問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

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( 第 1 段階 ) 報酬比例部分はそのまま定額部分を段階的に廃止 2 年ごとに 1 歳ずつ定額部分が消える ( 女性はすべてプラス 5 年 ) 報酬比例部分 定額部分 S16 S16 S18 S20 S22 4/1 前 4/2 ~4/2 4/2 4/2 4/2 ~~~

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今回の改正によってこの規定が廃止され 労使協定の基準を設けることで対象者を選別することができなくなり 希望者全員を再雇用しなければならなくなりました ただし 今回の改正には 一定の期間の経過措置が設けられております つまり 平成 25 年 4 月 1 日以降であっても直ちに希望者全員を 歳まで再雇用


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再任用と年金加入の関係をまとめると次のようになる ( 都道府県によって勤務形態は異なる ) 再任用の勤務形態フルタイム勤務 3/4 1/2 週の勤務時間 38 時間 45 分 29 時間 19 時間 15 分 共済年金 厚生年金 (2016 年 9 月 30 日まで ) 加入する年金 (2015 年

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表紙

一元化後における退職共済年金および老齢厚生年金の在職支給停止 65 歳未満の場合の年金の支給停止計算方法 ( 低在老 ) 試算表 1 年金と賃金の合算額が 28 万を超えた場合に 年金額の支給停止 ( これを 低在老 といいます ) が行われます 年金と賃金の合算額 (c) が 28 万以下の場合は

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ⅰ. キーワードや法令を知る 01 処遇検討の背景 少子高齢化が急速に進展する中 労働力人口の減少に対応し 経済と社会を発展させるため 高年齢者をはじめ働くことができる全ての人が社会を支える全員参加型社会の実現が求められております また 現在の年金制度に基づき平成 25 年度から特別支給の老齢厚生年

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2 継続雇用 の状況 (1) 定年制 の採用状況 定年制を採用している と回答している企業は 95.9% である 主要事業内容別では 飲食店 宿泊業 (75.8%) で 正社員数別では 29 人以下 (86.0%) 高年齢者比率別では 71% 以上 ( 85.6%) で定年制の採用率がやや低い また

政策課題分析シリーズ16(付注)

2. 繰上げ受給と繰下げ受給 65 歳から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金は 本人の選択により6~64 歳に受給を開始する 繰上げ受給 と 66 歳以降に受給を開始する 繰下げ受給 が可能である 繰上げ受給 を選択した場合には 繰上げ1カ月につき年金額が.5% 減額される 例えば 支給 開始年齢

節減の対象となる社会保険料 健康保険 健康保険 社会保険 介護保険 厚生年金 雇用保険 労働保険 労災保険 概要 業務外の傷病に関する給付を行う 政府管掌 健康保険 ( 協会けんぽ ) と組合管掌健康保険 ( 健保組合 ) がある 介護や家事支援などの給付 ( サービス ) を提 老齢 障害 死亡

平均賃金を支払わなければならない この予告日数は平均賃金を支払った日数分短縮される ( 労基法 20 条 ) 3 試用期間中の労働者であっても 14 日を超えて雇用された場合は 上記 2の予告の手続きが必要である ( 労基法 21 条 ) 4 例外として 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

自動的に反映させないのは133 社 ( 支払原資を社内で準備している189 社の70.4%) で そのうち算定基礎は賃金改定とは連動しないのが123 社 (133 社の92.5%) となっている 製造業では 改定結果を算定基礎に自動的に反映させるのは26 社 ( 支払原資を社内で準備している103

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第 Ⅰ 部本調査研究の背景と目的 第 1 節雇用確保措置の義務化と定着 1. 雇用確保措置の義務化 1990 年代後半になると 少子高齢化などを背景として 希望者全員が その意欲 能力に応じて65 歳まで働くことができる制度を普及することが 政策目標として掲げられた 高年齢者雇用安定法もこの動きを受

JILPT 高齢者の雇用 採用に関する調査結果 (2008) の概要 高齢者の雇用 採用に関する調査 (2008 年 8-9 月実施 ) 高年齢者雇用関連の法制度が整備される中で 企業の高齢者の雇用や採用に関する最近の取組等を把握 全国の常用雇用 50 人以上の民営企業 社を対象 有効回

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定していました 平成 25 年 4 月 1 日施行の 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律 では, 継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止について規定されていますが, 平成 25 年 4 月 1 日の改正法施行の際, 既にこの基準に基づく制度を設けている会社の選定基準につい

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はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

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2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

