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34 板 谷 厚 の 重 要 性 を 認 識 していることが 示 唆 された しかし 実 際 の 運 動 指 導 は 専 門 講 師 にまかされ その 指 導 内 容 は 小 学 校 の 準 備 教 育 としての 意 味 合 いを 色 濃 く 反 映 して 特 定 の 種 目 の 技 能 向 上 を 目 指 したものになっており 必 ずしも 幼 児 期 に 適 した 運 動 指 導 が 行 われていないことが 示 唆 された つ まり 幼 稚 園 における 運 動 指 導 の 問 題 点 として 担 任 などの 保 育 者 の 関 わりが 少 ないことと 指 導 内 容 が 特 定 種 目 に 偏 っていることの2 点 が 挙 げられている この 報 告 の 対 象 は 幼 稚 園 に 限 られている が 保 育 所 でも 結 果 が 大 きく 異 なることはないと 思 われる 保 育 者 養 成 校 は 保 育 者 を 志 望 する 学 生 に 対 する 指 導 を 通 じてこれらの 問 題 に 対 応 していかなけ ればならない しかし 具 体 的 で 有 効 な 指 導 指 針 を 策 定 する 前 段 階 として 学 生 が 保 育 所 および 幼 稚 園 ( 以 下 保 育 施 設 )で 行 われる 運 動 指 導 についてどのような 考 えを 持 っているか 予 め 把 握 す る 必 要 があると 考 えられる そこで 本 研 究 は 将 来 保 育 者 となる 可 能 性 が 高 い 幼 児 教 育 を 専 攻 する 短 期 大 学 生 ( 以 下 学 生 )が 保 育 施 設 で 行 われる 運 動 指 導 の 指 導 者 と 運 動 指 導 の 内 容 について どのように 考 えているか 調 査 した 2 方 法 2.1 対 象 者 G 大 学 短 期 大 学 部 幼 児 教 育 学 科 に 在 籍 する 卒 業 年 次 生 139 名 ( 女 性 135 名 男 性 4 名 ) を 対 象 とし た 調 査 は 前 期 開 講 科 目 の 基 礎 体 育 Ⅰ の 初 回 授 業 の 冒 頭 に 行 った 基 礎 体 育 Ⅰ は 受 講 生 を4クラスに 配 分 して 開 講 しているために 調 査 はクラスごとに 実 施 した 調 査 に 先 立 ち 対 象 者 には 質 問 に 対 する 回 答 および 提 出 は 任 意 であり 回 答 用 紙 の 提 出 の 有 無 および 回 答 の 内 容 は 授 業 成 績 になんら 影 響 しないことを 口 頭 で 伝 えた 2.2 質 問 紙 調 査 の 手 順 対 象 者 は 授 業 開 始 時 間 に 体 育 館 に 集 合 した 授 業 開 始 の 挨 拶 の 後 対 象 者 に 調 査 用 紙 (A4)を 1 枚 ずつ 配 布 し 質 問 に 対 する 回 答 を 用 紙 に 記 述 するよう 口 頭 で 指 示 した 保 育 施 設 で 幼 児 を 対 象 に 行 う 運 動 指 導 について 質 問 する 旨 を 伝 えた 上 で 次 の2つの 質 問 をした 質 問 1. 保 育 施 設 での 体 育 は 誰 が 行 いますか? 質 問 2. 保 育 施 設 での 体 育 ではどんな 活 動 を 行 いますか? 