社労士講座 資格の大原 年金克服 得点アップセミナー第 1 回目 ( 年金克服 得点アップセミナー 全 3 回 ) 第 1 回 国民年金法 第 2 回 厚生年金保険法 第 3 回 確認テスト 社労士試験の最大の難関は 年金科目 です これは 1 仕組みについて理解が必要であるこ と 2 他の科目に比べて経過措置が多く情報量が膨大であることにあります ただし 本試験において問われていることは 基本的事項 であり 決して難しい科目では ありません 基本的事項 を理解しつつ 正確に記憶に留めることができれば十分に合格点を 取ることができます 本セミナーでは暗記しただけでは対応することができない 年金科目 に焦点を当て 年金科目に対する苦手意識の克服と得点力のアップを図ります 本セミナーで使用する問題は 過去本試験問題に大原のオリジナル問題を加え編集したものとなります 問題文中の マークは オリジナル問題 であることを表しています
国民年金法 問題 問 1 次の記述のうち 誤っているものはいくつあるか ア老齢基礎年金は 保険料納付済期間又は保険料免除期間 ( 学生納付特例による保険料免除期間を除く ) を有する者が65 歳に達したときに その者に支給する ただし その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間 ( 合算対象期間を含む ) が10 年に満たないときは この限りでない イ保険料納付済期間には 督促及び滞納処分により保険料が納付された期間を含む ウ保険料納付済期間には 保険料の一部免除の規定により その一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき その残余の額が納付又は徴収されたものは含まない エ任意加入被保険者としての被保険者期間のうち保険料を納付した期間は 保険料半額免除期間とされる オ第 1 号被保険者としての被保険者期間のうち 法定免除 申請全額免除及び学生納付特例により免除された保険料に係る期間は 保険料全額免除期間とされる ただし 保険料の追納の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除く A (1つもない) B (1つ) C (2つ) D (3つ) E (4つ) 問 2 次の記述のうち 誤っているものはどれか A 合算対象期間は 老齢基礎年金の支給要件 ( 受給資格期間 ) に算入され る B 日本国内に住所を有さず かつ 日本国籍を有していた期間 (20 歳に達した日の属する月前の期間及び60 歳に達した日の属する月以後の期間に係るものを除く ) のうち 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 61 年 3 月 31 日までの期間に係るものは合算対象期間とされる C 被用者年金制度加入者の配偶者が 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 61 年 3 月 31 日までの間で 20 歳以上 60 歳未満の期間のうち 国民年金に加入しなかった期間は 合算対象期間とされる -1-
D 昭和 36 年 4 月 1 日から平成 3 年 4 月 1 日前の間に20 歳以上 60 歳未満の学生であった者が 当時任意加入であったため加入していなかった期間は合算対象期間とされる E 国会議員であったために国民年金の適用を除外されていた昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 55 年 3 月 31 日までの期間は 合算対象期間とされない 問 3 次の記述のうち 誤っているものはどれか A 第 2 号被保険者としての被保険者期間のうち20 歳未満及び60 歳以上の期間は 合算対象期間とされる B 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 61 年 3 月 31 日の間の20 歳未満又は60 歳以上の厚生年金保険の被保険者期間は 合算対象期間とされる C 学生等の納付特例を受けた期間又は30 歳未満の若年者の保険料納付猶予を受けた期間は 老齢基礎年金及び寡婦年金の年金額の算定対象から除外される D 老齢基礎年金の年金額の計算において 保険料半額免除月数は480か月から保険料納付済月数及び保険料 4 分の1 免除月数を控除した月数を限度とし