資 料 図 書 資 料 をもとに 協 議 () 教 ( 国 語 社 会 算 数 数 学 理 )にお ける 読 解 力 のとらえ 方 の 協 議 (3) 読 解 力 を 育 てるのに 効 果 的 な 領 域 と 時 間 の 学 習 過 程 における 指 導 の 構 想 (4) 検 証 授 業 と 考 察 6 研 究 内 容 () 各 教 で 育 てる 読 解 力 各 教 の 特 色 から 読 解 力 を 考 えるとき ど の 教 でも テキストを 理 解 ( 情 報 の 取 り 出 し) 既 習 の 知 識 や 自 分 の 経 験 などと 関 連 させて 読 む ( 解 釈 ) さまざまな 角 度 から 自 分 の 考 えをもっ たり 正 否 妥 当 性 などを 考 えたりする( 熟 考 評 価 ) 考 えを 表 現 する( 論 述 )という 一 連 の 過 程 の 中 で 育 成 すべきであこれを 図 に 表 すと 以 下 のようになる 図 読 解 力 向 上 のプロセス 図 ( 文 部 学 省 読 解 力 向 上 のプログラム 全 体 像 を 参 考 に 作 成 ) 社 会 生 活 に 役 立 つ 読 解 力 各 教 に お け る 知 識 技 能 情 報 の 取 り 出 し ( 正 確 な 内 容 理 解 ) 建 設 的 批 判 読 み (クリティカルリーディング) 解 釈 ( 作 者 の 意 図 の 理 解 ) 熟 考 ( 知 識 経 験 と 結 びつけ) 評 価 ( 自 分 独 自 の 意 見 ) 論 述 ( 表 現 ) 読 む 聞 く 読 む 考 える 書 く 話 す 関 連 させる 推 論 する 比 較 する 批 評 する 読 書 経 験 直 接 体 験 様 々な 文 章 や 資 料 を 読 む 機 会 を 多 く 単 元 構 成 の 留 意 点 複 数 のテキスト 発 問 の 工 夫 読 みの 比 較 交 流 自 分 の 意 見 を 述 べたり 書 いたり する 機 会 を 多 く 各 教 の 目 標 ( 思 考 力 判 断 力 表 現 力 ) PISA 型 読 解 力 : 自 らの 目 標 を 達 成 し 自 らの 知 識 と 可 能 性 を 発 達 させ 効 果 的 に 社 会 に 参 加 す るために 書 かれた 文 章 や 資 料 を 理 解 し 利 用 し 熟 考 する 力
国 語 社 会 算 数 数 学 理 の 学 習 指 導 の 中 で 何 に 視 点 を 当 てて 読 解 力 を 育 てるか 協 議 した 結 果 を 以 下 の 表 のようにまとめた 特 に 重 点 的 に 指 導 を 行 う 必 要 があるのは 熟 考 評 価 ( 比 較 推 論 批 評 して 読 む)の 考 え て 読 む 過 程 であ 正 確 な 内 容 理 解 の 上 に 読 ん で 考 える 考 えて 読 む 活 動 を 工 夫 したい 表 読 解 力 を 育 てる 各 教 の 視 点 過 程 教 情 報 の 取 り 出 し ( 読 む) 解 釈 ( 意 味 を 読 む) 熟 考 評 価 ( 比 較 推 論 批 評 して 読 む) ( 考 える 意 見 を 交 流 する) 論 述 ( 表 現 する) 育 てたい 力 国 語 テキストの 内 容 の 理 解 語 句 あらすじ 事 柄 構 成 挿 絵 など 作 者 の 思 い 登 場 人 物 の 心 情 筆 者 の 表 現 意 図 表 現 形 式 表 現 の 工 夫 自 分 の 考 え 表 現 の 効 果 考 えを 書 く 意 見 を 書 く 自 分 の 考 えや 体 験 と 結 びつけ 文 章 や 筆 者 の 考 え 方 を 評 価 して 読 む 人 間 や 社 会 につ いて 考 え 社 会 テキストの 内 容 の 理 解 文 章 グラフ 地 図 写 真 統 計 年 表 など 社 会 事 象 との 関 連 付 け 既 習 事 