PRESS RELEASE( 報道関係者各位 ) 2012 年中堅 中小企業における メール の利用実態とユーザ評価に関する調査報告 2012 年中堅 中小企業における メール の利用実態とユーザ評価 2012 年 10 月 23 日 調査設計 / 分析 / 執筆 : 岩上由高ノークリサーチ ( 本社 120-0034 東京都足立区千住 1-4-1 東京芸術センター 1705: 代表 : 伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp) は2012 年の国内中堅 中小市場における メール の社数ベースの導入シェアおよびユーザ企業による製品 / サービス評価に関する調査を実施し その分析結果を発表した 本リリースは 2012 年版中堅 中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート の メール カテゴリに関する速報である < スマートデバイスがもたらす変化と小規模企業における無償 / 低価格指向に要注意 > 小規模企業を中心に安価または無償の製品 / サービスの利用が増える兆候が見られる グループウェアと同様にスマートデバイス活用では閲覧に留まらない利用法開拓が必要 機能や使い勝手の評価が高いのは個々のユーザが自らの意思で選択するシェアウェア スマートデバイスの普及が端末に依存しないスケジューラ連携ニーズを喚起する可能性 対象企業 : 日本全国 / 全業種の 500 億円未満の中堅 中小企業対象職責 : 以下のいずれかの権限を持つ社員 情報システムの導入や運用 / 管理の作業を担当している 情報システムに関する製品 / サービスの選定または決裁の権限を有している 調査実施時期 : 2012 年 8 月有効回答件数 : 1400 社 ( 有効回答件数 ) 調査対象の詳しい情報については右記 URL を参照 http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2012itapp_rep.pdf 小規模企業を中心に安価または無償の製品 / サービスの利用が増える兆候が見られる 以下のグラフは年商 500 億円未満の中堅 中小企業に対し 導入済みの製品 / サービスのうち最も主要なもの を尋ねた結果 ( 導入社数ベースのシェア ) である 調査実施に選択肢として挙げた製品 / サービスの一覧は本リリースの末頁を参照 2011 年では Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail Lotus Notes Mozilla Thunderbird の順であったが 2012 年は Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail Gmail Lotus Notes の順となっている 2011 年に 5 位であった Gmail ( ただし 2010 年調査では Microsoft Outlook とその他の日本マイクロソフト製メール製品 / サービスを分けて集計しているため 2012 年の選択肢定義に合わせるとすれば 4 位となる ) が 2012 年には 2 位に上昇している また Mozilla Thunderbird も全体に占める割合はまだ少ないが増加傾向を示している メールについては小規模な企業を中心に安価または無償の製品 / サービスの利用が増える兆候があることに留意しておく必要がある P11-1BS. 導入済みの製品 / サービスのうち最も主要なもの 2.1% 2.7% 2.7% 0.7% 6.4% Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail: 日本マイクロソフト 4.2% Mozilla Thunderbird:MozillaFoundation 4.9% 5.4% 70.5% アルファメール : 大塚商会グループウェアに付属のメール機能を利用 Becky!: リムアーツその他の製品 / サービス独自開発システム ( オープンソースベース ) 1
以下のグラフは 導入済みの製品 / サービス ( いくつでも ) を尋ねた結果である ( 導入済みの製品 / サービスを全て挙げる複数回答設問 ) 主要な製品 / サービスを 1 つ回答する設問の結果と比較すると Mozilla Thunderbird や Becky! といったオープンソースやシェアウェアの順位が上がっている この二製品については日本マイクロソフト製のメール製品 / サービスとの併用が比較的多い 企業内の標準としては WindowsOS に付属のメールアプリケーションを利用する一方 一部の社員は自分に合った使い勝手を求めてオープンソースやシェアウェアを併用するといったケースがあるものと推測される P11-1AS. 導入済みの製品 / サービス ( いくつでも ) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 Microsoft Outlook/Outlook Express/ Windows Mail/Windows Live Mail: 日本マイクロソフト 77.8% 13.8% Becky!: リムアーツアルファメール : 大塚商会グループウェアに付属のメール機能を利用その他の製品 / サービス独自開発システム ( オープンソースベース ) 8.5% 6.6% 3.7% 3.5% 3.1% 5.4% 0.8% グループウェアと同様にスマートデバイス活用では閲覧に留まらない利用法開拓が必要 以下のグラフは 導入済みの製品 / サービスのうち最も主要なもの の端末環境を尋ねた結果である スマートフォン については 2011 年では 7.4% 2012 年では 10.8% タブレット型端末 については 2011 年では 3.7% 2012 年では 6.4% となっている グループウェアと同様 メールは個人が所有するスマートデバイスを利用する BYOD との親和性が高いといえる ただし メール閲覧であれば従来の携帯電話でも可能であるため メールアプリケーションを提供する側としてもオプションを有償化しづらい面がある スマートデバイス活用を 収益を伴う差別化要因 とするためには単なるメール閲覧だけではなく 他のアプリケーションとの連携も含めた利用シーンを開拓することが必要となってくる P11-2B. 最も主要な製品 / サービスを利用する際の端末環境 ( いくつでも ) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 n= デスクトップ型 PC ノート型 PC( 据え置きでの利用が中心 ) ノート型 PC( 持ち運びでの利用が中心 ) 従来型の携帯電話スマートフォンタブレット型端末バーコードリーダなどの特殊用途向け端末その他 (_) 1112 5.9% 10.8% 6.4% 0.1% 31.3% 59.9% 85.6% 2