対 象 者 は 学 校 教 育 の 中 で 体 育 の 名 称 の 下 で 運 動 指 導 を 受 けてきている このことを 考 慮 して 対 象 者 に 違 和 感 なく 受 け 入 れられるよう 運 動 指 導 を 示 す 用 語 として 体 育 を 採 用 した 回 答 方 法 は 本 研 究 は 学 生 の 実 態 を 捉 えることを 目 的 としたので 予 め 選 択 肢 を 用 意 せず 複 数 回 答 可 能 な 自 由 記 述 とした 対 象 者 にはできるだけ 具 体 的 に 思 いつくだけ 記 述 するように 求 めた 回 答 用 紙 は 裏 面 も 使 用 可 能 とし 回 答 のための 十 分 なスペースを 与 えた 用 紙 には 記 名 するよう 依 頼 した 2.3 データ 分 析 予 備 分 析 としてすべての 回 答 を 逐 語 的 に 集 計 し 意 味 内 容 が 同 一 とみなせるものをまとめた さ らに 意 味 内 容 に 基 づいて 分 類 し 対 象 者 の10% 以 上 に 当 たる 出 現 度 数 14 以 上 の 分 類 カテゴリーを 抽 出 した 図 1に 以 上 の 分 類 カテゴリーの 抽 出 手 順 を 模 式 的 に 示 す 質 問 1では 保 育 者 ( 担 任 主 任 先 生 等 )と 専 門 講 師 ( 外 部 講 師 体 育 専 門 講 師 体 育 の 先 生 等 )の2つのカテゴリー( 以 下 指 導 者 カテゴリー)が 抽 出 できた 質 問 2では 器 械 運 動 (マット 跳 び 箱 鉄 棒 平 均 台 ) ボー

短 期 大 学 部 幼 児 教 育 学 専 攻 学 生 に 対 する 幼 児 体 育 についての 意 識 調 査 35 ル 運 動 (ボール 遊 び ボール 投 げ サッカー ドッジボール 等 ) 基 本 的 な 運 動 (かけっこ ジャンプ 発 達 に 合 わせた 運 動 等 ) なわとび(なわとび 大 なわ 等 ) 伝 承 あそび( 鬼 ごっこ だるまさんが ころんだ) 体 操 ダンス( 体 操 リズム 体 操 ダンス おどり 等 ) 固 定 遊 具 ( 登 り 棒 雲 梯 す べり 台 等 ) フラフープの8つのカテゴリー( 以 下 内 容 カテゴリー)が 抽 出 できた これらのカ 1 テゴリーに 全 対 象 者 の 回 答 を 分 類 し 統 計 解 析 に 供 した 図 1 分 類 カテゴリーの 抽 出 手 順 逐 語 録 から 同 意 語 をまとめ それらをさらに 上 位 概 念 のカテゴリーに 分 類 した 約 10%にあ たる 出 現 度 数 14 以 上 のカテゴリーを 質 問 1と 質 問 2でそれぞれ 指 導 者 カテゴリーと 内 容 カテゴ リーとして 抽 出 した 2.4 統 計 解 析 質 問 1についてはカテゴリー 間 で 出 現 率 が 異 なるかどうかを 検 討 するためにMcNemarの 検 定 を 実 施 した さらに 保 育 者 のみ 専 門 講 師 のみ および その 両 方 を 回 答 した 者 の 出 現 率 を 適 合 度 検 定 によって 検 討 した 質 問 2についてはCochranのQ 検 定 によってカテゴリー 間 で 出 現 率 が 異 なるかどうか 検 討 した 内 容 カテゴリーについて 出 現 率 が 均 等 でないと 判 断 された 場 合 には 多 重 比 較 検 定 として 内 容 カテゴリーのすべての 対 についてBonferroniの 方 法 によって 有 意 水 準 を 調 整 したMcNemarの 検 定 を 実 施 した 指 導 者 カテゴリーと 内 容 カテゴリーの 回 答 間 の 関 係 性 を 検 討 するために 質 問 1で 保 育 者 