この限度を超える保険料半額免除月数は4 分の1とする E 老齢基礎年金又は障害基礎年金の受給権者がその権利を取得した当時 その者によって生計を維持している18 歳に達する日以後の最初の3 月 31 日までの間にある子がいるときには 老齢基礎年金又は障害基礎年金の額にその子の数に応じた額が加算される 問 4 次の記述のうち 正しいものはいくつあるか ア特別支給の老齢厚生年金の支給を受けていた者は 老齢基礎年金の繰下げの申出をすることはできない イ寡婦年金の受給権者であった者は 老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることはできない ウ 66 歳に達した日後に他の年金給付の受給権者となった者が 他の年金給付を支給すべき事由が生じた日以後は 老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることはできない エ老齢基礎年金の受給権を有する者が 65 歳に達したときに 共済組合の退職共済年金の受給権者であるときは 老齢基礎年金の支給繰下げの申出はできない -2-
オ障害基礎年金の支給を受けていたが支給停止となり65 歳に達して失権した者並びに遺族厚生年金の受給権者は 老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることはできない A (1つもない) B (1つ) C (2つ) D (3つ) E (4つ) 問 5 次の記述のうち 誤っているものはどれか A 65 歳に達した日に老齢基礎年金の受給権を取得した者 ( 昭和 16 年 4 月 2 日以後に生まれた者に限る ) が 68 歳に達した日に支給の繰下げの申出をしたときは 老齢基礎年金の年金額は 16.8% 増額される なお 当該老齢基礎年金の受給権者は 67 歳に達した日に障害厚生年金の受給権を取得しているものとする B 老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは 当該年金の受給権を取得した日の属する月から当該申出を行った日の属する月までの月を単位とする期間に応じて一定率の加算をした額が支給される C 老齢基礎年金の支給繰上げの請求をする者が 老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる場合は 同時に老齢厚生年金の支給繰上げの請求を行わなければならない D 国民年金の任意加入被保険者については 生年月日にかかわらず老齢基礎年金の支給繰上げ請求をすることはできず また繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は 任意加入被保険者になることができない E 繰上げ支給の老齢基礎年金は 国民年金法の附則において当分の間の措置と規定されている -3-
年金克服 得点アップセミナー第 1 回目 1 老齢基礎年金と旧法の老齢給付との適用関係 選 15(S60 法附則 31 条 ) 老齢基礎年金は 原則として 大正 15 年 4 月 1 日以前に生まれた者 ( 昭和 60 年改正法の施行日 ( 昭和 61 年 4 月 1 日 ) の前日において60 歳以上の者 ) には 支給されない つまり 大正 15 年 4 月 2 日以後に生まれた者 ( 昭和 61 年 4 月 1 日の前日において60 歳未満の者 ) が 老齢基礎年金の支給対象となる 2 支給要件 ( 法 26 条 法附則 9 条 1 項 ) 1 支給対象者保険料納付済期間又は保険料免除期間 ( 学生納付特例による保険料免除期間を除く ) を有する者であること 2 受給資格期間ア原則保険料納付済期間 + 保険料免除期間 =25 年以上であることイ特例 ( アの期間が25 年に満たない場合 ) 保険料納付済期間 + 保険料免除期間 + 合算対象期間 =25 年以上であること 3 支給開始年齢 65 歳に達したこと -4-