項 との 関 連 付 け 資 料 の 特 徴 が 読 み 取 れること 知 識 や 経 験 に 位 置 づけ 自 分 の 解 釈 の 妥 当 性 を 検 討 報 告 のための 資 料 を 作 考 えを 書 く 発 表 す 複 数 の 資 料 を 関 係 付 けて 読 み 推 論 す 社 会 的 事 象 の 特 色 や 関 連 から 社 会 のしくみ を 見 る 目 を 広 め 深 め 算 数 数 学 テキストの 内 容 の 理 解 問 題 文 定 理 数 量 表 式 グラフ 図 形 場 合 の 数 など 解 決 の 見 通 し 表 式 グラフの 数 学 的 解 釈 文 章 を 絵 ( 模 式 図 ) 図 (テープ 図 線 分 図 を 含 む) 線 などで 表 現 起 こりやすさ きまりや 規 則 性 数 理 的 な 処 理 の よさ 解 決 の 道 筋 帰 納 的 推 論 演 繹 的 推 論 確 率 自 分 の 考 えを 論 理 的 に 表 す ( 文 章 表 式 グラ フ 図 ) 説 明 す 論 証 す 文 章 や 表 式 グラフなどを 読 み 目 的 にあ った 解 釈 判 断 をして 解 決 す 数 学 的 な 考 えを 生 活 に 生 かす 蓋 然 性 について 理 解 す 理 テキストの 内 容 の 理 解 説 明 論 述 課 題 の 把 握 データ 処 理 など 仮 説 を 立 てる 結 果 観 察 の 記 録 予 想 との 比 較 データ 記 録 から の 考 察 裏 づけのある 考 え 知 識 事 象 との 関 連 付 け 自 分 の 考 えを 根 拠 をもとに 話 し 合 う 資 料 を 作 成 す 表 やグラフ 図 などで 学 的 に 説 明 す 観 察 実 験 の 結 果 を 通 して デ ータ 記 録 を 整 理 し 解 釈 熟 考 す 学 的 な 思 考 を 実 生 活 に 役 立 て
() 単 元 構 成 の 留 意 点 前 項 ()に 述 べた 読 解 力 を 育 てる 各 教 の 視 点 表 によって 授 業 構 想 を 立 てた その 際 次 の 3 点 に 留 意 した 複 数 のテキストを 関 係 付 けて 読 む 活 動 を 増 やす 自 分 の 考 えを 持 つように 発 問 を 工 夫 す 3 自 分 の 考 えと 友 達 の 考 えを 比 較 し 交 流 する 場 を つく 実 践 事 例 複 数 のテキストを 関 係 付 けて 読 む < 社 会 ( 小 4)> わたしたちの 県 土 地 の 様 子 学 習 活 動 と 内 容 副 読 本 の 一 文 を 読 む 千 葉 県 は 南 の 九 州 に にたあたたかいとこ ろといえます 教 材 文 に 示 されたと おりのことが 言 える かどうか 資 料 を 読 む 教 書 の 桜 前 線 の 統 計 地 図 だけでは 証 明 できない 提 示 された5つの 資 料 を 関 係 付 けて 考 え と3の 資 料 から 教 材 文 には 不 賛 成 桜 前 線 の 資 料 との 資 料 と 比 べると やっ ぱり 千 葉 は 暖 かい で も 4と5のグラフか らは 賛 成 できない 3 自 分 の 考 えを 選 ん だ 資 料 から 理 由 付 け して 友 達 に 話 す 暖 かいことは 言 える けれど と4から 九 州 と 同 じとは 言 い 切 れない 理 由 は そうか 4の 資 料 には 気 づかなかった 複 数 のテキストとの 関 係 付 け 本 文 と 資 料 桜 前 線 の 統 計 地 図 と 関 係 付 けて 読 ませ 桜 前 線 の 地 図 を 見 て この 文 は 正 しい と 言 えるかな 教 書 の 資 料 の 他 に 千 葉 県 の 気 候 の 特 色 を 表 す 5 つ 資 料 を 提 示 し 根 拠 となるも のを 選 び 自 分 の 考 え を 持 