Chapter 1 法人課税 成長志向に重点を置いた法人税改革 課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる ことにより より広く負担を分かち合い 稼ぐ力 のある企業等の税負担を軽減することで 法人課税を成長志向型の構造に変えます (1) 法人税率の引下げ ( 案 ) 法人税率を 25.5% から 23.

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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平成18年度地方税制改正(案)について

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

平成23年度税制改正の主要項目

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

平成 31 年度 税制改正 平成 31 年 4 月 財務省

平成 31 年度 税制改正 ( 案 ) のポイント このパンフレットは 平成 31 年度税制改正の大綱 ( 平成 30 年 12 月 21 日閣議決定 ) 及び 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 平成 31 年 2 月 5 日閣議決定 ) の内容を分かりやすくまとめたものです 法案成立前の内容で

3. 生命保険料控除の改組 1 平成 24 年 1 月 1 日以後に締結した保険契約等 ( 新契約 ) に係る生命保険料控除は 新たに介護保険料控除を設け 一般生命保険 個人年金保険のそれぞれの適用限度額を 4 万円とし 合計適用限度額が 12 万円に引き上げる 2 平成 23 年 12 月 31

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

て 1.6 兆円程度の減税措置を講じることになります なお このうち 昨年 10 月に消費税率引上 げに伴う対応として決定した税制措置による減収額は 国 地方合わせて 1 兆円程度になります ( 参考 ) 平成 26 年度の税制改正 ( 内国税関係 ) による増減収見込額 ( 単位 : 億円 ) 改

5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

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法人税 結婚 子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設教育資金贈与の見直し非上場株式等に係る贈与税 相続税の納税猶予制度の見直し法人税率の引き下げについて 個人 (20 歳以上 50 歳未満の者に限る 以下 受贈者 という ) の結婚 子育て資金の支払に充てるためにその直系尊属 ( 以下

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

法人税 faq

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

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平成20年2月

( 参考 2) 平成 27 年度税制改正 ( 地方税関係 ) による事項別増減収見込額 改正事項 平年度道府県税市町村税計 ( 単位 : 億円 ) 初 年 度 道府県税 市町村税 計 1 個人住民税 ふるさと納税の拡充 法人住民税 均等割の税率

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エコカー減税グリーン化特例(自動車税 軽自動車税)(自動車税 軽自動車税)環境性能割車体課税の見直し ( 自動車重量税 自動車取得税 自動車税 軽自動車税 ) トラック バス タクシーについては 営自格差 を堅持するとともに 一部見直しを行った上で エコカー減税 グリーン化特例を 2 年間延長 また

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平成20年度税制改正(地方税)要望事項

所得税法等の一部を改正する法律案 について 平成 31 年 2 月財務省 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅と自動車に対する税制上の支援策等を講ずるとともに デフレ脱却と経済再生を確実なものとするため 研究開発税制の見直し等を行う あわせて 国際的な租税回避により効果的に対応

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

地方税法等の一部を改正する法律案の概要 総務省 1 地方法人課税における新たな偏在是正措置 平成 31 年 10 月 1 日施行 都市 地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築の観点から 特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案 において特別法人事業税 ( 国税 ) を創設することに併

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

3 車体課税 自動車取得税の見直し 自動車取得税の税率 ( 一定税率 ) を以下のとおり引下げ ( 平成 26 年 4 月 1 日以降 ) 自家用自動車 ( 軽自動車を除く ) 5%( ) 3%( ) 営業用自動車 軽自動車 3%( ) 2%( ) いわゆる エコカー減税 について 環境性能に優れた

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税金読本(13-2)直系尊属からの贈与の贈与税非課税制度

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

今般の法人税改革のポイント 今般の法人税改革は 法人課税を成長志向型の構造に変えるもの より広く負担を分かち合い 稼ぐ力 のある企業や企業の計上に前向きな企業の税負担を軽減する 企業の収益力改善に向けた投資や新たな技術開発等への挑戦がより積極的になり それが成長につながっていく 改革を通じて 企業が

平成21年度税制改正について

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事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

新規文書1

事務所通信 最後に 最後までお読み頂きありがとうございます 今月の事務所通信はいかがでしたか 記事についてのご意見 ご質問がございましたら お気軽にお問い合わせください また 今後の取り上げて欲しいテーマなどございましたら ご連絡ください 次号に掲載できるかは状況によりますが 極力ご要望に添えるよう

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

相続の基礎 ~ 「相続」を学ぼう!! ~ 生前贈与①有価証券

第25回税制調査会 総25-1

2017 年度税制改正大綱のポイント ~ 積立 NISA の導入 配偶者控除見直し ~ 大和総研金融調査部研究員是枝俊悟

労働基準法が改正されます

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

税制改正を踏まえた生前贈与方法の検討<訂正版>

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

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第 8 章 税 金 外国人の方であっても, 一定の要件に当てはまる場合には, 税金を納める必要があります 例えば, 日本国内で働いて得た収入があると, 原則として所得税を納めなければなりません また,1 月 1 日現在で日本に住所がある方は, 前年の所得について課税される住民税を納めなければなりませ