のみを 回 答 した 者 と 専 門 講 師 のみを 回 答 した 者 について 内 容 カテゴリー 毎 に 出 現 率 の 差 の 検 定 ( 独 立 性 の 検 定 )を 行 った なお 保 育 者 と 専 門 講 師 の 両 方 と 回 答 した 参 加 者 の 内 容 カテゴリーデータは どちらの 指 導 者 を 想 定 して 回 答 したものか 判 別 できないので この 分 析 からは 除 外 した すべての 統 計 解 析 の 有 意 水 準 はα=0.05とした 3 結 果 質 問 紙 は 対 象 者 全 員 から 回 収 できた ただし 質 問 1について 質 問 の 意 図 が 理 解 できていないと 考 えられる 回 答 が1 名 ( 男 性 )に 認 められた 本 研 究 の 目 的 を 考 慮 して この1 名 の 回 答 は 予 備 分 析 を 含 めたすべての 分 析 から 除 外 した

36 板 谷 2 厚 3.1 指 導 者 カテゴリー 出 現 度 数 は 保 育 者 96 名 (69.6%) 専 門 講 師 98 名 (71.0%)であった ( 図 2) McNemarの 検 定 の 結 果 保 育 者 と 専 門 講 師 の 出 現 率 に 有 意 な 差 は 認 められなかった(X 2 = 0.012, p = 0.9128) 保 育 者 のみ 専 門 講 師 のみ およびそれらの 両 方 を 回 答 した 者 は それぞれ 40 名 (29.0%) 42 名 (30.4%) および56 名 (40.6%)であった( 図 2) 適 合 度 検 定 の 結 果 これらの 出 現 率 の 相 違 に 有 意 性 は 認 められなかった(X 2 = 3.304, p = 0.1917) 出 現 度 数 ( 人 ) 125" 100" 75" 50" 3.2 内 容 カテゴリー 内 容 カテゴリーの 出 現 度 数 を 図 3に 示 す CochranのQ 検 定 の 結 果 各 内 容 カテゴリー 間 の 出 現 率 に 有 意 差 が 認 められた(Q= 141.274, ) 多 重 比 較 検 定 の 結 果 器 械 運 動 77 名 (55.8%) ボール 運 動 63 名 (45.7%) 基 本 的 な 運 動 54 名 (39.1%) および なわとび47 名 (34.1%) は ぞれぞれ 伝 承 あそび23 名 (16.7%) 体 操 ダンス20 名 (14.5%) 固 定 遊 具 17 名 (12.3%) フ ラフープ14 名 (10.1%)よりも 有 意 に 出 現 率 が 高 かった( 表 1 図 3) さらに 器 械 運 動 となわと び 間 の 出 現 率 の 差 に 有 意 性 が 認 められた 25" 0" 0 保 育 者 専 門 講 師 図 2 指 導 者 カテゴリー 別 度 数 白 抜 きは 保 育 者 のみ 黒 塗 りは 専 門 講 師 のみ 灰 色 の 塗 りはそれらの 両 方 を 回 答 した 度 数 ( 人 ) 分 析 総 数 は138 保 育 者 と 専 門 講 師 の 出 現 率 間 に 有 意 差 なし 保 育 者 のみ 専 門 講 師 およびそれらの 両 方 を 回 答 の 出 現 率 間 に 有 意 差 なし 100 75 出 現 度 数 ( 人 ) 50 25 0 器 械 運 動 ボール 運 動 基 本 的 な 運 動 なわとび 伝 承 遊 び 体 操 ダンス 固 定 遊 具 フラフープ 内 容 カテゴリー 図 3 内 容 カテゴリーの 出 現 度 数 *: p < 0.05.

