肝炎インターフェロン 地域連携パス 和歌山県立医科大学附属病院 消化器内科
患者さま情報 あなたのお名前 かかりつけ医 電話 : 調剤薬局 緊急時連絡先 ( ) 年 ( ) 月 ( ) 日からペグインターフェロン ( ペガシス ペグイントロン ) 注射を週 1 回 合計 ( ) 週間の予定で開始しま した 併用療法の場合は リバビリン ( コペガス レベトール ) という 内服薬を一緒に飲んでいます
はじめに 地域連携クリティカルパス とは 地域のかかりつけ医と和歌山県立医科大学附属病院の医師が協力して治療にあたるための治療計画表です この治療計画表を活用することにより 安心で質の高い医療を提供することを目指しています C 型慢性肝炎の標準治療であるペグインターフェロン リバビリン併用療法は週 1 回のペグインターフェロン注射が24~72 週間続くため 患者さんにとっては大変な治療となりますし 長期間には様々な副作用も出現してきます これらにきめ細かく対応して 無事に最後まで治療を続けるためには かかりつけ医の先生の協力がかかせません 病状が安定した方はかかりつけ医の先生のところで週 1 回のペグインターフェロン注射をしていただきます 和医大病院では月に1 回定期検査を受けていただき 治療が順調にすすんでいるのかの確認をさせていただきます 日常の相談などは まずかかりつけ医にご相談ください
もくじ 主治医の役割 日常生活について 治療スケジュールについて よくみられる副作用について 特に注意が必要な副作用について 治療中に注意すること ひとりで悩まないで 連絡メモ 肝炎インターフェロン地域連携パス ( 患者用 )
主治医の役割 和歌山県立医科大学附属病院では インターフェロン治療導入初期は 1 週毎に通院していただき 血液検査とペグインターフェロン注射 リバビリンの処方を行います その後状態が安定すれば (9 週目以降 ) 和医大病院への通院は一ヶ月毎になり 注射と定期検査 診療を受けていただきます その結果は かかりつけ医に報告いたします かかりつけ医では インターフェロン療法の導入が終了したあと (10 週目以降 ) 病状の安定した方はかかりつけ医の先生のところで 週 1 回のペグインターフェロン注射をうっていただきます また 風邪を引いたり 熱が出たときなど 日頃の診療と治療を行っていただきます
日常生活について 1. 安静と運動 昔から肝臓病では安静が大切とされてきました しかし 慢性肝炎では安静にしすぎると体力がおちてしまうため 最近ではできるだけふつうの生活をした方がよいと考えられるようになりました 体力保持のためにはむしろ適度の運動が勧められます 1 日 30 分程度の散歩で毎日 続けることが大切です ただし AST(GOT) ALT (GPT) が高いときは安静が必要です また 副作用で食欲がなく調子が優れないときは無理をしないようにしてください 2. 食事穀類を中心に野菜を多くとってください バランスよく 1 日 3 食生活のリズムにあわせて摂りましょう 脂肪はとりすぎないようにしてください タンパク質は動物性 ( 肉など ) よりも植物性 ( 大豆 豆腐など ) のものを多く摂ってください 3. アルコール 肝臓が悪い人は飲酒できません
4. 風呂 熱い風呂 長風呂は避けてください 5. 旅行 治療に無理のないスケジュールであれば 旅行は可能です 無理のないプランで お薬を忘れないようにしてください 6. 感染予防 C 型肝炎ウイルスは血液を介して感染します しかし 血液中のウイルスの量が非常に尐なく 日常生活の中で他の人に感染することはほとんどありませんが 念のため下記のようなことに注意しましょう 血液や分泌物がついたものは しっかりくるんで捨てるか 流水でよく洗ってください 傷 鼻血などはできるだけ自分で手当てし 手当てを受ける場合は 手当てする人に血液や分泌物がつかないよう注意をしてください ただし 血液がついても洗い流せば問題ありません カミソリ 歯ブラシなど血液がつく可能性のあるものは他の人と共用にしないでください 乳幼児に口うつしでものを食べさせないでください 献血はしないでください
治療スケジュールについて 1. ペガシス単独 ペガシス単独週 1 回 24~48 週間 皮下注射をおこないます 投与量 投与期間については 和医大病院の担当医師が指示させていただきます 2. ペガシス / コペガス 3. ペグイントロン / レベトール ペグインターフェロン ( ペガシス ペグイントロン ) リバビリン ( コペガス レベトール ) の併用療法については 下記の日程で投与します 24 週 ~ 投与を終了する時期は 治療効果により決まります
服用時の注意点 1. 指示された薬は忘れずに服用しましょう病院で処方された薬は 治療に必要なものです 薬を服用するように担当医師から指示された場合には 指示通りに忘れずに正しく服用してください 飲み忘れた場合飲み忘れた分をとばして ( 服用せず ) 次の分からお飲みください 絶対に2 回分を一度に飲まないでください 飲んだか 飲まなかったかわからない場合念のため飲まないようにしてください まちがえて多く飲んでしまったり副作用が現れた場合担当医師に相談してください