てるようにす 全 国 年 間 の 平 均 気 温 表 紅 葉 前 線 の 統 計 地 図 3 みかんとりんごの 主 要 生 産 地 と 生 産 高 の 統 計 地 図 4 千 葉 県 各 地 の 月 4 月 7 月 0 月 の 平 均 気 温 5 九 州 と 関 東 の 都 市 の 年 間 平 均 気 温 どちらの 立 場 に 立 っ ての 考 えか どの 資 料 からどう 読 んだの か の 理 由 をきちん と 言 わせ それぞれ 複 数 の 資 料 を 関 係 付 けて 読 むことに よって 本 文 に 賛 成 かどうか 根 拠 をもった 自 分 の 考 えを 理 由 付 けして 述 べることができた( 論 述 ) さらに 自 分 と 異 なった 意 見 に 対 して 資 料 で 確 かめながら 反 論 していた ( 熟 考 評 価 )また 千 葉 県 の 気 候 は 南 部 と 北 部 ではかなり 差 があ 九 州 と 似 ているのは 館 山 近 辺 だ という 深 い 考 えも 出 された 建 設 的 批 判 読 みとなってい 実 践 事 例 自 分 の 考 えを 持 つような 発 問 < 算 数 ( 小 4)> 調 べ 方 と 整 理 の 仕 方 学 習 活 動 と 内 容 発 問 の 工 夫 わたしたちの 学 校 での 怪 我 の 様 子 を 調 べ 生 活 を 見 つめなおそう か 月 の 怪 我 の 記 録 を 見 やすいように 表 にす すりきず だぼく 校 庭 5 4 体 育 館 6 5 教 室 4 8 階 段 0 その 他 7 合 計 4 9 表 から 読 み 取 ったこ と 考 えたことを 書 く すり 傷 がいちばん 多 い 校 庭 は 体 育 や 遊 びでよ く 走 って 転 ぶ 人 が 多 い から 校 庭 で 怪 我 をするのは きっと 休 み 時 間 に 多 い と 思 う 体 育 館 と 教 室 で 打 撲 が 多 いのは 道 具 や 机 など があるからだ 3 友 達 と 話 し 合 う ぼくは 教 室 で 打 撲 が 多 いのは おかしいと 思 う だって 作 成 した 表 の 正 しさ を 読 み 取 る 発 問 記 録 と 表 が 合 って いるか 確 かめたか ( 気 づかない 子 には 合 計 を 確 認 させ) 表 から 読 み 取 れるこ とを 意 図 した 発 問 どこで どんな 怪 我 が 多 いか それは どのように 読 んだの 他 に 気 づいたこと は? 自 分 の 考 えを 持 てる ような 発 問 それは なぜ? どんなことが 言 え る? あなたは どう 思 う 自 分 の 生 活 と 比 べて 考 えると ぼくは~ 思 う な ぜかと 言 うと と 必 ず 理 由 を 述 べさ せ 最 初 は どこで どんな 怪 我 が 多 いか だけに 反 応 していたが なぜ どうして どこから と 根 拠 を 求 める 発 問 を 工 夫 することによって な ぜ ~の 怪 我 が 多 いか どんな 行 動 から 怪 我 が 起 きるか を 自 分 の 生 活 や 行 動 と 結 び 付 けて 読 みとることができた( 熟 考 評 価 ) 個 人 で 読 み 取 った 後 3 自 分 の 読 みと 友 達 の 読 みを 比 べる 交 流 の 場 やグループでの 話 し 合 いの 活 動 を 取 り 入 れた 話 すときには 必 ず 考 えや 意 見 の 根 拠 を 述 べることを 徹 底 すると 聞 いて 考 え る 姿 何 度 も 資 料 を 読 み 直 し 自 分 の 考 えを 修 正 す る 子 の 姿 が 見 られた( 論 述 )