ホ イント 1.1 支給対象者とならない者学生納付特例による保険料免除期間のみを有する者や 合算対象期間のみを有する者は 支給対象者とならない 2.2 受給資格期間 例 Ⅰ 受給資格期間には 学生納付特例による保険料免除期間が含まれる 2 年 20 年 18 年学免納付済合算対象 20 歳 60 歳 上記の場合 保険料納付済期間を有するので 1 支給対象者に該当する また 2 受給資格期間は保険料納付済期間と学生納付特例の期間のみでは25 年に満たないが 合算対象期間を加えると40 年となるので 受給資格期間を満たす 結果 65 歳から老齢基礎年金 (20 年分の額 ) が支給される 例 Ⅱ 2 年 38 年学免合算対象 20 歳 60 歳 上記の場合 1 支給対象者に該当しないため 老齢基礎年金は支給されない 3.3 支給開始年齢原則として65 歳であるが 支給開始年齢を遅らせる代わりに年金額を増額させる 支給の繰下げ の制度と 支給開始年齢を早める代わりに年金額を減額させ る 支給の繰上げ の制度がある -5-
3 1 保険料納付済期間 昭和 61 年 4 月 1 日以後の期間 ( 法 5 条 2 項 S60 法附則 8 条 4 項 ) 1 第 1 号被保険者 ( 任意加入被保険者を含む ) としての被保険者期間のうち 保険料を納付した期間 2 第 2 号被保険者としての被保険者期間のうち 20 歳以上 60 歳未満の期間 3 第 3 号被保険者としての全ての被保険者期間 ホ イント 1 保険料 1. 滞納処分により徴収された保険料も含まれる 2. 申請 4 分の3 半額 4 分の1 免除によりその一部の額が免除された保険料につき その残余の額のみが納付又は徴収されたものは除かれる 2 昭和 61 年 4 月 1 日前の期間 (S60 法附則 8 条 1 項 2 項 4 項 ) 1 国民年金法の保険料納付済期間 2 昭和 36 年 4 月 1 日以後の厚生年金保険 船員保険の被保険者期間 共済組合の組合員期間のうち 20 歳以上 60 歳未満の期間 -6-
4 保険料免除期間 1 昭和 61 年 4 月 1 日以後の期間 ( 法 5 条 3 項 ~7 項 ) 1 保険料全額免除期間 2 保険料 4 分の3 免除期間 3保険料半額免除期間及び4保険料 4 分の1 免除期間を合算した期間 ホ イント 1 2 3 4 保険料全額免除期間 第 1 号被保険者としての被保険者期間であって 法定免除 申請全額免除及び学生納付特例の規定により免除された保険料に係る期間 保険料 4 分の 3 免除期間 第 1 号被保険者としての被保険者期間であって 申請 4 分の3 免除の規定によりその4 分の3の額につき免除された保険料 ( 免除された4 分の 3の額以外の4 分の1の額につき納付されたものに限る ) に係る期間 保険料半額免除期間 第 1 号被保険者としての被保険者期間であって 申請半額免除の規定に よりその半額につき免除された保険料 ( 免除された半額以外の半額につき納付されたものに限る ) に係る期間 保険料 4 分の 1 免除期間 第 1 号被保険者としての被保険者期間であって 申請 4 分の1 免除の規定によりその4 分の1の額につき免除された保険料 ( 免除された4 分の 1の額以外の4 分の3の額につき納付されたものに限る ) に係る期間 追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除く ホ イント追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間追納により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間は 保険料納付済期間とされる -7-
5 1 合算対象期間 合算対象期間とはホ イント受給資格期間の25 年の要件を計算する場合には合算されるが 年金額の計算の基礎とはならない期間をいう 合算対象期間 国民年金に任意加入しなかった期間 国民年金に加入できなかった期間 被用者年金制度の加入期間 4 5 6 2 3 受給資格期間 (25 年 ) に算入される 老齢基礎年金の年金額には反映されない 試験対策上確認すべきポイント 対象年齢合算対象期間になる期間いつからいつまでア任意未加入 - 2 イ学生で任意未加入平成 3 年 3 月 31 日ウ在外邦人昭和 61 年 3 月 31 日 エ日本国籍を取得し 20 歳以上た人の在日期間 60 歳未満昭和 36 年 4 月 1 日 3 昭和 56 年 12 月 31 日 オ日本国籍を取得した人の海外在住期間 国籍取得日前日 カ 国会議員 60 歳未満 昭和 55 年 3 月 31 日 4 キ被用者 20 歳前 - 60 歳以後 5 ク旧脱退手当金全年齢 -8-
