1 考えてみよう税金のこと おさ わたしたちの納める税金は だれもが豊かで安全に楽しくくらしていくために みなさん の身近なところでいろいろなかたちで使われています わたしたちのくらしのなかで 税金がどのように役立てられているのか考えてみましょう 身近なところで税金が使われています 家族で朝のひととき 今日も学校へ 毎日 水を使うことができるのは 水道が整備されているからです しゅうしゅう び 今日はごみの収集日 昼 朝 衛生的な生活がおくれるように しょ り ごみの収集 処理がおこなわれます 平等に教育が受けられるように 教 むしょう 科書が無償で支給されます 校舎をは じめ机やいすなどが整備されます 毎日通る道に つうきん 安全に通勤や通学ができるように 道路を整備しています 夜 安全なくらしのために 安心で安全な生活をおくれるよ けいさつ うに 警察や消防などの公共サー ビスは 昼も夜もわたしたちのく らしを支えています 児童 生徒一人当たり どのくらいの税金 公共サービスってなに 豆知識 ① 小学生のみなさんが勉強するために 1年間に約86 万円の税金が使われています ごみの収集や処理 安全を守る警察や消防など わたしたちの生活に欠くことができないもので役 国と地方公共団体が負担した公立学校の 児童 生徒1人当たりの年間教育費 平成24年度 所が行うサービスのことです 小学生 約 863,000 円 中学生 約 993,000 円 高校生 全日制 約 1,000,000 円 ほしょう 社会保障ってなに こうれい しょうがい かいご いりょう 高齢者や障害者の介護 医療の充実 子育て支援など 私たちが安心して生活していくために必要な医療保障 1 ヶ月当たり 約7万2千円 ふくし 年金制度 老人福祉 介護のことです 1 ヶ月当たり 約8万3千円 1 ヶ月当たり 約8万3千円 平成26年4月より 高等学校就学支援金制度が導入されました 1
このようなことにも税金が使われています 金 て 2
2 みんなのために役立てる! 国や県 市町村では それぞれ税金をいろいろなことに使っています 国の税金の使いみち (8 ページの 国の予算 参照 ) 国の税金は わたしたち国民が より豊かで安心してくらせるために使われています また 世界で生えんじょうちゅう活に苦しむ国の人々への援助や 宇宙開発などの明るい未来のためにも使われています 国では 国民のこうしょうはばくらしのことのほか 外国との交渉や国を守ることなど 国のために必要な 幅広い仕事をおこなうために税金を使っています わたしたちの健康や生活を守るために こうれい 高 しょうがい 齢者や障害者のくらしを支えるために [ 写真提供 : 東京都 ] むしょう 教育のために( 教科書の無償支給など ) 道路をつくるなど町の整備のために 災害復旧のために はってんうちゅう 科学技術の発展のために ( 宇宙開発など ) [ 写真提供 : 防衛省広報室 ] [ 写真提供 :JAXA] 3
地方の税金の使いみち (8 ページの 神奈川県の予算 参照 ) けいさつしゅうしゅう地方 ( 都道府県や市町村 ) は 高齢者や障害者への援助 警察や消防 ごみの収集など住民の生活に欠 かせない身近なことに税金を使っています 地方が活動するための税金は 地方税と国から交付されたお金などとでまかなわれています くらしを守るために きれいな町にするために 火災 災害から守るために いつでも水が使えるために [ 写真提供 : 東京都 ] [ 写真提供 : 東京都 ] 県民一人当たり 1 年間に使われるお金 平成 27 年度の神奈川県の予算を神奈川県の人口で割ったらこうなるよ 豆知識 2 教育費 教育のために ( 学校 図書館や博物館など ) 民生費 高齢者や障害者の方の援助のために 警察費 県民の安全な生活を守るために 衛生費 健康を守るために 約 65,877 円 土木費 道路整備やまちづくりのために 約 41,810 円 約 20,587 円 神奈川県の人口は 9,100,346 人だよ 約 4,725 円 約 10,075 円 ( 平成 27 年 1 月現在 ) 神奈川県人口統計調査 より 4
本 さんで本を いました 本には 3 税金ってどういうものなの? おさ税金にはいろいろな種類があります 税金はだれがどうやって納めているのでしょう と会社に めている人 毎月税金を納めています で をしている人かくてい さんは さんです 毎年 定しんこく をして税金を納めています を ったとき 1,080 円 ( 税 み ) と表 されていました んせんちょうしゅう 収 会社が給料から税金を し いて 本人にかわってまとめて納めることをいいます かくていしんこく 税金の額を自分で計算して する ( とどけ出る ) ことをいいます さんは 会社員です 会社を通して 税金にはいろいろな種類があります 税金には 国に納める国税と県や市町村に納める地方税があります 国税 ( 国に納める税金 ) ぞうよぜい 所得税 消費税 贈与税 法人税 酒税 相続税など 地方税 ( 県や市町村に納める税金 ) 県民税 事業税 自動車税 地方消費税 市町村民税 固定資産税など 県民税と市町村民税を合わせて住民税といいます 5