(3) 具 体 的 な 実 践 単 元 前 項 ()に 挙 げた 3 つの~3 点 に 留 意 して 実 践 した 単 元 は 以 下 ( 表 )の 通 りであ 表 単 元 と 読 解 力 育 成 のねらい 教 学 年 単 元 ( 開 発 の 視 点 ) 読 解 力 育 成 のねらい 国 小 3 小 5 ニュース 番 組 を 作 ろう ~ 新 聞 記 事 を 読 んで~ ( 資 料 を 自 分 で 選 ぶ) わたしは 広 がる ~ 自 分 の 考 えをもって~ ( 考 えの 交 流 方 法 の 工 夫 ) テキストに 基 づいて 自 分 の 考 えを 書 く 力 を 高 める 指 導 自 分 の 選 んだ 新 聞 記 事 を 感 想 を 加 えて 伝 えるという 目 的 を 持 っ て 読 む テキストに 基 づいて 自 分 の 考 えを 書 く 力 を 高 める 指 導 放 課 後 の 友 達 との 遊 びについてのグラフを 読 み 自 分 ならどの 立 場 で 行 動 するかを 考 えて 手 紙 形 式 で 友 達 と 意 見 交 換 をす 語 社 会 算 数 小 6 中 小 4 小 5 中 小 4 人 類 よ 宇 宙 人 になれ ~ 説 明 文 の 主 体 的 な 読 み~ ( 読 みの 観 点 の 工 夫 ) 実 践 事 例 3 麦 わら 帽 子 ~ 物 語 文 の 挿 絵 を 読 む~ ( 関 連 付 けの 工 夫 ) わたしたちの 県 土 地 の 様 子 ~グラフ 地 図 と 本 文 を 読 む~ ( 複 数 の 資 料 の 用 意 ) 実 践 事 例 私 たちの 国 土 と 環 境 さまざまな 自 然 とくら し ~ 二 つのグラフを 比 べて 読 む~ ( 関 連 付 けの 明 らかな 資 料 ) 身 近 な 地 域 ~ 地 形 図 から 地 域 の 生 活 を 読 む ~ ( 既 習 の 知 識 との 関 連 付 け) 調 べ 方 と 整 理 のしかた ~ 表 を 作 成 して 考 える~ ( 生 活 との 関 連 付 け) 実 践 事 例 テキストを 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 説 明 文 の 見 出 し 資 料 表 現 の 観 点 から 読 み 取 り その 観 点 に ついて 吟 味 し 自 分 の 考 えをもって 筆 者 の 述 べ 方 への 意 見 を 持 つ テキストを 理 解 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 改 訂 前 の 教 書 と 現 行 の 教 書 の 挿 絵 を 比 べ 自 分 の 読 みに 合 うのはどちらか 根 拠 を 持 って 説 明 す テキストを 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 8 研 究 のまとめ 千 葉 県 の 気 候 について 温 かい 九 州 と 同 じ という 本 文 と 気 温 のグラフ 桜 前 線 果 実 の 収 穫 地 図 などを 対 応 させて 読 み 確 かかどうか 判 断 す テキストを 理 解 解 釈 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 気 温 と 降 水 量 のつのグラフを 読 み どんなところの 気 候 なの かを 既 習 内 容 や 体 験 ニュースなどから 根 拠 を 持 って 推 察 す テキストを 解 釈 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 提 示 された 地 形 図 と 他 の 資 料 から 実 際 の 地 形 と 生 活 を 推 測 す テキストを 数 学 的 に 理 解 解 釈 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 自 分 の 学 校 の 怪 我 の 記 録 を 分 かりやすい 表 に 表 し どこでどん な 怪 我 が 起 きているかを 