確定版 平成 31 年度 エコカー減税等概要 平成 31 年 3 月 28 日

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相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

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間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

7.(1)NISA 口座の開設時の手続きの見直し 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 NISA 口座の稼働率向上のため 非課税口座の開設手続きについての見直しが行われる (2) 内容 NISA 口座の開設申し込み時に 即日での買付けを可能とすること (3) 適用時期平成 31 年 1 月 1

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平成 30 年度与党税制改正大綱の概要 基本的考え方 我が国経済の成長軌道を確かなものとするため 生産性革命 と 人づくり革命 を断行するとともに 人生 100 年時代を見据え 誰もが生きがいを感じられる 一億総活躍社会 を作り上げる必要がある このため 税制面においては 働き方の多様化を踏まえ 様

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

3種類の贈与税非課税制度を使いこなす

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積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

Chapter 1 Chapter 2

【表紙】

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

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スライド 1

Ⅰ 家計の自助努力による資産形成を支援するための税制措置 1. つみたて NISA の制度期限の延長 NISA 制度の恒久化 根拠法の制定等 1つみたて NISA について 平成 49 年までとされている投資可能期間 ( 制度期限 ) を延長することにより 来年以降に投資を開始しても投資可能期間が少

本要望に対応する縮減案 3 自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が二重課税となっており 保有段階でも自動車重量税のほかに自動車税 ( 又は軽自動車税 ) の 2 つの税が課されており 自動車ユーザーに対して複雑かつ過大な負担を強いている 特に 移動手段を車に依存せざるをえず複数台を保有する場合が

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

第6回税制調査会 総6-3

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平成 27 年度 税制改正 案 の ポイント 平成27年度税制改正においては 現下の経済情勢等を踏まえ デフレ脱却 経済再生 に向けた 成長志向に重点を置いた法人税改革 高齢者層から若年層への 資産の早期移転を通じた住宅市場の活性化など 経済好循環の着実な実現に資する措置 東京一極集中の是正や若い世代の結婚 子育ての希望の実現等を通じた 地方創生 に向けた措置 平成29年4月1日への 消費税率引上げ時期の変更に伴う対応 や 国際課税 G20 BEPSプロジェクト 関連の措置 等を講ずることとしています この パンフレットは 平 成 27年 度 税 制 改 正 の 大 綱 平 成 27年 1月14日閣 議 決 定 及 び 現 在 国会において審議が行われている 所得税法等の一部を改正する法律案 平成 27年2月17日 閣議決定 の内容を分かりやすくまとめたものです 1 法人課税 1 4 消費課税 9 2 資産課税 5 5 国際課税 12 3 個人所得課税 7 6 納税環境整備 13 平成 27年2月 財務省

Chapter 1 法人課税 成長志向に重点を置いた法人税改革 課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる ことにより より広く負担を分かち合い 稼ぐ力 のある企業等の税負担を軽減することで 法人課税を成長志向型の構造に変えます (1) 法人税率の引下げ ( 案 ) 法人税率を 25.5% から 23.9% に引き下げます 27 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において適用します 参考 国 地方を通じた法人実効税率 27 年度改正では 法人事業税 ( 地方税 ) の所得割の税率 ( 現行 : 大法人向け7.2%) の引下げと合わせて 国 地方を通じた法人実効税率は 次のようになります また 以後数年で 法人実効税率を 20% 台まで引き下げることを目指します 現行 27 年度 28 年度 法人税率 25.5% 23.9% 23.9% 法人事業税所得割 ( 標準税率 ) 7.2% 6.0% 4.8% 国 地方の法人実効税率 34.62% 32.11% ( 2.51%) 31.33% ( 3.29%) 所得割の税率には 地方法人特別税を含みます (2) 課税ベースの拡大等 ( 案 ) 欠損金繰越控除の見直し ( 案 ) 欠損金の繰越控除制度が課税ベースを大きく侵食している状況を改善するとともに 控除制限を受けたくない企業には収益改善のインセンティブをもたらすよう 大法人の控除限度 ( 現行 : 所得の 80%) を引き下げます 現行 改正案 控除限度 ( 大法人 ) 所得の 80% 27 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度 29 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度 所得の 65% 所得の 50% 再建中の法人の特例 新設法人の特例 23 年度改正法の施行前に再生手続開始の決定等があった法人を対象とした経過措置 所得の全額 ( 再生計画認可の決定等から 7 年後まで ) ー 所得の全額 ( 再生計画認可の決定等から 7 年後まで ) 再上場等の場合 以後の事業年度は対象外 23 年度改正の経過措置については 統合して廃止 所得の全額 ( 設立から 7 年後まで ) 上場等の場合 以後の事業年度は対象外 繰越期間 9 年 10 年に延長 29 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度に生じた欠損金について適用 帳簿書類の保存期間等も 10 年に延長 1