よくみられる副作用について 注射部位の反応注射部位が赤く腫れたり 痛みやかゆみを感じることがありますが 通常 1~2 日 長くても 3 週間程度で治まります インフルエンザ様症状発熱 悪寒 全身倦怠感 頭痛 関節痛などの症状をほとんどの患者さんが経験します 3~4 日で治まることが多いようです 食欲不振 吐き気などの消化器症状食欲不振や吐き気 腹痛 下痢 便秘などの症状が続く場合があります 2~3 週間で軽くなりますが 食欲不振が強いときは 好物を中心にした食事にしたり間食を上手に利用しましょう 発疹 かゆみなどの皮膚症状治療初期からみられる副作用です 抗ヒスタミン薬 抗アレルギー薬や軟膏などを使用して治療される場合があります 主治医にご相談ください 脱毛治療開始 2 ヶ月目くらいから頭髪の抜けが目立ちはじめ 数ヶ月続くことがあります 通常治療終了後 6 ヶ月以内に元に戻ります
特に注意が必要な副作用について 間質性肺炎乾咳が続く 微熱がある 息切れがしやすいなど治療開始から 2 ヶ月目以降に見られることがあります 小柴胡湯という漢方薬の服用で起こりやすくなるとされていますので 治療中は服用しないようにしてください 症状があればすぐに主治医に相談をしてください うつ症状などの精神神経症状治療開始から数週間すぎた時期にみられやすく 注意が必要です 不眠が続く いらいらする 気分が落ち込むなどの症状がみられるときは 早めに主治医に相談をしてください 心臓病の症状や糖尿病の悪化脈の乱れや心臓の働きが悪くなることがあります 治療開始から数週間でみられやすいものです 症状がみられたらすぐに主治医に連絡をして適切な処置を受ける必要があります 甲状腺機能異常治療開始から 2 ヶ月目以降にみられることがあります 甲状腺機能亢進症 ( 動悸 汗をかきやすい ) と甲状腺機能低下症 ( からだがだるい むくみ ) があります すぐに主治医に相談をしてください 目の症状治療開始から 2~3 ヶ月過ぎた時期にみられやすく 網膜の血行障害によるものです 自然に治りますが 高血圧や糖尿病がある人は特に注意が必要です 定期的な目の検査が重要です 症状に気づいたら すぐに主治医に連絡をして 適切な処置を受けてください
治療中に注意すること 妊娠する可能性のある女性の患者さんおよびパートナーの方が妊娠する可能性がある男性の患者さんは 治療中および治療終了後 6ヶ月間は必ず避妊してください 男性の患者さんのパートナーの方が妊婦または妊娠している可能性がある場合は 必ずコンドームを使用してください 万一 妊娠した疑いのある時は すぐに主治医に相談をしてください 予想される副作用をよく理解してください わからないことや心配なことがあれば いつでも遠慮なく主治医 看護師 薬剤師におたずねください 他の診療科 他の病院を受診する時 かかりつけ医 和歌山県立医科大学附属病院の医師に 他の診療科 他の病院を受診することを伝えて下さい 他の診療科 他の病院へは 服用中の薬について知らせてください
医療費について インターフェロン治療の医療費助成制度があります 肝炎インターフェロン治療について 世帯の所得に応じて月あたりの医療費が軽減されます 以下の書類が必要になりますので 詳しくはお近くの保健所にお問い合わせください 1 肝炎治療受給証交付申請書 2 医師の診断書 3 あなたの氏名が記載された被保険者証等の写し 4 あなたの属する世帯全員について記載のある住民票の写し 5 市町村民税課税年額を証明する書類 自己負担額は 原則 1 万円 ( 上位所得世帯は 2 万円 ) インターフェロン治療において 医学的に効果が高いと認められる 方は 2 回目の制度利用が可能となります
ひとりで悩まないで 肝疾患相談支援センター ウイルス性肝炎 (C 型 B 型肝炎 ) の患者様が早期に適切な治療を受けられるようにお手伝いをする窓口です 患者様の病気の悩みや治療の不安 日常生活の注意点 医療費助成制度などの相談を無料でお受けしております 予約受付 : 電話 073-441 0850( 直通 )( 月 ~ 金曜日 9 時 ~16 時 ) FAX 073-441-0851 e メール kansien@wakayama-med.ac.jp FAX e メールの場合は予約日時調整後 返信いたします 相談曜日 : 月曜日 水曜日 9 時 ~16 時相談方法 : 面接 ( 予約制 無料 ) 相談は面談のみ 電話 FAX での相談不可 地域連携室 地域の医療機関との医療連携を進め 患者さんに安心して受診していただくため 地域医療機関の先生がたと和歌山県立医科大学附属病院とのスムーズな連絡 連携の窓口としての役割を果たしています また 病気になると健康な時にはなかったような問題や心配事が起こってきます 医療や福祉に関する疑問 療養中の不安や心配事などについて専門の相談員 ( 医療ソーシャルワーカー 看護師 ) がご相談に応じます 相談時間 : 8 時 45 分 ~17 時 30 分 ( 月 ~ 金曜日 ) 電話番号 :073-447-2300( 代表 ) 073-441-0778( 地域連携室直通 ) 相談内容については 秘密を厳守します 相談は無料です
連絡メモ