消費税の旅 消費税とは 商品を買ったり サービスを受けたりしたときなどにかかる税金で 消費者 ふたん が負担する税金です わたしたちが お店で品物を買ったときに代金といっしょに払った消費税は どのように くわ 納められるのか詳しくみてみましょう 書店 消費者 本1,080円(税込み) お店 消費者から預かった消費 いっしょに消費税80 税の額を計算して納める 1,000円 1,000円 ( 消費税を負担する ) 80円 ( 消費税を納める ) 80円 日本銀行 預けられた消費税を国の 63円 お金 国庫金 として保 国 6.3 地方 17円 管する 注 消費税は国税 消費税 と地方 集めた消費税を預ける お店の 売り上げ 品物の代金1,000円と 円を払う 税務署 80円 1.7 こうして 日本銀行に 税 地方消費 税 に分かれてい 集まった消費税などの て8 の消費税のうち6.3 は国 使いみちをどうやって 税 1.7 は地方税です 決めているのか次の ページで見てみよう 25 外国の消費税はどうなっているの 25 いりょう 日本では わたしたちが安心して生活できるよう年金や医療 などのために消費税が使われています 豆知識 ③ 22 20 17 15 ちいき 消費税は 世界100以上の国や地域にあります 10 10 スウェーデンの税率は25 で日本の約3倍ですが 生活に必 要な物に対する税率は低くおさえられています 食品は12 しょせき 5 0 新聞や書籍は6 など 8 スウェーデン イタリア 中 国 韓 国 日 本 平成27年1月現在 6
4 みんなで決める税金の使いみち さいにゅうさいしゅつ国や県などが 一年間に入るお金 ( 収入 = 歳入 ) と使うお金 ( 支出 = 歳出 ) を あらかじめ見積もって計算したものを 予算 といいます 予算は 話し合いで決めています 国の予算の決め方 国に入るお金のうち約 57% は国民が納める税金です 国は 国民のくらしを豊かにするために これらのお金 ないかく をどう使うかを話し合いで決めています まず 内閣が1 年間に入るお金 ( 歳入 ) と 国の仕事に必要なお金 ( 歳出 ) を計算し 予算案をたてます そして その予算案について 国民の代表である議員 ( 国会議員 ) が国会で話し合い 予算が決められます [ 写真提供 : 東京都 ] 県の予算の決め方 ちいきじょうきょう県に入るお金のうち約 62% は県民が納める税金です 県は 県民のくらしに必要なことを地域の意見や状況を考えて これらのお金をどう使うかを話し合いで決めています まず 知事が1 年間に入ってくるお金 ( 歳入 ) と 出ていくお金 ( 歳出 ) の計画 ( 予算案 ) をたてます そして その予算案について 県民の代表である議員 ( 県議会議員 ) が県議会で話し合い 予算が決められます 国の予算の決め方と同じです 7
交付金ってなに? 県や市町村の財政をおぎなうために 国から支出されるお金のことです 公こうさいきん債金ってなに? 国や県に使うお金が税金だけでは足りないときに国や県が借しゃっきん金して得るお金のことです 国も県も税金をどう使うかをみんなで話し合って決めているんだね 8
5 税は大切なもの 税金は みんなで社会を支えるための 会費 のようなもの おさふくしいりょうけいさつ私たちの納めた税金は 社会保障のため ( 福祉 医療 年金など ) 安全を守るため ( 警察 消防な ど ) 快適なくらしのため( 道路 水道の整備など ) といったみんなのために役立つ活動などに使われています また 災害からの復旧のためにも使われています 税金は わたしたちが豊かにくらすためにみんなで出し合う会費のようなものです もしも税金がなかったら? こんな世界になってしまうかも 橋がこわれてもなおせない 道路では 通行料 を取る人が かいしゅうごみの回収がなくなり町中がごみだらけ 公園はすぐになくなって遊ぶ場所もない 信号も止まり 交通事故が多発!? 道案内 1 件 200 円 交番は有料に!? こくぜいちょう国税庁ホームページ 税の学習コーナー ビデオライブラリー マリンとヤマト不思議な日曜日 より ( 国税庁 HP で見ることができます ) 9
のうぜい 納税は国民の義務 日本国憲法では 納税の義務 を定めています ふつうきんろうこの 納税の義務 は 子どもに普通教育を受けさせる義務 勤労の義務 とならんで 国民の三大義務 の一つとされています 日本国憲法第三十条 国民は 法律の定めるところにより 納税の義務を負う みんなで考えようこれからのこと こうれい 少子高齢社会 という言葉を聞いたことがありますか 日本では毎年生まれてくる赤ちゃんの数が少なくなっています 一方 65 歳以上の高齢者の数は増え ています しわりあいそうすると 人口に占める高齢者の割合が増え 反対に働き手の割合が少なくなっていきます このような社会を 少子高齢社会 といいます かいご高齢者が増えると医療や年金 介護などに必要なお金が増えてきますので 今までの税金の仕組みではむずか私たちの生活を支えることが難しくなっていきます たがこれからの日本では お互いに支えあっていくことが今まで以上に必要になります ふたんそのためには 時代にあった税金の使いみちや負担の仕方を考えていく必要があります こうれいすいい 働く人口 (20 64 歳 ) の高齢者人口 (65 歳以上 ) に対する比率の推移 さい ほしょうしょうらいすいけい 総務省 国勢調査 国立社会保障 人口問題研究所 日本の将来推計人口 ( 2 0 1 2 年 1 月推計 ) による 税金についてわかったことや感じたことを書いてみましょう 10