受取配当等益金不算入制度の見直し ( 案 ) 支配目的の株式 (= 持株比率が高い株式 ) への投資については 経営形態の選択等に税制が影 響を及ぼすことのないように 100% 益金不算入としつつ 持株比率の基準を引き上げます 支配目的が乏しい株式等 (= 持株比率が低い株式等 ) への投資は 他の投資機会との選択を歪めないように 益金不算入割合を引き下げます 現行 改正案 持株比率 益金不算入割合 持株比率 益金不算入割合 益金不算入割合 25% 未満 50% 25% 以上 100% 5% 以下 20% 5% 超 1/3 以下 50% 1/3 超 100% 株式投資信託の分配金 分配金の額の 1/2 又は 1/4 の額について 50% 益金不算入 0% 益金不算入 ( 全額益金算入 ) 特定株式投資信託の分配金は 20% 益金不算入 (*)27 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において適用します 改参考地方税における法人事業税の外形標準課税の拡大等 ( 案 ) 外形標準課税の拡大 ( 案 ) 地方法人課税における応益課税を強化し 企業が 稼ぐ力 を高めるインセンティブともなるよう 大法人向けの法人事業税のうち 外形標準課税を拡大します これにあわせて 大法人の所得割の税率 ( 現行 :7.2%) を引き下げます ( 再掲 ) 現行 所得割 (7.2%) 1/4 外形標準課税 付加価値割 0.48% 資本割 0.2% 27 年度所得割 (6.0%) 正案(*)27 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において適用します 28 年度所得割 (4.8%) (*)28 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において適用します 3/8 外形標準課税 付加価値割 0.72% 資本割 0.3% 1/2 外形標準課税 付加価値割 0.96% 資本割 0.4% 負担変動に対する配慮措置 ( 案 ) 一定規模以下の法人において 外形標準課税の拡大により負担となる場合 負担変動に対する配慮措置を講じます (27 28 年度 ) 外形標準課税における賃上げへの配慮 ( 案 ) 法人税の所得拡大促進税制の要件を満たす場合には 給与等支給額の加分を付加価値割の課税ベースから控除する制度を導入します 2

般試験研究控除限度額一費 租税特別措置の見直し ( 案 ) 研究開発税制 ( 総額型 ) の見直し ( 案 ) 控除限度額の総枠は 法人税額の 30% を維持しつつ オープンイノベーションを推進する観点から 共同研究 委託研究などの 特別試験研究費 については 控除限度を別枠化 (5%) します ( 限度超過額の繰越制度は廃止します ) 特別試験研究費 の範囲を拡充するとともに 税額控除率を引き上げます 別試験研究現行 改正案 控除限度の総枠 法人税額の30%(26 年度末まで 原則 20%) 税額控除率 8~10%( 中小法人 12%) 法人税額の30%(26 年度末まで 原則 20%) 費控除限度額 控除限度超過額は1 年間繰越 法人税額の 30% 8~10%( 中小法人 12%) 法人税額の25% 控除限度超過額の繰越控除は廃止 範 囲 3 中小企業者への委託研究追加特等 以下の試験研究に要する費用 1 国の試験研究機関等 大学との間の共同 委託研究 2 民間企業との共同研究 3 の委託先に 公益法人等 地方公共団体の機関 地方独立行政法人等 を追加 4 中小企業者に支払う知的財産権の使用料 を 税額控除率 12% 1:30% 2~4 等 :20% 一般試験研究費の控除限度の枠内 法人税額の 5%( 別枠 ) (*)27 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度において適用します その他の租税特別措置の見直し ( 案 ) 生産等設備投資促進税制を廃止するなどの見直しを行います (3) 賃上げへの配慮措置 ( 案 ) 平成 27 28 年度において法人税の先行減税 ( 案 ) を行い 経済の好循環の定着を力強く後押し 所得拡大促進税制の要件緩和 ( 案 ) 現行 改正案 給与等支給額 2% 2% 3% 5% 5% 給与等支給額 2% 2% 3% 4% 5% 242526272829 24 25 26 27 28 29 中小法人 給与等支給額が基準年度 ( 基本的に24 ) と比較して 2% 以上 ( 25 26 )/ 3% 以上 ( 27 )/ 5% 以上 ( 28 29 ) 加している等の要件を満たす場合 加分の 10% 相当額を税額控除 ( 法人税額の 10%( 中小法人 20%) が上限 ) 給与等支給額 2% 2% 3% 3% 5% 3% 24 25 26 27 28 29 法人事業税 ( 外形標準課税 ) における賃上げへの配慮 ( 案 )( 再掲 ) 3