1 短 期 大 学 部 幼 児 教 育 学 専 攻 学 生 に 対 する 幼 児 体 育 についての 意 識 調 査 37 表 1 各 内 容 カテゴリー 間 の 出 現 率 比 較 ( 多 重 比 較 検 定 の 結 果 ) X 2 = 2.817 p = 0.0933 X 2 = 6.286 p = 0.0122 X 2 = 11.681 p = 0.0006 X 2 = 33.440 X 2 = 41.813 X 2 = 45.803 X 2 = 46.331 X 2 = 0.810 p = 0.3681 X 2 = 3.879 p = 0.0489 X 2 = 22.368 X 2 = 27.138 X 2 = 29.779 X 2 = 35.446 X 2 = 0.554 p = 0.4567 X 2 = 15.254 X 2 = 19.446 X 2 = 19.2817 X 2 = 27.161 X 2 = 9.796 p = 0.0017 X 2 = 13.796 p = 0.0002 X 2 = 16.820 X 2 = 24.976 X 2 = 0.114 p = 0.7356 X 2 = 1.136 p = 0.2865 X 2 = 1.829 p = 0.1762 X 2 = 0.114 p = 0.7356 X 2 = 0.893 p = 0.3447 X 2 = 0.148 p = 0.7005 網 掛 け 部 分 は 統 計 的 に 有 意 なおBonferroniの 方 法 によって 修 正 した 有 意 確 率 は0.0018 (0.05/28) 3.3 指 導 者 カテゴリーと 内 容 カテゴリーとの 関 係 性 質 問 2において 保 育 者 のみ 回 答 した 者 と 専 門 講 師 のみ 回 答 した 者 の 各 内 容 カテゴリーの 出 現 率 の 差 を 検 討 した 結 果 を 図 4に 示 す ボール 運 動 では 専 門 講 師 のみの 群 で 出 現 率 が 有 意 に 高 く なった ( 保 育 者 のみでの 出 現 率 vs. 専 門 講 師 のみでの 出 現 率 [%]: 30.0 vs.52.4, X 2 = 4.228, p = 0.0398, 以 下 同 様 ) 伝 承 遊 び(22.5 vs. 7.1, X 2 = 3.868, p = 0.0492) 固 定 遊 具 (27.5 vs.0.0, X 2 = 13.339, p = 0.0003) およびフラフープ (20.0 vs. 2.4, X 2 = 6.509, p = 0.0107)では 保 育 者 のみの 群 での 出 現 率 が 有 意 に 高 くなった 器 械 運 動 (45.0 vs. 52.4, X 2 = 0.447, p = 0.5038) 基 本 的 な 運 動 (50.0 vs. 35.7, X 2 = 1.709, p = 0.1911) なわとび(35.0 vs. 28.6, X 2 = 0.391, p = 0.5318)および 体 操 ダンス(12.5vs. 16.7, X 2 = 0.285, p = 0.5934)では 出 現 率 の 群 間 差 に 有 意 性 は 認 められなかった 60 保 育 者 専 門 講 師 40 出 現 率 (%) 20 0 器 械 運 動 ボール 運 動 基 本 的 な 運 動 なわとび 伝 承 遊 び 体 操 ダンス 固 定 遊 具 フラフープ 内 容 カテゴリー 図 4 対 象 者 間 の 内 容 カテゴリー 別 出 現 率 比 較 白 抜 きは 保 育 者 のみ 黒 塗 りは 専 門 講 師 のみ *: p < 0.05.

38 板 谷 厚 4 考 察 4.1 指 導 者 カテゴリー 分 析 の 結 果 保 育 施 設 における 運 動 指 導 者 として 保 育 者 と 専 門 講 師 のそれぞれを 考 えた 学 生 がほ ぼ 同 数 ( 約 7 割 )であった さらに 保 育 者 のみ 専 門 講 師 のみ および その 両 方 と 考 える 学 生 がほぼ 均 等 に 存 在 することが 分 かった 先 に 述 べた 先 行 研 究 では 幼 稚 園 の 約 6 割 に 専 門 講 師 がい ることが 示 され 保 育 者 の 健 康 や 体 力 づくりに 関 する 知 識 や 理 解 が 十 分 でないために 保 育 者 は 幼 児 の 体 育 運 動 活 動 が 特 別 なものと 考 えていることが 示 唆 されている 2) この 先 行 研 究 と 同 様 