読 み 取 り 自 分 たちの 生 活 から 考 えた ことを 出 し 合 う 小 6 比 例 ~ 二 つの 変 わる 量 の 関 係 ~ ( 既 習 の 学 習 との 関 連 付 け) テキストを 利 用 して 自 分 の 考 えを 表 現 する 力 を 高 める 指 導 二 つの 伴 って 変 わる 量 の 関 係 を 表 グラフ 式 に 表 して 量 的 な 関 係 を 考 え 表 現 す 数 学 中 3 速 さ ~グラフを 読 み 取 り 文 章 に 表 す~ ( 論 理 的 な 表 現 ) テキストを 解 釈 熟 考 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 直 線 が 交 わるグラフからグラフの 表 している 速 さ を 読 み 取 り その 変 化 の 様 子 を 正 しい 文 章 に 表 す 理 小 6 水 溶 液 の 性 質 ~ 実 験 結 果 をもとに 考 える~ ( 複 数 のデータから 判 断 ) テキストを 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 前 時 の 塩 酸 に 溶 けたアルミニウムについて 考 え 化 学 変 化 につ いて 自 分 の 知 識 や 思 考 を 駆 使 して どんな 物 質 になったかを 予 想 す 小 6 中 水 溶 液 の 性 質 ~ 実 験 結 果 をもとに 考 える~ ( 推 論 を 絵 や 図 で 表 現 ) 動 物 の 生 活 と 種 類 ~ 実 験 の 結 果 のデータから 考 察 して 表 現 す る~ ( 自 分 たちで 資 料 を 作 成 ) 実 践 事 例 4 テキストに 基 づいて 自 分 の 考 えを 表 現 する 塩 酸 に 溶 けたアルミニウムが 別 の 物 質 に 変 化 した 理 由 を 事 実 から 推 論 して 実 験 によって 確 かめ 文 章 にまとめ テキストを 熟 考 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 実 験 の 結 果 のデータから 唾 液 のはたらきによってでんぷんが 小 さい 粒 子 の 物 ( 糖 )になったことを 考 え 文 章 に 表 す
(4) 実 践 事 例 Ⅰ 国 語 テキストを 評 価 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 実 践 事 例 3 目 標 説 明 文 の 主 体 的 な 読 みをめざす 指 導 の 手 立 て 人 類 よ 宇 宙 人 になれ ( 小 6) < 情 報 の 取 り 出 し 解 釈 > < 熟 考 評 価 > < 表 現 > 語 句 や 文 を 正 確 に 読 む 文 章 構 成 を 理 解 する 筆 者 の 考 えを 読 む 自 分 の 考 えをもつ 根 拠 を 持 つ 意 見 交 換 しあう 考 えを 書 く 理 由 付 けて 話 す * 問 いの 工 夫 * 話 し 合 い 活 動 * 効 果 的 な 表 現 * 様 々な 角 度 から 読 む ( 思 考 の 相 互 評 価 ) * 根 拠 を 明 確 に * 明 確 な 立 場 で 本 時 () 目 標 小 見 出 し3 太 陽 が 死 ねば 地 球 も 死 ぬ を 読 み 表 現 方 法 について 評 価 し 話 し 合 い 活 動 を 通 して 考 えを 深 めることができ () 展 開 8/3 学 習 活 動 と 内 容 読 解 力 の 視 点 からの 指 導 の 工 夫 ( )と 評 価 ( ) 小 見 出 し3の 文 章 の 表 現 方 法 につい て 考 えよう 自 分 で 評 価 しながら 読 む3つのポイント 見 出 しは 分 かりやすい? 例 資 料 の 挙 げ 方 は? 3 表 現 の 工 夫 は? 