地方拠点強化税制の創設 地域再生法の改正により本社機能を東京圏から地方に移転したり 地方において拡充しようとする法人が計画を作成し 地方公共団体がこれを認定する枠組みを前提として 次の措置を創設します 特別償却又は税額控除制度の創設 ( 案 ) 平成 30 年 3 月 31 日までに 計画 について認定を受けた法人が その計画に沿って 認定の日から 2 年 以内に取得等をした建物等及び構築物で 一定の規模以上のものについて 次の措置を講じます 移転型 : 特別償却 25% or 税額控除 7%( 計画 認定が 29 年 4 月 1 日以後は4%) 拡充型 : 特別償却 15% or 税額控除 4%( 計画 認定が 29 年 4 月 1 日以後は2%) 税額控除額の上限は当期の法人税額の 20% 雇用促進税制の拡充 ( 案 ) 平成 30 年 3 月 31 日までに 計画 の認定を受けた法人が 雇用促進税制の要件 ( 現行の要件 ⅱを除く ) を満たす場合 認定以後 3 年間 次の雇用促進税制の特例を講じます 税額控除額の上限は 現行の雇用促進税制と地方拠点強化税制 ( 投資減税 ) とを合わせて 当期の法人税額の 30% 現行の雇用促進税制 法人全体の前期比雇用 40 万円 の税額控除 要件 i: 法人全体の前期比雇用が5 人 ( 中小 2 人 ) 以上 ii: 法人全体の雇用者数が前期比 10% 以上等 特例 1 特例 2 当該地方拠点の前期比雇用 ( 法人全体の前期比雇用を上限 ) 50 万円 ( 要件 ⅱ を満たさない場合 20 万円 ) 移転型の 計画 である場合に限り 当該地方拠点における計画認定直前期の雇用者数に対する雇用 30 万円 適用例 移転型の計画 が認定された年度に 東京本社 地方拠点 30 人異動 新規採用 地方拠点 20 人 その他地域 5 人 その他の地域 東京 23 区支援対象の区域 (3 大都市圏以外 ) 東京本社 30 人異動 新本社 30 人 新規雇用 5 人 新規雇用 20 人 地方 拠点 移転型の計画の認定 当該年度における特例の適用 ( イメージ ) 地方拠点 : 前期比 +50 人 特例 1 40 万円 ( 現行の雇用促進税制 ) 特例 2 法人全体 : 前期比 +25 人 50 万円 (10% 以上雇用要件を満たさない場合 20 万円 ) 30 万円 ( 最長 3 年 ) 復興支援 福島再開投資等準備金制度の創設 ( 案 ) 福島復興再生特別措置法の改正を前提に 避難解除区域等 への帰還を希望する事業者で 事業再開に向けた計画を作成し 福島県知事の認定を受けたものについて 事業再開投資に要する費用の支出に充てるための準備金制度を創設します 4

非課税10 月 9 月 10 月 6 月 契約時期 Chapter 2 資産課税 (1) 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長 拡充 ( 案 ) 祖父母や両親の資産を早期に移転することを通じて 足元の住宅市場の活性化 消費税率 10% への引上げ前後における需要の平準化等を図るため 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置について 適用期限を平成 31 年 6 月 30 日まで延長した上で 非課税枠を最大 3,000 万円まで拡充します 改正前 改正案 (27 年 31 年 6 月末 ) 経過措置終了 (28 年 9 月末 ) 消費税率引上げ (29 年 4 月 ) 3,000 万円 10% 適用枠 消費税率 10% で住宅購入の契約をした者に非課税枠を上乗せ 枠1,500 万円 1,500 万円 1,200 万円 1,000 万円 1,000 万円 1 月 12 月 1 月 9 月 10 月 9 月 市場活性化策反動減対策 1,200 万円 800 万円 駆込み期 26 年 27 年 28 年 29 年 30 年 31 年 消費税率引上げに伴う経過措置により 28 年 9 月末までに請負契約を締結すれば 引渡しが 29 年 4 月を過ぎても 旧税率 (8%) を適用 ( 注 1) 上記は 良質な住宅用家屋 ( 耐震 エコ住宅 ) に係る非課税枠です なお 平成 27 年より 良質な住宅用家屋の範囲にバリアフリー住宅を追加するとともに エコ住宅の要件を見直します ( 一次エネルギー消費量等級 4 以上の住宅を追加 ) ( 注 2) 上記以外の一般住宅に係る非課税枠は 500 万円減となります ( 例 : 平成 28 年 10 月 ~ 平成 29 年 9 月に消費税率 10% で住宅購入の契約をした者であれば 2,500 万円 ) ( 注 3) 東日本大震災の被災者については 非課税枠 ( 良質な住宅用家屋 :1,500 万円 一般住宅 :1,000 万円 ) を平成 31 年 6 月末まで継続します ただし 消費税率 10% が適用される住宅購入者の平成 28 年 10 月から平成 29 年 9 月までの非課税枠については 良質な住宅用家屋 :3,000 万円 一般住宅 :2,500 万円となります ( 注 4) 住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例 ( 贈与者の年齢が 60 歳未満の場合でも相続時精算課税の適用が可能 ) についても 平成 31 年 6 月末まで継続します 5