2 国民年金に任意加入しなかった期間 ( 法附則 7 条 1 項 ) 1 昭和 61 年 4 月 1 日以後の期間国民年金に任意加入できる期間のうち 任意加入しなかった20 歳以上 60 歳未満の期間 ホ イント 任意加入できる期間 とは 選 16 1. 平成 3 年 3 月 31 日以前の学生の期間 (H1 法附則 4 条 1 項 ) 2. 被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者に該当する期間 3. 日本国籍を有する者が日本国外に住所を有している期間学生 H3.3.31 合算対象期間 任意加入しなかった期間 強制適用 (S60 法附則 8 条 5 項 1 号 ) 2 昭和 61 年 4 月 1 日前の期間国民年金に任意加入できる期間のうち 任意加入しなかった期間 ホ イント 任意加入できる期間 とは 厚生年金保険 船員保険 共済組合の加入者の配偶者 学生等であった期間のうち 日本国内に住所を有する20 歳以上 60 歳未満の期間である サラリーマンの妻 S61.3.31 合算対象期間 任意加入しなかった期間 保険料納付済期間 第 3 号被保険者期間 -9-
3 国民年金に加入できなかった期間 (S60 法附則 8 条 5 項 2 号 ) 1 旧国民年金法による任意脱退の期間昭和 60 年改正前の旧国民年金法の規定により 都道府県知事による任意脱退の承認を受けて被保険者とされなかった期間 (S60 法附則 8 条 5 項 8 号 ) 2 国会議員の期間国会議員であった期間 ( 60 歳未満の期間に限る ) のうち 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 55 年 3 月 31 日までの期間 S36.4.1 S55.3.31 S61.4.1 合算対象期間 国会議員 任意加入可能 未加入ならば 2 2 強制適用 (S60 法附則 8 条 5 項 9 号 ) 3 日本人の国外在住期間日本国内に住所を有さず かつ 日本国籍を有していた期間のうち 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 61 年 3 月 31 日までの20 歳以上 60 歳未満の期間 S36.4.1 S61.3.31 合算対象期間 国外在住 任意加入可能 未加入ならば 2 1-10-
4 日本国籍を取得した外国人の国内在住期間 (S60 法附則 8 条 5 項 10 号 ) 昭和 36 年 5 月 1 日以後の20 歳以上 65 歳未満である間に日本国籍を取得した者の日本国内に住所を有していた期間のうち 日本国籍を有していなかったため被保険者とならなかった昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 56 年 12 月 31 日までの 20 歳以上 60 歳未満の期間 S36.4.1 S56.12.31 S61.4.1 国籍取得 合算対象期間 強制 適用 国内在住 4 昭和 61 年 4 月 1 日以後の第 2 号被保険者の期間 ( 法附則 7 条 ) 第 2 号被保険者としての被保険者期間のうち 20 歳前の期間及び60 歳以後の 期間 20 歳 60 歳 合算対象期間 保険料納付済期間 合算対象期間 第 2 号被保険者期間 -11-
6 年金額 1 老齢基礎年金の額 解説 老齢基礎年金の額は フルペンション減額方式がとられている すなわち 保険料納付済期間の月数を480か月分有する者については満額が支給され 480か月に満たない者については 満たない期間に相当する分の年金額が減額された額が支給される 2 保険料納付済期間の月数が 480 であるときの年金額 780,900 円 改定率 ( 法 27 条 ) ホ イント改定率物価や賃金水準の変動を年金額に反映させ その実質的価値を維持するために乗じる率である 詳細は後述する -12-