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8-1 雇用保険 雇用保険の適用基準 1 31 日以上引き続き雇用されることが見込まれること 31 日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き この要件に該当することとなります このため 例えば 次の場合には 雇用契約期間が31 日未満であっても 原則として 31 日以上の雇用が見込まれるもの

2. 継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大上記の選別基準が廃止されることにより 企業が雇用する従業員が増加すると推察され 雇用事業主だけでの雇用確保は限界があると考えられるため 継続雇用の雇用確保先がグループ企業にまで拡大された 3. 厚生労働大臣による高年齢者雇用確保措置に関する勧告に従

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そのときになって困らないために リタイア前後の手続き編 厚生年金や国民年金の受給手続きは 年金事務所や市区町村役場の年金窓口で行います 共済年金加入期間のある人の手続きは 加入した共済組合です 加入していた年金制度 第 1 号被保険者期間だけの人国民年金だけ第 1 号被保険者期間だけの人 第 3 号

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はじめに 定年 は人生における大きな節目です 仕事をする 働く という観点からすれば ひとつの大きな目標 ( ゴール ) であり 定年前と定年後では そのライフスタイルも大きく変わってくることでしょう また 昨今の労働力人口の減少からも 国による 働き方改革 の実現に向けては 高齢者の就業促進も大き

1 調査の概要 1-1 調査の目的我が国は 人口減少社会を迎えており 働く意欲と能力のある高年齢者が その能力を発揮して 希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている これまで 年金の支給開始年齢の引上げ等もあり 65 歳までの雇用確保 ( 継続 ) に力点が置かれがち

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34(30) 等級の 報酬月額 欄は 厚生年金保険の場合 605,000 円以上 と読み替えて下さい 4. 平成 27 年度における協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は 280,000 円です 5. 健康保険組合に加入する方の健康保険料額については 加入する健康保険組合へお問い合わせ下

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図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

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問 2 1 〇 3 〇問 ,347( 円 ) 21,459,005 ( 円 ) < 賃金低下率 > < 支給率 > 61% 以下 15% 65% 10.05% 70% 4.67% 75% 以上 0% 1 適切 適切 A さんが厚生年金保険の被保険者でなくなった 場合 妻 B さんは 60

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目 次 1 平成 30 年度の年金額について 問 1 今年度は年金額の改定はないのですか 1 問 2 年金が下がっているのですが なぜですか 1 問 3 マクロ経済スライドとは どういうものですか 3 問 4 マクロ経済スライドによる年金額調整とは どういうものですか また 平成 30 年度の年金額

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

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目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

< 参考資料 目次 > 1. 平成 16 年年金制度改正における給付と負担の見直し 1 2. 財政再計算と実績の比較 ( 収支差引残 ) 3 3. 実質的な運用利回り ( 厚生年金 ) の財政再計算と実績の比較 4 4. 厚生年金被保険者数の推移 5 5. 厚生年金保険の適用状況の推移 6 6. 基

みずほインサイト 政策 2013 年 2 月 20 日 希望者全員を 65 歳まで雇用義務化高齢者が活躍できる職場の創設と人材育成が課題 政策調査部上席主任研究員堀江奈保子 年 4 月 1 日に高年齢者雇用安

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企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A


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(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか

制度変更の背景 厚生年金保険法の改正法は 国の厚生年金保険の一部を代行している部分について 厚生年金基金の資産が代行部分に不足することがないような仕組みづくりを趣旨としています 国の代行資産に企業年金の上乗せ部分の資産を加えた厚生年金基金は 大きな資産を保有し 運用環境の悪化時には一時的に大きな積立

平成25年4月から9月までの年金額は

図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (

5. 退職一時金に係る就業規則のとりまとめ 退職一時金に係る就業規則の提供があった企業について 退職一時金制度の状況をとりまとめた なお 提供された就業規則を分析し 単純に集計したものであり 母集団に復元するなどの統計的な処理は行っていない 退職一時金の支給要件における勤続年数 退職一時金を支給する

2 社会保障 2.1 社会保障 2.2 医療保険 2.3 年金保険 2.4 介護保険 2.5 労災保険 2.6 雇用保険 医療保険は社会保険を構成する1つです 医療保険制度の仕組みや給付について説明していきます 医療保険制度 医療保険制度は すべての国民に医療を提供することを目的とした制

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(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

とは 60 歳以上 65 歳未満で 給料が60 歳以前の75% 未満に下がり 失業手当や再就職手当を受け取らずに働いている人に支給される給付金です (60 歳時点において 雇用保険に加入していた期間が5 年に満たない場合 雇用保険に加入していた期間が5 年となった日から ) とは 年金支給開始年齢以