子の保育費金融機(2) 結婚 子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の創設 ( 案 ) 両親や祖父母の資産を早期に移転することを通じて 子や孫の結婚 出産 育児を後押しするため これ らに要する資金の一括贈与に係る非課税措置を創設します 制度の概要 ( 案 ) 親 祖父母 ( 贈与者 ) は 金融機関に子 孫 (20 歳以上 50 歳未満 受贈者 ) 名義の口座等を開設し 結婚 子育て資金を一括拠出 この資金について 子 孫ごとに 1,000 万円までを非課税とします 相続税回避を防止するため 贈与者死亡時の残高を相続財産に加算します 受贈者が50 歳に達する日に口座は終了します 使い残しに対しては 贈与税を課税します 平成 27 年 4 月 1 日から平成 31 年 3 月 31 日までの措置です 関預入金のものは 300 万円資金 親 祖父母 子 孫 結婚 子育て資金を一括して拠出 ( 贈与 ) 下記の結婚 子育てに必要な資金に限って払出し可能 挙式費用 不妊治療費 子の医療費 新居の住居費 出産費用 引越費用 産後ケア費用 ( ベビーシッター費含む ) 払払出出しし結婚関係 資金 限度額 :1,000 万円 使途が結婚関係 出産関係 払出し非課税 育児関係資金 ❶ 贈与者が死亡した場合 その時点の残高を相続財産に加算 金融機関が領収書等をチェックし 左記に該当することを確認 ❷ 使い残しに対して贈与税課税 結婚 妊娠 出産 子育て 50 歳到達時 6

人累積 500 万円大Chapter 3 個人所得課税 (1)NISA の拡充 ( 案 ) 現在のNISA について 年間の投資上限額 ( 現行 :100 万円 ) を 平成 28 年から 120 万円 ( 累計 600 万円 ) に引き上げます NISA( 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得の非課税措置 ) に ついて 若年層への投資のすそ野拡大などの観点から ジュニア NISA を創設します ジュニア NISAの概要 ( 案 ) 非課税対象 : 20 歳未満の人が開設するジュニア NISA 口座内の小額上場株式等の配当 譲渡益年間投資上限 : 80 万円非課税投資額 : 最大 400 万円 (80 万円 5 年間 ) 口座開設期間 : 平成 28 年から平成 35 年までの 8 年間 ( 適用期限は現行 NISAと同様 ) 非課税期間 : 最長 5 年間運用管理 : 親権者等の代理又は同意の下で投資 18 歳になるまで原則として払出し不可 NISA ジュニア NISA を通じた実質的な投資枠が大きく拡大します 大人 1 人あたり累積 1,000 万円 (1 年の投資額 200 万円 ) 大人 1 人あたり累積 1,000 万円 (1 年の投資額 200 万円 ) 夫 100 万円累積 500 万円 20 歳未満は利用不可 子 妻 100 万円 毎月の定額投資に適した金額 120 万円 (10 万円 12ヵ月 ) 累計 600 万 夫 大人子 妻 毎月の定額投資に適した金額 120 万円 (10 万円 12ヵ月 ) 累計 600 万 20 歳未満は利用不可 ジュニア NISA 80 万円累計 400 万円 ジュニア NISA 80 万円累計 400 万円 (2) 国外転出をした場合の譲渡所得等の特例の創設 ( 案 ) 租税条約上 株式等を売却した者が居住している国に そのキャピタルゲインに関する 課税権があることを利用して 巨額の含み益を有する株式を保有したまま出国し キャピタルゲイン非課税国で売却するといった課税逃れが可能となっています ( ) このため 平成 27 年 7 月以後に出国する一定の高額資産家を対象に 出国時に未実現のキャピタルゲインに対して特例的に課税を行うこととします 出国時の有価証券等の評価額が 1 億円以上の者であり かつ 原則として出国直近 10 年内において 5 年を超えて居住者であった者 また 納税資金が不十分であることを勘案し 納税猶予 ( 最長 10 年 ) を選択できることとします 7