3 保険料納付済期間の月数が 480 に満たないときの年金額 ( 法 27 条 ) 老齢基礎年金の額は 保険料納付済期間の月数が 480 に満たない者に支給す る場合は 2 の額に 以下に掲げる月数を合算した月数 (480を限度とす る ) を480で除して得た数を乗じて得た額とする 1 保険料納付済期間の月数 2 保険料 4 分の1免除期間の月数 (480から保険料納付済期間の月数を控除して得た月数を限度とする ) の8 分の7に相当する月数 3 保険料半額免除期間の月数 (480から保険料納付済期間の月数及び保険料 4 分の1 免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする ) の4 分の3に相当する月数 4 保険料 4 分の3 免除期間の月数 (480から保険料納付済期間の月数 保険料 4 分の1 免除期間の月数及び保険料半額免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする ) の8 分の5に相当する月数 5 保険料全額免除期間 ( 学生納付特例の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く ) の月数 (480から保険料納付済期間の月数 保険料 4 分の1 免除期間の月数 保険料半額免除期間の月数及び保険料 4 分の3 免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする ) の2 分の1に相当する月数 -13-
概要 保険料納付済期間が 480 に満たないときの年金額 1 保険料納付済期間の月数 +2 保険料 4 分の1 免除期間の月数の8 分の7 2 の年金額 +3 保険料半額免除期間の月数の4 分の3 +4 保険料 4 分の3 免除期間の月数の8 分の5 +5 保険料全額免除期間の月数の2 分の1 学生納付特例による免除期間を除く 480 ホ イント 学生納付特例により免除された期間 学生納付特例により免除された期間に係る保険料については 保険料の追納があった場合には その追納があった期間について保険料納付済期間として年金額の計算の基礎とされるが 追納がない場合には 年金額の計算の基礎とされない 参考 被保険者期間の月数が 480 か月を超える場合 国庫負担は 被保険者期間の月数 480 を限度として行われるため 480 か月を超える部分 に係る保険料 4 分の 1 免除期間は 8 分の 3 保険料半額免除期間は 4 分の 1 保険料 4 分の 3 免除期間は 8 分の 1 と評価され 保険料全額免除期間は年金額に反映されない 国庫負担保険料 1 納付済 8 分の8 21/4 免除 8 分の 7 (480 月超 ) 8 分の 3 3 半額免除 4 分の 3 (480 月超 ) 4 分の 1 43/4 免除 8 分の 5 (480 月超 ) 8 分の 1 5 全額免除 2 分の 1 (480 月超 ) 反映されない -14-
7 支給の繰下げ 頻 出 1 支給の繰下げ ( 法 28 条 1 項 3 項 ) 1 65 歳に達したことにより老齢基礎年金の受給権を有すること 2 66 歳に達する前に当該老齢基礎年金を裁定請求していなかったこと 上記 1 2のいずれにも該当する者は 厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる 支給の開始 申出のあった日の属する月の翌月から その支給が開始される 年金額 原則の額に一定額を加算した額が生涯にわたって支給される ホ イント 65 歳到達時点で老齢基礎年金の受給権を取得しなかった場合 老齢基礎年金の受給資格期間を満たさないことにより65 歳に達した日において老齢基礎年金の受給権を取得しなかった者であっても その日以後 受給資格期間を 満たし老齢基礎年金の受給権を取得した場合は その受給権を取得した日から起算 して1 年を経過した日前に裁定請求をしないことによって 老齢基礎年金の支給の 繰下げの申出をすることができる (S60 法附則 18 条 5 項 ) 65 歳 受給権取得 66 歳 裁定請求せず 1 年 繰下げ申出可能 -15-
2 他の年金給付の受給権を有する者等選 21 ( 法 28 条 1 項 2 項 ) 1 2 3 65 歳に達した日から66 歳に 65 歳に達したときに 66 歳に達した日後達した日までの間において 以下の受給権者であった 以下の受給権者となった 1 他の年金給付 ( 付加年金を除く ) 2 被用者年金各法による年金たる給付 ( 老齢又は退職を支給事由とするものを 除く ) 支給繰下げの申出をすることができない 上記 12の給付を支給すべき事由が生じた日 ( 受給権者となった日 ) 以後 支 給繰下げの申出をしたときは 1 の 支給の開始 の規定を適用する場合を除 き 受給権者となった日において 支給繰下げの申出があったものとみなされ る 解説 366 歳に達した日後に年金受給権者となった場合老齢基礎年金の繰下げ支給を受けるために裁定請求の手続をしていなかった場合であって 66 歳以後に他の年金の受給権が発生した場合には その年金給付の受給権が発生した時点までの支給繰下げが認められることになる 繰下げによる増額あり 本来支給の老齢基礎年金 65 歳 66 歳 67 歳 ホ イント -16- 他の年金受給権 特別支給の老齢厚生年金の支給を受けていた場合 特別支給の老齢厚生年金の支給を受けていた者であっても 老齢基礎年金の支給 繰下げの申出をすることができる