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目 次 最新データ更新ページ 本誌該当ページ更新内容ページ P7 P15 P17 平成 25 年 10 月時点の老齢基礎年金の年金額および厚生年金の保険料率等の修正 平成 25 年 10 月時点の厚生年金の保険料率および毎月の保険料額の修正 平成 25 年 10 月時点の厚生年金の保険料率および賞与

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

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規定例 ( 育児 介護休業制度 ) 株式会社 と 労働組合は 育児 介護休業制度に関し 次 のとおり協定する ( 対象者 ) 育児休業の対象者は 生後満 歳に達しない子を養育するすべての従業員とする 2 介護休業の対象者は 介護を必要とする家族を持つすべての従業員とする 介護の対象となる家族の範囲は

職種別内訳 : 薬剤師 薬種商 登録販売者 16 名 109 名 475 名 Ⅲ 制度導入の背景及背景及び制度制度の紹介当社では主に継続雇用者である嘱託社員の雇用形態を役割と就業時間に応じて改正し さらに雇用形態に応じた人事評価 ( 効果 ) 制度の見直しを図り それに基づく賃金制度の改正を行った

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Transcription:

高年齢者雇用安定法 ( 目的 ) この法律は 定年の引上げ 継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進 高年齢者等の再就職の促進 定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ もつて高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図るとともに 経済及び社会の発展に寄与することを目的とする ( 高年者等の雇用の安定に関する法律 ) 平成 18 年 4 月からの 高年齢者雇用確保義務 導入の義務化 65 歳までの段階的な雇用の確保義務年齢 平成 18 年 4 月 1 日から 62 歳 平成 19 年 4 月 1 日から 平成 22 年 4 月 1 日から 平成 25 年 4 月 1 日から 63 歳 64 歳 65 歳 1

問題の背景 高齢者を取り巻く状況の変化 少子高齢化の急速な進展 2015 年までの労働力人口の減少 厚生年金の支給開始年齢の段階的引き上げ 少なくとも 年金開始年齢までは働くことのできる 社会 制度づくり ( 企業への負担 ) 会社にとっての問題点 そしてベストな対策対策が必要に!! 2

雇用の確保の方法 定年制の廃止 定年年齢の引き上げ 継続雇用制度これらのいずれかの方法により 65 才までの雇用を確保 Point 60 歳以降の雇用に対する人件費負担軽減策 継続雇用制度 現に雇用している高年齢者が希望するときは 定年後も引き続いて雇用する制度 3

厚生年金の支給開始年齢の引き上げ 男性 S16.4.2~S18.4.1/ 女性 S21.4.2~S23.4.1 60 才報酬比例部分 65 才老齢厚生年金 61 才定額部分老齢基礎年金 男性 S18.4.2~S20.4.1/ 女性 S23.4.2~S25.4.1 60 才報酬比例部分 65 才老齢厚生年金 62 才定額部分老齢基礎年金男性 S20.4.2~S22.4.1/ 女性 S25.4.2~S27.4.1 60 才報酬比例部分 65 才老齢厚生年金 63 才定額部分老齢基礎年金 男性 S22.4.2~S24.4.1/ 女性 S27.4.2~S29.4.1 60 才報酬比例部分 64 才定額部分 65 才老齢厚生年金 老齢基礎年金 男性 S24.4.2~S28.4.1/ 女性 S29.4.2~S33.4.1 60 才報酬比例部分 65 才老齢厚生年金 老齢基礎年金 4

厚生年金支給開始年齢の引き上げ ( つづき ) 男性 S28.4.2~S30.4.1/ 女性 S33.4.2~S35.4.1 報酬比例部分 65 才 老齢厚生年金 61 才 老齢基礎年金 男性 S30.4.2~S32.4.1/ 女性 S35.4.2~S37.4.1 報酬比例部分 65 才 老齢厚生年金 62 才 老齢基礎年金 男性 S32.4.2~S34.4.1/ 女性 S37.4.2~S39.4.1 報酬比例部分 65 才 老齢厚生年金 63 才 老齢基礎年金 男性 S34.4.2~S36.4.1/ 女性 S39.4.2~S41.4.1 男性 S36.4.2~/ 女性 S41.4.2~ 報酬比例 65 才老齢厚生年金 64 才老齢基礎年金 65 才老齢厚生年金 老齢基礎年金 5

雇用の確保と年金支給開始年齢 S20.4.2~S22.4.1 生 65 才報酬比例部分 63 才定額部分 雇用確保義務 S22.4.2~S24.4.1 生 65 才報酬比例部分 64 才定額部分 雇用確保義務 S24.4.2~S28.4.1 生 65 才報酬比例部分 雇用確保義務 6