に 考 え るのであれば 本 研 究 の 結 果 は 学 生 が 幼 児 に 対 する 運 動 指 導 を 特 別 なものとして 捉 える 傾 向 があ ることを 示 しているのかもしれない しかし これと 同 時 に 約 4 割 の 対 象 者 が 専 門 講 師 と 保 育 者 の 両 方 を 挙 げたことを 考 慮 すると 学 生 が 専 門 講 師 と 保 育 者 の 協 働 や 役 割 分 担 をある 程 度 想 定 してい るとも 考 えられる 4.2 内 容 カテゴリー 各 内 容 カテゴリーの 出 現 率 を 分 析 した 結 果 器 械 運 動 ボール 遊 び 基 本 的 な 運 動 なわとびの 出 現 率 が 比 較 的 高 く 伝 承 遊 び 体 操 ダンス 固 定 遊 具 フラフープは 出 現 率 が 比 較 的 低 いこと が 分 かった 器 械 運 動 ボール 遊 び なわとびは 使 用 する 用 具 が 保 育 施 設 各 所 に 設 置 されており 学 生 が 幼 児 期 に 保 育 施 設 で 見 たり 遊 んだり 実 際 に 指 導 された 可 能 性 が 高 いものである さらに 実 習 先 の 保 育 施 設 でこれらの 用 具 を 目 にする 機 会 もある このため 学 生 が 想 起 しやすく 出 現 率 が 高 いと 考 えられる これらに 対 して 固 定 遊 具 とフラフープもまた 多 くの 保 育 施 設 に 設 置 されている が これらの 出 現 率 は 比 較 的 低 かった これらは 自 由 遊 びの 中 で 行 われ 指 導 そのものが 不 要 か 指 導 に 体 育 スポーツの 専 門 性 が 不 要 と 学 生 が 感 じていることが 示 唆 される 用 具 を 用 いない 活 動 として 基 本 的 な 運 動 伝 承 遊 びおよび 体 操 ダンスが 内 容 カテゴリーとし て 抽 出 された 幼 児 の 運 動 場 面 といえば 元 気 に 駆 け 回 っている 姿 を 想 起 することは 自 然 なことの ように 思 われる 実 際 に 基 本 的 な 運 動 に 分 類 された 回 答 は かけっこに 代 表 される 走 運 動 を 示 す ものが 大 半 であった(49/54) 伝 承 遊 びに 分 類 された 回 答 は 鬼 ごっこが 大 半 であった(22/23) 伝 承 遊 びの 出 現 率 は 比 較 的 低 く 固 定 遊 具 やフラフープと 同 様 に 伝 承 遊 びの 指 導 には 体 育 スポー ツの 専 門 性 は 必 要 ないと 学 生 が 考 えていると 推 察 される 4.3 指 導 者 と 内 容 の 関 係 性 本 研 究 の 結 果 運 動 指 導 者 として 専 門 講 師 のみを 回 答 した 対 象 者 の 方 が 保 育 者 のみを 回 答 した 対 象 者 よりも 運 動 指 導 内 容 としてボール 運 動 をイメージする 確 率 が 高 いことが 分 かった このこ とは 幼 児 に 対 する 運 動 指 導 の 内 容 として ボール 運 動 は 体 育 スポーツの 専 門 性 を 備 えた 専 門 講 師 が 指 導 する 方 がよいと 学 生 が 考 えていることを 示 唆 する ボールを 用 いた 運 動 の 典 型 である 投 球 や 捕 球 は 幼 児 期 に 習 得 すべき 基 礎 的 運 動 パターンに 含 まれるが 対 象 物 を 操 作 する 点 で 歩 走 跳 などの 生 得 的 な 運 動 とは 異 なり 幼 児 にとって 複 雑 な 運 動 課 題 の 一 つである 3) このことが ボー ル 運 動 の 指 導 には 体 育 スポーツの 専 門 性 が 必 要 だと 学 生 に 感 じさせる 一 因 となっているのかもし れない この 結 果 の 裏 を 返 せば 将 来 保 育 者 となる 学 生 本 人 が ボール 運 動 の 指 導 に 対 して 消 極 的 である ことを 示 しているとも 考 えられる 本 研 究 の 対 象 者 のほとんどが 女 性 であった(185/188) 女 子 は