3 支給繰下げの際に加算する額 ( 法 28 条 4 項 ) 老齢基礎年金の額 増額率 ホ イント増額率の原則 ( 令 4 条の 5) 昭和 16 年 4 月 2 日以後に生まれた者に係る増額率は 月単位で算定される 当該年金の受給権を取得した日の属する月 から 当該年金 7/1000 の支給の繰下げの申出をした日の属する月の前月 までの月数 当該月数が60を超えるときは 60 例 増額率の計算 受給権を取得した日 :65 歳に達した日 繰下げの申出をした日 :68 歳に達した日 36か月 65 歳 68 歳受給権取得繰下げ申出 計算式増額率 7/1000 36 = 25.2% -17-
8 支給の繰上げ 頻 出 1 支給の繰上げ 選 21 ( 法附則 9 条の 2 法 18 条 1 項 ) 1 60 歳以上 65 歳未満である者であること 2 請求があった日の前日において 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている者であること 3 原則として被保険者でないものであること 上記 1~3のいずれにも該当する者は 当分の間 厚生労働大臣に老齢基礎年金の支給繰上げの請求をすることができる 受給権の発生時期 支給繰上げの請求があったときは その請求があった日から 老齢基礎年金が支給される 支給の開始 請求があった日の属する月の翌月から その支給が開始される 年金額 原則の額から一定額を減額した額が生涯にわたって支給される 2 支給繰上げの請求をすることができない被保険者選 21 ( 法附則 9 条の2 第 1 項 H6 法附則 7 条 1 項 ) 1 2 任意加入被保険者昭和 16 年 4 月 1 日以前に生まれた第 2 号被保険者 ホ イント支給繰上げの請求をすることができる被保険者 60 歳以上で国民年金の被保険者とされるのは 任意加入被保険者と第 2 号被保険者であるが このうち支給繰上げの請求をすることができるのは 昭和 16 年 4 月 2 日以後に生まれた第 2 号被保険者に限られる -18-
3 支給繰上げの際に減ずる額 ( 法附則 9 条の 2 第 4 項 ) 老齢基礎年金の額 減額率 ホ イント減額率の原則 ( 令 12 条の2) 昭和 16 年 4 月 2 日以後に生まれた者に係る減額率は 月単位で算定される 5/1000 当該年金の支給の繰上げを請求した日の属する月 から 65 歳に達する日の属する月の前月 までの月数 4 支給繰上げの効果 1 65 歳に達している者と同様に扱われる ホ イント上記 1 の観点からの効果 ( 法附則 9 条の 2 第 5 項 9 条の 2 の 3) 1.65 歳未満であることが支給要件となっている障害基礎年金は支給されない (P122 127 128 131 参照 ) 2. その他障害による年金額の改定請求と支給停止の解除の規定は適用されない (P141 142 参照 ) 3. 寡婦年金は支給されない (P158 参照 ) 4. 寡婦年金の受給権を有する者が老齢基礎年金の繰上げ支給を受けたときは その寡婦年金の受給権は消滅する (P160 参照 ) 5 老齢厚生年金の支給繰上げの請求をすることができる場合 ( 法附則 9 条の2 第 2 項 ) 老齢基礎年金の支給の繰上げの請求は 老齢厚生年金 退職共済年金の支給繰上げの請求をすることができる者にあっては 当該請求と同時に行わなければならない -19-