(3) 住宅ローン控除等の延長 ( 案 ) 平成 29 年末までの適用期限とされている住宅ローン控除等の措置について 消費税率 10% への引上げ時期の変更に伴い その適用期限を 1 年 6ヶ月延長し 平成 31 年 6 月末まで適用します 26.1.1 27.1.1 28.1.1 29.1.1 29.12.31 30.12.31 31.6.30 26.4.1 27.10.1 29.4.1 8% へ引上げ 10% へ引上げ 10% へ引上げ 1 年半 消費税率 5% 住宅ローン控除 ( 一般住宅 ) 200 万円 400 万円 1 年 6 ヶ月延長 適用期限 住宅ローン控除 ( 認定住宅 ) 300 万円 500 万円 1 年 6 ヶ月延長 適用期限 個人住民税の住宅ローン控除の特例 被災者等に係る住宅ローン控除の特例についても同様の延長措置を講じます 住まい給付金及び住まいの復興給付金についても 同様の延長措置を講じます 参考 地方税における見直し ( 案 ) ふるさと納税の拡充 ( 案 ) 平成 27 年 4 月以後に行われる寄附については ふるさと納税に係る特別控除額の上限を 個人住民税所得割の2 割に拡充します ( 現行 :1 割 ) 確定申告による現在の控除手続について 確定申告を要しない給与所得者等については これを行わずにワンストップで控除 ( 所得税分 個人住民税分 ) が受けられる仕組みを導入します 8

Chapter 4 消費課税 (1) 消費税率 10% への引上げ時期の変更等 ( 案 ) 消費税率 10% への引上げ時期について 平成 27 年 10 月 1 日から 平成 29 年 4 月 1 日に変更します 景気判断条項 ( 税制抜本改革法附則第 18 条第 3 項 ) を削除します 消費税率の引上げ時期の変更に伴い 住宅ローン減税等の適用期限の延長 (8 ページ ) 等を実施します (2) 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し ( 案 ) 国内外の事業者間における競争条件の公平性を確保する観点から 国外事業者が国境を越えて行う電子書籍 音楽 広告の配信などの電子商取引に消費税を課税します ( 平成 27 年 10 月から施行 ) サービス提供者が国外事業者である場合の課税方式について 事業者向けの取引については リバースチャージ方式 ( サービスの受け手に納税義務を課す方式 ) を導入し 消費者向けの取引については 国外事業者が申告納税を行う方式とします 事業者向けの取引とは サービスの性質や取引条件等から サービスの受け手が通常事業者に限られる取引 ( 広告配信等 ) を 消費者向けの取引とは それ以外の取引 ( 電子書籍や音楽の配信等 ) を指します 課税売上割合が95% 以上の事業者や簡易課税事業者等については 事業者の事務負担に配慮する観点から リバースチャージ対象取引を申告対象から除外します 日本に事務所等を有しない国外の納税義務者は 国内に書類送達等の宛先となる居住者 納税管理人 を置くこととなります 事業者が 国外事業者から消費者向けサービスの提供を受けた場合において 当該国外事業者が国税庁長官の登録を受けているときには 仕入税額控除が認められることとなります 事業者向け取引に係る課税方式 ( リバースチャージ方式 ) 消費者向け取引に係る課税方式 ( 国外事業者申告納税方式 ) 国内 国外 国内 国外 申告納税 国内事業者 納税義務者 仕入税額控除 国外事業者 消費者 申告納税 国外事業者 納税義務者 事業者免税点制度を適用 事業者向け のサービスについて 国内事業者が申告納税を行う 消費者向け のサービスについて 国外事業者が日本の税務署に申告納税を行う 税務署 税務署 9

(3) 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充 ( 案 ) 消費税免税店の拡大及び利便性向上を図る観点から 平成 27 年 4 月より 商店街やショッピングモール内などにおける各店舗の免税手続を 免税手続カウンター でまとめて行 うことができるようになります この場合 免税販売の購入下限額 ( 一般物品 :1 万円 消耗品 :5 千円 ) について 各店舗における購入金額の合計額で判定できるようになります 免税店を経営する事業者が 臨時店舗を設置しようとするクルーズ船寄港地の港湾施設について あらかじめ税務署長の承認を受けた場合には 出店の前日までに臨時店舗を設置する旨等を税務署長に届け出ることにより 臨時店舗での免税販売を行うことができるようになります 通常の免税店 手続委託型免税店 免税店 X 商店街等 免税手続 ( 書類作成 包装 ) 免税で販売 免税手続の委託 購入下限額一般物品 :1 万円 免税店 Y 消耗品 :5 千円 選択制 免税店として許可 免税店 A 免税店 B 免税手続カウンター 免税手続 ( 書類作成 包装 ) 消費税相当額の返金 免税手続 ( 書類作成 包装 ) 免税で販売 購入下限額一般物品 :1 万円 消耗品 :5 千円 免税店 C 免税店 D 課税で販売 購入下限額一般物品 :1 万円消耗品 :5 千円 合算して判定可 (4) たばこ税の見直し ( 案 ) 旧 3 級品の紙巻たばこに係る国及び地方のたばこ税の特例税率については 平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 4 月 1 日までの間 段階的に税率を引き上げることによって廃止します 旧 3 級品の紙巻たばこ とは わかば エコー しんせい ゴールデンバット ウルマ 及び バイオレット の 6 銘柄をいいます ( 円 / 箱 ) 280 たばこ 1 箱当たりのたばこ税額 260 244.88 円 / 箱 一般の紙巻たばこ 244.88 円 / 箱 240 220 +58.64 円 / 箱 200 180 160 税額差 128.64 円 / 箱 156.24 円 / 箱 186.24 円 / 箱 +30 円 / 箱 140 136.24 円 / 箱 +20 円 / 箱 120 +20 円 / 箱 100 116.24 円 / 箱 旧 3 級品の紙巻たばこ 0 27.4.1 28.4.1 29.4.1 30.4.1 31.4.1 ( 備考 ) 上記のたばこ税額は 国税であるたばこ税及びたばこ特別税 地方税である道府県たばこ税及び市町村たばこ税の合計税額です また 旧 3 級品の紙巻たばこの小売定価は たばこ事業法により メーカーの申請に基づき財務大臣が認可することとされています 10