各 自 上 記 3 つのポイントについて 表 にまとめ( 実 際 は 縦 書 き) 視 点 自 分 の 考 え 考 えの 根 拠 理 由 見 出 し 変 えるか 見 出 しを つにす るとよい 最 初 の 段 落 だけに 見 出 しの 内 容 が 書 か れてい 後 の8 段 落 は 人 類 と 地 球 の 関 係 例 資 料 3と 5 は 合 って い4は 合 っていない 地 球 の 写 真 を 表 現 4には 文 章 と 合 った 金 星 の 高 熱 を 表 して いる 写 真 か 温 度 の 表 が 入 るべき 3 各 自 の 評 価 をもとにグループで 話 し 合 う ぼくは 筆 者 の 考 えの 述 べ 方 に 問 題 があ ると 思 う 例 えば 地 球 は 太 陽 なし には 生 きられない という 文 があるが その 理 由 が 書 かれていない 他 にも 4 グループで 話 し 合 ったことを 全 体 で 聞 き 合 う 各 自 が 評 価 しながら 読 むこと 自 分 の 考 えの 根 拠 をはっきりさせることを 確 認 す 説 明 文 を 主 体 的 に 読 むために 視 点 ( 見 出 し 資 料 表 現 )を 明 確 にして 示 す 他 の 資 料 と 比 較 できるように 図 書 資 料 を 用 意 す ( 複 数 のテキストの 用 意 ) みんなで 考 える 地 球 環 境 シリーズ 教 えて 世 紀 星 空 探 検 隊 シリーズ 惑 星 の 探 検 星 と 星 座 と 宇 宙 の 旅 シリーズ 写 真 とデータで 考 える 世 紀 の 地 球 環 境 など 根 拠 をもとに 自 分 の 考 えを 書 いているか ( 立 場 を 明 確 にして 読 むような 発 問 ) あなたは なぜそう 思 う? どうなっていたらよいかな? 友 達 の 考 えの 根 拠 を 確 かめ 考 えを 深 め 合 ってい くことを 確 認 す( 自 分 の 考 えを 友 達 と 交 流 ) ~について 自 分 の 考 えの 立 場 考 えの 根 拠 3どのようにしたらよいか の 順 に 話 そう 根 拠 をもとに 自 分 の 考 えを 述 べたり 質 問 したり しているか ( 話 し 合 いで 深 める) (3) 成 果 内 容 を 理 解 した 上 に 筆 者 の 述 べ 方 につ いてどう 考 えるかを 問 うことによって テキストを 熟 考 評 価 して 読 むことがで き (4) 課 題 考 えを 深 めるためには 友 達 の 読 みの 視 点 や 考 えを 自 分 の 考 えと 交 流 する 話 し 合 いの 時 間 を 十 分 に 確 保 する 必 要 があ
Ⅱ 理 テキストを 熟 考 しながら 読 む 力 を 高 める 指 導 実 践 事 例 4 実 験 結 果 から 考 察 して 表 現 することをめざす 指 導 の 手 立 て 動 物 の 生 活 と 種 類 でんぷんのはたらき ( 中 ) < 情 報 の 取 り 出 し 解 釈 > < 熟 考 評 価 > < 表 現 > 問 題 把 握 収 集 した 資 料 を 読 む ( 図 表 グラフなど) 観 察 実 験 結 果 の 整 理 仮 説 を 立 てる 表 や 図 に 表 す 観 察 実 験 の 結 果 から 推 論 する 学 的 な 解 釈 を 加 える 資 料 を 作 成 し 説 明 モデル 化 する 報 告 する * 学 的 な 思 考 を 育 てる 問 い * 思 考 の 流 れが 分 かる 記 述 観 察 から 分 かったことは? 図 に 表 すとどうなる? 実 験 から 分 かったことは? * 話 し 合 い 他 の 人 の 考 えもとり 入 れて どうして そう 考 えたのか? 