継続継続雇用制度とは? Point 継続雇用制度には 定年に到達した者を退職させずに引き続き雇用する 勤務延長制度 勤務延長制度 と 定年に到達した者をいったん退職させた後 再び雇用する 再雇用制度 再雇用制度 がある 雇用契約を延長させる 勤務延長制度 雇用契約を結びなおす 再雇用制度 雇用条件高年齢者の安定した雇用の確保が図られていればいい 必ずしも労働者の希望に合致した職種や労働条件でなくてもよい 短時間勤務や隔日勤務も可能 対象者の基準労使協定により基準を設けることもできる 7

60 歳からの継続雇用制度のキーワード Point1 在職老齢年金 厚生年金開始年齢の引き上げ 60 歳台前半の年金の開始年齢 在職老齢年金とは 前 1 年間の賞与を加味した給与額と年金額を調整後の在職中の年金 Point2 高年齢雇用継続給付金 高年齢雇用継続給付とは 60 歳時の給与と比較して 75% 未満に低下したときに 雇用保険から支給される給付金 在職老齢年金と高年齢雇用継続給付金は調整され 年金の一部が支給停止される Point3 適切な高齢者最適賃金設計 会社の人件費削減 本人の手取額の確保 8

高年齢雇用継続給付のイメージ 60 才以後の給与が 75% 未満に低下したら支給される給与低下率 61% 未満で最大 15% が支給 1 60 歳以上 65 歳未満で 雇用保険被保険者期間が5 年以上あること 2 60 歳時点の登録給与に比べて75 未満の給与で働いていること 支給限度額上限 :340.733 円 下限 :1.664 円0才給与の到達低下率 75% 時の給与61% 額高年齢雇用継続給付最大 15% 660 歳以後の給与 9

会社の人件費の負担 1 保険料の負担 厚生年金の保険料は平成 29 年度まで毎年 0.354%( 本人負担率 0.177%) 引き上げられる 平成 18 年 9 月からの厚生年金保険料率 14.642% が平成 29 年 9 月には 18.3% になる 平成 18 年 9 月 ~ 平成 19 年 8 月適用保険料率 保険の種類 従業員負担率 会社負担率 合計 労働保険 労災保険雇用保険 - 0.8% 0.45% 0.35% 0.8% 0.45% 1.95% 健康保険 4.1% 4.1% 8.2% 社会保険 介護保険厚生年金 0.615% 7.321% 0.615% 7.321% 1.23% 14.642% 児童手当拠出金 - 0.09% 0.09% 合 計 12.836% 13.726% 26.562% 10

会社の人件費の負担 2 保険料の実際の負担 社会保険料の負担 給与月額 42 万円の会社の負担額 給与月額 42 万円 9.436 円. 毎月の保険料の負担額 59.436 厚生年金保険料 : 30.016 円 32.918 円健康保険料 : 16.810 円介護保険料 : 2.521 円雇用保険料 : 4.830 円労災保険料 : 1.890 円児童手当拠出金 : 369 円 給与額 42 万円 約 48 万円の負担 Point3 適切な高齢者最適賃金設計 11

高齢者最適賃金設計のイメージ 手取額 約 480 万円 給与 42 万円 60 才以前 年金 給付金 手取額 約 368 万円 給与 24.9 万円 給与月額 60 才以後 年金 給付金 手取額 約 264 万円 給与 20 万円 高齢者最適賃金設計とは 本人の手取額を減らさないよう高齢者雇用継続給付金と在職老齢年金を合わせて 60 才以降の給与額を設計 給与額を下げれば下げるほど高年齢雇用継続給付金 年金の給付額が増える訳ではない! 社会保険料 所得税 年金高年齢雇用継続給付金を考慮し本人手取額が高くなるよう設計 12

給与と年金と雇用継続給付の関係 給与の低下割合 76% 70% 65% 61% 以下 高年齢雇用継続給付金の支給率 0% 4.67% 10.05% 15% 年金の支給停止率 0% 1.87% 4.02% 6% 80.00% 60.00% 40.00% 20.00% 0.00% 給与と給付 76 70 65 61 45 給与と給付 雇用継続給付 10.00% 8.00% 6.00% 4.00% 2.00% 0.00% 給与の減額率 13

高齢者最適賃金設計 会社の人件費への影響 給与の設定 月額 420.000 円月額 249.000 円 賞与賞与 70 70 万円万円 ( 年額年額 574 574 万円万円 ) 賞与無賞与無 ( 年額年額 298 298 万円万円 ) 差額 給与額 171,000 円 ( 月額 ) 健康保険料 6,970 円 介護保険料 厚生年金保険料 児童手当拠出金 雇用保険料 労災保険料 1,045 円 12,446 円 153 円 1,368 円 7,695 円 差額合計 ( 月額 ) 200,677 万円 14