(5) 車体課税の見直し ( 案 ) 自動車重量税の見直し ( 案 ) エコカー減税について 燃費基準の移行を円滑に進めるとともに 足下の自動車の消費を喚起することにも配慮し 2 年間の経過的な措置として 平成 32 年度燃費基準への単純な置き換えを行うとともに 現行の平成 27 年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を 引き続き減税対象とする等の措置を講じます < 乗用車 > 現行 初回車検 見直し案 2 回目車検初回車検 2 回目車検 電気自動車等 ( ) H27 年度燃費基準 +20% 達成 H27 年度燃費基準 +10% 達成 H27 年度燃費基準達成 免税 75% 軽減 50% 軽減 免税 電気自動車等 ( ) H32 年度燃費基準 +20% 達成 H32 年度燃費基準 +10% 達成 H32 年度燃費基準達成 H27 年度燃費基準 +5% 達成 免税 75% 軽減 50% 軽減 25% 軽減 免税 電気自動車等 : 電気自動車 燃料電池自動車 天然ガス自動車 プラグインハイブリッド自動車 クリーンディーゼル乗用車 ( 注 1) 車検証の交付等の時点において H27 年度燃費基準 +5% を達成している車については本則税率を適用します また 経過的に H27 年度燃費基準達成車 ( 新車 ) に対し 本則税率を適用します ( 注 2) ガソリン自動車 ハイブリッド自動車は いずれも H17 年排出ガス基準 75% 低減達成車 ( ) に限ります ( 注 3) バス トラックについても 乗用車に準じて見直しを行います 参考 地方税における車体課税関係の見直し ( 案 ) 自動車取得税の見直し ( 案 ) 自動車重量税と同様 燃費基準の移行を円滑に進めるとともに 足下の自動車の消費を喚起す ることにも配慮し 2 年間の経過的な措置として 平成 32 年度燃費基準への単純な置き換えを行う とともに 現行の平成 27 年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を 引き続き減税対象と する等の措置を講じます 軽自動車税の見直し ( 案 ) 平成 27 年度に新規取得した一定の環境性能を有する軽四輪等について その燃費性能に応じた グリーン化特例 ( 軽課 ) を導入します ( 例 ) 軽四輪の自家用乗用車の場合 電気自動車等 : 概ね 75% 軽減 平成 32 年度燃費基準 +20% 達成車 : 概ね 50% 軽減 平成 32 年度燃費基準達成車 : 概ね 25% 軽減 この特例については 自動車税 軽自動車税における環境性能割の導入の際に自動車税のグリーン化特例 ( 軽課 ) とあわせて見直します 二輪車に係る税率の引上げ時期を平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 4 月 1 日に1 年延期します 11

[ 平成 30 年に初回の情報交換 ] 居住者Chapter 5 国際課税 (1) 外国子会社配当益金不算入制度の見直し ( 案 ) 国際的な二重非課税を防止する観点から 外国子会社において損金に算入される配当を外国子会社配当益金不算入制度の適用対象から除外することとします ( 原則 平成 28 年 4 月 1 日以後開始事業年度から適用します ) 租税条約等に基づいて金融口座情報を各国税務当局と自動的に交換するため 金融機関に対し非居住者 ( 条約相手国の個人 法人等 ) の金融口座情報の報告を求める制度を整備します なお 金融機関には 平成 29 年から必要な手続きを開始し 平成 30 年に初回の報告をしていただくこととしています < 日本から外国への情報提供のイメージ > 日本 租税条約等に基づき 外国の税務当局に対して年一回まとめて情報提供 国税庁 A A (2) 非居住者に係る金融口座情報の報告制度の整備 ( 案氏名 住所 外国の納税者番号 口座残高 利子 配当等の年間受取総額等を報告 [ 平成 30 年に平成 29 年分を報告 ] )B日本居住者口座 ( 報告対象外 ) [ 平成 29 年から金融機関による手続開始 ] 新規口座開設者の氏名 住所 外国の納税者番号 居住地国等を届出 国A 国の税務当局 口座保有者 ( 非居住者 ) の A 国 保有情報等により既存口座保有者の居住地国を特定 A B A国居住者日本の金融機関 B 国の税務当局 A 国居住者口座 B 国居住者口座 X 国居住者口座 B 国 日本から外国に対して情報提供を行うことにより 外国から日本に対し その国の金融機関に保有される日本居住者の金融口座情報が提供されることとなります (3) 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し ( 案 )( 再掲 ) (4) 国外転出をした場合の譲渡所得等の特例の創設 ( 案 )( 再掲 ) 12