機能や使い勝手の評価が高いのは個々のユーザが自らの意思で選択するシェアウェア 本調査では 導入 / サポートの価格は妥当か 機能が足りているか 動作が軽快かどうか 自社の要件に合致しているか 初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか 慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか 他システムとの連携手段が整っているか 不具合や誤動作はないか プログラミングによる機能の追加 / 変更 ( カスタマイズ ) がしやすいか 設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加 / 変更がしやすいか といった数多くの項目について五段階評価で製品 / サービス別にユーザ企業による評価を行っている 以下および次頁にかけてのグラフは 導入済みの製品 / サービスのうち最も主要なもの の評価をユーザ企業に尋ねた結果のうち 以下の三項目についての結果を製品 / サービス別にプロットしたものである 機能が足りているか 慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか 他システムとの連携手段が整っているか 日々頻繁に利用するアプリケーションであるメールにおいては機能性と快適性の両立が求められ 機能が足りているか や 慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか といった評価項目が重要となる この二点に関してはシェアウェアである Becky! の評価が高い ユーザ側が自身の好みに合わせて製品 / サービスを選択できているか? が評価結果を大きく左右している可能性も考えられる また 個人で利用するメールサービスとの連携や他システムとの連携といった観点では 他システムとの連携手段が整っているか も重要な評価項目となる 後に述べるように ユーザ企業側ではこうした連携に関するニーズが比較的高い だが その一方で評価は全般的にあまり高くないため こうした 連携性 は今後の要改善ポイントになってくる可能性がある P11-3-2. 主要な製品 / サービスの評価 機能が足りているか -0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail: 日本マイクロソフト 全体 1.76 1.87 2.08 アルファメール : 大塚商会 1.29 1.44 1.70 グループウェアに付属のメール機能を利用 -0.13 Becky!: リムアーツ 2.44 その他の製品 / サービス 1.38 独自開発システム ( オープンソースベース ) 2.25 2.50 3
P11-3-6. 主要な製品 / サービスの評価 慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 全体 Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail: 日本マイクロソフト アルファメール : 大塚商会 1.60 1.70 1.42 1.20 1.70 1.90 グループウェアに付属のメール機能を利用 0.80 Becky!: リムアーツ 2.39 その他の製品 / サービス 0.97 独自開発システム ( オープンソースベース ) 1.50 1.00 P11-3-7. 主要な製品 / サービスの評価 他システムとの連携手段が整っているか -1.00-0.50 0.00 0.50 1.00 1.50 2.00 全体 Microsoft Outlook/Outlook Express/Windows Mail/Windows Live Mail: 日本マイクロソフト Lotus Notes: : 日本 IBM アルファメール : 大塚商会 0.88 1.03 0.71 0.82 0.43 1.00 グループウェアに付属のメール機能を利用 -0.77 Becky!: リムアーツ その他の製品 / サービス 0.35 0.40 独自開発システム ( オープンソースベース ) 1.13 n=1112 1.75 評価ポイント算出方法 五段階評価結果を 大変不満 :-5 ポイント 多少不満 :-3 ポイント どちらでもない :0 ポイント まあまあ満足 :3 ポイント 大変満足 :5 ポイント と重み付けし ある評価項目 項目 a について A 社の 大変不満 という回答件数 = H1 A 社の 多少不満 という回答件数 = H2 A 社の どちらでもない という回答件数 = H3 A 社の まあまあ満足 という回答件数 = H4 A 社の 大変満足 という回答件数 = H1 と定義した場合に 以下の計算式によって算出している A 社の項目 aに関する評価ポイント = ( H1 (-5) + H2 (-3) + H3 0 + H4 3 + H5 5) A 社の項目 aに関する回答件数合計 ( 各製品 / サービスの利用件数自体が少ない場合には その点に留意が必要である ) 4