高齢者最適賃金設計 従業員本人の手取額の影響 給与の設定 月額 420.000 円から最適給与 249.000 円へ変更 ( 年金額 1.200.000 円 ) 年額の給与設定 5.74.000 円 2.988.000 円 変更前 変更後 1 年後 給与月額 420.000 円 249.000 円 249.000 円 社会保険料 52.707 円 30.878 円 30.878 円 所得税 16.640 円 6.380 円 6.380 円 控除額合計 69.347 円 37.558 円 37.558 円 控除後支給額 350.653 円 211.442 円 211.442 円 受給年金額高年齢雇用継続給付金手取額 0 円 0 円 351.169 円 26.434 円 37.350 円 275.650 円 55.600 円 37.350 円 304.492 円 給与額差額 171.000 円 手取額差額 約 75.000 円 15

再雇用制度導入例 事例 1 従業員数 45 名小売業 50 歳以上の従業員 10 名 ( うち 55 歳以上 8 名 ) 退職金制度あり 60 歳定年は変更せず再雇用制度導入 ( 再雇用後は 嘱託従業員 と規程し一般の従業員と区別 再雇用後は最適賃金を考慮した賃金制度最適賃金を考慮した賃金制度を導入 賞与無 65 歳退職時に再度の退職金退職金を支給予定 ( 外部積立 ) 退職金は50 万円から100 万円支給予定 従業員には60 歳以降の働き方 労働条件等 59 歳の誕生日前後から話し合いを持ち 双方で納得して個別に雇用契約を締結 16

再雇用制度導入例 事例 2 従業員数 20 名衛生業 50 歳以上の従業員 3 名 ( うち 55 歳以上 2 名 ) 退職金制度なし 60 歳定年は変更せず再雇用制度導入 再雇用後は基本的には短時間勤務の嘱託従業員短時間勤務の嘱託従業員となる 短時間嘱託従業員は労働時間を一般の社員の半分から4 分の3 未満に設定し社会保険から外す 65 歳まで勤務したら退職金退職金を支払う ( まだ規程は無い ) 退職金は一律 50 万円 17

問題点と代替案 問題点 1 60 歳時の到達賃金 ( 登録賃金 ) 在職老齢年金 雇用継続給付金を考慮した賃金設計は本人の能力や働き振りと無関係になりがち モチベーションの低下 問題点 2 手取額が減ったままの従業員本人の給与税金的には5 年間で200 万円までが可能金額給与額を下げる 賞与をなくす 退職金積立に移行若い社員を新たに採用可能 高齢者の位置は生産性より技術の伝授 問題点 3 年金や雇用継続給付金の支給までの生活保障 再退職金の有効的な利用!! 評価評価を反映させ支給額に差をつける 再退職金再退職金で手取額の確保 年金支給までカバー 社会保険の同日得喪 18

まとめ会社にとって最適な対策とは? 高齢者社会への加速が進むわが国 負担を強いられる企業 これを機会に企業経営を好転させる対策案を考える経験と高い技術を持つ高齢者を低い賃金水準で雇用可能 高い就労意欲を維持する従業員 貢献度を反映した処遇 ( 退職金で差をつける ) 将来の会社の人事構成を考え直す機会 19

参考資料 60 歳台前半の在職老齢年金の仕組み 年金基本月額 ( 年金 12) と給与の合計が 28 万円を超えたら年金がカットされる 基本月額 ( 年金額 /12) 支給調整の対象 総報酬月額相当額 ( 年収 /12) 28 万円 支給停止調整額 20

参考資料総報酬制の影響 平成 15 年 4 月 ~ 給与にかかる保険料率と賞与にかかる保険料率が同じに! 総報酬制導入前 総報酬制導入後 毎月の給与 保険料率 給与額の上限 17.35% 62 万円 13.58~18.3% 賞 与 保険料率 賞与額の上限 1% 上限なし 13.58~18.3% 150 万円 受給年金額は給与だけでなく賞与からの保険料も含めて計算される 平成 16 年 4 月 ~ 在職老齢年金の年収には給与だけでなく賞与も含まれる! 総報酬月額相当額 ( 在職老齢年金計算時の月額給与 ) 毎月の給与額 1 年間の賞与額 12 計算式 総報酬月額相当額とは? ( その月の標準報酬月額 + 直近の 1 年間の標準賞与額 ) 12 21