Chapter 6 納税環境整備 (1) 国外居住親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化 ( 案 ) 日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用の適正化の観点から 適用を受ける納税者 に対し 平成 28 年分以後の所得税について 親族関係書類等の添付を義務付けることとします 納税者の親族であることが確認できる書類 ( 戸籍の附表の写し 出生証明書等 ) 納税者が親族の生活費等に充てるための支払いを行ったことが確認できる書類 ( 送金依頼書 クレジットカード利用明細書等 ) (2) マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な利用の推進 ( 案 ) マイナンバーが付された預貯金情報を税務手続きにおいて効率的に利用する観点から 銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理することを義務付けます ( 平成 30 年 1 月から施行予定です ) (3) 財産債務明細書の見直し ( 案 ) 所得税 相続税の申告の適正性を確保する観点から 現行の財産債務明細書について 以下の見直しを行い 新たに財産債務調書として整備します ( 出国時の譲渡所得課税の特例にも活用が可能となります ) 提出基準 ( 現行 : 所得 2 千万円超 ) を見直し 所得 2 千万円超 かつ 総資産 3 億円以上または有価証券等 1 億円以上 (12 月 31 日時点 ) とします 有価証券等 の範囲は 出国時の譲渡所得課税の特例の対象資産と同様です 記載内容を見直し 財産の詳細を時価 ( 見積価額も可 ) で記載することとします 出国時の譲渡所得課税の特例に活用する観点から 有価証券等については取得価額も併記します 加算税の加減算によるインセンティブ措置を導入します 所得税 相続税の申告漏れがあった場合 財産債務調書に記載がある部分については 過少 ( 無 ) 申告加算税を 5% 軽減します ( 所得税 相続税 ) 財産債務調書の不提出 記載不備に係る部分については 過少 ( 無 ) 申告加算税を 5% 加重します ( 所得税 ) 平成 28 年 1 月 1 日以後に提出すべき財産債務調書について適用します 13

(1) 法人税率の引下げ 6,690 4,570 (2) 所得拡大促進税制の拡充 340 ー (3) 研究開発税制 ( 総額型 ) の特別試験研究費控除の拡充 300 230 (4) 欠損金の繰越控除制度の見直し 3,970 1,630 (1,920) (5) 受取配当等の益金不算入制度の見直し 920 710 (6) 租税特別措置の見直し 1,790 1,410 (7) 地方拠点強化税制の創設 100 20 法人課税計 750 1,070 (1) ジュニア NISA( ) の創設 150 ー (2)NISA の年間投資上限額の引上げ 50 0 (3) 確定拠出年金制度の拡充 20 ー 個人所得課税計 220 0 (1) 自動車重量税のエコカー減税の対象範囲の見直し 190 170 (2) 国境を越えた 務の提供に対する消費税の課税の見直し 70 10 (3) 旧 3 級品の紙巻たばこに係るたばこ税の特例税率の廃止 10 ー 消費課税計 110 160 1,080 1,230 ( 注 1) 上記の計数は10 億円未満を四捨五入しています ( 注 2) 1.(4) 欠損金の繰越控除制度の見直し の平年度の収見込額は平成 29 年 4 月 1 日以降に開始する事業年度より適用される改正の収見込額であり カッコ書きは平成 27 年 4 月 1 日 平成 29 年 3 月 31 日に開始する事業年度に適用される改正の収見込額です ( 注 3) 1.(6) 租税特別措置の見直し は 研究開発税制の見直し ( 平年度 1,140 億円 初年度 910 億円 ) 生産等設備投資促進税制の廃止 ( 平年度 330 億円 初年度 250 億円 ) 太陽光発電設備の即時償却の廃止 ( 平年度 190 億円 初年度 140 億円 ) 及び特定資産の買換え等の場合の課税の特例の見直し ( 平年度 130 億円 初年度 110 億円 ) であり この中には 損益計上時期の変化に伴う一時的な収も含まれます ( 注 4) 3.(1) 自動車重量税のエコカー減税の対象範囲の見直し 欄の計数は 平成 32 年度燃費基準への置換えに伴い見込まれる税収からの減収額です 上記のほか 特別会計分の減収見込額は 平年度 130 億円 初年度 117 億円と見込まれます ( 注 5) 旧 3 級品の紙巻たばこに係るたばこ特別税の特例税率の廃止による特別会計分の収見込額は 平年度 2 億円と見込まれます 14

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