国民年金法 解答 解説 問 1 次の記述のうち 誤っているものはいくつあるか 正解 C(2つ ) ア 法 26 条 老齢基礎年金は 保険料納付済期間又は保険料免除期間 ( 学生納付特例によ る保険料免除期間を除く ) を有する者が65 歳に達したときに その者に支給 する ただし その者の保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間 ( 合算対象期間を含む ) が 25 年 に満たないときは この限りでない イ 法 5 条 ウ 法 5 条 本肢の期間は 保険料免除期間として扱われる エ 法 5 条 法附則 5 条 任意加入被保険者としての被保険者期間のうち保険料を納付した期間は 保険料納付済期間 とされる オ 法 5 条 問 2 次の記述のうち 誤っているものはどれか 正解 E A 法附則 9 条 なお 合算対象期間は 老齢基礎年金の年金額の計算には算入されない B S60 法附則 8 条 C S60 法附則 8 条 D H1 法附則 4 条 S60 法附則 8 条 E S60 法附則 8 条 国会議員であった期間 (60 歳未満の期間に限る ) のうち 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 55 年 3 月 31 日までの期間は 合算対象期間とされる 問 3 次の記述のうち 誤っているものはどれか 正解 E A 法附則 7 条 B S60 法附則 8 条 なお 昭和 36 年 4 月 1 日から昭和 61 年 3 月 31 日の厚生年金保険の被保険者期 間のうち20 歳以上 60 歳未満の期間は 保険料納付済期間とされる C 法 27 条 50 条 学生納付特例期間及び若年者納付猶予期間については 老齢基礎年金の額及 -20-
び寡婦年金の額の計算の基礎に算入されず 当該期間に係る保険料につき追納があった期間に限り 保険料納付済期間として年金額に算入される D 法 27 条 保険料半額免除期間は 原則として保険料納付済期間の4 分の3と評価されるが 老齢基礎年金の給付費に係る国庫負担は480か月の被保険者期間をその上限として行われるので 480か月を超える被保険者期間に係る保険料半額免除期間は 保険料納付済期間の4 分の1 相当として 老齢基礎年金の額の計算の基礎に算入される E 法 27 条 33 条の2 老齢基礎年金には 子に係る加算はない 問 4 次の記述のうち 正しいものはいくつあるか 正解 A(1つもない ) ア 法 28 条 特別支給の老齢厚生年金の支給を受けていた者であっても 老齢基礎年金の支給繰下げは可能である イ 法 28 条 寡婦年金の受給権者であった者であっても 老齢基礎年金の繰下げ支給を受けることはできる ウ 法 28 条 66 歳に達した日後に他の年金給付 ( 付加年金を除く ) の受給権者となった者は 当該年金給付を支給すべき事由が生じた日以後であっても 老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができる この場合 受給権者となった日において 繰下げ支給の申出があったものとして加算額が算定される エ 法 28 条 老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができない者は 付加年金以外の年金給付又は老齢若しくは退職を支給事由とするもの以外の被用者年金各 法による年金たる給付の受給権者 であるので 退職共済年金の受給権者は 老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる オ 法 28 条 障害基礎年金の支給を受けていたが支給停止となり65 歳に達して失権した者は 65 歳に達した日に障害基礎年金の受給権を有していないので 老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることができる -21-
問 5 次の記述のうち 誤っているものはどれか 正解 B A 法 28 条 令 4 条の5 本肢においては68 歳の時点で繰下げの申出をしているが 67 歳の時点で障害厚生年金の受給権を取得しているため 増額率の計算については 当該障害厚生年金の受給権を取得したときに繰下げの申出をしたものとみな される したがって 本肢の場合の増額率は 1000 分の7に 65 歳に達した日の属する月から67 歳に達した日の属する月の前月までの月数 である 24 を乗じて算定した率 (16.8%) になる B 令 4 条の 5 老齢基礎年金の支給の繰下げの申出をしたときは 当該年金の受給権を取得 した日の属する月から当該申出をした日の属する月の 前月 までの月数 ( 当 該月数が60を超えるときは60) に応じて 一定率の加算をした額が支給される C 法附則 9 条の2 D 法附則 9 条の2 9 条の2の3 E 法附則 9 条の2-22-