本 時 () 目 標 実 験 の 結 果 の 表 を 読 んで 解 釈 し でんぷんが 糖 になっていることを 推 論 す () 展 開 3/0 学 習 活 動 と 内 容 読 解 力 の 視 点 からの 指 導 の 工 夫 と( ) セロハンチューブに 入 れたでんぷんだけの 物 と 唾 液 を 加 えておいた 物 のベネジクト 反 応 とヨウ 素 反 応 を 見 反 応 の 様 子 を 表 にまとめ 校 内 LAN を 利 用 して パソコンに 打 ち 込 む -パソコンに 打 ち 込 んで 全 員 で 共 有 した 実 験 の 結 果 の 表 - ジ ャ ガ イ モ の み ジ ャ ガ イ モ + だ 液 チューブ 内 チューブ 外 チューブ 内 チューブ 外 ヨウ 素 反 応 ヨウ 素 反 応 ヨウ 素 反 応 ベネジク ト 反 応 ヨウ 素 反 応 ベネジク ト 反 応 - - - - 3-3- 4-4- 3 一 覧 になったヨウ 素 反 応 とベネジクト 反 応 の 実 験 の 結 果 から でんぷんの 変 化 を 考 え この 表 から 唾 液 を 加 えた 物 は でんぷんでない 物 ( 糖 )に 変 化 していることが 言 え( 推 論 ) つの 班 を 除 くと チューブの 外 にも 糖 があると 言 えきっと 糖 になって 滲 みだしていると 4 グループで 考 えを 出 し 合 い 結 論 を 出 す でんぷんが 糖 になると 小 さい 粒 になるから チ ューブ 膜 を 通 り 抜 けて 外 に 出 たんだよ 5 全 体 で 話 し 合 い 実 験 から 明 らかになったことを まとめ 5-5- 6-6- 7-7- 8-8- と 評 価 ( ) 実 験 結 果 から 明 らかになったことを 熟 考 評 価 できるように 予 想 をノートに 書 いておくようにさせ( 自 分 の 考 え をもって 読 む) 変 化 や 気 づいたことを 書 き 留 めておく ように 指 示 す 実 験 の 結 果 の 表 をテキストにして 考 えさせ( 推 論 評 価 ) なぜ? どんな 様 子 から? 他 のグループと 異 なるのは? 図 に 表 してごらん ぼくたちの 実 験 では 反 応 が 出 な かったけど 他 の 班 はほとんど だから 糖 に 変 化 していると 思 う 実 験 の 仕 方 に 問 題 があったかもし れない ( 評 価 ) 唾 液 と 混 ざるとでんぷんでないものに 変 化 し チューブの 外 に 出 てくること を 自 分 の 言 葉 で 書 いているか 糖 になるとチューブの 外 に 滲 み 出 す 人 間 の 体 もそうなっていて 栄 養 を 吸 収 してるんだ 唾 液 の 働 きとチューブの 役 目 が 分 か った ( 熟 考 ) 文 章 だけでなく 学 的 な 思 考 がまと めに 表 れるよう イメージ 図 や 表 など を 入 れてまとめているか (3) 成 果 自 分 たちで 作 成 した 実 験 結 果 の 表 をテキス トにすることによって 学 級 全 体 の 実 験 結 果 を 共 有 できた 異 なりや 共 通 点 から 解 釈 し 熟 考 評 価 しながら 読 むことができた (4) 課 題 テキストの 理 解 熟 考 評 価 させるために は 基 礎 的 な 内 容 理 解 と 関 係 付 けのための 知 識 や 実 験 や 観 察 の 経 験 が 必 要 であ