短 期 大 学 部 幼 児 教 育 学 専 攻 学 生 に 対 する 幼 児 体 育 についての 意 識 調 査 39 幼 少 期 に 投 球 や 捕 球 を 学 習 する 機 会 が 男 子 よりも 少 なく 投 球 や 捕 球 が 比 較 的 未 習 熟 4) で その 差 が 成 人 にまで 存 続 する また 女 性 の 場 合 運 動 能 力 に 自 信 がないという 心 理 がスポーツへの 参 与 を 妨 げる 原 因 になることが 知 られており 5) 6) 同 様 のことが 運 動 指 導 に 対 しても 生 じることは 容 易 に 推 測 できる したがって この 結 果 の 背 景 には 投 球 や 捕 球 に 自 信 がない 女 性 が ( 多 くは 男 性 が 想 定 される) 専 門 講 師 に ボール 運 動 の 指 導 をまかせてしまいたいとの 心 情 が 働 いているのかも しれない 言 い 換 えれば 運 動 に 対 する 苦 手 意 識 が 専 門 講 師 に 対 する 依 存 を 生 じさせている 可 能 性 がある ボール 運 動 とは 対 照 的 に 伝 承 遊 び 固 定 遊 具 およびフラフープでは 指 導 者 として 保 育 者 のみ をイメージした 対 象 者 で 専 門 講 師 をイメージした 対 象 者 でよりも 出 現 率 が 高 くなった これらの 内 容 については 保 育 者 自 らが 指 導 でき しかも 普 段 の 自 由 遊 びの 中 で 十 分 に 行 っているので わざわざ 専 門 講 師 による 運 動 指 導 の 時 間 を 取 ってまで 指 導 する 必 要 がないと 多 くの 学 生 が 考 えてい ると 推 察 される 4.4 結 論 幼 児 教 育 学 専 攻 の 短 期 大 学 生 が 想 定 している 保 育 所 および 幼 稚 園 における 運 動 指 導 者 は 保 育 者 と 専 門 講 師 で その 両 方 とする 者 もあった それらを 想 定 する 学 生 の 比 率 間 に 差 はなかった 運 動 指 導 の 内 容 としては 器 械 運 動 ボール 運 動 基 本 的 な 運 動 なわとび 伝 承 遊 び 体 操 ダンス 固 定 遊 具 フラフープがイメージされており 器 械 運 動 ボール 運 動 基 本 的 な 運 動 およびなわと びをイメージする 学 生 の 比 率 が 比 較 的 高 かった 保 育 者 のみを 運 動 指 導 者 としてイメージした 学 生 は 専 門 講 師 のみをイメージした 学 生 よりも 運 動 指 導 の 内 容 として 伝 承 遊 び 固 定 遊 具 およびフ ラフープを 挙 げる 者 の 比 率 が 高 かった 一 方 専 門 講 師 のみとした 学 生 は ボール 運 動 を 挙 げる 者 の 比 率 が 高 かった これらのことから 幼 児 教 育 学 専 攻 の 短 期 大 学 生 は 幼 児 に 対 するボール 運 動 の 指 導 には 体 育 スポーツの 専 門 性 が 必 要 だと 考 えていることが 示 唆 される 文 献 1) 文 部 科 学 省 : 幼 児 期 運 動 指 針 について http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319192.htm, 2012. (2013 年 9 月 25 日 閲 覧 ) 2) 吉 田 伊 津 美 杉 原 隆 森 司 朗 : 幼 稚 園 における 健 康 体 力 づくりの 意 識 と 運 動 指 導 の 実 態 東 京 学 芸 大 学 紀 要 総 合 教 育 科 学 系 58: 75-80, 2007. 3) 松 浦 義 行 : 体 力 の 発 達 朝 倉 書 店 東 京 pp.5-123, 1982. 4) Nelson, K. R., Tomas, J. R. and Nelson, J. K.: Longitudinal change in throwing performance: Gender differences. Res. Quart. Exerc. Sports, 62: 105-108, 1981. 5) 長 見 真, 嘉 戸 脩 : 中 高 年 者 のスポーツキャリアパターンに 及 ぼす 体 育 授 業 経 験 の 影 響 東 京 学 芸 大 学 紀 要 第 5 部 門 芸 術 健 康 スポーツ 科 学 45: 173-180, 1993. 6)Spreitzer, E and Synder, E. E.: Socialization into Sport: An Exploratory path analysis. Res. Quart. 47: 238-245, 1976.

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