スマートデバイスの普及が端末に依存しないスケジューラ連携ニーズを喚起する可能性 以下のグラフはメールの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果である 個人向けメール (Gmail など ) との連携 グループウェアのスケジューラとの連携 様々な業務システムとの連携 といった項目が多く挙げられ 他システムとの連携が重視されていることがわかる グループウェアとメールのそれぞれの導入社数シェアが表すように 中堅 中小企業の多くが双方で同一の製品 / サービスを利用しているとは限らない 取引先や顧客と予定を調整する過程においてメールとスケジューラを行き来する煩雑さには多くのユーザが慣れてしまっている感もある だがスマートデバイスの普及を受けてユーザが利用する端末が多様化してくれば その煩わしさが再度認識される可能性もある スケジューラ間では icalendar 形式を用いた連携などが存在するが アプリケーションや端末を横断的にカバーできる手軽な連携手段が登場することで 中堅 中小企業におけるメールの使い勝手も大きく改善される可能性がある P11-4. メールの活用における今後の指針または重視事項 ( いくつでも ) 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 個人向けメール (Gmail など ) との連携 グループウェアのスケジューラとの連携 24.9% 27.0% 様々な業務システムとの連携 ソーシャルサービス (Facebook や Twitter など ) との連携 顧客管理システムのメール配信機能との連携 11.0% 14.5% 23.0% パッケージとクラウドを適宜組み合わせた形態の活用 6.4% その他 (_) 現状を維持するのみで指針や重視事項は特にない n=1172 40.2% 以下のグラフは上記と同じメールの活用における今後の指針または重視事項を尋ねた結果を年商別に集計したものである P11-4. メールの活用における今後の指針または重視事項 ( いくつでも ) 5 億円未満 (n=171) 24.0% 36.3% 22.2% 17.0% 11.1% 7.6% 4 5 億円以上 ~10 億円未満 (n=165) 18.2% 23.6% 18.2% 19.4% 8.5% 6.1% 45.5% 10 億円以上 ~20 億円未満 (n=155) 16.1% 31.6% 20.0% 21.9% 16.1% 7.1% 39.4% 20 億円以上 ~50 億円未満 (n=164) 9.8% 26.8% 25.6% 21.3% 9.1% 7.9% 40.2% 50 億円以上 ~100 億円未満 (n=143) 8.4% 28.7% 33.6% 30.8% 13.3% 35.7% 100 億円以上 ~300 億円未満 (n=158) 13.3% 24.1% 18.4% 32.3% 8.9% 6.3% 39.9% 300 億円以上 ~500 億円未満 (n=156) 10.3% 17.3% 24.4% 33.3% 10.3% 39.7% ソーシャルサービス (Facebook やTwitterなど ) との連携様々な業務システムとの連携顧客管理システムのメール配信機能との連携その他 (_) 個人向けメール (Gmailなど) との連携グループウェアのスケジューラとの連携パッケージとクラウドを適宜組み合わせた形態の活用現状を維持するのみで指針や重視事項は特にない 個人向けメール(Gmailなど) との連携 グループウェアのスケジューラとの連携 様々な業務システムとの連携 といった項目はいずれのユーザ企業層においても挙げられており 先に述べた 他システムとの連携 というニーズは年商規模によらないことがわかる 5
調査対象製品 / サービス一覧 本調査ではメールを 個々の社員が電子メッセージの送受信に利用するアプリケーション と定義している 導入社数ベースシェアに関する設問に掲載した選択肢は下記の通りである Microsoft Outlook Express / Windows Mail /Windows Live Mail 日本マイクロソフト Microsoft Outlook 日本マイクロソフト Microsoft Entourage 日本マイクロソフト Mozilla Thunderbird Mozilla Foundation Lotus Notes 日本 IBM Becky! リムアーツ Eudora クアルコム AL-Mail クレアル Shuriken ジャストシステム Apple Mail アップル 電信八号 電八倶楽部 Winbiff オレンジソフト 秀丸メール ( 鶴亀メール ) サイトー企画 CyberMail サイバーソリューションズ Active!mail トランスウエア メールワイズ サイボウズ Gmail グーグル OneOffice Mail ビック東海 アルファメール 大塚商会 Office365 / BPOS(Business Productivity Online Suite) / Exchange Online グループウェアに付属のメール機能を利用上記以外のパッケージ製品またはサービス独自開発システム ( オープンソースをベースとしたもの ) 独自開発システム ( ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発 ) 日本マイクロソフト 本リリースの元となっている 2012 年版中堅 中小企業の IT アプリケーション利用実態と評価レポート の詳細は下記 URL を参照 http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2012itapp_rep.pdf 本データの無断引用 転載を禁じます 引用 転載をご希望の場合は下記をご参照の上 担当窓口にお問い合わせください 引用 転載のポリシー : http://www.norkresearch.co.jp/policy/index.html 当調査データに関するお問い合わせ株式会社ノークリサーチ担当 : 岩上由高東京都足立区千住 1-4-1 東京芸術センター 1705 TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692 inform@norkresearch.co.jp www.norkresearch.co.jp 6