7 次 年 度 へ 向 けて 実 践 授 業 で 取 り 上 げた 学 習 内 容 は 従 来 実 践 され てきたものを 読 解 力 の 視 点 から 単 元 構 成 したも のであ 実 践 の 結 果 読 解 力 育 成 向 上 は 特 別 に 新 しい 指 導 を 行 うというのではなく 熟 考 評 価 しながら 読 む ことを 意 識 して 指 導 すればよいこ とが 明 らかになった 指 導 者 が 読 解 力 育 成 を 意 識 して 教 材 研 究 を 行 い 発 問 を 考 えて 指 導 に 当 た ることが 大 切 であ 以 下 に 授 業 実 践 を 通 して の 具 体 的 な 成 果 と 課 題 を 記 す () 成 果 複 数 のテキストを 用 意 し 関 係 付 けて 読 む 活 動 を 組 むと 多 様 で 根 拠 のある 考 えが 導 け 教 師 が なぜ? どうして? 理 由 は? と 考 えの 根 拠 を 問 うと テキストをよく 読 んで 解 釈 を 深 め 熟 考 評 価 しながら 読 む 力 を 高 めることが でき 個 人 の 読 みや 考 えを 出 し 合 い 友 達 と 交 流 す ること(グループで 交 流 し 合 う 全 体 で 紹 介 し 合 うという 過 程 を 経 る)を 経 ると 自 分 の 考 えを 述 べられるようになり 考 えを 修 正 し たり 深 めたりすることができ () 課 題 読 解 力 育 成 を 図 るためには その 土 台 となる 基 礎 的 な 言 葉 の 理 解 ( 各 教 の 用 語 語 句 の 意 味 )や 体 験 経 験 が 重 要 であ 考 えたことを 書 いたり 話 したりする 能 力 が 不 足 しているときへの 具 体 的 な 支 援 を 考 え ていくことが 必 要 であ 次 年 度 は 引 き 続 き 4 教 での 実 践 を 通 し て 読 解 力 を 育 成 するためのカリキュラム 作 りを 行 い 実 践 指 導 事 例 集 を 作 成 す 成 果 としてあげた 3 点 について さらに 具 体 的 な 方 策 を 考 えていきたい 研 究 組 織 通 年 講 師 千 葉 大 学 教 育 学 部 助 教 授 森 田 真 吾 研 究 協 力 員 千 葉 市 立 登 戸 小 学 校 教 諭 根 本 妙 子 千 葉 市 立 轟 町 小 学 校 教 諭 内 藤 邦 子 千 葉 市 立 緑 町 小 学 校 教 諭 岩 原 浩 之 千 葉 市 立 星 久 喜 小 学 校 教 諭 安 部 功 貴 千 葉 市 立 幸 町 第 四 小 学 校 教 諭 武 富 教 子 千 葉 市 立 朝 日 ケ 丘 小 学 校 教 諭 小 林 さおり 千 葉 市 立 土 気 南 小 学 校 教 諭 小 高 美 知 代 千 葉 市 立 あすみが 丘 小 学 校 教 諭 青 木 紀 子 千 葉 市 立 新 宿 中 学 校 教 諭 今 井 功 千 葉 市 立 千 城 台 西 中 学 校 教 諭 川 嶋 正 人 千 葉 市 立 天 戸 中 学 校 教 諭 宮 野 昭 仁 千 葉 市 立 山 王 中 学 校 教 諭 内 藤 優 高 所 内 担 当 教 育 研 究 部 門 新 村 実 治 古 屋 直 樹 宮 葉 清 子 ( 担 当 ) 反 町 京 子 参 考 文 献 等 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 きるための 知 識 と 技 能 00 国 立 教 育 政 策 研 究 所 生 きるための 知 識 と 技 能 004 国 立 教 育 政 策 研 究 所 PISA003 評 価 の 枠 組 み 0045 文 部 学 省 読 解 力 向 上 に 関 する 指 導 資 料 005 横 浜 国 立 大 学 教 育 人 間 学 部 附 属 横 浜 中 学 校 読 解 力 とは 何 か 0063 文 部 学 省 初 等 教 育 資 料 0064~7 千 葉 市 教 育 センター 研 究 紀 要 第 5 号 テーマ: 読 解 力 向 上 に 関 する 研 究 研 究 対 象 : 小 学 校 中 学 校 研 究 領 域 : 学 習 指 導 分 類 番 号 : 学 習 指 導 F-0 研 究 内 容 キーワード:PISA 型 読 解 力 読 解 力 向 上 資 料 活 用 表 現 力 の 育 成 思 考 力 の 育 成